(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208639
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】作業機およびその段積構造
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20170925BHJP
F02B 63/04 20060101ALI20170925BHJP
B62B 3/16 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
B08B3/02 Z
F02B63/04 B
B62B3/16
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-177181(P2014-177181)
(22)【出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-49507(P2016-49507A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2016年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】行方 重樹
【審査官】
柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−177559(JP,A)
【文献】
実公昭50−029254(JP,Y1)
【文献】
特開2003−120307(JP,A)
【文献】
特開平10−309543(JP,A)
【文献】
特開平09−217632(JP,A)
【文献】
実開昭57−045255(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0204013(US,A1)
【文献】
実開平05−082741(JP,U)
【文献】
特開平11−343860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
B62B 3/16
F02B 63/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(7)および後輪(8)に支持されるフレーム(2)を有し、段積み可能な作業機(1)であって、
前記フレーム(2)は、
前記前輪(7)の車軸(17)と前記後輪(8)の車軸(18)とが固定された下側フレーム(3)と、
前記下側フレーム(3)の上方に配置されて、他の作業機(1)が段積みされるときに当該他の作業機(1)の前記前輪(7)の車軸(17)と前記後輪(8)の車軸(18)とが載置される上側フレーム(4)と、を有し、
前記上側フレーム(4)上には、前後方向に間隔(d)をあけて一対の突起(30,30)が設けられており、
前記一対の突起(30,30)は、それらの間に前記前輪(7)の車軸(17)および前記後輪(8)の車軸(18)が収まるような前記間隔(d)で設けられており、
前記他の作業機(1)が段積みされるとき、前記上側フレーム(4)上に載置された当該他の作業機(1)の前記前輪(7)の車軸(17)または前記後輪(8)の車軸(18)が前記上側フレーム(4)上の前記一対の突起(30,30)によって前方または後方から係止されるように構成されていることを特徴とする作業機(1)。
【請求項2】
前記一対の突起(30,30)の向かい合う内側面(30a)が、互いに近づくにつれて低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の作業機(1)。
【請求項3】
前記上側フレーム(4)の上方に突出する吊りフック(20)と、
前記下側フレーム(3)に支持されて、機器が搭載されるセット台(9)と、を更に備え、
前記セット台(9)には、下側に配置された他の作業機(1)の前記一対の突起(30,30)の間に前記前輪(7)の車軸(17)および前記後輪(8)の車軸(18)が収まったときに当該他の作業機(1)の前記吊りフック(20)と対応する位置に、前記吊りフック(20)を挿通可能な孔部(9a)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の作業機(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機(1)を複数備え、当該複数の作業機(1)が、前記一対の突起(30,30)の間に前記前輪(7)の車軸(17)および前記後輪(8)の車軸(18)が収まった状態で段積みされた作業機(1)の段積構造(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、フレームを有する作業機およびその段積構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フレームを有する作業機として、たとえば、特許文献1に記載されるように、エンジンとエンジンにより駆動されるプランジャポンプとが架台に搭載された洗浄機が知られている。この洗浄機では、一対の四角状のフレームの下部の間に、架台が固定されている。一方、特許文献2に記載されるように、複数の洗浄機を段積み可能とした構造が知られている。この洗浄機の台車は、台枠部分と、台車の一端側および他端側に立設された主ハンドルおよび補助ハンドルとからなっており、主ハンドルの折曲部分を折りたたんだときに、この折曲部分の先端が補助ハンドル上に当接するように構成されている。下側のフレームには逆U字状のハンドル受け部が突設されている。この洗浄機を段積みすると、折りたたまれた主ハンドルの先端部にハンドル受け部が係止される。また、上側の洗浄機の車輪は、下側の洗浄機の主ハンドルの両外側に係合する。このようにして、洗浄機を2段または3段に段積みすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−192999号公報
