(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行機体の前部且つ機体幅方向一方側に載置されたエンジンと、前記走行機体の機体幅方向他方側に載置された脱穀装置と、前記走行機体の前方に連結された刈取装置とを備えたコンバインに適用される伝動構造であって、
扱室を形成する機枠から機体幅方向一方側へ延在された唐箕軸の一端側に相対回転自在に支持されたパイプ軸と、前記機枠より前方において前記パイプ軸から扱胴軸までの機体幅方向の長さに相当する長さを有して機体幅方向に沿うように配置された第1カウンター軸と、前記第1カウンター軸より前方において前記脱穀装置の機体幅方向長さに相当する長さを有して機体幅方向に沿うように配置された第2カウンター軸とを備え、
前記エンジンの出力軸から前記パイプ軸を介して前記第1カウンター軸の機体幅方向一方側に作動伝達された回転動力が前記第2カウンター軸の機体幅方向一方側及び扱胴軸にそれぞれ作動伝達され、
前記第2カウンター軸の機体幅方向他方側から前記唐箕軸の機体幅方向他方側へ回転動力が作動伝達されることを特徴とするコンバイン伝動構造。
前記刈取装置における供給コンベアから送られてくる穀稈を前記扱室の穀稈投入口へ送り込むフロントロータと、機体幅方向に沿い、前記フロントロータを駆動するフロントロータ駆動軸とを有し、
前記フロントロータ駆動軸が前記第2カウンター軸として作用し、
前記フロントロータ駆動軸の機体幅方向他方側から前記刈取装置へ回転動力が作動伝達されることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン伝動構造。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るコンバインの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜
図3に、それぞれ、本実施の形態に係るコンバイン1の左側面図、右側面図及び平面図を示す。
また、
図4に、前記コンバイン1の伝動模式図を示す。
【0014】
図1〜
図4に示すように、前記コンバイン1は、走行機体10と、前記走行機体10に連結された左右一対の走行クローラ20と、前記走行機体10に載置されたエンジン25と、前記エンジン25から前記走行クローラ20へ至る伝動経路に介挿されたトランスミッション30と、前記走行機体10に載置された運転部40と、前記走行機体10の前方に連結された刈取部100と、前記刈取部100によって刈り取られた刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置200と、前記脱穀装置200によって生成された穀粒を貯留するグレンタンク50とを備えている。
【0015】
図1〜
図3に示すように、前記運転部40は、前記走行機体10の前部で且つ機体幅方向一方側に配置されている。
なお、本実施の形態においては、機体幅方向一方側及び他方側は、それぞれ、前記コンバイン1の前進方向を向いて右側及び左側を意味する。
【0016】
前記運転部40は、操縦者が着座可能な運転席41と、前記運転席41の近傍に配置された種々の操作部材とを有している。
【0017】
前記操作部材は、前記コンバイン1の進行方向を変更させる操向操作部材42と、前記コンバイン1の走行速度を変更させる主変速操作部材43及び副変速操作部材44と、前記脱穀装置200の駆動及び停止を切り換え操作する脱穀クラッチ操作部材45と、前記刈取装置100の駆動及び停止を切り換え操作する刈取クラッチ操作部材46とを含んでいる。
【0018】
前記エンジン25は、前記走行機体10の前部で且つ機体幅方向一方側に配置されている。
本実施の形態においては、
図2及び
図3に示すように、前記エンジン25は、前記運転部40の下方に配置されている。
【0019】
前記トランスミッション30は、前記エンジン25から作動的に入力される回転動力を変速して、前記一対の走行クローラ20に向けて出力するように構成されている。
【0020】
本実施の形態においては、前記トランスミッション30は、前記エンジン25から作動的に回転動力を入力して、前記主変速操作部材43への操作に応じて無段変速を行う油圧式無段変速装置(HST)等の主変速装置31(
図4参照)と、前記主変速装置31から作動的に回転動力を入力して、前記副変速操作部材44への操作に応じて多段変速を行うギヤ式変速装置等の副変速装置(図示せず)とを有している。
【0021】
前記刈取装置100は、前記走行機体10に昇降自在に連結されており、昇降用油圧シリンダ装置60(
図1参照)によって高さ調節可能とされている。
なお、前記昇降用油圧シリンダ装置60へは、前記エンジン25に付設される油圧ポンプ28(
図4参照)から作動油が供給される。
【0022】
前記刈取装置100は、前記脱穀装置200における扱室201の前部に設けられた扱口(図示せず)に連通されたフィーダハウス110と、前記フィーダハウス110内に配設された供給コンベア115と、前記フィーダハウス110の前端に連接された横長バケット状の穀物ヘッダー120と、前記穀物ヘッダー120内に配設された掻込オーガ125と、前記掻込オーガ125の前方且つ上方に配設されたタインバー付きの掻込リール130と、前記掻込オーガ125の前方且つ下方に配設された刈刃140とを有している。
【0023】
前記供給コンベア115は、搬送方向終端側(後方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取入力軸116と、搬送方向始端側(前方側)において機体幅方向に沿って配設された刈取従動軸117と、前記刈取入力軸116に相対回転不能に支持された駆動側回転体118aと、前記刈取従動軸117支持された従動側回転体118bと、前記駆動側回転体118a及び前記従動側回転体118bに巻き回されたコンベア体118cとを有している。
【0024】
斯かる構成において、前記昇降用油圧シリンダ装置60は前記フィーダハウス110の下面と前記走行機体10との間に介挿されており、前記刈取装置100は、前記昇降用油圧シリンダ装置60によって前記刈取入力軸116回り昇降可能となっている。
【0025】
なお、
図1〜
図3に示すように、本実施の形態においては、前記刈取装置100は、さらに、前記穀物ヘッダー120の機体幅方向両側から前方へ延びる左右一対の分草体150を有している。
【0026】
前記構成により、前記左右一対の分草体150の間の未刈り穀稈は、穂先側が前記掻込リール130によって掻き込まれつつ、稈側が前記刈刃140によって刈り取られる。
前記刈刃140によって刈り取られた刈取穀稈は、前記掻込オーガ125によって前記穀物ヘッダー120内において前記フィーダハウス110の前端開口付近へ集約され、前記供給コンベア115によって前記フィーダハウス110の前端開口から後端開口へ向けて搬送され、前記扱口から前記扱室201内に投入される。
【0027】
なお、本実施の形態に係る前記コンバイン1は、
図1及び
図4に示すように、前記供給コンベア115の搬送終端と前記扱口との間において機体幅方向に沿ったフロントロータ駆動軸161と、前記フロントロータ駆動軸161に相対回転不能に支持されたフロントロータ(ビータ)160とを有しており、前記供給コンベア115の搬送終端へ搬送された刈取穀稈は前記フロントロータ160によって前記扱口から前記扱室201内に投入されるようになっている。
【0028】
前記脱穀装置200は、前記走行機体10に立設される機枠によって形成される前記扱室201と、前後方向に沿って配設された扱胴軸210と、前記扱胴軸210によって回転駆動される状態で前記扱室201内に収容された扱胴220と、前記扱胴220の下方に配設された受網230とを備えている。
【0029】
前記扱胴220は、前記扱胴軸210に相対回転不能に支持された扱胴本体221と、前記扱胴本体221の外周面に立設された扱歯222とを有している。
【0030】
本実施の形態においては、
図1及び
図3等に示すように、前記扱胴220は、さらに、前記扱胴本体221の前端に設けられた切頭円錐状のコーン体225と、前記コーン体225の外周面に螺旋状に設けられたスクリュー羽根226とを有している。
【0031】
前記構成により、前記扱口から前記扱室201内に投入された刈取穀稈は、前記扱胴軸210の回転に伴って、前記スクリュー羽根226によって後方へ搬送されて、前記扱歯222及び前記受網230の間等によって混練されて脱穀される。
【0032】
刈取穀稈から脱穀された脱穀物のうち前記受網230の網目開口より小さい穀粒等の脱穀物は、前記受網230から漏下して、下記選別機構250によって選別処理を受ける。
一方、前記受網230の網目開口より大きい藁屑等の脱穀物は、前記扱胴220の搬送作用によって前記扱室201の後方に設けられた排塵口205から排出される。
【0033】
好ましくは、前記扱胴220の上方には取付角度変更可能な複数の送塵弁(図示せず)が設けられ、前記送塵弁の取付角度を変更することにより前記扱室201内の脱穀物の搬送速度が調整可能とされ得る。
【0034】
前記脱穀装置200は、さらに、前記受網230から漏下した脱穀物から穀粒を選別する穀粒選別機構250を有している。
【0035】
前記穀粒選別機構250は、前記受網230から漏下された脱穀物に対して比重選別を行う揺動選別体260と、前記揺動選別体260に向けて選別風を供給する選別風供給体280とを有している。
【0036】
前記揺動選別体260は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される揺動選別駆動軸261と、前記揺動選別駆動軸261によって揺動される揺動選別盤265とを有している。
前記揺動選別盤265は、グレンパン、チャフシーブ、グレンシーブ及びストローラック等を含む。
【0037】
前記選別風供給体280は、前記エンジン25から作動的に伝達される動力によって駆動される唐箕軸281と、前記唐箕軸281によって駆動される唐箕ファン285とを有している。
【0038】
前記穀粒選別機構250は、さらに、前記揺動選別体260による比重選別作用及び前記選別風供給体280による風選別作用によって脱穀物から選別された穀粒(精粒等の一番物)を集約する一番樋301と、前記一番樋301内に配設された一番コンベア機構310と、前記一番コンベア機構310によって送られてくる一番物を前記グレンタンク50内に搬送する揚穀コンベア機構320と、前記脱穀物から穀粒及び藁の混合物(二番物)を集約する二番樋302と、前記二番樋302内に配設された二番コンベア機構330と、前記二番コンベア機構330によって送られてくる二番物を前記揺動選別盤265の選別始端側へ戻す二番還元コンベア機構340とを有している。
【0039】
ここで、前記コンバイン1における伝動構造について説明する。
図4に示すように、前記エンジン25は、前記走行機体10の前部且つ機体幅方向一方側に載置されたエンジン本体26と、前記エンジン本体26から機体幅方向他方側へ延在された第1出力軸27aと、前記エンジン本体26から機体幅方向一方側へ延在された第2及び第3出力軸27b、27cとを有している。
【0040】
図4に示すように、前記第2及び第3出力軸27b、27cは、それぞれ、前記油圧ポンプ28及び冷却ファン29を駆動する。
【0041】
前記第1出力軸27aは、前記トランスミッション30へ向けて回転動力を出力する。
詳しくは、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の走行系伝動機構35を介して前記トランスミッション30の入力軸に作動連結されている。
本実施の形態においては、前記HST31のポンプ軸が前記トランスミッション30の入力軸として作用する。
【0042】
前記第1出力軸27aは、さらに、前記脱穀装置200及び前記刈取装置100へ向けても回転動力を出力する。
詳しくは、
図4に示すように、前記唐箕軸281は、両端側が前記扱室201を形成する機枠からそれぞれ外方へ延在された状態で前記機枠に軸線回り回転自在に支持されている。
【0043】
そして、前記コンバイン1においては、前記唐箕軸281のうち、前記扱室201を形成する機枠より機体幅方向一方側へ延在された部分(前記唐箕軸281の一端側)に相対回転自在に支持されたパイプ軸400が設けられており、前記第1出力軸27aは、プーリー伝動機構等の第1作業系伝動機構451を介して前記パイプ軸400に作動連結されている。
【0044】
前記第1作業系伝動機構451には、前記脱穀クラッチ操作部材45への操作に応じて、動力伝達を係脱させる脱穀クラッチ290が介挿されている。
【0045】
前記コンバイン1には、さらに、
図4に示すように、前記機枠より前方において機体幅方向に沿うように配置された第1カウンター軸410と、前記第1カウンター軸410より前方において機体幅方向に沿うように配置された第2カウンター軸420とが設けられている。
【0046】
前記第1カウンター軸410は、機体幅方向一方側が機体幅方向に関し前記パイプ軸400とオーバーラップし且つ機体幅方向他方側が機体幅方向に関し前記扱胴軸210の近傍まで延びている。
【0047】
前記第1カウンター軸410は、機体幅方向一方側がプーリー伝動機構等の第2作業系伝動機構452を介して前記パイプ軸400に作動連結され、且つ、機体幅方向他方側がベベルギヤ列等の伝動機構211を介して前記扱胴軸210の前端部に作動連結されている。
【0048】
さらに、前記第1カウンター軸410は、機体幅方向一方側がプーリー伝動機構等の第3作業系伝動機構453を介して前記第2カウンター軸420の機体幅方向一方側に作動連結されている。
【0049】
前記第3作業系伝動機構453には、前記刈取クラッチ操作部材46への操作に応じて、動力伝達を係脱させる刈取クラッチ190が介挿されている。
【0050】
前記第2カウンター軸420は、機体幅方向一方側において前記第1カウンター軸410の機体幅方向一方側から回転動力を入力しつつ、機体幅方向他方側が前記扱室201より機体幅方向他方側に位置するように配置されており、前記唐箕軸281への伝動経路として作用している。
【0051】
図4に示すように、本実施の形態においては、前記フロントロータ駆動軸161が前記第2カウンター軸420として作用している。
【0052】
詳しくは、前記第2カウンター軸420の機体幅方向他方側は、プーリー伝動機構等の第4作業系伝動機構454を介して前記唐箕軸281の機体幅方向他方側に作動連結されている。
【0053】
さらに、前記第2カウンター軸420は、前記刈取装置100への伝動経路としても作用している。
本実施の形態においては、
図4に示すように、前記第2カウンター軸420の機体幅方向他方側は、スプロケット伝動機構等の第5作業系伝動機構455を介して前記刈取入力軸116に作動連結されている。
【0054】
本実施の形態においては、前記脱穀装置200の前記扱胴軸210へは、前記第1出力軸27a、前記第1作業系伝動機構451、前記パイプ軸400、前記第2作業系伝動機構452及び前記第1カウンター軸410を介して回転動力が伝達される一方で、前記唐箕軸281及び前記刈取装置100へは、機体幅方向一方側が前記第1カウンター軸410に作動連結され且つ機体幅方向他方側が前記扱室201より機体幅方向他方側へ延在された前記第2カウンター軸420の前記機体幅方向他方側から回転動力が作動伝達されている。
【0055】
斯かる構成においては、前記脱穀装置200の機体幅方向長さに相当する長さを有する長尺の前記第2カウンター軸420は、前記刈取装置100及び前記唐箕軸281を駆動する為の動力を伝達するものの、前記脱穀装置200の前記扱胴軸210を駆動する為の動力を伝達しない。
【0056】
従って、前記脱穀装置200の機体幅方向長さに相当する長さを有する長尺軸(前記第2カウンター軸420)に伝動負荷が集中することを有効に防止しつつ、前記扱胴軸210、前記刈取装置100及び前記唐箕軸281へ有効に動力伝達を行うことができる。
【0057】
即ち、走行機体の前部且つ機体幅方向一方側に載置されたエンジンと前記走行機体の機体幅方向他方側に載置された脱穀装置と前記走行機体の前方に連結された刈取装置とを備えたコンバインにおいて、前記エンジンからの回転動力を前記脱穀装置における唐箕軸の機体幅方向一方側(内端側)へ入力させ、前記唐箕軸の機体幅方向他方側(外端側)から前記脱穀装置の扱胴及び前記刈取装置へ回転動力を伝達する構成(以下、従来構成という)が提案されている。
【0058】
前記従来構成は、前記エンジンからの回転動力を前記脱穀装置の機体幅方向一方側(前記走行機体の機体幅方向略中央)から前記脱穀装置の機体幅方向他方側へ伝達する為の伝動軸として前記唐箕軸を兼用するものであるが、下記不都合を有している。
【0059】
即ち、前記唐箕軸は前記脱穀装置の扱室の下方において前記扱室を機体幅方向に貫通する長さを有している。
従って、前記従来構成においては、長尺の前記唐箕軸の全体が、前記扱胴を駆動する動力、前記刈取装置を駆動する動力及び唐箕を駆動する動力の合力に耐え得る強度を有する必要があり、さらに、前記唐箕軸の両端を支持する部分も前記唐箕軸に掛かる伝動負荷に耐え得るように強度を高める必要があり、結果として、コスト高騰を招く。
【0060】
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記脱穀装置200の機体幅方向長さに相当する長さを有する長尺軸である前記第2カウンター軸420には、前記刈取装置100及び前記唐箕軸281を駆動する為の動力が伝達されるものの、前記脱穀装置200の前記扱胴220を駆動する為の回転動力が伝達されることはない。
【0061】
従って、前記従来構成に比して、前記脱穀装置200の機体幅方向長さに相当する長さを有する長尺軸(前記第2カウンター軸420)への伝動負荷の集中を有効に防止しつつ、前記扱胴220、前記刈取装置100及び前記唐箕軸281への前記エンジン25からの回転動力の伝達を実現することができる。
【0062】
図4に示すように、本実施の形態においては、前記第2カウンター軸420として作用する前記フロントロータ駆動軸161と前記刈取入力軸116との間に正逆転切換機構170が介挿されている。
【0063】
詳しくは、前記刈取入力軸116の機体幅方向他方側において前記刈取入力軸116と同軸上に刈取伝動軸105が配設されており、前記第2カウンター軸420は前記第5作業系伝動機構455を介して前記刈取伝動軸105に作動連結されている。
【0064】
そして、前記刈取伝動軸105と前記刈取入力軸116との間に前記正逆転切換機構170が介挿されている。
前記正逆転切換機構170は、前記刈取伝動軸105に相対回転不能に支持された正転用ベベルギヤ171と、前記刈取入力軸116に相対回転自在に支持された逆転用ベベルギヤ172と、前記正転用ベベルギヤ171及び前記逆転用ベベルギヤ172の双方に噛合された中間ベベルギヤ173と、前記刈取入力軸116に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持されたスライダー部材174と、前記スライダー部材174を軸線方向に移動させる正逆転切換軸175とを有している。
【0065】
前記スライダー部材174及び前記正転用ベベルギヤ171の対向面には正転用爪クラッチが設けられ、前記スライダー部材174及び前記逆転用ベベルギヤ172の対向面には逆転用クラッチが設けられており、前記正転用クラッチ及び前記逆転用クラッチは前記正逆転切換軸175による前記スライダー部材の軸線方向移動に応じて係脱するようになっている。
【0066】
前記穀物ヘッダー120には、機体幅方向に沿ったヘッダー駆動軸121と、前記掻込オーガ125を支持した状態で機体幅方向沿った掻込軸122とが設けられており、前記刈取入力軸116の機体幅方向一方側が前記ヘッダー駆動軸121にヘッダー駆動チェーン460を介して作動連結され、前記ヘッダー駆動軸121が掻込駆動チェーン461を介して前記掻込軸122に作動連結されている。
【0067】
前記掻込軸122は、前記掻込リール130を支持するリール軸131に作動連結されている。
詳しくは、前記掻込軸122は第1リール駆動チェーン465を介して中間軸466に作動連結され、前記中間軸466は第2リール駆動チェーン467を介して前記リール軸131に作動連結されている。
【0068】
さらに、前記ヘッダー駆動軸121は、刈刃駆動クランク機構470を介して前記刈刃140にも作動連結されている。
【0069】
また、本実施の形態においては、
図4に示すように、前記一番コンベア機構310、前記揚穀コンベア機構320、前記二番コンベア機構330、前記二番還元コンベア機構340及び前記揺動選別軸261は、前記唐箕軸281からの回転動力によって作動的に駆動されている。
【0070】
詳しくは、前記一番コンベア機構310は、前記一番樋301内に配設された一番コンベア軸311と、前記一番コンベア軸311に設けられた一番コンベア312とを有している。
【0071】
前記揚穀コンベア機構320は、下端側が前記一番樋301の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記グレンタンク50の投入口に連通された揚穀筒325内に配設され、下端側が前記一番コンベア軸311に作動連結された揚穀軸321と、前記揚穀軸321に設けられた揚穀コンベア322とを有している。
【0072】
前記二番コンベア機構330は、前記二番樋302内に配設された二番コンベア軸321と、前記二番コンベア軸321に設けられた二番コンベア322とを有している。
【0073】
前記二番還元コンベア機構340は、下端側が前記二番樋302の機体幅方向一方側に連通され且つ上端側が前記揺動選別盤265の選別始端側へ向けて開口された二番還元筒345内に配設され、下端側が前記二番コンベア軸321に作動連結された二番還元軸341と、前記二番還元軸341に設けられた二番還元コンベア342とを有している。
【0074】
斯かる構成において、前記唐箕軸281の機体幅方向他方側が、コンベア用プーリー伝動機構480を介して前記一番コンベア軸311及び前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側に作動連結されている。
【0075】
さらに、前記二番コンベア軸321の機体幅方向他方側が、揺動選別用プーリー伝動機構485を介して前記揺動選別軸261の機体幅方向他方側に作動連結されている。
【0076】
本実施の形態においては、前記第2カウンター軸420として作用する前記フロントロータ駆動軸161の機体幅方向他方側から前記刈取入力軸116に回転動力を伝達するように構成されているが、本発明は斯かる形態に限定されるものでは無い。
【0077】
例えば、
図5に示すように、前記フロントロータ駆動軸161の機体幅方向中間部から前記刈取入力軸116の機体幅方向一方側に回転動力を作動伝達するように構成することも可能である。
なお、
図5に示す変形例においては、前記正逆転切換機構170は削除されている。
【0078】
また、前記フロントロータ160を有さない形態においては、前記刈取入力軸116を前記第2カウンター軸420として作用させることができる。
図6に、前記フロントロータ160を有さない形態の伝動模式図を示す。
【0079】
図6に示す変形例においては、前記第1カウンター軸410の機体幅方向中間部が、前記刈取クラッチ190が介挿された前記第3作業系伝動機構453を介して、前記第2カウンター軸420として作用する前記刈取入力軸116の機体幅方向一方側に作動連結されている。
【0080】
そして、前記刈取入力軸116の機体幅方向他方側が前記唐箕軸281の機体幅方向他方側に前記第4作業系伝動機構454を介して作動連結されている。