【実施例1】
【0022】
図1から
図8において、この発明の実施例1が示されている。そして、
図9では、前記実施例1のカムの変形例が示されている。以下、実施例1及び実施例1の変形例について
図1から
図9を用いて説明する。
【0023】
図1では、車両用空調用装置1の一部が示されている。この車両用空調用装置1は、内側に空気通路を有する空調ケース2を備えている。そして、この実施例1では、空気通路を通過する空気の流れを制御するための3つのドア3、4、5を少なくとも備えている。なお、ドア3は例えばデフドアであり、ドア4は例えばベントドアであり、ドア5は例えばフットドアである。
【0024】
各ドア3、4、5は、相互に近接して配置されているもので、棒体状のドア回転軸3a、4a、5aと板状のドア本体3b、4b、5bとから成る。ドア回転軸3a、4a、5aは、空調ケース2に回転可能に支持され、端部が空調ケースの外側に達している。なお、ドア3、4、5の構成は、
図1で示されるような、1のドア回転軸と1のドア本体とで成る片持ち式ドアに限定されない。図示しないが、1のドア回転軸と2のドア本体とで成るバタブライ式ドアであっても、一対のドア回転軸と円弧状の周面を有するロータリ式のドア本体とから成るロータリ式ドアであっても良い。
【0025】
ドア3、4、5は、レバー6、7、8とでドア機構を構成している。レバー6、7、8は、筒状部6a、7a、8aと筒状部6a、7a、8aから延出した延出部6b、7b、8bとを有する。筒状部6a、7a、8aは、ドア回転軸3a、4a、5aの端部と、空調ケース2の外側で固定されている。
【0026】
車両用空調用装置1は、ドア3、4、5を回転駆動させるための機構としてリンク機構10を有している。リンク機構10は、
図1から
図4に示されるように、電動モータ等のモータ11と、メインリンク12と、3つの中間リンク13、14、15と、ブラケット16とで基本的に構成されている。
【0027】
モータ11は、
図1及び
図6に示されるように、モータ本体11aと、このモータ本体11aから突出した駆動軸11bとを有している。モータ本体11aは、ブラケット16の外側面(空調ケース2に対峙する面の反対側)に固定されている。また、駆動軸11bはブラケット16を貫通し、メインリンク12の孔12aと嵌合することで、メインリンク12と連結している。これにより、駆動軸11bが回転すると、メインリンク12は駆動軸11bと一体に回転する。
【0028】
メインリンク12は、中間リンク13、14、15を駆動させるための部材である。メインリンク12の材料は、例えばポリプロピレンやABS樹脂、金属などであるが、特に限定はしない。メインリンク12は、
図6に示されるように、孔12aとは反対側に孔12bが形成されている。この孔12bが空調ケース2から延びるメインリンク支持部2aに回転可能に外挿されることで、空調ケース2に対し、回転可能に支持される。メインリンク支持部2aは、駆動軸11bと同軸線上に配置されている。メインリンク12の孔12aと孔12bとは連通していても良い。
【0029】
このように、リンク機構10を構成するブラケット16と、モータ11と、メインリンク12とは、空調ケース2に対して、積層されるように配置される。
【0030】
メインリンク12は、
図5において、真円の円板状として図示されている。しかし、メインリンク12の外形状は、下記するカム溝29乃至31等のリンクを好適に形成することが可能な形状であれば良く、真円の円板状に限定されない。
【0031】
中間リンク13、14、15は、メインリンク12の回転と連動することにより、レバー6、7、8を介してドア3、4、5を駆動させるための部材である。中間リンク13、14、15の材料は、例えばポリプロピレンやABS樹脂、金属などであるが、特に限定はしない。
【0032】
中間リンク13は、
図4及び
図7に示されるように、回転軸部13aと、回転軸部13aから延出した2つの延出部13b、13cとを有する。延出部13bは、レバー6の延出部6bとロッド17を介して連結され、延出部13cは挿入ピン18が形成されている。挿入ピン18は、下記するメインリンク12のカム溝29と係合している。
【0033】
中間リンク14は、
図4及び
図7に示されるように、回転軸部14aと、回転軸部14aから延出した2つの延出部14b、14cとを有する。延出部14bは、挿入ピン19が形成されており、挿入ピン19は、レバー7の延出部7bに形成されたリンク溝20と係合している。延出部14cは、挿入ピン21が形成されており、挿入ピン21は、下記するメインリンク12のカム溝30と係合している。
【0034】
中間リンク15は、
図3、
図4及び
図8に示されるように、回転軸部15aと、回転軸部15aから延出した2つの延出部15b、15cとを有する。延出部15bは、挿入ピン22が形成されており、挿入ピン22は、レバー8の延出部8bに形成されたリンク溝23と係合している。延出部15cは、挿入ピン24が形成されており、挿入ピン24は、下記するメインリンク12のカム溝31と係合している。
【0035】
ブラケット16は、モータ11を固定するためのもので、
