(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208613
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/46 20060101AFI20170925BHJP
H02J 3/14 20060101ALI20170925BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/14
H02J3/38 130
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-82404(P2014-82404)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-204678(P2015-204678A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】503063168
【氏名又は名称】東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222657
【氏名又は名称】東洋計器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112520
【弁理士】
【氏名又は名称】林 茂則
(72)【発明者】
【氏名】安部 健
(72)【発明者】
【氏名】根本 誠
(72)【発明者】
【氏名】杉本 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】大塚 真志
(72)【発明者】
【氏名】土田 泰秀
(72)【発明者】
【氏名】関谷 捷紀
(72)【発明者】
【氏名】土田 泰正
(72)【発明者】
【氏名】小澤 明也
【審査官】
緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/046713(WO,A1)
【文献】
特開2003−032890(JP,A)
【文献】
特開平11−055860(JP,A)
【文献】
特開2001−136681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−5/00
H02J 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力エネルギーの変動に伴い発電量が変動する第1発電設備、および、安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電する第2発電設備、を有する発電設備と、
保証電力値までの電力の供給を保証する第1配電系統、および、状況に応じて電力の供給が停止される第2配電系統、を有し、前記発電設備から受電した電力を配電する配電設備と、
を有する発電システムであって、
前記発電設備の発電電力と前記配電設備の配電電力とがバランスするように前記第2発電設備の出力が制御され、
前記第1発電設備または前記第2発電設備の出力電力に応じて、前記第1発電設備からの電力の供給制御または前記第2配電系統への配電制御が行われ、
前記第2発電設備の出力電力が最小設定電力値以下に低下した場合、前記第1発電設備からの電力の供給をオフにする
発電システム。
【請求項2】
前記第2発電設備の出力電力が第1設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第2発電設備の出力電力が前記第1設定電力値より大きな第2設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオフにする
請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記第2発電設備の出力電力が第3設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第2発電設備の出力電力と前記第1配電系統への配電電力の差が第4設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオフにする
請求項1に記載の発電システム。
【請求項4】
前記第1発電設備の出力電力が第5設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第1発電設備の出力電力が前記第5設定電力値より小さな第6設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオフにする
請求項1に記載の発電システム。
【請求項5】
前記第2配電系統への配電は、オン状態からオフ状態になる条件を満足するまではオン状態を維持し、オフ状態からオン状態になる条件を満足するまではオフ状態を維持するよう制御される
請求項2から請求項4までの何れか一項に記載の発電システム。
【請求項6】
前記第2発電設備の供給可能電力の最大値を前記保証電力値とする
請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の発電システム。
【請求項7】
前記第1発電設備が太陽光発電設備であり、前記第2発電設備がガスコージェネレーションシステムである
