(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正出力生成手段は、前記所定のゆらぎを、最大出力変動速度内で、出力変動速度および前記出力変動速度での出力変動時間をランダムに設定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
前記補正出力生成手段は、前記所定のゆらぎを、最大出力変動速度内で、所定の振幅および所定の周期の正弦波または三角波状に設定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池装置が普及してきており、小規模の燃料電池装置が家庭用として多く利用されている。燃料電池装置は、長時間の連続運転が行われるため、特に家庭で用いられている場合には、主に夜間等に運転音が不快音(騒音)となりがちなものであった。
【0003】
燃料電池装置は、需要者の使用電力に追従して発電出力を増減し、これに伴い運転音のパワー密度−周波数のピーク値、スペクトルが変動する。パワー密度がピーク値となる周波数において、発生部位の静音化対策や共鳴・共振防止対策により、パワー密度(エネルギー)を低減させることは可能である。しかし、ピーク値の低減量には限界があるとともに、ピーク値を低減させると、マスキング効果により目立たなかった他の周波数領域の運転音が不快音となって現われてしまう惧れがあり、特定の周波数のパワー密度を低減させるだけで、不快音を解消させることは困難である。また、全体のパワー密度を低減させても、依然として特定の周波数の運転音がピーク値をとるため、それだけで不快音を解消させることは困難である。
【0004】
そこで、運転音を低減させることで不快音を解消させるのではなく、不快と感じないような運転音を発生させることで、不快音を解消することが考えられる。これを実現する手段として、いわゆる1/fゆらぎ理論が好適に用いられるものが知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1には、吹出風量を、1/fゆらぎスペクトルをもつように時間的に変動させる空気調和機が記載されている。また特許文献2には、電動機の回転速度を1/fゆらぎパターンで回転させる電気掃除機が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載された従来技術にあっては、音の発生源を1/fゆらぎパターンで駆動しているものの、実際に、発生している音が、1/fゆらぎスペクトルを有するとは限らないものであった。このため、これらの付近にいる者に聞こえる音が不快音となる惧れがあり、不快音の発生を充分に抑えることができないものであった。
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、運転音のゆらぎが1/fスペクトルに近いスペクトルを有し、不快に感じるのを抑えることができる燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る燃料電池装置は、
出力を制御する出力制御手段と、
運転音を測定する測定手段と、
前記測定手段で測定された運転音の時系列データを基に、ゆらぎのパワースペクトルを生成するスペクトル生成手段と、
パワー密度をPとするとともに周波数をfとし、前記スペクトル生成手段により生成された前記ゆらぎのパワースペクトルから、P=(1/f)
λを近似的に満たすゆらぎの傾きλを算出する傾き算出手段と、
前記傾き算出手段で算出された前記ゆらぎの傾きλが許容範囲内か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記ゆらぎの傾きλが前記許容範囲内にないと判定された時に、前記出力を目標値として、最大出力変動幅内で所定のゆらぎを加算した補正出力を生成する補正出力生成手段と、を備え、
前記出力制御手段により前記出力の制御が行われ、その後、前記測定手段により運転音の測定が行われ、その後、前記スペクトル生成手段により前記ゆらぎのパワースペクトルが生成され、その後、前記傾き算出手段により前記ゆらぎの傾きλが算出され、その後、前記判定手段によりゆらぎの傾きλが前記許容範囲内か否かが判定され、前記ゆらぎの傾きλが前記許容範囲内にない場合に、前記補正出力生成手段により前記補正出力が生成されて、前記補正出力に基いて再び前記出力制御手段による出力の制御が行われるフィードバック制御が可能であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記補正出力生成手段は、前記所定のゆらぎを、最大出力変動速度内で、出力変動速度および前記出力変動速度での出力変動時間をランダムに設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記補正出力生成手段は、前記所定のゆらぎを、最大出力変動速度内で、所定の振幅および所定の周期の正弦波または三角波状に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る発明にあっては、実際に発生している運転音を測定し、ゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合に補正出力を生成して、この補正出力に基いて再び出力制御手段による出力の制御を行うというフィードバック制御を行っている。これにより、従来のように音の発生源を1/fゆらぎスペクトルを有するように駆動するだけのものと比較すると、実際に発生している運転音のゆらぎが1/fスペクトルに近いスペクトルを有することとなり、不快に感じるのを抑えることができる。