【特許文献2】特開平10−309543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の作業機では、段積み可能に構成されていた場合でも、段積み時に2段目の作業機を1段目の作業機上に降下させる際、位置決めの拠り所となるものが無かった。若しくは、降下させる位置を視認し難かった。
【0005】
本発明は、段積み作業を容易かつ確実に行うことができる作業機およびその段積構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前輪(7)および後輪(8)に支持されるフレーム(2)を有し、段積み可能な作業機(1)であって、フレーム(2)は、前輪(7)の車軸(17)と後輪(8)の車軸(18)とが固定された下側フレーム(3)と、下側フレーム(3)の上方に配置されて、他の作業機(1)が段積みされるときに当該他の作業機(1)の前輪(7)の車軸(17)と後輪(8)の車軸(18)とが載置される上側フレーム(4)と、を有し、上側フレーム(4)
上には、前後方向に間隔(d)をあけて一対の突起(30,30)が設けられており、一対の突起(30,30)は、それらの間に前輪(7)の車軸(17)および後輪(8)の車軸(18)が収まるような間隔(d)で設けられて
おり、他の作業機(1)が段積みされるとき、上側フレーム(4)上に載置された当該他の作業機(1)の前輪(7)の車軸(17)または後輪(8)の車軸(18)が上側フレーム(4)上の一対の突起(30,30)によって前方または後方から係止されるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
この作業機(1)によれば、上側フレーム(4)に、段積みされる他の作業機(1)の前輪(7)の車軸(17)と後輪(8)の車軸(18)とが載置される。上側フレーム(4)に設けられた一対の突起(30,30)の間には前輪(7)の車軸(17)および後輪(8)の車軸(18)が収まるようになっているため、前後の車軸(17,18)を突起(30,30)の間に嵌め込むように他の作業機(1)を降下させればよく、段積み作業時の位置決めが容易である。一対の突起(30,30)は上側フレーム(4)に設けられているため、突起(30,30)を視認し易く、段積み作業を確実に行うことができる。しかも、前後の車軸(17,18)が突起(30,30)に係止されるため、段積みされた作業機(1)が安定しており、安全性が確保される。
【0008】
一対の突起(30,30)の向かい合う内側面(30a)が、互いに近づくにつれて低くなるように傾斜していると、前後の車軸(17,18)を突起(30,30)の間に嵌め込み易くなり、より一層、段積み作業が容易になる。
【0009】
上記の作業機(1)は、上側フレーム(4)の上方に突出する吊りフック(20)と、下側フレーム(3)に支持されて、機器が搭載されるセット台(9)と、を更に備え、セット台(9)には、下側に配置された他の作業機(1)の一対の突起(30,30)の間に前輪(7)の車軸(17)および後輪(8)の車軸(18)が収まったときに当該他の作業機(1)の吊りフック(20)と対応する位置に、吊りフック(20)を挿通可能な孔部(9a)が設けられている。この構成によれば、下側の作業機(1)上に上側の作業機(1)を降下させる際、視認容易な吊りフック(20)と孔部(9a)とを合わせることによって、前後の車軸(17,18)が突起(30,30)の間に嵌まり込むことになるため、段積み作業をより容易かつ確実に行うことができる。
【0010】
上記の作業機(1)を複数備え、当該複数の作業機(1)が、一対の突起(30,30)の間に前輪(7)の車軸(17)および後輪(8)の車軸(18)が収まった状態で段積みされた作業機(1)の段積構造(100)。この段積構造(100)によれば、作業機(1)の段積み作業が容易かつ確実であり、さらには、安全性も確保されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、段積み作業を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業機を上から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す作業機を2段に段積みした段積構造の斜視図である。
【
図5】段積みされた2台の作業機の係止部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書及び特許請求の範囲において使用されている「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向を示す語は、水平面上に作業機を設置した状態において、当該作業機の通常の前進方向を前方と定めた状態を基準としている。以下の実施形態では、本発明がエンジン式の高圧洗浄機に適用される場合について説明する。
【0014】
図1および
図2を参照して、本実施形態の洗浄機(作業機)1について説明する。洗浄機1は、エンジン式の高圧洗浄機であり、エンジン10によって駆動されるポンプ11を備えている。エンジン10は、たとえば単気筒エンジンである。ポンプ11は、たとえばプランジャポンプ(往復動ポンプ)であり、エンジン10により駆動されて、吸水口51から液体(たとえば水または洗浄液等)を吸水し、吐出口52に接続されたホースを介して、液体をノズルガン(いずれも図示せず)から吐出させる。吸水口51とポンプ11との間には、ラインストレーナ12が設けられている。
【0015】
洗浄機1は、方形のフレーム2と、フレーム2を支持する前輪7および後輪8とを具備している。フレーム2は、左右の両側において上下方向および前後方向に延在する四角形の枠体2a,2aを有しており、それぞれの枠体2aは、下側フレーム3と、上側フレーム4と、これらを前後で連結する前側フレーム5aおよび後ろ側フレーム5bと、からなっている。これらの下側フレーム3、上側フレーム4、前側フレーム5aおよび後ろ側フレーム5bは、たとえば鋼製のパイプからなる。2本の上側フレーム4,4は平行に延びており、前後方向の中央部において、これらの間を1本の補強フレーム6が連結している。2本の下側フレーム3,3は平行に延びており、これらの間を2本の支持フレーム13,13が連結している。下側フレーム3の鉛直上方に、上側フレーム4が配置されている。よって、下側フレーム3,3の左右の間隔と上側フレーム4,4の左右の間隔とは等しい。
【0016】
図2に示されるように、支持フレーム13,13は平行に延びており、車軸17および車軸18の離間距離に対応して、前後方向に離間している。下側フレーム3,3と支持フレーム13,13とによって、長方形の開口Aが形成されている。そして、前輪7の車軸17が、下側フレーム3および前方の支持フレーム13の下端に固定されており、後輪8の車軸18が、下側フレーム3および後方の支持フレーム13の下端に固定されている。前輪7および後輪8は、下側フレーム3,3の外方側に配置されている。
図1に示されるように、左側の下側フレーム3の外面には、後輪8を回転不能または回転自在とするためのブレーキレバー16が回動可能に取り付けられている。後輪8に固定され周方向に配列された複数のピン8a(またはボルト。
図5参照)のうちの1本にブレーキレバー16が係合することにより、後輪8が回転不能とされ、ブレーキレバー16がピン8aから離脱することで、後輪8が回転自在とされる。
【0017】
支持フレーム13,13上には、4つの防振ゴム14を介して長方形状の鋼板製のセット台9が取り付けられている。このように下側フレーム3,3によって支持されたセット台9上に、上記した各機器、すなわちエンジン10およびポンプ11等が搭載されている。洗浄機1の各機器は、枠体2a,2a間のスペース内に収められている。また、セット台9の下面は、下側フレーム3,3間および支持フレーム13,13間の開口Aから、下方に露出している。なお、右側の前側フレーム5aと後ろ側フレーム5bのそれぞれには、ノズルガンを保持するためのL字状のノズルガンホルダー19が、フレーム2の外方に突出するようにして取り付けられている。
【0018】
さらに、上側フレーム4,4間を連結する補強フレーム6には、上側フレーム4,4の上方に突出する逆U字状の吊りフック20が設けられている。この吊りフック20は、補強フレーム6の延在方向に沿って延びており、言い換えれば、前後方向に直交する平面に沿って延びている。吊りフック20は、洗浄機1の前後方向および左右方向の重心の位置に設けられている。補強フレーム6に固定された吊りフック20に吊り具(図示せず)が引っ掛けられて洗浄機1が吊られることで、洗浄機1全体の移設・運搬または収納が可能になっている。
【0019】
図3および
図4を参照して、洗浄機1の段積構造100について説明する。本実施形態の洗浄機1においては、複数の洗浄機1が段積み可能になっている。洗浄機1は、2段または3段以上に段積みすることができ、このような構成により、洗浄機1の収納スペースの削減が図られている。下側の洗浄機1に対して上側の洗浄機1を降下させて段積みする場合、下側の洗浄機1の上側フレーム4,4上に、上側の洗浄機1(すなわち段積みされる洗浄機1)の車軸17,18が載置される。
【0020】
図1、
図3および
図5に示されるように、上側フレーム4上には、前後方向に間隔dをあけて一対の突起30,30が設けられている。他方の上側フレーム4上にも、前後方向に間隔dをあけて一対の突起30,30が設けられている。各突起30は、溶接等によって上側フレーム4または他の介在部材に接合されている。このように、大きさ及び形状が同じである4つの突起30が、上側フレーム4上に固定されており、上側フレーム4から上方に所定の高さ突出している。右の上側フレーム4上の突起30と、左の上側フレーム4上の突起30とは、前後方向の位置が揃えられており、よって、これらの突起30,30は左右に整列している。
【0021】
図5に示されるように、前後方向に並ぶ二対の突起30,30は、それらの間に前輪7の車軸17および後輪8の車軸18が収まるような間隔dで設けられている。本実施形態では、各突起30は、前後方向に向かい合う内側面30a(すなわち前方の突起30の後面、後方の突起30の前面)が、互いに近づくにつれて低くなるように傾斜している。すなわち、突起30は、左右の側方から見て三角形状である。突起30,30の内側面30aの下端(上側フレーム4との交点)の間隔dが、車軸17の前端と車軸18の後端との間の距離よりも僅かに小さくなっている。かつ、間隔dは、車軸17の後端と車軸18の前端との間の距離よりも僅かに大きくなっている。なお、突起30,30の間隔dが、車軸17の前端と車軸18の後端との間の距離と等しくてもよく、当該距離より僅かに大きくてもよい。
