(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、洗濯機のドラム内において制限的であった洗濯対象物の流動を多様化するように、別個の外力を作用させる構造の洗濯機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、2つのドラムと、これら2つのドラムを独立して駆動する駆動モータと、を備えることにより、洗濯対象物の立体流動を可能にする構造の洗濯機を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、前述した洗濯対象物の立体流動を可能にする独特の構造の洗濯機のドラム組立方法を提供し、洗濯対象物の立体流動が効率的に行われるようにし、洗濯性能を効率的に向上させる構造の洗濯機を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、2つのドラムの使用により発生し得る洗濯対象物の損傷を防止する構造を有し、2つのドラムを用いても、洗濯対象物の流動に対する抵抗が小さいことから、洗濯対象物を円滑に流動させることができる、洗濯機を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、ロータティースの内側に配置されていた軸中心方向の突出固定端を除去することにより、突出固定端の変形による不良発生率を低減し、磁束が上方に漏れることを防止することができる、洗濯機の永久磁石モータのロータ構造を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、デュアルモータステータにおいてインナー側ステータティースの長さをアウター側ステータティースの長さより長くしてインナー側のコイル巻回数を増やし、インナーロータ側のトルクがアウターロータ側のトルクより大きくなるように設計することにより、高トルクのインナーロータはメインドラムに提供され、低トルクのアウターロータはサブドラムに提供されるようにする、デュアルドラム式洗濯機におけるデュアルモータステータの製造方法及びこの方法を用いた洗濯機を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、永久磁石モータにおけるステータの外径に対するロータの外径の比を最適化し、定められたサイズ内で最大のトルク効率を実現すると共に、ロータティースのティース拡張部の高さ、隣接するティース拡張部間の距離、ロータティースのアーク角(Arc Angle)及びティース拡張部の直線部の角度を調整してコギングトルク及びトルクリップルを最小限に抑えて振動及び騒音を改善し、永久磁石モータの効率を最大にすることにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、インナーステータとアウターステータとを別体で製作して一体化することなく打ち抜くことにより、打ち抜き後の余剰部を最小限に抑え、これにより部材の損失を防止することができる、デュアルモータステータの製造方法及びこの方法を適用した洗濯機を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、洗濯機の大きさを増加させることなく、1つの駆動モータにより2つのドラムを駆動する効率的な構造の洗濯機及びこの洗濯機の駆動モータを提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、1つの駆動モータにより2つのドラムを駆動できるように巻線占積率を向上させた駆動モータを備えた洗濯機の製造方法を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、駆動モータの大きさが小さくなるように部品点数を削減し、作業時間を短縮することができ、コストを低減することができる、1つの駆動モータにより2つのドラムを駆動する効率的な構造の洗濯機、洗濯機の駆動モータ、及び洗濯機の駆動モータのステータの製造方法を提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、洗濯機の駆動モータにおけるベアリングハウジングとステータとの組立構造において、ステータのインナーティース(巻線部)でのコイルの発熱を放熱するために、ベアリングハウジングの本体に突出部及び陥没部を含む折曲部を形成することにより、伝導と対流による放熱を効果的に行うことができる、洗濯機を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、従来のデュアルモータの電流コネクタ及びホールセンサがインナーステータ及びアウターステータにそれぞれ分離されて設置されるのに対して、電流コネクタ及びホールセンサを一体化した1つの部材に統合して構造の単純化、組立間違いの防止、空間の確保及び利便性の向上を図る、デュアルモータの電流コネクタ及びホールセンサの構造及びこの構造を用いた洗濯機を提供することにある。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、デュアルドラム式洗濯機に適用されるデュアルモータにおけるインナーロータとアウターシャフトとの連結構造から発生し得る異常騒音及び振動による離脱を防止するための単純構造を有し、これにより材料費を削減することができる、デュアルドラム式洗濯機の軸系構造及びこの構造を適用した洗濯機を提供することにある。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、材料費を削減することができ、デュアルドラム式洗濯機に適用されるデュアルモータにおけるインナーロータとアウターシャフトとの連結構造から発生し得る異常騒音及び振動による離脱を防止するための単純構造を有する、デュアルドラム式洗濯機の軸系構造及びこの構造を適用した洗濯機を提供することにある。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、デュアルドラム式洗濯機に適用されるインナーロータ及びアウターロータを含むデュアルモータにおいて、アウターティース及びインナーティースを有するステータとベアリングハウジングとの組立を改善するために、ベアリングハウジングに形成されたステータ結合口に嵌合突起を形成し、ステータに形成されたハウジング結合口に嵌合凹部を形成することにより、ベアリングハウジングとステータとの結合位置を固定して組立を容易にすることにある。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、インナーロータをベアリングハウジングに結合するのではなく、独立してアウターシャフトに結合する場合、組立性の向上のために組立補助治具を利用することにより、インナーロータの組立をガイドする機能を行うことにある。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、2つのドラムを独立して駆動する駆動モータを備えることにより、洗濯対象物の立体流動を可能にし、脱水済みの洗濯対象物のシワを低減することができる、洗濯機の運転及び制御方法を提供することにある。
【0028】
本発明のさらに他の目的は、洗濯機の動作が終了した後に洗濯対象物を簡便に自動的に取り出せるようにする、洗濯機の制御方法を提供することにある。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、駆動モータの起動時に発生する過電流による起動失敗や過剰な発熱を最小限に抑えて駆動モータを起動できるようにすると共に、布量(洗濯対象物の量)や温度などによってモータの回転方向又は回転数(RPM)を適切に制御して立体流動を可能にする、洗濯機を提供することにある。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、2つのドラムと、これら2つのドラムを独立して駆動する1つの駆動モータと、を備えた洗濯機の布量を精密に検出することができる、洗濯機及び洗濯機の布量検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
これら及び他の利点を実現して上記目的を達成するために、本明細書において具体化されかつ広く記載されているように、本発明の一実施形態によれば、洗濯機の外観を形成する本体と、洗濯水の貯蔵のために本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられるメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、メインドラムを回転させるためのアウターシャフトと、アウターシャフトの内部に配置され、サブドラムを回転させるためのインナーシャフトと、ステータ、インナーシャフトに連結されステータの外側に配置されるアウターロータ、及びアウターシャフトに連結されステータの内側に配置されるインナーロータを有する駆動モータと、を有し、駆動モータは、メインドラムとサブドラムとを異なる方向に及び/又は異なる回転速度で回転させるように構成される、洗濯機が提供される。
【0032】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。
【0033】
洗濯機は、メインドラムとアウターシャフトとを連結するメインドラムスパイダと、サブドラムとインナーシャフトとを連結するサブドラムスパイダと、をさらに有する。
【0034】
上記構成においては、それぞれのドラムに別個のスパイダを用い、それぞれのドラムを駆動モータにより独立して駆動できる洗濯機の構造を提供する。
【0035】
メインドラムは、前方及び後方が開放されており、サブドラムは、背面を形成するサブドラムバックを有し、前方は開放され、後方はサブドラムバックにより閉鎖されている。
【0036】
サブドラムスパイダは、インナーシャフトに結合される軸結合部と、軸結合部から放射状に延びた複数のドラム固定部と、を有し、ドラム固定部の端部がサブドラムバックに固定される。
【0037】
サブドラムバックは、サブドラムスパイダの形状に対応して内側に窪んだ収容部をさらに有し、サブドラムスパイダは、収容部に収容されてサブドラムバックに密着結合される。
【0038】
メインドラムスパイダは、メインドラムに結合されて固定される。
【0039】
メインドラムスパイダは、アウターシャフトに結合される軸結合部と、軸結合部から放射状に延びたスパイダ支持部と、スパイダ支持部の端部に有されるドラム固定部と、を有し、ドラム固定部がメインドラムに結合されて固定される。
【0040】
スパイダ支持部は、軸結合部から放射状に延びた複数のカンチレバーで構成されてもよい。あるいは、スパイダ支持部は、軸結合部から延びた円盤状に構成されてもよい。
【0041】
ドラム固定部は、スパイダ支持部の端部を連結するリング状に構成される。
【0042】
メインドラムスパイダは、メインドラムの外周面に結合されてもよい。あるいは、メインドラムは、後端部から中心方向に折り曲げられた折曲部を有し、メインドラムスパイダは、折曲部に結合されるようにしてもよい。
【0043】
サブドラムスパイダは、メインドラムスパイダとは独立して回転するようにしてもよい。
【0044】
サブドラムスパイダは、サブドラムバックとメインドラムスパイダとの間に有され、かつサブドラムバックと一体に回転し、メインドラムスパイダとは独立して回転する。
【0045】
上記実施形態の変形例として、メインドラムは、背面を形成するメインドラムバックを有し、前方は開放され、後方はメインドラムバックにより閉鎖されており、サブドラムは、背面を形成するサブドラムバックを有し、前方は開放され、後方はサブドラムバックにより閉鎖されている。
【0046】
この場合、メインドラムスパイダは、メインドラムバックに結合されて固定される。
【0047】
サブドラムスパイダは、サブドラムバックとメインドラムバックとの間に有され、かつサブドラムバックと一体に回転し、メインドラムバックとは独立して回転する。
【0048】
一方、サブドラムの外周面は、メインドラムの内周面の一部に対向するように構成される。
【0049】
上記構成においては、サブドラムの軸方向長さをメインドラムの軸方向長さよりも小さくすることにより、洗濯対象物をサブドラムとメインドラムとの境界面に接触させる。これにより、洗濯対象物は、ドラム間の回転速度差により回転する流動が発生し、立体流動が可能になる。
【0050】
メインドラムの内周面は、サブドラムの外周面との間を密封するドラムガイドを有してもよい。これは、ドラム間に洗濯対象物が挟まれることを防止するためである。
【0051】
また、サブドラムの内周面又は外周面は、サブドラムのねじれを防止する補強ビードを有してもよい。
【0052】
洗濯機の回転軸は、水平方向に対して所定の角度で傾斜するように構成されてもよい。
【0053】
本発明の他の実施形態によれば、本体に固定されたタブの内部に配置されて互いに独立して駆動されるメインドラム及びサブドラムと、メインドラムとサブドラムとを独立して駆動するためのステータ、アウターロータ及びインナーロータを有する駆動モータと、を有する洗濯機に適用されるものであって、駆動モータからメインドラム及びサブドラムに駆動力を伝達するシャフトとスパイダとを結合し、シャフトスパイダ組立体を製造する段階と、シャフトスパイダ組立体をサブドラムの後方に結合する段階と、サブドラムをメインドラムに結合する段階と、メインドラムの後方にシャフトスパイダ組立体を結合する段階と、を有する、洗濯機のドラム組立方法が提供される。
【0054】
シャフトスパイダ組立体を製造する段階においては、インナーロータからメインドラムに駆動力を伝達するアウターシャフトとメインドラムスパイダとを結合し、アウターロータからサブドラムに駆動力を伝達するインナーシャフトとサブドラムスパイダとを結合し、その後インナーシャフトをアウターシャフトの内部に結合する。
【0055】
ここで、インナーシャフトをアウターシャフトの内部に結合した後、ベアリングを圧入する。また、ベアリングを圧入した後、防水シールを挿入する。
【0056】
シャフトスパイダ組立体をサブドラムの後方に結合する段階においては、サブドラムスパイダをサブドラムの背面に結合する。
【0057】
サブドラムをメインドラムに結合する段階においては、サブドラムをメインドラムに嵌入する。
【0058】
ここで、密封のためのドラムガイドを取り付ける場合、サブドラムをメインドラムに嵌入する前に、ドラムガイドをメインドラム内に取り付ける。
【0059】
メインドラムの後方にシャフトスパイダ組立体を結合する段階においては、メインドラムにメインドラムスパイダの端部を結合する。
【0060】
上記構成においては、2つのドラムと、これら2つのドラムを独立して駆動するための中空状のシャフト及びデュアルロータ(インナーロータ及びアウターロータ)と、を用いる構造の洗濯機を提供する。
【0061】
本発明のさらに他の実施形態においては、メインドラムの内周面の軸方向長さとサブドラムの内周面の軸方向長さとが異なる。
【0062】
すなわち、サブドラムは外周面がメインドラムの内周面に対向し、メインドラムは内周面のうち一部のみサブドラムの外周面に対向する。
【0063】
ここで、サブドラムは、メインドラムの一端部から軸方向に延びるように、メインドラムの内部に取り付けられる。
【0064】
メインドラムの内周面の軸方向長
さに対するサブドラムの内周面の軸方向長
さの比は、0〜0.5となるようにしてもよい。
【0065】
メインドラムの内周面の軸方向長
さに対するサブドラムの内周面の軸方向長
さの比は、1/3となるようにすることがより好ましい。
【0066】
言い換えれば、メインドラムの内周面は、サブドラムの外周面に対向しない第1面と、サブドラムの外周面に対向する第2面と、に分けられるが、第1面の軸方向長
さに対するサブドラムの内周面の軸方向長
さの比が0.5となるようにしてもよい。
【0067】
メインドラムとサブドラムとは、相対回転により洗濯対象物を軸方向に流動させる。
【0068】
より詳細には、メインドラムの内周面は、サブドラムの外周面に対向しない第1面と、サブドラムの外周面に対向する第2面と、に分けられ、メインドラムの内周面の第1面とサブドラムの内周面との相対運動により洗濯対象物が軸方向に流動する。
【0069】
これを洗濯対象物の観点から見ると、洗濯対象物は、メインドラム又はサブドラムの回転により円周方向に流動し、かつメインドラムとサブドラムとの相対運動により軸方向に流動する。ここで、洗濯対象物の軸方向の流動は、メインドラムとサブドラムとの相対運動による洗濯対象物の回転により行われる。
【0070】
一方、駆動モータは、アウターロータとインナーロータとを独立して駆動することにより、メインドラムとサブドラムとを独立して駆動する。
【0071】
アウターロータとインナーロータとの独立駆動により、メインドラムとサブドラムとが相対回転する。
【0072】
上記構成においては、サブドラムの軸方向長さをメインドラムの軸方向長さよりも小さくすることにより、洗濯対象物をサブドラムとメインドラムとの境界面に接触させる。これにより、洗濯対象物は、ドラム間の回転速度差により回転する流動が発生し、立体流動が可能になる。
【0073】
また、上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。また、2つのドラムを駆動しなければならないので、トルク配分、洗濯対象物に作用する機械力、及び洗濯対象物の流動性を考慮して、最適な洗濯対象物の立体流動を可能にする構造を提供する。
【0074】
一方、メインドラム及びサブドラムの少なくとも一方の内周面は、複数のリフタを有することによって、洗濯対象物の流動をガイドするようにしてもよい。
【0075】
本発明のさらに他の実施形態において、サブドラムは、1つの部材として一体化して形成された円筒部及びドラムバックを有する。
【0076】
よって、収容部は、サブドラムスパイダを結合するための結合孔を有し、サブドラムスパイダは、収容部の結合孔に対応する結合孔を有する。また、収容部は、サブドラムバックの内部に形成され、サブドラムスパイダのアームの長さは、収容部に嵌入されるように、サブドラムバックの半径より小さい。
【0077】
本発明のさらに他の実施形態において、サブドラムは、独立した部材として円筒部及びドラムバックを有し、円筒部の後方外周にドラムバックが結合されて閉鎖される。
【0078】
また、ドラムバックの収容部はドラムバックの外周まで延設され、円筒部の後端部には結合孔が形成され、ドラムバックの外周はドラムの長手方向に折り曲げられており、当該折曲部には結合孔が形成されている。
【0079】
サブドラムスパイダは、アームの長さがサブドラムバックの半径と同じであり、サブドラムスパイダのアームの端部は、円筒部の後方外周に結合される。
【0080】
本発明のさらに他の実施形態によれば、サブドラムの外周部を形成する円筒部に、サブドラムの背面に配置されサブドラムスパイダが結合されるドラムバックを結合する段階と、ドラムバックの前方に窪んだスパイダ収容部にサブドラムスパイダを収容する段階と、サブドラムの円筒部の後端部及びドラムバックの折り曲げられた外周にそれぞれ形成された結合孔を介してサブドラムスパイダのアームの端部をボルトで結合する段階と、を有する、洗濯機のサブドラム組立方法が提供される。
【0081】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、メインドラムの内周面に沿って有されサブドラムの外周面との間隙を遮蔽するドラムガイドをさらに有する。
【0082】
ドラムガイドは、メインドラムの内側に突出してメインドラムの内側面に結合される胴部と、胴部からサブドラムの内周面側に延設されたガイド部と、を有する。
【0083】
サブドラムは、端部から所定の間隔をおいて離隔した円周面に沿って内側に突設されたビードを有し、ドラムガイドのガイド部は、サブドラムのビードまで延びる。
【0084】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。また、ドラムガイドにより独立して駆動されるメインドラムとサブドラムとが相対回転する境界線に洗濯対象物が挟まれないように防止することができる。
【0085】
本発明のさらに他の実施形態において、サブドラムは、端部から所定の間隔をおいて離隔した円周面に沿って外側に突設されたビードを有し、ドラムガイドのガイド部は、サブドラムの端部まで延びる。
【0086】
上記構成においても、ドラムガイドにより、独立して駆動されるメインドラムとサブドラムとが相対回転する境界線に洗濯対象物が挟まれないように防止することができる。
【0087】
サブドラムの端部は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施されてもよい。このような構成は、サブドラムの端部により洗濯対象物が引っかかることを防止するためのものであり、サブドラムの端部が曲面を有するように加工することにより、洗濯対象物が引っかからないようにする。
【0088】
本発明のさらに他の実施形態において、メインドラムは、内径が異なる第1部分と第2部分とに分けられ、第1部分の内径がサブドラムの内径と同じであり、かつ第2部分の内径がサブドラムの外径より大きく形成され、メインドラムとサブドラムとの境界面を遮蔽するように構成される。
【0089】
上記構成においては、メインドラムの一部を拡管してメインドラムの内周面の半径とサブドラムの内周面の半径とを同一にすることにより、洗濯対象物がメインドラムとサブドラムとの境界面に挟まれないようにする。これは、別個のガイドなどを有することなく、ドラムの形成過程で洗濯対象物が挟まれない構造が得られるようにしたものである。
【0090】
ここで、サブドラムの端部は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施され、かつ第2部分の内側に位置する。
【0091】
本発明のさらに他の実施形態において、メインドラムは、内周面に沿って内側に突設されたドラムガイド部をさらに有し、ドラムガイド部の内周面とサブドラムの内周面とが同一線上に位置し、メインドラムとサブドラムとの境界面を遮蔽するように構成される。
【0092】
上記構成においては、メインドラムの一部を突出させ、突出した部分により、メインドラムとサブドラムとの境界面でのメインドラムの内周面の半径とサブドラムの内周面の半径とを同一にする。これにより、洗濯対象物がメインドラムとサブドラムとの境界面に挟まれないようにする。これは、別個のガイドなどを有することなく、ドラムの形成過程で洗濯対象物が挟まれない構造が得られるようにしたものである。
【0093】
ここで、サブドラムの端部は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施され、かつドラムガイド部の内周面よりも外側に位置する。
【0094】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、メインドラムの内周面上に、半径方向内側に向かって突出した複数のメインドラムリフタが有され、サブドラムの内周面上に、半径方向内側に向かって突出した複数のサブドラムリフタが有される。
【0095】
より詳細には、メインドラムの内周面は、サブドラムの外周面に対向しない第1面と、サブドラムの外周面に対向する第2面と、に分けられ、メインドラムリフタは第1面に有される。
【0096】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。また、ドラムの内周面に複数のリフタを有することにより、ドラム内での洗濯対象物の立体流動がより円滑に行われるようにする。
【0097】
メインドラムリフタの軸方向長さとサブドラムリフタの軸方向長さとの比は、メインドラムの内周面の第1面の長さとサブドラムの内周面の長さとに比例するようにしてもよい。これは、軸方向長さが相対的に異なるメインドラムとサブドラムとに対応するようにリフタをそれぞれ有したものである。
【0098】
メインドラムリフタ及びサブドラムリフタは、軸方向と平行にドラムの内部に有される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、メインドラムリフタ及びサブドラムリフタは、軸方向に対して所定の角度を有するように有されてもよい。この場合、メインドラムは、メインドラムリフタにおける軸方向に対する角度の方向に基づいて回転方向が決定され、サブドラムは、サブドラムリフタにおける軸方向に対する角度の方向に基づいて回転方向が決定される。すなわち、リフタによりドラム内での洗濯対象物の立体流動が円滑に行われるように、ドラムの回転方向をリフタの傾斜方向に基づいて決定する。
【0099】
一方、メインドラムリフタは、半径方向断面の高さが軸方向後方へ行くほど低くなり、サブドラムリフタは、半径方向断面の高さが軸方向前方へ行くほど低くなる。これは、リフタに軸方向の傾斜を与えることにより、ドラム内で洗濯対象物が効率的に軸方向の流動を行えるようにし、立体流動を補助するためである。
【0100】
この場合、メインドラムリフタ又はサブドラムリフタは、軸方向に沿って直線状の傾斜を有するようにしてもよく、軸方向に沿って曲線状の傾斜を有するようにしてもよい。
【0101】
メインドラムリフタは、メインドラムの前端部から後方に延びている。また、サブドラムリフタは、サブドラムの後端部から前方に延びている。さらに、メインドラムリフタ及びサブドラムリフタは、互いに対向する方向に低くなる傾斜を有する。これは、洗濯対象物の軸方向の流動により洗濯対象物がドラムの内側又は外側に偏ることを防止し、立体流動が円滑に行われるようにするために洗濯対象物をドラムの中心部に配置するためである。
【0102】
メインドラムとサブドラムとは、駆動モータにより独立して駆動される。また、メインドラムとサブドラムとは、相対回転により洗濯対象物を回転させて軸方向に流動させる。
【0103】
洗濯対象物は、メインドラム又はサブドラムの回転により円周方向に流動し、かつメインドラムとサブドラムとの相対運動により回転して軸方向に流動する。
【0104】
この場合、メインドラムリフタ及びサブドラムリフタは、洗濯対象物の円周方向の流動をガイドすることができる。また、メインドラムリフタ及びサブドラムリフタの互いに対向する傾斜は、洗濯対象物の軸方向の流動をガイドすることができる。
【0105】
本発明のさらに他の実施形態によれば、ステータティース及びステータスロットを有し、ステータティースに巻線が巻回されて固定設置されるステータと、ロータティース、永久磁石及びブッシングを有し、ステータの内周から離隔設置されて磁力によりロータ軸を中心に回転駆動されるロータと、を有し、ステータの外径に対するロータの外径の比が0.7〜0.8である、永久磁石モータが提供される。
【0106】
ロータティースは、ロータの外径側部から左右横方向に突設されたティース拡張部を有し、ティース拡張部の端部の高さが0.3mm未満であり、隣接するロータティースのティース拡張部間の距離(DW)が5.5mm〜6.5mmである。
【0107】
ロータティースの外径端部は、ロータティースのアーク角が60°となるように形成されることが好ましい。
【0108】
ロータティースは、ティース拡張部の外周が拡張直線部を形成し、拡張直線部とティース拡張部の端部からロータのコア中心への直線との角度が90°〜100°となるように形成される。
【0109】
本発明のさらに他の実施形態によれば、外観を形成する本体と、本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられるメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、メインドラムに連結される中空状のアウターシャフトと、アウターシャフトの内部でサブドラムに連結されるインナーシャフトと、アウターロータ及びインナーロータを有する駆動モータと、を有する洗濯機において、駆動モータは、ステータティースに巻線が巻回されて固定設置されるステータと、ロータティース及び永久磁石を有し、ステータの内周から離隔設置されて磁力によりロータ軸を中心に回転駆動されるロータと、を有し、ステータの外径に対するロータの外径の比が0.7〜0.8である永久磁石モータのロータ構造を有する、洗濯機が提供される。
【0110】
ロータティースは、ロータの外径側部から左右横方向に突設されたティース拡張部を有し、ティース拡張部の端部の高さが0.3mm未満であり、隣接するロータティースのティース拡張部間の距離(DW)が5.5mm〜6.5mmである。
【0111】
ロータティースは、ティース拡張部の外周が拡張直線部を形成し、拡張直線部とティース拡張部の端部からロータのコア中心への直線との角度が90°〜100°となるように形成されることが好ましい。
【0112】
本発明のさらに他の実施形態において、駆動モータのステータは、ステータティース及びステータスロットを有し、ステータティースに巻線が巻回されて固定設置され、アウターロータ及びインナーロータは、ロータティース、永久磁石及びブッシングを有しステータの内周から離隔設置されて磁力によりロータ軸を中心に回転駆動され、ロータティースは、ロータティースの外周側端から円周方向に突出して拡張されたティース拡張部と、ロータティースの外周からロータ軸の中心方向に陥没形成された切欠凹部と、ロータティースの内周から半径方向に陥没形成されてブッシングの射出物が挿入される挿入凹部と、を有する。
【0113】
挿入凹部は、ブッシングの射出物がロータティースの内側に挿入される経路である第1挿入凹部と、第1挿入凹部からロータ軸の半径方向に延長して切欠され、ブッシングの射出物が挿入されて硬化した後ブッシングとロータティースとを一体化して固定する第2挿入凹部と、を有する。
【0114】
第2挿入凹部は、第1挿入凹部の幅よりも大きい直径を有する円形、楕円形、多角形及び三角形の少なくとも1つの形状の貫通孔として形成されてもよい。
【0115】
ロータティースは、切欠凹部からロータ軸の中心方向に延長して切欠されてブッシングの射出物が充填されてフラックスバリアを形成する切欠孔をさらに有してもよい。フラックスバリアを形成する切欠孔は、ロータティース間に位置する永久磁石の磁束漏れを防止できるように、切欠凹部の幅よりも大きい直径を有する円形又は楕円形に形成されることが好ましい。
【0116】
ロータティースの切欠凹部及びフラックスバリア切欠孔にブッシングの射出物が充填され、ロータティースが遠心力により離脱することを防止する。また、ロータティースのティース拡張部と永久磁石との間の空間にブッシングの射出物が充填され、ロータティースと永久磁石とを一体化して固定することで遠心力により離脱することを防止する。
【0117】
ロータティースの外周端部の曲率は、環状のロータの曲率より大きくし、ロータティースの外周面とステータの内周面との離隔距離を変化させてもよい。
【0118】