【0013】
また請求項2に係る発明にあっては、ランダムにゆらぎが設定されることにより、ゆらぎの傾きλが早く許容範囲内に収束することが期待できる。
【0014】
また請求項3に係る発明にあっては、ゆらぎが規則的に変化する正弦波または三角波状に設定されるため、乱数パターンを複数用意する必要がなく、補正出力の生成が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第一実施形態の燃料電池装置について、
図1〜
図5に基いて説明する。
【0017】
本発明の燃料電池装置1は、
図3に示すように、需要者の使用電力(W)に追従して出力(発電電力)(W)を増減する、出力制御手段2(
図1参照)を備えることを前提とする。燃料電池装置1は、基本的に一か月等のスパンでの連続運転が行われ、発停は頻繁には行われない。このため、家庭で用いられている場合には、夜間に運転音が発生してしまうため、発生する運転音を不快に感じるのを抑えようとするものである。なお、本発明の燃料電池装置1は、特に家庭用に限定されず、また、小規模なものにも限定されない。
【0018】
本発明においては、背景技術の欄で説明したが、発生する運転音の音圧(またはパワー密度)を低減するのではなく、運転音のゆらぎを、いわゆる1/fゆらぎ理論に基いて、不快と感じない範囲となるように発生させようとするものである。
【0019】
燃料電池装置1は、
図1に示すように、出力制御手段2と、測定手段3と、処理手段4と、スペクトル生成手段5と、傾き算出手段6と、判定手段7と、補正出力生成手段8と、を備える。
【0020】
出力制御手段2は、燃料電池装置1が一般に広く備える機能であり、説明は省略する。燃料電池装置1の出力の変動に応じて、燃料電池装置1の運転音が変動する。
【0021】
測定手段3は、燃料電池装置1の運転音を測定するもので、一般的な集音マイク装置等が適宜利用可能であり、特に限定されない。測定手段3により、運転音の音圧の時系列データ(アナログデータ)が得られる。測定手段3は、運転音を測定したい場所に適宜設置される。第一実施形態では、
図2に示すように、需要者の建物9にすぐ隣接して燃料電池装置1の本体が設置され、運転音は、隣接する建物98で居住する者にとって不快となる惧れがあるものとする。測定手段3は、例えば需要者の敷地90のうち、隣接する敷地99との境界に設けられる塀97の際に設けてもよい。これにより、需要者の敷地90外に測定手段3を設置することなく、不快と感じる惧れがある者に極力近い位置に設けることができる。また、測定手段3は、
図2に示すように、隣接する建物98に設けられてもよい。これにより、隣接する建物98で居住する者が実際に聞く運転音とほぼ同じ運転音を測定することができる。測定手段3で計測された音圧の時系列データは、有線または無線により燃料電池装置1の本体に送信される。
【0022】
処理手段4は、測定手段3で計測された音圧の時系列データを処理して、スペクトル生成手段5で処理できる状態とするものである。第一実施形態では、サンプリングを行い、デジタル化(A/D変換)を行い、適宜、メモリや記憶手段に記憶させる。第一実施形態では、処理手段4は、マイクロコンピュータからなる制御部を備え、プログラムにより、記憶手段をはじめその他の周辺機器を制御するもので、公知のものが適宜利用可能であり説明は省略する。サンプリング周期は、一般的には、処理の負荷や精度から25(ミリ秒)がよく採用されており好適であるが、概ね10(ミリ秒)〜50(ミリ秒)ならよく、また前記範囲外でもよく特に限定されない。
【0023】
スペクトル生成手段5は、測定手段3で測定された運転音の時系列データを基に、ゆらぎのパワースペクトルを生成するものである。時系列データよりゆらぎを抽出して、ゆらぎのパワースペクトルを生成する。ゆらぎのパワースペクトルは、ゆらぎの時系列データから、パワー密度P−周波数fの関係を算出するもので、フーリエ変換(特にいわゆるFFTが好ましい)により行われる。
【0024】
傾き算出手段6は、スペクトル生成手段5により生成されたゆらぎのパワースペクトルから、P=(1/f)
λを近似的に満たすゆらぎの傾きλを算出するものである。ここで、いわゆる1/fゆらぎ理論については詳細な説明は省略するが、ゆらぎの傾きλは、パワー密度Pおよび周波数fの両対数をとってゆらぎのパワースペクトルを表した時に、ゆらぎのパワースペクトルを一直線に近似した時の該直線の傾きである。ゆらぎのパワースペクトルの一直線への近似は、第一実施形態では最小二乗法によるが、他の方法でもよく特に限定されない。なお、ゆらぎのパワースペクトルは、最小二乗法等により一直線に近似するものであるが、ゆらぎのパワースペクトルが近似ではなく一直線となっていても勿論よいものである。
【0025】