請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関し、特に、停電時等非常時であっても稼働させる必要のある重要負荷に対し安定的に電力を供給しつつ、太陽光等再生可能エネルギーを利用した発電設備を併用して、省エネルギーあるいは稼働時間の長期化を図ろうとする発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業所、店舗、家庭等、電力を消費する消費施設内に、太陽光、風力、地熱等の再生可能エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー発電設備を備える場合がある。再生可能エネルギー発電設備により発電した電力を電力会社が買い取る電力買取制度があり、これを利用する場合には、再生可能エネルギー発電設備により発電した全電力を電力会社に売電し、自己施設内で消費する電力については、電力会社から送電を受けるのが一般的である。
【0003】
ところで、停電等電力会社からの送電が停止した場合、売電していた再生可能エネルギー発電設備による電力を、自己の消費施設内で利用したい場合がある。このような場合に利用できる技術として、たとえば、特許文献1には、太陽電池あるいは燃料電池などの電池と、前記電池からの直流出力電力を交流電力に変換すると共に系統連系されたインバータと、前記系統から供給される商用電力が停止した場合予め設定された家庭内の電力供給箇所を制御する制御部を備えてなる家庭用発電システムが開示されている。当該家庭用発電システムによれば、電力会社側の配電設備に停電があった場合、インバータから系統配電設備への売電を停止すべく制御すると共に、設定された家庭内の電力供給箇所へインバータからの電力を供給し、専用コンセントに電気機器を接続し直す必要がなく利用できる効果があるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−15035
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術により、通常時には売電されていた電力を、停電等非常時においては、自己施設内で消費することができる。しかし、再生可能エネルギー発電設備は、日射量等環境に応じて出力が変動する環境依存型の発電設備なので、このような環境依存型発電設備のみでは、非常時においても確保しなければならない必要最小電力を確保できない恐れがある。このような恐れは、環境依存型発電設備に加え、安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電される環境に依存しない発電設備(環境非依存型発電設備)を設置し、両発電設備を自立連系運転する発電システムにより回避することができる。太陽電池等の環境依存型発電設備とコージェネレーションシステム等の環境非依存型発電設備とを自立連系運転させる発電システムによれば、仮に環境依存型発電設備からの出力がゼロになったとしても、環境非依存型発電設備により必要最小電力を確保することができる。
【0006】
ところで、環境依存型発電設備と環境非依存型発電設備とを自立連系運転する発電システムを、最も効率的に稼働させようとした場合、両発電設備の総発電電力と負荷で消費される消費電力とをバランスさせることが好ましい。また、環境非依存型発電設備で消費する燃料を節約するためには、総発電電力のうち環境依存型発電設備の寄与分をできるだけ多くし、環境非依存型発電設備の寄与分をできるだけ少なくすることが好ましい。つまり、環境依存型発電設備からの電力供給を優先しつつ、消費電力に達しない不足分を環境非依存型発電設備からの電力供給で補うよう環境非依存型発電設備の出力を制御することが好ましい。
【0007】
しかし、上記のように環境非依存型発電設備を制御すると、環境依存型発電設備の出力が消費電力を超えた場合、環境非依存型発電設備の出力はゼロに制御される。環境非依存型発電設備の出力がゼロになると、環境依存型発電設備からの電力の逆潮流を受け、環境非依存型発電設備が故障する可能性がある。逆潮流の対策として、従来、潮流検出器を使用した対策がとられている。潮流検出器は、電力線の検出点における電力の方向(順電力か逆電力(逆潮流)か)を検出し信号を出力する検出器であり、環境非依存型発電設備の出力段に設置して、逆電力(逆潮流)を検知した場合に環境依存型発電設備の出力を遮断して環境非依存型発電設備の保護を図ることができる。しかし、潮流検出器により逆潮流を検出した場合、僅かとはいえ環境非依存型発電設備の出力段に電力が逆流し、このような出力段への電力の逆潮流は、環境非依存型発電設備の出力容量があまり大きくない小規模発電設備においては、高い確率で故障を生じる原因になる可能性があり、何らかの対策が必要であることを本発明者らは認識した。
【0008】
本発明の目的は、環境依存型発電設備と環境非依存型発電設備とを併用する発電システムにおいて、効率的な稼働を実現する技術を提供することにある。また、そのような発電システムにおいて、環境非依存型発電設備が小規模発電設備の場合であっても、環境非依存型発電設備の故障を防止することができる技術を提供することにある。
【0009】
また、環境依存型発電設備の出力電力が負荷で消費される電力を超えている場合、すなわち余剰電力がある場合、当該余剰電力を無駄にすることなく活用することが好ましい。この場合、余剰電力は、非常時であっても稼働を確保しなければならない負荷(以下「重要負荷」という)に優先的に供給されるべきであり、重要負荷への電力供給を確保したうえで、さらに総発電電力に余裕がある場合には、重要負荷以外の負荷(以下「通常負荷」という)にも電力供給されることが好ましい。
