(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
エッジ層間剥離は多層物品に対する1つの懸念である。エッジ層間剥離は層同士の分離を引き起こし得る。層間剥離は3つの入力の評価、制御、及び修正によって制御することができる。第一の入力は、可視光及び、いくつかの実施形態では、紫外線を含む、多層バリアフィルムの層同士間の界面における光への暴露である。第二の入力は水への暴露である。第三の入力は界面上の応力である。これらの3つの入力の最小化及び制御は、ASTMD 3330−「感圧テープの引き剥がし粘着力の標準試験法(Standard Test Method of Peel Adhesion of Pressure-Sensitive Tape)」に準拠して測定したときに20グラム/インチ(0.08N/cm)未満の剥離として本明細書で定義された、自発性層間剥離を低減させる。
【0014】
例えば、光起電デバイスにおける可撓性バリアフィルムの分離・層間剥離を防止する方法の開発が、光起電業界にとって特に貴重である。光起電モジュールは、電力を出力する時間が長いほど、光起電モジュールはより貴重になる。いくつかの実施形態では、本開示は可撓性バリアフィルムのバリア特性を妨げることなく、光起電モジュールの長寿命化を図ることを目的とする。
【0015】
使用される場合には、エッジ保護をバリアフィルムに適用するための、1つの例示の目下使用されているプロセスは次の通りである。バリアフィルムは接着剤(例えば、感圧接着剤)で塗布され、トップシートがそれに対して適用される。結果得られる構造体は、所望のサイズを有する断片に切断される。エッジ保護は、次いで所望のパターンで適用される。このプロセスは、時間がかかり、かつ多くの工程を必要とした。本開示の発明者らは、有意な製造の利点がエッジ保護を含むロールトゥーロールバリアフィルムを作製することによって達成できるであろうと認識した。製造工程の多くを無くすことによって、バリアフィルムの製造コストを低減でき、したがって、バリアフィルムを含む光起電モジュール全体の製造コストを低減できる。ソーラーモジュール全体のコストを低く抑えることによって、ソーラーエネルギーの発生は安上がりになり、かつエネルギー源として広く採用されることになり、地球規模的なグリーンエネルギーの採用につながり得る。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態は、フィルム及び/又はフィルムのロールを生産する方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、連続した、エッジ保護バリアフィルム及び/又はフィルムのロールを生産する方法に関する。
【0017】
図1は、本開示に係る1つの例示の方法を示す。
図2は、
図1に示された方法を用いて作製される物理的多層フィルム構成体を模式的に示す。
図1に示すように、バリアフィルム100は製造ラインに入る。第1主表面122上に第1ライナー及び第2主表面124上に第2ライナーを有する接着剤120(
図1では感圧接着剤として示す)は、その第1ライナーが工程125において除去され、かつ第1主表面122がバリアフィルム100に隣接した状態でバリアフィルム100上に定置及び/又は積層される。接着剤120の第2ライナーは工程126において除去されて接着剤120の第2主表面124を暴露する。
【0018】
次に、バリアフィルム/接着剤構成体はクロスウェブ方向に別個のセグメント130に切断され、かつバリアフィルム/接着剤構成体の一部分が除去されて(除去部分135)多層バリアフィルム100/接着剤120構成体の隣接した別個のセグメント130同士間に間隙140を形成する。いくつかの実施形態では、間隙は約3mm〜約2フィート(600mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、間隙は約15mm〜約200mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、間隙はおよそ50mmである。
【0019】
次に、バリアフィルム/接着剤構成体の除去部分135はダウンウェブ方向に保護層材料150で置き換えられ、これによって連続フィルムを再形成する。
図1に示すように、これは次の通り行うことができる。保護層材料150のセグメントが間隙140にまたがり、かつバリアフィルム100/接着剤120構成体の2つの隣接した別個のセグメント130のそれぞれに接触するか又は重なるように、保護層材料150のセグメントが、バリアフィルム100/接着剤120構成体の2つの隣接した別個のセグメント130のそれぞれの上に定置される。いくつかの実施形態では、保護層150は第1末端エッジ152及び第2末端エッジ154を有し、かつエッジ(152及び154)はバリアフィルム100/接着剤120構成体の2つの隣接した別個のセグメント130の末端エッジ156及び158に接触する及び/又は重なる。
【0020】
いくつかの実施形態では(例えば、
図1及び
図2に示したものも含む)、単一の保護層セグメント150はバリアフィルム100/接着剤120構成体の2つの隣接した別個のセグメント130のそれぞれに重なる。バリアフィルム100/接着剤120構成体の別個のセグメントと重なることによって、保護層セグメント150は連続材料のロールを形成するように巻き取ることができる材料の連続シートを形成する。保護層セグメント150はまた、バリアフィルム100/接着剤120構成体の別個のセグメント130の末端エッジ156及び158に対してエッジ保護をもたらす。
【0021】
いくつかの実施形態では、保護層150は、バリアフィルム100/接着剤120構成体と重なるところでは、該重なりは、バリアフィルム100/接着剤120構成体の各別個のセグメント130上に約1mm〜約50mmの範囲にすることができる。いくつかの実施形態では、該重なりは、バリアフィルム100/接着剤120構成体の各別個のセグメント130上に約5mm〜約20mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、該重なりはバリアフィルム100/接着剤120構成体の各別個のセグメント130上に約10mmである。
【0022】
いくつかの実施形態では、保護層150は、バリアフィルム100/接着剤120構成体の少なくとも部分に完全に重なる連続層である。このような実施形態では、保護層150は透明であってもよい。
【0023】
図1に示した最後の工程は、上述したように形成されたバリアフィルム100/接着剤120/保護層150構成体の上部に連続耐候性シート160(そのライナーは、存在していれば、除去されている)を定置すること及び/又は積層することである。その隣接したエッジが保護層150によって保護され、かつその上部表面(及びいくつかの実施形態では、サイドエッジ)が耐候性シート160によって保護される、バリア材料100の別個のセグメントを含む材料の連続シートは製造ラインから離れて、かつ販売することができるロールへ巻き取ることができる。熱ラミネーションはまた、
図2に示した保護層セグメント150を接合する際に用いられてよい。
【0024】
図1(及び
図2)に示した特定の実施形態では、耐候性シート160はそれのダウンウェブ側面164及び166に沿ってエッジ保護材料180を含むように事前に処理されている。例えば、熱ラミネーションを介した接合を含む、取り付けの追加の方法を用いることができる。
【0025】
上述した製造の利点に加えて、このプロセス及び結果得られる材料は、バリア材料の別個のセグメントをそれらの意図された最終用途のために所望のサイズに切断しておく、更に製造工程及びコストを低減するという付加的な利点を有する。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態は、バリアフィルムとして使用することができる連続多層フィルムに関する。
図2及び
図3は、本明細書に記載される方法に従って作製された連続フィルムの一部分の1つの代表的な物理的構成体を示す。
図2は、加工中の連続フィルムバリア構成体の一部分を示す模式的、分解斜視図である。
図3は、連続フィルムバリア構成体の一部分の断面図である。
【0027】
図3に示されている例示の構成体200は2つの別個のセグメント210及び220を含む。各セグメントはバリアフィルム100、接着剤120、及び基材240(
図2には示されない)を含む。セグメント210及び220の上部に及びそれらに重なって、保護層セグメント150が存在する。保護層セグメント150は接着剤層120の第2主表面124に隣接している。
図2及び
図3に示されている特定の実施形態では、保護層150はポリマー層250(例えば、黒色ETFE)及び接着剤層260(例えば、感圧接着剤)を含む。保護層セグメント150の上部に及び重なって、耐候性シート160が存在する。
図2及び
図3に示されている実施形態では、耐候性シート160のダウンウェブ側面(164及び166)は、耐候性シート160のサイドエッジに沿って保護層材料180(ポリマー層270(例えば、黒色ETFE)及び接着剤層280(例えば、感圧接着剤)を含む)に隣接している。
【0028】
図4及び
図5は、概して本明細書に記載される方法及び教示に従って作製された1つの代表的な代替例示の構成体を示す。
図4及び
図5の組立品は、バリア層の隣接した別個のセグメントの末端エッジ同士の間に保護層セグメントを含まない。
【0029】
本明細書に記載される連続多層フィルムの単独層について以下により詳細に論じられる。
【0030】
多層バリアフィルム
明細書において使用されるとき、用語「バリアフィルム」は酸素又は水の少なくとも一方に対してバリアを提供するフィルムを指す。バリアフィルムは、典型的には特定の用途によって要求されるような規定のレベルにおける酸素及び水透過率を有するように選択される。いくつかの実施形態では、バリアフィルムは、38℃及び100%相対湿度にて約0.005g/m
2/日未満、いくつかの実施形態では、38℃及び100%相対湿度にて約0.0005g/m
2/日未満、いくつかの実施形態では、38℃及び100%相対湿度にて0.00005g/m
2/日未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する。いくつかの実施形態では、バリアフィルムは50℃及び100%相対湿度で約0.05、0.005、0.0005、又は0.00005g/m
2/日未満、又は更には85℃及び100%相対湿度で約0.005、0.0005、0.00005g/m
2/日未満のWVTRを有する。いくつかの実施形態では、バリアフィルムは、23℃及び90%相対湿度で約0.005g/m
2/日未満、いくつかの実施形態では、23℃及び相対湿度90%で約0.0005g/m
2/日未満、いくつかの実施形態では、23℃及び90%相対湿度で0.00005g/m
2/日未満の酸素透過率を有する。
【0031】
多層バリアフィルムは種々の構成体から選択することができる。いくつかの例示の有用な多層バリアフィルムは原子層蒸着、熱蒸発、スパッタリング、及び化学蒸着によって調製される無機フィルムを含む。いくつかの実施形態では、多層バリアフィルムは可撓性及び/又は透明である。