いわゆる1/fゆらぎ理論においては、このゆらぎの傾きλが1の時にパワー密度Pが周波数fに反比例することとなり(すなわちP=1/f)、人間が快適に感じるというものである。本発明では、傾き算出手段6で算出されたゆらぎの傾きλが、許容範囲内に入るように、フィードバック制御を行うものである。許容範囲は、運転音を聞く者の聴力や、周囲の状況等に応じて定められる。第一実施形態では、許容範囲は、0.8以上で1.5以下とするが、より好ましくは0.9以上で1.3以下であり、前記以外の範囲でもよく前記に限定されない。
【0026】
判定手段7は、傾き算出手段6で算出されたゆらぎの傾きλが許容範囲内か否かを判定するものである。
【0027】
補正出力生成手段8は、判定手段7によりゆらぎの傾きλが許容範囲内にないと判定された時に、目標値とする燃料電池装置1の出力に、最大出力変動幅内で所定のゆらぎを加算した補正出力を生成するものである。補正出力については後述する。
【0028】
第一実施形態においては、スペクトル生成手段5、傾き算出手段6、判定手段7、補正出力生成手段8等は、マイクロコンピュータからなる上記制御部が、それぞれを機能の一部として備えるとともに、上記制御部が全体の制御を行うが、スペクトル生成手段5等はそれぞれ別に設けられてもよい。
【0029】
次に、フィードバック制御について
図4に基いて説明する。
【0030】
フィードバック制御が開始すると、(S1)出力制御手段2により、出力の制御が行われる。なお、出力制御手段2による出力の制御は、このフィードバック制御が行われていない場合でも、行われている。
【0031】
(S2)測定手段3により運転音の測定が行われる。運転音の測定時間は、30秒以上で5分以内が好ましく、特に1分が好ましいが、特に限定されず、30秒未満や5分を越えてもよい。第一実施形態では5分(300秒)である。すなわち、ゆらぎのパワースペクトルおよびゆらぎの傾きλが所定の精度で算出可能であればよい。
【0032】
(S3)処理手段4により、(S2)で計測された音圧の時系列データのサンプリング、A/D変換等の処理が行われる。
【0033】
(S4)スペクトル生成手段5により、(S3)で処理された運転音の時系列データを基に、ゆらぎのパワースペクトルが生成される。
【0034】
(S5)傾き算出手段6により、(S4)で生成されたゆらぎのパワースペクトルから、ゆらぎの傾きλが算出される。
【0035】
(S6)判定手段7により、(S5)で算出されたゆらぎの傾きλが許容範囲内か否かが判定される。(S6)で、ゆらぎの傾きλが許容範囲内の場合には、フィードバック制御を終了する。
【0036】
(S6)で、ゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には、(S7)補正出力生成手段8により、補正出力が生成されてフィードバックがなされ、再び(S1)で、補正出力に基いて、出力制御手段2による出力の制御が行われる。このフィードバックループは、ゆらぎの傾きλが許容範囲内に入るまで繰り返される。また、終了後、所定時間後または直ちに次のフィードバック制御が開始されてもよい。
【0037】
上記のように、本発明は、燃料電池装置1で実際に発生している運転音を測定し、ゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合に補正出力を生成して、この補正出力に基いて再び出力制御手段2による出力の制御を行うというフィードバック制御を行う点に特徴を有するものである。これにより、従来のように音の発生源を1/fゆらぎスペクトルを有するように駆動するだけで、実際に発生している音が1/fゆらぎスペクトルを有するものでないものと比較すると、実際に発生している運転音のゆらぎが1/fスペクトルに近いスペクトルを有することとなり、不快に感じるのを抑えることができる。
【0038】
以下、補正出力生成手段8で生成される補正出力について説明する。第一実施形態では、
図5に示すように、ランダムなゆらぎが生成される。
【0039】
補正出力の生成にあたり、補正出力生成手段8は、最大出力変動速度v
max内で、出力変動速度v、および、出力変動速度vでの出力変動時間Δtをランダムに設定する。最大出力変動速度v
maxは、燃料電池装置1により決まる物理的な能力である。
【0040】
また、最大変動幅ΔW
maxが、燃料電池装置1の出力(発電電力)に対して決められる。最大変動幅ΔW
maxの絶対値|ΔW
max|は出力の5%以上で20%以下とする。すなわち、出力に対する|ΔW
max|の比率が小さいと、ゆらぎの効果が小さくなり、また、出力に対する|ΔW
max|の比率が大きいと、電力の安定供給の観点から好ましくない。そこで、|ΔW
max|の範囲が決まるのであるが、|ΔW
max|の値は適宜設定可能である。
【0041】
なお、燃料電池装置1の出力が最低出力の場合には、最大変動幅ΔW
maxは0以上で+|ΔW
max|以下の片振りで設定されるのが好ましい。また、燃料電池装置1の出力が定格出力の場合には、最大変動幅ΔW
maxは0以下で−|ΔW
max|以上の片振りで設定される。
【0042】
そして、出力変動速度vが最大出力変動速度v
