(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ミスト防止成分、例えばポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートを含む濃縮吹付可能組成物、及びその使用溶液に関する。一実施形態において、濃縮吹付可能組成物は、濃縮物を水で希釈して使用溶液を形成して一時的トリガー噴霧器から分配した場合に、使用溶液が平均液滴サイズの増加を示し、かつミスト又はエアロゾルが低減される程度に充分な量のミスト防止成分を含んでもよい。一実施形態において、吹付可能な使用溶液は小粒子のエアロゾルをほとんど生じないか、又は生じない。他の実施形態において、トリガー噴霧器で分配した場合、吹付可能な使用溶液は50マイクロメートルより大きい平均液滴サイズを有する。分配した使用溶液の液滴サイズの増加は、吸引並びにエアロゾル及びミスト化を低減することができることが分かった。
【0012】
吹付可能組成物は、一時的トリガー噴霧器から分配される液滴サイズがより大きいことが望まれる任意の環境で使用することができる。例えば、吹付可能組成物は、業務用途、食品及び飲料用途、ヘルスケア用途、車両ケア用途、害虫駆除用途、及び洗浄用途に使用することができる。そのような用途としては、限定されないが、洗濯及び布地の洗浄及び脱染、キッチン及びバスルームの洗浄及び脱染、カーペット洗浄及び脱染、車両洗浄及び脱染、現場操作における洗浄、一般的な目的の洗浄及び脱染、表面洗浄及び脱染、特に硬質表面、ガラス窓洗浄、消臭又は香り付け、工業用又は家庭用洗剤、抗菌洗浄が挙げられる。吹付可能組成物の使用方法もまた提供する。
【0013】
濃縮吹付可能組成物は、少なくとも1つのミスト防止成分、例えばポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートを含む。ミスト防止成分は、エアロゾル噴霧器及び一時的トリガー噴霧器を含む噴霧器を使用して分配した場合に、吹付可能溶液の噴霧化及びミスト化を低減するよう機能することがある。一時的トリガー噴霧器の例としては、市販の一時的トリガー噴霧器(すなわち非低速トリガー噴霧器)、及び低速トリガー噴霧器が挙げられ、両者ともCalmer社から入手可能である。商業的に入手可能な、適する市販の一時的トリガー噴霧器としては、Calmer Mixor HP 1.66出力トリガー噴霧器が挙げられる。ミスト防止成分は、分配した使用溶液の平均粒子サイズを増加させて使用溶液の吸引を低減し、特に感作物又は刺激物の吸引を低減することもある。
【0014】
一例では、濃縮吹付可能組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートを含む。他の例では、濃縮吹付可能組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルアミド、及びポリアクリレートの混合物を含む。更なる例において、濃縮吹付可能組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)、及びポリアクリルアミドの混合物を含む。PEOは高分子量のポリマーである。適切なPEOは、約3,000,000〜約7,000,000の分子量を有することができる。商業的に入手可能なPEOの1つとしては、約4,000,000の分子量を有しておりDowから入手可能なPolyox WSR 301である。PEOの適切な濃度範囲は、濃縮吹付可能溶液の約0.01質量%〜0.3質量%である。PEOの特に適切な濃度範囲は、濃縮吹付可能溶液の約0.01質量%〜0.2質量%である。
【0015】
ミスト防止成分は、代替として又は更にポリアクリルアミドを含んでもよい。適切なポリアクリルアミドは、約8ミリオン(8,000,000)〜約16ミリオン(16,000,000)、より適切には約11ミリオン(11,000,000)〜約13ミリオン(13,000,000)の分子量を有することができる。商業的に入手可能なポリアクリルアミドの1つとしては、Kemira Water Solutions社から入手可能なSuperFloc(登録商標)N―300である。ポリアクリルアミドの適切な濃度範囲は、濃縮吹付可能溶液の質量に基づき約0.01%〜0.3%である。ポリアクリルアミドの特に適切な濃度範囲は、濃縮吹付可能溶液の質量に基づき約0.01%〜0.2%である。
【0016】
ポリアクリレートは高分子量のポリマーである。適切なポリアクリレートポリマーは、約500,000〜約3ミリオン(3,000,000)の分子量を有することができる。より適切なポリアクリレートポリマーは、少なくとも約1ミリオン(1,000,000)の分子量を有することができる。商業的に入手可能なポリアクリレートの1つは、Akzo Nobel社から入手可能なAquatreat(登録商標)AR―7Hである。濃縮組成物中の適切なポリアクリレート濃度は、約0.5質量%〜約20質量%である。濃縮組成物中の特に適切なポリアクリレート濃度は、約1質量%〜約10質量%である。
【0017】
濃縮吹付可能組成物は、任意に少なくとも1つの安定化成分を含んでもよい。ミスト化を低減し、液滴サイズを増加させるミスト防止成分の効果は、経時的に弱まることがある。安定化成分は、ミスト防止成分の分解を低減することがあり、濃縮吹付可能組成物の寿命を改善することがある。適切な安定化成分としては、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒を挙げることができる。酸化防止剤の例としては、限定されないが、Irganox(登録商標)5057、液体芳香族アミン酸化防止剤、Irganox(登録商標)1135、液体ヒンダードフェノール系酸化防止剤、Tinogard NOA、及びIrgafos 168が挙げられ、全てBASFから入手可能である。更なる酸化防止剤の例としては、ビタミンEアセテートが挙げられる。キレート剤の例としては、限定されないが:ナトリウムグルコネート、ナトリウムグルコヘプトネート、N―ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、並びにこれらのそれぞれのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA)、ニトリロ三酢酸三ナトリウム塩(NTA)、エタノールジグリシン二ナトリウム塩(EDG)、ジエタノールグリシンナトリウム塩(DEG)、及び1,3―プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、メチルグリシン―N,N―二酢酸三ナトリウム塩(MGDA)、並びにイミノジコハク酸ナトリウム塩(IDS)が挙げられる。商業的に入手可能な適切なキレート剤としては、Dissolvine(登録商標)GL―47―S、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、及びDissolvine(登録商標)GL―38、グルタミン酸―N,N―二酢酸四ナトリウム塩が挙げられ、両者ともAkzo Nobel社から入手可能である。溶媒の例としては、限定されないが、プロピレングリコール、及びグリセリンが挙げられる。安定化成分の適切な濃度範囲としては、濃縮吹付可能組成物の約100パーツパーミリオン(ppm)〜約100,000ppm、又は約0.01質量%〜10質量%が挙げられる。安定化成分の特に適切な濃度範囲は、濃縮吹付可能組成物の約100パーツパーミリオン(ppm)〜約70,000ppm、又は約0.01質量%〜7質量%が挙げられる。
【0018】
濃縮吹付可能組成物は、組成物の安定性を更に改善することがある安定化成分の組合せを含んでもよい。例えば、濃縮吹付可能組成物は、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒の二つ以上の組合せを含んでもよい。一例としては、濃縮吹付可能組成物は、酸化防止剤及びキレート剤を含んでもよい。更なる例において、濃縮吹付可能組成物は、Irganox(登録商標)1135、及びDissolvine(登録商標)GL―47―Sを含んでもよい。Irganox(登録商標)1135及びDissolvine(登録商標)GL―47―Sを組合せて使用したときの有効量は、それぞれ単独で使用したときの有効量の半分であることが分かった。
【0019】
濃縮吹付可能組成物は非ニュートン流体である。ニュートン流体は緩和時間が短く、剪断力と伸張粘度との間に線形関係がある(流体の伸張粘度は剪断粘度の3倍に等しい)。剪断粘度は、層が互いの動きに抵抗する流体の能力の測定である。伸張粘度(extensional viscosity)としても知られる伸張粘度(elongational viscosity)は、伸張応力の下で流体が弾性的に伸張する能力の測定である。非ニュートン流体は、歪みの下で剪断力と伸張粘度との間に線形関係を有さず、弾性エネルギーを蓄えることが可能であり、歪みの下で剪断粘度よりも伸張粘度を指数的に与えて増粘する効果を生ずる(すなわち剪断増粘)。非ニュートン流体のこれらの特性は、結果として、剪断の下にないときには低粘度であるが、しかしながらトリガー噴霧器からの応力の下では増粘してより大きな液滴を形成する吹付可能組成物につながる。
【0020】
濃縮吹付可能組成物は歪みの下にないときに比較的低い剪断粘度を有する。剪断粘度は、50rpm及び室温で、スピンドルRlを使用するBrookfield LVDV―II粘度計を用いて測定することができる。以下に更に述べるように、一例として、濃縮吹付可能組成物の剪断粘度は水の剪断粘度と同等であることができる。濃縮吹付可能組成物の適切な剪断粘度は、約40センチポアズ以下である。より好ましい剪断粘度は、約30センチポアズ以下である。一例では、歪みの下にないとき、ミスト防止成分は濃縮吹付可能組成物の剪断粘度を増加させず、他の成分、例えば界面活性剤によって剪断粘度が増加する。本願の低剪断粘度の濃縮吹付可能組成物と比較すると、濃縮物へのキサンタンゴムの添加は、濃縮物として使用するにはあまりに高粘度なニュートン流体を生ずる。本願の濃縮吹付可能組成物は、ミスト防止成分、例えば濃縮溶液に必要なミスト防止成分の濃度が高い場合でさえも、剪断粘度が低く水が少ない混合物を形成する。
【0021】
他の例では、流動可能な濃縮吹付可能組成物は、分配された使用溶液の平均粒子サイズが十分に大きくミスト化が低減される程度に、充分な量のミスト防止成分を含む。適切な平均粒子サイズは、約11マイクロメートル以上である。特に適切な平均粒子サイズは、約50マイクロメートル以上である。特に適切な平均粒子サイズは、約70マイクロメートル以上、約100マイクロメートル以上、約150マイクロメートル以上、又は約200マイクロメートル以上である。適切な平均粒子サイズは、使用溶液の組成に、したがって濃縮吹付可能組成物の組成に依存することがある。例えば、強酸性又は強アルカリ性の使用溶液についての適切な平均粒子サイズは、約100マイクロメートル以上、特に約150マイクロメートル以上、及び特に約200マイクロメートル以上であってよい。中程度に酸性又はアルカリ性の使用溶液についての適切な平均粒子サイズは、約11マイクロメートル以上、好ましくは約50マイクロメートル以上、より好ましくは150マイクロメートル以上であってよい。強酸性の使用溶液のpHは約3以下であってよく、強アルカリ性の使用溶液のpHは約11以上であってよく、中等度の酸性又はアルカリ性の使用溶液のpHは約3〜約11であってよい。
【0022】
一例では、濃縮吹付可能組成物は、一般に、少なくとも1つの酸と、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つのミスト防止成分、例えばポリエチレンオキシド(PEO)又はポリアクリルアミド(PAA)とを含む、吹付可能な非ニュートン濃縮酸性組成物である。濃縮吹付可能組成物の各成分の適切な濃度範囲としては、約0.1質量%〜30質量%の界面活性剤、約0.1質量%〜75質量%の少なくとも1つの酸、及び約0.01質量%〜0.3質量%のPEO又はPAAを含む。濃縮吹付可能組成物を水で希釈して、即使用可能な溶液を形成することができる。
【0023】
