特許第6208568号(P6208568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208568
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】フィルム状物品の収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/72 20060101AFI20170925BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B65D5/72 A
   B65D25/52 E
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-254629(P2013-254629)
(22)【出願日】2013年12月10日
(65)【公開番号】特開2015-113135(P2015-113135A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250384
【氏名又は名称】リケンテクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184653
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 寧
(72)【発明者】
【氏名】堀井貴央
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−051029(JP,A)
【文献】 特開昭57−125140(JP,A)
【文献】 実開昭63−052749(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3020291(JP,U)
【文献】 米国特許第2888180(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/72
B65D 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a1)上記掩蓋片、前面板、及び底面板の少なくとも何れか一つの、収納箱から引き出されたフィルム状物品と接することのできる箇所の少なくとも一部に、溝を有し;
(b1)上記溝を有する箇所を、収納箱の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し;
(c1)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである;
収納箱。
【請求項2】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a2)上記掩蓋片裏側の先端縁近傍の少なくとも一部に、略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面とは反対の面の少なくとも一部に溝を有し
(b2)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し
(c2)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである
収納箱。
【請求項3】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a3)上記掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、掩蓋片先端縁から延出するように、略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面側の延出部分の少なくとも一部に溝を有し
(b3)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し;
(c3)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである
収納箱。
【請求項4】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a4)上記掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面とは反対の面の少なくとも一部に溝を有し
(b4)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し
(c4)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである
収納箱。
【請求項5】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a5)前面板表側の下端縁近傍の少なくとも一部に、略長方形の部材が、前面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面とは反対の面の少なくとも一部に溝を有し
(b5)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し
(c5)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである
収納箱。
【請求項6】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a6)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、略長方形の部材が、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面とは反対の面の少なくとも一部に溝を有し
(b6)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し
(c6)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである
収納箱。
【請求項7】
巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、
前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a7)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、底面板表側前端縁から延出するように、略長方形の部材が、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており、ここで上記部材は、上記収納箱との貼付面側の延出部分の少なくとも一部に溝を有し
(b7)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記溝の歯先が30〜150度の角を成し
(c7)隣接する上記歯先と上記歯先との距離が0.5〜7.0mmである;
収納箱。
【請求項8】
上記溝が、多数の平行に並ぶ、収納箱の長辺と直交する方向の直線状の溝である、請求項1〜7の何れか1項に記載の収納箱。
【請求項9】
上記略長方形の部材が、紙素材、樹脂素材、膠化繊維、及び膠化繊維に剛性樹脂を含浸させたものからなる群から選択される何れか1種からなる請求項2〜7の何れか1項に記載の収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップフィルム、アルミホイル、キッチンペーパー、及びクッキングシートなどのフィルム状物品の巻回体を収納する箱に関する。更に詳しくは、略直方体の収納箱に納められた巻回体として提供されたラップフィルム等のフィルム状物品を、収納箱から必要分量引き出して切断する際に用いる部材として、金属製鋸歯に替わる部材を備えた収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラップフィルム、アルミホイル、キッチンペーパー、及びクッキングシートなどのフィルム状物品は、略直方体の収納箱に納められた巻回体として提供されており、ここから必要分量を引き出し、上記収納箱本体の掩蓋片裏側先端縁近傍、掩蓋片表側先端縁近傍、前面板表側上端縁近傍、及び前面板表側下端縁近傍などの何れか一箇所に設けられた切断刃により切断して使用に供されている。切断刃としては金属製の鋸歯が多用されている。一方、金属製鋸歯には触れると手を怪我し易い、紙製の収納箱本体と金属製鋸歯とを廃棄時に分離しなくてはいけないという問題があった。この問題を解決するために、金属製鋸歯に替えて、収納箱の掩蓋片先端縁などの端部を鋸歯形状にし、これを切断刃として用いることが提案されている(例えば特許文献1〜3)。しかし、これらの技術は、収納箱の切断刃が形成されている部分及びその周辺を補強しても、切断刃の強度は不十分であり、繰り返し使用に耐えることができないという点で不満足なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−024630号公報
【特許文献2】特開平5−162744号公報
【特許文献3】特開2000−085759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、金属鋸歯を有しなくても実用上満足のできるカット性を発現し、かつその効果を収納したフィルム状物品を使い切るまで維持することができ、収納箱の取り扱い時に手を怪我する等の危険の少ない収納箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究した結果、掩蓋片裏側先端縁近傍等の特定箇所に、特定の凹凸形状を設けることにより、収納箱から引き出されたフィルム状物品が凹凸形状に引掛かり又は噛み込まれてしっかりと固定されて切断力が確実に伝わるようになり、上記課題を達成できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a1)上記掩蓋片、前面板、及び底面板の少なくとも何れか一つの、収納箱から引き出されたフィルム状物品と接することのできる箇所の少なくとも一部に、凹凸形状を有し;
(b1)上記凹凸形状を有する箇所を、収納箱の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0007】
第二の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a2)上記掩蓋片裏側の先端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b2)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0008】
第三の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a3)上記掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、掩蓋片先端縁から延出するように、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b3)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0009】
第四の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a4)上記掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b4)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0010】
第五の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a5)前面板表側の下端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、前面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b5)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0011】
第六の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a6)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b6)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【0012】
第七の発明は、巻回されたフィルム状物品を収納するための略直方体の収納箱であって、前面板、底面板、後面板及び側面板で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板と、蓋面板の前端縁から前面板を覆う方向に延出した掩蓋片を有し;