本発明のさらに他の実施形態において、駆動モータのステータは、環状に形成されて中心部に向かって突設された複数のインナーティース、インナーステータの環状を形成するインナーヨーク、及びインナーティースとインナーヨークとの間に形成される空間であるインナースロットを有するインナーステータと、環状に形成されて半径方向に突設された複数のアウターティース、インナーヨークの外周面に接触してアウターステータの環状を形成するアウターヨーク、及びアウターティースとアウターヨークとの間に形成される空間であるアウタースロットを有するアウターステータと、を有する。インナーステータとアウターステータとは、インナーヨークの外周面とアウターヨークの内周面とが対向し、離隔して結合される。
【0119】
また、ステータは、インナーティースの長さがアウターティースの長さより長くなるように形成されるが、インナーティースに巻回されるコイルの巻回数がアウターティースに巻回されるコイルの巻回数より大きくなるようにすることにより、インナーロータのトルクがアウターロータのトルクより大きくなるようにし、メインドラムの回転力がサブドラムの回転力より大きくなるようにする。
【0120】
ステータは、インナーヨークの外周面とアウターヨークの内周面との間に磁力を遮断するインシュレータを有してもよい。インシュレータは、PBT系のプラスチック材料で形成されることが好ましい。
【0121】
ステータの製造方法においては、一対のインナーステータをインナーティースが長手方向に互いに噛み合うように配置された状態で打ち抜くことによって製造し、一対のアウターステータをアウターティースが長手方向に互いに噛み合うように配置された状態で打ち抜くことによって製造することにより、インナーステータ及びアウターステータの打ち抜き後の余剰部を最小限に抑え、部材の損失を最小限に抑える。
【0122】
長手方向に延びたインナーステータの一端と他端を連結して環状に組み立て、長手方向に延びたアウターステータをインナーステータの外周に環状に巻回してステータを製造する。
【0123】
本発明のさらに他の実施形態によれば、外観を形成する本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられるメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、メインドラムに連結される中空状のアウターシャフトと、アウターシャフトの内部でサブドラムに連結されるインナーシャフトと、ステータ、インナーシャフトに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びアウターシャフトに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、を有し、ステータは、インナーロータに対向するインナーステータと、アウターロータに対向するアウターステータと、を有し、ステータのインナーステータ及びアウターステータは、それぞれ、環状に連結される複数の関節型ボビンと、関節型ボビンのそれぞれに挿入される複数のティースと、複数のティースの端部を環状に連結するティースリングと、を有する、洗濯機が提供される。
【0124】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。
【0125】
また、上記構成においては、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有し、かつ巻線占積率の向上のための関節型ボビンを有することにより、駆動モータの性能を向上させることができ、駆動モータを最適化することができる。
【0126】
さらに、コギングトルクの抑制及び出力低下の防止のためのティースリングを有することにより、2つの独立したロータを駆動するための最適な構造を有するようにする。
【0127】
ここで、本発明の一態様として、複数のティースがそれぞれ分離された分割型ティースで構成された場合、ステータのインナーステータ及びアウターステータは、複数の関節型ボビンの端部を連結するリング状のヨークをさらに有し、ヨークとティースリングとの間に複数の関節型ボビンが取り付けられる。
【0128】
本発明の他の態様として、複数のティースがこれらのティースの端部を連結する関節型ヨークに一体に形成された場合、関節型ヨークが環状に連結され、環状に連結された関節型ヨークとティースリングとの間に複数の関節型ボビンが取り付けられる。
【0129】
これらの態様において、複数の関節型ボビンのそれぞれには、コイルが巻回されてもよい。
【0130】
関節型ボビンは、ティースが挿入される収容部が形成された胴部と、胴部の両側面に屈折可能に形成された関節部と、を有する。これにより、複数の関節型ボビンは関節部を互いに連結することができる。
【0131】
本発明のさらに他の実施形態によれば、複数の関節型ボビンを帯状に連結するボビン連結段階と、連結された複数の関節型ボビンのそれぞれにティースを挿入するティース挿入段階と、ティースが挿入された関節型ボビンのそれぞれにコイルを自動的に巻回する自動巻線段階と、コイルが巻回された関節型ボビンをリング状に連結するヨーク連結段階と、ティースの端部に環状のティースリングを連結するティースリング連結段階と、を有する、洗濯機の駆動モータのステータの製造方法が提供される。
【0132】
自動巻線段階においては、関節型ボビンのそれぞれにコイルを自動的に整列して巻回するようにしてもよい。
【0133】
上記構成においては、巻線占積率の向上のために、関節型ボビンにコイルが自動的に巻回されるようにすることにより、駆動モータの性能を向上させることができ、駆動モータを最適化することができる。
【0134】
ここで、複数のティースがそれぞれ分離された分割型ティースの場合、ヨーク連結段階において、関節型ボビンをリング状のヨークに連結する。
【0135】
また、複数のティースが関節型ヨークと一体に形成された場合、ヨーク連結段階において、複数のティースの端部を連結する関節型ヨークをリング状に折り曲げる。
【0136】
上記構成が洗濯機の駆動モータに限られる場合、本発明のさらに他の実施形態によれば、環状のインナーステータと、インナーステータの外側に有される環状のアウターステータと、インナーステータの内側に有されるインナーロータと、アウターステータの外側に有されるアウターロータと、を有し、インナーステータ及びアウターステータは、それぞれ、環状に連結される複数の関節型ボビンと、関節型ボビンのそれぞれに挿入される複数のティースと、複数のティースの端部を環状に連結するティースリングと、を有する、洗濯機の駆動モータが提供される。
【0137】
本発明のさらに他の実施形態によれば、外観を形成する本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられるメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、メインドラムに連結される中空状のアウターシャフトと、アウターシャフトの内部でサブドラムに連結されるインナーシャフトと、ステータ、インナーシャフトに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びアウターシャフトに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、を有し、ステータは、インナーロータに対向するインナーステータとアウターロータに対向するアウターステータとがインシュレータにより一体に形成される、洗濯機が提供される。
【0138】
インナーステータは、複数のインナーティース及びインナーヨークを有するインナーティースコアがインシュレータに収容され、その後コイルがインシュレータに巻回されて形成され、アウターステータは、複数のアウターティース及びアウターヨークを有するアウターティースコアがインシュレータに収容され、その後コイルがインシュレータに巻回されて形成される。
【0139】
ここで、インシュレータは、インナーティースコアとアウターティースコアとを離隔させて磁力を遮断するフラックスバリアを有する。
【0140】
また、インシュレータは、複数のインナーティースを収容するインナーティース収容部とインナーヨークを収容するインナーヨーク収容部とを有するインナーティースコア収容部と、複数のアウターティースを収容するアウターティース収容部とアウターヨークを収容するアウターヨーク収容部とを有するアウターティースコア収容部と、を有し、フラックスバリアは、インナーヨーク収容部とアウターヨーク収容部との間に有される。
【0141】
複数のインナーティースのそれぞれを収容するインナーティース収容部間にインナースロットが形成され、複数のアウターティースのそれぞれを収容するアウターティース収容部間にアウタースロットが形成され、各インナーティース収容部及び各アウターティース収容部の外側にコイルが巻回される。
【0142】
インシュレータは、対向する上部インシュレータと下部インシュレータとが結合されて形成されるが、フラックスバリアは、上部インシュレータ及び下部インシュレータの少なくとも一方から突出し、上部インシュレータと下部インシュレータとの結合によりインナーティースコアとアウターティースコアとを離隔させて磁力を遮断する。
【0143】
インシュレータは、PBT系のプラスチック材料で形成されてもよい。
【0144】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。
【0145】
また、インシュレータがボビンの役割も果たせるようにし、部品点数を削減すると共に駆動モータ全体の大きさを小さくすることにより、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有しても、洗濯機全体の大きさを増加させない。
【0146】
上記構成が洗濯機の駆動モータに限られる場合、本発明のさらに他の実施形態によれば、環状のインナーステータと、インナーステータの外側に有される環状のアウターステータと、インナーステータの内側に有されるインナーロータと、アウターステータの外側に有されるアウターロータと、インナーステータとアウターステータとを一体に形成するインシュレータと、を有し、インナーステータは、複数のインナーティース及びインナーヨークを有するインナーティースコアがインシュレータに収容され、その後コイルがインシュレータに巻回されて形成され、アウターステータは、複数のアウターティース及びアウターヨークを有するアウターティースコアがインシュレータに収容され、その後コイルがインシュレータに巻回されて形成され、インシュレータは、インナーティースコアとアウターティースコアとを離隔させて磁力を遮断するフラックスバリアを有する、洗濯機の駆動モータが提供される。
【0147】
インシュレータは、複数のインナーティースを収容するインナーティース収容部とインナーヨークを収容するインナーヨーク収容部とを有するインナーティースコア収容部と、複数のアウターティースを収容するアウターティース収容部とアウターヨークを収容するアウターヨーク収容部とを有するアウターティースコア収容部と、を有し、フラックスバリアは、インナーヨーク収容部とアウターヨーク収容部との間に有される。
【0148】
インシュレータは、対向する上部インシュレータと下部インシュレータとが結合されて形成されるが、フラックスバリアは、上部インシュレータ及び下部インシュレータの少なくとも一方から突出し、上部インシュレータと下部インシュレータとの結合によりインナーティースコアとアウターティースコアとを離隔させて磁力を遮断する。
【0149】
本発明のさらに他の実施形態によれば、インナーティース及びインナーヨークを有するインナーティースコアとアウターティース及びアウターヨークを有するアウターティースコアとを積層形成するステータコア形成段階と、結合によりインナーティース収容部及びアウターティース収容部を形成しかつ互いに対向する上部インシュレータ及び下部インシュレータのいずれか一方にインナーティースコア及びアウターティースコアを挿入するステータコア挿入段階と、上部インシュレータと下部インシュレータとを結合するステータ組立段階と、インナーステータ収容部のうちインナーティースを収容するインナーティース収容部とアウターステータ収容部のうちアウターティースを収容するアウターティース収容部との外側にコイルを巻回するコイル巻回段階と、を有する、洗濯機の駆動モータのステータの製造方法が提供される。
【0150】
ステータコア挿入段階においては、インナーティースコアとアウターティースコアとを、上部インシュレータ及び下部インシュレータの少なくとも一方に形成されたフラックスバリアを介して離隔するように挿入する。
【0151】
上記構成においては、容易かつ簡単にステータを組み立てることができるようにし、インシュレータがボビンの役割も果たせるようにし、部品点数を削減すると共に駆動モータ全体の大きさを小さくすることにより、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有しても、洗濯機全体の大きさを増加させない。
【0152】
本発明のさらに他の実施形態において、駆動モータは、アウターティース、インナーティース、ヨーク及びハウジング結合口を有したステータに組み立てられる、ハウジング本体、ベアリング軸孔、ハウジング固定口及びステータ結合口を有したベアリングハウジングを有し、ベアリングハウジングのハウジング本体は、インナーティースの巻線部に対応する位置に形成される突出部と、インナーティース間のスロットに対応する位置に形成される陥没部と、を有する、デュアルモータステータの放熱の改善のためのベアリングハウジング構造を有する。
【0153】
陥没部は、インナーティースの巻線部から発生する熱を対流させる空間として形成され、ベアリングハウジングのハウジング本体の突出部は、インナーティースの巻線部から発生する熱を伝導して外部に放熱する伝導部として形成されるようにすることが好ましい。
【0154】
ベアリングハウジングのハウジング本体の突出部は、インナーティースの巻線部のコイルから所定の絶縁距離だけ離隔している。
【0155】
本発明のさらに他の実施形態において、駆動モータは、アウターティース及びインナーティースを有するステータと、アウターティースに形成されたアウター巻線部とインナーティースに形成されたインナー巻線部とに電源を統合して供給する電流コネクタと、アウターホールセンサとインナーホールセンサとに電源を統合して供給するホールセンサコネクタと、を有する、デュアルモータの電流コネクタ及びホールセンサの構造を採用する。
【0156】
電流コネクタは、電源部から供給される電流をアウター巻線部とインナー巻線部とに並列に供給し、アウター巻線部とインナー巻線部とから供給される電流は、1つの接地に統合接続される。
【0157】
ホールセンサコネクタは、電源部から供給される電流を統合されたホールセンサコネクタを介してアウターホールセンサとインナーホールセンサとに並列に供給し、アウターステータとインナーステータとで感知されたホールセンシング信号は、統合されたホールセンサコネクタに並列に接続され、アウターホールセンサ及びインナーホールセンサから供給される電流は、1つの接地に接続される。
【0158】
駆動モータは、アウターステータでの温度を感知するアウター温度センサとインナーステータでの温度を感知するインナー温度センサとをさらに有してもよく、アウター温度センサは、アウター巻線部に接触して設けられて温度を測定し、インナー温度センサは、インナー巻線部に接触して設けられて温度を測定する。
【0159】
上記構成においては、電源部から供給される電流を、統合されたホールセンサコネクタを介してアウター温度センサとインナー温度センサとに並列に供給し、アウター温度センサとインナー温度センサとで感知された信号は、統合されたホールセンサコネクタに並列に接続されるようにし、アウターホールセンサ及びインナーホールセンサを有するホールセンサとアウター温度センサ及びインナー温度センサを有する温度センサとは、互いに並列に接続され、1つの接地に統合接続されてもよい。
【0160】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、アウターシャフトとインナーロータとの連結部に挿入されるスプリング座金を有し、アウターシャフトの振動を緩衝して騒音を防止し、振動による離脱を防止する。
【0161】
アウターシャフトとインナーロータとの連結部でスプリング座金を固定する止めリングをさらに有し、スプリング座金の軸方向の離脱を防止するようにする。止めリングは、Cリングで構成されることが好ましい。
【0162】
アウターシャフトの外周には、中心方向に窪んだ止めリング溝が形成されてもよい。Cリングは、止めリング溝に嵌入されてスプリング座金の軸方向の離脱を防止する。
【0163】
アウターシャフトとインナーロータとの間に設置されるインナーブッシングをさらに有し、インナーロータの回転力がアウターシャフトに伝達されるようにする。スプリング座金は、アウターシャフトの軸方向の振動や騒音を防止するために、インナーブッシングとアウターシャフトとの連結部に設置されるようにする。
【0164】
また、アウターシャフトとインナーブッシングとの連結部でスプリング座金を固定する止めリングをさらに有し、スプリング座金は、インナーブッシングの上面でアウターシャフトの外周を覆う環状部材で構成されるようにしてもよい。
【0165】
スプリング座金は、突出部及び陥没部を有する環状凹凸部材で構成されることが好ましい。
【0166】
本発明のさらに他の実施形態によれば、中空状のアウターシャフトと、アウターシャフトの内部に挿入されるインナーシャフトと、ステータ、インナーシャフトに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びアウターシャフトに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、アウターシャフトとインナーロータとの連結部でアウターシャフトに挿入されるスプリング座金と、スプリング座金がアウターシャフトに挿入締結された後インナーロータを圧迫固定するインナーロータナットと、を有し、アウターシャフトの軸方向の振動を緩衝して騒音を防止し、振動による離脱を防止する、デュアルドラム式洗濯機の軸系構造が提供される。
【0167】
本発明による軸系構造は、アウターシャフトの外周でインナーロータとスプリング座金との間に挿入締結される平座金をさらに有してもよい。
【0168】
アウターシャフトの外周に雄ネジ部が形成され、インナーロータナットの内周に雌ネジ部が形成され、互いに螺合されることにより、スプリング座金の軸方向の離脱を防止する。
【0169】
アウターシャフトとインナーロータとの間にインナーブッシングが設置されており、インナーロータの回転力がアウターシャフトに伝達されるようにする。
【0170】
本発明のさらに他の実施形態において、スプリング座金は、インナーブッシングの上面でアウターシャフトの外周を覆う環状凹凸部材で構成され、アウターシャフトの軸方向の振動や騒音を防止することができる。
【0171】
環状凹凸部材は、突出部及び陥没部を有する。
【0172】
アウターシャフトとインナーシャフトとの間にインナーボールベアリングが設置されており、駆動モータがアウターシャフトとインナーシャフトとを独立して駆動する。
【0173】
本発明のさらに他の実施形態によれば、ハウジング本体、ベアリング軸孔及びステータ結合口を有したベアリングハウジングと、アウターティース、インナーティース、ヨーク及びハウジング結合口を有したステータと、を有する駆動モータの組立構造において、ステータ結合口が嵌合突起を有し、ハウジング結合口が嵌合凹部を有し、嵌合突起が嵌合凹部に嵌入されるようにすることにより、デュアルモータにおけるベアリングハウジングとステータとの組立性を向上させる。
【0174】
ステータ結合口及びハウジング結合口は、ベアリングハウジングとステータとが組み立てられる際に互いに連通する結合孔を有し、嵌合突起が嵌合凹部に嵌入されて固定結合された状態で、ベアリングハウジングとステータとはそれぞれの結合孔を介して螺合されることにより結合される。
【0175】
ステータ結合口は、ベアリングハウジングから所定高さ突出するように形成され、ハウジング結合口は、ステータのヨークから所定高さ突出するように形成される。
【0176】
また、ステータは、ヨークから突出した複数のスペーサを有し、ベアリングハウジングから離隔して結合されるようにしてもよい。
【0177】
本発明のさらに他の実施形態によれば、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階と、すすぎ水を供給してすすぎ行程を行うすすぎ段階と、すすぎ水を排水して脱水行程を行う脱水段階と、脱水行程後に、メインドラム及びサブドラムの内部から洗濯対象物を分離してほぐす洗濯物整理段階と、を有する、洗濯機の運転方法が提供される。洗濯機の運転方法は、洗濯対象物を乾燥させる乾燥行程を行う乾燥段階をさらに有してもよく、洗濯物整理段階は、乾燥段階の前に行われるようにしてもよい。
【0178】
洗濯物整理段階は、メインドラムとサブドラムとの相対運動により洗濯対象物がメインドラム及びサブドラムの内部面から分離される洗濯物分離過程と、メインドラムとサブドラムとの相対運動により洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向の流動が行われてほぐされるほぐし過程と、を有する。洗濯物整理段階は、メインドラムとサブドラムとの相対運動により洗濯対象物が外部に吐出される洗濯物自動取出過程をさらに有してもよい。
【0179】
本発明のさらに他の実施形態によれば、すすぎ水を排水して脱水行程を行う脱水段階を行った後、洗濯対象物がメインドラム及びサブドラムの内部面から分離されるように、駆動モータがメインドラムとサブドラムとを相対運動させる洗濯物分離段階と、洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向の流動によりほぐされるように、駆動モータがメインドラムとサブドラムとを相対運動させる洗濯物ほぐし段階と、を有する、洗濯機の制御方法が提供される。洗濯機の制御方法は、洗濯機のドアを開放した後、洗濯対象物がドアの外部に吐出されるように、駆動モータがメインドラムとサブドラムとを相対運動させる洗濯物自動取出段階をさらに有してもよい。
【0180】
駆動モータは、アウターロータとインナーロータとを独立して回転させることにより、メインドラムとサブドラムとを相対回転させる。サブドラムとメインドラムとは、互いに反対方向に回転するようにするか、又は同一方向に回転するが異なる回転速度で回転するようにすることが好ましい。
【0181】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機の運転方法は、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行うメインドラムとサブドラムとの独立した相対運動により、洗濯対象物を回転させて円周方向及び軸方向に流動させる立体洗濯過程を有してもよい。
【0182】
また、洗濯段階は、メインドラム及びサブドラムの回転により洗濯対象物を円周方向に流動させる一般洗濯過程をさらに有してもよい。
【0183】
本発明のさらに他の実施形態において、駆動モータは、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階で測定された布量によって、洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向に流動するように、メインドラムとサブドラムとを相対回転させるか、又は洗濯対象物が円周方向にのみ流動するように、メインドラムとサブドラムとを一体に回転させる。
【0184】
具体的には、駆動モータは、布量が駆動モータの最大負荷の1/3以下の場合は、サブドラムとメインドラムとを互いに反対方向に回転させ、布量が駆動モータの最大負荷の1/3を超えて2/3以下の場合は、サブドラムとメインドラムとを同一方向に回転させるが異なる回転速度で回転させる。また、布量が駆動モータの最大負荷の2/3を超える場合は、メインドラムとサブドラムとを同一方向に一体に回転させる。
【0185】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、アウターロータ及びインナーロータの駆動を制御する制御ユニットをさらに有し、制御ユニットは、駆動モータの起動時、アウターロータ及びインナーロータ
の目標回転数
より小さい同一起動回転数でアウターロータ及びインナーロータを駆動する。
【0186】
制御ユニットは、駆動モータの起動時、アウターロータ及びインナーロータのうちトルクの大きいロータから順次起動するようにしてもよい。
【0187】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、布量を検出する布量検出ユニットをさらに有し、制御ユニットは、駆動モータの起動後所定時間経過すると、布量によってアウターロータ及びインナーロータの回転方向又は回転数をそれぞれ制御する。
【0188】
制御ユニットは、布量が所定の基準布量以下であれば、アウターロータとインナーロータとの回転方向を反対方向にし、布量が基準布量より多ければ、アウターロータとインナーロータとの回転方向を同一方向にし、駆動モータを駆動するようにしてもよい。
【0189】
制御ユニットは、布量が所定の第1基準布量以下であれば、アウターロータとインナーロータとの回転方向を反対方向にし、布量が第1基準布量より多い第2基準布量以上であれば、アウターロータとインナーロータとの回転方向を同一方向にして、駆動モータを駆動するようにしてもよい。
【0190】
制御ユニットは、布量が第1基準布量より多く第2基準布量より少なければ、駆動モータの発熱量又はトルクによってアウターロータ及びインナーロータの回転方向又は回転数を制御するようにしてもよい。
【0191】
本発明のさらに他の実施形態において、洗濯機は、アウターロータ又はインナーロータに有されて温度を検出する温度検出ユニットをさらに有し、制御ユニットは、温度が所定の基準温度以上であれば、アウターロータとインナーロータとの回転数を同一に制御する。
【0192】
本発明のさらに他の実施形態によれば、アウターロータ及びインナーロータの目標回転数より小さい同一起動回転数で駆動モータを起動する段階と、駆動モータの起動後所定時間経過すると、各目標回転数でアウターロータ及びインナーロータをそれぞれ駆動する段階と、を有する、洗濯機の運転制御方法が提供される。
【0193】
洗濯機の運転制御方法は、アウターロータのトルクとインナーロータのトルクとを比較する段階と、比較の結果、トルクの大きいロータから順次起動する段階と、駆動モータの起動後所定時間経過すると、アウターロータ及びインナーロータの各目標回転数でアウターロータ及びインナーロータをそれぞれ駆動する段階と、をさらに有してもよい。洗濯機の運転制御方法は、布量を検出する段階をさらに有してもよい。
【0194】
アウターロータ及びインナーロータを駆動する段階は、布量が所定の基準布量以下であれば、アウターロータとインナーロータとの回転方向を反対方向にして駆動する過程と、布量が基準布量より多ければ、アウターロータとインナーロータとの回転方向を同一方向にして駆動する過程と、を有してもよい。
【0195】
また、洗濯機の運転制御方法は、アウターロータの温度又はインナーロータの温度を検出する段階と、温度が所定の基準温度以上であれば、アウターロータとインナーロータとの回転数を同一に制御する段階と、をさらに有してもよい。
【0196】
本発明の一実施形態による洗濯機は、外観を形成する本体と、本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、ステータ、サブドラムに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びメインドラムに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、インナーロータ及びアウターロータを駆動する制御ユニットと、を有する。ここで、制御ユニットは、インナーロータ及びアウターロータをそれぞれ駆動して所定の回転数に達するようにし、インナーロータ及びアウターロータに制動命令を生成し、インナーロータ及びアウターロータが停止するまでの制動時間に基づいてメインドラムの第1布量及びサブドラムの第2布量を検出する。
【0197】
本発明の他の実施形態による洗濯機において、制御ユニットは、インナーロータを駆動し、インナーロータの制動時間に基づいて第1布量を検出するマスタ制御部と、マスタ制御部に接続され、アウターロータを駆動し、アウターロータの制動時間に基づいて第2布量を検出するスレーブ制御部と、を有する。
【0198】
マスタ制御部は、アウターロータに対する制動命令を生成してスレーブ制御部に伝送し、次いで所定時間経過後にインナーロータに対する制動命令を生成する。
【0199】
洗濯機は、インナーロータに流れる第1電流及びアウターロータに流れる第2電流を検出する電流検出ユニットをさらに有してもよい。
【0200】
本発明の一実施形態による洗濯機の布量検出方法は、外観を形成する本体と、本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、ステータ、サブドラムに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びメインドラムに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、を有する洗濯機において、インナーロータ及びアウターロータをそれぞれ駆動する段階と、インナーロータ及びアウターロータが所定の回転数に達すると、インナーロータ及びアウターロータを制動する段階と、インナーロータ及びアウターロータが停止するまでの制動時間に基づいてメインドラムの第1布量及びサブドラムの第2布量を検出する段階と、を有する。
【0201】
洗濯機の布量検出方法は、第1布量、第2布量、並びに第1及び第2布量に基づいて決定された最終的布量のいずれかを表示する段階をさらに有してもよい。
【0202】
本発明の他の実施形態による洗濯機の布量検出方法は、外観を形成する本体と、本体の内部に有されるタブと、タブの内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラムと、メインドラムと相対回転可能にメインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、ステータ、サブドラムに連結されてステータの外側で回転するアウターロータ、及びメインドラムに連結されてステータの内側で回転するインナーロータを有する駆動モータと、インナーロータを駆動するマスタ制御部と、アウターロータを駆動するスレーブ制御部と、を有する洗濯機において、マスタ制御部及びスレーブ制御部がそれぞれインナーロータ及びアウターロータを駆動する段階と、インナーロータ及びアウターロータが所定の回転数に達すると、マスタ制御部がインナーロータ及びアウターロータを制動する段階と、マスタ制御部及びスレーブ制御部がそれぞれインナーロータ及びアウターロータが停止するまでの制動時間に基づいてメインドラムの第1布量及びサブドラムの第2布量を検出する段階と、を有する。
【発明の効果】
【0203】
本発明は、上記構成により次の効果を有する。
【0204】