【0010】
本発明の目的は、重要負荷に優先的に電力を供給し、余剰電力がある場合には通常負荷にも当該余剰電力を供給することが可能な発電システムを提供することにある。
【0011】
さらに、上記したような発電システムにおいて環境依存型発電設備の出力が変動した場合には、状況に応じて適切に配電状況を変更するよう制御する必要があり、環境非依存型発電設備で消費する燃料ができるだけ少なくなるよう制御することが好ましい。
【0012】
本発明の目的は、上記した発電システムにおいて、環境依存型発電設備の出力変動に対応し、環境非依存型発電設備での燃料消費を抑制する制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、入力エネルギーの変動に伴い発電量が変動する第1発電設備、および、安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電する第2発電設備、を有する発電設備と、保証電力値までの電力の供給を保証する第1配電系統、および、状況に応じて電力の供給が停止される第2配電系統、を有し、前記発電設備から受電した電力を配電する配電設備と、を有する発電システムであって、前記発電設備の発電電力と前記配電設備の配電電力とがバランスするように前記第2発電設備の出力が制御され、前記第1発電設備または前記第2発電設備の出力電力に応じて、前記第1発電設備からの電力の供給制御または前記第2配電系統への配電制御が行われる発電システムを提供する。
【0014】
上記した発電システムによれば、前記発電設備の発電電力と前記配電設備の配電電力とがバランスするように前記第2発電設備の出力が制御され、前記第2発電設備の出力電力に応じて、前記第1発電設備からの電力の供給制御または前記第2配電系統への配電制御が行われるため、環境依存型の第1発電設備と環境非依存型の第2発電設備とを併用する発電システムにおいて、効率的な稼働を実現することができる。
【0015】
具体的には、前記第2発電設備の出力電力が最小設定電力値以下に低下した場合、前記第1発電設備からの電力の供給をオフにすることができる。これにより、環境非依存型の第2発電設備が小規模発電設備であっても、第2発電設備の故障を防止することができる。
【0016】
また、前記第2発電設備の出力電力が第1設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第2発電設備の出力電力が前記第1設定電力値より大きな第2設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオフにすることができる。これにより、第1配電系統に接続された重要負荷に優先的に電力を供給し、余剰電力がある場合には、第2配電系統に接続された通常負荷にも当該余剰電力を供給することが可能になる。
【0017】
また、前記第2発電設備の出力電力が第3設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第2発電設備の出力電力と前記第1配電系統への配電電力の差が第4設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオフにすることができる。これにより、環境依存型の第1発電設備の出力変動に対応し、環境非依存型の第2発電設備での燃料消費を抑制することができる。
【0018】
また、前記第1発電設備の出力電力が第5設定電力値以上である場合、前記第2配電系統への配電をオンにし、前記第1発電設備の出力電力が前記第5設定電力値より小さな第6設定電力値以下である場合、前記第2配電系統への配電をオフにすることができる。これにより、環境依存型の第1発電設備の出力を直接計測し、第1発電設備が十分に稼働している場合には、余剰電力があるとみなしてこれを第2配電系統に接続された通常負荷に供給し、一方、余剰電力がないと思われる場合には、通常負荷への電力供給を遮断し、第1配電系統に接続された重要負荷への電力供給を優先するよう制御することができる。
【0019】
なお、前記第2配電系統への配電は、オン状態からオフ状態になる条件を満足するまではオン状態を維持し、オフ状態からオン状態になる条件を満足するまではオフ状態を維持するよう制御することができる。また、前記第2発電設備の供給可能電力の最大値を前記保証電力値とすることができる。前記第1発電設備として太陽光発電設備を挙げることができ、前記第2発電設備としてガスコージェネレーションシステムを挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】発電システム100の概要を示したブロック図である。
【
図2】発電システム200の概要を示したブロック図である。
【
図3】発電システム300の概要を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