max内でランダムに設定され、出力変動時間Δtもランダムに設定される。ここで、出力変動速度vと出力変動時間Δtが設定されたときの変動幅ΔW(=出力変動速度v×出力変動時間Δt)が最大変動幅ΔW
maxの範囲を逸脱しないようにされる(例えば、出力変動時間Δtの上限を最大変動幅ΔW
max/出力変動速度vとする等)。
【0043】
乱数としては、複数の乱数パターンが用意され、一の乱数パターンにより
図5(a)に示すようなゆらぎのパターンが生成され、他の乱数パターンにより
図5(b)に示すようなゆらぎのパターンが生成される。そして、補正出力生成手段8は、(S7)で生成したゆらぎ(例えば
図5(a)参照)を加算した補正出力が、フィードバックされて(S1)で該補正出力に基いて出力の制御が行われる。そして、(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には、(S7)で別のゆらぎ(例えば
図5(b)参照)を加算した補正出力を生成し、フィードバックされた後の(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には更に別の補正出力の生成がなされ、以降、同様にフィードバックが繰り返される。
【0044】
このように、(S7)で別の補正出力を繰り返し生成するうちに、通常は(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内に収束する。
【0045】
また、更に、収束した上記乱数パターンや、事前に実験等により割り出して求めた収束する乱数パターンを「重み付け乱数パターン」とし、次回からこの重み付け乱数パターンに従って乱数を発生させてゆらぎを生成して補正出力を生成することにより、より一層収束が容易になる。
【0046】
このように、乱数が用いられて、ランダムにゆらぎが設定されることにより、ゆらぎの傾きλが早く許容範囲内に収束することが期待できる。
【0047】
次に、第二実施形態について、
図6に基いて説明する。第二実施形態は、第一実施形態とは、補正出力生成手段8が生成する補正出力が異なるものであり、それ以外の点については第一実施形態と同じであり、説明は省略する。
【0048】
最大出力変動速度v
maxおよび最大変動幅ΔW
maxの説明は第一実施形態と同様であるため省略する。そして、所定の振幅および所定の周期を有する三角波状に設定するものである。
【0049】
例えば、補正出力生成手段8は、(S7)で生成した、ゆらぎ(例えば
図6(a)に示す、振幅10W、周期40秒の三角波)を加算した補正出力が、フィードバックされて次の(S1)で該補正出力に基いて出力の制御が行われる。そして、(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には、(S7)で別のゆらぎ(例えば
図6(b)に示す、振幅10W、周期100秒の三角波)を加算した補正出力を生成し、フィードバックされた後の(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には更に別の補正出力の生成がなされ、以降、同様にフィードバックが繰り返される。
【0050】
このように、(S7)で別の補正出力を繰り返し生成するうちに、通常は(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内に収束する。
【0051】
第二実施形態の場合には、ゆらぎが規則的に変化する三角波状に設定されるため、乱数パターンを複数用意する必要がなく、補正出力の生成が容易となる。
【0052】
次に、第三実施形態について、
図7に基いて説明する。第三実施形態は、第一実施形態とは、補正出力生成手段8が生成する補正出力が異なるものであり、それ以外の点については第一実施形態と同じであり、説明は省略する。
【0053】
最大出力変動速度v
maxおよび最大変動幅ΔW
maxの説明は第一実施形態と同様であるため省略する。そして、所定の振幅および所定の周期を有する正弦波状に設定するものである。
【0054】
例えば、補正出力生成手段8は、(S7)で生成した、ゆらぎ(例えば
図7(a)に示す、振幅10W、周期40秒の正弦波)を加算した補正出力が、フィードバックされて次の(S1)で該補正出力に基いて出力の制御が行われる。そして、(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には、(S7)で別のゆらぎ(例えば
図7(b)に示す、振幅10W、周期100秒のる正弦波)を生成し、フィードバックされた後の(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内にない場合には更に別の補正出力の生成がなされ、以降、同様にフィードバックが繰り返される。
【0055】
このように、(S7)で別の補正出力を繰り返し生成するうちに、通常は(S6)でゆらぎの傾きλが許容範囲内に収束する。
【0056】
第三実施形態の場合には、ゆらぎが規則的に変化する正弦波状に設定されるため、乱数パターンを複数用意する必要がなく、補正出力の生成が容易となる。
【0057】
また、
図8に示す第四実施形態のように、三角波状や正弦波状ではない、台形状としてもよいし、更に他の形状としてもよい。