【0032】
いくつかの実施形態では、多層バリアフィルムは無機/有機多層を含む。無機/有機多層を含む可撓性超バリアフィルムは、例えば米国特許第7,018,713号(Padiyathら)に記載されている。このような可撓性超バリアフィルムは、第2ポリマー層により隔てられた、2つ以上の無機バリア層によりオーバーコートされたポリマーフィルム上に配設された第1ポリマー層を有してもよい。いくつかの実施形態では、バリアフィルムは第1ポリマー層上に介在する1つ無機酸化物を含む。追加の代表的な多層バリアフィルムはまた、例えば米国特許第4,696,719号(Bischoff)、同第4,722,515号(Ham)、同第4,842,893号(Yializisら)、同第4,954,371号(Yializis)、同第5,018,048号(Shawら)、同第5,032,461号(Shawら)、同第5,097,800号(Shawら)、同第5,125,138号(Shawら)、同第5,440,446号(Shawら)、同第5,547,908号(Furuzawaら)、同第6,045,864号(Lyonsら)、同第6,231,939号(Shawら)及び第6,214,422号(Yializis)において;公開済みPCT出願第WO 00/26973号(Delta V Technologies,Inc.)において;D.G.Shaw及びM.G.Langlois,「A New Vapor Deposition Process for Coating Paper and Polymer Webs」,6th International Vacuum Coating Conference(1992)において;D.G.Shaw及びM.G.Langlois、「A New High Speed Process for Vapor Depositing Acrylate Thin Films:An Update」、Society of Vacuum Coaters 36th Annual Technical Conference Proceedings(1993)において;D.G.Shaw及びM.G.Langlois、「Use of Vapor Deposited Acrylate Coatings to Improve the BarrierProperties of Metallized Film」、Society of Vacuum Coaters 37th Annual Technical Conference Proceedings(1994)において;D.G.Shaw,M.Roehrig,M.G.Langlois and C.Sheehan、「Use of Evaporated Acrylate Coatings to Smooth the Surface of Polyester and Polypropylene Film Substrates」、RadTech(1996)において;J.Affinito,P.Martin,M.Gross,C.Coronado及びE.Greenwell、「Vacuum deposited polymer/metal multilayer films for optical application」、Thin Solid Films 270、43〜48(1995)において;及びJ.D.Affinito,M.E.Gross,C.A.Coronado,G.L.Graff,E.N.Greenwell and P.M.Martin、「Polymer−Oxide Transparent Barrier Layers」において見出すことができる。1つの代表的な市販のバリアフィルムは、3M Companyから市販されているUBF 9Lである。
【0033】
いくつかの実施形態では、多層バリアフィルムは環境から絶縁されている。本出願の目的で、バリアフィルムは、組立品を取り囲む空気との境界面を有しないときには、「環境から絶縁されている」。
【0034】
基材を含む実施形態において、並びにバリアフィルムと基材が互いに直接に隣接している場合には、基材の主表面は、バリアフィルムへの粘着力を向上させるように、処理することができる。いくつかの代表的な表面処理としては、好適な反応性又は非反応性雰囲気(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電又は大気圧放電)の存在下での電気放電;化学前処理;又は火炎前処理が挙げられる。いくつかの実施形態は、基材の主表面とバリアフィルムとの間にやはり形成され得る別個の粘着力促進層を含む。粘着力促進層は、例えば別個のポリマー層又は金属、金属酸化物、金属窒化物、あるいは金属酸窒化物の層などの金属含有層とすることができる。いくつかの実施形態では、粘着力促進層は数ナノメートル(nm)(例えば、1又は2nm)から約50nm以上までの厚さを有する。いくつかの実施形態では、基材の一方の面(つまり、一方の主表面)はバリアフィルムへの粘着力を向上させるように処理することができる、かつ他方の面(つまり、主表面)は被覆されるべきデバイス又はこのようなデバイスを被覆する封止材(例えば、EVA又はポリオレフィン)への粘着力を向上させるように処理することができる。(例えば、溶剤又は他の前処理により)表面処理された一部の有用な基材は、例えばDu Pont Teijin社から市販されている。これらのフィルムの一部に対しては、両面が表面処理され(例えば、同一又は異なる前処理により),他のフィルムに対しては、片面のみが表面処理される。
【0035】
いくつかの実施形態では、多層バリアフィルムは可視光及び赤外光に対して透過性である。用語「可視光及び赤外光に対して透過性」は、本明細書で使用するとき、スペクトルの可視及び赤外部分にわたって垂直軸に沿って測定した少なくとも約75%の平均透過率を有することを意味する。いくつかの実施形態では、可視光及び赤外線透過性組立品は、400nm〜1400nmの範囲の平均透過率が少なくとも約75%(いくつかの実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)である。可視光及び赤外線透過性組立品は、例えば光電池による、可視光及び赤外線の吸収に関して干渉しないものである。いくつかの実施形態では、可視光及び赤外線透過性組立品は、光電池に有用である光の波長の範囲の平均透過率が少なくとも約75%(いくつかの実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)である。
【0036】
いくつかの実施形態では、多層バリアフィルムは可撓性である。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、ロールに成形することができることを指す。いくつかの実施形態では、用語「可撓性」は、最大7.6センチメートル(cm)(3インチ)の曲率半径でロール芯の周りに折り曲げることができることを指す。いくつかの実施形態は、最大(6.4cm)(2.5インチ)、5cm(2インチ)、3.8cm(1.5インチ)、又は2.5cm(1インチ)曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、可撓性組立品は少なくとも0.635cm(1/4インチ)、1.3cm(1/2インチ)又は1.9cm(3/4インチ)の曲率半径の周りに折り曲げることができる。
【0037】
保護層
保護層は、可視光線(380〜750nm)がバリアフィルムに到達することを妨げる任意の層とすることができる。いくつかの実施形態では、保護層は不透明である。本出願の目的で、層が可視光(380〜750nm)の透過率の低減をもたらすならば、具体的には380〜450nmの間に透過率を低減させるならば、その層は不透明であり、これによって可視光がバリアフィルムに到達するのを妨げる。一般的に、層の追加が多層フィルムにおいて、380〜450nmの間の任意の波長で最大20%の透過率を生じる場合に、層は不透明である。いくつかの実施形態では、不透明層は380〜450nmの間の任意の波長で2%透過の最大透過率を生じる。特定の実施形態において、不透明層は、380〜450nmの間のいずれかの波長において、0.2%の最大透過率を形成する。実施例はインク層(例えば、油性マーカーからのインク)及び不透明テープを含む。1つの例示の特定の実施例は、Asahi Glass Ltd.(Tokyo,Japan)から市販されている黒色ETFE(例えば、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)の裏材を有し、かつ3M Companyから市販されている8172PCLなどのPSAを使用して積層される不透明テープである。いくつかの実施形態では、裏材は3M Companyから市販されている3M Tape Primer 94などの接着剤層と反対側のプライマーを含んでもよい。不透明保護層が不透明テープである場合、テープは多層フィルム内のいずれかの向きにあり得る。例えば、テープは、電子デバイスと反対側のバリアフィルムフィルム上にあり得る。テープはまた、電子デバイスの反対側、又は電子デバイスと同じ側のいずれかの、耐候性シート上にあり得る。このような実施形態では、テープは電子デバイスと同じ側にある、不透明テープは耐候性シートによって被覆することができ、不透明テープのために付加的保護度が提供される。
【0038】
保護層は任意の所望の長さ及び幅とすることができる。いくつかの実施形態では、保護層は組立品の周縁部に定置されてよい、若しくは組立品の表面の周りにフレームを形成することができる。エッジに集中する応力が原因で、層間剥離は、概して、エッジ内に又は周りに開始しやすい。いったん層間剥離が始まると、「エッジ」は多層物品の反対側に向けて前進して、その結果、層同士間の界面全体の層間剥離が生じることになる。エッジにおける層間剥離を停止することによって、多層物品における単独層が接着されたままであることを可能にする。
【0039】
いくつかの実施形態では、ソーラーモジュール全体に入射する光は表面積の少なくとも一部分に、例えば5%未満、1%未満あるいは0.5%未満に制限される。光は連続的に又は不連続パターン、例えば点、線、記号、文字、数、あるいは図形において遮断できる。また、組立品の周縁部に光の遮断、すなわち組立品の表面の周りに光の透過を制限するフレームを作成することは有益であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、保護層は、インク層、金属箔層、及び無機バリア層などの無金属のバリア層のうちの少なくとも1つを含む。任意の金属箔層を使用することができる。いくつかの実施形態では、金属箔はアルミホイルである。1つの商業的に代表的なアルミホイルがAll Foils,Inc.によって販売されている。金属の高コスト化を招くことなく、水に対するバリアを生成することができるいかなる無機層も使用することができる。光を遮断するいかなるインク層も使用することができる。
【0041】
図2及び
図3は本開示に係るいくつかの例示の実施形態を示す。
図2及び