図1及び
図6に示されるように、メインリンク12及び中間リンク13、14、15よりも空調ケース2から離れた位置に台座部16aを有する。台座部16aは、複数の支柱部16bで空調ケース2に支持されている。支柱部16bは、メインリンク12、中間リンク13乃至15、レバー6乃至8の可動範囲と干渉しない位置に設けられればよく、設計自由度が高いものである。ブラケット16の材料は、例えばポリプロピレンやABS樹脂、金属などであるが、特に限定はしない。そして、モータ11は、この実施例1では、
図1に示されるように、ブラケット16の台座部16aの外側(空調ケース2に対峙する面の反対側)に固定されている。そして、ブラケット16は、
図6に示されるように、モータ11の駆動軸11bが挿通する貫通孔16cが形成されている。なお、モータ11は、図示しないが、台座部16aの内側(空調ケース2に対峙する面側)に固定されていても良い。
【0036】
ところで、メインリンク12は、
図2から
図5に示されるように、空調ケース2と対峙する第1面26と、ブラケット16と対峙する第2面27とを有する。そして、中間リンク13、14は、
図2から
図4及び
図6に示されるように、メインリンク12の第1面26と空調ケース2との間に配置されている。よって、中間リンク13、14は、以下、第1面側中間リンク13、14と称する。これに対し、中間リンク15は、
図2から
図4及び
図6に示されるように、メインリンク12の第2面27とブラケット16との間に配置されている。よって、中間リンク15は、以下、第2面側中間リンク15と称する。
【0037】
メインリンク12は、
図4に示されるように、第1面26にカム溝29が形成されて、このカム溝29に第1面側中間リンク13の挿入ピン18が挿入さて係合される。同様に、メインリンク12は、
図3から
図5に示されるように、第1面26にカム溝30が形成されて、このカム溝30に第1面側中間リンク14の挿入ピン21が挿入さて係合される。一方で、メインリンク12は、
図3に示されるように、第2面27にカム溝31が形成されて、このカム溝31に第2面側中間リンク15の挿入ピン24が挿入さて係合される。
【0038】
よって、メインリンク12が回転すると、挿入ピン18がカム溝29の形状に沿って移動して、第1面側中間リンク13は回転軸部13aを中心として回転し、レバー6が第1面側中間リンク13に従動して回転するので、ドア3が回転する。同様に、メインリンク12が回転すると、挿入ピン21がカム溝30の形状に沿って移動して、第1面側中間リンク14は回転軸部14aを中心として回転し、レバー7が第1面側中間リンク14に従動して回転するので、ドア4が回転する。同様に、メインリンク12が回転すると、挿入ピン24がカム溝31の形状に沿って移動して、第2面側中間リンク15は回転軸部15aを中心として回転し、レバー8が第1面側中間リンク15に従動して回転するので、ドア5が回転する。
【0039】
ここで、
図5(b)に示されるように、カム溝29とカム溝30とは、駆動軸11b、すなわちメインリンク12の回転中心Pを中心とした円の半径方向で重なるよう形成されている。すなわち、カム溝29とカム溝30とは、当該カム溝29、30の位相の範囲を重複して配置されている。これに伴い、ドア3をデフドアとし、ドア4をベントドアとした場合には、カム溝29は、デフロスト吹出口の開度制御を行うためのデフロスト用カム溝として機能し、カム溝30は、ベント吹出口の開度制御を行うためのベント用カム溝として機能する。デフドアとベントドアは、開閉が逆となるように設定されることが多く、メインリンク12の回転中心Pを中心とした円の半径方向で重なるよう形成することができ、メインリンクを小型化する上で、好適である。例えば、ベント吹出口を開くモードとして、ベントモードやバイレベルモードがあるが、このときデフロスト吹出口は閉じられるよう設定される場合が多い。また、デフロスト吹出口を開くモードとして、デフモードやデフフットモードがあるが、このときベント吹出口は閉じられるよう設定される場合が多い。
【0040】
また、レバー8の筒状部8aは、
図2に示されるように、メインリンク12の第2面27側に配置された第2面側中間リンク15と連結可能とするために、レバー6の筒状部6aやレバー7の筒状部7aよりも空調ケース2の外側へ突出している。
【0041】
第1面側中間リンク13は、
図6に示されるように、回転軸部13aが、空調ケース2からブラケット16側に突出した第1面側リンク支持部33に挿入されることで、第1面側リンク支持部33に回転可能に支持される。同様に、第1面側中間リンク14は、
図6に示されるように、回転軸部14aが、空調ケース2からブラケット16側に突出した第1面側リンク支持部34が挿入されることで、第1面側リンク支持部34に回転可能に支持される。
【0042】
ここで、
図6に示されるように、メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部33までの寸法L2は、メインリンク12の回転中心Pからメインリンク12の最大可動範囲の端までの寸法L1に対し、小さくなっている。同様に、メインリンク12の回転中心Pから第1面側リンク支持部34までの寸法L3は、メインリンク12の回転中心Pからメインリンク12の最大可動範囲の端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0043】
一方、第2面側中間リンク15は、
図6に示されるように、回転軸部15aが、ブラケット16から空調ケース2側に突出した第2面側リンク支持部35に挿入されることで、第2面側リンク支持部35に回転可能に支持される。
【0044】
ここで、第2面側リンク支持部35は、メインリンク12の第2面27側で第2面側中間リンク15を支持することができるので、第2面側リンク支持部35がメインリンク12の回転を妨げることがない。このため、メインリンク12の回転を妨げないように、メインリンク12の可動範囲(可動域)Aの外側に第2面側リンク支持部35を配置する必要がなくなる。すなわち、第2面側リンク支持部35は、メインリンク12の可動範囲A内(可動域の内側)に配置することが可能である。これにより、
図6に示されるように、メインリンク12の回転中心Pから第2面側リンク支持部35までの寸法L3(メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部34までの寸法と等しい)は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の最大可動範囲の端までの寸法L1に対し、小さくすることができる。
【0045】
しかるに、全てのリンク支持部33乃至35を、メインリンク12の回転中心P側に寄せることができるので、リンク支持部33乃至35で支持される全ての中間リンク13乃至15もメインリンク12の回転中心P側に集約させることが可能となる。よって、リンク機構10の小型化が図られる。
【0046】
ところで、実施例1のリンク機構10においては、小型化が図れることの他に、次のような効果を得ることができる。すなわち、第2面側リンク支持部35は、ブラケット16に形成されるのであり、空調ケース2に形成されるものではないから、第1面側リンク支持部34の設置位置を回避する必要がない。このため、第2面側リンク支持部の設計に際して、高い設計自由度を得ることができる。
【0047】
次に、レバー6乃至8、中間リンク13乃至15、メインリンク12、ブラケット16、及びモータ11を積層的に組み立てるリンク機構の組み立て工程について、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0048】
図7においてリンク機構の組み立て工程の一方が示されている。第1の工程として、空調ケース2にレバー6、7、8を取り付ける。第2の工程として、ケース2に中間リンク13を取り付けると共にレバー7とレバー8とに中間リンク14を取り付ける。このとき、中間リンク14の挿入ピン19をレバー7のリンク溝20に挿入させる。第3の工程として、レバー6と中間リンク13とにロッド17を取り付ける。第4の工程として、メインリンク12を中間リンク13、中間リンク14に乗せる。このとき、中間リンク13の挿入ピン18をメインリンク12のカム溝29に挿入させ、中間リンク14の挿入ピン21をメインリンク12のカム溝30に挿入させる。これによりリンク機構の一方の組み付け体が組み立てられる。
【0049】
図8においてリンク機構の組み立て工程の他方が示されている。第5の工程として、ブラケット16の外側にボルト等の固定具36により、モータ11を固定する。第6の工程として、ブラケット16の内側に中間リンク15を取り付ける。これによりリンク機構の他方の組み付け体が組み立てられる。
【0050】
そして、
図7で示される第1から第4の工程で組み立てられた一方の組み立て体に対し、
図8で示される第5及び第6の工程で組み立てられた他方の組み立て体を空調ケース2側に移行させて、一方の組み立て体と他方の組み立て体とを組み付ける。このとき、中間リンク15の挿入ピン22をレバー8のリンク溝23に挿入させ、中間リンク15の挿入ピン24をメインリンク12のカム溝31に挿入させる。また、ブラケット16の支柱部16bを空調ケース2に固定させる。これにより、リンク機構10が組み立てられる。
【0051】
メインリンク12と中間リンク13乃至15との係合について、メインリンク12にカム溝29乃至31を形成し、中間リンク13乃至15に、カム溝29乃至31に挿入可能な挿入ピン18、21、24を形成するとして説明したがこれに限定されない。
【0052】
図9に示されるように、メインリンク12の第2面27に、
図2や
図3のカム溝31の代わりに、メインリンク12の第2面27から垂直方向に突出し、且つ条状(レール状)に延びたリブ状カム38を設けても良い。そして、
図9に示されるように、中間リンク15の延出部15cに、挿入ピン24の代わりに、先端に凹部39aを有する突出部39を設けても良い。これにより、メインリンク12の第2面27に形成されたリブ状カム38に、中間リンク15の突出部39の凹部39aを装着させることにより、中間リンク15はメインリンク12と第2面27側で連結することができる。
【0053】
尚、図示しないが、メインリンク12の第1面26に、
図4のカム溝29、30の代わりに、リブ状カム38と同様に、メインリンク12の
第1面26から垂直方向に突出し、且つ条状(レール状)に延びたリブ状カムをそれぞれ形成しても良い。そして、図示しないが、中間リンク13、14に、挿入ピン18、21の代わりに、突出部39と同様に、先端に凹部を有する突出部を設けても良い。このような構成としても、中間リンク13、14はメインリンク12と第1面26側で連結することができる。
【実施例2】
【0054】
図10において、この発明の実施例2が示されている。以下、実施例2のリンク機構10の構成について
図10を用いて説明する。但し、実施例1と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
実施例2のリンク機構10は、モータ11の駆動軸11bの回転を伝達することで近接する3つのドア41、42、43を回転駆動するためのものである。なお、ドア41は例えばベントドアであり、ドア42は例えばデフドアであり、ドア43は例えばフットドアである。また、ドア41、42、43は、ドア回転軸41a、42a、43aを有するもので、片持ち式ドアや、バタブライ式ドアや、ロータリ式ドアであっても良い。
【0056】
ドア41は、ドア回転軸41aがレバー46と連結され、レバー46は中間リンク51と連結され、中間リンク51はメインリンク12(
図10ではメインリンク12の可動範囲Aのみ図示する。以下、同じ。)と連結されている。また、ドア42は、ドア回転軸42aがレバー47と連結され、レバー47は中間リンク52と連結され、中間リンク52はメインリンク12と連結されている。更に、ドア43は、ドア回転軸43aがレバー48と連結され、レバー48は中間リンク53と連結され、中間リンク53はメインリンク12と連結されている。
【0057】
そして、中間リンク51は、メインリンク12の第1面26と空調ケース2との間に配置されている。よって、中間リンク51は、以下、第1面側中間リンク51と称する。これに対し、中間リンク52、53は、メインリンク12の第2面27とブラケット16との間に配置されている。よって、中間リンク52、53は、以下、第2面側中間リンク52、53と称する。
【0058】
第1面側中間リンク51は、空調ケース2からブラケット16側に突出した第1面側リンク支持部56に回転可能に支持されている。また、第2面側中間リンク52は、ブラケット16から空調ケース2側に突出した第2面側リンク支持部57に回転可能に支持されている。更に、第2面側中間リンク53は、ブラケット16から空調ケース2側に突出した第2面側リンク支持部58に回転可能に支持されている。
【0059】
これにより、メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部56までの寸法L4は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0060】
また、メインリンク12の回転中心から第2面側リンク支持部57までの寸法L4は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。同様に、メインリンク12の回転中心から第2面側リンク支持部58までの寸法L5は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0061】
しかるに、全てのリンク支持部56乃至58を、メインリンク12の回転中心P側に寄せることができるので、リンク支持部56乃至58で支持される全ての中間リンク51乃至53もメインリンク12の回転中心P側に集約させることが可能となる。よって、実施例2でも、リンク機構10の小型化が図られる。
【実施例3】
【0062】
図11において、この発明の実施例3が示されている。以下、実施例3のリンク機構10の構成について
図11を用いて説明する。但し、実施例1や実施例2と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
実施例3のリンク機構10は、モータ11の駆動軸11bの回転を伝達することで近接する2つのドア61、62を回転駆動するためのものである。なお、ドア61は例えばエアミックスドアであり、ドア62は例えば配風ドアである。また、ドア61、62は、ドア回転軸61a,62aを有するもので、片持ち式ドアや、バタブライ式ドアや、ロータリ式ドアであっても良い。
【0064】
ドア61は、ドア回転軸61aがレバー63と連結され、レバー63は中間リンク65と連結され、中間リンク65はメインリンク12(
図11ではメインリンク12の可動範囲Aのみ図示する。以下、同じ。)と連結されている。また、ドア62は、ドア回転軸62aがレバー64と連結され、レバー64は中間リンク66と連結され、中間リンク66はメインリンク12と連結されている。
【0065】