本発明は、独立して駆動される2つのドラムを用いて、洗濯機のドラム内での洗濯対象物の流動が立体的に行われるようにする。これにより、洗濯対象物の立体流動が可能になり、洗濯機の洗濯性能を向上させ、洗濯時間を短縮できるという効果がある。
【0205】
また、本発明は、2つのドラムの駆動によるトルク配分、洗濯対象物に作用する機械力、及び洗濯対象物の流動性を考慮して、最適な洗濯対象物の立体流動を可能にすることにより、洗濯性能を向上させるという効果がある。
【0206】
さらに、本発明は、独立して駆動される2つのドラムにそれぞれリフタを有することにより、洗濯対象物の立体流動がより円滑に行われるようにし、洗濯機の洗濯性能を向上させ、洗濯時間を短縮できるという効果がある。
【0207】
さらに、本発明は、洗濯機に適用されるロータティースの内側に配置されていた軸中心方向の突出固定端を除去することにより、突出固定端の変形による不良発生率を低減し、組立の困難性を解消することができる。さらに、前記突出固定端の除去により、磁束が上方に漏れることを防止することができる。さらに、本発明は、前記ロータティースの内側に外周方向に切り欠きされた貫通孔である挿入凹部を形成してブッシングと一体に射出することにより、ロータコアに一体化されるロータを簡単に組み立て、前記ロータが遠心力により離脱することを防止してコアを固定することができる。
【0208】
さらに、本発明は、デュアルモータステータにおいてインナー側ステータティースの長さをアウター側ステータティースの長さより長くしてインナー側のコイル巻回数を増やし、インナーロータ側のトルクがアウターロータ側のトルクより大きくなるように設計することにより、デュアルドラム式洗濯機において、高トルクのインナーロータはメインドラムに提供し、低トルクのアウターロータはサブドラムに提供するようにしてもよい。
【0209】
さらに、本発明は、永久磁石モータにおけるステータの外径に対するロータの外径の比を最適化し、定められたサイズ内で最大のトルク効率を実現することにより、永久磁石モータの効率を最大にすることができる。
【0210】
さらに、本発明は、永久磁石モータにおいて、ロータティースのティース拡張部の高さ、隣接するティース拡張部間の距離、ロータティースのアーク角及びティース拡張部の直線部の角度を調整してコギングトルク及びトルクリップルを最小限に抑えて振動及び騒音を改善し、安定したモータの回転駆動を図ることができる。
【0211】
さらに、本発明は、デュアルモータステータの製造方法及びこの方法を利用した洗濯機において、インナーステータとアウターステータとを別体で製作して一体化することなく打ち抜くことにより、打ち抜き後の余剰部を最小限に抑え、これにより部材の損失を低減することができる。
【0212】
さらに、本発明は、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有し、かつ関節型ボビンを有することにより、自動的にコイルが整列されて巻回されるようにし、巻線占積率を向上させ、駆動モータの性能を向上させ、作業時間を短縮できるという効果がある。
【0213】
さらに、本発明は、コギングトルクの抑制及び出力低下の防止のためのティースリングを有することにより、駆動モータの性能を向上させるという効果がある。
【0214】
さらに、本発明は、関節型ボビンに使用できる効率的なティース構造を有するコアを提供することにより、コア製造時に捨てられる切れ端を減らし、コストを低減できるという効果がある。
【0215】
さらに、本発明は、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有し、かつインシュレータにより一体に組み立てられてインシュレータがボビンの役割を果たすことにより、容易かつ簡単にステータを組み立てることができ、部品点数を削減すると共に駆動モータ全体の大きさを小さくして、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを有しても、洗濯機全体の大きさを増加させないという効果がある。
【0216】
さらに、本発明は、洗濯機の駆動モータにおけるベアリングハウジングとステータとの結合構造において、ステータのインナーティース(巻線部)でのコイルの発熱を放熱するために、ベアリングハウジングの本体に突出部及び陥没部を有する折曲部を形成することにより、伝導と対流による放熱を効果的に行うことができる。
【0217】
本発明は、従来のインナーステータ及びアウターステータにそれぞれ提供されていた電流コネクタ及びホールセンサコネクタを1つに統合して構造を単純化し、製造の利便性及び空間の確保を図り、組立間違いを防止することにより、デュアルモータ全体としての組立の利便性を図ることができる。
【0218】
本発明は、デュアルドラム及びデュアルモータ方式の洗濯機の軸系構造を改善し、より単純化した構造を採用することにより、インナーロータとアウターシャフトとの間の振動を緩衝して異常騒音を防止し、軸の離脱を防止する効果を図ることができる。
【0219】
本発明は、デュアルドラム式洗濯機に適用されるインナーロータ及びアウターロータを有するデュアルモータにおいて、アウターティース及びインナーティースが有されたステータとベアリングハウジングとの組立を改善するために、ベアリングハウジングに形成されたステータ結合口に嵌合突起を形成し、ステータに形成されたハウジング結合口に嵌合凹部を形成することにより、ベアリングハウジングとステータの結合のために位置決めして組立を容易にする。
【0220】
また、本発明は、インナーロータをベアリングハウジングに結合するのではなく、独立してアウターシャフトに結合する場合、組立性の向上のために組立補助治具を有することにより、インナーロータの組立をガイドする機能を行わせてもよい。
【0221】
さらに、本発明は、2つのドラムとこれら2つのドラムを独立して駆動する駆動モータとを運転及び制御して洗濯対象物の立体流動を可能にすることにより、脱水済みの洗濯対象物がドラムの内周面から容易に分離されてほぐされ、シワを低減できるという効果がある。
【0222】
さらに、本発明は、洗濯機の動作が終了した後に洗濯対象物を簡便に自動的に取り出せるようにし、ユーザの利便性を向上させるという効果がある。
【0223】
さらに、本発明は、布量によって、洗濯対象物に立体流動を与えるか又は一般的な平面流動を与えることにより、駆動モータに過負荷がかからないようにし、最適な洗濯性能を発揮するようにし、洗濯効率を向上させるという効果がある。
【0224】
さらに、本発明は、2つのドラムの駆動によるトルク配分、洗濯対象物に作用する機械力、及び洗濯対象物の流動性を考慮して、洗濯対象物の立体流動を可能にすることにより、洗濯性能を向上させるという効果がある。
【0225】
さらに、本発明は、駆動モータを構成する2つのロータの回転数を同一にするか、又は起動時刻を変化させることにより、駆動モータの起動時に発生する過電流による起動失敗を防止して発熱量を最小限に抑え、システムの安定性を向上させるという効果がある。
【0226】
さらに、本発明は、布量や温度などの負荷に応じて駆動モータの回転方向又は回転数を適宜制御し、立体流動を可能にすることにより、洗濯性能を向上させるという効果がある。
【0227】
本発明においては、2つのドラムと、これら2つのドラムを独立して駆動する1つの駆動モータと、を有した洗濯機において、各ドラムの布量を検出することにより、洗濯機の布量を精密に検出することができる。
【0228】
本発明においては、2つのドラムに対して異なる布量検出方法を適用することにより、洗濯機の布量検出性能の精度をさらに向上させ、洗濯、すすぎ及び脱水行程に必要な洗濯水及び電気容量を減少させることができる。
【0229】
本発明の適用可能な範囲は後述する発明の詳細な説明によりさらに明確になるであろう。しかし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば本発明の範囲内で様々な修正及び変更が可能であるので、本発明の好ましい実施形態を示す発明の詳細な説明及び特定の例は単なる例示にすぎないことに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0231】
本発明の理解を助けるために提供され、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明する。
【0232】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。説明を簡単にするために、同一又は類似の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0233】
図1は、本発明の一実施形態による洗濯機の概略図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機は、本体に相当する機器の外形を構成するキャビネット10を備える。キャビネット10の前面には、洗濯対象物である衣類をキャビネット10の内部に投入するための投入口20が形成される。
【0234】
投入口20は、キャビネット10に回動可能に固定されたドアにより開閉される。キャビネット10の上側には、洗濯機を操作するための各種操作ボタンが配置されたコントロールパネル30が位置し、コントロールパネル30の一側には、洗剤などを入れるための洗剤供給装置(図示せず)が備えられる。
【0235】
キャビネット10の内部に形成される収容空間には、洗濯水を貯蔵する円筒状のタブ40と、タブ40の内部に回転可能に設置されて洗濯対象物が投入されるメインドラム50及びサブドラム60が備えられる。タブ40の後方部には、メインドラム50及びサブドラム60を駆動するための駆動モータ70が備えられる。
【0236】
タブ40は、円筒状に構成され、内部にメインドラム50及びサブドラム60を収容することができる。タブ40の前面は、キャビネット10の開放された投入口20と連通されるように開放されている。よって、タブ40の前面部とキャビネット10の投入口20との間には、タブ40の前面部とキャビネット10の投入口20との周囲を取り囲むガスケットが備えられる。上記ガスケットは、タブ40の内部に収容される洗濯水がキャビネット10の内部に流入することを防止するための構成である。
【0237】
メインドラム50は、円筒状に構成され、タブ40の内部に回転可能に取り付けられる。メインドラム50の側面には、洗濯水を排出するための複数の通孔が形成される。
【0238】
サブドラム60は、円筒状に構成され、メインドラム50の内部に回転可能に取り付けられる。ここで、サブドラム60は、メインドラム50と相対回転可能に取り付けられる。すなわち、メインドラム50とサブドラム60とは互いに独立して駆動される構造を有し、各ドラムの回転速度及び回転方向に応じて様々な相対回転が可能である。
【0239】
駆動モータ70は、メインドラム50及びサブドラム60を駆動する駆動力を生成する装置であって、タブ40の背面に取り付けられる。駆動モータ70は、固定されているステータ71と、ステータ71の外側で回転するアウターロータ72と、ステータ71の内側で回転するインナーロータ73と、を含む。このように2つのロータを備えた駆動モータを便宜上デュアルロータモータ(dual-rotor motor)という。
【0240】
図4は、駆動モータ70をより詳細に示す。
図4を参照すると、ステータ71は、インナーロータ73を囲むように環状構造を有し、上記タブに固定結合される。
【0241】
図5は、駆動モータがメインドラム及びサブドラムに駆動力を伝達する構造を概略的に示す。
図4及び
図5を参照すると、インナーロータ73は、ステータ71の内側に回転可能に備えられ、後述するアウターシャフト81に連結されてメインドラム50の回転に関与する。アウターロータ72は、ステータ71の外側に回転可能に備えられ、後述するインナーシャフト82に連結されてサブドラム60の回転に関与する。インナーロータ73及びアウターロータ72は、マグネットを備え、駆動モータ70のインナー巻線部及びアウター巻線部に電流が供給されると、流れる電流により発生する磁場により回転する。
【0242】
駆動モータ70のインナーティース及びアウターティースに巻回されたコイルに流れる電流をそれぞれ制御すると、インナーロータ73とアウターロータ72とが独立して回転する。これにより、
図5のように、メインドラム50とサブドラム60とは1つの駆動モータ70により独立した回転が可能になる。つまり、上記駆動モータは、上記メインドラムと上記サブドラムとを独立して駆動する。
【0243】
上記構成においては、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。
【0244】
図2及び
図3は、シャフトとドラムとの結合をより詳細に示す。
図2及び
図3を参照すると、アウターシャフト81は、タブ40を貫通してインナーロータ73とメインドラム50とを連結する。アウターシャフト81は、中空状の軸であって、内部にインナーシャフト82が取り付けられる。インナーシャフト82は、アウターシャフト81の内部を貫通してアウターロータ72とサブドラム60とを連結する。
【0245】
メインドラム50とアウターシャフト81とは、メインドラムスパイダ91により連結される。
図2を参照すると、メインドラム50は、前方51及び後方52が開放されている。メインドラムスパイダ91は、アウターシャフト81に結合され、メインドラム50に固定結合される。
【0246】
サブドラム60とインナーシャフト82とは、サブドラムスパイダ95により連結される。サブドラム60は、背面を形成するサブドラムバックを備え、前方は開放され、後方は上記サブドラムバックにより閉鎖されている。サブドラムスパイダ95は、上記サブドラムバックに密着して固定される。
【0247】
図2を参照すると、メインドラムスパイダ91は、アウターシャフト81に結合される軸結合部92と、軸結合部92から放射状に延びたスパイダ支持部93と、スパイダ支持部93の端部に備えられるドラム固定部94と、を含む。ここで、ドラム固定部94は、メインドラム50に結合されて固定される。
【0248】
軸結合部92は、メインドラムスパイダ91の中心部に形成され、アウターシャフト81が結合される結合孔が形成されている。スパイダ支持部93は、上記中心部から放射状に延びた複数のカンチレバーで構成される。ドラム固定部94は、スパイダ支持部93の端部を連結するようにリング状に形成される。スパイダ支持部93は、アウターシャフト81からの駆動力をメインドラムスパイダ91を介してメインドラム50に伝達する際に、メインドラムスパイダ91を支持して駆動力の伝達を可能にする。一方、本実施形態の変形例として、上記スパイダ支持部は、上記軸結合部から延びた円盤状に構成されてもよい。
【0249】
メインドラムスパイダ91は、メインドラム50の外周面に結合される。すなわち、リング状のドラム固定部94がメインドラム50の外周面の端部に結合されて固定される。ドラム固定部94とメインドラム50の外周面との結合は、螺合により行われてもよく、溶接により行われてもよい。
【0250】
一方、本実施形態の変形例として、上記メインドラムは、後端部から中心方向に折り曲げられた折曲部を備え、上記折曲部に上記メインドラムスパイダのドラム固定部が結合されるようにしてもよい。
【0251】
サブドラム60とインナーシャフト82とはサブドラムスパイダ95により連結される。
図2を参照すると、サブドラム60は、背面を形成するサブドラムバック62を備え、前方は開放され、後方はサブドラムバック62により閉鎖されている。サブドラムスパイダ95は、サブドラムバック62に密着して固定される。
【0252】
サブドラムスパイダ95は、インナーシャフト82に結合される軸結合部96と、軸結合部96から放射状に延びた複数のドラム固定部97と、を含む。
【0253】
ここで、ドラム固定部97の端部はサブドラムバック62に固定される。サブドラムバック62は、サブドラムスパイダ95の形状に対応して内側に窪んだ収容部63をさらに含み、サブドラムスパイダ95は、収容部63に収容されてサブドラムバック62に密着結合される。ドラム固定部97とサブドラムバック62との結合は、螺合により行われてもよく、溶接により行われてもよい。
【0254】
図2及び
図3を参照すると、サブドラムスパイダ95は、サブドラムバック62とメインドラムスパイダ91との間に備えられる。しかし、サブドラムスパイダ95は、サブドラムバック62とは一体に回転し、メインドラムスパイダ
91とは独立して回転する。
【0255】
つまり、サブドラムスパイダ95がメインドラムスパイダ91とは独立して回転することにより、メインドラム50とサブドラム60とが独立して回転することができる。前述した構成は、それぞれのドラムに別個のスパイダを用い、それぞれのドラムを上記1つの駆動モータにより独立して駆動できる洗濯機の構造を提供する。
【0256】
図5を参照すると、上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとはベアリングを介して独立して回転可能な構造を有し、上記アウターロータと上記インナーロータとは上記ステータを介して独立して回転可能な構造を有する。上記ステータは、上記アウターロータ側と上記インナーロータ側とに巻線部を別個に備え、上記駆動モータは、上記アウターロータと上記インナーロータとを独立して駆動することができる。よって、上記メインドラムは上記インナーロータにより駆動され、上記サブドラムは上記アウターロータにより駆動されるので、上記駆動モータにより上記メインドラムと上記サブドラムとを独立して駆動することができる。
【0257】
また、上記アウターロータと上記インナーロータとの独立駆動により、上記メインドラムと上記サブドラムとを様々に相対回転させることができる。すなわち、回転方向を異ならせるか、回転方向は同一にして回転速度を異ならせることにより、様々な相対回転を発生させることができる。
【0258】
一方、上記実施形態の変形例として、上記メインドラムは背面を形成するメインドラムバックを備え、上記サブドラムは背面を形成するサブドラムバックを備えるようにしてもよい。この場合、上記メインドラムは、前方は開放され、後方は上記メインドラムバックにより閉鎖される構造を有し、上記サブドラムは、前方は開放され、後方は上記サブドラムバックにより閉鎖される構造を有する。
【0259】
この場合、上記メインドラムスパイダは、上記メインドラムバックに結合されて固定される。また、上記サブドラムスパイダは、上記サブドラムバックに結合されて固定される。さらに、上記サブドラムスパイダは、上記サブドラムバックと上記メインドラムバックとの間に備えられ、かつ上記サブドラムバックと一体に回転し、上記メインドラムバックとは独立して回転する。
【0260】
一方、上記サブドラムの外周面は、上記メインドラムの内周面の一部に対向するように構成される。すなわち、上記メインドラムの内周面の軸方向長さと上記サブドラムの内周面の軸方向長さとが異なり、上記サブドラムの外周面は、上記メインドラムの内周面の一部に対向するように構成される。上記サブドラムの軸方向長さが上記メインドラムの軸方向長さよりも小さい構造を有することが好ましい。
【0261】
図1及び
図5は、このような構造のメインドラム及びサブドラムを概略的に示す。
【0262】
図5を参照すると、メインドラム50の内周面の軸方向長さとサブドラム60の内周面の軸方向長さとが異なる。よって、サブドラム60は、メインドラム50の一端部から軸方向に延びるように、メインドラム50の内部に取り付けられ、メインドラム50は、内周面のうち一部のみサブドラム60の外周面に対向する。この場合、洗濯対象物を上記サブドラムと上記メインドラムとの境界面に接触させることができる。これにより、洗濯対象物においては、ドラム間の回転速度差により一方向に回転する流動が発生する。ここで、洗濯対象物は、ドラムの内周面から見たとき垂直な回転軸を中心に回転流動が行われる。さらに、洗濯対象物は、ドラムの内周面との摩擦によりドラムの円周方向の流動が行われる。これにより、洗濯対象物は、ドラムの円周方向に流動すると共にドラムの内周面に垂直な回転軸を中心に回転し、従って、回転速度の速いドラム側から回転速度の遅いドラム側へ軸方向の流動が発生する。上記軸方向の流動は、洗濯対象物がドラムの内周面に垂直な回転軸を中心に回転することにより発生するものである。これにより、洗濯対象物は、ドラムの円周方向の平面流動にドラムの軸方向の流動が加えられ、立体流動が可能になる。
【0263】
図3及び
図5を参照すると、上記サブドラムは上記メインドラムより軸方向長さが小さい構造を有する。ここで、上記サブドラムは、上記メインドラムの一端部から軸方向に延びるように、上記メインドラムの内部に取り付けられる。これにより、サブドラム60は、外周面60aがメインドラム50の内周面50bに対向し、メインドラム50は、内周面50a、50bのうち一部50bのみサブドラム60の外周面60aに対向する構造を有する。
【0264】
図3を参照してより詳細に説明すると、上記メインドラムの内周面の軸方向長さ(d1
+d2)に対する上記サブドラムの内周面の軸方向長さ(d2)の比(d2/
(d1
+d2))は、0〜0.5となるようにしてもよい。すなわち、上記サブドラムの内周面の軸方向長さが上記メインドラムの内周面の軸方向長さの半分以下となるようにしてもよい。
【0265】
上記メインドラムの内周面の軸方向長さ(d1
+d2)に対する上記サブドラムの内周面の軸方向長さ(d2)の比(d2/
(d1
+d2))は、1/3となるようにすることがより好ましい。これは、2つのドラムの駆動によるトルク配分、洗濯対象物に作用する機械力、及び洗濯対象物の流動性を考慮して、最適な洗濯対象物の立体流動を可能にするように実験により導き出したものである。
【0266】
言い換えれば、上記メインドラムの内周面は、上記サブドラムの外周面に対向しない第1面50aと、上記サブドラムの外周面に対向する第2面50bと、に分けられるが、第1面50aの軸方向長さ(d1)に対する上記サブドラムの内周面60bの軸方向長さ(d2)の比(d2/d1)が0.5となるようにしてもよい。
【0267】
上記構成の態様は、洗濯対象物を上記サブドラムと上記メインドラムとの境界面に接触(位置)させる構造を提供する。
図9は、洗濯対象物が接触する上記メインドラムの第1面50aと上記サブドラムの内周面60bとのみを図示して上記ドラム内での洗濯対象物の流動を示すものである。
図10は、上記メインドラムの第1面50aと上記サブドラムの内周面60bとの境界線Aを拡大して示すものである。
【0268】
洗濯対象物においては、ドラム間の回転速度差により一方向に回転する流動が発生する。
図9において、上記メインドラムは反時計方向に回転し、上記サブドラムは時計方向に回転する。この場合、上記サブドラムの回転速度の絶対値は上記メインドラムの回転速度の絶対値より大きいことが好ましい。上記サブドラムの回転速度の絶対値と上記メインドラムの回転速度の絶対値とが同一であれば、洗濯対象物は上記メインドラムと上記サブドラムとの境界線Aでのみ回転を行うことになる。よって、洗濯対象物の立体流動のためには、各ドラムの回転速度に差を付け、一方向に大きな回転力が作用するようにすることが好ましい。
【0269】
図10は、前述したように上記サブドラムの回転速度は上記メインドラムの回転速度より速い場合における上記ドラムの境界線A付近での洗濯対象物の流動を示すものである。ここで、洗濯対象物は、ドラムの内周面から見たとき垂直な回転軸Zを中心に時計方向の回転流動Bを行う。
【0270】
さらに、洗濯対象物は、ドラムの内周面との摩擦によりドラムの円周方向の流動
Cを行う。これにより、洗濯対象物は、ドラムの円周方向に流動すると共にドラムの内周面に垂直な回転軸を中心に回転し、従って、回転速度の速いドラム60側から回転速度の遅いドラム50側へ軸方向の流動Dが発生する。
【0271】
上記洗濯対象物の軸方向の流動Dは、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対回転により発生する。より詳細には、上記メインドラムの内周面は、上記サブドラムの外周面60aに対向しない第1面50aと、上記サブドラムの外周面60aに対向する第2面50bと、に分けられ、上記メインドラムの内周面の第1面50aと上記サブドラムの内周面60bとの相対運動により上記洗濯対象物が軸方向に流動する。
【0272】
これを洗濯対象物の観点から見ると、上記洗濯対象物は、上記メインドラム又は上記サブドラムの回転により円周方向に流動し、かつ上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により軸方向に流動する。ここで、上記洗濯対象物の軸方向の流動は、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動による上記洗濯対象物の回転により行われる。より詳細には、上記軸方向の流動Dは、洗濯対象物がドラムの内周面に垂直な回転軸Zを中心に回転することにより発生するものである。これにより、上記洗濯対象物は、ドラムの円周方向の平面流動
Cにドラムの軸方向の流動Dが加えられ、立体流動が可能になる。
【0273】
図9において、ドラム内部の矢印は洗濯対象物の立体流動を概略的に示すものである。
図9を参照すると、洗濯対象物は、概して捩れた帯状の流動を示す。これは、洗濯対象物が回転すると共に円周方向の流動と重力による落下が行われて生じる流動形態である。
【0274】
上記構成の態様は、駆動モータによりメインドラムとサブドラムとを独立して駆動し、ドラム間の回転速度差により洗濯対象物の回転を誘導することにより、洗濯対象物がドラム内で回転して立体的に流動するようにする。
【0275】
また、上記サブドラムの軸方向長さを上記メインドラムの軸方向長さよりも小さくすることにより、洗濯対象物を上記サブドラムと上記メインドラムとの境界面に接触させ、これにより洗濯対象物は、ドラム間の回転速度差により回転する流動が発生し、立体流動が可能になる。つまり、洗濯対象物の立体流動が可能になることにより、洗濯機の洗濯性能を向上させ、洗濯時間を短縮することができる。
【0276】
図1に示す本発明の他の実施形態による洗濯機は、ドラムの回転軸が水平方向に配置された構造を有する。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、ドラムの回転軸が水平方向に対して所定の角度で傾斜するように構成されてもよい。
図8は、回転軸が傾斜した構造を有する実施形態を示す。この場合、メインドラム及びサブドラムの回転による洗濯対象物の流動がより多様化するという利点を有する。すなわち、メインドラム又はサブドラムの回転により内周面に沿って円周方向に流動する洗濯対象物が重力によりドラムの上方から落下する際に、従来の円周方向の流動線とは異なる位置に落下することになるので、重力により軸方向の流動が行われ、より効率的な洗濯対象物の流動が可能になる。
【0277】
以下、
図77〜
図80を参照して本発明によるサブドラム構造及びその結合方法について詳細に説明する。
【0278】
サブドラム60’、60’’は、外周部を形成する円筒部と、背面に備えられてサブドラムスパイダ95a、95bが結合されるドラムバックと、から構成される。上記ドラムバックは、前方に向かって窪んでサブドラムスパイダ95a、95bが収容される収容部63a、63bを含む。
【0279】
サブドラムスパイダ95a、95bは、上記インナーシャフトの中心から放射状に延びた複数のカンチレバーを備え、サブドラム60’、60’’のドラムバックに結合される。
【0280】
本発明の一実施形態として、
図77及び
図78は、円筒部とドラムバックとが一体型構造であるサブドラムを示すものである。
【0281】
図
77及び図
78を参照すると、サブドラム60’は、上記円筒部と上記ドラムバックとが一体化した1つの部材からなる。
【0282】
このように一体化した1つの部材でサブドラム60’を成形した場合、部材の強度を向上させることができ、別個の結合がないので耐久性を向上させることができる。
【0283】
また、洗濯機のドラムの高速回転により発生する振動による組立部品間の衝突がないので、振動を減少又は防止することができる。
【0284】
本実施形態においては、1つの部材でサブドラム60’を成形しなければならないので、サブドラムにおいて円筒部とドラムバックの外周との接触部を湾曲した形状に形成しなければならない。従って、サブドラム60’の内部空間は湾曲した部分により若干容量が小さくならざるを得ない。
【0285】
一体化したサブドラム60’構造によれば、洗濯機のドラム内部容量は約90Lに設計される。また、本実施形態においては、1つの部材でサブドラム60’を製造するので、サブドラム60’における脱水孔やパターンなどの加工作業が難しくなる。
【0286】
図78を参照すると、本実施形態において、収容部63aは、サブドラムスパイダ95aを結合するためのスパイダ結合孔63aaを備え、サブドラムスパイダ95aは、収容部63aのスパイダ結合孔63aaに対応する結合孔を備える。
【0287】
収容部63aは、上記放射状のカンチレバーを複数備えたサブドラムスパイダ95aを収容し、サブドラムスパイダ95aの回転力が上記サブドラムに伝達されるようにする。
【0288】
サブドラムスパイダ95aは、収容部63aに嵌入された状態で、締結ボルトなどで強固に結合される。このために、収容部63aには結合孔63aaが形成され、これに対応してスパイダ95aには結合孔(図示せず)が形成される。
【0289】
図78を参照すると、収容部63aは、上記サブドラムバックの外周内に形成され、サブドラムスパイダ95aのカンチレバーは、収容部63aに嵌入されるように上記サブドラムバックの半径より小さく形成されることが好ましい。
【0290】
本発明の他の実施形態として、
図79及び
図80は、円筒部とドラムバックとが独立した構造であるサブドラムを示すものである。
【0291】
図79及び
図80を参照すると、サブドラム60’’は、円筒部61bとドラムバック62bとが独立した部材で形成され、円筒部61bの後方外周にドラムバック62bが結合されて閉鎖される。
【0292】
図80を参照すると、本実施形態の組立型サブドラムの結合のために、円筒部61bの後端部にはドラムバック結合孔61bbが形成され、ドラムバック62bの外周は上記ドラムの長手方向に折り曲げられており、当該折曲部には円筒部結合孔62bbが形成されている。
【0293】
本実施形態の組立型サブドラム構造においては、ドラムバック結合孔61bbと円筒部結合孔62bbとを整合した状態で、ドラムバック62bと円筒部61aとを締結ボルトなどで強固に結合する。
【0294】
また、ドラムバック62bの収容部63bは、ドラムバック62bの外周まで延設されてもよい。サブドラムスパイダ95bのカンチレバーは、サブドラムバック62bの外周まで延設され、サブドラムスパイダ95bのカンチレバーの端部は、円筒部61bの後方外周に結合される。
【0295】
図80に示すように、サブドラムスパイダ95bのカンチレバーの端部は、ドラムバック62bの外周から折り曲げられた部分で結合孔61bb及び62bbを貫通した締結ボルトなどにより強固で一体に組み立てられることが好ましい。