図3では、不透明保護層はバリア層の各別個のセグメントの周縁部を完全に取り囲む。
【0042】
耐候性シート
本開示のいくつかの実施形態は耐候性シートを含む。耐候性シートは単層にでも多層にでもできる。いくつかの実施形態では、耐候性シートは可撓性及び/又は可視光と赤外光に対して透過性であり、かつ/又は有機フィルム形成ポリマーを含む。耐候性シートを形成することができるいくつかの代表的な材料は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイミド、ポリオレフィン、フルオロポリマー、及びこれらの組み合わせを含む。
【0043】
電子デバイスが、例えばソーラーデバイスである実施形態では、耐候性シートが紫外(UV)線による劣化に対して耐性があることが望ましい。紫外線(例えば、約280〜約400nmの波長を有する光)により引き起こされる光酸化分解は、ポリマーフィルムの変色並びに光学的及び機械的特性の低下につながるおそれがある。本明細書に記載の耐候性シートは、例えば光起電デバイスのための耐性、耐候性トップコートを提供することができる。基材は、通常、耐摩耗性及び衝撃耐性であり、例えば屋外要素に曝露した際の光起電デバイスの劣化を防止することができる。
【0044】
UV光への耐性を改善するために、耐候性シートに各種の安定剤を添加することができる。このような安定剤の具体例は、紫外線吸収剤(UVA)(例えば、赤色シフトUV吸収剤)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、及び/又抗酸化剤のうちの少なくとも1つを含む。これらの添加剤は、下記に更に詳細に説明される。いくつかの実施形態では、用語「紫外光による劣化に対して抵抗性である」は、耐候性シートが少なくとも1つの紫外線吸収剤又はヒンダードアミン光安定剤を含むことを意味する。いくつかの実施形態では、用語「紫外光による劣化に対して耐性」は、耐候性シートが、少なくとも300nm〜400nmの波長範囲において少なくとも30nm範囲にわたって入射紫外光の少なくとも50%を反射又は吸収することを意味する。いくつかの実施形態では、耐候性シートはUVA又はHALSを含む必要がない。
【0045】
耐候性シートのUV耐久性は、例えば加速耐候性試験を用いて評価可能である。加速耐候試験は、概して、ASTM G−155「Standard practice for exposing non−Metallic materias in accelerated test devices that use laboratory light sources」に記載されるものと同様の技法を使用して、フィルム上で行なわれる。上記のASTMの方法は、材料性能を正しくランク付けする、屋外耐久性の妥当な予測因子と考えられる。物理的特性の変化を検出するための機構は、ASTM G155において説明される耐候サイクル及び反射モードで操作されるD65光源の使用である。上記試験下で、紫外線保護層が物品に適用される場合、物品は、著しい亀裂、剥離、層間剥離又は曇りの発生前、CIE L
*a
*b
*色空間を使用して得られるb
*値が、5以下、4以下、3以下、又は2以下で増加する前に、340nmにおいて少なくとも18,700kJ/m
2の曝露に耐えなければならない。
【0046】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された耐候性シートは、フルオロポリマーを含む。フルオロポリマーは、典型的には、UVA、HALS及び酸化防止剤などの安定剤がない場合でも、UV分解に対して耐性である。いくつかの代表的なフルオロポリマーは、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレン−クロロ−トリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテルコポリマー(PFA,MFA)テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンコポリマー(THV)、ポリフッ化ビニリデンホモ及びコポリマー(PVDF)、これらのブレンド、及びこれらの及びその他のフルオロポリマーのブレンドを含む。フルオロポリマーは、典型的には、TFE、CTFE、VDF、HFPのホモ又はコポリマー若しくは他の十分にフッ素化された、部分的フッ素化された若しくはビニルエーテル及びアルファ−オレフィン又は他のハロゲン含有モノマーなどの水素添加モノマーを含む。
【0047】
フルオロポリマーフィルムのCTEは、典型的には、炭化水素ポリマーから作製されるフィルムと比較して大きい。例えば、フルオロポリマーフィルムのCTEは、少なくとも75、80、90、100、110、120、又は130ppm/K(150、160、180、200、220、240又は260ppm/℃)であってよい。例えば、ETFEのCTEは、90〜140ppm/K(180〜280ppm℃)の範囲であってよい。
【0048】
基材が少なくとも1種のフルオロポリマーを含む実施形態では、基材及び/又はフィルムはまた非フッ素化材料を含む。例えば、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレートの配合物を使用することができる。いくつかの代表的な可撓性、可視光・赤外光透過性基材は多層フィルム基材を含む。多層フィルム基材は、異なる層に異なるフルオロポリマーを有することができ、又は少なくとも1層のフルオロポリマー及び少なくとも1層の非フッ素化ポリマーを含むことができる。多層フィルムは、数層(例えば、少なくとも2又は3層)を含むか、又は少なくとも100層(例えば、全層で100〜2000又はそれ以上の範囲の)を含むことができる。異なる多層フィルム基材における異なるポリマーは、例えば米国特許第5,540,978号(Schrenk)に記載されるように、例えば300〜400nmの波長範囲においてUV光の相当部分(例えば、少なくとも30、40、又は50%)を反射するように選択することができる。このようなブレンド及び多層フィルム基材は、上述のフルオロポリマーよりも低いCTEを有する耐UV性基材を提供するのに有用であり得る。
【0049】
フルオロポリマーを含む有用な耐候性シートは、例えば、商品名「TEFZEL ETFE」及び「TEDLAR」でE.I.DuPont De Nemours and Co.,Wilmington,DEから商業的に入手することができる、かつフィルムは商品名「DYNEON ETFE」、「DYNEON THV」、「DYNEON FEP」、及び「DYNEON PVDF」でDyneon LLC,Oakdale,MNから、商品名「NORTON ETFE」でSt.Gobain Performance Plastics,Wayne,NJから、商品名「CYTOPS」でAsahi Glass Ltd.から、並びに商品名「DENKA DX FILM」でDenka Kagaku Kogyo KK,Tokyo,Japanから入手可能な樹脂から作製される。
【0050】
フルオロポリマーを含まないいくつかの代表的な耐候性シートは、UVA、HALS、及び抗酸化剤の不在化でUV光による分解に対して耐性があると報告されている。例えば、米国特許第3,444,129号;同第3,460,961号;同第3,492,261号;及び同第3,503,779号に記載されているものなど、例えばある特定のレゾルシノールイソフタル酸/テレフタル酸コポリアリーレートは耐候性であると報告されている。1,3−ジヒドロキシベンゼン有機ジカルボン酸塩由来の構造単位を備える層を含有するある特定の耐候性多層物品は国際特許出願公開第WO 2000/061664号に報告されている、かつレゾルシノールアリレートポリエステル鎖成分を含有するある特定のポリマーが米国特許第6,306,507号に報告されている。少なくとも1種の1,3−ジヒドロキシベンゼンと少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を備え、1つの層に形成され、かつ炭酸塩構造単位を備える別のポリマーと積層された、ブロックコポリエステル炭素塩が米国特許公開第2004/0253428号に報告されている。ポリカーボネートを含有する耐候性シートは、例えばポリエステルと比較して比較的大きいCTEを有することがある。ポリカーボネートを含有する耐候性シートのCTEは、例えば約70ppm/K(140ppm/℃)であってよい。
【0051】
上記の耐候性シートの実施形態のいずれのためにでも、耐候性シート(例えば、フルオロポリマー)の主表面は感圧接着剤との密着性を向上させるために処理を施すことができる。有用な表面処理としては、好適な反応性又は非反応性雰囲気(例えば、プラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電又は大気圧放電)の存在における電気的な放電;化学的前処理(例えば、アルカリ溶液及び/又は液体アンモニアを用いる);火焔前処理;又は電子線ビーム処理が挙げられる。更に別個の接着促進層を耐候性シートの主表面と感圧接着剤(PSA)との間に形成することもできる。いくつかの実施形態では、耐候性シートは基材と感圧接着剤との間に化学結合を形成するためにPSAで塗布され、かつ引き続いて電子ビームで照射されたフルオロポリマーであってもよい;(例えば、米国特許第6,878,400号(Yamanakaら)を参照)。表面処理される一部の有用な耐候性シートは、例えば商品名「NORTON ETFE」でSt.Gobain Performance Plasticsから市販されている。
【0052】
いくつかの実施形態で耐候性シートは、約0.01mm〜約1mm、いくつかの実施形態では約0.05mm〜約0.25mm又は0.05mm〜0.15mmの厚さを有する。
【0053】
接着剤
既知の接着剤が使用できる。いくつかの実施形態では、感圧接着剤(「PSA」)は耐候性シートとバリアフィルムとの間にある。PSAは、(1)侵襲性及び永続性のある粘着、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体に貼り続ける充分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すのに充分な凝集力さを含む特性を有することが、当業者には周知である。PSAとして良好に機能することが分かっている材料は、必要な粘弾性特性を示し、粘着、剥離接着、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計並びに処方されたポリマーである。1つの代表的な市販の接着剤は、3M Companyにより販売される、8172PCLである。
【0054】
感圧接着剤を識別するための有用な1つの方法は、Dahlquist基準である。この基準は感圧接着剤を、1×10
−6cm
2/ダイン(1×10
−5m
2/N)を上回る1秒クリープコンプライアンスを有する接着剤と定義している。これは「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」,Donatas Satas(Ed.),2