図1は、発電システム100の概要を示したブロック図である。発電システム100は、発電設備110と、配電設備120と、制御手段130とを有する。発電設備110は、停電等電力会社からの送電が停止した場合にも電力が供給できる発電設備である。発電設備110には、入力エネルギーの変動に伴い発電量が変動する第1発電設備と、安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電する第2発電設備とを含む。発電設備110は、第1発電設備と第2発電設備とを自立連系運転させる。配電設備120は、発電設備110から受電した電力を配電する。配電設備120には、保証電力値までの電力の供給を保証する第1配電系統122と、状況に応じて電力の供給が停止される第2配電系統124とを含む。
【0022】
発電設備110は、太陽電池パネル112、インバータ114、コージェネレーションシステム116、UPR118を有し、インバータ114の出力には第1スイッチSW1が、コージェネレーションシステム116の出力には第1電力計測点A1が設けられている。
【0023】
太陽電池パネル112およびインバータ114は、入力エネルギーの変動に伴い発電量が変動する第1発電設備の一例である。太陽電池パネル112は、再生可能エネルギーである太陽光を受けて発電し、インバータ114は、太陽電池パネル112で発電した直流電力を交流電力に変換する。太陽電池パネル112は、太陽光の日射量に応じて出力が変動する。入力エネルギーの変動に伴い発電量が変動する第1発電設備の他の例として、風力発電、地熱発電等を挙げることができる。
【0024】
コージェネレーションシステム116は、安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電する第2発電設備の一例である。コージェネレーションシステム116は、発電手段とともに発熱手段を備えるが、ここでは発電手段を用いる。ガスコージェネレーションシステムの場合、燃料として都市ガスが安定的に供給され、停電の場合であっても、通常は安定的に燃料が供給される。安定的に供給される燃料または備蓄された燃料により発電する第2発電設備の他の例として、ディーゼル発電機等を挙げることができる。
【0025】
UPR118は、不足電力継電器である。UPR118は、第1電力計測点A1における電力計測値を受け、第1スイッチSW1のオンオフを制御する。UPR118は、予め設定した電力値と比較して出力電力が不足しているか否かを検知し、不足している場合には遮断信号を発生する継電器である。本発明においては、第1スイッチSW1のオンオフを制御する制御手段として機能する。UPR118の予め設定した電力値として、最少電力値を設定すると、後述するような第1制御が可能になる。
【0026】
配電設備120は、第1配電系統122および第2配電系統124を有する。第1配電系統122には、重要負荷140が接続され、保証電力値までの電力の供給を保証する。第1配電系統122に接続される負荷には、電力会社からの送電が停止するような非常時であっても、保証電力値内で電力の供給が保証されるので、第1配電系統122には、生命維持に必要な病院内設備等、停電時であっても稼働させる必要がある重要負荷140を接続する。
【0027】
第2配電系統124は、状況に応じて電力の供給が停止される。第2配電系統124には、非常時には停止しても良いような通常負荷150を接続する。第2配電系統124には、第2スイッチSW2が設けられ、第2スイッチSW2をオフにすることで第2配電系統124を遮断することができる。制御手段130は、第1電力計測点A1における電力計測値を受け、第2スイッチSW2のオンオフを制御する。
【0028】
以下に、発電システム100の制御を説明する。原則として、発電システム100は、発電設備110の発電電力と配電設備120の配電電力とがバランスするように制御される。配電電力は負荷に応じて変動し、太陽電池パネル112の出力は日射量によって変動するので、発電電力と配電電力のバランスは、コージェネレーションシステム116の出力制御により行われる。たとえば、負荷に供給されている電力が50kWであり、太陽電池パネル112からの出力が30kWである場合、コージェネレーションシステム116の出力が20kWになるようを制御される。なお、コージェネレーションシステム116の出力制御は、出力電圧をモニタしてコージェネレーションシステム116により自動的に行われる。太陽電池パネル112の発電電力が優先的に配電電力に充当されることにより、コージェネレーションシステム116の稼働が抑制され、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
上記のとおり、原則として発電電力と配電電力がバランスするようコージェネレーションシステム116の出力が制御されるが、システムの安全性や負荷の変動に対応して、太陽電池パネル112からの電力の供給制御または第2配電系統124への配電制御が行われる。当該制御は、コージェネレーションシステム116の出力電力を第1電力計測点A1においてモニタし、モニタした電力値に応じて、太陽電池パネル112からの電力の供給制御または第2配電系統124への配電制御が行われる。
【0030】
具体的には、コージェネレーションシステム116の出力電力が最小設定電力値以下に低下した場合、太陽電池パネル112からの電力の供給をオフにする(以下、「第1制御」という。)。すなわち、コージェネレーションシステム116の出力電力を第1電力計測点A1においてモニタし、UPR118により、出力電力が最小設定電力値以下であるかどうかを判断する。最小設定電力値以下である場合、第1スイッチSW1をオフにして太陽電池パネル112からの電力の供給をオフにする。