【0296】
図
79及び図
80に示す実施形態によれば、前述した一体型サブドラム構造と比較して、円筒部61bとドラムバック62bの外周との接触部に湾曲した部分を形成する必要がないので、洗濯機のドラム内部容量をより大きく確保することができる。
【0297】
本実施形態の組立型サブドラムをデュアルドラム式洗濯機に適用した場合、約94Lのドラムの内部容量を確保することができるので、前述した一体型サブドラムに比べて容量を約4L増加させることができる。
【0298】
また、本実施形態では、円筒部とドラムバックとを組み立ててサブドラム60’’を製造するので、円筒部とドラムバックとを組み立てる前に各部材における脱水孔やパターンなどの加工作業を予め行う。従って、前述した一体型サブドラム構造に比べて、脱水孔及びパターンの加工が容易になる。
【0299】
しかし、本実施形態においては、独立した部材を組み立ててサブドラム60’’を製造するので、一体化した1つの部材と比べると部材の接合強度に関して不利である。また、洗濯機のドラムの高速回転により発生する振動による組立部品間の衝突が発生し得るので、振動に関して不利である。
【0300】
本発明の他の実施形態は、
図79及び
図80に示す組立型サブドラム構造の組立方法を提供する。
【0301】
図80に示すように、本発明による洗濯機のサブドラム組立方法は、まず、サブドラム60’’の外周部を形成する円筒部61bにサブドラム60’’の背面に備えられてサブドラムスパイダ95bが結合されるドラムバック62bを結合する段階を行う。
【0302】
次に、ドラムバック62bの前方に窪んだスパイダ収容部63bにサブドラムスパイダ95bを収容する段階を行う。次いで、上記サブドラムの円筒部61bの後端部及びドラムバック62bの折り曲げられた外周にそれぞれ形成された結合孔61bb、62bbを介して、サブドラムスパイダ95bのカンチレバーの端部をボルトで結合する段階を行うことにより、組立型サブドラム構造を完成する。
【0303】
一方、
図3を参照すると、上記メインドラムの内周面には、上記サブドラムの外周面との間を密封するドラムガイド55が備えられてもよい。ドラムガイド55は、上記メインドラムの内周面に沿って備えられて上記サブドラムの外周面との間隙を遮蔽する。これは、ドラム間に洗濯対象物が挟まれることを防止するためである。
【0304】
図3を参照すると、上記サブドラムは上記メインドラムより半径が小さい。これにより、上記サブドラムを上記メインドラムの内部に取り付けることができる。よって、上記メインドラムの内周面と上記サブドラムの内周面との間にはある程度の間隔が生じる。
【0305】
図11は、ドラムガイドの一実施形態を示す図である。ドラムガイド55は、上記メインドラムの内側に突出して上記メインドラムの内周面に結合される胴部56と、上記胴部から上記サブドラムの内周面側に延設されたガイド部57と、を含む。
【0306】
前述したように、上記メインドラムの内周面と上記サブドラムの内周面間にはある程度の間隔が生じるが、ドラムガイド55のガイド部57が上記サブドラムの内周面まで延びてその間隔を遮蔽する。つまり、上記メインドラムの内周面と上記サブドラムの内周面とは半径差により不連続面を形成するが、上記ドラムガイドによりこれらの内周面が連続面となる。これにより、上記ドラム内での軸方向の流動が発生しても、洗濯対象物が上記ドラム間の境界線に挟まれて損傷するのを防止することができる。特に、本発明による洗濯機のように2つのドラムが独立して駆動される場合においては、メインドラムとサブドラムとが相対回転して境界線に洗濯対象物が挟まれた場合、洗濯対象物の損傷が発生する可能性が高いので、ドラムガイド55は洗濯対象物の保護においてより効果的である。
【0307】
より好ましくは、胴部56に所定の傾斜又は曲面を形成することにより、上記メインドラムの底面からガイド部57まで緩やかな傾斜又は連続面を形成するようにする。この場合、上記ドラム内での洗濯対象物の軸方向の流動に対する抵抗が減少し、より円滑な流動が行われるようにすることができる。
【0308】
また、上記サブドラムの内周面又は外周面には、上記サブドラムのねじれを防止する補強ビード65が備えられてもよい。
図11を参照すると、サブドラム60は、端部から所定の間隔をおいて離隔し円周面に沿ってサブドラム60の内側に突設された補強ビード65を備えることが好ましい。もちろん、補強ビード65は、上記サブドラムの外周面側に突設されてもよい。
【0309】
補強ビード65は、上記サブドラムの強度を補強して上記ドラムのねじれを防止する役割を果たす。この場合、上記ドラムガイドのガイド部は、上記サブドラムのビードまで延びる。これは、上記サブドラムの強度補強のために形成したビードにより上記サブドラムの内周面が不連続面となることを防止し、洗濯対象物の流動を助けるように連続面を形成するためである。
【0310】
図12は、ドラムガイドの他の実施形態を示す図である。
図12を参照すると、サブドラム60は、端部61から所定の間隔をおいて離隔し円周面に沿ってサブドラム60の外側に突設されたビード65を備え、ドラムガイド55のガイド部57は、上記サブドラムの端部61まで延びる。この場合、前述した実施形態とは異なり、ビード65が上記サブドラムの内側に突設されたものではないので、ガイド部57がビード65まで延びる必要がない。よって、ドラムガイド55のガイド部57は、上記サブドラムの端部61まで延びる。
【0311】
上記構成においても、ドラムガイドにより独立して駆動されるメインドラムとサブドラムとが相対回転する境界線に洗濯対象物が挟まれないように防止することができる。
【0312】
図11及び
図12において、上記サブドラムの端部61は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施されてもよい。これは、上記サブドラムの端部が曲面を有するように加工することにより、上記サブドラムの端部に洗濯対象物が引っかかることを防止するためである。
【0313】
一方、
図13は、本発明による洗濯機のさらに他の実施形態を示す図である。
図13を参照すると、メインドラム50は、内径が異なる第1部分50aと第2部分50bとに分けられる。ここで、第1部分50aの内径はサブドラム60の内径と同じであり、かつ第2部分50bの内径はサブドラム60の外径より大きい。
【0314】
これは、上記メインドラムの一部50bを拡管し、拡管していない上記メインドラムの部分50aの半径と上記サブドラムの内周面の半径とを同一にすることにより、上記メインドラムの内周面と上記サブドラムの内周面とが連続面を形成するようにすることを目的とする。この場合、上記サブドラムは、拡管した上記メインドラムの第2部分50bの内側に取り付けられ、上記メインドラム内で回転する。ここで、上記サブドラムの端部61は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施され、第2部分50bの内側に位置する。
【0315】
上記構成においては、別個のガイドなどを備えることなく、ドラムの形成過程で洗濯対象物が挟まれない構造が得られるようにし、上記メインドラムと上記サブドラムとの境界面を遮蔽する。また、洗濯対象物が接触するメインドラムとサブドラムとの内周面が連続面となっており、洗濯対象物の流動に対する抵抗が減少し、洗濯対象物の流動がより円滑になる。
【0316】
一方、
図14は、本発明による洗濯機のさらに他の実施形態を示す図である。
図14を参照すると、メインドラム50は、内周面に沿って上記ドラムの内側に突設されたドラムガイド部58をさらに含む。この場合、上記ドラムガイド部の内周面と上記サブドラムの内周面とが同一線上に位置し、上記メインドラムと上記サブドラムとの境界面を遮蔽するように構成される。ここで、上記サブドラムの端部は、円周面に沿って外側にカーリング加工が施され、かつ上記ドラムガイド部の内周面よりも外側に位置する。
【0317】
洗濯対象物が挟まれたり流動が妨げられたりするところは、上記メインドラムと上記サブドラムとの半径差により間隔が生じた部分である。よって、上記構成においては、上記間隔が生じた境界面の前方で上記メインドラムの一部を突出させ、突出した部分により、メインドラムとサブドラムとの境界面でのメインドラムの内周面の半径とサブドラムの内周面の半径とを同一にし、上記各ドラムの内周面を同一線上に配置する。これにより、洗濯対象物が接触するメインドラム及びサブドラムの内周面が連続面となり、その境界面に洗濯対象物が挟まれにくくなり、洗濯対象物の流動に対する抵抗が減少し、洗濯対象物の流動がより円滑になる。これは、別個のガイドなどを備えることなく、ドラムの形成過程で洗濯対象物が挟まれない構造が得られるようにしたものである。
【0318】
一方、
図1を参照すると、上記メインドラムの内周面上には、半径方向内側に向かって突出した複数のメインドラムリフタ101が備えられ、上記サブドラムの内周面上には、半径方向内側に向かって突出した複数のサブドラムリフタ102が備えられており、上記ドラム内での洗濯対象物の流動を補助する。
【0319】
上記メインドラムの内周面は、上記サブドラムの外周面に対向しない第1面50aと、上記サブドラムの外周面に対向する第2面50bと、に分けられる。メインドラムリフタ101は、第1面50a上に備えられる。
【0320】
メインドラムリフタ101は、上記メインドラムの内周面に沿って等間隔で配置されてもよい。また、サブドラムリフタ102は、上記サブドラムの内周面に沿って等間隔で配置されてもよい。
【0321】
上記構成においては、ドラムの内周面に複数のリフタを備えることにより、ドラム内での洗濯対象物の立体流動がより円滑に行われるようにする。
【0322】
メインドラムリフタ101の軸方向長さとサブドラムリフタ102の軸方向長さとの比は、上記メインドラムの内周面の第1面50aの長さと上記サブドラムの内周面
60bの長さとに比例するようにしてもよい。
図3を参照すると、メインドラムリフタ101の軸方向長さはl1、サブドラムリフタ102の軸方向長さはl2、上記メインドラムの内周面の第1面50aの長さはd1、上記サブドラムの内周面
60bの長さはd2と定義される。この場合、l1:l2の比がd1:d2の比に比例するようにしてもよい。これは、軸方向長さが相対的に異なるメインドラム及びサブドラムに対応するようにリフタをそれぞれ備え、リフタを効率的に洗濯対象物に接触させるようにしたものである。
【0323】
図3において、メインドラムリフタ101及びサブドラムリフタ102は、軸方向と平行に上記ドラムの内部に備えられる。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、上記メインドラムリフタ及び上記サブドラムリフタは、軸方向に対して所定の角度を有するように備えられてもよい。
【0324】
図15は、上記メインドラムリフタ及び上記サブドラムリフタが軸方向に対して所定の角度を有するように備えられた例を示す。
図15を参照すると、上記メインドラムリフタ及び上記サブドラムリフタは、軸方向に対して所定の角度θで傾斜している。
【0325】
この場合、上記メインドラムは、上記メインドラムリフタにおける軸方向に対する角度の方向に基づいて回転方向が決定され、上記サブドラムは、上記サブドラムリフタにおける軸方向に対する角度の方向に基づいて回転方向が決定される。すなわち、上記リフタによりドラム内での洗濯対象物の立体流動が円滑に行われるように、上記ドラムの回転方向を上記リフタの傾斜方向に基づいて決定する。
図15においては、洗濯機の投入口側から見たとき、メインドラム50は時計方向に回転し、サブドラム60は反時計方向に回転する。しかし、本発明は、
図15の例に限定されるものではなく、リフタの傾斜方向を様々に調整することができる。上記構成においては、上記ドラムが回転する際に、洗濯対象物が上記ドラムの中心に向かって軸方向の流動を行うようにし、洗濯対象物の立体流動を助ける。
【0326】
図1及び
図3において、メインドラムリフタ101は、上記メインドラムの前端部から後方に延びており、サブドラムリフタ102は、上記サブドラムの後端部から前方に延びている。また、メインドラムリフタ101及びサブドラムリフタ102は、互いに対向する方向に低くなる傾斜を有する。
【0327】
これは、洗濯対象物の軸方向の流動により洗濯対象物がドラムの内側又は外側に偏ることを防止し、立体流動が円滑に行われるようにするために洗濯対象物をドラムの中心部に配置するためである。
【0328】
図16は、メインドラムリフタ101の例を示す。
図16aのメインドラムリフタは、
図16bのメインドラムリフタより軸方向長さが長い。これは、
図16aのメインドラムリフタが適用された洗濯機は、
図16bのメインドラムリフタが適用された洗濯機に比べて、サブドラムの内周面
60bの軸方向長さに対するメインドラムの内周面の第1面50aの軸方向長さの比が大きいからである。
【0329】
メインドラムリフタ101は、半径方向断面の高さがメインドラムの軸方向後方へ行くほど低くなる。
図16において、メインドラムリフタ101は、洗濯機の投入口側から見たとき、メインドラムの前方側51から後方側52へ行くほど高さが低くなることが分かる。
【0330】
図17は、サブドラムリフタ102の例を示す。サブドラムリフタ102は、上記メインドラムリフタと同様に、サブドラムの内周面
60bの軸方向長さに対するメインドラムの内周面の第1面50aの軸方向長さの比によって長さが異なる。また、サブドラムリフタ102は、半径方向断面の高さがサブドラムの軸方向前方へ行くほど低くなる。
図17において、サブドラムリフタ102は、洗濯機の投入口側から見たとき、サブドラムの後方側62から前方側61へ行くほど高さが低くなることが分かる。
【0331】
これは、リフタに軸方向の傾斜を与えることにより、ドラム内で洗濯対象物が効率的に軸方向の流動を行えるようにし、立体流動を補助するためである。
【0332】
一方、メインドラムリフタ101又はサブドラムリフタ102は、軸方向に直線状の傾斜又は曲線状の傾斜を有するようにしてもよい。
図17は、傾斜したサブドラムリフタを示す。
図17aは直線状の傾斜Aが適用されたサブドラムリフタを示し、
図17bは曲線状の傾斜Bが適用されたサブドラムリフタを示す。このようなリフタの様々な傾斜によって、ドラム内で洗濯対象物が効率的に軸方向の流動を行えるようにし、立体流動を補助することができる。
【0333】
機能的には、メインドラムリフタ101及びサブドラムリフタ102は、上記洗濯対象物の円周方向の流動をガイドすることができる。これは、リフタがドラムの内周面上に半径方向に突出しているので、ドラムの回転により洗濯対象物をドラムの円周方向に強制流動させることができるからである。
【0334】
また、上記メインドラムリフタ及び上記サブドラムリフタの互いに対向する傾斜は、上記洗濯対象物の軸方向の流動をガイドすることができる。前述したように、リフタに軸方向の傾斜を与えることにより、ドラム内で洗濯対象物が効率的に軸方向の流動を行えるようにし、立体的な流動を可能にする。
【0335】
一方、
図2を参照すると、上記メインドラムの前方側51には、ドラムの偏心及び振動を防止するためのバランサ56が備えられてもよい。
【0336】
以下、本発明による洗濯機に適用される駆動モータ70について、様々な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0337】
図19に示すように、本発明による永久磁石モータにおいて、ステータ2000は、コアの中心方向に突出したステータティース2021と、ステータティース2021間に形成されたステータスロット2023と、を含み、環状に形成される。ロータ1000は、ステータ2000の内周面から離隔設置され、環状に形成される。ステータティース2021にはコイルCが巻回されており、コイルCに電流が流れると誘導起電力が発生する。
【0338】
ロータ1000は、複数のロータティース1100が所定の間隔で環状に配列され、これらの間に永久磁石Mが規則的に設置されている。ロータティース1100は、ブッシング2040によりロータ軸2030に一体化して取り付けられる。ロータティース1100とブッシング2040との一体化結合は、ロータティース1100においてブッシング2040側に形成された凹部にブッシングの射出物が挿入されることにより行われる。
【0339】
ステータ2000とロータ1000とは離隔して同心円状に配置され、ロータ1000は、ステータティース2021に巻回されたコイルCに流れる電流とロータティース1100間に取り付けられた永久磁石Mの磁力とにより回転する。
【0340】
本発明の一実施形態によれば、ステータティース2021及びステータスロット2023を含み、コイルCがステータティース2021に巻回されて固定設置されるステータ2000と、ロータティース1100、永久磁石M及びブッシング2040を含み、ステータ2000の内周から離隔設置されて磁力によりロータ軸2030を中心に回転駆動されるロータ1000と、を含み、ステータ2000の外径(Ds)に対するロータ1000の外径(Dr)の比が0.7〜0.8である、永久磁石モータが提供される。
【0341】
一般に、永久磁石モータにおけるロータの回転力であるトルクは次の数式により算出される。
【0343】
上記数式1によれば、ロータの回転力であるトルク(T)は、ステータティース及びロータティースの積層高さ(Lst)並びにコイルの巻回数(Nph)に比例する。すなわち、ステータティースの積層高さ(Lst)が高くなると、コイルの巻回量が多くなる。また、コイルの巻回数(Nph)が増加すると、コイルの巻回量が多くなる。前述したように比例するのは、コイルに流れる電流の量が多くなると、電流の強度が高くなるので、トルク(T)が大きくなるからである。
【0344】
つまり、ステータティースの外周に巻回されたコイルに流れる電流の強度が高くなると、ロータのトルク(T)はこれに比例して大きくなるので、コイルに流れる電流(I)、ティースの積層高さ(Lst)、コイルの巻回数(Nph)は、電流の強度を高くする因子として作用する。
【0345】
上記ロータに設置された永久磁石の磁束密度(Bg)と上記ロータの外径(Rro=Dr)とが大きくなると、永久磁石Mの磁力はこれに比例して強くなる。従って、ロータのトルク(T)は上記ロータの外径(Rro=Dr)及び上記永久磁石の磁束密度(Bg)に比例して大きくなる。
【0346】
ここで、ティースの積層高さ(Lst)、永久磁石の磁束密度(Bg)及びコイルに流れる電流(I)の値が一定であると仮定すると、トルク(T)の強度を向上させることができる因子は、コイルの巻回数(Nph)とロータの外径(Rro=Dr)となる。
【0347】
一般に、洗濯機に適用される永久磁石モータの大きさは限られているので、ティースの積層高さ(Lst)及びステータ2000の外径(Ds)はある程度限られている。また、永久磁石の磁束密度(Bg)及び電流の強度(I)は外部から任意に操作して入力できる値であるので、本発明による永久磁石モータを設計する上で設定する因子から除外する。
【0348】
つまり、コイルの巻回数(Nph)及びロータの外径(Rro=Dr)によりトルク(T)の大きさが決定される。
【0349】
ここで、コイルの巻回数(Nph)は、
図19に示すステータティース2021の長さに比例するが、これはステータの外径(Ds)に対するロータの外径(Dr)の比(Dr/Ds)により決定される。
【0350】
図20は、ステータの外径(Ds)に対するロータの外径(Dr)の比(Dr/Ds)によるモータのトルク値(N.m)を、コイルに流れる電流の強度(I)が3つの異なる値を有する状態において示すグラフである。
図20を参照すると、上記比(Dr/Ds)が0.7〜0.89の領域で最大のトルク値を有する。
【0351】
よって、本発明は、ステータの外径(Ds)に対するロータの外径(Dr)の比(Dr/Ds)を0.7〜0.8に維持し、本発明による永久磁石モータの回転力を最大にする。
【0352】
本発明の他の実施形態において、ロータティース1100は、ロータの外径側部から左右横方向に突設されたティース拡張部1110を含み、ティース拡張部1110の端部の高さ(DH)が0.3mm以下であり、隣接するロータティース1100のティース拡張部1110間の距離(DW)が5.5mm〜6.5mmである。
【0353】
ロータティース1100の外径端部は、ロータティース1100のアーク角(A1)が60°となるように形成されることが好ましい。
【0354】
図21を参照すると、本発明のロータティース1100は、外径から左右に突出して拡張されたティース拡張部1110を有するように形成される。ティース拡張部1110は、上面が直線部1113を形成し、直線部1113は、ロータティース1100の中央部の上面1103に対してコア中心方向に折り曲げられて形成される。
【0355】
ここで、ロータティース1100の中央部の上面1103の角度は、約60°のアーク角(A1)を維持するようにすることが、コギングトルク及びトルクリップルを最小限に抑える上で最も適正である。
【0356】
図21を参照すると、ティース拡張部1110の端部の高さ(DH)は、低いほどコギングトルク及びトルクリップルを減少させることができるが、加工のための最低値として0.3mm以下に設定されることが好ましい。
【0357】
図22及び
図23は、
図21に示すロータティース1100において隣接するロータティース1100のティース拡張部1110間の距離(DW)によるコギングトルク及びトルクリップルを示すグラフである。
【0358】
図22を参照すると、コギングトルクは、隣接するロータティース1100のティース拡張部1110間の距離(DW)が1.0mm以下又は5.5mm〜6.5mmの場合に最も小さい(斜線部分参照)。
【0359】
図23を参照すると、トルクリップルは、上記距離(DW)が1.0mm以下の場合に最も小さく、次第に増加し、上記距離(DW)が5.0mm〜6.5mmの範囲で減少する。
【0360】
よって、隣接するロータティース1100のティース拡張部1110間の距離(DW)は1.0mm以下にすることが最も好ましいが、これは実質的にモータを製造する上で非常に難しいので、5.5mm〜6.5mmの範囲で設計してモータを製造する。
【0361】
本発明のさらに他の実施形態において、ロータティース1100は、ティース拡張部1110の外周が拡張直線部1113を形成し、拡張直線部1113とティース拡張部1110の端部から上記コア中心への直線との角度が90°〜100°となるように形成される。
【0362】
図24(A2=90°)及び
図25(A2=95°)に示すように、拡張直線部1113とティース拡張部1110の端部から上記コア中心への直線との角度(A2)は、様々に設定することができる。上記角度(A2)を90°〜100°の範囲にすると、コギングトルク及びトルクリップルを最小限に抑えることができる。
【0363】
コギングトルク及びトルクリップルの発生は、ティース拡張部1110がステータ2000の内径からどのくらい上記コア中心側に折り曲げられているかに影響される。
【0364】
すなわち、ティース拡張部1110がステータ2000の内径と平行になっている場合は、磁束漏れを防止してコギングトルクを減少させることができるが、トルクリップルが発生するので振動及び騒音の低減を図ることが困難である。
【0365】
逆に、ティース拡張部1110が上記コア中心側に過度に折り曲げられている場合は、トルクリップルを減少させることができるが、磁束漏れを防止することが困難であり、コギングトルクを減少させることが困難であるので、大きなコギングトルクが発生し得る。
【0366】
本発明においては、コギングトルク及びトルクリップルを最小限に抑えるために、上記角度(A2)を90°〜100°に設定する。これにより、上記永久磁石モータの回転時の振動及び騒音を最小限に抑え、安定した作動を図ることができる。
【0367】
まず、本発明による洗濯機に適用される駆動モータ70のロータ構造について詳細に説明する。本発明による洗濯機の駆動モータ70には永久磁石モータが適用される。
【0368】
上記永久磁石モータのロータ構造は、ロータティース1100の外周面形状を改善することで回転ダンピングによる振動を緩和すると共にコギングトルクを減少させ、別個の切欠凹部1150を備えることでロータティース1100及び永久磁石Mが遠心力により離脱することを防止する。
【0369】
以下、
図18〜図
29を参照して本発明による洗濯機に適用される永久磁石モータのロータ構造について詳細に説明する。
【0370】
図18は、本発明による洗濯機に適用される永久磁石モータのインナーコアを示す図であり、図
26は、本発明によるロータティースを打ち抜き製造するための配置を示す平面図であり、図
27は、本発明による永久磁石モータのステータ及びロータを示す部分図であり、図
28は、本発明によるロータティースの切欠凹部、切欠孔及び外周曲率を示す部分詳細図であり、図
29は、本発明によるロータティースの様々な実施形態を示す平面図である。
【0371】
本発明による永久磁石モータは、ステータティース2021及びステータスロット2023を含み、上記ステータティースに巻線が巻回されて固定設置されるステータ2000と、ロータティース1100、永久磁石M及びブッシング2040を含み、ステータ2000の内周から離隔設置されて磁力によりロータ軸を中心に回転駆動されるロータ1000と、を含む。ロータティース1100は、上記ロータティースの外周側端から円周方向に突出して拡張されたティース拡張部1110と、上記ロータティースの外周から上記ロータ軸の中心方向に陥没形成された切欠凹部1150と、上記ロータティースの内周から半径方向に陥没形成されて上記ブッシングの射出物が挿入される挿入凹部1130と、を含む。
【0372】
ステータ2000及びロータ1000の基本的な構成は前述した通りであるので、以下ではロータティース1100を中心に説明する。
図18〜図
29は、シングルロータ構造を有する永久磁石モータを開示する。しかし、上記永久磁石モータは、インナーロータ及びアウターロータを含むデュアルロータ構造を有することもある。
【0373】
ロータティース1100は、
図18及び図
26に示すように、全体として略台形状に形成され、上面は所定の曲率を有するように丸く形成され、両側は下方に徐々に幅が狭くなるテーパ状に形成される。
【0374】
ロータティース1100の上面中央部には、陥没した切欠凹部1150が形成されており、ロータティース1100の下面中央部には、陥没した挿入凹部1130が形成されている。
【0375】
ロータティース1100の上部には、左右に突出したティース拡張部1110が形成されている。
【0376】
まず、ロータティース1100の製造過程について説明する。ロータティース1100は、図
26に示すように、交互に上下逆転して複数配列された状態で打ち抜くことにより製造される。本発明は、従来のロータティースから突出固定端を除去して、内側に挿入凹部1130を形成してロータティース1100を打ち抜き製造する過程で打ち抜き後の余剰部を低減することにより、部材の浪費を低減して経済性を向上することができる。
【0377】
図
27を参照すると、挿入凹部1130は、ブッシング2040の射出物がロータティース1100の内側に挿入される経路である第1挿入凹部1131と、第1挿入凹部1131から上記ロータ軸の半径方向に延長して切欠され、ブッシング2040の射出物が挿入されて硬化した後ブッシング2040とロータティース1100とを一体化して固定する第2挿入凹部1132と、を含む。
【0378】
第1挿入凹部1131は、ブッシング2040の液体射出物が流入する経路であり、図
27に示すように、ロータティース1100の内側に陥没して切欠された形状からなる。
【0379】
挿入凹部1130は、様々な形状に形成することができるが、ブッシング2040の射出物が流入して硬化してブッシング2040とロータティース1100とを一体化する形状であればよい。
【0380】
図
27及び図
29を参照すると、第2挿入凹部1132は、第1挿入凹部1131の幅よりも大きい直径を有する円形又は楕円形の貫通孔として形成されてもよく、第1挿入凹部1131の幅よりも大きい幅を有する多角形の貫通孔として形成されてもよい。
【0381】
第2挿入凹部1132は、三角形の貫通孔として形成され、第1挿入凹部1131と共に全体として矢印形状の切欠凹部を形成するようにすることが好ましい。
【0382】
このように、本発明は、ロータティース1100の内側に配置されていた軸中心方向の突出固定端を除去することにより、突出固定端の変形による不良発生率を低減し、組立の困難性を解消することができ、磁束が上方に漏れることを防止することができる。
【0383】
また、本発明は、挿入凹部1130を介してロータティースとブッシング2040とを一体に射出することにより、ロータコアに一体化されるロータティースを簡単に組み立てることができる。
【0384】
切欠凹部1150は、図
27及び図
28に示すように、ロータティース1100の上面中央部に陥没して形成されてもよい。これは、ロータティース1100がステータ2000から離隔した状態でステータティース2021に巻回されたコイルと永久磁石により形成される磁束により回転するが、ステータスロット2023とステータティース2021との磁力差により回転が不連続となる現象が発生するので、不連続な回転をできるだけ減少させるためである。
【0385】
よって、切欠凹部1150は、ロータティース1100の上面中央部に陥没した部位として形成されることが好ましい。
【0386】
切欠凹部1150は、図
29b及び図
29cに示すように、ロータティース1100の上面から上記ロータ軸の中心方向に幅が狭くなるようにテーパ状に切り欠き、ステータ2000の内周面との距離を調整することにより、回転力の不連続を最小限に抑えることが好ましい。
【0387】
ロータティース1100は、切欠凹部1150から上記ロータ軸の中心方向に延長して切欠され、上記ブッシングの射出物が充填されてフラックスバリアを形成する切欠孔1160をさらに含んでもよい。
【0388】
フラックスバリアを形成する切欠孔1160は、ロータティース1100間に位置する永久磁石Mの磁束漏れを防止できるように、切欠凹部1150の幅よりも大きい直径を有する円形又は楕円形に形成されることが好ましい。
【0389】
本発明による永久磁石モータは、ロータティース1100間に備えられる永久磁石Mの磁束によりロータティース1100に磁束が生じ、ロータティース1100はステータティース2021に巻回されたコイルと永久磁石Mとにより形成される磁束により回転力を有する。ロータティース1100とステータティース2021との間の磁力を最大にするためには、永久磁石Mの磁束漏れを最小限に抑えることが好ましい。よって、ロータティース1100のティース拡張部1110には別個のフラックスバリアが設けられることが一般的である。
【0390】
しかし、本発明においては、ロータティース1100の切欠凹部1150から延びた地点に拡張された切欠孔1160を形成し、フラックスバリアの機能を有するようにすることにより、構造の単純化及び製造の容易性を図る。
【0391】
フラックスバリアを形成する切欠孔1160は、磁束漏れを防止できるように、切欠凹部1150より大きい幅で形成することが好ましく、図