(a7)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、底面板表側前端縁から延出するように、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材が、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付されており;
(b7)上記略長方形の部材を、該部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;
収納箱である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の収納箱は、実用上満足のできるカット性を発現し、かつその効果を収納したフィルム状物品を使い切るまで維持することができる。また金属鋸歯を有していないため、収納箱の取り扱い時に手を怪我する等の危険は低減されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の収納箱を図を参照して説明する。図1は本発明の収納箱の一例を示す斜視概念図である。前面板(5)、底面板(4)、後面板(6)及び側面板(3)で形成され、上部が開口した略直方体の収納室と、後面板(6)の上端縁から収納室の開口部を覆う方向に連接した開閉可能な蓋面板(2)と、蓋面板(2)の前端縁から前面板(5)を覆う方向に延出した掩蓋片(1)を有している。
【0015】
本発明の収納箱は、(a1)上記掩蓋片、前面板、及び底面板の少なくとも何れか一つの、収納箱から引き出されたフィルム状物品と接することのできる箇所の少なくとも一部に、凹凸形状を有することを特徴とする。
【0016】
上記凹凸形状は、金属製鋸歯の替わりに、フィルム状物品の切断具としての働きをする。そのため凹凸形状は、掩蓋片、前面板、及び底面板の少なくとも何れか一つに設けられる。また設けられる箇所の少なくとも一部は、収納箱から引き出されたフィルム状物品と接することができなくてはならない。
【0017】
上記凹凸形状を設ける好ましい箇所は、収納箱から引き出されたフィルムと接し易いところであり、例えば、掩蓋片裏側、掩蓋片表側先端縁近傍、前面板表側下端縁近傍、前面板表側上端縁近傍、及び底面板表側前端縁近傍などをあげることができる。より好ましい箇所は、フィルム状物品の引掛かり易さや噛み込まれ易さ、即ち切断し易さの観点から、掩蓋片裏側の先端縁近傍、前面板表側下端縁近傍、及び底面板表側前端縁近傍である。
【0018】
図1に示す本発明の収納箱の例では、凹凸形状(7)を掩蓋片(1)裏側の先端縁近傍に有している。フィルム状物品を、上記収納室に収納し、蓋面板(2)を開いて、必要分量を掩蓋片(1)先端縁から延出するように引き出し、掩蓋板(2)を閉じると、フィルム状物品は掩蓋片(1)裏側先端縁近傍の凹凸形状に引掛かり又は噛み込まれてしっかりと固定されることになる。ここでフィルム状物品を幅方向にちぎるように力を加えると、フィルム状物品を切断する力として確実に伝わり、フィルム状物品は切断される。
【0019】
図2は本発明の収納箱の他の一例を示す斜視概念図であり、凹凸形状(7)を前面板(5)表側の下端縁近傍に有している。フィルム状物品を、収納室に収納し、蓋面板(2)を開いて、必要分量を前面板(5)表側下端縁から延出するように引き出し、掩蓋板(2)を閉じ、収納箱をフィルム状物品の延出方向とは反対の方向に回転させると、フィルム状物品は前面板(5)表側下端縁の凹凸形状に引掛かり又は噛み込まれてしっかりと固定されることになる。上記動作は、収納箱を固定し、フィルム状物品を底面板表側後端縁から延出する方向に回転させるように行ってもよい。ここでフィルム状物品を幅方向にちぎるように力を加えると、フィルム状物品を切断する力として確実に伝わり、フィルム状物品は切断される。
【0020】
凹凸形状を底面板表側前端縁近傍に有するときも、収納箱をより大きく回転させること以外は、凹凸形状を前面板表側下端縁近傍に有するときと同様である。
【0021】
上記凹凸形状を掩蓋片裏側の先端縁近傍に設ける場合について更に説明する。凹凸形状は掩蓋片裏側先端縁近傍の、図1図5に示すように全体に設けてもよく、図6に示すように両端に設けてもよく、一方の端に設けてもよく、中央に設けてもよい。これらの中で、フィルム状物品の切断は、通常、端部から始まることから、全体、両端、及び一方の端に設けることが好ましく、左右どちらからでも同様に切断できるように、全体及び両端がより好ましい。また両端又は一方の端に設ける場合には、端部から2cm以上、好ましくは端部から4cm以上の長さで設けると、フィルム状物品の幅方向の端部を凹凸形状により引掛け又は噛み込んでしっかりと固定し易くなり、切断し易くなる。上記凹凸形状を掩蓋片裏側の先端縁近傍以外の箇所に設ける場合についても同様である。
【0022】
本発明の収納箱は、(b1)上記凹凸形状を有する箇所を、収納箱の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;ことを特徴とする。
【0023】
上記凹凸形状の歯先は、フィルム状物品を引掛け又は噛み込む働きをする。そのため歯先の角は150度以下であり、好ましくは130度以下であり、より好ましくは100度以下である。また繰返し使用に耐える強度が求められる。そのため歯先の角は30度以上であり、好ましくは40度以上である。歯先の角の角度は同じであってもよく、角毎に違っていてもよい。なお歯先の角の角度は、全てが30〜150度の範囲にある必要はなく、30度未満の角や150度を超える角があってもよいが、全ての角が30〜150度の範囲にあることが好ましい。
【0024】
上記凹凸形状の歯先の形状は、条件(b1)を満たすこと以外は制限されず、任意の形状にすることができる。例えば、歯先に1つの角部を有する三角形状であってもよく、2つの角部を有する四角形状であってもよく、3つ以上の角部をもつ多角形状であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。また凹凸形状の凹部や歯先と歯先との間の凹部の深さは、特に制限されず任意である。凹部毎にその深さが違っていてもよい。通常は、収納箱の強度を保持する観点から、凹凸形状を設けた部分の厚みの2/3以下が好ましい。図7〜17に歯先の形状の例を示すが、歯先の形状はこれらに限定されるものではない。なお本発明において、歯先の角が曲線を含む形状の場合の角度は、図15〜17に例を示すように、角の頂点における曲線の接線との角度と定義した。
【0025】
上記凹凸形状の隣接する歯先と歯先との距離は、特にプラスチック製ラップフィルムのような柔軟性の高いフィルム状物品の場合には、ある程度密に歯先の角のある(上記距離が狭い)ことが切断性には有利であり、7.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましく、3.0mm以下が更に好ましい。一方、歯先の角が切断に特に有効に働くのは、隣接する歯先と歯先との間にフィルム状物品が入り込み、引掛かり又は噛み込まれたときであるから、上記距離は0.5mm以上であることが好ましい。なお上記距離は、7.0mmを超える箇所や0.5mm未満の箇所があってもよいが、上記範囲にあるものが多い方が好ましい。なお本発明において、隣接する歯先と歯先との距離は、他方の歯先に最も近い側の角どうしの距離と定義した。
【0026】
上記凹凸形状を設けた箇所を概観したとき、通常は、図18に例を示すように多数の平行に並ぶ、収納箱の長辺と直交する方向の直線状の溝であるが、これに限らず、整然と並んでいなくてもよく、収納箱の長辺と直交していなくてもよく、曲線状、波状、稲妻状、及び飛石状などであってもよい。条件(b1)満たしていれば、概観には何ら制限されない。凹凸形状を設けた箇所の概観について、他の例を図19〜23示すが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
【0027】
本発明の収納箱は、任意の素材を用いて作成することができる。例えば、コートボール紙などの紙素材;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの樹脂素材;膠化繊維(バルカナイズドファイバー)又はそれにウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などの剛性樹脂を含浸させたもの;鉄、アルミニウムなどの金属素材;などをあげることができる。
【0028】
本発明の収納箱を、コートボール紙を用いて作成する場合について更に説明する。コートボール紙を用いて作成する場合、掩蓋片裏側の先端縁近傍等に直接凹凸形状を加工してもよいが、工業的作成し易さの観点から、少なくとも片面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を掩蓋片裏側の先端縁近傍等に貼付する実施態様が好ましい。
【0029】
上記少なくとも片面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を貼付する実施態様の好ましい実施例は、切断し易さの観点から、掩蓋片裏側先端縁近傍、掩蓋片表側先端縁近傍、前面板表側下端縁近傍、及び底面板表側前端縁近傍の少なくとも何れか1に上記部材を設ける態様であり、
(a2)掩蓋片裏側の先端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様;
(a3)掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、掩蓋片先端縁から延出するように、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様(図3に一例の概念図を示す。);
(a4)掩蓋片表側の先端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、掩蓋片の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様;
(a5)前面板表側の下端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、前面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様;
(a6)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、貼付面とは反対の面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様;
(a7)底面板表側の前端縁近傍の少なくとも一部に、底面板表側前端縁から延出するように、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材を、底面板の長手方向と該部材の長手方向とが一致するように、貼付する実施態様(図4に一例の概念図を示す。);
をあげることができる。
【0030】
上記部材を掩蓋片裏側の先端縁近傍に設ける場合について更に説明する。凹凸形状を有するのが、掩蓋片裏側先端縁近傍の全体になるようにしてもよく、両端あるいは一方の端になるようにしてもよく、中央になるようにしてもよい。これらの中で、フィルム状物品の切断は端部から始まることから、全体、両端、及び一方の端に凹凸形状を有するようにすることが好ましく、左右どちらからでも同様に切断できるように、全体及び両端がより好ましい。また両端又は一方の端に凹凸形状を有するときは、端部から2cm以上、好ましくは端部から4cm以上の長さで有すると、フィルム状物品の幅方向の端部を凹凸形状により引掛け又は噛み込んでしっかりと固定し易くなり、切断し易くなる。上記部材を掩蓋片裏側の先端縁近傍以外の箇所に貼付する場合についても同様である。
【0031】
また上記部材は掩蓋片裏側の先端縁近傍の任意の箇所に設けることができる。切断性の観点からは、掩蓋片先端縁と部材の下端縁とが一致していてもよく、部材が掩蓋片先端縁から延出していてもよく、部材の下端縁が掩蓋片先端縁よりも少し上にあってもよい。
【0032】
上記部材を掩蓋片表側の先端縁近傍に設ける場合であって、凹凸形状を貼付面側の延出部分に有する態様(図3に一例の概念図を示す。)について更に説明する。上記延出部分の長さは、切断性の観点から、通常1mm以上、好ましくは2mm以上である。一方、切断時には部材を引き剥がそうとする力のかかることを考慮すると、延出部分の長さは、通常10mm以下、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下である。また上記部材は、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有するが、これ以外の箇所、例えば、貼付面の反対側などに凹凸形状を有していてもよい。
【0033】
上記部材を掩蓋片表側の先端縁近傍に設ける場合であって、凹凸形状を貼付面とは反対の面に有する態様について更に説明する。部材は掩蓋片表側先端縁近傍の任意の箇所に設けることができるが、切断性の観点からは、掩蓋片先端縁と部材の下端縁とが一致、又は部材が掩蓋片先端縁から延出していることが好ましい。また切断時には部材を引き剥がそうとする力のかかることを考慮すると、耐久性については、掩蓋片先端縁と部材の下端縁とが一致、又は部材の下端縁が掩蓋片先端縁よりも少し上にあることが好ましい。