nd Edition,p.172,Van Nostrand Reinhold,New York,NY,1989に記載されており、本明細書に参照によって組み込まれている。別の方法としては、弾性率が、第1の近似により、クリープコンプライアンスの逆数であるので、感圧接着剤は約1×10
6ダイン/cm
2(1×10
5Pa)未満の貯蔵弾性率を有する接着剤と定義されてよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、PSAは流動しない、かつ接着剤結合ラインを通しての酸素及び水分の遅い又は最小湿潤を提供するのに十分なバリア特性を有する。また、いくつかの実施形態では、PSAは、概して、例えば光起電力セルによる可視光の吸収を妨害しないように、可視光と赤外光に対して透過性である,.PSAは、垂直軸に沿って測定すると、スペクトルの可視部分にわたって少なくとも約75%(いくつかの実施形態では、少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)の平均透過率を有する。いくつかの実施形態では、PSAは、400nm〜1400nmの範囲にわたって少なくとも約75%(いくつかの実施形態では少なくとも約80、85、90、92、95、97又は98%)の平均透過率を有する。代表的なPSAとしては、アクリレート、シリコーン、ポリイソブチレン、尿素及びこれらの組み合わせが挙げられる。一部の有用な市販のPSAとしては、商品名「ARclear 90453」及び「ARclear 90537」でペンシルベニア州Glen RockのAdhesive Research,Inc.社から入手可能なものなどの紫外線硬化性PSA、並びに商品名「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8171」、「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8172CL」及び「OPTICALLY CLEAR LAMINATING ADHESIVE 8172PCL」でミネソタ州St.Paulの3M Company社から入手可能な光学的に透明なPSAが挙げられる。
【0056】
いくつかの実施形態では、PSAは最大50,000psi(3.4×10
8Pa)の弾性率(引っ張り弾性率)を有する。引っ張り弾性率は、例えば商品名「INSTRON 5900」でInstron(Norwood,MA)から入手可能な試験システムなどの引っ張り試験機により測定可能である。いくつかの実施形態では、PSAの引っ張り弾性率は、最大40,000、30,000、20,000、又は10,000psi(2.8×10
8Pa、2.1×10
8Pa、1.4×10
8Pa、又は6.9×10
8)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、PSAはアクリル又はアクリレートPSAである。本明細書で使用するとき、用語「アクリル」又は「アクリレート」は、アクリル又はメタクリル基の少なくとも1つを有する化合物を含む。例えば、少なくとも2つの異なるモノマー(第1及び第2モノマー)を一体化することにより、有用なアクリルPSAを作製することができる。代表的な好適な第1モノマーとしては、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−デシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられる。代表的な好適な第2モノマーとしては、(メタ)アクリル酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、及びフマル酸)、(メタ)アクリルアミド(例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及びN−エチル−N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド)、(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレート、又はイソボルニルアクリレート)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アルファ−オレフィン、ビニルエーテル、アリルエーテル、スチレン系モノマー、又はマレエートが挙げられる。
【0058】
架橋剤を配合物中に含めることによって、アクリル系PSAを作製してもよい。代表的な架橋剤としては、共重合型多官能性エチレン型不飽和モノマー(例えば、1,6−ヘキサンジオルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、及び1,2−エチレングリコールジアクリレート);励起状態で水素を引き抜く能力のあるエチレン型不飽和化合物(例えば、米国特許第4,737,559号(Kellenら)で記載されているアクリレート化ベンゾフェノン、Sartomer Company(Exton,PA)から入手可能なp−アクリロキシ−ベンゾフェノン、p−N−(メタクリロイル−4−オキサペンタメチレン)−カルバモイルオキシベンゾフェノン、N−(ベンゾイル−p−フェニレン)−N’−(メタクリロキシメチレン)−カルボジイミド、及びp−アクリロキシ−ベンゾフェノンを含む、米国特許第5,073,611号(Rehmerら)で記載されているモノマー);オレフィン型不飽和結合を本質的に含まず、上述の第2モノマー中でカルボン酸基との反応能力のある、非イオン性架橋剤(例えば、1,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ベンゼン;4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン;1,8−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)オクタン、1,4−トリレンジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、N,N’−ビス−1,2−プロピレンイソフタルアミド、ジエポキシド、ジ酸無水物、ビス(アミド)、及びビス(イミド));及びオレフィン型不飽和結合を本質的に含まず、第1及び第2モノマーと非共重合性であり、かつ励起状態で水素を引き抜く能力のある、非イオン性架橋剤(例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ジメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)6−(3,4,5−トリメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2,4−ジメトキシ)フェニル)−s−トリアジン;米国特許第4,330,590号(Vesley)で記載されているような2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−メトキシ)フェニル)−s−トリアジン;米国特許第4,329,384号(Vesley)で記載されているような2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ナフタレニル−s−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシ)ナフタレニル−s−トリアジン)が挙げられる。
【0059】
典型的には、第1モノマーは、100部のコポリマーの全重量基準で80〜100重量部(pbw)の量であり、第2のモノマーは、100部のコポリマーの全重量基準で0〜20pbwの量である。モノマーの一体化した重量基準で0.005〜2重量%、例えば約0.01〜約0.5重量%又は約0.05〜0.15重量%の量で架橋剤を使用することができる。
【0060】
本開示を実践するのに有用なアクリル又はアクリレートPSAは、例えば無溶媒、バルク、フリーラジカル重合プロセス(例えば、熱、電子ビーム放射、又は紫外放射を用いた)により調製することができる。このような重合は、典型的には重合開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)により促進される。代表的な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、アニソインメチルエーテルなどの置換されたベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換されたアセトフェノン、及び2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換されたアルファ−ケトールを含む。市販の光開始剤の例としては、Ciba−Geigy Corp.(Hawthorne,NY)から入手可能なIRGACURE 651及びDAROCUR 1173、並びにBASF(Parsippany,NJ)から入手可能なLUCERIN TPOが挙げられる。好適な熱開始剤の例としては、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、並びに2,2−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、及びt−ブチルペルベンゾエートなどの過酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。市販の熱開始剤の例としては、ACROS Organics(Pittsburgh,PA)から入手可能なVAZO 64、及びElf Atochem North America(Philadelphia,PA)から入手可能なLUCIDOL 70が挙げられる。重合開始剤がモノマーの重合の促進に有効な量(例えば、全モノマー含量100部基準で0.1重量部〜約5.0重量部又は0.2重量部〜約1.0重量部)で使用される。
【0061】
光架橋剤を使用する場合には、被覆された接着剤を約250nm〜約400nmの波長を有する紫外線照射に暴露することができる。接着剤の架橋に必要とされる、この範囲の波長の放射エネルギーは、約100ミリジュール/cm
2〜約1,500ミリジュール/cm
2、又は特に、約200ミリジュール/cm
2〜約800ミリジュール/cm
2である。
【0062】