【0022】
図3および
図4に示される洗浄機1の段積構造100では、複数の洗浄機1が、一対の突起30,30の間に前輪7の車軸17および後輪8の車軸18が収まった状態で、段積みされている。これにより、突起30,30が車軸17および車軸18の前後方向の動きを規制し、洗浄機1の安定化が図られている。さらに、
図2に示されるように、開口Aから下方に露出しているセット台9の中央部には、下側に配置された洗浄機1の一対の突起30,30の間に車軸17および車軸18が収まったときにその洗浄機1の吊りフック20と対応する位置に、吊りフック20を挿通可能な孔部9aが設けられている。孔部9aは、左右方向に延びる長孔であり、前後方向においては、吊りフック20よりも僅かに大きい幅を有する。この孔部9aは、他の洗浄機1の吊りフック20の上端部20a(
図3参照)を挿通させつつ、吊りフック20に対するセット台9の前後方向への移動を規制する。このように、セット台9の孔部9aは、吊りフック20に対する逃げ孔であるとともに、吊りフック20を係止して、洗浄機1の固定に寄与する。
【0023】
複数の洗浄機1を段積み格納時には、下側の洗浄機1に対して、上側の洗浄機1を吊り下げながら降下させる。このとき、作業者は、下側の洗浄機1の吊りフック20に対して、上側の吊りフック20の孔部9aを合わせるよう、洗浄機1を降下させる。ここで、孔部9aと吊りフック20とは、位置および回転方向(水平方向の向き)を合わせたときにのみ、孔部9aに吊りフック20を挿通させることができる。吊りフック20に対して孔部9aを位置合わせしつつ、洗浄機1をさらに降下させると、孔部9aに吊りフック20の上端部20aが通り係止される。これと同時に、4つの突起30間に車軸17,18が収まる。車軸17,18が上側フレーム4上に載置されると、段積みが完了する。
【0024】
以上説明した本実施形態の洗浄機1によれば、上側フレーム4に、段積みされる他の洗浄機1の前輪7の車軸17と後輪8の車軸18とが載置される。上側フレーム4に設けられた一対の突起30,30の間には前輪7の車軸17および後輪8の車軸18が収まるようになっているため、前後の車軸17,18を突起30,30の間に嵌め込むように他の洗浄機1を降下させればよく、段積み作業時の位置決めが容易になっている。一対の突起30,30は上側フレーム4に設けられているため、突起30,30を視認し易く、段積み作業を確実に行うことができる。しかも、前後の車軸17,18が突起30,30に係止されるため、段積みされた洗浄機1が安定しており、洗浄機1の落下が防止され、安全性が確保されている。
【0025】
また、一対の突起30,30の向かい合う内側面30aが、互いに近づくにつれて低くなるように傾斜しているため、前後の車軸17,18を突起30,30の間に嵌め込み易くなり、より一層、段積み作業が容易になっている。
【0026】
また、下側の洗浄機1上に上側の洗浄機1を降下させる際、視認容易な吊りフック20と孔部9aとを合わせるため、これらの係止状態を視認し易い。これらが係止すると、前後の車軸17,18が突起30,30の間に嵌まり込むことになるため、段積み作業をより容易かつ確実に行うことができる。吊りフック20とセット台9とは、それぞれ本来の機能を有するが、これらの部品を利用して位置決め及び係止の機能を付加している。このような工夫によって、使い易さと安全性とが向上しており、しかも別途の部材を用いることなく、コストアップが抑えられており、実質的なコストダウンが実現されている。
【0027】
段積構造100によれば、洗浄機1の段積み作業が容易かつ確実であり、さらには、安全性も確保されている。
【0028】
また、セット台9に設けられた孔部9aは、吊りフック20と同じ左右方向に延びており、前後方向においては、吊りフック20よりも僅かに大きい幅を有する。よって、孔部9aは、吊りフック20に対するセット台9の前後方向の移動を規制するのみならず、吊りフック20に対するセット台9、すなわち段積みされる上側の洗浄機1の位置・姿勢を決め、そして洗浄機1を固定する機能を有している。その結果として、洗浄機1の段積み保管時の安定性が増している。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、二対の突起30が左右の上側フレーム4,4に設けられる場合に限られず、左右のいずれか一方の上側フレーム4に設けられてもよい。この場合でも、洗浄機1を安定して段積みすることができる。
【0030】
突起30の形状は、三角形状に限られない。円柱状または角柱状の突起であってもよく、ドーム状(半球状)の突起であってもよい。セット台9の孔部9aを省略してもよい。
【0031】
上記実施形態では、エンジン式の高圧洗浄機について説明したが、本発明は、このようなタイプの洗浄機に限られず、他のタイプの洗浄機にも適用可能である。また、本発明は、洗浄機に限られず、フレームを有する作業機であって、段積み可能な作業機全般に適用可能である。また、フレームは、方形のフレームに限られない。
【符号の説明】
【0032】
1…洗浄機(作業機)、2…フレーム、3…下側フレーム、4…上側フレーム、7…前輪、8…後輪、9…セット台、9a…孔部、10…エンジン、11…ポンプ、17…車軸(前輪の車軸)、18…車軸(後輪の車軸)、20…吊りフック、30…突起、30a…内側面、100…段積構造、d…間隔。