【0034】
上記部材を前面板表側の下端縁近傍に設ける場合について更に説明する。部材は前面板表側下端縁近傍の任意の箇所に設けることができるが、切断性の観点からは、前面板下端縁と部材の下端縁とが一致、又は部材が前面板下端縁から延出していることが好ましい。またフィルム状物品が収納箱に収納された製品の、一般家庭の台所等における通常の置き方を考慮すると、前面板下端縁と部材の下端縁とが一致、又は部材の下端縁が前面板下端縁よりも少し上にあることが好ましい。
【0035】
上記部材を底面板表側の前端縁近傍に設ける場合であって、凹凸形状を貼付面とは反対の面に有する態様について更に説明する。部材は底面板表側前端縁近傍の任意の箇所に設けることができるが、切断性の観点からは、底面板前端縁と部材の前端縁とが一致、又は部材が底面板前端縁から延出していることが好ましい。
【0036】
上記部材を底面板表側の前端縁近傍に設ける場合であって、凹凸形状を貼付面側の延出部分に有する態様(図4に一例の概念図を示す。)について更に説明する。上記延出部分の長さは、切断性の観点から、通常1mm以上、好ましくは2mm以上である。一方、切断時には部材を引き剥がそうとする力のかかることを考慮すると、延出部分の長さは、通常10mm以下、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下である。また上記部材は、貼付面側の延出部分の少なくとも一部に凹凸形状を有するが、これ以外の箇所、例えば、貼付面の反対側などに凹凸形状を有していてもよい。
【0037】
収納箱に上記部材を貼付する方法は、制限されず、任意の方法で行うことができる。例えば、接着剤を用いる方法、治具によりかしめる方法などをあげることができる。
【0038】
上記部材に設ける凹凸形状は、部材の長辺と平行に切断したときの断面図において、上記凹凸形状の歯先が30〜150度の角を成す;こと以外は制限されず、任意であり、その具体的な実施態様は、第一の発明についての説明において上述した通りである。
【0039】
また凹凸形状の凹部の深さは、制限されず、任意である。貼付の際に用いる接着剤により凹凸形状が埋まらないように何らかの工夫を要するという問題はあるが、凹部が部材を貫通していてもよい。通常は、部材の強度を保持する観点から、部材の厚みの2/3以下が好ましい。
【0040】
収納箱の作成に用いるコートボール紙の坪量は、小さいと耐久性に問題が生じ易くなり、大きいとコスト高になる。従って、コートボール紙の坪量は、収納するフィルム状物品の種類、ロール尺長、ロール幅から必要となる耐久性を勘案して適宜選択される。通常は、坪量200〜600g/mである。
【0041】
上記少なくとも片面の少なくとも一部に凹凸形状を有する略長方形の部材は、任意の素材を用いて作成することができる。例えば、コートボール紙などの紙素材;ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの樹脂素材;膠化繊維(バルカナイズドファイバー)又はそれにウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などの剛性樹脂を含浸させたもの;鉄、アルミニウムなどの金属素材;などをあげることができる。
【0042】
フィルム状物品がポリオレフィン系ラップフィルムの場合には、これらの中で、ポリ乳酸、ポリプロピレンが好ましい。
【0043】
凹凸形状を形成する方法は、制限されず任意であり、例えば、凹凸型を押圧する方法;凹凸型に素材を流し込み、固化させる方法;任意の刃物で切削する方法;などをあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の収納箱の一例を示す斜視概念図である。
図2】本発明の収納箱の他の一例を示す斜視概念図である。
図3】本発明の収納箱の他の一例を示す斜視概念図である。
図4】本発明の収納箱の他の一例を示す斜視概念図である。
図5】凹凸形状を掩蓋片裏側の先端縁近傍の全体に設けた一例を示す概念図である。
図6】凹凸形状を掩蓋片裏側の先端縁近傍の両端に設けた一例を示す概念図である。
図7】凹凸形状の歯先の形状の一例を示す概念図である。
図8】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図9】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図10】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図11】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図12】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図13】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図14】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図15】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図16】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図17】凹凸形状の歯先の形状の他の一例を示す概念図である。
図18】凹凸形状を設けた箇所の概観の一例を示す概念図である。
図19】凹凸形状を設けた箇所の概観の他の一例を示す概念図である。
図20】凹凸形状を設けた箇所の概観の他の一例を示す概念図である。
図21】凹凸形状を設けた箇所の概観の他の一例を示す概念図である。
図22】凹凸形状を設けた箇所の概観の他の一例を示す概念図である。
図23】凹凸形状を設けた箇所の概観の他の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0045】
1:掩蓋片
2:蓋面板
3:側面板
4:底面板
5:前面板
6:後面板
7:凹凸形状
8:凹凸形状の歯先の角の角度
9:凹凸形状の隣接する歯先の角と歯先の角との距離
10:凹部
11:凸部
12:収納箱の長手方向と直交する方向
13:収納箱の長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
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