有用な無溶媒重合方法は、米国特許第4,379,201号(Heilmannら.)に開示されている。初期には、不活性な環境で混合物をUV照射に被覆可能なベースシロップの形成に充分な時間暴露し、引き続き架橋剤及び光開始剤の残りを添加することにより、第1及び第2モノマーの混合物を、光開始剤の一部と重合させることができる。次いで、架橋剤を含有するこの最終のシロップ(例えば、No.4 LTVスピンドルにより1分当たり60回転で測定して、約100センチポイーズ〜約6000センチポイーズのブルックフィールド粘度を23℃で有することもある)を、耐候性シート上に被覆することができる。シロップを耐候性シート上に被覆したならば、更なる重合及び架橋を不活性な環境(例えば、酸素を除いた、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、及びアルゴン)で行うことができる。光活性なシロップの層をUV照射又は電子線に透明なシリコーン処理したPETフィルムなどのポリマーフィルムで被覆し、フィルムを空気中で照射することにより、充分に不活性な雰囲気を得ることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示の実施に有用なPSAはポリイソブチレンを含む。ポリイソブチレンは、主鎖又は側鎖にポリイソブチレン骨格を有してよい。有用なポリイソブチレンは、例えばルイス酸触媒(例えば、塩化アルニミウム又は三フッ化ホウ素)の存在下にて、イソブチレン単独を、又はn−ブテン、イソプレン又はブタジエンと組み合わせて重合することにより、調製することができる。
【0064】
有用なポリイソブチレン材料は、複数の製造業者から市販されている。ホモポリマーは、例えば商品名「OPPANOL」及び「GLISSOPAL」(例えば、OPPANOL B15、B30、B50、B100、B150、及びB200並びにGLISSOPAL 1000、1300、及び2300)でBASF Corp.(Florham Park,NJ)から;商品名「SDG」、「JHY」、及び「EFROLEN」でUnited Chemical Products(UCP)(St.Petersburg,Russia)から市販されている。ポリイソブチレンコポリマーは、イソブチレンを少量(例えば、最大30、25、20、15、10、又は5重量パーセント)の例えば、スチレン、イソプレン、ブテン、又はブタジエンなどの他のモノマーの存在において重合することにより調製可能である。代表的な好適なイソブチレン/イソプレンコポリマーは、商品名「EXXON BUTYL」(例えば、EXXON BUTYL 065、068、及び268)でExxon Mobil Corp.(Irving,TX)から;商品名「BK−1675N」でUCPから;及び商品名「LANXESS」(例えば、LANXESS BUTYL 301、LANXESS BUTYL 101−3、及びLANXESS BUTYL 402)でSarnia(Ontario,Canada)から市販されている。代表的な好適なイソブチレン/スチレンブロックコポリマーは、商品名「SIBSTAR」でKaneka(Osaka、Japan)から市販されている。他の代表的な好適なポリイソブチレン樹脂は、例えば商品名「VISTANEX」でExxon Chemical Co.から、商品名「HYCAR」でGoodrichCorp.(Charlotte,NC)から、商品名「JSR BUTYL」でJapan Butyl Co.,Ltd.(Kanto,Japan)から市販されている。
【0065】
本開示を実践するのに有用なポリイソブチレンは、広範囲の分子量及び広範囲の粘度を有し得る。多くの異なる分子量及び粘度のポリイソブチレンが市販されている。
【0066】
ポリイソブチレンを含むいくつかの実施形態では、PSAは、水素添加炭化水素粘着付与剤(いくつかの実施形態では、ポリ(環状オレフィン))を更に含む。これらの実施形態のいくつかは、水素添加炭化水素粘着付与剤を約5〜90重量パーセント含む。いくつかの実施形態では、ポリ(環状オレフィン))は、PSA組成物の全重量に基づいて約10〜95重量パーセントのポリイソブチレンとブレンドされる。有用なポリイソブチレンPSAは、国際特許出願公開第WO 2007/087281号(Fujitaら)に記載されているような水素添加ポリ(環状オレフィン)及びポリイソブチレン樹脂を備える接着剤組成物を含む。
【0067】
「水素添加」炭化水素の粘着付与剤成分は、部分水素添加樹脂(例えば、任意の水素添加比率を有する)、完全水素添加樹脂、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、水素添加炭化水素粘着付与剤は完全に水素添加されており、これは、PSAの水分透過性を低下させ、ポリイソブチレン樹脂との適合性を高め得る。水素添加炭化水素粘着付与剤は、多くの場合、水素添加脂環式樹脂、水素添加芳香族樹脂、又はこれらの組み合わせである。例えば、いくつかの粘着付与樹脂は、石油ナフサの熱分解で生成されるC9留分のコポリマー化により得られる水素添加C9系石油樹脂、石油ナフサの熱分解で生成されるC5留分のコポリマー化により得られる水素添加C5系石油樹脂、又は、石油ナフサの熱分解で生成されるC5留分及びC9留分の組み合わせの重合により得られる水素添加C5/C9系石油樹脂である。C9留分として、例えばインデン、ビニル−トルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。C5留分として、例えばペンタン、イソプレン、ピペリン、1,3−ペンタジエン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、水素添加炭化水素粘着付与剤は、水素添加ポリ(環状オレフィン)ポリマーである。いくつかの実施形態では、水素添加ポリ(環状オレフィン)は、水素添加ポリ(ジシクロペンタジエン)であり、これは、PSAに利点(例えば、低水分透過性及び透明性)をもたらし得る。粘着付与樹脂は、典型的には非晶質であり、5000グラム/モル以下の重量平均分子量を有する。
【0068】
一部の好適な水素化炭化水素粘着付与剤は、商品名「ARKON」(例えば、ARKON P又はARKON M)でArakawa Chemical Industries Co.,Ltd.(Osaka,Japan)から;商品名「ESCOREZ」でExxon Chemicalから;商品名「REGALREZ」(例えば、REGALREZ 1085、1094、1126、1139、3102、及び6108)でEastman(Kingsport,TN)から;商品名「WINGTACK」(例えば、WINGTACK 95及びRWT−7850)樹脂でCray Valley(Exton,PA)から;商品名「PICCOTAC」(例えば、PICCOTAC 6095−E、8090−E、8095、8595、9095、及び9105)でEastmanから;商品名「CLEARON」、グレードP、M及びKでYasuhara Chemical(Hiroshima,Japan)から;商品名「FORAL AX」及び「FORAL 105」でHercules Inc.(Wilmington,DE)から;商品名「PENCEL A」、「ESTERGUM H」、「SUPER ESTER A」、及び「PINECRYSTAL」でArakawa Chemical Industries Co.,Ltd.(Osaka,Japan)から;Arakawa Chemical Industries Co.,Ltd.);商品名「EASTOTAC H」でEastmanから;及び商品名「IMARV」でIdemitsu Petrochemical Co.,(Tokyo,Japan)から市販されている。
【0069】
任意追加的に、(上述したPSAの実施形態のいずれをも含む)本開示を実践するのに有用なPSAは、UV吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤、又は抗酸化剤の少なくとも1つを含む。有用なUVAの例としては、多層フィルム基材(例えば、商品名「TINUVIN 328」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 783」、「TINUVIN 770」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 928」、及び「TINUVIN 1577」でCiba Specialty Chemicals Corporationかた入手可能なもの)と併用した上述のものが挙げられる。UVAは、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜3重量パーセントの量で存在することができる。有用な酸化防止剤の例としては、ヒンダードフェノール系化合物及びリン酸エステル系化合物並びに多層フィルム基材と一緒に上述されているもの(例えば、商品名「IRGANOX 1010」、「IRGANOX 1076」、及び「IRGAFOS 126」でCiba Specialty Chemicals Corporationから入手可能なもの、並びにブチル化ヒドロキシトルエン(BHT))が挙げられる。酸化防止剤は、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜2重量パーセントの量で存在することができる。有用な安定剤の例としては、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤(例えば、多層フィルム基材と共に上述したもの、並びに、商品名「CHIMASSORB 2020」などの「CHIMASSORB」でBASFから入手可能なものを含む)、イミダゾール系安定剤、ジチオカルバメート系安定剤、リン系安定剤及びイオウエステル系安定剤が挙げられる。このような化合物は、使用される場合には、感圧性接着剤組成物の総重量に基づいて約0.01〜3重量パーセントの量で存在することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されているPSA層は、少なくとも0.005(いくつかの実施形態では、少なくとも0.01、0.02、0.03、0.04、又は0.05mm)の厚さである。いくつかの実施形態では、PSA層は、最大で約0.2mm(いくつかの実施形態では、最大0.15、0.1、又は0.075mm)の厚さを有する。例えば、PSA層の厚さは、0.005mm〜0.2mm、0.005mm〜0.1mm、又は0.01〜0.1mmの範囲であり得る。
【0071】
いったんPSA層を耐候性シートに塗布したならば、本明細書に開示されているバリアフィルムに接着する前に、剥離ライナーにより暴露された主表面を一時的に保護することもできる。有用な剥離ライナーの例としては、例えばシリコーンで塗布されたクラフト紙;ポリプロピレンフィルム;E.I.du Pont de Nemours and Co.(Wilmington,DE)から入手可能なものなどのフルオロポリマーフィルム;並びに、例えばシリコーン又はフルオロカーボンで塗布されたポリエステル及び他のポリマーフィルムが挙げられる。
【0072】
UV光に対する耐性を向上するために、各種の安定剤をPSA層に添加することができる。このような安定剤の例としては、紫外線吸収剤(UVA)(例えば、赤色シフトUV吸収剤)、ヒンダードアミン光吸収剤(HALS)又は酸化防止剤が挙げられる。
【0073】
理論によって縛られることを望むことなしに、本開示に係るバリア組立品内のPSA層は、バリア組立品を、高CTE耐候性シート(例えば、フルオロポリマー)が原因で起こる熱応力から保護する働きをすると考えられる。更に、第1と耐候性シートとの間のCTE不整合が比較的に低い(例えば、40ppm/K(80ppm/℃)未満)実施形態においても、PSA層は耐候性シートを、第1のポリマーフィルム基材(例えば、最大50ppm/K(100ppm/℃)のCTEを有する)の上に堆積されたバリアフィルムに取り付けるための従来の手段として機能する。PSA層がUVA、HALS、又は酸化防止剤の少なくとも1つを含む場合には、PSA層は、バリアフィルムのUV光による劣化からの保護を更に提供することができる。
【0074】
基材
本開示のいくつかの実施形態は基材(例えば、
図3を参照)を含む。一般に、基材はポリマーフィルムである。本開示の文脈においては、用語「ポリマーの」は有機ホモポリマー及びコポリマーとともに、例えばエステル交換をはじめとして、共押出によって又は反応によって、混和性ブレンドで形成され得るポリマー又はコポリマーを含むと理解される。用語「ポリマー」及び「コポリマー」は、ランダム及びブロックコポリマーの両方を含む。
【0075】
基材は、例えばそのCTEが電子デバイス(例えば、可撓性光起電デバイス)のCTEとほぼ同じ(例えば、約10ppm/K(20ppm/℃))以内かあるいはそれを下回るように、選択されてよい。換言すれば、基材は、基材と電子デバイスとの間のCTE不整合を最小にするように選択することができる。いくつかの実施形態では、基材は封入すべきデバイスの20、15、10、又は5ppm/K(40、30、20、又は10ppm/℃)以内であるCTEを有する。いくつかの実施形態では、低CTEを有する基材を選択することが好ましいこともある。例えば,いくつかの実施形態では、基材は最大50(100ppm/℃(いくつかの実施形態では、最大45、40、35、又は30ppm/K(90、80、70、又は60))ppm/KのCTEを有する。いくつかの実施形態では、基材のCTEは0.1〜50、0.1〜45、0.1〜40、0.1〜35、又は0.1〜30ppm/K(0.2〜100、0.2〜90、0.2〜80、0.2〜70、又は0.2〜60ppm/℃)の範囲にある.基材が選択されるときには、基材のCTEと耐候性シート(後述される)との間の差は、いくつかの実施形態では、少なくとも40、50、60、70、80、90、100、又は110ppm/K(80、100、120、140、160、180、200、又は220ppm/℃)である。基材のCTEと耐候性シートとの間の差は、いくつかの実施形態では、最大150、140、又は130ppm/K(300、280、又は260ppm/℃)であってよい。例えば、基材と耐候性シートとの間のCTE不整合の範囲は、例えば40〜150ppm/K(80〜300ppm/℃)、50〜140ppm/K(100〜280ppm/℃)、又は80〜130ppm/K(160〜260ppm/℃)であってよい。CTEは熱機械的解析によって求めることができる。また、多くの基材のCTEは製品データシート又はハンドブックに見出すことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、基材は、最大5×10
9Paの弾性率(引っ張り弾性率
)を有する。引っ張り弾性率は、例えば商品名「INSTRON 5900」でInstron(Norwood,MA)から入手可能な試験システムなどの引っ張り試験機により測定可能である。いくつかの実施形態では、基材の引っ張り弾性率は、最大4.5×10
9Pa、4×10
9Pa、3.5×10
9Pa、又は3×10
9Paである。
【0077】
いくつかの実施形態では、基材は、支持体を拘束しない場合に、少なくとも熱安定化温度までの収縮を最小化するために(例えば、ヒートセット、張力下でのアニール、又は他の方法を用いて)熱安定化される。基材に好適な代表的な材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、及びポリイミドが挙げられ、これらはいずれも所望により熱安定化されたものでもよい。これらの材料は、<1から約42ppm/K(2〜約84ppm/℃)の範囲のCTEを有すると報告されている。代表的な基材は種々の供給元から市販されている。ポリイミドは、例えば商品名「KAPTON」(例えば、「KAPTON E」又は「KAPTON H」)でE.I.Dupont de Nemours & Co.(Wilmington,DE)から;商品名「APICAL AV」でKanegafugi Chemical Industry Companyから;商品名「UPILEX」でUBE Industries,Ltd.から入手可能である。ポリエーテルスルホンは、例えばSumitomoから入手可能である。ポリエーテルイミドは、例えば商品名「ULTEM」でGeneral Electric Companyから入手可能である。PETなどのポリエステルは、例えばDu Pont Teijin Film(Hopewell、VA)から入手可能である。
【0078】
いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム基材は、約0.01mm〜約1mm、いくつかの実施形態では約0.1mm〜約0.5mm又は約0.1mm〜約0.25mmの厚さを有する。これらの範囲外の厚さもまた、用途によっては有用であり得る。いくつかの実施形態では、基材は少なくとも0.01、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、又は0.13mmの厚さを有する。
【0079】
他の所望による構成要素
所望により、本開示による組立品は、乾燥剤を含有することができる。いくつかの実施形態では、本開示に係る組立品は、乾燥剤を本質的に含まない。「乾燥剤を本質的に含まない」とは、乾燥剤が存在し得るものの、光起電モジュールを効果的に乾燥させるには不十分な量であり得ることを意味する。乾燥剤を本質的に含まない組立品としては、乾燥剤が組立品に全く組み込まれていないものが挙げられる。
【0080】
物理的又は化学的特性を変える又は改善するために、様々な機能層又はコーティングを所望により組立品に追加することができる。代表的な有用層又はコーティングとしては、可視光及び赤外線透過性導電性層又は電極(例えば、酸化インジウムスズの);静電気防止コーティング又はフィルム;難燃剤;磨耗耐性又はハードコート材料;光学コーティング;防曇材料;反射防止コーティング;汚れ防止コーティング;偏光コーティング;防汚材料;プリズムフィルム;追加の粘着剤(例えば、感圧性接着剤又はホットメルト接着剤);隣接した層に対する接着を促進する下塗剤;追加の紫外線保護層;並びにバリア組立品が接着剤ロール形態で使用される際の使用のための低接着後面サイズ材料が挙げられる。これらの構成要素を、例えばバリアフィルムの中に組み込むことができ、あるいは、高分子フィルム基材の表面に適用することができる。
【0081】
本明細書に開示される組立品に組み込むことができる他の所望による特徴としては、図形及びスペーサ構造が挙げられる。例えば、本明細書に開示される組立品は、製品識別、配向又は配置情報、宣伝若しくはブランド情報、装飾、又は他の情報の表示に使用されるもののような、インク、又は他の印刷された指標で処理されてもよい。インク又は印刷された指標は、当該技術分野で既知の技術(例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、熱転写印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スティップル印刷及びレーザー印刷)を使用して、提供することができる。例えば、接着剤中にスペーサ構造を含んで、特定の結合ラインの厚さを維持してもよい。
【0082】
本開示による組立品は、様々な方法を用いて便宜的に組み立てることが可能である。例えば、感圧接着剤層は、剥離ライナー上又は2つの剥離ライナーの間の転写PSAであってもよい。転写接着剤は、剥離ライナーの除去後に耐候性シート上に堆積されたバリアフィルムに耐候性シートを積層するのに使用できる。別の例では、PSAは、耐候性シート上に、及び/又は第1のポリマー基材シートと耐候性シートを一緒に積層する以前の第1のポリマーフィルム基材に堆積されたバリアフィルム上に、被覆することが可能である。更なる例では、無溶剤の接着剤配合物は、例えば耐候性シートと、第1のポリマーフィルム基材上に堆積されるバリアフィルムとの間に被覆可能である。引き続いて、配合物を熱又は照射により上述のように硬化させて、本開示に係る組立品を得ることができる。
【0083】
本開示のいくつかの実施形態は上述した多層フィルムのロールに関する。
【0084】
本開示のフィルム及びフィルムのロールは可撓性ソーラー組立品においてバリアフィルムとして使用することができる。このような組立品は、概して、本明細書に記載されるようなバリアフィルム100組立品の一実施形態に隣接した電子デバイスを含む。本開示に係る組立品において使用できる電子デバイスは、例えば光起電力セルを含む。代表的な光起電力セルは、それぞれが太陽エネルギーを電力に変換する独特な吸収スペクトルを有する種々の材料を使って開発されてきたものを含む。光電池の製造に使用される材料及びこれらの太陽光吸収帯の端波長の例としては、結晶性シリコン単接合(約400nm〜約1150nm)、非晶質シリコン単接合(約300nm〜約720nm)、リボンシリコン(約350nm〜約1150nm)、CIS(銅インジウムセレン化物)(約400nm〜約1300nm)、CIGS(銅インジウムガリウム二セレン化物)(約350nm〜約1100nm)、CdTe(約400nm〜約895nm)、GaAsマルチ接合(約350nm〜約1750nm)が挙げられる。これらの半導体材料の短い波長の左吸収帯端は、通常、300nm〜400nmの間である。特定の実施形態では、電子デバイスはCIGSセルである。いくつかの実施形態では、組立品が適用されるソーラーデバイス(例えば、光電池)は可撓性フィルム基材を備え、すなわち可撓性光起電装置を提供する。
【0085】
いくつかの実施形態では、ソーラー組立品は封止材を含む。いくつかの実施形態では、封止材は光起電力セル及び関連回路機構の上及び周囲に塗布することができる。いくつかの代表的な封止材はエチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチルアルデヒド(PVB)、ポリロレフィン、熱可塑性ウレタン、透明ポリ塩化ビニル、及びイオノマーを含む。いくつかの実施形態において、電子デバイスは、エッジに、それを密封するエッジシールを備える。例えば、エッジシール材は光電池及び関連する回路の上及びそれらの側面の周りに適用される。いくつかの実施例では、
いくつかの実施形態では、ソーラー組立品は、バックシートを含む。代表的なバックシートは、ポリマーフィルムであり、かつ多くの実施形態は多層ポリマーフィルムである。バックシートフィルムの市販されている一例は、3M Company(Saint Paul,Minnesota)から市販されている3M(商標)Scotchshield(商標)フィルムである。バックシートは、ルーフィング膜などの建築材料(例えば、建物一体型太陽光発電(BIPV))に接続することができる。
【0086】
本開示の実施形態及び利点は、以下の非限定的な実施例によって例示されるが、特定の材料及びこれらの実施例に記載の量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0087】
材料
UBF 9L:3M Companyから市販されている「3M(商標)Ultra Barrier Solar Film 9L」
UBF 5S:3M Companyから
入手可能な「3M(商標)Ultra Barrier Solar Film 5S」
8172PCL:3M Company(St.Paul,MN)から市販されている「3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8172P」。
ETFE:商品名「NORTON(登録商標)ETFE」でSt.Gobain Performance Plastics(Wayne,NJ)から入手可能な表面処理(C処理された)を施したエチレン−テトラフルオロエチレンフィルム。
不透明ETFE:商標名「FLUON(登録商標)ETFE」で
Asahi Glass.,LTD(Tokoyo,Japan)から市販されている「Film 25GB 1150DCS 2010」で表面処理(DCS)を施した黒色エチレン−テトラフルオロエチレンフィルム。
プライマー94:3M Company(St.Paul,MN)から市販されている「3M(商標)Tape Primer 94」。
【0088】
比較例1
3M Company(St.Paul,MN)から市販されている、「UBF 9L」バリアフィルム積層体の試料は、1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップに切断した。耐候性トップシートをおよそ1.3cm(0.5インチ)「UBF 9L」から除去して剥離試験用のタブを作成した。180度剥離試験は、IMASS,Inc.,Accord,MAから市販される、「IMASS SLIP PEELSP−2000」試験機を使用して実行された。ASTM D3330方法Aの後に以下の修正が行われた。1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップは、耐候性シートのタブ付き面を上に向けた状態で、3M Company(ミネソタ州St.Paul)から入手可能な、38mm(1.5インチ)幅「3M Removable Repositionable Tape 655 Clear」両面スティックテープを介して手の圧力を用いてIMASSテストプラットホームに接着させた。0.5インチ(1.3cm)耐候性シートタブは、剥離角度が180度となるようにして剥離試験器に定置した。引き剥がし粘着力は、180度の角度、31cm(12インチ/分)の速度で測定した、かつ粘着力の値は1秒遅れを用いて20秒平均にわたって収集した。20秒平均剥離は、lbs/インチで記録された。合計4つの試料が、平均化され、表1に記録されている。
【0089】
「UBF 9L」バリアフィルム積層体の別の試料は、7.6cm(3インチ)×13cm(5インチ)断片に切断された。
【0090】
比較例1の引き剥がし粘着力試験
比較試料1は、ASTM G155に従って作動される昼光フィルター付きキセノンアーク灯耐候装置に定置した。供試体は、290nm〜800nmの範囲における、公称1187mJ/m
2の合計照射量に暴露させた。光暴露後、試料は、次いで、1.3cm(1/2インチ)×13cm(5インチ)ストリップに切断した、かつ光暴露前と同じ方法で引き剥がし粘着力について測定した。引きはがし粘着力を試験した試料が、試料ホルダーにより暴露装置の光から遮蔽されないように注意した。合計4つの試料を平均化して、表1に記録されている。
【0091】
(実施例1)
「UBF 9L」バリアフィルム積層体の試料を7.6cm(3インチ)×13cm(5インチ)断片に切断した。3M Company(St.Paul,MN)から市販される「3M PAINT REPLACEMENT TAPE(APPLIQUE)5004」の断片を、「UBF 9L」積層体の耐候性トップシートに接着した。アップリケフィルム上の保護ライナーを除去して、感圧接着剤を暴露し、手の圧力を介して「UBF 9L」に接着した。この物品は、「UBF 9L」の光遮蔽縁部を想定することを意図された。この試料は、次いで、1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップに切断した、かつ比較例1と同じ方法で引き剥がし粘着力について測定した。合計4つの試料を測定した、かつ組み合わせた4つの試料の平均が表1に報告されている。
【0092】
光暴露及び剥離試験結果
実施例1組立品の試料は、ASTM G155に従って作動される昼光フィルター付きキセノンアーク灯耐候装置に定置した。供試体は290nm〜800nmの範囲における、公称1187mJ/m
2の合計照射量に暴露した。光暴露後、試料は1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップに切断した、かつ光暴露前と同じ方法で引き剥がし粘着力について測定した。合計4つの試料を測定して、4つの試料の平均が表1に報告されている。
【0093】
【表1】
【0094】
(実施例2)
PET基材及びバリアスタック(バリアスタックはアクリルポリマー層及び酸化物層を備える)を備える、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能な、「UBF 5S」バリアフィルムのシート(3インチ×5インチ)(7.62cm×12.7cm)は、不透明保護層及び耐候性トップシートを備える多層フィルム積層体を調製するのに使用した。「UBF 5S」バリアフィルム積層体のバリアコートした側面は、黒色「SHARPIE」ブランド油性マーカー(Sanford Corp.,Oakbrook,ILから市販されている)で着色され、よって「UBF 5S」バリアフィルム積層体は、本質的に不透明である(本明細書において記載される)。アクリル感圧接着剤(商品名「Optically Clear Adhesive 8172PCL」で3M Company(St.Paul,MN)から市販)の断片は、1つのライナーを除去した状態で、「SHARPIE」ブランドインク層に手で積層した。接着剤剥離ライナーは、その後、除去した、かつSt.Gobain(Courbevoie,France)から市販されている50ミクロン(2ミル)エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムの34cm(13.5インチ)スリットロールのC処理された側面に積層した。結果得られる多層フィルム積層体は、本質的に不透明なインク層から構成した、かつ剥離接着試料が切断及び剥離できるように、作製した。結果得られる組立品は、バリア組立品のエッジを模することを意図された。
【0095】
比較例2
実施例2は「SHARPIE」ブランドインクを適用しなかったこと除き全く同じに繰り返した。
【0096】
光暴露及び剥離試験結果
実施例2、及び比較例2の最終的な多層組立品は、ASTMG 155に従って作動される昼光フィルター付きキセノンアーク灯耐候装置に暴露させた。供試体は、290nm〜800nmの範囲における、公称1187mJ/m
2の合計照射量に暴露させた。光暴露後、組立品は1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップに切断した。概算は「UBF 5S」バリアフィルム積層体からETFEを0.5インチ(1.3cm)除去して、剥離試験のためのタブを作り出した。180度剥離試験は、IMASS,Inc.(Accord,MA)から市販される、「IMASS SLIP PEELSP−2000」試験機を使用して実行した。ASTM D3330方法Aの後に以下の修正を行った。ETFEタブ付きの面を上に向けた状態で手の圧力を用いて、1.3cm(0.5インチ)×13cm(5インチ)ストリップは、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能な、38.1mm(1.5インチ)幅の「3M Removable Repositionable Tape 655 Clear」両面スティックテープを介してIMASSテストプラットホームに接着させた。1.3cm(0.5インチ)ETFEタブは、剥離角度が180度になるように、剥離試験機に定置した。引き剥がし粘着力は、31cm(12インチ/分)の速度で、180度の角度で測定した、かつ粘着力の値は1秒の遅れを用いて20秒平均にわたって収集した。合計4つの試料が測定されたかつ、4つの試料の平均が記録されている。
【0097】
【表2】
【0098】
上記の実施例は遮光層の利点を実証する。次の実施例3には、最終組立品が電子デバイスと反対側のバリアスタックに隣接した不透明保護層、基材と反対側のバリアスタックに隣接した耐候性シートを含み、多層フィルムが透明かつ可撓性であり、かつバリアスタック及び基材が環境から絶縁されているように、連続的に遮光層を組み込む1つの例示の方法が記載されている。
【0099】
実施例3(連続エッジ保護バリア組立品)
Asahi Glass,LTD(Tokoyo,Japan)から市販されている黒色ETFE(25um厚さ×330mm幅×およそ100m長さ)DCS下塗りフィルムの前もってスリットされたロールが、3M Company(St.Paul,MN)から市販されている、3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8172PCL感圧接着剤(310mm幅×およそ100m長さ)のロールに積層された。このロールは、次いで、3M推奨によるコート重量において黒色ETFEの反対側に3M Company(St.Paul,MN)から市販されている3M(商標)Tape Primer 94で塗布した。結果得られたテープのロールは、次いで、20mm及び70mm等の適切な幅にスリットした。
【0100】
3Mから入手可能な、3M(商標)Ultra Barrier Solar Film 5S(325mm幅×およそ100m長さ)のロールは、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)から市販される、3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8172PCL感圧接着剤(310mm幅×およそ100m長さ)のロールに積層した(バリア側に面する)。結果得られる積層体は305mmの最終スリット幅にスリットした。第ニに、保護ライナーは8172PCL接着剤から除去された、その後、8172PCL及びUBF 5S(305mm幅×50mm長さ)の切片の除去が続いた。第三に、8172PCL及びUBF 5Sの除去された切片は、上述したように不透明保護テープ切片(305mm幅×70mm長さ)と置き換えた。この工程は3メートル毎に繰り返した。第四に、上述した不透明保護テープ(20mm幅×およそ100m長さ)の2つのロールが、商標名「NORTON(登録商法)ETFE」でSt.Gobain Performance Plastics(Wayne,NJ)から市販されている2ミル(0.05mm)C−treated clear ETFEの305mm幅×およそ100m長さ)ロールに積層した。不透明保護テープは、各端部がETFEロールの全長にわたって不透明保護テープによって被覆されたように、ETFEのC処理された面に積層した。第五に、鮮明なETFEのC処理された面は、次いで、工程3において形成された積層体の8712p露出面に積層した。この結果は、特定の幅と長さ寸法の予め規定されたバリアフィルムを取り囲む不透明保護層及び基材と反対側のバリアスタックに隣接した耐候性シートを含む連続最終組立品である。
【0101】
本出願において、開示された要素の任意の組合せが可能である。
【0102】
本明細書で使用するとき、用語「a」、「an」、及び「the」は、互換可能なものとして使用され、1つ以上を意味し、「及び/又は」は、一方又は両方の記述された事例が起こる場合があることを示すために使用され、例えばA及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。
【0103】
言及された全ての参照は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0104】
他に指示がない限り、本開示及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
【0105】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容が明らかにそうでないことが示さないかぎりは複数の指示物を有する実施形態を包含する。本開示及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、その内容について別段の明確な指示がない限り、「又は」という用語は概して、「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0106】
本開示の様々な実施形態及び実施が開示される。開示された実施形態は、例証するために提示されるもので、制限するためのものではない。上記の実施及び他の実施は以下の請求項の範囲内である。本開示が、開示されたもの以外の実施形態及び実施により実行され得ることは当業者には理解されよう。上記の実施形態及び実施例の詳細には、本発明の基礎をなす原理から逸脱することなく多くの変更を加えることができる点は当業者に認識されるであろう。本開示は本明細書に記載される説明的実施形態及び実施例によって不要に限定されるものではない点、更にこうした実施例及び実施形態はあくまで一例として示されるものであって本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである点は理解されるはずである。更に、本開示に対する様々な改変及び変形が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者にとって明らかとなろう。したがって、本出願の範囲は、以下の「特許請求の範囲」によってのみ定められるべきものである。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[42]に記載する。
[1]
連続多層フィルムを形成する方法であって、
多層バリアフィルムの別個のセグメントを用意することであって、多層バリアフィルムの隣接した別個のセグメントが間隙によって分離される、ことと、
バリアフィルムとして使用することができる連続フィルムを形成するために前記保護層の少なくとも一部分が前記間隙にまたがるように、保護層を、多層バリアフィルムの2つの隣接した別個のセグメントに隣接して定置することと、を含む、方法。
[2]
前記保護層が不透明である、項目1に記載の方法。
[3]
前記保護層が保護シート及び接着剤を含み、前記保護シートが前記多層バリアフィルムの前記別個のセグメントに隣接している、項目1又は2に記載の方法。
[4]
耐候性シートを、前記多層バリアフィルムに隣接して定置すること、を更に含む、項目1から3のいずれかに記載の方法。
[5]
前記耐候性シートがフルオロポリマーを含む、項目1から4のいずれかに記載の方法。
[6]
前記フルオロポリマーが、エチレン−テトラフルオロ−エチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオリドコポリマー、又はポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを含む、項目5に記載の方法。
[7]
感圧接着剤を前記多層バリアフィルム上に定置すること、を更に含む、項目1から6のいずれかに記載の方法。
[8]
前記感圧接着剤が、アクリレート、シリコーン、ポリイソブチレン及び尿素のうちの少なくとも1つを含む、項目7に記載の方法。
[9]
前記感圧接着剤が、UV安定剤、ヒンダードアミン光安定剤、抗酸化剤、及び熱安定剤のうちの少なくとも1つを含む、項目7又は項目8に記載の方法。
[10]
多層バリアフィルムの各別個のセグメントが第1サイドエッジ及び第2サイドエッジを有し、前記方法が、
多層バリアフィルムの前記別個のセグメントのすべてのエッジが環境から絶縁されている、連続的にエッジ保護されたバリアフィルムを形成するために、保護層を、多層バリアフィルムの前記別個のセグメントの前記第1及び第2サイドエッジの少なくとも一方に隣接して定置すること、を更に含む、項目1から9のいずれかに記載の方法。
[11]
前記多層バリアフィルムが第1主表面及び第2主表面を有し、かつ前記保護層が前記第1主表面に隣接していて、
基材を、前記多層バリアフィルム面の前記第2主表面に隣接して定置すること、を更に含む、項目1から10のいずれかに記載の方法。
[12]
前記基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、又はポリイミドのうちの少なくとも1つを含む、項目11に記載の方法。
[13]
前記多層バリアフィルムが、第1主表面及び第2主表面を有し、かつ前記保護層が前記第1主表面に隣接していて、
電子デバイスを、前記多層バリアフィルムの前記第2主表面に隣接して定置すること、を更に含む、項目1から12のいずれかに記載の方法。
[14]
前記バリアフィルム及び電子デバイス構成体を屋根に隣接して貼付すること、を更に備える、項目13に記載の方法。
[15]
前記多層バリアフィルムがポリマー層及び無機バリア層を含む、項目1から14のいずれかに記載の方法。
[16]
前記無機バリア層が酸化物層である、項目15に記載の方法。
[17]
前記多層バリアフィルムが少なくとも2つの酸化物層を含む、項目1から16のいずれかに記載の方法。
[18]
前記多層バリアフィルムが少なくとも2つのポリマー層を含む、項目1から17のいずれかに記載の方法。
[19]
前記保護層がインク層、金属箔層、及び無機バリア層のうちの少なくとも1つである、項目1から18のいずれかに記載の方法。
[20]
前記連続多層フィルムのロールを形成すること、を更に含む、項目1から19のいずれかに記載の方法。
[21]
連続多層フィルムであって、
耐候性シートと、
多層バリアフィルムのセグメントと、
前記多層バリアフィルムの少なくとも2つの隣接したセグメントの少なくとも一部分に重なる保護層と、を備え、
前記連続多層フィルムが電子デバイスにおいてバリアフィルムとして使用することができる、フィルム。
[22]
前記保護層が不透明である、項目21に記載のフィルム。
[23]
前記保護層が保護シート及び接着剤を含み、前記保護シートが前記多層バリアフィルムの前記別個のセグメントに隣接している、項目21又は22のいずれかに記載のフィルム。
[24]
前記耐候性シートが前記多層バリアフィルムに隣接している、項目21から23のいずれかに記載のフィルム。
[25]
前記耐候性シートがフルオロポリマーを含む、項目21から24のいずれかに記載のフィルム。
[26]
前記フルオロポリマーが、エチレン−テトラフルオロ−エチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオリドコポリマー、又はポリフッ化ビニリデンのうちの少なくとも1つを備える、項目25に記載のフィルム。
[27]
前記多層バリアフィルムと前記耐候性シートとの間に感圧接着剤、を更に備える、項目21から26のいずれかに記載のフィルム。
[28]
前記感圧接着剤が、アクリレート、シリコーン、ポリイソブチレン、及び尿素のうちの少なくとも1つを含む、項目27に記載のフィルム。
[29]
前記感圧接着剤が、UV安定剤、ヒンダードアミン光安定剤、抗酸化剤、及び熱安定剤のうちの少なくとも1つを備える、項目27又は項目28のいずれかに記載のフィルム。
[30]
多層バリアフィルムの各セグメントが第1サイドエッジ及び第2サイドエッジを有し、前記連続多層フィルムが、
前記多層バリアフィルムのすべてのエッジが環境から絶縁されている、連続的にエッジ保護されているバリアフィルムを形成するために、前記多層バリアフィルムの前記第1及び第2サイドエッジの少なくとも一方に隣接している保護層、を更に備える、項目21から29のいずれかに記載のフィルム。
[31]
前記多層バリアフィルムが第1主表面及び第2主表面を有し、かつ前記保護層が前記第1主表面に隣接していて、
前記多層バリアフィルムの前記第2主表面に隣接している基材、を更に備える、項目21から30のいずれかに記載のフィルム。
[32]
前記基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、又はポリイミド
のうちの少なくとも1つを含む、項目31に記載のフィルム。
[33]
前記多層バリアフィルムが、第1主表面及び第2主表面を有し、かつ前記保護層が前記第1主表面に隣接していて、
前記多層バリアフィルムの前記第2主表面に隣接した電子デバイス、を更に備える、項目21から32のいずれかに記載のフィルム。
[34]
前記電子デバイスが光起電力セルである、項目33に記載のフィルム。
[35]
前記多層バリアフィルムがポリマー層及び無機バリア層を含む、項目21から34のいずれかに記載のフィルム。
[36]
前記無機バリア層が酸化物層である、項目35に記載のフィルム。
[37]
前記多層バリアフィルムが少なくとも2つの酸化物層を含む、項目21から36のいずれかに記載のフィルム。
[38]
前記多層バリアフィルムが少なくとも2つのポリマー層を含む、項目21から37のいずれかに記載のフィルム。
[39]
前記保護層がインク層、金属箔層、及び無機バリア層のうちの少なくとも1つである、項目21から38のいずれかに記載のフィルム。
[40]
前記連続多層フィルムがロールを形成する、項目21から39のいずれかに記載のフィルム。
[41]
前記ロールが、バリアフィルムの複数の別個のシートを含む、項目40に記載のフィルム。
[42]
前記保護層がマルチセグメントを含み、各セグメントが第1末端エッジ及び第2末端エッジを有し、かつ前記方法が、
前記保護層の1つのセグメントの前記第1及び第2末端エッジが前記間隙にまたがってバリアフィルムとして使用することができる連続フィルムを形成するように、保護層の1つのセグメントを、多層バリアフィルムの2つの隣接した別個のセグメントに隣接して定置すること、を更に含む、項目1から19のいずれかに記載の方法。