【0031】
このような制御は、コージェネレーションシステム116の保護のために行われる。すなわち、発電電力と配電電力がバランスするようコージェネレーションシステム116の出力を制御していることを前提にすれば、太陽電池パネル112からの電力の供給が配電電力を上回る場合、コージェネレーションシステム116の出力電力がゼロになる。一般に、停電時等に用いる非常用の発電システムでは、出力が小容量のコージェネレーションシステムが選択される。
【0032】
小容量コージェネレーションシステムでは僅かな電力逆潮流が生じても故障する可能性があり、コージェネレーションシステム116の出力電力がゼロになると、逆潮流による故障の可能性が高くなる。そこで、コージェネレーションシステム116の出力電力が最小設定電力値以下に低下した場合、太陽電池パネル112からの電力の供給をオフにすることとし、出力電力がゼロになる前の最小設定電力値になったとき、これを検知して太陽電池パネル112からの電力供給をオフにする。これにより、コージェネレーションシステム116の故障を確実に回避することができる。本実施形態の発電システム100は、逆潮流検出器を用いて保護回路を構成していた従来技術と異なり、UPR118を用いるので、逆潮流を生じることがなく、確実にコージェネレーションシステム116を保護することができる。
【0033】
また、コージェネレーションシステム116の出力電力が第1設定電力値以下である場合、第2配電系統124への配電をオンにし、コージェネレーションシステム116の出力電力が第1設定電力値より大きな第2設定電力値以上である場合、第2配電系統124への配電をオフにする(以下、「第2制御」という。)。第2配電系統124への配電のオンオフは第2スイッチSW2により行う。また、コージェネレーションシステム116の出力電力は第1電力計測点A1においてモニタし、制御は制御手段130により行う。
【0034】
このような制御は、太陽電池パネル112からの余剰電力を通常負荷150でも消費することができるようにするために行う。すなわち、第1設定電力値として比較的小さな値を設定すれば、コージェネレーションシステム116の出力電力が第1設定電力値以下になる状況は、すなわち太陽電池パネル112からの電力供給が比較的大きく、コージェネレーションシステム116の発電能力に余裕がある状況であるといえる。このような状況は、通常負荷150にも電力を供給する余力があるので、SW2をオンにして通常負荷150にも電力を供給するものである。そして、コージェネレーションシステム116の出力電力が第2設定電力値以上になる状況とは、通常負荷150に電力を供給しつつ、燃料を消費してコージェネレーションシステム116を稼働させている状況であり、燃料節約の観点から好ましくない。そこで、SW2をオフにして通常負荷150への電力供給を停止するものである。
【0035】
なお、第2制御は、第1制御と併用してもよく、別個独立に適用してもよい。第1制御と併用して第2制御を用いる場合、第1設定電力値は、最小設定電力値より大きな値とする。第1制御は、あくまでコージェネレーションシステム116の保護制御として用い、第2制御が正常に作動している場合には、第1制御を作動させなくするためである。
【0036】
(実施形態2)
図2は、発電システム200の概要を示したブロック図である。発電システム200は、コージェネレーションシステム116の出力電力を第1電力計測点A1で計測することに加え、第1配電系統122の配電電力を第2電力計測点A2においても計測する以外は、発電システム100と同様である。第2電力計測点A2において計測する電力は、重要負荷140に供給される電力である。
【0037】
発電システム200の制御を以下に説明する。実施形態1における制御1と同様の制御を発電システム200において実行できる。
【0038】
また、発電システム200では、コージェネレーションシステム116の出力電力が第3設定電力値以下である場合、第2配電系統124への配電をオンにし、コージェネレーションシステム116の出力電力と第1配電系統への配電電力の差が第4設定電力値以上である場合、第2配電系統124への配電をオフにする(以下、「第3制御」という。)。第2配電系統124への配電のオンオフは第2スイッチSW2により行う。また、コージェネレーションシステム116の出力電力は第1電力計測点A1においてモニタし、第1配電系統への配電電力は第2電力計測点A2においてモニタする。制御は制御手段130により行う。
【0039】
このような制御は、制御2と同様、太陽電池パネル112からの余剰電力を通常負荷150でも消費することができるようにするために行う。すなわち、第3設定電力値として比較的小さな値を設定すれば、コージェネレーションシステム116の出力電力が第3設定電力値以下になる状況は、すなわち太陽電池パネル112からの電力供給が比較的大きく、コージェネレーションシステム116の発電能力に余裕がある状況であるといえる。このような状況は、通常負荷150にも電力を供給する余力があるので、SW2をオンにして通常負荷150にも電力を供給するものである。一方、コージェネレーションシステム116の出力電力と第1配電系統への配電電力の差が第4設定電力値以上となる状況は、コージェネレーションシステム116の出力電力のうち第4設定電力値以上の電力が通常負荷150に供給されていることを意味する。これは、第4設定電力値以上の電力に相当する燃料を通常負荷150のために使用していることになり、燃料節約の観点から好ましくない。そこで、SW2をオフにして通常負荷150への電力供給を停止するものである。