29に示すように様々な形状に形成することができる。
【0392】
図
28に示すように、ロータティース1100の切欠凹部1150及び切欠孔1160にブッシング2040の射出物2043が充填され、ロータティース1100が遠心力により離脱することを防止すると共に、前述したようにコギングトルクを減少させることができる。
【0393】
また、図
27及び図
28に示すように、ロータティース1100のティース拡張部1110と永久磁石Mとの間の空間にブッシング2040の射出物2043が充填され、ロータティース1100と永久磁石Mとを一体化して固定する。これにより、ロータティース1100が遠心力により上記ロータコアから離脱することを防止することができる。
【0394】
図
27を参照すると、ロータティース1100の外周端部の曲率は、環状の上記ロータの曲率より大きくし、ロータティース1100の外周面とステータ2000の内周面との離隔距離を変化させる。
【0395】
すなわち、ティース拡張部1110の曲率が上記ロータコアの曲率とは異なるようにし、ロータティース1100の外周とステータ2000の内周との離隔距離を調整することにより、回転ダンピングによる振動を緩和し、コギングトルクを減少させることができる。
【0396】
また、ティース拡張部1110の両端部とステータ2000の内周面との離隔距離H1は、切欠凹部1150の端部とステータ2000の内周面との離隔距離H2より大きくすることが好ましい。図
27に示すように、ロータ1000がロータティース1100の外周面に沿って回転しながらステータティース2021に近接する際に、離隔距離は「H1」から「H2」へと徐々に短くなる。このように離隔距離が徐々に短くなることにより、磁力が徐々に大きくなる。従って、回転力の劇的な変化を最小限に抑えることにより、振動を減少させることができる。
【0397】
本発明による永久磁石モータにおいて、ロータ1000は、ロータティース1100及び永久磁石Mを環状に配列し、ロータ軸を中心としてブッシングの射出物を充填して硬化し、硬化したブッシング2040により一体化する。
【0398】
また、上記ブッシングの射出物は、ロータティース1100の切欠凹部1150及び挿入凹部1130に充填され、ロータティース1100のティース拡張部1110と永久磁石Mとで形成される空間に充填され、ロータティース1100及び永久磁石Mが遠心力により離脱しないように一体化してコアを固定する。
【0399】
以下、本発明による洗濯機に適用される駆動モータ70のデュアルモータステータの製造方法を説明する前に、本発明のデュアルモータステータの構成を説明する。
【0400】
図
30を参照すると、本発明のデュアルモータステータは、環状に形成されて中心部に向かって突設された複数のインナーティース3110、インナーステータの環状を形成するインナーヨーク3130、及びインナーティース3110とインナーヨーク3130との間に形成される空間であるインナースロット3150を含むインナーステータ3100と、環状に形成されて半径方向に突設された複数のアウターティース3210、インナーヨーク3130の外周面に接触してアウターステータの環状を形成するアウターヨーク3230、及びアウターティース3210とアウターヨーク3230との間に形成される空間であるアウタースロット3250を含むアウターステータ3200と、インナーヨーク3130の外周面とアウターヨーク3230の内周面との間に設けられて磁力を遮断するインシュレータ3300と、を含む。
【0401】
インナーステータ3100は、図
30に示すように、内部にインナーロータ取付部3500が形成されており、インナーロータを取り付けることができるようにし、中央部にロータ軸を取り付けることができるようにする。
【0402】
インナーステータ3100は、環状の帯を形成するインナーヨーク3130を含む。インナーステータ3100のインナーヨーク3130の内周面には、上記中央部に向かって突出したインナーティース3110が所定の間隔で複数形成されている。
【0403】
インナーティース3110には端部が左右に拡張されたインナーティース拡張部3111が形成されており、インナーティース3110、インナーティース拡張部3111及びインナーヨーク3130により形成される空間であるインナースロット3150が所定の間隔で複数形成されるようにする。
【0404】
アウターステータ3200は、図
30に示すように、インナーロータ3100のインナーヨーク3110の外周面を囲むように環状に形成され、外部にはアウターロータが取り付けられる。図示していないが、上記アウターロータは、回転により上記インナーロータと共にデュアルロータシステムを実現する。
【0405】
アウターステータ3200は、環状の帯を形成するアウターヨーク3230を含む。インナーヨーク3130の外周面とアウターヨーク3230の内周面とが接して固定されることにより、一体化した1つのステータが実現される。
【0406】
アウターステータ3200のアウターヨーク3230の外周面には、半径方向に突出したアウターティース3210が所定の間隔で複数形成されている。
【0407】
アウターティース3210には端部が左右に拡張されたアウターティース拡張部3211が形成されており、アウターティース3210、アウターティース拡張部3211及びアウターヨーク3230により形成される空間であるアウタースロット3250が所定の間隔で複数形成されるようにする。
【0408】
インナーヨーク3130の外周面とアウターヨーク3230の外周面とは対向するように離隔して固定結合されるが、これらの間にはインシュレータ3300が設けられる。通常、電磁力を遮断するためには、離隔して結合されることが好ましいが、この離隔した部分に絶縁部材が挿入されることがより好ましい。
【0409】
このようにインシュレータ3300が設けられることにより、インナーモータ側とアウターモータ側間の磁力移動が発生しなくなり、インナーモータとアウターモータが影響を受けることなく独立して動作できるようにするデュアルモータシステムが実現される。
【0410】
インシュレータ3300は、磁力を遮断するフラックスバリアの役割を果たす部材として実現される。インシュレータ3300は、PBT系のプラスチック材料で形成されることが好ましい。
【0411】
以下、図
30を参照して、本発明のデュアルモータステータ及びこれを適用した洗濯機において、アウターティース3210の長さとインナーティース3220の長さが異なるようにすることにより、効率的にトルクを与える方法について詳細に説明する。
【0412】
通常、ティースに巻回されたコイルは、ロータ側に位置する永久磁石に対応して回転力を発生させるが、上記回転力は、上記永久磁石の磁力及び上記コイルの巻回数に比例する。よって、上記コイルの巻回数を増加させると、上記ロータの回転力(トルク)を大きくすることができる。
【0413】
本発明のさらに他の実施形態において、本発明のデュアルモータステータは、図
30に示すように、インナーティース3220の長さをアウターティース3210の長さより長く形成する。このように、インナーティース3220をアウターティース3210より長く大きく形成することにより、インナーティース3220に巻回されたコイルの巻回数がアウターティース3210に巻回されたコイルの巻回数より多くなるようにする。
【0414】
よって、本発明においては、インナーティース3220のコイル巻回数をアウターティース3210のコイル巻回数より多くすることにより、インナーロータの回転力(トルク)がアウターロータの回転力(トルク)より大きくなるようにする。
【0415】
さらに、本発明によるデュアルドラム式洗濯機において、上記インナーロータは、アウターシャフトに連結されてメインドラムを回転させ、上記アウターロータは、インナーシャフトに連結されてサブドラムを回転させるが、高トルクのインナーロータがメインドラムを回転させ、低トルクのアウターロータがサブドラムを回転させるようにする。
【0416】
すなわち、本発明によるデュアルドラム式洗濯機において、高トルクを必要とするメインドラムには、ティースの長さが長いことから大きな回転力が加えられるインナーティース3220により高トルクが加えられるようにし、低トルクを必要とするサブドラムには、ティースの長さが短いことから小さな回転力が加えられるアウターティース3210により低トルクが加えられるようにする。
【0417】
これにより、本発明によるデュアルドラム式洗濯機においては、メインドラム及びサブドラムに効率的にトルクを分配して適用することができる。
【0418】
以下、図
30〜図
32を参照して本発明によるデュアルモータステータの製造方法を説明する。従来のデュアルモータステータは、1つの一体化したインナーステータ及びアウターステータを打ち抜きして製造される。この場合、インナースロットに対応する打ち抜き後の余剰部とアウタースロットに対応する打ち抜き後の余剰部とが発生する。
【0419】
また、従来のデュアルモータステータの製造方法においては、予め定められた大きさ及び形状のデュアルモータステータを、インナーステータとアウターステータとを一体化して打ち抜くので、その大きさ及び形状を変形させることができないという限界があった。
【0420】
上記打ち抜き後の余剰部は部材を浪費して経済性を低下させるので、本発明においては、打ち抜き後の余剰部を最小限に抑えると共に、様々な大きさ及び形状を有するようにする、デュアルモータステータの製造方法を提案する。
【0421】
本発明によるデュアルモータステータの製造方法においては、図
30〜図
32に示すように、インナーステータ3100とアウターステータ3200とを独立して打ち抜くことにより製造し、インナーステータ3100は、インナーヨーク3130が外周面に向かい、かつインナーティース3110が中心部に向かうように、環状に形成し、アウターステータ3200は、アウターヨーク3230が中心部に向かい、かつアウターティース3210が外側に向かうように、インナーステータ3100の外周を環状に囲むようにし、インナーステータ3100とアウターステータ3200とを一体化して内側及び外側でそれぞれステータとして動作するようにし、内側にはインナーロータ50を配置して外側にはアウターロータを配置してデュアルロータとして機能するようにする。
【0422】
本発明のインナーステータ3100及びアウターステータ3200の製造方法においては、一対のインナーステータ3100をインナーティース3110が長手方向に互いに噛み合うように配置された状態で打ち抜くことにより製造し、一対のアウターステータ3200をアウターティース3210が長手方向に互いに噛み合うように配置された状態で打ち抜くことにより製造することによって、インナーステータ3100及びアウターステータ3200の打ち抜き後の余剰部Bを最小限に抑え、部材の損失を最小限に抑える。
【0423】
まず、図
31を参照して、本発明のインナーステータ3100の製造過程を説明する。インナーステータ3100は、長手方向に延びた直線状の部材で製造されてもよい。一対のインナーステータ3100は、互いにインナーティース3110に対向するように配置し、互いにインナーティース3110がインナースロット3150に差し込まれるようにすることにより、打ち抜き製造する際に打ち抜き後の余剰部Bを最小限に抑えることができる。このように打ち抜き後の余剰部Bを最小限に抑えることにより、部材を削減することができ、経済性を向上することができる。
【0424】
図
32に示すように、アウターステータ3200は、図
31のインナーステータ3100の製造過程と同様に製造される。従って、打ち抜き後の余剰部Bを最小限に抑えることにより、部材を削減することができ、経済性を向上することができる。
【0425】
前述したように製造されたインナーステータ3100及びアウターステータ3200により本発明のデュアルモータステータを製造するが、まず、所望の大きさのモータを構成するために、長手方向に延びた直線状のインナーステータ3100を所定の長さに切断し、アウターステータ3200も所定の長さに切断し、所定の大きさのデュアルモータを製造する。
【0426】
図
30に示すデュアルモータステータは、上記長手方向に延びて所定の長さに切断されたインナーステータ3100の一端と他端とを連結して環状に組み立て、上記長手方向に延びて所定の長さに切断されたアウターステータ3200をインナーステータ3100の外周に環状に囲むことにより製造される。
【0427】
ここで、インナーステータ3100の外周面とアウターステータ3200の内周面とは、インナーヨーク3130とアウターヨーク3230とが絶縁距離による離隔距離を維持するように対向して結合される。
【0428】
このように一体化して組み立てられたデュアルモータステータは、図
32に示すように、インナーステータ3100のインナーティース3110が中央部に向かって突出してインナーロータの駆動に関与し、アウターコア3200のアウターティース3210が半径方向に外側に向かって突出してアウターロータの駆動に関与する。
【0429】
インナーヨーク3130とアウターヨーク3230とは、磁力を遮断するインシュレータ3300を介して一体化して結合されてもよい。前述したように、インシュレータ3300は、上記インナーロータと上記アウターロータとの独立した動作を図るための部材であって、PBT系のプラスチック材料で形成されることが好ましい。
【0430】
以下、添付図面を参照して本発明のさらに他の実施形態によるステータ構造を詳細に説明する。
【0431】
インナーステータ471aは環状に形成され、インナーステータ471aの外側には環状のアウターステータ471bが備えられる。すなわち、アウターステータ471bは、インナーステータ471aの外周部を囲むように形成される。
【0432】
インナーステータ471a及びアウターステータ471bは、それぞれ、環状に連結される複数の関節型ボビンと、上記関節型ボビンのそれぞれに挿入される複数のティースと、上記複数のティースの端部を環状に連結するティースリングと、を含む。
【0433】
図33は、ステータのうちインナーステータ471aの一例を示す図である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、図
33のインナーステータの外周部に沿ってアウターステータが同じ方式で形成されてもよい。なお、
図33においては、図面の理解を助けるために、巻回されたコイルの図示を省略する。
【0434】
図33を参照すると、インナーステータ471aは、環状に連結される複数の関節型ボビン4110と、関節型ボビン4110のそれぞれに挿入される複数のインナーティース4120と、を備える。さらに、インナーステータ471aは、複数のインナーティース4120の内側端部を環状に連結するティースリング4130と、複数のインナーティース4120の外側端部を連結するインナーヨーク4140と、を備える。インナーステータ471aと同様に、アウターステータ471bは、環状に連結される複数の関節型ボビンと、上記関節型ボビンのそれぞれに挿入される複数のアウターティースと、上記アウターティースの外側端部を環状に連結するティースリングと、上記アウターティースの内側端部を連結するアウターヨークと、を備える。上記インナーヨークと上記アウターヨークとの間には、磁力を遮断するフラックスバリアが備えられてもよい。通常、電磁力を遮断するためには、離隔して結合されることが好ましい。従って、上記フラックスバリアが備えられることにより、インナーステータ側とアウターステータ側との間の磁力移動が発生しなくなり、インナーロータとアウターロータとが影響を受けることなく独立して動作できるようにするデュアルモータシステムが実現される。
【0435】
一方、ステータ(インナーステータ及びアウターステータ)に巻回されたコイルに電流が供給されると、上記電流により発生する磁場によりロータが回転する。よって、磁路を形成する磁性体であるステータコアを備える。すなわち、本実施形態においては、インナーティースコア及びアウターティースコアが備えられる。
【0436】
図33において、インナーティースコアは、環状に形成されて中心部に向かって突設された複数のインナーティースを備える。ここで、
図33は、上記複数のティースがそれぞれ分離された分割型ティースで構成される実施形態を示す図である。上記分割型ティースは、複数積層されて1つのインナーティース4120を形成する。上記分割型ティースには、端部が左右に拡張されたインナーティース拡張部4121が形成されている。
【0437】
図34は、上記ステータコアを構成する分割型ティースが積層形成される過程を示す図である。
図34を参照すると、平板状のティース(
図34の
上図)を打ち抜いて(
図34の
中図)積層する(
図34の
下図)ことにより、1つのインナーティース又はアウターティースを形成する。
図34において積層された分割型ティース(
図34の
下図)がステータコアを構成する。上記分割型ティースには、端部が左右に拡張されたインナーティース拡張部が形成されている。
【0438】
図34の
下図のように積層されたティースは、関節型ボビン4110に挿入される。
図35は、関節型ボビンを示す図である。
図35aにおいて、関節型ボビン4110は、上記ティースが挿入される収容部4111cが形成された胴部4111と、胴部4111の両側面に屈折可能に形成された関節部4112と、を含む。
【0439】
収容部4111cは胴部4111の内部に形成された空間であり、胴部4111の両端部4111a、4111bがどちらも開放されているので、収容部4111cは両側が開放された空間となっている。収容部4111cにはインナーティース又はアウターティースが収容される。
図33においては、収容部4111cに分割型インナーティース4120が収容される。この場合、胴部4111の下端部4111a側へインナーティース4120が挿入され、インナーティース拡張部4121が胴部4111の下端部4111a側に位置する。
【0440】
関節型ボビン4110は複数連結されてもよい。
図35bは複数の関節型ボビンが連結された状態を示す。上記ボビンの関節部4112は互いに連結可能になっている。すなわち、関節部4112は、胴部4111に対して屈折可能であり、かつ他のボビンの関節部と結合可能である。これらの関節部間の結合には、ヒンジ方式などの周知の結合方式を用いることができる。
【0441】
図35bのように連結された関節型ボビン4110にティースが挿入され、その後関節型ボビン4110のそれぞれはコイルが巻回される。すなわち、関節型ボビン4110の胴部4111の周囲にコイルが巻回される。
【0442】
図35bのような形で関節型ボビンが連結された場合、自動巻線が可能である。従来は、環状のインシュレータにティースを収容し、その後インシュレータにコイルを巻回していた。これにより、既に環状に形成されたインシュレータの内側でニードルを用いて巻線せざるを得ないので、特定の部分にコイルが集中する集中巻の形態で巻線されていた。しかし、
図35bのように屈折可能な関節型ボビンを用いた場合、自動巻線機を用いて自動巻線を行うことができ、コイルがボビンの胴部の周囲に整列されて巻回される整列巻の形態で巻線することができる。これは、巻線占積率を向上させるので、駆動モータの性能を向上させることができる。さらに、本発明のように、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを備えた場合、巻線占積率の向上による駆動モータの性能の向上により、駆動モータの大きさを小さくすることができる。
【0443】
一方、ティースが挿入されてコイルが巻回された関節型ボビンは、リング状のヨークに固定される。
図36は、リング状のインナーヨーク4140を示す図である。上記関節型ボビンは、
図36のインナーヨークの内周面に連結される。インナーヨーク4140には内周面に沿って複数の連結溝4141が形成されている。インナーティースの端部又は関節型ボビンの端部に突起を形成して連結溝4141に挿入されるようにしてもよい。
図33は、インナーヨーク4140に連結された関節型ボビン4110を示す図である。前述したように、アウターステータも同様に形成される。すなわち、リング状のアウターヨークが備えられ、上記アウターヨークの外周面に関節型ボビンが連結される。
【0444】
上記関節型ボビンにおいて、上記インナーヨークが連結された側の反対側の端部には、ティースリングが圧入されるようにしてもよい。
図37は、インナーステータに用いられるティースリング4130を示す図である。ティースリング4130は、円筒状に構成され、外周面に沿って複数の突起4131が形成されている。突起4131は、ティースリング4130の圧入のためのものであり、上記関節型ボビン間に圧入してもよく、上記インナーティースに溝を形成して圧入してもよい。前述したように、アウターステータも同様に形成される。すなわち、円筒状のティースリングの内周面に沿って複数の突起が形成され、上記ティースリングが関節型ボビンなどに圧入される構造を有する。
【0445】
上記ティースリングは、コギングトルクを抑制し、駆動モータの出力低下を防止する。すなわち、ティース間の間隔による磁場の不連続性によりロータの回転時にコギングトルクが発生するが、上記ティースリングにより磁場の不連続性が低減され、コギングトルクが抑制され、駆動モータの出力低下が防止される。
【0446】
上記構造によれば、上記ヨークと上記ティースリングとの間に上記複数の関節型ボビンが取り付けられる。これにより、上記関節型ボビンの結合が安定して維持される。
【0447】
図33において上記インナーヨークと上記ティースリングとの間に固定された関節型ボビンの胴部と隣接する関節型ボビンの胴部との間には空間が形成される。上記空間をインナースロット4150という。インナースロット4150には巻回されたコイルが位置する。これと同様にアウタースロットが形成され、上記アウタースロットに巻回されたコイルが位置する。
【0448】
図38は、本発明のステータの他の実施形態を示す図である。
図38は、上記複数のティースがこれらのティースの端部を連結する関節型ヨークに一体に形成された場合の実施形態である。以下、
図38の実施形態を説明するにあたって、
図33の実施形態と重複する部分については説明を省略する。
【0449】
図38は、ステータのうちインナーステータ471aの他の例を示す図である。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、
図38のインナーステータの外周部に沿ってアウターステータが同じ方式で形成されてもよい。なお、
図38においては、図面の理解を助けるために、巻回されたコイルの図示を省略する。
【0450】
図38を参照すると、インナーステータ471aは、環状に連結される複数の関節型ボビン4110と、関節型ボビン4110のそれぞれに挿入される複数のインナーティース4120と、を備える。さらに、インナーステータ471aは、複数のインナーティース4120の内側端部を環状に連結するティースリング4130を備える。しかし、インナーティース4120が関節型ヨーク4122に一体に形成されているので、別体のインナーヨークを備える必要がない。
【0451】
図38において、インナーティースコアは、関節型ヨーク4122と一体に形成され、関節型ヨーク4122から突出した複数のインナーティースで構成される。これを一体型ティースという。上記一体型ティースは、複数積層されて1つのインナーティース4120を形成する。本実施形態において、上記一体型ティースには、端部が左右に拡張されたインナーティース拡張部が備えられない。これは、上記一体型ティースが関節型ボビン4110に挿入される際に、関節型ボビン4110の胴部の上部4111b側から挿入されるからである。
【0452】
図39は、上記ステータコアを構成する一体型ティースが積層形成される過程を示す図である。
図39を参照すると、平板状のティース(
図39の
上図)を打ち抜いて(
図39の
中図)積層する(
図39の
下図)ことにより、1つのインナーティース又はアウターティースを形成する。
図39において積層された一体型ティース(
図39の
下図)がステータコアを構成する。
【0453】
ここで、関節型ヨーク4122にはくさび状の凹部4125が形成される。上記一体型ティースは、関節型ボビンに挿入された後リング状に曲がるようにしなければならない。よって、くさび状の凹部4125は、関節型ヨーク4122がリング状に曲がるようにする屈折部位を形成する。従って、くさび状の凹部4125は、関節型ヨークが屈折する方向に形成される。すなわち、
図39はインナーティースの形成を示し、したがって、くさび状の凹部4125は、上記ティースが延びた方向である、関節型ヨーク4122の内側に形成される。しかし、アウターティースを形成する場合は、くさび状の凹部は関節型ヨークの外側に形成される。
【0454】
本実施形態においても、ティースリング4130が圧入されるようにしてもよい。すなわち、上記関節型ボビンにおいて、上記関節型ヨークが位置する側の反対側に、ティースリングが圧入されるようにしてもよい。よって、上記関節型ヨークが環状に連結され、上記環状に連結された関節型ヨークと上記ティースリングとの間に上記複数の関節型ボビンが取り付けられる。
【0455】
図38において上記関節型ヨークと上記ティースリングとの間に固定された関節型ボビンの胴部と隣接する関節型ボビンの胴部との間には空間が形成される。上記空間をインナースロット4150という。インナースロット4150には巻回されたコイルが位置する。
【0456】
一方、
図35は、本発明による洗濯機の駆動モータのステータの製造方法の一実施形態を示す図である。
図35を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機の駆動モータのステータの製造方法は、複数の関節型ボビンを帯状に連結するボビン連結段階(S100)と、上記連結された複数の関節型ボビンのそれぞれにティースを挿入するティース挿入段階(S200)と、上記ティースが挿入された関節型ボビンのそれぞれにコイルを自動的に巻回する自動巻線段階(S300)と、上記コイルが巻回された関節型ボビンをリング状に連結するヨーク連結段階(S400)と、上記ティースの端部に環状のティースリングを連結するティースリング連結段階(S500)と、を含む。
【0457】
上記ボビン連結段階(S100)は、上記複数の関節型ボビンを帯状に連結する段階である。これは、上記複数の関節型ボビンを
図35bのように連結する段階である。
【0458】
上記ティース挿入段階(S200)は、上記連結された複数の関節型ボビンのそれぞれにティースを挿入する段階である。ここで、分割型ティースは、
図34の
下図のようなティース(インナーティース又はアウターティース)の形態で積層し、その後上記関節型ボビンに挿入する。
【0459】
ここで、前述した実施形態のうち、分離型ティースを用いた実施形態においては、各関節型ボビンの下部側からティースの挿入が行われ、一体型ティースを用いた実施形態においては、各関節型ボビンの上部側からティースの挿入が行われる。
【0460】
上記自動巻線段階(S300)は、上記ティースが挿入された関節型ボビンのそれぞれにコイルを自動的に巻回する段階である。前述したように、上記関節型ボビンが屈折可能に連結されているので、自動巻線機を用いてコイルを自動的に巻回することができる。これにより、コイルを上記関節型ボビンに整列して巻回することができる。
【0461】
上記構成においては、巻線占積率の向上のために、関節型ボビンにコイルが自動的に巻回されるようにすることにより、駆動モータの性能を向上させることができ、駆動モータを最適化することができる。
【0462】
上記ヨーク連結段階(S400)は、上記コイルが巻回された関節型ボビンをリング状に連結する段階である。ここで、上記複数のティースがそれぞれ分離された分割型ティースの場合、上記ヨーク連結段階において、上記関節型ボビンを上記リング状のヨークに連結する。これに対して、上記複数のティースがこれらのティースの端部を連結する関節型ヨークに一体に形成された一体型ティースの場合、上記ヨーク連結段階において、上記関節型ヨークを環状に連結する。
【0463】
上記ティースリング連結段階(S500)は、上記ティースの端部を環状に連結するティースリングを圧入する段階である。これは、前述したようにコギングトルクを減少させ、駆動モータの出力低下を防止する。
【0464】
図30を参照すると、インナーステータ471aは、複数のインナーティース4100及びインナーヨーク4110を含むインナーティースコアから構成される。インナーヨーク4110は、環状に形成され、複数のインナーティース4100が中心部に向かって突出する基部となる。すなわち、上記複数のインナーティースは、上記インナーヨークに固定されて中心部に向かって突出する。
【0465】
上記中心部に向かって突出した複数のインナーティース4100は、所定の間隔で離隔してインナーヨーク4110に固定されている。ここで、上記インナーティース間の空間をインナースロット4120といい、上記インナーティースコアが後述するインシュレータ478に収容された後にコイルを巻回する空間を提供する。
【0466】
インナーティース4100には、端部が左右に拡張されたインナーティース拡張部4115が形成されている。これにより、インナーティース4100、インナーティース拡張部4115及びインナーヨーク4110により形成される空間がインナースロット4120を形成する。従って、上記インナースロットは、
図30に示すように、上記インナーヨークにより形成される円周に沿って所定の間隔で複数繰り返し形成される。
【0467】
アウターステータも上記インナーステータと同様に形成される。
図41を参照すると、アウターステータ471bは、複数のアウターティース200及びアウターヨーク4210を含むアウターティースコアから構成される。
【0468】
アウターヨーク4210は、環状に形成され、複数のアウターティース420が放射状に突出する基部となる。すなわち、上記複数のアウターティースは、上記アウターヨークに固定されて放射状に突出する。
【0469】
上記放射状に突出した複数のアウターティース4200は、所定の間隔で離隔してアウターヨーク4210に固定されている。ここで、上記アウターティース間の空間をアウタースロット4220といい、上記アウターティースコアが後述するインシュレータ478に収容された後にコイルを巻回する空間を提供する。
【0470】
アウターティース4200には端部が左右に拡張されたアウターティース拡張部4215が形成されている、これにより上記アウターティース4200、アウターティース拡張部4215及びアウターヨーク4210により形成される空間がアウタースロット4220を形成する。従って、上記アウタースロットは、
図30に示すように、上記アウターヨークにより形成される円周に沿って所定の間隔で複数繰り返し形成される。
【0471】
ここで、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアは、一般的に平板状のティースを打ち抜いて積層することによって形成する。よって、これらを固定してコイルを巻回できるようにするための構成が必要である。
【0472】
インシュレータ478は、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを固定し、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアにコイルを巻回できるようにする。インシュレータ478は、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを収容する構成であり、例えば、対向する上部インシュレータと下部インシュレータとが結合されて形成されるようにしてもよい。これとは異なり、インシュレータ478は、インシュレータ筐体及び蓋体を備えるように構成されてもよい。
【0473】
図41は、インシュレータ478をより詳細に示す図である。インシュレータ478は、上記複数のインナーティースを収容するインナーティース収容部4311と上記インナーヨークを収容するインナーヨーク収容部4312とを含むインナーティースコア収容部4310と、上記複数のアウターティースを収容するアウターティース収容部4321と上記アウターヨークを収容するアウターヨーク収容部4322とを含むアウターティースコア収容部4320と、を備える。
【0474】
インナーティース収容部4311は、上記インナーティースを収容できるように当該ティースの外郭線に沿って突出した隔壁を備え、アウターティース収容部4321は、上記アウターティースを収容できるように当該ティースの外郭線に沿って突出した隔壁を備える。これにより、上記インナーティース収容部及び上記アウターティース収容部は、上記隔壁により上記ティースを収容できる格子状の空間を形成する。
【0475】
インナーヨーク収容部4312は、上記インナーヨークを収容できるように当該環状のヨークの外郭線に沿って突出した隔壁を備え、アウターヨーク収容部4322は、上記アウターヨークを収容できるように当該環状のヨークの外郭線に沿って突出した隔壁を備える。これにより、上記インナーヨーク収容部及び上記アウターヨーク収容部は、上記隔壁により上記ヨークを収容できる円筒状の空間を形成する。
【0476】
一方、インシュレータ478は、上記インナーティースコア収容部に収容されたインナーティースコアと上記アウターティースコア収容部に収容されたアウターティースコアとを離隔させて磁力を遮断するフラックスバリア4330を含む。
【0477】
フラックスバリア4330は、インナーヨーク収容部4312とアウターヨーク収容部4322との間に環状に突出して備えられる。すなわち、上記インナーヨーク収容部に収容されたインナーヨークの外周面と上記アウターヨーク収容部に収容されたアウターヨークの内周面とは対向して固定結合されるが、これらの間にフラックスバリア4330が備えられる。
【0478】
通常、電磁力を遮断するためには、離隔して結合されることが好ましい。従って、フラックスバリア4330が設けられることにより、インナーステータ側とアウターステータ側との間の磁力移動が発生しなくなり、インナーロータとアウターロータとが影響を受けることなく独立して動作できるようにするデュアルモータシステムが実現される。
【0479】
例えば、フラックスバリア4330は、上記上部インシュレータと上記下部インシュレータとの少なくとも一方から突出し、上記上部インシュレータと上記下部インシュレータとの結合により上記インナーティースコアと上記アウターティースコアとを離隔させて相互間の磁力干渉を防止する。このために、インシュレータ478は、PBT系のプラスチック材料で形成されてもよい。
【0480】
一方、インナーティースコア収容部4310に上記インナーティースコアが収容され、アウターティースコア収容部4320に上記アウターティースコアが収容され、その後上部インシュレータと下部インシュレータとが結合されることにより、上記インシュレータの組立が完成する。
【0481】
ここで、前述したように、上記複数のインナーティースのそれぞれを収容するインナーティース収容部間にインナースロット4120が形成され、上記複数のアウターティースのそれぞれを収容するアウターティース収容部間にアウタースロット4220が形成される。
【0482】
上記インナースロット及び上記アウタースロットには、巻回されたコイルが配置される。すなわち、上記インナーティースが収容されたインナーティース収容部及び上記アウターティースが収容されたアウターティース収容部を中心にコイルを巻回すると、上記インナースロット及び上記アウタースロットに上記巻回されたコイルが配置される。
【0483】
よって、上記インナーステータは、上記インシュレータに上記インナーティースコアが収容された後にコイルが巻回されて形成され、上記アウターステータは、上記インシュレータに上記アウターティースコアが収容された後にコイルが巻回されて形成される。ここで、上記インナーステータに巻回されたコイル部分がインナー巻線部となり、上記アウターステータに巻回されたコイル部分がアウター巻線部となる。
【0484】
上記構成においては、上記インシュレータがコイルを巻回するためのボビンの役割も果たすようにする。また、上記インシュレータにフラックスバリアが一体に形成される。これにより、別個のボビン及びフラックスバリアを備える必要がないので、駆動モータの部品点数を削減すると共に駆動モータ全体の大きさを小さくすることができる。さらに、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを備えても、洗濯機全体の大きさを増加させない。
【0485】
図42は、本発明による洗濯機の駆動モータのステータの製造方法の他の実施形態を示す図である。
図42を参照すると、本発明の他の実施形態による洗濯機の駆動モータのステータの製造方法は、インナーティース及びインナーヨークを含むインナーティースコアとアウターティース及びアウターヨークを含むアウターティースコアを積層形成するステータコア形成段階(S100)と、結合によりインナーティース収容部及びアウターティース収容部を形成し、かつ互いに対向する上部インシュレータ及び下部インシュレータのいずれか一方に上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを挿入するステータコア挿入段階(S200)と、上記上部インシュレータと上記下部インシュレータとを結合するステータ組立段階(S300)と、インナーステータ収容部のうち上記インナーティースを収容するインナーティース収容部とアウターステータ収容部のうち上記アウターティースを収容するアウターティース収容部との外側にコイルを巻回するコイル巻回段階(S400)と、を含む。
【0486】
上記ステータコア形成段階(S100)は、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを形成する段階である。前述したインナーティースコア及びアウターティースコアの形成方法と同様に、平板状のティースを打ち抜いて積層することによって形成する。すなわち、上記インナーティース及びインナーヨークを含むインナーティースコアと上記アウターティース及びアウターヨークを含むアウターティースコアを積層形成する。
【0487】
上記ステータコア挿入段階(S200)は、上記ステータコア形成段階(S100)で積層形成されたインナーティースコア及びアウターティースコアを上記インシュレータのインナーティース収容部及びアウターティース収容部に挿入する段階である。ここで、上記ティースコアは、上記上部インシュレータ及び上記下部インシュレータのいずれか一方に挿入する。
【0488】
上記ステータコア挿入段階(S200)においては、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを、上記上部インシュレータ及び上記下部インシュレータの少なくとも一方に形成されたフラックスバリアを介して離隔するように挿入する。
【0489】
上記ステータ組立段階(S300)は、上記上部インシュレータと上記下部インシュレータとを結合し、上記インシュレータの組立を完成する段階である。これにより、上記インシュレータは、上記インナーティースコア及び上記アウターティースコアを囲むことになり、後述するコイル巻回段階でコイルを巻回するためのボビンの役割を果たすことになる。
【0490】
上記コイル巻回段階(S400)は、上記インナー
ステータ収容部のうち上記インナーティースを収容するインナーティース収容部と上記アウター
ステータ収容部のうち上記アウターティースを収容するアウターティース収容部との外側にコイルを巻回する段階である。
【0491】
上記構成においては、容易かつ簡単にステータを組み立てることができるようにし、上記インシュレータがボビンの役割も果たせるようにし、部品点数を削減すると共に駆動モータ全体の大きさを小さくすることにより、2つの独立したロータを駆動するための2つのステータを備えても、洗濯機全体の大きさを増加させない。
【0492】
以下、図
43〜図
45を参照して、本発明による洗濯機に適用されるデュアルモータステータの放熱特性の改善のためのベアリングハウジング構造について詳細に説明する。
【0493】
まず、図
43を参照して本発明のベアリングハウジング6100について説明する。ベアリングハウジング6100は、ステータ2000の内部に形成されたロータ軸が貫通するベアリング軸孔6140を備え、ステータ2000と同一の中心軸を有するように被せられて結合される。
【0494】
ステータ2000には、ヨーク2500から軸方向に突設された環状のハウジング取付リブ2510が形成される。
【0495】
ハウジング取付リブ2510の直径は、ベアリングハウジング6100の本体6110の直径と同じか又は若干大きくすることが好ましい。
【0496】
すなわち、ベアリングハウジング6100は、その本体6110がハウジング取付リブ2510の内周面に嵌入されて固定されるようにステータ2000と組み立てられる。ここで、ベアリングハウジング6100は、ステータ結合口6130とハウジング結合口2300との位置を合わせてステータ2000に嵌められる。
【0497】
ステータ2000の外周には、半径方向に突設されたアウターティース2100が形成される。図示していないが、アウターティース2100の外周にはアウターロータが離隔して取り付けられ、磁力により回転する。
【0498】
ステータ2000の内周には、中心軸方向に突設されたインナーティース2200が形成される。図示していないが、インナーティース2200の内周にはインナーロータが離隔して取り付けられ、磁力により回転する。
【0499】
図
43に示すように、ベアリングハウジング6100がステータ2000に結合される場合、ステータ2000のヨーク2500に固定されて結合されるので、上記インナーロータを完全に覆うことになる。
【0500】
インナーティース2200のコア2210の外周面に形成された巻線部には、銅などの伝導体からなるコイル2220が複数回巻回されている。コイル2220に電流が流れると、上記ロータの永久磁石と反応して上記ロータを回転させる。電流が流れることにより、コイル2220には高熱が発生する。高熱によりコイル2220の切断又は誤動作が発生することがあるので、放熱が必要である。
【0501】
さらに、ベアリングハウジング6100により覆われた上記インナーロータから発生する熱は外部への放出が難しいので、高温によりインナーティース2200に巻回されたワイヤが破損したり、動作しなくなることがある。
【0502】
よって、本発明においては、図
43に示すように、ステータ2000がヨーク2500から突出したスペーサ2510を含み、ステータ2000がベアリングハウジング6100と離隔して結合されるようにする。
【0503】
上記インナーロータから発生する熱は、ベアリングハウジング6100とステータ2000のヨーク2500との間の空間で循環し、過熱されることなく外部に放出される。
【0504】
スペーサ2510は、ヨーク2500に所定の間隔で複数形成されることにより、ベアリングハウジング6100をステータ2000の内部に形成されたインナーロータから十分に離隔させる。
【0505】
しかし、スペーサ2510によるベアリングハウジング6100とステータ2000のインナーティース2200との離隔は、単に対流による放熱効果を図るだけであり、離隔距離が十分でなければ、当該対流による放熱は限定的である。
【0506】
よって、本発明においては、上記離隔距離による対流効果に加えて、伝導による放熱効果を図るために、ベアリングハウジング6100の本体6110を突出部6111及び陥没部6113から構成する。
【0507】
図
43〜図
45を参照すると、ベアリングハウジング6100は、本体6110、ベアリング軸孔6140及びステータ結合口6130を備え、アウターティース2100、インナーティース2200、ヨーク2500及びハウジング結合口2300を備えたステータ2000に組み立てられる。ここで、ベアリングハウジング6100の本体6110は、インナーティース2200の巻線部に対応する位置に突出部6111が形成され、インナーティース2200間のスロットSに対応する位置に陥没部6113が形成される。
【0508】
陥没部6113は、ベアリングハウジング6100の本体6110に貫通形成された貫通孔として実現されてもよい。
【0509】
陥没部6113が対流のための空間として貫通形成されることにより、インナーティース2200の巻線部から発生する熱をより効果的に放出することができる。
【0510】
これとは異なり、陥没部6113は、図
45に示すように、ベアリングハウジング6100の本体6110の外面が折曲形成されることにより実現されるようにしてもよい。この場合、ベアリングハウジング6100の本体6110は、一体に形成された折曲部として実現されることにより、突出部6111の伝導による放熱効果を最大にすることができる。
【0511】
ベアリングハウジング6100の本体6110の陥没部6113は、インナーティース2200の巻線部から発生する熱を対流させる空間Fとして形成され、ベアリングハウジング6100の本体6110の突出部6111は、インナーティース2200の巻線部から発生する熱を伝導して外部に放熱する伝導部として形成される。
【0512】
このために、ベアリングハウジング6100の本体6110の突出部6111と上記インナーティースの巻線部に巻回されたコイル2220とは、所定の絶縁距離Dだけ離隔している。上記絶縁距離は、コイル2220に流れる電流が金属物質で形成されたベアリングハウジング6100に流れることを防止するのに十分な距離であればよい。上記絶縁距離は、約3mmであることが好ましい。
【0513】
以下、図
46〜図
48を参照して、本発明によるデュアルモータの電流コネクタ及びホールセンサの構造及びこれを用いた洗濯機について詳細に説明する。
【0514】
従来のデュアルモータシステムにおいては、電流コネクタ及びホールセンサコネクタがインナーステータ及びアウターステータにそれぞれ別個に設けられるので、構造が複雑で組立工程数が増加するなどの問題があった。このような様々な問題を解決するために、本発明においては、電流コネクタをインナーステータ及びアウターステータにおいて一体化して形成し、ホールセンサコネクタもインナーステータ及びアウターステータにおいて一体化して形成する。
【0515】
図
46に示すように、本発明によるデュアルモータは、アウターティース2100及びインナーティース2200を含
む。さらに、本発明によるデュアルモータは、アウターティース2100に形成されたアウター巻線部及びインナーティース2200に形成されたインナー巻線部に電源を統合して供給する電流コネクタ7300と、アウターホールセンサ7510及びインナーホールセンサ7520に電源を統合して供給するホールセンサコネクタ7500と、を含む。
【0516】
上記アウター巻線部は、アウターティース2100にコイルが巻回された構造を有し、詳細には図示していないが、アウターティース2100に銅などのように導電性の高い金属コイルが複数回巻回されることにより、アウターティース2100の外部に位置するアウターロータ(図示せず)の永久磁石と磁束を形成して上記アウターロータの回転を可能にする。
【0517】
上記インナー巻線部は、上記アウター巻線部に対応するように、インナーティース2200にコイルが複数回巻回された構造を有することにより、インナーティース2200の内部に位置するインナーロータ(図示せず)の回転を可能にする。
【0518】
電流コネクタ7300は、上記アウター巻線部及び上記インナー巻線部のコイルに電流を供給することにより上記ロータの永久磁石と磁束を形成してモータの動作を可能にする構造を有する。従来は、アウター電流コネクタとインナー電流コネクタとに分けて設けられていたのに対して、本発明においては、これらを1つの電流コネクタ7300として統合して形成する。
【0519】
電流コネクタ7300は、上記アウター巻線部に電流を供給する3ピンコネクタと上記インナー巻線部に電流を供給する3ピンコネクタとを統合した6ピンコネクタとして実現されることが好ましい。従来のアウター電流コネクタ及びインナー電流コネクタは、同一の構造を有するものであって、それぞれ3ピン構造を有する。これに対して、本発明の電流コネクタ7300は、アウター電流コネクタとインナー電流コネクタとを1つに統合したものであって、6ピンコネクタである。
【0520】
図
47に示すように、電流コネクタ7300は、電源部7100から供給される電流を上記アウター巻線部と上記インナー巻線部とに並列に供給する。1つの電流コネクタ7300により上記アウター巻線部と上記インナー巻線部とに統合して電流を供給することにより、単純な構造を実現することができ、組立の利便性を図ることができ、部品点数を削減することができる。
【0521】
図
47に示すように、電流コネクタ7300によりアウター巻線部2100及びインナー巻線部2200に供給される電流は1つの接地GNDに統合接続され、アウター巻線部2100とインナー巻線部2200とは並列構造を有する。
【0522】
ホールセンサコネクタ7500は、アウターステータにおけるホールセンシング機能を有するアウターホールセンサコネクタとインナーステータにおけるホールセンシング機能を有するインナーホールセンサコネクタとを1つのコネクタとして統合して形成したものである。図
46に示すように、ホールセンサコネクタ7500は、ホールセンサ7500におけるアウターホールセンサ7510のコネクタとインナーホールセンサ7520のコネクタとを統合して形成される。
【0523】
図
48を参照すると、電源部7100から供給される電流は、上記統合されたホールセンサコネクタ7500を介してアウターホールセンサ7510とインナーホールセンサ7520とに並列に供給され、上記アウターステータと上記インナーステータとで感知されたホールセンシング信号は、上記統合されたホールセンサコネクタ7500に並列に接続されることが好ましい。
【0524】
図
48に示すように、アウターホールセンサ7510とインナーホールセンサ7520とから供給される電流は1つの接地GNDに接続されるようにすることにより、並列接続構造を有するようにすることが好ましい。
【0525】
本発明の他の実施形態において、図
46に示すように、本発明によるデュアルモータは、上記アウターステータでの温度を感知するアウター温度センサ7610と、上記インナーステータでの温度を感知するインナー温度センサ7620と、をさらに含んでもよい。
【0526】
図
46を参照すると、アウター温度センサ7610及びインナー温度センサ7620はそれぞれホールセンサ7500の下面に設けられるが、アウター温度センサ7610は上記アウターステータ側に取り付けられ、インナー温度センサ7620は上記インナーステータ側に取り付けられる。
【0527】
アウター温度センサ7610は、上記アウター巻線部側に接触して設けられ、上記アウター巻線部から発生する熱の温度を測定し、インナー温度センサ7620は、上記インナー巻線部側に接触して設けられ、上記インナー巻線部から発生する熱の温度を測定する。
【0528】
温度センサ7610、7620は、各ステータに過熱が発生すると、これを感知して上記デュアルモータの動作を制御できるようにする。
【0529】
図
48を参照すると、電源部7100から供給される電流は、上記統合されたホールセンサコネクタ7500を介してアウター温度センサ7610とインナー温度センサ7620とに並列に供給される。アウター温度センサ7610とインナー温度センサ7620とで感知された信号は、上記統合されたホールセンサコネクタ7500へ並列に接続されることが好ましい。
【0530】
ホールセンサコネクタ7500は、1つの統合されたコネクタとして実現され、外部の電源部7100から供給される電源を上記インナーステータと上記アウターステータとに並列に供給する。このように簡単な構造を採用して組立性を改善することにより、複雑な構造による誤結合や誤動作を防止することができる。
【0531】
図
48を参照すると、本発明によるデュアルモータのホールセンサの構造においては、アウターホールセンサ7510及びインナーホールセンサ7520を含むホールセンサ7500とアウター温度センサ7610及びインナー温度センサ7620を含む温度センサとは、全体として並列に接続され、1つの接地GNDに統合接続される。
【0532】
ホールセンサコネクタ7500は、ホールセンサ7500と温度センサ7610、7620とが接続されて1つの並列構造を有し、1つの電源部7100及び接地GNDにより単純な組立構造を有すると共に、安定したシステムを構築できるようにする。
【0533】
本発明の一実施形態による洗濯機のドラム組立方法は、本体に固定されたタブの内部に配置されて互いに独立して駆動されるメインドラム及びサブドラムと、上記メインドラムと上記サブドラムとを独立して駆動するためのステータ、アウターロータ及びインナーロータを備える駆動モータと、を含む洗濯機に適用される。
【0534】
図8は、本発明の一実施形態による洗濯機のドラム組立方法を示す図である。
図8を参照すると、本実施形態のドラム組立方法は、上記駆動モータから上記メインドラム及び上記サブドラムに駆動力を伝達するシャフトとスパイダとを結合し、シャフトスパイダ組立体を製造する段階(S100)と、上記シャフトスパイダ組立体を上記サブドラムの後方に結合する段階(S200)と、上記サブドラムを上記メインドラムに結合する段階(S300)と、上記メインドラムの後方に上記シャフトスパイダ組立体を結合する段階(S400)と、を含む。
【0535】
上記ドラム組立方法の各段階は、メインドラム、サブドラム、メインドラムスパイダ、サブドラムスパイダなどが製造された後に行われる。例えば、メインドラム及びサブドラムを形成するために平板を丸めて円筒状に製造し、結合部をシーミング(seaming)加工する。さらに、上記ドラムの端部をカーリング加工する。
図6は、上記サブドラムにおけるシーミングされた結合部66及びカーリングされた端部67を示す。上記サブドラムは、シーミング加工した後にカーリング加工することが、カーリング加工された端部が連続性を有するので好ましい。上記メインドラムスパイダ及び上記サブドラムスパイダは、例えばダイカストにより製造される。
【0536】
図3は、上記メインドラムや上記サブドラムなどを示す分解斜視図である。
図3及び
図7を参照すると、S100においては、上記インナーロータから上記メインドラムに駆動力を伝達するアウターシャフト81とメインドラムスパイダ91とを結合し(S110)、上記アウターロータから上記サブドラムに駆動力を伝達するインナーシャフト82とサブドラムスパイダ95とを結合する(S120)。上記アウターシャフトと上記メインドラムスパイダとを結合する段階(S110)と、上記インナーシャフトと上記サブドラムスパイダとを結合する段階(S120)と、は、独立したものであり、逆の順序で行われてもよく、同時に行われてもよい。
【0537】
その後、上記サブドラムスパイダに結合されたインナーシャフト82を上記メインドラムスパイダに結合されたアウターシャフト81の内部に結合する(S130)。これと同時に、インナーシャフト82にベアリング(S131)及び防水シール(S132)を挿入する。
図7においては、上記インナーシャフトを上記アウターシャフトの内部に結合し、上記ベアリングを圧入し、その後上記防水シールを挿入する。
【0538】
上記シャフトスパイダ組立体を上記サブドラムの後方に結合する段階(S200)においては、上記サブドラムスパイダをサブドラムバック(上記サブドラムの後方面)に結合する。この場合、上記サブドラムスパイダが上記シャフトスパイダ組立体に組み込まれているので、上記シャフトスパイダ組立体が上記サブドラムに結合されることになる。上記サブドラムスパイダと上記サブドラムバックとの結合は、螺合により行われてもよく、溶接により行われてもよい。
【0539】
上記サブドラムを上記メインドラムに結合する段階(S300)においては、上記サブドラムを上記メインドラムに嵌入する。
図2に示すようにドラムガイドを取り付ける場合、上記サブドラムを上記メインドラムに嵌入する前に、密封のためのドラムガイド55を上記メインドラム内に取り付ける(S250)。上記ドラムガイドの取り付けは、例えば、上記メインドラムの内周面に形成された溝に上記ドラムガイドの下部に形成された突起を嵌合して行ってもよい。
【0540】
上記メインドラムの後方に上記シャフトスパイダ組立体を結合する段階(S400)においては、上記メインドラムに上記メインドラムスパイダの端部を結合する。この場合、上記メインドラムスパイダが上記シャフトスパイダ組立体に組み込まれているので、上記シャフトスパイダ組立体が上記メインドラムに結合されることになる。上記メインドラムスパイダと上記メインドラムとの結合は、螺合により行われてもよく、溶接により行われてもよい。
【0541】
以下、本発明による洗濯機において駆動モータとドラムとを連結して回転力を伝達する軸系構造について詳細に説明する。
【0542】
図
49は、本発明の他の実施形態による軸系構造Aを含む洗濯機を示す図であり、図
50及び図
51は、軸系構造Aの詳細断面図及び詳細斜視図であり、図
52は、軸系構造Aにおいて振動を緩衝するスプリング座金900を示す図である。
【0543】
本発明の他の実施形態を図
50〜図
52を参照して詳細に説明する。本発明によるデュアルモータの軸系構造Aは、中空状のアウターシャフト81と、アウターシャフト81の内部に挿入されるインナーシャフト82と、ステータ71、インナーシャフト82に連結されてステータ71の外側で回転するアウターロータ72、及びアウターシャフト81に連結されてステータ71の内側で回転するインナーロータ73を含む駆動モータ70と、アウターシャフト81とインナーロータ82との連結部に挿入されるスプリング座金900と、を含み、上記アウターシャフトの振動を緩衝して騒音を防止し、振動による離脱を防止する。
【0544】
図
50を参照すると、中空状のアウターシャフト81の内部にインナーシャフト82が挿入されて回転する。アウターシャフト81はインナーロータ73に連結されて回転し、インナーシャフト82はアウターロータ72に連結されて回転する。
【0545】
これにより、アウターシャフト81はインナーロータ73の回転力を受けて高速回転するが、回転力が伝達されることにより振動及び騒音が発生する。よって、アウターシャフト81とインナーロータ73との間にスプリング座金900を設けることにより、軸方向の振動を緩和する。
【0546】
図
50に示すように、アウターシャフト81とインナーシャフト82との間にインナーボールベアリング83が設置されており、上記駆動モータが上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを独立して駆動するようにする。
【0547】
また、アウターシャフト82の外周にアウターボールベアリング84が備えられており、上記軸系構造においてアウターシャフト82の回転を可能にする。
【0548】
図
50及び図
51に示すように、本発明による軸系構造は、アウターシャフト81とインナーロータ73との連結部でスプリング座金900を固定する止めリング800をさらに含んでもよい。ここで、止めリング800は、Cリングで構成される。
【0549】
図
52に示すように、スプリング座金900は、突出部
910及び陥没部
930を含む環状凹凸部材で構成される。図
50に示すように、スプリング座金900が凹凸部によりアウターシャフト81の外周に嵌合されて止めリング800により固定された場合、アウターシャフト81の軸方向の振動を緩衝することができる。
【0550】
よって、スプリング座金900を軸方向に押し付けて凹凸部による付勢力を有するようにするためには、図
50に示すように、止めリング800がスプリング座金900の上面を拘束するようにしなければならない。
【0551】
アウターシャフト81の外周には中心方向に窪んだ止めリング溝81aが形成されており、止めリング800(Cリング)が止めリング溝81aに嵌入されることによりスプリング座金900の軸方向の離脱が防止される。
【0552】
図
51に示すように、止めリング800は、アウターシャフト81の外周に形成された止めリング溝81aに嵌入されるので、一部が切欠された環状リング(Cリング)で構成される。上記Cリングは、上記切欠された部分を広げてアウターシャフト81の外周に形成された止めリング溝81aに嵌入する。
【0553】
図
50及び図
51に示す本発明の他の実施形態においては、上記アウターシャフトと上記インナーロータとの間にインナーブッシング73aが設置されており、インナーロータ73の回転力がアウターシャフト81に伝達されるようにする。
【0554】
また、インナーシャフト82とアウターロータ72との間にアウターブッシング72aが設置されており、アウターロータ72の回転力がインナーシャフト82に伝達されるようにする。
【0555】
よって、アウターシャフト81の軸方向の振動や騒音を防止するために、スプリング座金900は、インナーブッシング73aとアウターシャフト81との連結部に設置され、アウターシャフト81とインナーブッシング73aとの連結部でスプリング座金900を固定する止めリング800をさらに含む。
【0556】
図
50及び図
51に示すように、スプリング座金900は、インナーブッシング73aの上面でアウターシャフト81の外周を覆う環状部材で構成される。
【0557】
アウターシャフト81の外周には中心方向に窪んだ止めリング溝81aが形成されている。止めリング900は、止めリング溝81aに嵌入されるCリングで構成され、スプリング座金900の上面に接触してスプリング座金900の軸方向の離脱を防止する。
【0558】
本発明のさらに他の実施形態においては、インナーシャフト82のセレーション(serration)がアウターブッシング72aに結合される構造をテーパ状にし、結合の利便性及び結合力の向上を図る。
【0559】
図
50及び図
51を参照すると、インナーシャフト82の駆動モータ側の一端には、アウターロータの回転力がインナーシャフト82に伝達されるようにするセレーションが形成される。インナーシャフト82のセレーションとインナーブッシング72aの内周面とが鋸歯状に形成されて噛み合うことにより、回転力がインナーブッシング72aからインナーシャフト82に伝達される。
【0560】
インナーシャフト82のセレーションは、インナーブッシング72aの内周面の鋸歯に嵌められ、図
50及び図
51を参照すると、インナーシャフト82及びインナーブッシング72aは、円筒状に形成され、互いに平行になっている。この場合、インナーシャフト82のセレーションとインナーブッシング72aの内周面との結合が難しく、離隔が発生し得るので回転力をシャフトからロータに伝達することが困難になることもある。
【0561】
図示していないが、インナーシャフト82のセレーションをテーパ状に形成し、インナーブッシング72aの内周面をテーパ状の貫通孔として実現することにより、インナーシャフト82をインナーブッシング72aに嵌入して結合する場合により大きな結合力で組み立てることができ、結合強度を補強すると共に組立性を向上させることができる。
【0562】
以下、
図52及び
図53を参照して本発明のさらに他の実施形態を詳細に説明する。本発明によるデュアルモータの軸系構造は、中空状のアウターシャフト81と、アウターシャフト81の内部に挿入されるインナーシャフト82と、ステータ71、インナーシャフト82に連結されてステータ71の外側で回転するアウターロータ72、及びアウターシャフト81に連結されてステータ71の内側で回転するインナーロータ73を含む駆動モータ70と、アウターシャフト81とインナーロータ82との連結部でアウターシャフト81に挿入されるスプリング座金500と、スプリング座金500が上記アウターシャフトに挿入締結された後上記インナーロータを圧迫固定するインナーロータナット310と、を含み、上記アウターシャフトの振動を緩衝して騒音を防止し、振動による離脱を防止する。
【0563】
図53を参照すると、中空状のアウターシャフト81の内部にインナーシャフト82が挿入されて回転する。アウターシャフト81はインナーロータ73に連結されて回転し、インナーシャフト82はアウターロータ72に連結されて回転する。
【0564】
これにより、アウターシャフト81はインナーロータ73の回転力を受けて高速回転するが、回転力が伝達されることにより振動及び騒音が発生する。よって、アウターシャフト81とインナーロータ73との間にスプリング座金500を設けることにより、軸方向の振動を緩和する。
【0565】
図53に示すように、アウターシャフト72とインナーシャフト73との間にインナーボールベアリング83が設置されており、上記駆動モータが上記アウターシャフトと上記インナーシャフトとを独立して駆動するようにする。
【0566】
また、アウターシャフト82の外周にアウターボールベアリング84が備えられており、上記軸系構造においてアウターシャフト82の回転を可能にする。
【0567】
図53に示すように、本発明による軸系構造は、アウターシャフト81とインナーロータ73との連結部でスプリング座金500を固定するインナーロータナット310をさらに含んでもよい。
【0568】
図52に示すように、スプリング座金500は、突出部510及び陥没部530を含む環状凹凸部材で構成される。
図53に示すように、スプリング座金500が凹凸部によりアウターシャフト81の外周に嵌合されてインナーロータナット310により固定された場合、アウターシャフト81の軸方向の振動を緩衝することができる。
【0569】
よって、スプリング座金500を軸方向に押し付けて凹凸部による付勢力を有するようにするためには、
図53に示すように、インナーロータナット310をアウターシャフト81の末端外周面に螺合してスプリング座金500の上面を拘束するようにしなければならない。
【0570】
本発明の軸系構造は、アウターシャフト81の外周でインナーロータ73とスプリング座金500との間に挿入締結される平座金501をさらに含むことが好ましい。
図53に示すように、平座金501は、スプリング座金500の上面とインナーロータ73の上面との間で圧迫されて締結される。
【0571】
インナーロータナット310は、アウターシャフト81の外周でスプリング座金500を強く圧迫して締結させる。このとき、インナーロータ73とスプリング座金500とは平座金501により直接接触しなくなり、締結力が向上して振動が減少し、従って、離脱現象などを防止することができる。
【0572】
図53に示すように、本発明においては、アウターシャフト81の外周に雄ネジ部81aを形成し、インナーロータナット310の内周に雌ネジ部310aを形成し、互いに螺合されるようにすることにより、スプリング座金500の軸方向の離脱を防止することが好ましい。
【0573】
図52及び
図53に示す本発明の他の実施形態においては、上記アウターシャフトと上記インナーロータとの間にインナーブッシング73aが設置されており、インナーロータ73の回転力がアウターシャフト81に伝達されるようにする。
【0574】
また、インナーシャフト82とアウターロータ72との間にアウターブッシング72aが設置されており、アウターロータ72の回転力がインナーシャフト82に伝達されるようにする。
【0575】
よって、アウターシャフト81の軸方向の振動や騒音を防止するために、スプリング座金500は、インナーブッシング73aとアウターシャフト81との連結部に設置される。これにより、本発明においては、アウターシャフト81とインナーブッシング73aとの連結部でスプリング座金500を固定するインナーロータナット310をさらに含む。
【0576】
図52及び
図53に示すように、スプリング座金500は、インナーブッシング73aの上面でアウターシャフト81の外周を覆う環状部材で構成される。
【0577】
インナーブッシング73aとスプリング座金500との間に平座金501が備えられてもよいが、この場合、インナーブッシング73aの締結力を向上させて振動を緩和することにより、離脱現象を防止することができる。
【0578】
以下、図
54〜図
56を参照して本発明による洗濯機に適用されるデュアルモータにおけるベアリングハウジングとステータとの組立性を向上させるための構造について詳細に説明する。
【0579】
まず、図
54を参照して本発明の組立構造について説明する。ベアリングハウジング6100は、ステータ2000のロータ軸が貫通するベアリング軸孔6140を備え、ステータ2000と同一の中心軸を有するように被せられて結合される。
【0580】
本発明は、シングルモータシステムだけでなく、デュアルモータシステムにも適用することができる。図
54は、本発明によるデュアルモータシステムにおけるベアリングハウジング6100とステータ2000との組立を示すものであり、以下では図
54を参照して説明する。
【0581】
本発明によるデュアルモータにおけるベアリングハウジングとステータとの組立性を向上させるための構造及びこの構造を適用した洗濯機は、ハウジング本体6110、ベアリング軸孔6140及びステータ結合口6130を備えたベアリングハウジング6100と、アウターティース2100、インナーティース2200、ヨーク2500及びハウジング結合口2300を備えたステータ2000と、の組立構造において、ステータ結合口6130が嵌合突起6130aを含み、ハウジング結合口2300が嵌合凹部2300aを含み、嵌合突起6130aが嵌合凹部2300aに嵌入されて組み立てられるようにする。
【0582】
ステータ2000には、ヨーク2500から軸方向に突設された環状の水遮断取付リブ2700が形成される。
【0583】
水遮断取付リブ2700の直径は、ベアリングハウジング6100の本体6110の直径と同じか又は若干大きくすることが好ましい。
【0584】
すなわち、ベアリングハウジング6100は、その本体6110が水遮断取付リブ2700の内周面に嵌入されて固定されるように組み立てられる。ここで、ベアリングハウジング6100は、ステータ結合口6130とハウジング結合口2300との位置を合わせてステータ2000に嵌められる。
【0585】
上記位置合わせのために、ステータ結合口6130の嵌合突起6130aは、ハウジング結合口2300の嵌合凹部2300aに嵌入される。
【0586】
ベアリングハウジング6100のステータ結合口6130には、嵌合凹部の代わりに、嵌合突起6130aが形成されている。嵌合突起6130aは、ベアリングハウジング2000から一体に突設されるので、剛性の高い金属部材で形成されなければならない。
【0587】
ステータ2000は、インナーロータ及びアウターロータを含むデュアルモータに適用されるステータである。
【0588】
ステータ2000の外周には、半径方向に突設されたアウターティース2100が形成される。図示していないが、アウターティース2100の外周にはアウターロータが離隔して取り付けられ、磁力により回転する。
【0589】
ステータ2000の内周には、中心軸方向に突設されたインナーティース2200が形成される。図示していないが、インナーティース2200の内周にはインナーロータが離隔して取り付けられ、磁力により回転する。
【0590】
図
54に示すように、ベアリングハウジング6100がステータ2000に結合される場合、ステータ2000のヨーク2500に固定されて結合されるので、上記インナーロータを完全に覆うことになる。
【0591】
上記インナーロータから発生する熱は外部への放出が難しいので、高温によりインナーティース2200に巻回されたコイルが破損したり、動作しなくなることがある。
【0592】
よって、本発明の一実施形態においては、図
54及び図
56に示すように、ステータ2000がヨーク2500から突出したスペーサ2510を含み、ステータ2000がベアリングハウジング6100と離隔して結合されるようにする。
【0593】
上記インナーロータから発生する熱は、ベアリングハウジング6100とステータ2000のヨーク2500との間の空間で循環し、過熱することなく外部に放出される。
【0594】
スペーサ2510は、ヨーク2500において所定の間隔で複数形成されることにより、ベアリングハウジング6100をステータ2000の内部に形成されたインナーロータから十分に離隔させる。
【0595】
以下、図
55及び図
56を参照してステータ結合口6130及びハウジング結合口2300の形状及び構造とこれらの結合を説明する。
【0596】
ステータ結合口6130及びハウジング結合口2300は、ベアリングハウジング6100とステータ2000とが組み立てられる際に互いに連通するように形成される結合孔6130b、2300bをそれぞれ含む。
【0597】
嵌合突起6130aが嵌合凹部2300aに嵌入されて固定結合された状態で、ベアリングハウジング6100とステータ2000とは、結合孔6130b、2300bを介して螺合されて組み立てられる。
【0598】
前述したように、ベアリングハウジング6100とステータ2000とは、水遮断取付リブ2700にベアリングハウジング6100の本体6110が嵌入されて固定されるように組み立てられるが、結合孔6130b、2300bが互いに連通するように整列することが難しい。
【0599】
よって、嵌合突起6130aと嵌合凹部2300aとを嵌合することにより、位置決めを可能にする。
【0600】
従来、ステータ2000に嵌合突起を形成し、ベアリングハウジング6100に嵌合凹部を形成することにより、位置決めを可能にしていたが、ステータ2000の嵌合突起がプラスチックからなる場合、上記嵌合突起が折れたり曲がったりするなど破損し、ベアリングハウジング6100の結合孔6130bとステータ2000の結合孔2300bとが連通するように整列することが難しい。
【0601】
よって、本発明においては、剛性の高い金属材料からなるベアリングハウジング6100に嵌合突起6130bを形成し、プラスチック材料からなるステータ2000に嵌合凹部2300bを形成することにより、上記嵌合突起の破損による組立工程の難しさを解消した。
【0602】
本発明のさらに他の実施形態によれば、ステータ結合口6130は、図
55及び図
56に示すように、ベアリングハウジング6100の本体6110から軸方向に所定高さH突設される。ステータ結合口6130は、前述したスペーサ2510と同様に、上記ベアリングハウジングと上記ステータのインナーロータとの間隔を離隔させ、上記インナーロータから発生する熱を循環させて放熱する機能を有し、放熱効果を向上させる。
【0603】
本発明において、ハウジング結合口2300は、ステータ2000のヨーク2500から軸方向に所定高さH2突設されてもよい。
【0604】
ステータ結合口6130及びハウジング結合口2300のどちらも所定高さH1、H2突設されるようにすることにより、ベアリングハウジング6100と上記インナーロータとの離隔空間を十分に確保することが好ましい。
【0605】
ハウジング結合口2300は、より強い剛性を有するように、水遮断取付リブ2700と一体に形成される。これにより、ハウジング結合口2300とステータ結合口6130との整列が容易になる。
【0606】
水遮断取付リブ2700は、本発明によるデュアルモータが洗濯機に適用された場合、洗濯機の水が内部の上記インナーロータ側に流入することを防止すると共に、ベアリングハウジング6100とステータ2000との結合を容易にする。
【0607】
本発明のさらに他の実施形態においては、前述した実施形態のようにインナーロータ73とステータ71とが上記ベアリングハウジングにより結合されて組み立てられるのではなく、インナーロータ73が独立してアウターシャフト81に組み立てられるようにする方法を提示する。
【0608】
図1、
図4及び
図5を参照すると、インナーロータ73は、独立してアウターシャフト81に嵌められて組み立てられるが、この場合、磁性部品を含むインナーロータ73により嵌合工程が困難なことがある。
【0609】
本発明においては、アウターシャフト81の端部から延びる組立補助治具をさらに含むことにより、インナーロータの組立をガイドする機能を行わせる。インナーロータ73が嵌合されるアウターシャフト81は、剛性の高い金属材料からなる磁性体で形成されるので、上記組立補助治具は、磁性部品の影響を受けない非磁性体で形成し、アウターシャフト81から十分に延びるようにすることが好ましい。
【0610】
以下、本発明による洗濯機をデュアルドラムにより3Dモーション方式で運転する方法及びその制御方法について詳細に説明する。
【0611】
図
58は、本発明による洗濯機の運転方法又は洗濯方法を示す図である。図
58を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機の運転方法は、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階(S100)と、すすぎ水を供給してすすぎ行程を行うすすぎ段階(S200)と、すすぎ水を排水して脱水行程を行う脱水段階(S300)と、上記脱水行程後に、上記メインドラム及び上記サブドラムの内部から洗濯対象物を分離してほぐす洗濯物整理段階(S400)と、を含む。
【0612】
洗濯段階(S100)は、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う段階である。当該段階において、洗濯対象物は、メインドラム及びサブドラムの回転により流動して洗濯される。
【0613】
特に、洗濯段階(S100)は、立体洗濯過程及び一般洗濯過程を含んでもよい。上記立体洗濯過程においては、洗濯対象物が上記メインドラム及び上記サブドラムの回転により円周方向に流動し、かつ上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により上記メインドラムと上記サブドラムとの境界面で回転して軸方向に流動する。
【0614】
これにより、洗濯対象物は、
図10に矢印で示すように、概して捩れた帯状の流動を示す。これは、洗濯対象物が回転すると共に円周方向の流動と重力による落下が行われて生じる流動形態である。
【0615】
一般洗濯過程(S120)は、上記メインドラム及び上記サブドラムの回転により上記洗濯対象物を円周方向に流動させる過程であり、前述した立体洗濯過程とは異なり、上記メインドラムと上記サブドラムとを相対運動させるのではなく一体に回転させる場合である。
【0616】
上記洗濯段階(S100)においては、上記立体洗濯過程と上記一般洗濯過程とが交互に行われるようにしてもよい。より具体的には、上記立体洗濯過程と上記一般洗濯過程とが順次行われるようにしてもよく、逆の順序で行われるようにしてもよい。また、複数回の立体洗濯過程の間に一般洗濯過程が行われるようにしてもよく、逆の場合も可能である。
【0617】
すすぎ段階(S200)は、すすぎ水を供給して洗濯対象物に残留する洗剤などを除去する段階であり、脱水段階(S300)は、ドラムの回転による遠心力によりすすぎ水を排水して洗濯対象物を脱水する段階である。
【0618】
洗濯物整理段階(S400)は、上記メインドラム及び上記サブドラムの内部面から洗濯対象物を分離してほぐす段階である。洗濯物整理段階(S400)は、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により上記洗濯対象物が上記メインドラム及び上記サブドラムの内部面から分離される洗濯物分離過程(S410)と、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により上記洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向の流動が行われてほぐされるほぐし過程(S420)と、を含む。
【0619】
洗濯物分離過程(S410)は、脱水が終了した後、上記洗濯対象物の立体流動を発生させ、上記ドラムの内周面から上記洗濯対象物を分離する過程である。
【0620】
ほぐし過程(S420)は、上記ドラムの内周面から分離された洗濯対象物に立体流動を所定時間発生させ、上記洗濯対象物の絡みをほぐす過程である。脱水時は遠心力により水を除去しなければならないので上記メインドラムと上記サブドラムとを一体に回転させなければならないが、これにより上記洗濯対象物に絡みが多く発生することから、その絡みをほぐす過程が必要である。上記洗濯物分離過程と上記ほぐし過程とは連続して行われるようにしてもよく、上記洗濯物分離過程が行われた後に一時停止して上記ほぐし過程が行われるようにしてもよい。
【0621】
上記洗濯物分離過程及び上記ほぐし過程は長時間行う必要はない。上記洗濯対象物が上記ドラムの内周面から分離される程度の時間とその分離された洗濯対象物の絡みがほぐされる程度の時間とだけ行えば十分である。これは、2つのドラムの相対運動が長時間発生するように洗濯機を駆動すると、脱水された洗濯対象物に損傷が発生するからである。
【0622】
一方、上記洗濯機が乾燥兼用洗濯機の場合、洗濯物整理段階(S400)を行った後、洗濯対象物を乾燥させる乾燥段階(S500)をさらに含んでもよい。
【0623】
上記構成においては、洗濯機の脱水終了後に洗濯対象物にシワが発生しないように、上記洗濯対象物に立体流動を与えることにより、上記洗濯対象物を上記ドラムから分離して絡みをほぐす。また、乾燥兼用洗濯機においては、乾燥段階を行う前に洗濯対象物を整理することにより、乾燥時に発生するシワなどを防止する。
【0624】
上記洗濯機の運転方法は、乾燥段階(S500)を行った後、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により上記洗濯対象物が外部に吐出される洗濯物自動取出段階(S600)をさらに含んでもよい。
【0625】
洗濯物自動取出段階(S600)は、洗濯機のドア21を開放した後にのみ行われる。図
57は、上記洗濯物自動取出段階による洗濯対象物の流動を示す図である。図
57を参照すると、洗濯機本体10の前面に備えられたドア21が開放されると、上記メインドラムと上記サブドラムとの相対運動により洗濯対象物が外部(矢印G方向)に吐出される。これは、
図10に示すように上記メインドラムと上記サブドラムとの相対回転により上記洗濯対象物が軸方向に流動するので、上記サブドラムの回転速度を速くすると、上記洗濯対象物が上記ドラムの外部に吐出される程度の流動を発生させることができるからである。
【0626】
上記構成においては、洗濯機の動作が終了した後にメインドラムとサブドラムとの相対運動により洗濯対象物が外部に簡便に自動的に取り出されるようにし、ユーザにとっての利便性を向上させる。
【0627】
本発明の実施形態による洗濯機の運転方法は、脱水段階を行った後、上記洗濯対象物が上記メインドラム及び上記サブドラムの内部面から分離されるように、上記駆動モータが上記メインドラムと上記サブドラムとを相対運動させる洗濯物分離段階(S410)と、上記洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向の流動によりほぐされるように、上記駆動モータが上記メインドラム及び上記サブドラムを相対運動させる洗濯物ほぐし段階(S420)と、を含む。また、上記洗濯機の運転方法は、上記洗濯機のドアを開放した後、上記洗濯対象物が上記ドアの外部に吐出されるように、上記駆動モータが上記メインドラムと上記サブドラムとを相対運動させる洗濯物自動取出段階(S600)をさらに含んでもよい。
【0628】
上記洗濯物分離段階、上記洗濯物ほぐし段階及び上記洗濯物自動取出段階は、前述した洗濯機の運転方法を駆動モータを中心に記述したものであるので、重複する説明は省略する。
【0629】
図
59は、上記洗濯機の制御方法を示す図である。図
59を参照すると、駆動モータ70は、アウターロータ72とインナーロータ73とを独立して回転させることにより、メインドラム50とサブドラム60とを相対回転させることができる。このような駆動モータによる制御は、洗濯機に備えられるコントローラ110により行われるようにしてもよい。コントローラ110は、各段階に応じて予め設定された信号を上記駆動モータに送ることにより、上記駆動モータの動作を制御する。
【0630】
上記駆動モータにより発生する上記メインドラムと上記サブドラムとの様々な相対運動を図
60に示す。上記駆動モータは、上記サブドラムと上記メインドラムとを反対方向に回転させることができる。上記サブドラムの回転速度は上記メインドラムの回転速度より速くなるように制御することが好ましい。この相対運動を図
60aに示す。すなわち、図
60aにおいて、メインドラム50は時計方向(矢印E)に回転し、サブドラム60は反時計方向(矢印F)に回転する。つまり、メインドラム50とサブドラム60とは反対方向に回転し、かつ上記サブドラムの回転速度(矢印Fの大きさ)は上記メインドラムの回転速度(矢印Eの大きさ)より速い。
【0631】
上記駆動モータは、上記サブドラムと上記メインドラムとを同一方向に回転させるが異なる回転速度で回転させることができる。上記サブドラムの回転速度は上記メインドラムの回転速度より速くなるように制御することが好ましい。この相対運動を図
60bに示す。すなわち、図
60bにおいて、メインドラム50は反時計方向(矢印E)に回転し、サブドラム60は反時計方向(矢印F)に回転する。つまり、メインドラム50とサブドラム60とは同一方向に回転し、かつ上記サブドラムの回転速度(矢印Fの大きさ)は上記メインドラムの回転速度(矢印Eの大きさ)より速い。
【0632】
上記駆動モータは、上記サブドラムのみを回転させることもできる。この相対運動を図
60cに示す。すなわち、図
60cにおいて、メインドラム50は回転するのではなく固定されており、サブドラム60は反時計方向(矢印F)に回転する。
【0633】
上記構成においては、駆動モータを制御してメインドラム及びサブドラムの様々な相対運動を発生させることにより、ドラム内の洗濯対象物の立体流動を可能にする。
【0634】
上記構成においては、駆動モータによりドラムを制御して洗濯対象物の立体流動を発生させることにより、洗濯対象物のシワを防止し、自動的に取り出されるようにする。
【0635】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明による洗濯機の運転方法における洗濯段階をより区分して行う。
【0636】
洗濯機の運転方法は
図8を参照して説明した。図
61を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機の運転方法は、洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階(S100)と、すすぎ水を供給してすすぎ行程を行うすすぎ段階(S200)と、すすぎ水を排水して脱水行程を行う脱水段階(S300)と、を含み、洗濯段階(S100)は、上記メインドラムと上記サブドラムとの独立した相対運動により、洗濯対象物を回転させて円周方向及び軸方向に流動させる立体洗濯過程(S110)を含む。
【0637】
前述したように、洗濯段階(S100)は、立体洗濯過程(S110)及び一般洗濯過程(120)を含む。
【0638】
上記洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階において、上記駆動モータは、洗濯対象物を回転させながら円周方向及び軸方向に流動させるために、上記メインドラムと上記サブドラムとが相対運動するように制御する。
【0639】
図
62は、本発明の他の実施形態による洗濯機の制御方法を示す図である。図
62の実施形態においては、布量によって異なる洗濯過程が行われるようにする。
【0640】
より具体的には、上記駆動モータは、上記洗濯水及び洗剤を供給して洗濯行程を行う洗濯段階で測定された布量によって、上記洗濯対象物が回転して円周方向及び軸方向に流動するように、上記メインドラムと上記サブドラムとを相対回転させるか、又は上記洗濯対象物が円周方向にのみ流動するように、上記メインドラムと上記サブドラムとを一体に回転させる。
【0641】
図
62の実施形態は前述した立体流動が可能な洗濯機に適用されるが、予め布量Mを測定(S150)しなければならない。上記測定は、洗濯初期に上記ドラムを回転させて上記ドラムで測定された負荷を基準とするものであってもよい。また、上記測定は、別個のロードセンサにより行ってもよい。
【0642】
上記測定された布量によって異なる洗濯過程が行われる(S160)。上記洗濯過程は、駆動モータ70の最大負荷(Mmax)に基づいて行われる。
【0643】
より具体的には、上記駆動モータは、上記布量が上記駆動モータの最大負荷の1/3以下の場合、上記サブドラムと上記メインドラムとを互いに反対方向に回転させる(S171)。
【0644】
上記駆動モータは、上記布量が上記駆動モータの最大負荷の1/3を超えて2/3以下の場合、上記サブドラムと上記メインドラムとを同一方向に回転させるが、異なる回転速度で回転させる(S172)。
【0645】
上記駆動モータは、上記布量が上記駆動モータの最大負荷の2/3を超える場合、上記メインドラムと上記サブドラムとを同一方向に一体に回転させる(S173)。
【0646】
上記構成においては、布量によって、洗濯対象物に立体流動を与えるか又は一般的な平面流動を与えることにより、駆動モータに過負荷がかからないようにし、最適な洗濯性能を発揮するようにする。
【0647】
以下、上記メインドラム及び上記サブドラムの回転数を変化させて洗濯機を運転する方法を詳細に説明する。
【0648】
図
63を参照すると、制御ユニット100は、駆動モータ70のインナー巻線部及びアウター巻線部に供給される電流をそれぞれ制御することができる。そうすると、上記インナーロータと上記アウターロータとの独立した回転が可能になる。これにより、
図5のように、メインドラム50とサブドラム60とは1つの駆動モータ70により独立した回転が可能になる。
【0649】
図1及び図
63を参照すると、制御ユニット100は、コントロールパネル30内に設けられてもよく、洗濯機内の一側に別個に備えられるコンテナ内に設けられてもよい。制御ユニット100は、通常少なくとも1つのPCBとして実現される。
【0650】
上記洗濯機は、駆動プログラム、洗濯、乾燥、脱水などの行程に関する情報などを記憶する記憶ユニット400をさらに含む。上記洗濯機は、コントロールパネル30に配置された各種操作ボタンを含む入力ユニット500をさらに含む。また、上記洗濯機は、時刻、温度、状態、エラーなどを表示する出力ユニット600をさらに含んでもよい。
【0651】
制御ユニット100は、アウターロータ72及びインナーロータ73の目標回転数より小さい同一の起動回転数でアウターロータ72及びインナーロータ73を起動する。上記目標回転数は、布量及び流動方式によって異なり、これらにより上記アウターロータ及び上記インナーロータの目標回転数がそれぞれ設定される。上記起動回転数は、上記インナーロータの目標回転数であってもよい。
【0652】
図
64を参照すると、一例として、上記洗濯機の駆動モータは、上記インナーロータの目標回転数で起動する。その後所定時間経過すると、アウターロータ72は、予め設定された目標回転数まで速度が増加して回転する。これに対して、インナーロータ73は、最初の起動回転数を維持して回転する。ここで、上記起動回転数は、上記インナーロータの目標回転数ではない値に設定してもよい。上記アウターロータ及び上記インナーロータを起動すると同時に異なる目標回転数で回転させた場合、上記駆動モータには過電流が供給される。
【0653】
図
64に示すように高回転数に設定されたアウターロータに過電流が供給されると、モータの発熱量が大きくなる。これに対して、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転数を同一にして上記駆動モータを起動する場合、相対的にモータ負荷が小さくなり、発熱量が小さくなり、過電流による起動失敗の問題を解決することができる。
【0654】
図
63をさらに参照すると、他の実施形態による洗濯機は、駆動モータ70のアウターロータ72及びインナーロータ73をそれぞれ駆動する制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、入力ユニット500、出力ユニット600、布量検出ユニット200及び温度検出ユニット300に接続される。
【0655】
制御ユニット100は、駆動モータ70の起動時、アウターロータ72及びインナーロータ73のうちトルクの大きいロータから順次駆動する。上記洗濯機の構成のうち前述した一実施形態と同一の構成については説明を省略する。
【0656】
図
65は、起動(再起動を含む)後のアウターロータ及びインナーロータの温度変化を示すグラフである。図
65を参照すると、時間の経過と共にインナーロータ73の温度はアウターロータ72の温度より高くなる。これは、インナーロータ73の起動はアウターロータ72の起動より速いため、インナーロータ73に多くの電流が供給されるからである。
【0657】
上記アウターロータ及び上記インナーロータを起動すると同時に様々な流動のために異なる値に設定された目標回転数で回転させた場合、上記駆動モータには過電流が供給される。特に、トルクが相対的に小さいロータに過電流が供給され、モータの発熱量が大きくなる。制御ユニット100は、アウターロータ72のトルクとインナーロータ73のトルクとを比較し、トルクの大きい上記ロータを先に起動する。例えば、インナーロータ73のトルクが大きい場合、制御ユニット100は、上記インナーロータを先に起動することにより、トルクが小さい方の負荷を減少させ、過度な発熱を低減することができる。上記アウターロータ及び上記インナーロータは、立体流動のために異なるトルクを有する。
【0658】
図
63を参照すると、前述した実施形態による洗濯機は、布量を検出する布量検出ユニット200をさらに含む。制御ユニット100は、駆動モータ70の起動後所定時間経過すると、上記布量によって上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向又は回転数をそれぞれ制御する。
【0659】
一例として、制御ユニット100は、上記布量が所定の基準布量以下であれば、上記駆動モータのトルクが十分であるので、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を反対方向にして駆動し、上記メインドラム及び上記サブドラムを回転させる。こうすることにより、上記洗濯機は、洗濯対象物を立体的に流動させ、洗濯時間を短縮する。ここで、上記基準布量は、4Kg、6Kgなどに設定される。
【0660】
一方、制御ユニット100は、上記布量が上記基準布量より多ければ、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を同一方向にし、かつ異なる回転数を用いて、上記駆動モータを駆動する。つまり、上記洗濯機は、異なる回転数を用いた相対運動により上記メインドラム及び上記サブドラムを回転させ、洗濯対象物の流動の向上を図る。さらに、制御ユニット100は、上記布量が上記基準布量より多い場合、上記布量の増加に応じて上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転数を減少させることにより、上記駆動モータの発熱量を低減することができる。
【0661】
他の例として、制御ユニット100は、上記布量が所定の第1基準布量以下であれば、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を反対方向にし、上記布量が上記第1基準布量より多く第2基準布量以上であれば、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を同一方向にし、上記駆動モータを駆動するようにしてもよい。ここで、上記第1基準布量及び上記第2基準布量は、実験などにより予め設定されるが、4Kg、6Kg、8Kgなどに設定される。
【0662】
制御ユニット100は、上記布量によって回転方向、回転数を変化させることにより洗濯対象物の立体流動を可能にすると共に、上記駆動モータの発熱量又はトルクを考慮して上記駆動モータを駆動することにより洗濯機の安定性を向上させる。例えば、制御ユニット100は、上記布量が上記第1基準布量より多く上記第2基準布量より少なければ、上記駆動モータの発熱量又はトルクによって上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向又は回転数を制御するようにしてもよい。
【0663】
制御ユニット100は、上記布量が上記第1基準布量より多く上記第2基準布量より少ない場合、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を反対方向に維持し、上記布量の増加に応じて上記アウターロータと上記インナーロータとの相対速度を減少させる。これにより、上記駆動モータの発熱量を低減することができる。制御ユニット100は、上記布量が上記第2基準布量以上であれば、上記布量の増加に応じて上記アウターロータと上記インナーロータとの相対速度を減少させる。
【0664】
前述した実施形態による洗濯機は、上記アウターロータ又は上記インナーロータに備えられて温度を検出する温度検出ユニット300をさらに含んでもよい。すなわち、上記洗濯機は、上記駆動モータにサーミスタなどの温度検出ユニットを備え、制御ユニット100は、上記駆動モータの検出温度と所定の基準温度とを比較する。制御ユニット100は、上記検出温度が所定の基準温度以上であれば、上記アウターロータ又は上記インナーロータの回転方向もしくは回転数を変更する。例えば、制御ユニット100は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転数を同一にして立体流動を低減するか又は修正することにより、温度を下げることができる。
【0665】
図
66を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機の制御方法は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの目標回転数より小さい同一の起動回転数で上記駆動モータを起動する段階(S130)と、上記駆動モータの起動後所定時間経過すると、上記各目標回転数で上記アウターロータ及び上記インナーロータをそれぞれ駆動する段階(S150)と、を含む。
【0666】
上記洗濯機は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの目標回転数より小さい同一起動回転数で上記アウターロータ及び上記インナーロータを起動する(S130)。上記目標回転数は、布量及び流動方式によって異なり、これにより上記アウターロータ及び上記インナーロータの目標回転数がそれぞれ設定される(S120)。例えば、ユーザなどが洗濯機に洗濯対象物を投入して運転命令を入力すると(S10)、上記洗濯機は、上記布量を検出し(S110)、上記検出された布量によって目標回転数を算出する(S120)。ここで、上記起動回転数は、上記インナーロータの目標回転数であってもよい。
【0667】
図
64を参照すると、一例として、上記洗濯機の駆動モータは、上記インナーロータの目標回転数で起動する(S130)。その後所定時間経過すると(S140)、上記アウターロータは、予め設定された目標回転数に速度を増加して回転する(S150)。これに対して、上記インナーロータは、最初の起動回転数を維持して回転する。ここで、上記起動回転数は、上記インナーロータの目標回転数ではない値に設定してもよい。上記アウターロータ及び上記インナーロータを起動すると同時に異なる目標回転数で回転させた場合、上記駆動モータには過電流が供給される。図
64に示すように高回転数に設定されたアウターロータに過電流が供給されると、モータの発熱量が大きくなる。これに対して、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転数を同一にして上記駆動モータを起動する場合、相対的にモータ負荷が小さくなり、発熱量が小さくなり、過電流による起動失敗の問題を解決することができる。
【0668】
図
67を参照すると、本発明の他の実施形態による洗濯機の制御方法は、上記アウターロータのトルクと上記インナーロータのトルクとを比較する段階(S220)と、上記比較の結果、トルクの大きい上記ロータから順次起動する段階(S230)と、上記駆動モータの起動後所定時間経過すると、上記アウターロータ及び上記インナーロータの各目標回転数で上記アウターロータ及び上記インナーロータをそれぞれ駆動する段階(S240)と、を含む。
【0669】
図
65は、起動(再起動を含む)後のアウターロータ及びインナーロータの温度変化を示すグラフである。図
65を参照すると、時間の経過と共に上記インナーロータの温度は上記アウターロータの温度より高くなる。また、大きく上昇することが分かる。これは、上記インナーロータの起動は上記アウターロータの起動より速いため、上記インナーロータに多くの電流が供給されるからである。
【0670】
上記アウターロータ及び上記インナーロータを起動すると同時に様々な流動のために異なる値に設定された目標回転数で回転させた場合、上記駆動モータには過電流が供給される。特に、トルクが相対的に小さいロータに過電流が供給され、モータの発熱量が大きくなる。上記洗濯機は、上記アウターロータのトルクと上記インナーロータのトルクとを比較し(S220)、トルクの大きい上記ロータを先に起動する(S230)。例えば、上記インナーロータのトルクが大きい場合、上記洗濯機は、上記インナーロータを起動してから上記アウターロータを起動することにより(S233、S234)、トルクが小さい方の負荷を減少させ、過度な発熱を低減することができる。逆に、上記アウターロータのトルクが大きい場合は、上記アウターロータ、上記インナーロータの順に起動する(S231、S232)。上記アウターロータ及び上記インナーロータは、立体流動のために異なるトルクを有する。次に、上記洗濯機は、検出された布量によって目標回転数及び回転方向を設定し、上記駆動モータを駆動する(S240)。
【0671】
前述した実施形態による洗濯機は、上記駆動モータの起動後所定時間経過すると、上記布量によって上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向又は回転数をそれぞれ制御する。
【0672】
例えば、上記洗濯機は、上記布量が所定の基準布量以下であれば、上記駆動モータのトルクが十分であるので、上記アウターロータと上記インナーロータとの回転方向を反対方向にして駆動し、上記メインドラム及び上記サブドラムを回転させる。こうすることにより、上記洗濯機は、洗濯対象物を立体的に流動させ、洗濯時間を短縮する。ここで、上記基準布量は、4Kg、6Kgなどに設定されてもよい。一方、上記布量が上記基準布量より多ければ、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を同一方向にし、かつ異なる回転数を用いて駆動する。つまり、上記洗濯機は、異なる回転数を用いた相対運動により上記メインドラム及び上記サブドラムを回転させ、洗濯対象物の流動の向上を図る。さらに、上記洗濯機は、上記布量が上記基準布量より多い場合、上記布量の増加に応じて上記アウターロータと上記インナーロータの回転数を減少させることにより、上記駆動モータの発熱量を低減することができる。
【0673】
図
68を参照すると、他の例として、上記布量が所定の第1基準布量以下であれば(S310)、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を反対方向にし(S320)、上記布量が上記第1基準布量より多く第2基準布量以上であれば(S330)、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を同一方向にする(S340)。ここで、上記第1基準布量及び上記第2基準布量は、実験などにより予め設定されるが、4Kg、6Kg、8Kgなどに設定されてもよい。
【0674】
上記洗濯機は、上記布量によって回転方向、回転数を変化させることにより洗濯対象物の立体流動を可能にすると共に、上記駆動モータの発熱量又はトルクを考慮して上記駆動モータを駆動することにより洗濯機の安定性を向上させる。例えば、上記洗濯機は、上記布量が上記第1基準布量より多く上記第2基準布量より少なければ、上記駆動モータの発熱量又はトルクによって上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向又は回転数を制御する(S350)。上記洗濯機は、上記布量が上記第1基準布量より多く上記第2基準布量より少ない場合、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転方向を反対方向に維持し(S372)、上記布量の増加に応じて上記アウターロータと上記インナーロータとの相対速度を減少させる(S373)。これにより、上記駆動モータの発熱量を低減することができる。上記洗濯機は、上記布量が上記第2基準布量以上であれば(S361)、上記布量の増加に応じて上記アウターロータと上記インナーロータとの相対速度を減少させる(S362)。
【0675】
前述した実施形態による洗濯機は、上記アウターロータ又は上記インナーロータの温度を検出するように構成されてもよい。すなわち、図
69を参照すると、上記洗濯機は、上記駆動モータにサーミスタなどの温度検出ユニットを備えて上記駆動モータの温度を検出し(S410)、上記検出温度と所定の基準温度とを比較する(S421、S431)。上記洗濯機は、上記検出温度が所定の基準温度以上であれば、上記アウターロータ又は上記インナーロータの回転方向もしくは回転数を変更する(S422、S432)。例えば、上記洗濯機は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの回転数を同一にして立体流動を低減するか又は修正することにより、温度を下げることができる。これに対して、上記検出温度が上記基準温度より低ければ、上記洗濯機は、現在の状態をそのまま維持する(S440)。
【0676】
本発明のさらに他の実施形態によれば、
図63に示すように、制御ユニット100は、インナーロータ73及びアウターロータ72をそれぞれ駆動して所定の回転数に達するようにし、インナーロータ73及びアウターロータ72に制動命令を生成する。次に、制御ユニット100は、上記インナーロータ及び上記アウターロータが停止するまでの制動時間に基づいてメインドラム50の第1布量及びサブドラム60の第2布量を検出する。ここで、上記所定の回転数は、上記インナーロータと上記アウターロータとで異なる値に設定されてもよく、同じ値(例えば、150RPM、160RPMなど)に設定されてもよい。上記第1布量及び上記第2布量が上記制動時間に基づいて検出される場合を説明したが、上記第1布量及び上記第2布量は回転によるパルス数に基づいて検出されるようにしてもよい。
【0677】
制御ユニット100は、上記アウターロータと上記インナーロータとを異なる方式で制動してもよく同じ方式で制動してもよい。すなわち、制御ユニット100は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの制動を、両方とも発電制動(generated power braking)にしてもよく、両方とも余力制動(redundant power braking)にしてもよく、一方は発電制動にして他方は余力制動にしてもよい。発電制動及び余力制動に必要な構成、例えば抵抗や回路接続などについての説明は省略する。
【0678】
上記洗濯機は、上記インナーロータに流れる第1電流及び上記アウターロータに流れる第2電流を検出する電流検出ユニット200をさらに含む。上記洗濯機は、上記第1布量、上記第2布量、上記第1布量及び上記第2布量に基づいて決定される最終的布量のいずれかを表示する出力ユニット300をさらに含む。
【0679】
上記洗濯機は、当該洗濯機の駆動プログラム、洗濯、乾燥、脱水などの行程に関する情報などを記憶する記憶ユニット400をさらに含む。上記洗濯機は、コントロールパネル30に配置された各種操作ボタンを含む入力ユニット500をさらに含む。出力ユニット300は、時刻、温度、状態、エラーなどを表示してもよい。
【0680】
図70は、アウターロータ72及びインナーロータ73をどちらも発電制動する場合における各ロータの回転数の変化を示すグラフである。
【0681】
図71は、
図70のインナーロータ及びアウターロータに流れる電流を示すグラフである。
【0682】
図70を参照すると、制御ユニット100は、上記インナーロータ及び上記アウターロータをそれぞれ起動し、所定の回転数、例えば160RPMまで回転速度を増加させる。次に、制御ユニット100は、上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令を生成し、この生成した制動命令を上記インナーロータ及び上記アウターロータに出力する。上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令は、インナーロータ73及びアウターロータ72に同時に出力されることが好ましい。これは、制動による布量の変化を最小限に抑えるためである。上記インナーロータ及び上記アウターロータをどちらも発電制動する場合、
図70に示すように、一般的に上記アウターロータ(RPM2)は上記インナーロータ(RPM1)より先に制動される。
図71を参照すると、インナーロータ73に流れる電流I1はアウターロータ72に流れる電流I2より大きく、制動命令に従って停止するまでの制動時間も上記インナーロータの制動時間T1は上記アウターロータの制動時間T2より長いことが分かる。
【0683】
図72は、アウターロータ72を余力制動しインナーロータ73を発電制動する場合における各ロータの回転数の変化を示すグラフである。
図73は、
図72のインナーロータ及びアウターロータに流れる電流を示すグラフである。
【0684】
図72を参照すると、制御ユニット100は、上記インナーロータ及び上記アウターロータをそれぞれ起動し、所定の回転数、例えば160RPMまで回転速度を増加させる。次に、制御ユニット100は、上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令を生成し、この生成した制動命令を上記インナーロータ及び上記アウターロータに出力する。上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令は、インナーロータ73及びアウターロータ72に同時に出力されることが好ましい。これは、制動による布量の変化を最小限に抑えるためである。インナーロータ73を発電制動しアウターロータ72を余力制動する場合、
図72に示すように、上記インナーロータ(RPM1)は上記アウターロータ(RPM2)より先に制動される。
図70とは異なり、上記アウターロータが停止するまでの回転数は、余力制動の場合の方が発電制動の場合より大きい(RPM2>RPM2)。
図73を参照すると、発電制動されるインナーロータ73に流れる電流I1は余力制動されるアウターロータ72に流れる電流I2より大きいことが分かる。すなわち、発電制動されるインナーロータは、瞬間的に大きな電流が流れ、停止するまでの制動時間T1が余力制動の場合より短い。これに対して、余力制動されるアウターロータは、制動命令が出力されると直ちに電流が0となるが、
図72及び
図73に示すように、停止するまでの制動時間T2が発電制動の場合より長い。
【0685】
以下、
図1及び
図74を参照して本発明のさらに他の実施形態による洗濯機について説明する。本発明のさらに他の実施形態による洗濯機は、外観を形成する本体10と、本体10の内部に備えられるタブ40と、タブ40の内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラム50と、メインドラム50と相対回転可能にメインドラム50の内部に取り付けられるサブドラム60と、ステータ71、サブドラム60に連結されてステータ71の外側で回転するアウターロータ72、及びメインドラム50に連結されてステータ71の内側で回転するインナーロータ73を含む駆動モータ70と、アウターロータ72及びインナーロータ73を駆動する制御ユニット100と、を含む。
【0686】
制御ユニット100は、インナーロータ73を駆動し、上記インナーロータの制動時間に基づいて上記第1布量を検出するマスタ制御部110と、マスタ制御部110に連結され、アウターロータ72を駆動し、上記アウターロータの制動時間に基づいて上記第2布量を検出するスレーブ制御部120と、を含む。
【0687】
マスタ制御部110は、アウターロータ72に対する制動命令を生成してスレーブ制御部120に伝送し、次いで所定時間経過後にインナーロータ73に対する制動命令を生成する。ここで、上記所定時間は、上記マスタ制御部と上記スレーブ制御部との間の通信速度、すなわち通信遅延により決定される。例えば、上記所定時間は50msなどに決定されてもよい。上記マスタ制御部と上記スレーブ制御部とは、異なるマイコンなどから構成される。上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部は、上記制動命令を上記インナーロータ及び上記アウターロータに同時に出力する。
【0688】
上記制動命令を出力した後、マスタ制御部110は、インナーロータ73により駆動されるメインドラム50の第1布量を検出し、スレーブ制御部120は、アウターロータ72により駆動されるサブドラム60の第2布量を検出する。ここで、上記マスタ制御部は、上記インナーロータが停止するまでの制動時間及び上記インナーロータの回転が停止するまでのパルス数に基づいて第1布量を検出し、上記スレーブ制御部は、上記アウターロータが停止するまでの制動時間及び上記アウターロータの回転が停止するまでのパルス数に基づいて第2布量を検出する。ここで、上記所定の回転数は、上記インナーロータと上記アウターロータとで異なる値に設定されてもよく、同じ値(例えば、150RPM、160RPMなど)に設定されてもよい。上記第1布量及び上記第2布量が上記制動時間に基づいて検出される場合を説明したが、上記第1布量及び上記第2布量は回転によるパルス数に基づいて検出されるようにしてもよい。
【0689】
制御ユニット100は、上記アウターロータと上記インナーロータとを異なる方式で制動してもよく同じ方式で制動してもよい。すなわち、制御ユニット100は、上記アウターロータ及び上記インナーロータの制動を、両方とも発電制動にしてもよく、両方とも余力制動にしてもよく、一方は発電制動にし他方は余力制動にしてもよい。
【0690】
図70〜
図73を参照すると、上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部は、それぞれ上記インナーロータ及び上記アウターロータを起動し、所定の回転数、例えば160RPMまで回転速度を増加させる。次に、上記マスタ制御部は、上記アウターロータに対する制動命令を生成し、この生成した制動命令を上記スレーブ制御部に伝送する。また、上記マスタ制御部は、上記インナーロータに対する制動命令を生成する。上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部は、上記マスタ制御部と上記スレーブ制御部との間の通信遅延を考慮して同時に上記インナーロータ及び上記アウターロータに制動命令を出力する。上記マスタ制御部は、上記インナーロータが制動命令を受け取ってから停止するまでの制動時間に基づいて第1布量を検出する。また、上記スレーブ制御部は、上記アウターロータが制動命令を受け取ってから停止するまでの制動時間に基づいて第2布量を検出し、その検出された第2布量を上記マスタ制御部に伝送する。上記マスタ制御部は、上記第1及び第2布量を用いて最終的布量を決定する。最終的布量を決定する方式としては、例えば、上記第1布量及び上記第2布量を所定の割合で加算する方式、上記第1布量又は上記第2布量を最終的布量とする方式など、様々な方式があるが、最も簡単には、上記第1布量を最終的布量とする方式を用いることができる。
図70及び
図71は、上記インナーロータ及び上記アウターロータをどちらも発電制動した後に布量を検出する場合であり、
図72及び
図73は、上記インナーロータを発電制動し上記アウターロータを余力制動した後に布量を検出する場合である。
【0691】
図75を参照すると、本発明の一実施形態による洗濯機の布量検出方法は、外観を形成する本体と、上記本体の内部に備えられるタブと、上記タブの内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラムと、上記メインドラムと相対回転可能に上記メインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、ステータ、上記サブドラムに連結されて上記ステータの外側で回転するアウターロータ、及び上記メインドラムに連結されて上記ステータの内側で回転するインナーロータを含む駆動モータと、を含む洗濯機において、上記インナーロータ及び上記アウターロータをそれぞれ駆動する段階(S110)と、上記インナーロータ及び上記アウターロータが所定の回転数に達すると(S120)、上記インナーロータ及び上記アウターロータを制動する段階(S130)と、上記インナーロータ及び上記アウターロータが停止するまでの制動時間に基づいて上記メインドラムの第1布量及び上記サブドラムの第2布量を検出する段階(S140、S150)と、を含む。上記布量検出方法は、上記第1布量、上記第2布量、並びに上記第1及び第2布量に基づいて決定された最終的布量のいずれかを表示する段階(S160)をさらに含む。
【0692】
図70を参照すると、上記洗濯機は、上記インナーロータ及び上記アウターロータをそれぞれ起動し、所定の回転数、すなわち160RPMまで回転速度を増加させる(S110、S120)。次に、上記洗濯機は、上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令を生成し、これらの生成した制動命令を上記インナーロータ及び上記アウターロータに出力する(S130)。ここで、上記洗濯機は、上記インナーロータ及び上記アウターロータに対する制動命令を上記インナーロータ及び上記アウターロータに同時に出力する。これは、制動による布量の変化を最小限に抑えるためである。
【0693】
上記インナーロータ及び上記アウターロータをどちらも発電制動する場合は、
図70に示すように、一般的に上記アウターロータ(RPM2)は上記インナーロータ(RPM1)より先に制動される。
図71を参照すると、インナーロータ73に流れる電流I1はアウターロータ72に流れる電流I2より大きく、制動命令に従って停止するまでの制動時間も上記インナーロータの制動時間T1は上記アウターロータの制動時間T2より長いことが分かる。
【0694】
上記インナーロータを発電制動し上記アウターロータを余力制動する場合は、
図72に示すように、上記インナーロータ(RPM1)は上記アウターロータ(RPM2)より先に制動される。
図70とは異なり、上記アウターロータが停止するまでの回転数は、余力制動の場合の方が発電制動の場合より大きい(RPM2>RPM2)。
図73を参照すると、発電制動されるインナーロータに流れる電流I1は余力制動されるアウターロータに流れる電流I2より大きいことが分かる。すなわち、発電制動されるインナーロータは、瞬間的に大きな電流が流れ、停止するまでの制動時間T1が余力制動の場合より短い。これに対して、余力制動されるアウターロータは、制動命令が出力されると直ちに電流が0となるが、
図72及び
図73に示すように、停止するまでの制動時間T2が発電制動の場合より長い。
【0695】
上記洗濯機は、上記制動時間T1、T2に基づいて第1布量及び第2布量を検出する(S150)。上記洗濯機は、出力ユニットにより、上記第1布量、上記第2布量、又は上記第1及び第2布量に基づいて決定された最終的布量を画面に表示する(S160)ようにしてもよい。上記洗濯機は、上記第1及び第2布量を用いて最終的布量を決定する。最終的布量を決定する方式としては、例えば、上記第1布量及び上記第2布量を所定の割合で加算する方式、上記第1布量又は上記第2布量を最終的布量とする方式など、様々な方式があるが、最も簡単には、上記第1布量を最終的布量とする方式を用いることができる。
【0696】
図76を参照すると、本発明の他の実施形態による洗濯機の布量検出方法は、外観を形成する本体と、上記本体の内部に備えられるタブと、上記タブの内部に回転可能に取り付けられて内部に洗濯対象物を収容するメインドラムと、上記メインドラムと相対回転可能に上記メインドラムの内部に取り付けられるサブドラムと、ステータ、上記サブドラムに連結されて上記ステータの外側で回転するアウターロータ、及び上記メインドラムに連結されて上記ステータの内側で回転するインナーロータを含む駆動モータと、上記インナーロータを駆動するマスタ制御部と、上記アウターロータを駆動するスレーブ制御部と、を含む洗濯機において、上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部がそれぞれ上記インナーロータ及び上記アウターロータを駆動する段階と、上記インナーロータ及び上記アウターロータが所定の回転数に達すると、上記マスタ制御部が上記インナーロータ及び上記アウターロータを制動する段階と、上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部がそれぞれ上記インナーロータ及び上記アウターロータが停止するまでの制動時間に基づいて上記メインドラムの第1布量及び上記サブドラムの第2布量を検出する段階と、を含む。
【0697】
図70〜
図73を参照すると、上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部は、それぞれ上記インナーロータ及び上記アウターロータを起動し、所定の回転数、例えば160RPMまで回転速度を増加させる(S210、S220)。次に、上記マスタ制御部は、上記アウターロータに対する制動命令を生成し、この生成した制動命令を上記スレーブ制御部に伝送する(S231、S232)。また、上記マスタ制御部は、上記インナーロータに対する制動命令を生成する(S233)。上記マスタ制御部及び上記スレーブ制御部は、上記マスタ制御部と上記スレーブ制御部との間の通信遅延を考慮して同時に上記インナーロータ及び上記アウターロータに制動命令を出力する(S234)。上記マスタ制御部は、上記インナーロータが制動命令を受け取ってから停止するまでの制動時間に基づいて第1布量を検出する(S250)。また、上記スレーブ制御部は、上記アウターロータが制動命令を受け取ってから停止するまでの制動時間に基づいて第2布量を検出し、その検出された第2布量を上記マスタ制御部に伝送する(S250)。上記マスタ制御部は、上記第1及び第2布量を用いて最終的布量を決定する。最終的布量を決定する方式としては、例えば、上記第1布量及び上記第2布量を所定の割合で加算する方式、上記第1布量又は上記第2布量を最終的布量とする方式など、様々な方式があるが、最も簡単には、上記第1布量を最終的布量とする方式を用いることができる。上記洗濯機は、出力ユニットにより、上記第1布量、上記第2布量、又は上記第1及び第2布量に基づいて決定された最終的布量を画面に表示する(S260)ようにしてもよい。以上説明したように、本発明の実施形態による洗濯機及びその布量検出方法は、独立して駆動される2つのドラムを用いて、洗濯機のドラム内での洗濯対象物の流動が立体的に様々に行われるようにする。本発明の実施形態においては、洗濯対象物の立体流動が可能になり、洗濯機の洗濯性能を向上させ、洗濯時間を短縮することができる。本発明の実施形態においては、2つのドラムの駆動によるトルク配分、洗濯対象物に作用する機械力、及び洗濯対象物の流動性を考慮して、洗濯対象物の立体流動を可能にすることにより、洗濯性能を向上させる。本発明の実施形態においては、2つのドラムと、これら2つのドラムを独立して駆動する駆動モータと、を備えた洗濯機において、各ドラムの布量を検出することにより、洗濯機の布量を精密に検出することができる。本発明の実施形態においては、2つのドラムに対して異なる布量検出方法を適用することにより、洗濯機の布量検出性能の精度をさらに向上させ、洗濯、すすぎ及び脱水行程に必要な洗濯水及び電気容量を減少させることができる。