他の例では、濃縮吹付可能組成物は、一般に、少なくとも1つの酸と、少なくとも1つの界面活性剤と、ポリアクリレートとを含む。濃縮吹付可能組成物の各成分の適切な濃度範囲としては、約0.1質量%〜30質量%の界面活性剤、約7質量%〜75質量%の少なくとも1つの酸、及び約0.5質量%〜20質量%のポリアクリレートを含む。濃縮吹付可能組成物を水で希釈して、即使用可能な溶液を形成することができる。
【0024】
酸としては、例えば水溶液中で実質的に解離する強酸、例えば限定されないが、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩酸、過塩素酸、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、希スルホン酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。弱い有機酸又は無機酸を用いることもできる。弱酸とは、本発明の吹付可能組成物を形成するのに有用な濃度範囲で酸を周囲温度で水中に溶解した場合に、酸のカチオン部分からのプロトンの第一の解離段階が本質的に完全には進行しない酸である。そのような無機酸は弱電解質とも呼ばれる。弱い有機酸及び無機酸の例としては、リン酸、スルファミン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、クエン酸、安息香酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、グルカル酸等が挙げられる。強酸と弱酸との混合物、又は弱い有機酸と弱い無機酸と強酸との混合物を用いてもよい。
【0025】
酸は、濃縮吹付可能組成物が酸性のpHを有する程度に充分な量で存在することができる。一例では、濃縮吹付可能組成物のpHは4.5以下である。他の例では、濃縮吹付可能組成物は約7質量%〜75質量%の酸を含む。更なる例において、濃縮吹付可能組成物は約10質量%〜約65質量%の酸を含む。更なる例において、濃縮吹付可能組成物は約40質量%〜60質量%の酸を含む。少なくとも1つのミスト防止成分を含む高酸性な濃縮吹付可能組成物、特に約40質量%〜60質量%の酸を含むものは、高温で長期間保存した場合に不安定性であることが実証された。安定化成分は、濃縮吹付可能組成物の保存期間を改善することがある。
【0026】
酸は、脂肪酸、例えば脂肪酸抗菌剤、又は脂肪酸の中和された塩を含むことができる。適切な脂肪酸としては、中鎖脂肪酸、例えばC
6〜C
16アルキルカルボン酸、例えばヘキサン酸、酪酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸が挙げられる。より適切な脂肪酸としては、C
8〜C
12アルキルカルボン酸、更により適切にはC
9〜C
10アルキルカルボン酸、例えばデカン酸(カプリン酸)が挙げられる。一例では、吹付可能組成物は少なくとも1つの脂肪酸を含んでおり、合計の酸濃度は約7質量%〜45質量%である。更なる例において、脂肪酸は約1質量%〜10質量%であり、合計の酸濃度は約7質量%〜45質量%である。
【0027】
濃縮吹付可能組成物は界面活性剤を含む。様々な界面活性剤、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤などを用いてもよい。適切なアニオン性材料の例としては、大きい親油性部分と強アニオン性基とを有する界面活性剤である。そのようなアニオン性界面活性剤は、中和したときに、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン、例えばナトリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアミンからなる群から好ましくは選択されるカチオンを有するスルホネート、サルフェート、ホスホネート、又はカルボキシレートを生ずる、スルホン酸基、硫酸基又はリン酸基、ホスホン酸基又はカルボン酸基からなる群から選択されるアニオン性基を典型的に含む。有効なアニオン性スルホネート界面活性剤又はアニオン性スルフェート界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウム直鎖トリデシルベンゼンスルホネート、カリウムオクチルデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムパルミチルスルフェート、ナトリウムココアルキルスルフェート、ナトリウムオレフィンスルホネートが挙げられる。
【0028】
非イオン性界面活性剤は水性媒体中に溶解したときに孤立電荷を有しない。非イオン性界面活性剤の親水性は、水分子との水素結合によって提供される。そのような非イオン性界面活性剤は、疎水性部分と組み合わせてポリオキシエチレン基の大きなセグメントを含む分子、又はポリオキシプロピレンセグメントとポリオキシエチレンセグメントとを含む化合物が典型的に挙げられる。ポリオキシエチレン界面活性剤は、一般に、脂肪族アルコールと、アルキルフェノールと、脂肪酸との塩基触媒的エトキシル化によって製造される。ポリオキシエチレンブロックコポリマーとしては、プロピレンオキシドの大きなセグメントに結合したエチレンオキシドの大きなセグメントを有する分子が典型的に挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、この技術分野においてよく知られている。非イオン性界面活性剤の更なる例としては、アルキルポリグリコシドが挙げられる。
【0029】
親油性部分、並びにアミノ基又は第四級窒素基などのカチオン性基は、分子に界面活性特性を提供することもできる。カチオン性界面活性剤はその名のとおり、水性媒体中に溶解したときに、親水性部分の窒素が正電荷を帯びる。可溶性界面活性剤分子は、低分子量のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を用いて、強化された溶解性又は他の界面活性特性を有することができる。
【0030】
洗剤組成物は、洗浄力のある量のカチオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤の混合物を含むカチオン性界面活性剤成分を含むことができる。カチオン性界面活性剤を用いて浄化特性を提供することができる。一例では、カチオン性界面活性剤は、酸性組成物又は塩基性組成物のいずれにも用いることができる。
【0031】
洗剤組成物中に用いることができるカチオン性界面活性剤としては、限定されないが:アミン、例えばC
18アルキル鎖若しくはアルケニル鎖を有する、第一級、第二級、及び第三級モノアミン、エトキシル化アルキルアミン、エチレンジアミンのアルコキシレート、イミダゾール、例えば1―(2―ヒドロキシエチル)―2―イミダゾリン、2―アルキル―1―(2―ヒドロキシエチル)―2―イミダゾリン等;並びに第四級アンモニウム化合物及び塩、例えば、アルキル第四級塩化アンモニウム界面活性剤、例えばn―アルキル(C
12〜C
18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、n―テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド一水和物、ナフチレン―置換第四級アンモニウムクロライド、例えばジメチル―1―ナフチルメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0032】
両性界面活性剤を使用することもできる。両性界面活性剤は、構造中に酸性親水性部分及び塩基性親水性部分の両方を含む。これらのイオン性基は、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤に関する節に先ほど記載した、任意のアニオン性基又はカチオン性基であってよい。簡潔には、アニオン性基はカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスホネート等を含んでおり、カチオン性基はアミン窒素を有する化合物を典型的に含む。多くの両性界面活性剤は、それらの親水性の傾向を強化するエーテルオキシド又はヒドロキシル基を含む。本発明において好ましい両性界面活性剤としては、アニオン性カルボキシレート基又はスルホネート基と組み合わせたカチオン性アミノ基を有する界面活性剤が挙げられる。有用な両性界面活性剤の例としては、スルホベタイン、N―ココ―3,3―アミノプロピオン酸及びそのナトリウム塩、n―牛脂―3―アミノジプロピオン酸二ナトリウム塩、1,1―ビス(カルボキシメチル)―2―ウンデシル―2―イミダゾリニウム水酸化物二ナトリウム塩、ココアミノ酪酸、ココアミノプロピオン酸、ココアミドカルボキシグリシネート、ココベタインが挙げられる。適切な両性界面活性剤としては、ココアミドプロピルベタイン、及びココアミノエチルベタインが挙げられる。
【0033】
アミンオキシド、例えば第三級アミンオキシドを界面活性剤として用いてもよい。第三級アミンオキシド界面活性剤は、アミンオキシド(N→O)に結合した3つのアルキル基を典型的に含む。一般に、アルキル基は、1つのより高級C
6〜24アルキル基と組み合わせて2つのより低級(C
1〜4)アルキル基を有するか、又は1つのより低級アルキル基と組み合わせて2つのより高級アルキル基を有することができる。更に、より低級アルキル基は、親水性部分、例えばヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基等によって置換されたアルキル基を含むことができる。適切なアミンオキシド材料としては、ジメチルセチルアミンオキシド、ジメチルラウリンイルアミンオキシド、ジメチルミリスチルアミンオキシド、ジメチルステアリルアミンオキシド、ジメチルココアミンオキシド、ジメチルデシルアミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。アミンオキシド材料の分類は溶液のpHに依存することがある。酸性側では、アミンオキシド材料はプロトン化して、カチオン性界面活性の特徴を模することがある。中性pHにおいては、アミンオキシド材料は非イオン性界面活性剤であり、アルカリ性側ではそれらはアニオン性の特徴を示す。
【0034】
濃縮吹付可能酸性組成物は水を含んでもよい。水の適切な濃度としては、約25質量%〜90質量%が挙げられる。水のより適切な濃度としては、約45質量%〜約70質量%、及び約25質量%〜約45質量%が挙げられる。
【0035】
他の実施形態において、濃縮吹付可能組成物は、水と、第四級化合物と、PEO、PAA、及びポリアクリレートの少なくとも1つとを一般に含んでおり、任意に安定化成分を含むことがある濃縮吹付可能第四級組成物である。濃縮吹付可能第四級組成物のpHは約4〜約12であることができる。適切な第四級化合物としては、第四級アンモニウム化合物が挙げられる。濃縮吹付可能第四級組成物がPEO又はPAAを含む場合、適切な濃度は、約75質量%〜95質量%の水と、約5質量%〜30質量%の第四級化合物と、約1%未満の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.01質量%〜0.3質量%のPEO又はPAAの少なくとも1つと、任意に約0.01質量%〜10質量%の間の安定化成分とを含む。他の例では、濃縮吹付可能第四級組成物は約10質量%〜約20質量%の第四級化合物を含む。更なる例において、濃縮吹付可能第四級組成物は、約75質量%〜95質量%の水と、約5質量%〜30質量%の第四級化合物と、約1%未満の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.01質量%〜0.3質量%のPEO又はPAAの少なくとも1つと、任意に約0.01質量%〜10質量%の安定化成分とから本質的に成る。
【0036】
濃縮吹付可能第四級組成物がポリアクリレートを含む場合の適切な濃度は、約75質量%〜95質量%の水と、約5質量%〜30質量%の第四級化合物と、約1%未満の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.5質量%〜20質量%のポリアクリレートと、任意に約0.01質量%〜10質量%の安定化成分とを含む。更なる例において、濃縮吹付可能第四級組成物は、約75質量%〜95質量%の水と、約5質量%〜30質量%の第四級化合物と、約1%未満の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.5質量%〜20質量%のポリアクリレートと、任意に約0.01質量%〜10質量%の安定化成分とから本質的に成る。
【0037】
更なる実施形態において、濃縮吹付可能組成物は、濃縮吹付可能消臭組成物である。一例では、濃縮吹付可能消臭組成物は、水と、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つの陰イオン界面活性剤と、PEO、PAA、及びポリアクリレートの少なくとも1つと、芳香剤又は染料の少なくとも1つとを含んでおり、任意に安定化成分及び/又は殺菌剤を含んでもよい。ミスト防止成分がPEO又はPAAである場合の適切な濃度は、約50質量%〜90質量%の水と、約1質量%〜15質量%の非イオン性界面活性剤と、約1質量%〜10質量%の陰イオン界面活性剤と、約0.01質量%〜0.3質量%のPEO及びPAAの少なくとも1つと、約0.05質量%〜15質量%の芳香剤又は染料の少なくとも1つとを含んでもよく、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分を含んでもよい。
ミスト防止成分がポリアクリレートである場合の適切な濃度は、約50質量%〜90質量%の水と、約1質量%〜15質量%の非イオン性界面活性剤と、約1質量%〜10質量%の陰イオン界面活性剤と、約0.5質量%〜約20質量%のポリアクリレートと、約0.05質量%〜15質量%の芳香剤又は染料の少なくとも1つとを含んでもよく、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分を含んでもよい。濃縮吹付可能消臭組成物は、約0質量%〜約0.1質量%の殺菌剤を含んでもよく、更に好ましくは約0.03質量%〜約0.1質量%の殺菌剤を含んでもよい。更なる例において、吹付可能組成物は上記に掲げた成分から本質的に成る。
【0038】
更なる実施形態において、吹付可能組成物は濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物である。濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物は、水と、溶媒と、界面活性剤と、任意に芳香剤又は染料の少なくとも1つと、PEO、PAA、及びポリアクリレートの少なくとも1つと、任意に少なくとも1つの安定化成分を含んでもよい。濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物のpHは約2〜約11.5であることができる。適切な溶媒としては、エタノール、及び1,3―プロパンジオールが挙げられ、両者ともVOC溶媒である。「VOC」とはさまざまな政府機関による規則の対象である揮発性の有機化合物を指し、最も顕著な規則としてはカリフォルニア大気資源局によって定められたGeneral Consumer Products Regulationである。20℃において蒸気圧が0.1mmHg未満である化合物は不揮発性である。
【0039】
一実施形態において、適切な組成物は、約65質量%〜98質量%の水と、約0.05質量%〜15質量%の溶媒(例えばVOC溶媒又は非VOC溶媒)と、約0.01質量%〜約10質量%の界面活性剤と、約0.01質量%〜約0.3質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせと、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分とを含む。代替として、適切な組成物は、約85質量%〜95質量%の水と、約0.5質量%〜10質量%の溶媒と、約0.05質量%〜約10質量%の界面活性剤と、約0.01質量%〜約0.3質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせと、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分とを含んでもよい。濃縮組成物の質量に基づいて約0%〜約0.7%の量で芳香剤又は染料が存在してもよい。上記に記載した適切な組成物の抗ミスト成分は、約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分を含んでもよい。
【0040】
代替の実施形態において、濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物は、VOC濃度が低く及び/又は生物由来含有量の濃度が比較的高い。一例では、濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物は、水と、溶媒又はグリセリンの少なくとも1つと、少なくとも1つの界面活性剤と、任意に芳香剤又は染料の少なくとも1つと、任意に少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つの分散剤と、PEO、PAA、及びポリアクリレートの少なくとも1つと、任意に少なくとも1つの安定化成分とを含む。
【0041】
適切な界面活性剤としては、アルキルポリグリコシドが挙げられる。適切なアルキルポリグリコシドとしては、限定されないが、アルキルポリグルコシド、及びアルキルポリペントシドが挙げられる。アルキルポリグリコシドは、湿潤特性及び洗浄特性を有する生物由来の非イオン性界面活性剤である。商業的に入手可能なアルキルポリグリコシドは、複数の炭素長を混合して含むことがある。適切なアルキルポリグリコシドとしては、例えば鎖長C
12未満の短炭素鎖を有するアルキルポリグリコシドが挙げられる。一例では、適切なアルキルポリグリコシドとしては、C
8〜C
10アルキルポリグリコシド、及びC
8〜C
10アルキルポリグリコシドを主に含むアルキルポリグリコシドの混合物が挙げられる。商業的に入手可能な適切なアルキルポリグルコシドとしては、BASF社から入手可能な、Glucopon 215UPが挙げられる。アルキルポリペントシドは、Wheatoleo社から商業的に入手可能である。商業的に入手可能な適切なポリペントシドとしては、約C
8〜C
10の鎖長を含んでおりWheatoleo社から入手可能なRadia(登録商標)Easysurf 6781が挙げられる。
【0042】
適切な溶媒としては、プロピレングリコール、及び適切な生物由来の代替1,3―プロパンジオールが挙げられる。代替として、低VOCの、高生物由来含有量洗剤が所望される場合、グリセリンを用いてもよい。グリセリンは貧溶媒である。しかしながら、グリセリンは、窓の表面にわたって布が「滑る(glide)」こと、及びストリーキングの低減を助けることができることが分かっている。
【0043】
濃縮窓ガラス洗剤組成物は、任意に、シーティング剤、例えばエチレンオキシドと、プロピレンオキシドとのブロックコポリマーを含むことができる。適切なシーティング剤としては、BASF社から入手可能なPluronic N―3が挙げられる。状況によって、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーを濃縮窓ガラス洗剤組成物から除外することが望ましいことがある。
【0044】
濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物に分散剤を加えて、水硬化材料及び他の水非硬化材料、例えば限定されないが、完全に溶解した固体、例えばナトリウム塩の分散を助けてもよい。適切な分散剤としては、ナトリウムポリカルボキシレート、例えばナトリウムポリアクリレート、及びアクリレート/スルホネートコポリマーが挙げられる。一例では、ナトリウムポリカルボキシレート、又はアクリレート/スルホネートコポリマーは、約100,000未満の分子量を有する。他の例では、ナトリウムポリカルボキシレート、又はアクリレート/スルホネートコポリマーは、約50,000未満の分子量を有する。更なる例において、ナトリウムポリカルボキシレート、又はアクリレート/スルホネートコポリマーは、約5,000〜約25,000の分子量を有する。商業的に入手可能な適切なポリマーとしては、Rohm and Haas社から入手可能なAcusol 460N、及びAkzo Nobel社から入手可能なAquatreat AR―546が挙げられる。
【0045】
適切なキレート剤としては、アミノカルボキシレート、例えば限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)の塩、及びジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)が挙げられる。アミノカルボキシレートは酸の形態であってもよい。商業的に入手可能な適切なMGDAとしては、限定されないが、BASFから入手可能なTrilon(登録商標)Mが挙げられる。生物由来のアミノカルボキシレート(例えばGLDA)を使用してもよい。適切な生物由来のアミノカルボキシレートは、少なくとも40%の生物由来含有量、少なくとも45%の生物由来含有量、より好ましくは少なくとも50%の生物由来含有量を含んでもよい。例えば、商業的に入手可能な適切なGLDAとしては、限定されないが、約50%の生物由来含有量を含むDissolvine(登録商標)GL―47―S及びDissolvine(登録商標)GL―38が挙げられ、両者はAkzoNobel社から入手可能である。
【0046】
低VOCを有する濃縮吹付可能窓ガラス洗剤組成物のための適切な濃度は、約20質量%〜99.9質量%の水と、約0質量%〜約5質量%の少なくとも1つの分散剤と、約0質量%〜約10質量%のキレート剤と、約0.05質量%〜約30質量%の溶媒又はグリセリンと、約0.05質量%〜約50質量%の界面活性剤と、約0質量%〜約0.7質量%の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.01質量%〜約0.3質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせと、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分とを含む。より適切な濃度は、約65質量%〜99.9質量%の水と、約0.01質量%〜約5質量%の少なくとも1つの分散剤と、約0.05質量%〜約5質量%のキレート剤と、約0.05質量%〜約8質量%の溶媒又はグリセリンと、約0.5質量%〜約20質量%の界面活性剤と、約0質量%〜約0.7質量%の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.01質量%〜約0.3質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせと、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分とを含む。更に適切な濃度は、約85質量%〜99.9質量%の水と、約0.01質量%〜約5質量%の少なくとも1つの分散剤と、約0.05質量%〜約2質量%のキレート剤と、約0.05質量%〜約2質量%の溶媒又はグリセリンと、約1質量%〜約10質量%の界面活性剤と、約0質量%〜約0.7質量%の芳香剤又は染料の少なくとも1つと、約0.01質量%〜約0.3質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせと、任意に約0.01質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分とを含む。濃縮吹付可能窓洗剤は、任意に約0質量%〜0.05質量%のシーティング剤を更に含んでもよい。
【0047】
使用溶液の適切なVOC含有量としては、使用溶液の質量に基づき約3%未満のVOC、使用溶液の質量に基づき約1%未満のVOC、又は使用溶液の質量に基づき約0%のVOCが挙げられる。低VOC濃縮窓ガラス洗剤組成物は、比較的高い生物由来含有量を有していてもよい。一例では、低VOC濃縮窓ガラス洗剤組成物の生物由来含有量は少なくとも49%である。より適切には、低VOC濃縮窓ガラス洗剤組成物の生物由来含有量は、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。適切な低VOC窓ガラス洗剤組成物は、引用により本明細書中に含まれる同日出願の標題「生物由来ガラス洗剤」の仮出願(Attorney Docket No. 401367)に開示されている。
【0048】
上記成分の一部又は全部を、相当する生物由来成分に置換してもよいことがわかる。生物由来成分は、全部又は大部分が生物生産物でできた成分である。生物由来成分又は誘導体の量は、材料又は製品中の全有機炭素の質量(重量)の割合として表される材料又は製品中の生物由来炭素の量であり、生物由来含有量として言及する。生物由来含有量は、標題「Standard Test Methods for Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectometry Analysis」の、ASTM方法D6866を使用して決定することができる。より具体的には、ASTM方法D6866は、放射性炭素年代測定法を使用して、カーボン14に対するカーボン12の比率を比較することにより、製品中に存在する新しい炭素の量を全有機炭素の割合として測定する。製品の含水量は、炭素を含まないため、生物由来含有量の一部に含まれない。生物由来含有量は、製品の生分解性とは別であることに留意されたい。製品の生分解性は、十分な時間内及び特定の環境において、処理環境に存在する微生物が製品内で炭素成分を完全に消費する能力を測定する。一例では、濃縮洗剤組成物の生物由来含有量は、少なくとも49%である。より適切には、濃縮組成物の生物由来含有量は、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
【0049】
《更なる機能材料》
濃縮吹付可能組成物は、吹付可能組成物に所望の特性及び機能性を提供する他の機能性材料を含んでもよい。本出願において、用語「機能性材料」は、使用溶液/濃縮溶液中に、例えば水溶液中に分散又は溶解したときに、特定の用途に有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料の例としては、限定されないが、水相溶性の溶媒、金属イオン封鎖剤、金属保護剤、染料/香料、防腐剤、及び殺菌剤が挙げられる。
【0050】
〈水相溶性の溶媒〉
濃縮吹付可能組成物は、相溶性溶媒を含むことができる。適切な溶媒は、使用する割合において本発明の吹付可能な水性組成物中に可溶性である。好ましい可溶性溶媒としては、低級アルカノール、低級アルキルエーテル、及び低級アルキルグリコールエーテルが挙げられる。これらの材料は、穏やかな良い香りを有する無色の液体であり、優れた溶媒及び結合剤であり、典型的に、本発明の吹付可能な水性組成物と混合することができる。そのような有用な溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレン―プロピレン混合グリコールエーテルが挙げられる。グリコールエーテルとしては、低級アルキル(C
1〜8アルキル)エーテルが挙げられ、例えばプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。洗剤の溶媒の能力は、モノアルカノールアミンを用いることによって増大させることができる。
【0051】
《金属イオン封鎖剤》
濃縮吹付可能組成物は、有機若しくは無機の金属イオン封鎖剤、又は金属イオン封鎖剤の混合物を含むことができる。本明細書において、有機金属イオン封鎖剤、例えばクエン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、EDTAのアルカリ金属塩、アルカリ金属グルコネート、高分子電解質、例えばポリアクリル酸、ナトリウムグルコネート等を用いることができる。
【0052】
濃縮吹付可能組成物は、封鎖特性を有する有効量の水溶性有機ホスホン酸を含むこともできる。好ましいホスホン酸としては、少なくとも2つのアニオン形成基を含んでおりそのうちの少なくとも1つがホスホン酸基である低分子量化合物が挙げられる。そのような有用なホスホン酸としては、アルカリ性の条件でアニオン基、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、チオ基等を形成することができる基を含むこともできるモノ―、ジ―、トリ―、及びテトラ―ホスホン酸が挙げられる。中でも下式:R
1N[CH
2PO
3H
2]
2、又はR
2C(PO
3H
2)
2OHを有するホスホン酸が挙げられ、式中R
1は、−[(低級)アルキレン]N[CH
2PO
3H
2]
2、又は第三−−CH
2PO
3H
2部分であり;式中R
2は、C
1〜C
6アルキルからなる基から選択される。
【0053】
ホスホン酸は、低分子量ホスホノポリカルボン酸、例えば約2〜4のカルボン酸部分及び約1〜3のホスホン酸基を有するものを含んでもよい。そのような酸としては、1―ホスホノ―1―メチルコハク酸、ホスホノコハク酸、及び2―ホスホノブタン―1,2,4―トリカルボン酸が挙げられる。
【0054】
他の有機ホスホン酸としては、Dequest(登録商標)2010としてThermPhos社から入手可能な1―ヒドロキシエチリデン―1,1―ジホスホン酸(CH
3C(PO
3H
2)
2OH)58〜62%水溶液;Dequest(登録商標)2000としてThermPhos社から入手可能なアミノ[トリ(メチレンホスホン酸)](N[CH
2PO
3H
2]
3)50%水溶液;Dequest(登録商標)2041としてThermPhos社から入手可能なエチレンジアミン[テトラ(メチレン―ホスホン酸)]90%固形酸性製品;及び、Bayhibit AMとしてLanxess社から入手可能な2―ホスホノブタン―1,2,4―トリカルボン酸の45〜50%水溶液が挙げられる。当然のことながら、上記ホスホン酸は、水溶性酸性塩、特にアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、又はカリウム塩;アンモニウム塩、又はアルキロールが2〜3つの炭素原子を有するアルキロールアミン塩、例えばモノ―、ジ―、又はトリ―エタノールアミン塩の形態で用いることもできる。所望により、個々のホスホン酸又はその酸塩の混合物を用いることもできる。更に有用なホスホン酸は米国特許第4,051,058号に開示されており、これらの開示は引用により本明細書中に含まれる。
【0055】
吹付可能組成物は、最終使用条件の下で洗浄溶液を調製することができる水溶性アクリルポリマーを取り入れることもできる。そのようなポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸―メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解アクリルアミドメタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリルメタクリロニトリルコポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。これらのポリマーの水溶性の塩又は部分的な塩、例えばそれぞれのアルカリ金属(例えばナトリウム若しくはカリウム)、又はアンモニウム塩を用いることもできる。ポリマーの質量平均分子量は約500〜約15,000であり、好ましくは750〜10,000である。好ましいポリマーとしてはポリアクリル酸が挙げられ、ポリアクリル酸の部分的なナトリウム塩又はポリアクリル酸ナトリウムは1,000〜6,000の重量平均分子量を有する。これらのポリマーは商業的に入手可能であり、これらの製造方法は本技術分野においてよく知られている。
【0056】
例えば、本発明の吹付可能溶液に有用な商業的に入手可能な水調整ポリアクリレート溶液としては、ポリアクリル酸ナトリウム溶液、Colloid(登録商標)207(Colloids社、Newwark、N.J.);ポリアクリル酸溶液、Aquatreat(登録商標)AR―602―A(AlcoChemical社、Chattanooga、Tenn.);B.F.Goodrich社からのGoodrite(登録商標)°K―700シリーズとして入手可能なポリアクリル酸溶液(50〜65%固形分)、並びにポリアクリル酸ナトリウム粉末(分子量2,100〜6,000)及び溶液(45%固形分);並びに、Rohm and Haas社からAcrysol(登録商標)シリーズとして入手可能なポリアクリル酸溶液(分子量1000〜4500)のナトリウム塩又は部分的なナトリウム塩が挙げられる。
【0057】
本発明の吹付可能組成物は、金属イオン封鎖剤、例えば、ホスフェート錯体金属イオン封鎖剤、例えばナトリウムトリポリホスフェート、ナトリウムヘキサメタホスフェート等、及びこれらの混合物などの材料を取り入れることもできる。ホスフェート、ナトリウム縮合ホスフェート硬度封鎖剤成分は、硬水軟化剤、洗剤、及び洗剤ビルダーとして機能する。アルカリ金属(M)直鎖状及び環状縮合ホスフェートは、一般に、M
2O:P
2O
5のモル比が約1:1〜2:1、及び2以上:1である。この種の典型的なポリホスフェートとしては、好ましいナトリウムトリポリホスフェート、ナトリウムヘキサメタホスフェート、ナトリウムメタホスフェート、及び対応するこれらのホスフェートのカリウム塩、並びにこれらの混合物である。ホスフェートの粒子サイズは重要ではなく、任意に、商業的に入手可能な微細に分割された又は粒状の製品を使用することができる。
【0058】
ナトリウムトリポリホスフェートは、他の無機硬度封鎖剤である。ナトリウムトリポリホスフェートが作用してカルシウム及び/又はマグネシウムカチオンを封鎖し、水軟化特性を提供する。ナトリウムポリホスフェートは、硬質表面からの汚れの除去に寄与し、汚れを懸濁液中に保持する。ナトリウムポリホスフェートは、他の水調整剤と比較して、一般的な表面材料にほとんど腐食性の作用を及ぼさず、低コストである。ナトリウムトリポリホスフェートは、水への溶解性が比較的低く(約14質量%)、溶解以外の手段を使用して濃度を増加させなければならない。そのようなホスフェートの典型例としては、アルカリ縮合ホスフェート(すなわちポリホスフェート)、例えばナトリウム又はカリウムピロホスフェート、ナトリウム又はカリウムトリポリホスフェート、ナトリウム又はカリウムヘキサメタホスフェート等が挙げられる。
【0059】
〈金属保護剤〉
吹付可能組成物は、金属を腐食から保護することができる材料を含むことができる。例えば、そのような金属保護剤としては、ナトリウムグルコネート、及びナトリウムグルコヘプトネートが挙げられる。
【0060】
〈染料/香料〉
組成物は、様々な染料、臭気物質、例えば香料、及び他の美的強化剤を含んでもよい。商業的に入手可能な適切な染料の例としては、限定されないが、Mac Dye―Chem Industries社、アーメダバード、インドから入手可能な、Direct Blue 86;Mobay Chemical社、ピッツバーグ、ペンシルベニア州から入手可能な、Fastusol Blue;American Cyanamid社、ウェイン、ニュージャージー州から入手可能な、Acid Orange 7;Sandoz社、プリンストン、ニュージャージー州から入手可能なBasic Violet 10、及びSandolan Blue/Acid Blue 182;Chemos社、Regenstauf、ドイツから入手可能な、Acid Yellow 23;Sigma Chemical社、St.Louis、MOから入手可能な、Acid Yellow 17;Keystone Aniline and Chemical社、シカゴ、イリノイ州から入手可能な、Sap Green、及びMetanil Yellow;Emerald Hillton Davis社、シンシナティ、オハイオ州から入手可能な、Acid Blue 9;Capitol Color and Chemical社、ニューアーク、ニュージャージー州から入手可能な、Hisol Fast Red、及びFluorescein;並びにCiba Specialty Chemicals Corporation社、グリーンズボロ、ノースカロライナ州の、Acid Green 25が挙げられる。
【0061】
適切な芳香剤又は香料の例としては、限定されないが、テルペノイド、例えばシトロネロール、アルデヒド、例えばアミルシンナムアルデヒド、ジャスミン、例えばC1S―ジャスミン、又はジャスマル(jasmal)、及びバニリンが挙げられる。
【0062】
〈表面化学調整剤〉
様々な表面化学調整剤を、濃縮吹付可能組成物に取り入れることができる。商業的に入手可能な適切な表面化学調整剤の例としては、Southern Clay Products社から入手可能なLaponite(登録商標)シリケートが挙げられる。表面化学調整剤は、多種の有機化合物との相互作用を導く高い表面自由エネルギー及び広い表面積を有していてもよい。一例では、適切な表面化学調整剤は、約200ミリジュール/メートル
2の表面自由エネルギー、及び約750〜800m
2/グラムの表面積を有する。使用溶液の表面化学調整剤の適切な濃度範囲は、約10ppm〜約100ppmである。
【0063】
〈使用溶液〉
濃縮吹付可能組成物を希釈水として知られる水で希釈して、使用溶液を形成することができる。一般に、濃縮物は、水で希釈して使用溶液を提供することを目的とする組成物を指し、使用溶液は更なる希釈剤を用いることなく分散又は用いられる。
【0064】
得られる使用溶液は、比較的低い濃度のミスト防止成分を有する。1つの適切な使用溶液において、PEOの濃度は約0.002質量%〜約0.006質量%である。他の例では、PEOの濃度は約0.003質量%〜0.005質量%である。更なる例において、濃縮吹付可能溶液中のPEOの濃度は、使用溶液中のPEO濃度よりも10〜200倍高くすることができる。
【0065】
他の適切な使用溶液において、ポリアクリルアミドの濃度は約0.002質量%〜0.01質量%である。特に適切な使用溶液において、ポリアクリルアミドの濃度は約0.003質量%〜約0.007質量%である。
【0066】
更に適切な使用溶液において、PEO、PAA、又はこれらの組み合わせの濃度は、約0.002質量%〜約0.006質量%である。他の例では、PEO、PAA、又はこれらの組み合わせの濃度は、約0.003質量%〜0.005質量%である。更なる例において、濃縮吹付可能溶液中のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせの濃度は、使用溶液中のPEO濃度よりも10〜200倍高くすることができる。
【0067】
前述のように、ミスト防止成分は、代替的にポリアクリレートであってもよい。1つの適切な使用溶液において、ポリアクリレートの濃度は約0.1質量%より高い。他の例では、ポリアクリレートの濃度は約0.2質量%〜約5.0質量%である。更なる例において、ポリアクリレートの濃度は約0.3質量%〜約3.0質量%である。
【0068】
得られる使用溶液の安定化成分の濃度は比較的低くてもよい。1つの適切な使用溶液において、安定化成分の濃度は約0.003質量%〜約10質量%である。
【0069】
前述のように、濃縮吹付可能組成物は酸を含んでいてもよい。酸は、溶液がpH4.5以下を有する程度に十分な量で存在してもよい。一例では、使用溶液中の酸の適切な濃度は、使用溶液の約0.1質量%〜10質量%である。使用溶液中に存在する酸の量は、酸が強酸であるか又は弱酸であるかに依存することがある。弱酸と比較して同じpHを達成するのに必要な強酸がより少量であるように、強酸はプロトンを失う傾向がより強いことがある。一例では、使用溶液は、合計で約0.1質量%〜約1質量%の強酸を含む。
他の例では、使用溶液は、約1質量%〜約10質量%の弱酸を含む。
【0070】
使用溶液は、エアロゾル噴霧器、又は市販の一時的トリガー噴霧器(すなわち非低速トリガー)を用いて分配することができ、使用水溶液の制限された浮游、ミスト化、及び/又は噴霧化につながる。市販の一時的トリガー噴霧器の例としては、限定されないが、Calmar Mixor HP 1.66出力トリガー噴霧器が挙げられる。浮游、ミスト化、及び噴霧化の低減は、低減したミスト化及び噴霧化を示す増大した液滴サイズを有する適用した溶液の液滴サイズから決定することができる。液滴サイズの増大は、使用溶液の吸引も低減する。好ましくは、平均液滴サイズは、約10マイクロメートル以上、約50マイクロメートル以上、約70マイクロメートル以上、約100マイクロメートル以上、約150マイクロメートル以上、好ましくは約200マイクロメートル以上である。液滴サイズを決定するいくつかの方法としては、限定されないが、適応できるハイスピードカメラ、レーザー回折、及び位相ドップラー粒子分析がある。商業的に入手可能なレーザー回折装置としては、Malvern社から入手可能なSpraytec、及びSympatec社から入手可能なHelosが挙げられる。
【0071】
ミスト防止成分を含む使用溶液を一時的トリガー噴霧器で分散させると、ミスト防止成分を含まない同様の吹付可能溶液と比較して、得られる液滴サイズが増大する。ミスト防止成分を含む適切な使用溶液を市販の噴霧器で吹き付けると、約0.5%未満の液滴が11マイクロメートル未満の液滴サイズを有し、特に約0.4%未満の液滴が11マイクロメートル未満の液滴サイズを有し、特に0.1%未満の液滴が11マイクロメートル未満の液滴サイズを有する結果となる。一例では、同じ一時的トリガー噴霧器で分散した場合、調整していない即使用可能な溶液は11マイクロメートル未満の液滴が1.3%であり、0.003質量%のポリエチレンオキシドで調整した同様の使用溶液は11マイクロメートル未満の液滴が0.65%であった。
【0072】
使用溶液は、低速トリガー噴霧器、例えばCalmar社から入手可能なものを使用して分配してもよい。典型的な一時的トリガー噴霧器は、放出通路の放出端部のノズル端部に放出弁を含む。弾性部材、例えばバネは、放出弁を閉じた位置に設置されるよう保持する。放出弁内の流体圧が弾性部材の力よりも大きい場合、放出弁が開いて流体を分散させる。市販のトリガー噴霧器上の典型的な放出弁は、ユーザーがトリガー噴霧器の作動速度を制御することができるスロットルバルブである。放出弁の作動速度は流速を決定し、速度がより速いほどより小さな液滴につながる。低速トリガー噴霧器は、作業者のポンプストローク速度を制御して明確な粒子サイズを生ずる二段階圧力増強放出バルブアセンブリを含むことができる。一例では、二段階圧力増強放出弁は、ポンピング過程の開始及び終了において放出弁が開き及び閉じるように、高い圧力閾値を有する第一の弁と、より低い圧力閾値を有する第二の弁とを含むことができる。低速トリガー噴霧器の例としては、Calmar社から商業的に入手可能であり、本明細書中に完全に取り入れられるDobbsらの米国特許第5,522,547号明細書、及びSweetonらの米国特許第7,775,405号明細書に記載されている。低速トリガー噴霧器は、使用溶液のより少ない浮游、ミスト化、及び噴霧化につながることがあり、分配される小さな液滴の量を低減することがある。ミスト防止成分を含む吹付可能組成物は、低速トリガー噴霧器と相乗効果的に働くことがあり、液滴サイズを、成分のみに基づいて予想されるよりもより大きく増加させることがある。一例では、低速トリガー噴霧器を用いて吹き付けたミスト防止成分を含む使用溶液では、11マイクロメートル未満の液滴サイズを有する液滴が0%になった。
【0073】
使用溶液は非ニュートン液体である。応力の下にないとき、使用溶液は水と同程度の粘度を有する。例えば、一実施形態において、使用溶液は約40センチポアズ未満の粘度を有する。
【0074】
上記のように、ミスト防止成分は、分配した場合に使用溶液の液滴サイズを増加させることがある。ミスト防止成分は、トリガー噴霧器から分配した場合に、使用溶液の平均飛散距離を増加させることがある。平均飛散距離の増加は、ユーザーが目標の硬質表面から更に離れることを可能にすることがあり、微粒子、特に硬質表面で跳ね返る微粒子を吸引する可能性を低減することがある。
【0075】
《実施形態》
本発明は、ミスト防止成分、例えばポリエチレンオキシド、及びポリアクリルアミドを含む水性の濃縮吹付可能組成物、及びその使用溶液に関する。本発明の濃縮吹付可能組成物は、希釈水で希釈して使用溶液を形成することができ、噴霧器装置を使用して表面に適用して、汚れを除去することができる。
【0076】
濃縮酸性洗剤、濃縮高酸性洗剤、濃縮中性第四級洗剤、濃縮消臭剤、及び濃縮窓ガラス洗剤として提供するときの吹付可能組成物の成分に関する例示的な範囲を、それぞれ表1〜6に提供する。表1〜6は、ミスト防止成分がPEO、PAA、又はこれらの組み合わせであり、かつミスト防止成分がポリアクリレートである場合の例示的な範囲を提供する。
【表1】
【0077】
表1の濃縮酸性洗剤組成物を水で濃度約5%〜15%に希釈して、使用溶液を形成することができる。例えば、表1の濃縮酸性洗剤の使用溶液は、濃度約0.002質量%〜約0.006質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせを有することができる。使用溶液の適切な酸濃度としては、使用溶液の質量に基づき約0.1%〜約10%が挙げられる。
【表2】
【0078】
表2の濃縮高酸性洗剤組成物は、水で濃度約5%〜15%に希釈して、使用溶液を形成することができる。例えば、表2の濃縮酸性洗剤の使用溶液は、濃度約0.002質量%〜約0.006質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせを有することができる。使用溶液の適切な酸濃度としては、使用溶液の質量に基づき約0.1%〜約10%が挙げられる。
【表3】
【0079】
適切な非イオン性界面活性剤は、以式の1つによって示される分岐又は非分岐のエトキシル化アミンであることができる:
【化1】
式中、Rは直鎖状又は分岐状のアルキル又はアルキルアリール置換基であることができる。Rは1〜24の炭素原子を有する置換基であることができ、それぞれのnは1〜20であることができる。Rはヤシ油から導くことができ、nは1〜14、好ましくは6〜12であることができ、HLBは約10〜14であることができ、ここで、HLBは界面活性剤の親水性基及び疎水性基の実験的表現を表し、HLB値が高いほど界面活性剤はより水溶性である。1つの適切な分岐状エトキシル化アミンにおいて、EO基の合計(n+n)は、好ましくは6〜12、又は6〜10である。他の適切なエトキシル化アミンにおいて、Rはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドユニットでキャップされ、又は終端していることができる。適切なエトキシル化アミンのCAS番号は61791―14―8であることができる。
【0080】
非イオン性界面活性剤は、アルコールを含まない24個未満の炭素原子を有する中鎖〜短鎖の炭素基であってもよい。エトキシル化アミンはココアミンでもよい。エトキシル化ココアミンは、例えばVaronic(Evonik Industries社)、及びToximul(Stepan Company社)などの商品名の下で商業的に入手可能であり、Varonic K−210、及びToximul CA 7.5が挙げられる。
【0081】
表3の濃縮高酸性洗剤組成物は、水で希釈して、約1質量%〜約10質量%の脂肪酸抗菌剤を含む酸濃度を有する使用溶液を形成することができる。他の例では、表3の濃縮酸性洗剤の使用溶液は、濃度約0.002質量%〜約0.006質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【表4】
【0082】
表4の濃縮中性第四級洗剤組成物は、水で濃度約0.1%〜0.5%に希釈して使用溶液を形成することができる。一例では、表4の濃縮中性第四級洗剤組成物の使用溶液は、濃度約0.002質量%〜約0.006質量%のPEO、PAA、又はこれらの組み合わせを含むことができる。濃縮中性第四級洗剤組成物の使用溶液は、pH約5〜約11を有することができる。
【表5】
【0083】
表5の濃縮消臭剤組成物は、水で濃度約3〜10質量%に希釈して、使用溶液を形成することができる。
【表6】
【0084】
表6の濃縮窓ガラス洗剤組成物は、水で濃度約0.5質量%〜10質量%に希釈して使用溶液を形成することができる。使用溶液は、pH約3〜約10を有することができる。
【0085】
上記表1〜6に開示した濃縮組成物を更に濃縮して、輸送及び保存を要する水の量を更に低減してもよい。一例では、表1〜6の濃縮組成物を2〜4倍に濃縮する。例えば、PEO及び/又はPAAは、組成物の質量に基づき約0.02%〜約1.2%の量で存在してもよく、ポリアクリレートは濃縮組成物の質量に基づき約0.5%〜約30%の量で存在してもよい。安定化成分は、濃縮組成物の約20質量%〜約40質量%の濃度で存在してもよい。
【実施例】
【0086】
説明のみを意図する以下の例において本発明を更に詳細に記載し、当業者にとって本発明の範囲内での多数の変更及び変形が明らかとなる。特に明記しない限り、以下の例において報告する全ての割合、パーセンテージ、及び比率は、質量に基づくものであり、例に使用した全ての試剤は以下に記載する化学品供給者から得られ、入手可能であり、又は従来技術によって合成してもよい。
【0087】
《使用した材料》
Acusol
TM 460N:Dow Chemical社、ミッドランド、ミシガン州から入手可能なナトリウムポリカルボキシレート(25%有効量)。
【0088】
HVC社、シンシナティ、オハイオ州から入手可能な水酸化アンモニウム。
【0089】
Aquatreat(登録商標)AR―7―H:Akzo Nobel社から入手可能な分子量1.2ミリオン(1,200,000)のポリアクリレートポリマー(10%〜30%有効量)
【0090】
Dissolvine(登録商標)GL―38:Akzo Nobel社から入手可能なグルタミン酸―N,N―二酢酸四ナトリウム塩。
【0091】
Dissolvine(登録商標)GL―47―S:Akzo Nobel社から入手可能なグルタミン酸二酢酸四ナトリウム。
【0092】
Glucopon(登録商標)215UP:BASF社、フローラムパーク、ニュージャージー州から入手可能な、C
8〜C
10天然脂肪族アルコールに基づくアルキルポリグリコシドの水溶液。
【0093】
Glucopon(登録商標)425N:BASF社、フローラムパーク、ニュージャージー州から入手可能なアルキルポリグリコシド界面活性剤。
【0094】
Irganox(登録商標)1135:Ciba Specialty Chemicals社から入手可能な液体ヒンダードフェノール酸化防止剤。
【0095】
Irganox(登録商標)5057:Ciba Specialty Chemicals社から入手可能な液体芳香族アミン酸化防止剤。
【0096】
KF 1955:Klabin Fragrances社、シーダーグローブ、ニュージャージー州から入手可能な芳香剤。
【0097】
Liquitint(登録商標)patent blue:Albright & Wilson社、オーストラリアから入手可能な着色剤。
【0098】
Oasis(登録商標)146:Ecolab社、セントポール、ミネソタ州から入手可能な、使用希釈物で約0.036質量%の第四級アンモニウム化合物を含む中性第四級洗剤。
【0099】
Oasis(登録商標)285:中性のpHを有し、Ecolab社、セントポール、ミネソタ州から入手できる消臭剤溶液。
【0100】
Oasis(登録商標)299:Ecolab社、セントポール、ミネソタ州から入手可能な酸性液体洗剤及び消毒剤。
【0101】
Pluronic(登録商標)N―3:BASF社、フローラムパーム、ニュージャージー州から入手可能な、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドに基づくブロックコポリマー。
【0102】
Polyox
TM WSR301:Dow Chemical、ミッドランド、ミシガン州から入手可能な、分子量4,000,00
0の非イオン性ポリエチレンオキシド。
【0103】
Tinogard(登録商標)NOA:BASFから入手可能な酸化防止剤。
【0104】
Trilon(登録商標)M:BASF社、フローラムパーク、ニュージャージー州から入手可能な、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩(Na
3MGDA)の水溶液。
【0105】
Zemea(登録商標):DuPont Tate & Lyle BioProducts社から入手可能なプロパンジオール。
【0106】
窓洗剤A濃縮物:表Aに従って処方した。
【0107】
Lemon−Lift(登録商標):Ecolab社、セントポール、ミネソタ州から入手可能な、即使用可能なアルカリ性漂白洗剤。
【表7】
高酸性洗剤A濃縮物:表Bに従って処方した。
【表8】
【0108】
《例1−伸張粘度》
装置、例えば引用により本明細書中に含まれるR.W. Dexter、Atomization and Sprays、第6巻、167〜197頁、1996年に記載されているものを用いて、伸張粘度(elongational resistance)を測定した。例1の伸張粘度を測定するために用いた装置は、測定量の液体を含む50mLビュレットの底に、重ね合わせてきつく充填した5枚の100メッシュスクリーンを有するものであった。メッシュスクリーンは、ビュレットの底に設置したアダプタ及び管に収められていた。ビュレットは、長さ74cm、直径1.5cmであった。アダプタ及び管は長さ10.5cmであり、メッシュスクリーン(すなわちアダプタ及び管を通って流れることが可能な領域)は直径1.2cmであった。液体を、多くの微細な開口部によって形成された蛇行経路へと強制的に通過させた。50mLの液体が装置の中を流れるのにかかった時間を測定したところ、剪断粘度と相関した。充填されたメッシュ床を通って流れるのにかかった時間が長いほど、より抵抗が大きく、したがって伸張粘度がより高い。
【0109】
Polyox WSR 301、又はキサンタンゴムを含む水性の溶液を表6に従って調製し、50グラムの水溶液が装置の中を流れるのに要する時間を測定した。
【表9】
【0110】
表6に示すように、Polyox WSR 301を含むサンプルは、装置を通って流れるのにより長くかかり、水と同程度の剪断粘度を有していた。比較的に、キサンタンゴムを含むサンプル6の剪断粘度は水の剪断粘度より大きかった。装置を通って流れる時間の増加は、伸張粘度の増大を示している。
【0111】
Polyoxをそれぞれ含むサンプル2〜5は、水と同程度の粘度を有し、水より大きい伸張粘度を有していた。伸張粘度の増大は、液滴サイズの増大及びミスト化の低減につながることがある。比較的に、キサンタンゴムは、著しく増大した剪断粘度及び伸張粘度を有する組成物を生じた。キサンタンゴムは剪断粘度及び伸張粘度の増大につながるので、キサンタンゴムは、使用するには粘度が高すぎる濃縮組成物につながることがある。
【0112】
《例2−安定性試験》
様々な濃縮吹付可能水溶液を試験して、それらの温度安定性を決定した。濃縮吹付可能溶液を、室温(25℃〜20℃)、120°F(49℃)、4℃で試験した。96時間後、240時間後、336時間後、及び4週後に観察した。濃縮吹付可能溶液を、溶液を凍結させ室温で融解させる凍結融解サイクルに暴露した。溶液を凍結融解サイクルに合計4サイクル暴露し、それぞれのサイクルの後に観察を行った。
【0113】
〈サンプル7〉
サンプル7では、ポリエチレンオキシドをOasis299濃縮物に加えた。溶液の成分濃度を下表7に示す。
【表10】
【0114】
120°F(49℃)、4℃、及び室温で保存したサンプル7について、96時間後、240時間後、336時間後、及び4週後に、伸張粘度における視覚的に顕著な変化、又は他の視覚的に観察可能な特性はなかった。3回の凍結/融解サイクルの後、サンプル7は、溶液の相転移の後に消えるゴーストテールを含んでいた。サンプル7の4回目の凍結/融解サイクルの後に同様のゴーストテールが観察され、これらのゴーストテールは溶液を2回回転させると消えた。ゴーストテールは、温度の低下によって成分の1つの溶解性が減少することによって生じることがある。機械的な乱れ(例えば混合)の後、又は溶液を室温に戻すことによって微粒子は消えた。
【0115】
〈サンプル8〉
サンプル8では、ポリエチレンオキシドを表Aの窓洗剤A濃縮物に加えた。サンプル8の成分濃度を下表8に示す。
【表11】
【0116】
サンプル8について、120°F(49℃)、4℃、及び室温で、96時間後、240時間後、336時間後、及び4週後に、伸張粘度における顕著な変化、又は他の視覚的に観察可能な特性は、視覚的に観察されなかった。サンプル8の1回及び2回の凍結/融解サイクルの後、顕著な変化は観察されなかった。サンプル8の3回の凍結/融解サイクルの後、ゴーストテールが存在したが、溶液の相転移の後に消えた。サンプル8の4回目の凍結/融解サイクルの後に同様のゴーストテールが観察され、これらのゴーストテールは溶液を2回回転させると消えた。
【0117】
〈サンプル9〉
サンプル9では、ポリエチレンオキシドを、Lemon―Liftの即使用可能な溶液へと0.001質量%〜0.05質量%で添加した。ポリエチレンオキシドは急速に分解されたように見え、サンプル10は安定性試験に合格しなかった。
【0118】
《例3−吹付試験》
〈比較サンプルA及びB〉
濃縮サンプル7及び8から即使用可能な溶液を形成した。Calmar社から入手可能なトリガー噴霧器を用いて即使用可能な溶液を吹き付けて、それぞれのサンプルによって生じたミスト又はエアロゾルを記録した。特定の温度で4週間保存又は4回の凍結/融解サイクルの後、濃縮サンプル7及び8を室温に戻し、水で希釈して、即使用可能な(RTU)溶液を形成した。Calmar Mix HP 1.66出力トリガー噴霧器を用いて、それぞれの試料を硬質表面上に吹き付けた。Calmar Mixor HPは低速噴霧器ではない。RTUサンプル7及び8の吹付試験の結果を、それぞれ、比較サンプルA及びBと視覚的に比較した。サンプル7の処方物を、水で希釈率5〜15%で希釈することによって、RTUサンプル7を形成した。比較サンプルAは、Oasis299液体濃縮物を水で希釈比率5〜15%で希釈することによって調製した、Oasis299の即使用可能な溶液であった。サンプル8を水で希釈することによって、濃度0.5〜10質量%を含む溶液を形成することによって、RTUサンプル8を形成した。比較サンプルBは、窓洗剤A濃縮物を水で希釈して濃度0.5質量%〜10質量%の窓洗剤Aを含む溶液を形成することによって調製した、即使用可能な窓洗剤の溶液であった。目視観察結果を下表9に示す。
【表12】
【0119】
ポリエチレンオキシド(Polyox WSR 301)の添加は、Oasis299及び窓洗剤Aのミスト化を低減した。4℃、室温で保存したサンプル、及び凍結/融解サイクルを受けたサンプルに低減が認められた。120°F(49℃)で保存したサンプルにおいても改善を示した。
【0120】
〈サンプル10〜37、及び比較サンプルC、D、及びE〉
安定化成分による濃縮溶液の保存寿命の延長を調査した。表10に従って安定化成分をOasis299濃縮物に加え、溶液を120°F(49℃)で4週間保存した。全ての溶液は、Oasis299濃縮物、0.042質量%のPolyox WSR301、及び所定の安定化成分を含むものであった。
【表13】
【0121】
4週後に濃縮溶液をオーブンから取出して室温に戻した。濃縮溶液を水で希釈して、濃度5〜15%の即使用可能な溶液を形成した。即使用可能な溶液を市販のトリガー噴霧器で吹き付けて、各々のミスト化又はエアロゾルを記録した。サンプル10〜37の吹付試験の結果を、比較サンプルC、D、及びEの結果と視覚的に比較した。比較サンプルCは、0.042質量%のPolyoxを含んでおり室温で4週間保存したOasis299濃縮物であった。比較サンプルDは、0.042質量%のPolyoxを含んでおり4週間120°F(49℃)で保存したOasis299濃縮物であった。比較サンプルEは、0.042質量%のPolyoxを含んでおり室温で4週間暗所に保存したOasis299濃縮物であった。
【0122】
サンプル10〜13、及びサンプル22〜25は、比較サンプルDよりも低減されたミスト化を示した。これは、Irganox 5057及びGL―38が、ミスト防止ポリマーの安定性を高めたことを示唆している。その他のサンプルはいずれも、比較サンプルDと比較してミスト化を著しく低減しなかった。
【0123】
〈サンプル38〜57〉
ミスト防止成分としてのポリアクリルアミドを調査し、また、添加物を加えて保存期間の改善を調査した。サンプル38〜57は、Oasis299濃縮物、0.0736質量%のSuperFloc N―300、及び表11に従う添加物を含むものであった。
【表14】
【0124】
120°F(49℃)で4週間保存した後、濃縮溶液をオーブンから取出して室温に戻した。濃縮溶液を水で希釈して、濃度0.007質量%のSuperFloc N―300を含む、5〜15%のRTU溶液を形成した。サンプル38〜57のRTU溶液を市販の噴霧器を用いて吹き付けて、それぞれのミスト化及びエアロゾルに関して目視観察を行った。これらの視覚観察の結果を、比較サンプルC、D、及びEのRTU溶液の結果と比較した。
【0125】
サンプル38〜40、及びサンプル47〜49は、比較サンプルDよりも低減されたミスト化を示した。これは、Irganox 5057及びGL―47が、ミスト防止ポリマーの安定性を高めたことを示唆している。その他のサンプルはいずれも、比較サンプルDと比較してミスト化を著しく低減しなかった。
《例4−液滴サイズ》
〈サンプル58〜65〉
【0126】
ポリエチレンオキシドによって調整した洗剤の液滴サイズ分布を、調整していない(すなわちポリエチレンオキシドを含まない)洗剤と比較した。液滴サイズ分布は、Sympatec社、Clausthal―Zellerfeld、ドイツから入手可能なHELOS装置を用いて決定した。HELOSは、レーザー回折によって液滴サイズを決定する。Calmar社から入手可能な市販のトリガー噴霧器及び低速噴霧器用いて分配した即使用可能な溶液について、液滴サイズ分布を決定した。
【0127】
Sympatec Helos粒子サイズアナライザーを使用して粒子サイズを分析するために、粒子サイズアナライザー上のスイッチを#2の位置に向けた。スイッチが最初に#0の位置にある場合、試験開始前に装置を30分間安定化させた。スイッチが最初に#1の位置にある場合、安定化時間は必要なく、直ちに試験を始めることができた。Sympatec Helos粒子サイズアナライザーは、粒子サイズアナライザーからのデータを処理するよう設計されたソフトウェアを実行するコンピュータと通信していた。
【0128】
Sympatec Helos粒子サイズアナライザーは、使用するレンズに依存して特定の範囲内の滴サイズのみ測定することができる。所望のレンズを粒子サイズアナライザーに設置し、参照用測定を行って粒子サイズアナライザーを調整した。
【0129】
試験体を備えた噴霧器を準備した。噴霧器の開口部がレンズから8インチ(20.3cm)となり、かつスプレーの中心がレーザーを通過するように、噴霧器を設置した。試験操作では、自動作動装置を使用して噴霧器を毎分90ストロークで3回作動させた。コンピュータソフトウェアで粒子サイズ分布を算出した。
【0130】
サンプル58〜65は、それぞれの濃縮塩基性洗剤組成物を水で希釈して、表12に示す質量パーセントを含む溶液を形成することによって形成した、即使用可能な溶液であった。調整した濃縮塩基性洗剤組成物は、希釈したときにそれぞれの即使用可能な溶液が0.003質量%のポリエチレンオキシドを含む程度に十分な量のポリエチレンオキシドを添加することによって形成したものであった。
【表15】
【0131】
図1は、Calmar Mixor HP 1.66cc出力噴霧器(すなわち非低速噴霧器)を用いて分配した場合の、サンプル58〜65についての11マイクロメートル未満の液滴の割合を説明する。
図1に示すように、0.003質量%のポリエチレンオキシドの添加は、Oasis 285、Oasis 146、Oasis 299、及び窓洗剤A(W.C)の11マイクロメートル未満の液滴の割合を低減させた。このサイズの粒子は、喉及び肺の中へと吸引されにくいと考えられるので、11マイクロメートル以上の粒子の割合は興味深い。平均して、0.003質量%のポリエチレンオキシドの添加は、Oasis 285、Oasis 146、Oasis 299、及び窓洗剤Aにおける11マイクロメートル未満の液滴の割合を著しく53%低減させた。
【0132】
図2は、Calmar Mixor HP 1.66cc出力噴霧器(すなわち非低速噴霧器)を用いて適用した場合の、それぞれの市販の溶液及び調整した溶液についての平均液滴サイズを説明する。0.003質量%のポリエチレンオキシドの添加は、Oasis 285、Oasis 146、Oasis 299、及び窓洗剤A(W.C.)の平均液滴サイズを平均28%増加させた。
【0133】
図3は、Calmar社から入手可能な低速トリガー噴霧器を用いて適用した場合の、それぞれの市販の溶液及び調整した溶液についての平均液滴サイズを説明する。0.003質量%のポリエチレンオキシドの添加は、試験した全ての製品について液滴サイズを平均157.8%増加させた。
【0134】
《例5−安定性試験》
〈サンプル66〜88、並びに比較サンプルF、G、及びH〉
この実験は、Brookfield Viscometerを使用して、高分子量PEOの分解速度効果を、剪断粘度の低下によって経時的に観察することを目的とした。
表13に特定した安定性添加物を、上記表Bの高酸性洗剤A濃縮物に添加することによってサンプル66〜88を形成した。得られる処方物が0.2質量%のPolyox WSR 301を含むように、更なるPolyox WSR 301もまた添加した。得られる処方物が水よりも大きい粘度を有するように、Polyox WSR 301の濃度を選択した。単に分解速度を観測することができるように高濃度のPolyox WSR 301を選択すると、望ましくない高粘度の溶液が生じた。
【表16】
【0135】
Brookfield社から入手可能なDV―II+粘度計を用いて、濃縮溶液の粘度を、保存する前、並びに120°F(49℃)及び室温で5日、10日、18日、24日、及び32日間保存した後に測定した。粘度を測定するために、サンプルを室温(約72°F(22℃))で安定化させ、スピンドルRV―2を2RPMで使用し、かつサンプル間隔時間を5分に設定したBrookfield Viscometerを用いて試験した。それぞれのサンプルについて、最初の粘度に対する保存後の粘度の比率を((保存後の粘度/最初の粘度)×100%)で算出し、表14に示す。
【表17】
【0136】
結果を比較サンプルF、G、及びHと比較した。比較サンプルFは0.2質量%のPolyoxを含んでおり室温で4週間保存した高酸性洗剤Aであった。比較サンプルGは、0.2質量%のPolyoxを含んでおり120°F(49℃)で4週間保存した高酸性洗剤Aであった。比較サンプルHは、0.2質量%のPolyoxを含んでおり室温で4週間暗所に保存した高酸性洗剤Aであった。32日間保存した後、サンプル70及び74、並びに比較サンプルF及びHは、50%より高い粘度比率を有していた。粘度の減少(すなわち低い粘度比率)は、Polyoxの分解を示している可能性がある。
【0137】
〈サンプル89〜94、及び比較サンプルI〉
酸化防止剤とキレート剤との組合せを含む組成物に関するポリマー分解速度もまた調査した。濃縮サンプルは、高酸性酸性洗剤A濃縮物中に、0.044質量%のPolyox WSR 301、及び下記に特定する添加物を含むものであった。
【表18】
【0138】
Polyox WSR 301及び安定化添加物と、高酸性酸性洗剤AのGlucoponとを約10分間混合することによって濃縮サンプルを形成した。Polyox、安定性添加物、Glucoponの混合物と、高酸性酸性洗剤Aの残りの成分とを10分混合した。サンプルを室温で終夜静置して、120°F(49℃)で保存した。保存期間の後、サンプルをオーブンから取り出して室温に戻した。試料の一部を水で希釈することによって、0.004質量%のPolyox WSR 301を含む使用溶液を作製した。使用溶液を市販のトリガー噴霧器で吹き付けて、スプレーパターンを性質的に観察した。空気中に観察されたミスト化又はエアロゾルと、基材表面に接触した洗剤の割合とに基づいて、観察されるミスト化が少なく、基材に接触している洗剤の量がより多いスプレーパターンをより良好なものとして、スプレーパターンを等級付けした。
【0139】
120°F(49℃)で5日間保存した後、サンプル89〜94は比較サンプルIよりも良好なスプレーパターンを有しており、サンプル92及び93は最良のスプレーパターンを有していた。同様に、120°F(49℃)で14日間保存した後、サンプル89〜94は比較サンプルIよりも良好なスプレーパターンを有し、サンプル92及び93は最も好ましいスプレーパターンを生じた。
【0140】
《例5−ポリアクリレート試験》
〈サンプル95〜98〉
この実験は、ミスト防止成分としてのポリアクリレートの効果を評価することを目的とした。表16に従ってAquatreat AR―7―Hを水に添加して使用溶液を形成し、市販のトリガー噴霧器を使用して吹き付けた。
【表19】
【0141】
全ての使用溶液は、(目視観察に基づいて)水の粘度と同程度の粘度を有しており、約1分以内で均質化して無色透明の溶液を形成した。サンプル95について、低減されたミスト化が視覚的に観察された。
【0142】
〈サンプル99〉
サンプル99は、25グラムのAquatreat AR―7―Hと、75グラムの水とを混合して、有効量4%のポリアクリレート濃縮物を形成することによって形成した濃縮組成物であった。サンプル99は、(目視観察に基づいて)水と同程度の粘度を有しており、無色透明の溶液であった。
【0143】
《例6―距離試験》
〈サンプル100〜102、及び比較サンプルJ〉
アンモニアに暴露すると青くなるDietzgen社のジアゾ紙を使用して、市販のトリガー噴霧器を用いて分配した場合の、Polyoxが使用溶液の平均飛散距離に及ぼす効果を調査する試験を行った。
【0144】
まず、水及びPolyoxの濃度を下表17に従って形成した。2.5質量%の水酸化アンモニウムもまたそれぞれのサンプルに加えた。溶液を市販のトリガー噴霧器に入れた。
【0145】
次に、ジアゾ紙を水平面に沿って置き、サンプルを分配したときに水平方向の飛散距離が紙の長さに平行となるように、市販のトリガー噴霧器を紙の一端に置いた。トリガー噴霧器を絞って溶液を分配した。サンプルはアンモニアを含んでいたため、紙がサンプルと接触すると青くなり、それぞれの液滴の水平方向の飛散距離を見ることができた。より遠い水平方向の飛散距離を有する液滴を決定し、測定した。試験は更に2回繰り返し、それぞれの試験で最も遠い水平方向の飛散距離を平均した。結果を表17に示す。
【表20】
【0146】
表17に示すように、Polyoxを含まない比較サンプルJと比較して、Polyoxはサンプルの飛散距離を増大させた。
【0147】
上述した例示的な実施形態に対して、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、様々な変更及び付加をすることができる。例えば、上記に開示した実施形態は特定の特徴について言及しており、本発明の範囲には、異なる特徴の組合せを有する実施形態、及び上記した特徴の全てを含まない実施形態もまた含まれる。
本発明の実施態様の一部を以下の項目1−50に列記する。
[1]
非ニュートン水性濃縮組成物であって、
少なくとも1つの酸と;
少なくとも1つの界面活性剤と;
ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びポリアクリレートからなる群から選択される少なくとも1つのミスト防止成分と
を含んでおり、前記組成物は約40センチポアズ未満の粘度を有する非ニュートン性である、非ニュートン水性濃縮組成物。
[2]
前記ポリエチレンオキシドの分子量が約3,000,000〜約7,000,000である、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[3]
酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[4]
前記溶媒がプロピレングリコール、及びグリセリンからなる群から選択される、項目3に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[5]
酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも2つの安定化成分を更に含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[6]
前記酸がリン酸、クエン酸、乳酸、及びメタンスルホン酸の少なくとも1つを含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[7]
前記濃縮組成物のpHが4.5以下である、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[8]
更に水を含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、前記水は水性濃縮組成物の約45質量%〜約75質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの酸は前記水性濃縮組成物の約7質量%〜約35質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約1.5質量%〜約12質量%を構成しており、並びに
前記ミスト防止成分はポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ前記水性濃縮組成物の約0.01質量%〜約0.3質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[9]
更に水を含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、前記水は前記水性濃縮組成物の約45質量%〜約75質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの酸は前記水性濃縮組成物の約7質量%〜約35質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約1.5質量%〜約12質量%を構成しており、及び
前記ミスト防止成分はポリアクリレートであり、かつ前記水性濃縮組成物の約0.5質量%〜約20質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[10]
約0.01質量%〜約10.0質量%のプロピレングリコールを更に含む、項目8に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[11]
酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される約0.05質量%〜10質量%の少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目8に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[12]
前記安定化成分がジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)である、項目11に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[13]
更に水を含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、前記水は前記水性濃縮組成物の約25質量%〜約50質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの酸は前記水性濃縮組成物の約10質量%〜約75質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約1.3質量%〜約12質量%を構成しており、並びに
前記ミスト防止成分はポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ前記水性濃縮組成物の約0.01質量%〜約0.3質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[14]
更に水を含む、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、前記水は前記水性濃縮組成物の約25質量%〜約50質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの酸は前記水性濃縮組成物の約10質量%〜約75質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約1.3質量%〜約12質量%を構成しており、及び
前記ミスト防止成分はポリアクリレートであり、かつ前記水性濃縮組成物の約0.5質量%〜約20質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[15]
項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、少なくとも1つの酸が脂肪酸を含み、かつ前記水性濃縮組成物の約0.5質量%〜約15質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約0.1質量%〜約30質量%を構成しており、並びに
前記ミスト防止成分はポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、かつ前記水性濃縮組成物の約0.01質量%〜約0.3質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[16]
前記脂肪酸が、ヘキサン酸、酪酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸からなる群から選択される、項目15に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[17]
項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物であって、少なくとも1つの酸が脂肪酸を含み、かつ前記水性濃縮組成物の約0.5質量%〜約15質量%を構成しており、
前記少なくとも1つの界面活性剤は前記水性濃縮組成物の約0.1質量%〜約30質量%を構成しており、及び
前記ミスト防止成分はポリアクリレートであり、かつ前記水性濃縮組成物の約0.5質量%〜約20質量%を構成している、
非ニュートン水性濃縮組成物。
[18]
脂肪酸が、ヘキサン酸、酪酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸からなる群から選択される、項目17に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[19]
組成物は、スプレーヘッドと前記スプレーヘッドに取り付けられた容器とを含むスプレーボトル装置を利用することによって吹付可能な組成物である、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[20]
前記組成物が、低速噴霧器を利用することによって吹付可能な組成物である、項目1に記載の非ニュートン水性濃縮組成物。
[21]
使用溶液を形成する方法であって、前記方法は、
水と濃縮水性組成物とを混合して使用溶液を作る工程を含んでおり、
前記濃縮水性組成物は、
少なくとも1つの界面活性剤と;
ポリエチレンオキシド、及びポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1つのミスト防止成分と
を含んでおり、
前記濃縮水性組成物を、約0.002質量%〜約0.006質量%の前記ミスト防止成分を有する使用溶液を形成する程度に充分な水と混合する、
使用溶液を形成する方法。
[22]
前記濃縮水性組成物が、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目21に記載の方法。
[23]
前記濃縮水性組成物が、約0.01質量%〜約10.0質量%のプロピレングリコールを更に含む、項目21に記載の方法。
[24]
前記濃縮水性組成物が少なくとも1つの酸を含んでおり、前記使用溶液のpHが約4.5以下である、項目21に記載の方法。
[25]
前記酸が、ヘキサン酸、酪酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸からなる群から選択される脂肪酸を含む、項目24に記載の方法。
[26]
前記界面活性剤が第四級アンモニウム化合物を含む、項目21に記載の方法。
[27]
前記濃縮水性組成物が分散剤を含む、項目21に記載の方法。
[28]
前記界面活性剤が、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤とを含む、項目21に記載の方法。
[29]
使用溶液を形成する方法であって、前記方法は、
水と濃縮水性組成物とを混合して使用溶液を作る工程を含んでおり、前記濃縮水性組成物は
少なくとも1つの界面活性剤と;
ポリアクリレートと
を含んでおり、
前記濃縮水性組成物を、約0.2質量%〜約5質量%のポリアクリレートを有する使用溶液を形成する程度に充分な水と混合する、
使用溶液を形成する方法。
[30]
前記濃縮水性組成物が、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目29に記載の方法。
[31]
前記濃縮水性組成物が、約0.01質量%〜約10.0質量%のプロピレングリコールを更に含む、項目29に記載の方法。
[32]
前記濃縮水性組成物が少なくとも1つの酸を含んでおり、前記使用溶液のpHが約4.5以下である、項目29に記載の方法。
[33]
前記酸が、ヘキサン酸、酪酸、オクタン酸、ヘプタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸からなる群から選択される脂肪酸を含む、項目29に記載の方法。
[34]
前記界面活性剤が第四級アンモニウム化合物を含む、項目29に記載の方法。
[35]
前記界面活性剤が、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤とを含む、項目29に記載の方法。
[36]
吹付可能組成物の使用方法であって、前記方法は、
低速噴霧器を使用して、吹付可能な水性組成物を50マイクロメートルより大きい平均サイズを有する液滴として分配する工程を含んでおり、
前記吹付可能な水性組成物は、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つの界面活性剤と、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される約0.002質量%〜約0.006質量%のミスト防止成分とを含む、
吹付可能組成物の使用方法。
[37]
前記吹付可能な水性組成物を分配する工程が、吹付可能な水性組成物を液滴として分配する工程を含んでおり、11マイクロメートル未満のサイズを有する分配される前記液滴が0.01%未満である、項目36に記載の方法。
[38]
前記吹付可能な水性組成物が少なくとも1つの酸を更に含んでおり、前記吹付可能な水性組成物のpHが4.5以下である、項目36に記載の方法。
[39]
前記酸が脂肪酸を含む、項目38に記載の方法。
[40]
前記吹付可能な水性組成物が第四級アンモニウム化合物を更に含む、項目36に記載の方法。
[41]
前記吹付可能な水性組成物が、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目36に記載の方法。
[42]
前記濃縮水性組成物が分散剤を含む、項目36に記載の方法。
[43]
前記界面活性剤が、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤とを含む、項目36に記載の方法。
[44]
吹付可能組成物の使用方法であって、前記方法は、
低速噴霧器を使用して、吹付可能な水性組成物を約50マイクロメートルより大きい平均サイズを有する液滴として分配する工程を含んでおり、
前記吹付可能な水性組成物は、少なくとも1つの界面活性剤と、約0.2質量%〜約5.0質量%のポリアクリレートとを含む、
吹付可能組成物の使用方法。
[45]
前記吹付可能な水性組成物を分配する工程が、前記吹付可能な水性組成物を液滴として分配する工程を含んでおり、11マイクロメートル未満のサイズを有する分配される液滴が0.01%未満である、項目44に記載の方法。
[46]
前記吹付可能な水性組成物が少なくとも1つの酸を更に含んでおり、前記吹付可能な水性組成物のpHが4.5以下である、項目44に記載の方法。
[47]
前記酸が脂肪酸を含む、項目46に記載の方法。
[48]
前記吹付可能な水性組成物が第四級アンモニウム化合物を更に含む、項目44に記載の方法。
[49]
前記吹付可能な水性組成物が、酸化防止剤、キレート剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの安定化成分を更に含む、項目44に記載の方法。
[50]
前記界面活性剤が、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤とを含む、項目44に記載の方法。