【0040】
なお、第3制御は、第1制御と併用してもよく、別個独立に適用してもよい。第1制御と併用して第3制御を用いる場合、第3設定電力値は、最小設定電力値より大きな値とする。第1制御は、あくまでコージェネレーションシステム116の保護制御として用い、第3制御が正常に作動している場合には、第1制御を作動させなくするためである。
【0041】
(実施形態3)
図3は、発電システム300の概要を示したブロック図である。発電システム300は、コージェネレーションシステム116の出力電力を第1電力計測点A1で計測することに加え、インバータ114からの出力電力を第3電力計測点A3においても計測する以外は、発電システム100と同様である。第3電力計測点A3において計測する電力は、太陽電池パネル112およびインバータ114から供給される電力である。
【0042】
発電システム300の制御を以下に説明する。実施形態1における制御1と同様の制御を発電システム300において実行できる。
【0043】
また、発電システム300では、太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力が第5設定電力値以上である場合、第2配電系統124への配電をオンにし、太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力が第5設定電力値より小さな第6設定電力値以下である場合、第2配電系統124への配電をオフにする(以下、「第4制御」という。)。第2配電系統124への配電のオンオフは第2スイッチSW2により行う。また、コージェネレーションシステム116の出力電力は第1電力計測点A1においてモニタし、太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力は第3電力計測点A3においてモニタする。制御は制御手段130により行う。
【0044】
このような制御は、制御2および制御3と同様、太陽電池パネル112からの余剰電力を通常負荷150でも消費することができるようにするために行う。すなわち、太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力が十分大きいと考えられる電力値として第5設定電力値を設定し、太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力が十分ではないと考えられる電力値として第6設定電力値を設定すれば、強い日照を受け、太陽電池パネル112が十分に稼働していると考えられるときには、SW2をオンにして太陽電池パネル112およびインバータ114からの出力電力を通常負荷150に供給し、日照が陰り、太陽電池パネル112の稼働が十分ではないと考えられるときには、SW2をオフにして通常負荷150への電力供給を遮断し、重要負荷140への電力供給を優先することができる。
【0045】
なお、第4制御は、第1制御と併用してもよく、別個独立に適用してもよい。第1制御と併用して第4制御を用いる場合、第6設定電力値は、最小設定電力値より大きな値とする。第1制御は、あくまでコージェネレーションシステム116の保護制御として用い、第4制御が正常に作動している場合には、第1制御を作動させなくするためである。
【0046】
以上説明した、発電システム100、発電システム200、発電システム300によれば、効率的な稼働が実現でき、コージェネレーションシステム116の故障を防止することができる。また、重要負荷140に優先的に電力を供給しつつ、余剰電力がある場合には通常負荷150にも余剰電力を供給することが可能である。さらに、コージェネレーションシステム116での燃料消費を抑制できる。
【0047】
なお、制御2、制御3および制御4において、第2配電系統124への配電が、オン状態からオフ状態になる条件を満足するまではオン状態を維持し、オフ状態からオン状態になる条件を満足するまではオフ状態を維持するよう制御されてもよい、すなわち、オンオフにヒステリシスを設けても良い。
【0048】
また、実施形態1、2、3において、コージェネレーションシステム116の供給可能電力の最大値は、保証電力値とすることが好ましい。この場合、太陽電池パネル112から発電がゼロである最悪の場合であっても、コージェネレーションシステム116単体で重要負荷140への電力供給を賄うことができる。
【符号の説明】
【0049】
100…発電システム、110…発電設備、112…太陽電池パネル、114…インバータ、116…コージェネレーションシステム、118…UPR、120…配電設備、122…第1配電系統、124…第2配電系統、130…制御手段、140…重要負荷、150…通常負荷、200…発電システム、300…発電システム、A1…第1電力計測点、A2…第2電力計測点、A3…第3電力計測点、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ。