特許第6208532号(P6208532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208532
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】キャップ及びキャップの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20170925BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B65D41/04 500
   B65D51/24 200
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-219187(P2013-219187)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-81116(P2015-81116A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】305060154
【氏名又は名称】ユニバーサル製缶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】山本 栄治
(72)【発明者】
【氏名】永澤 加奈子
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−044702(JP,A)
【文献】 特開2002−104479(JP,A)
【文献】 特開2013−203430(JP,A)
【文献】 特開2006−044703(JP,A)
【文献】 特開2006−096387(JP,A)
【文献】 特開2006−248531(JP,A)
【文献】 特開2003−155052(JP,A)
【文献】 特開2006−347600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面部と、該天面部の周縁から略垂下させてなる円筒部とを備えるキャップ本体に、前記円筒部の天面部近傍に周方向に間隔をあけて交互に配置される複数の凸部及び凹部からなるナール部が形成された金属製のキャップであって、前記凹部の少なくとも1つに、前記円筒部の内面に刻印されたマークが設けられ
前記マークは、前記キャップ本体を前記円筒部の周方向に沿って回転させて前記凸部と前記凹部とが交互に加工される回転成形時に形成される成形始まりの成形始端部と成形終わりの成形終端部とが重なるように加工されたオーバーラップ部を避けた位置に形成されていることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
天面部と該天面部の周縁から略垂下させてなる円筒部とを備えるキャップ本体に、前記円筒部の天面部近傍に周方向に間隔をあけて交互に配置される複数の凸部及び凹部からなるナール部が形成された金属製のキャップを製造する方法であって、
前記円筒部を成形する円筒部成形用の金型にマークの加工部を設けておき、
前記キャップ本体を前記円筒部の周方向に沿って回転させて前記凸部と前記凹部とを交互に加工する回転成形時に、前記凹部の成形と同時に前記マークを刻印することを特徴とするキャップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップが螺着されるねじを有する飲料用等の容器を密封するキャップ及びキャップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スチールやアルミニウム合金等からなる容器に装着されるキャップとして、金属製のキャップが用いられている。また、キャップには、不具合が生じた場合に不具合の原因を取り除く必要があることから、そのキャップを成形した金型を特定するため、予め識別マークを付すことが行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、キャップの天板周縁に連接して設けられるナールの一部に識別マークを設けることが提案されている。また、識別マークは、ナール部の一部にナール凸条の切欠位置及び切欠の数量ならびにこれらの組合せを変更して形成されており、これによってさまざまな情報量が得られることが記載されている。
このように、予めキャップに識別マークを付しておくことで、キャップに不具合が生じた際に、付された識別マークの情報によって、不具合の生じたキャップがどの装置(金型)によって作られたものかを直ちに判明させることができる。したがって、不具合が判明した装置の点検、修理等を直ちに行うことができ、性能が維持されたキャップを安定して製造することが可能となる。
【0004】
また、金属製のキャップではないが、特許文献2には、合成樹脂製キャップに識別マーク(キャッピングマーク)を付したものが開示されている。この特許文献2では、内容物の充填工場において容器に内容物が充填され、キャップを容器口部に装着する際に、識別マークがキャッピング機により付与されることとされており、内容物の詰め替え等の不正品や悪戯品を真正品と識別するために用いられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002‐104479号公報
【特許文献2】実開平6‐80660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2のように、キャップに識別マークを付すことにより、そのキャップに付された識別マークの違いによって各キャップを識別することが可能となる。
ところが、特許文献1に記載されるキャップにおいては、ナール凸条の切欠位置を変更する等しても、その変更部分と他の部分との違いはごく僅かであることから、円筒部の全周に形成されたナール凸条の中から変更部分を見つけることは容易ではない。また、複数の成形装置により成形される複数のキャップを識別するために、複数の凸部の位置を変更する必要があり、その結果、キャップ外観のデザイン性を損なうおそれがある。また、ナール部は、開栓時にキャップを握り易くするために設けられるものであるが、複数の凸部の位置を変更することによって、キャップを握った際に感じるグリップ感を損なうおそれもある。
さらに、特許文献2に記載される方法は、合成樹脂製のキャップに適用可能な方法であるので、金属製キャップに適用することは難しい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、金属製のキャップの開栓時のグリップ感及びキャップ外観のデザイン性を損なうことなく、成形装置ごとの識別を行うことが可能なキャップ及びキャップの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、天面部と、該天面部の周縁から略垂下させてなる円筒部とを備えるキャップ本体に、前記円筒部の天面部近傍に周方向に間隔をあけて交互に配置される複数の凸部及び凹部からなるナール部が形成された金属製のキャップであって、前記凹部の少なくとも1つに、前記円筒部の内面に刻印されたマークが設けられ、前記マークは、前記キャップ本体を前記円筒部の周方向に沿って回転させて前記凸部と前記凹部とが交互に加工される回転成形時に形成される成形始まりの成形始端部と成形終わりの成形終端部とが重なるように加工されたオーバーラップ部を避けた位置に形成されていることを特徴とする。
【0009】
キャップ本体の円筒部に複数の凸部及び凹部からなるナール部を設けることにより、キャップをしっかりと握り易くして開栓時のグリップ性を高めることが行われる。この場合、ナール部を形成する凹部は、開栓時において凸部への手のかかりが確保される程度に凹んだ形状とされていれば十分にグリップ性を発揮させることができ、その形態に正確性は要求されない。
この点、本発明のキャップにおいては、ナール部の凹部にマークを付与することとしているので、凸部の形態を損なうことなく、キャップの成形装置ごとの識別マークを設けることができる。また、前述したように、円筒部の内面にマークを付与することとしているので、キャップ外観のデザイン性を損なうことなく、識別マークを形成することができる。
なお、凹部のマークは、円筒部成形用の金型に加工部を設けておくことにより、円筒部の回転成形時に凹部の成形と同時に刻印することが可能である。このため、マークを付与するための作業工程を別途必要とせず、容易に設けることができる。
【0010】
転成形時に形成されるオーバーラップ部(二重加工部)においては、凹部の形状が重ねて加工されることから、他の部分に形成される凹部と比較して形状が崩れやすくなるが、識別マークを構成するマークはオーバーラップ部を避けた位置に設けることとしているので、明確に認識することができる。
また、本発明のキャップの製造方法は、天面部と該天面部の周縁から略垂下させてなる円筒部とを備えるキャップ本体に、前記円筒部の天面部近傍に周方向に間隔をあけて交互に配置される複数の凸部及び凹部からなるナール部が形成された金属製のキャップを製造する方法であって、前記円筒部を成形する円筒部成形用の金型にマークの加工部を設けておき、前記キャップ本体を前記円筒部の周方向に沿って回転させて前記凸部と前記凹部とを交互に加工する回転成形時に、前記凹部の成形と同時に前記マークを刻印する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、金属製のキャップ開栓時のグリップ感及びキャップ外観のデザイン性を損なうことなく、成形装置ごとの識別を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施形態のキャップを示す部分断面図である。
図2図1に示すキャップの要部断面図である。
図3】キャップの円筒部の加工を行うナーラーを説明する図である。
図4図3に示すナーラーの部分拡大図である。
図5図3に示すナーラーの部分拡大図であり、凸部成形を説明する図である。
図6図5に示すB‐B線に沿う要部断面図である。
図7図3に示すナーラーの部分拡大図であり、凹部成形を説明する図である。
図8図7に示すC‐C線に沿う要部断面図であり、(a)がフック部以外の凹部成形時、(b)がフック部を有する凹部の成形時を示す。
図9】マーク刻印時の凹部成形を説明するナーラーの部分拡大図である。
図10図9に示すD‐D線に沿う要部断面図である。
図11】キャップが取り付けられたボトル缶を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るキャップ及びキャップの製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のキャップ1は、図11に示すように、例えば38mm口径のアルミニウム又はアルミニウム合金製(金属製)のボトル缶2の口金部21に装着されて密栓するピルファープルーフキャップ(PPキャップとも称す。)となるものである。
【0014】
このキャップ1は、アルミニウム又はアルミニウム合金の板材をカップ状に成形したもので、図1及び図2に示すように、天面部41と、その天面部41の周縁から略垂下されてなる円筒部42とを備えるキャップ本体4と、そのキャップ本体4の内面に設けたライナ5とを有する。
【0015】
キャップ本体4の円筒部42には、図1に示すように、天面部41近傍に、周方向に間隔を空けて交互に配置される複数の凸部11及び凹部12からなるナール部13や、円筒部42の下端部に周方向に断続的に形成されたスリット43、アッパーグルーブ部44、パネル部45等の形状が、回転成形(ロールフォーミング)により形成されている。
回転成形では、図3に示すようなナーラー6を用いて、固定側のアウターツール61の外周面に沿って、キャップ本体4を装着した可動側のインナースピンドル62を転がしながら移動させ、アウターツール61とインナースピンドル62との間にキャップ本体4の円筒部42を挟み込むことによって成形を行う。
【0016】
また、キャップ本体4の円筒部42は、図1に示すように、その下端部に周方向に断続的に形成されたスリット43を介して筒上部46と筒下部47の上下に分割された構成とされ、隣接するスリット43間に形成される複数のブリッジ43aによって、筒上部46と筒下部47とを連結した形状とされる。
そして、凸部11及び凹部12によって、円筒部42(筒上部46)の外周面に凹凸表面のナール部13が形成されており、開栓時にキャップ1を保持する指との間に摩擦抵抗を増大させることができる。このナール部13の凸部11は、図1及び図2に示すように、凹部12と交互に設けられることにより半径方向外方に突出して設けられており、この凸部11が開栓時に手に食い込むことによってキャップ1をしっかりと握ることができる。したがって、使用者に高いグリップ感を与えることができ、使用者が手を滑らせることなくキャップ1を把持することが可能となり、使用者は、容易に開栓することが可能となる。
【0017】
また、凸部11と交互に設けられる凹部12の一部には、凹部12を周方向に切断してなる開口部14を有するフック部15が適宜形成されており、これらフック部15に係止されることによりライナ5がキャップ本体4の内面に設けられる。
【0018】
また、キャップ1においては、キャップ1が成形される設備を区別するための識別マークが、凹部12の円筒部42の内面に設けられる。この識別マークは、複数設けられる凹部12の少なくとも1つにおいて、図2に示すように、円筒部42の内面に、文字、記号、図形又は符号等のマーク12aを刻印することによって設けられる。なお、マーク12aは、フック部15を有しない凹部12に設けられる。この識別マークの詳細については、後述する。
【0019】
凹部12に設けられるフック部15は、円筒部42の周方向に沿って形成した切り込みの下方部分を半径方向内方に押し込むことによって形成されており、半径方向内方に山形(V字状)に突出形成されている。そして、切り込みが開くことにより、開口部14が形成されている。
【0020】
このフック部15の上端面は、図1に示すように、少なくともライナ5の厚さ分だけ天面部41の内面から離れた位置に形成されている。そして、ライナ5は、フック部15の上端面と天面部41の内面との間に配置されることにより、キャップ本体4に取り付けられる。
なお、開口部14は、キャップ1がブリッジ43aを破断しつつ回転操作された際、ボトル缶2の内部のガスを外部に放出するためのベントホールとして機能する。また、ライナ5の厚みやライナ5を構成する摺動層51の外径、密封層52の外径等は、キャップ本体4の寸法に応じて決定される。
【0021】
そして、ライナ5は、ボトル缶2のキャップ1による閉止時に口金部21に当接し、ボトル缶2の内部を密封し得るように形成されており、キャップ本体4の天面部41の内面側に配置されている。
なお、ライナ5を構成する摺動層51は、ポリプロピレン等により円盤状に形成されている。また、密封層52は、摺動層51よりも軟質のエラストマー樹脂等により形成され、シール機能を有するものである。
【0022】
次に、本実施形態のキャップ1に形成される識別マークの詳細について説明する。
キャップ1には、ナール部13の凹部12に、各キャップの設備を特定する識別マーク(マーク12a)が設けられる。
具体的には、例えば図2に示すように、円筒部42の周方向に沿って複数設けられる凹部12のうち、少なくとも1つの凹部12において、その円筒部42の内面に、文字、記号、図形又は符号等のマーク12aを刻印することにより、キャップ1に識別マークを付与することとしている。なお、図2に示すキャップ1においては、「+(プラス)」の符号が刻印されており、この符号により設備を特定することができる。
【0023】
また、ナール部13を構成する各凹部12は、開栓時において凸部11への手のかかりが確保される程度に凹んだ形状とされていれば十分にグリップ性を発揮させることができることから、その形態に正確性は要求されない。
この点、キャップ1では、ナール部13の凹部12にマーク12aを付与することとしているので、識別マークの付与(凹部12へのマーク12aの刻印)によっては凸部11の形態を損なうことなく、凸部11を形成することができる。したがって、ナール部13により、開栓時のグリップ性を良好に維持することができる。
さらに、円筒部42の内面にマーク12aを刻印しているので、キャップ外観のデザイン性を損なうことなく、キャップ1に識別マークを付与することができる。
【0024】
また、マーク12aを有する凹部12や凸部11等の円筒部42に形成される形状は、上述したように回転成形によって形成される。
例えば、図3及び図4に示すナーラー6では、キャップ本体4を装着したインナースピンドル62を、アウターツール61に押し付けながら時計回りに回転させることによって、キャップ本体4がインナースピンドル62とともに回転させられ、円筒部42がアウターツール61とインナースピンドル62との間に挟まれて成形される。この際、円筒部42の全周を、隙間を残すことなく加工するために、成形始まりの成形始端部と成形終わりの成形終端部とが重なるように加工され、キャップ本体4の円筒部42の一部には、二重に加工されたオーバーラップ部(二重加工部)が形成される。
【0025】
また、図3から図10に示すインナースピンドル62に付された符号63は、凸部11を成形する凸部成形部であり、アウターツール61に付された符号65は、凹部12を成形する凹部成形部、符号66はアッパーグルーブ部44を成形するグルーブ成形部である。そして、図5及び図6に示すように、インナースピンドル62の凸部成形部63が、アウターツール61に対向する位置にあるときに、凸部成形部63はアウターツール61の逃げ部67に押し込まれた状態とされる。またその際に、円筒部42の凸部成形部63によって押し込まれた部分の両側が、図5に示すように、逃げ部67の両側の凹部成形部65によって押さえられることにより、半径方向外方に突出する凸部11が成形される。
【0026】
一方、図7及び図8(a)に示すように、インナースピンドル62の逃げ部64が、アウターツール61に対向する位置にあるときに、インナースピンドル62の逃げ部64とアウターツール61の凹部成形部65が対向する。そして、凹部成形部65が、インナースピンドル62の逃げ部64に押し込まれた状態とされる。この際、円筒部42の凹部成形部65によって押し込まれた部分の両側が、図7に示すように、逃げ部64の両側の凸部成形部63によって押さえられることにより、半径方向内方に突出する凹部12が成形される。
【0027】
また、インナースピンドル62には、図9及び図10に示すように、逃げ部64とは異なり、凹部12の成形時に円筒部42の内面を受ける受け部69が少なくとも1箇所設けられている。受け部69には、円筒部42との当接面に、マーク12aの刻印用の加工部69aが形成されており、凹部成形部65によって押し込まれた部分の円筒部42が、凹部成形部65と受け部69とによって押圧されることにより、凹部12の成形と同時にマーク12aの刻印がなされる。
【0028】
なお、アウターツール61には、凹部成形部65とは別に、図8(b)に示すように、フック部15を有する凹部12を成形するフック部成形部68が設けられている。そして、インナースピンドル62の逃げ部64と、アウターツール61のフック部成形部68が対向する位置において、円筒部42がフック部成形部68によって半径方向内方に押し込まれることにより、フック部15が成形される。
【0029】
なお、円筒部42の加工では、図4に示すように、各凸部成形部63に付された符号〈1〉〜〈26〉の数字の小さい順にインナースピンドル62の各凸部成形部63がアウターツール61に対向するように回転移動して、各凸部11の形状を成形するとともに凹部12を成形し、円筒部42の周方向に沿って凸部11と凹部12との成形を交互に行う。そして、符号〈26〉の凸部成形部63がアウターツール61に対向する位置までインナースピンドル62が回転することにより、加工済みの円筒部42が、符号〈1〉〜〈7〉及び符号〈20〉〜〈26〉で示す凸部成形部63によって2回加工される。これにより、円筒部42の全周が隙間を残すことなく加工され、この符号〈1〉〜〈7〉と符号〈20〉〜〈26〉とで示す領域Aに、オーバーラップ部が形成される。
【0030】
この際、凹部12に設けられるマーク12aは、このオーバーラップ部(領域A)を避けた位置に配置することが望ましい。
回転成形時に形成されるオーバーラップ部(二重加工部)においては、凹部12の形状が重ねて加工されることから、他の部分に形成される凹部12と比較して形状が崩れやすくなる。このため、識別マークを構成するマーク12aを、オーバーラップ部を避けた位置に設けておくことで、マークの視認性を向上させることができる。
【0031】
なお、このように形成される上記のキャップ1をボトル缶2の口金部21に被せた状態でキャッピング加工を施すことにより、図11に示すように、キャップ1が口金部21に巻締められた状態で被着され、キャップ付ボトル缶3が製造される。
キャップ1のキャッピング加工は、プレッシャーブロック、ネジローラー、スカートローラー等からなるキャッピング装置を用いて行われる。すなわち、口金部21に被せたキャップ本体4の天面部41を、プレッシャーブロック(図示略)でボトル缶2の底部の方向に押圧し、この状態でプレッシャーブロックによる絞り加工を行うことでキャップ1の肩部に段差部58を形成する。
【0032】
さらに、この状態でネジローラー(図示略)によりキャップ側ねじ部56を形成し、スカートローラー(図示略)で口金部21の膨出部22にピルファープルーフ部57を巻きつけることで、キャッピング加工が行われる。この場合、キャップ1(キャップ本体4)が被着されるボトル缶2の口金部21には、ボトル側ねじ部23及び膨出部22が形成されており、ここに被せられたキャップ1は、ボトル側ねじ部23、膨出部22等の形状に沿うようにキャップ側ねじ部56及びピルファープルーフ部57が塑性変形される。これによって、キャップ1がボトル缶2の口金部21に装着され、ボトル缶2が密封状態とされて、キャップ付ボトル缶3が製造される。この際、キャップ本体4の天面部41の内側には、上述したようにライナ5が配置されており、そのライナ5によってボトル缶2の開口部がシールされる。
【0033】
このように構成されたキャップ付ボトル缶3において、キャップ1を開栓させるために回転させると、キャップ本体4のナール部13の凸部11が手に食い込むことによってキャップ1をしっかりと握ることができ、使用者に高いグリップ感を与えることができる。
また、キャップ1は、凹部12に識別マークを構成するマーク12aを付与することとしているので、凸部12の形態を損なうことなく、キャップ1の成形装置ごとの識別マークを設けることができる。さらに、前述したように、円筒部42の内面にマーク12aを付与することとしているので、キャップ外観のデザイン性を損なうことなく、識別マークを形成することができる。
したがって、キャップ開栓時のグリップ感及びキャップ外観のデザイン性を損なうことなく、キャップ1の成形装置ごとの識別を行うことが可能となる。
なお、凹部12のマーク12aは、上述したように、円筒部成形用の金型に加工部69aを設けておくことにより、円筒部42の回転成形時に凹部12の成形と同時に刻印することが可能である。このため、マーク12aを付与するための作業工程を別途必要とせず、容易に設けることができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、識別マークとして刻印するマーク12aを、「+」の符号により形成したが、これに限定されるものではなく、種々の形状のマークを採用することが可能である。文字、記号、図形又は符号等の形状の異なる複数のマークを用意することで、複数種類の設備を判別することが可能となる。
また、上記実施形態では、マーク12aを、オーバーラップ部を避けた位置に設けることとしたが、オーバーラップ部に設ける構成としてもよい。オーバーラップ部は、凹部の形状が重ねて加工されることから、他の凹部と比較して形状が崩れやすくなるが、その場合でも刻印を確認することは可能であり、識別マークとして有効である。
さらに、上記実施形態においては、キャップ付ボトル缶及びボトル缶に装着されるキャップについて説明を行ったが、本発明でいうキャップ付容器の容器は、ボトル缶に限定されるものではなく、ボトル缶の他、ガラスビンやPETボトル等の容器も含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 キャップ
2 ボトル缶
3 キャップ付ボトル缶
4 キャップ本体
5 ライナ
6 ナーラー
11 凸部
12 凹部
12a マーク
13 ナール部
14 開口部
15 フック部
21 口金部
22 膨出部
23 ボトル側ねじ部
41 天面部
42 円筒部
43 スリット
43a ブリッジ
44 アッパーグルーブ部
45 パネル部
46 筒上部
47 筒下部
51 摺動層
52 密封層
56 キャップ側ねじ部
57 ピルファープルーフ部
58 段差部
61 アウターツール
62 インナースピンドル
63 凸部成形部
64 逃げ部
65 凹部成形部
66 グルーブ成形部
67 逃げ部
68 フック部成形部
69 受け部
69a 加工部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11