そして、中間リンク65は、メインリンク12の第1面26と空調ケース2との間に配置されている。よって、中間リンク65は、以下、第1面側中間リンク65と称する。これに対し、中間リンク66は、メインリンク12の第2面27とブラケット16との間に配置されている。よって、中間リンク66は、以下、第2面側中間リンク66と称する。
【0066】
第1面側中間リンク65は、空調ケース2からブラケット16側に突出した第1面側リンク支持部67に回転可能に支持されている。また、第2面側中間リンク66は、ブラケット16から空調ケース2側に突出した第2面側リンク支持部68に回転可能に支持されている。
【0067】
これにより、メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部67までの寸法L6は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0068】
また、メインリンク12の回転中心から第2面側リンク支持部68までの寸法L7は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0069】
しかるに、全てのリンク支持部67、68を、メインリンク12の回転中心P側に寄せることができるので、リンク支持部67、68で支持される全ての中間リンク65、66もメインリンク12の回転中心P側に集約させることが可能となる。よって、実施例3でも、リンク機構10の小型化が図られる。
【実施例4】
【0070】
図12において、この発明の実施例4が示されている。以下、実施例4のリンク機構10の構成について
図12を用いて説明する。但し、実施例1、実施例2乃至は実施例3と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
実施例3のリンク機構10は、モータ11の駆動軸11bの回転を伝達することで近接する4つのドア71乃至74を回転駆動するためのものである。なお、ドア71は例えばデフドアであり、ドア72は例えばベントドアであり、ドア73は例えばフットドアであり、ドア74は配風ドアや内外気切換ドアなど、その他の空調用ドアである。また、ドア71乃至74は、ドア回転軸71a乃至74aを有するもので、片持ち式ドアや、バタブライ式ドアや、ロータリ式ドアであっても良い。
【0072】
ドア71は、ドア回転軸71aがレバー75と連結され、レバー75は中間リンク79と連結され、中間リンク79はメインリンク12(
図12ではメインリンク12の可動範囲Aのみ図示する。以下、同じ。)と連結されている。また、ドア72は、ドア回転軸72aがレバー76と連結され、レバー76は中間リンク80と連結され、中間リンク80はメインリンク12と連結されている。更に、ドア73は、ドア回転軸73aがレバー77と連結され、レバー77は中間リンク81と連結され、中間リンク81はメインリンク12と連結されている。更にまた、ドア74は、ドア回転軸74aがレバー78と連結され、レバー78は中間リンク82と連結され、中間リンク82はメインリンク12と連結されている。
【0073】
そして、中間リンク79は、メインリンク12の第1面26と空調ケース2との間に配置されている。よって、中間リンク79は、以下、第1面側中間リンク79と称する。また、中間リンク80も、メインリンク12の第1面26と空調ケース2との間に配置されている。よって、中間リンク80は、以下、第1面側中間リンク80と称する。これに対し、中間リンク81は、メインリンク12の第2面27とブラケット16との間に配置されている。よって、中間リンク81は、以下、第2面側中間リンク81と称する。また、中間リンク82も、メインリンク12の第2面27とブラケット16との間に配置されている。よって、中間リンク82は、以下、第2面側中間リンク82と称する。
【0074】
これにより、メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部83までの寸法L8は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0075】
また、メインリンク12の回転中心から第1面側リンク支持部84までの寸法L9は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0076】
更に、メインリンク12の回転中心から第2面側リンク支持部85までの寸法L9は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0077】
更にまた、メインリンク12の回転中心から第2面側リンク支持部86までの寸法L8は、メインリンク12の回転中心からメインリンク12の可動範囲(可動域)Aの端までの寸法L1に対し、小さくなっている。
【0078】
しかるに、全てのリンク支持部83乃至86を、メインリンク12の回転中心P側に寄せることができるので、リンク支持部83乃至86で支持される全ての中間リンク79乃至82もメインリンク12の回転中心P側に集約させることが可能となる。よって、実施例4でも、リンク機構10の小型化が図られる。