(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オリゴマー防止層が、シリカ系材料及び/又はポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物により形成された層であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ付き粘着剤層。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
<セパレータ付き粘着剤層、及びセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの全体構造>
本発明のセパレータ付き粘着剤層の典型的な構成例を
図1(a)及び(b)に模式的に示す。セパレータ付き粘着剤層2は、セパレータ1の離型層12に粘着剤層21が設けられた形態である。また、セパレータ1は、基材フィルム11と離型層12との間に、オリゴマー防止層13及び導電層14が設けられた形態である。オリゴマー防止層13及び導電層14の積層順序に制限はないが、(a)の場合、オリゴマー防止層13が、基材フィルム11に接しているため、ポリエステルフィルム等の基材に含まれているオリゴマーが粘着剤層に溶出することを抑制する効果が高く、また、導電層14が、離型層12に接しているため、液晶パネルの白色ムラを抑制する効果が高い。(b)の場合、セパレータ1全体の帯電防止効果を保持しつつ、オリゴマーの粘着剤層への溶出抑制効果が高い。また、オリゴマー防止層13及び導電層14の積層は、オリゴマー防止層13及び導電層14の複層であってもよい。
【0027】
本発明のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの典型的な構成例を
図2に模式的に示す。セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム3は、セパレータ付き粘着剤層2に、光学フィルム31を貼り合わせてなる。セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム3からセパレータ1を剥離した、粘着剤層付き光学フィルム4は、粘着剤層21を被着体である表示パネルに貼り付けて使用される。
【0028】
<セパレータ付き粘着剤層>
本発明のセパレータ付き粘着剤層は、セパレータ上に粘着剤層を有する構造である。前記セパレータは、前記基材フィルムと前記離型層との間に、オリゴマー防止層及び導電層を有する。
【0029】
<基材フィルム>
本発明のセパレータの基材フィルムとしては、プラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等の塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリナフチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;その他、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。本発明では、前記基材フィルム中のオリゴマーの溶出防止を目的とするため、前記基材フィルムのなかでも、ポリエステルフィルムを用いた場合に好適である。
【0030】
前記基材フィルムの厚みは、通常、5〜200μmであり、好ましくは5〜100μmである。基材フィルムは、オリゴマー防止層及び導電層の形成にあたり、予め、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0031】
<オリゴマー防止層>
本発明のオリゴマー防止層としては、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに含まれるオリゴマーが粘着剤層に溶出することを防止するための適宜な材料にて形成することができる。オリゴマー防止層の形成材料としては、無機物もしくは有機物、又はそれらの複合材料を用いることができる。無機物としては、シリカ系材料、あるいは金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト又はスズやこれらの合金等からなる金属、あるいは酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウム又はこれらの混合物からなる金属酸化物、ヨウ化鋼等からなる他の金属化合物等が挙げられる。有機物としては、ポリビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、UV硬化型樹脂、エポキシ系樹脂が挙げられる。また複合材料としては、前記有機物と、アルミナ、シリカ、マイカ等の無機粒子との混合物が挙げられる。
【0032】
前記オリゴマー防止層は、シリカ系材料やポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物から形成されることが好ましい。
【0033】
<シリカ系材料>
前記シリカ系材料としては、例えば、下記一般式(I)で表わされるオルガノシロキサンが挙げられる。
【化1】
【0034】
前記一般式(I)中、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等のようなエポキシ基を含有する有機基、又は、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基であり、R
3はメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、又は下記一般式(II)で示される基である。n及びmは、0〜10の整数である。
【化2】
【0035】
前記一般式(II)中、R
4はR
1基又はR
2基と同じエポキシ基含有有機基又はアルコキシ基である。
【0036】
前記オルガノシロキサンの具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシシクロヘキシルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン等の単量体、及びこれら単量体もしくはこれら単量体の混合物の加水分解性生物(オリゴマー)が例示される。
【0037】
また前記シリカ系材料としては、アミノ基を有するシラン化合物が挙げられる。前記アミノ基を有するシラン化合物として、下記一般式(III)で表されるアルコキシシランが好ましい。
Y−R−Si−(X)
3 ……(III)
(前記一般式(III)中、Yはアミノ基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アルキル基、又はこれらの基を有する有機官能基を表し、少なくとも1つ以上はアルコキシ基である)。
【0038】
前記アミノ基を有するシラン化合物の具体例としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0039】
その他、前記シリカ系材料としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン化合物等が挙げられる。
【0040】
前記シリカ系材料の具体的製品としては、信越化学工業社製のKR−401N、X−40−9227、X−40−9247、KR−510、KR−9218、KR−213、KR−217、X−41−1053、X−40−1056、X−41−1805、X−41−1810、X−40−2651、X−40−2652B、X−40−2655A、X−40−2761、X−40−2672等が挙げられる。
【0041】
前記シリカ系材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0042】
前記シリカ系材料によって形成するオリゴマー防止層には、必要に応じて、金属元素を有する有機化合物(金属キレート等の金属化合物)、触媒等を含有することができる。金属元素を有する金属有機化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0043】
前記金属元素を有する金属有機化合物の中でも、特にオリゴマー溶出防止性能が良好となる点でキレート構造を有するアルミニウム元素を有する有機化合物、チタン元素を有する有機化合物、ジルコニウム元素を有する有機化合物が好ましい。かかる化合物は、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助編者(株)大成社 平成2年版)に具体的に記載されている。
【0044】
前記シリカ系材料によって形成するオリゴマー防止層の形成は、前記シリカ系材料を、アルコール等の溶媒に溶解した溶液を、基材フィルム又は導電層に塗布後、乾燥することにより行うことができる。前記シリカ系材料を溶解した溶液の濃度は特に制限されるわけではないが、0.1〜40重量%程度であるのが好ましい。塗布後の乾燥温度は特に限定されるわけでないが、100〜150℃程度であるのが好ましい。また、塗布後の乾燥時間は特に限定されるわけでないが、30秒〜30分程度であるのが好ましい。
【0045】
<ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物>
前記ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0046】
前記ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は特に限定されるわけではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000のものが好適に用いられる。一方、ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は特に限定されるわけではないが、70モル%以上、好ましくは80モル%以上、99.9モル%以下のものが好適に用いられる。
【0047】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物には、バインダーポリマーを含むことができる。バインダーポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート、塩素系ポリマー(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリオレフィン等が挙げられる。それらの中でも、オリゴマー防止層を塗布延伸法により塗設する場合には、ノニオン系、カチオン系、両性系の水溶液または水分散体として使用可能な有機ポリマーが挙げられ、また、それらの中でもポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレートを使用した場合には、接着性が良好となる。これらのポリマーはそのモノマーの一成分としてノニオン、カチオン、または両性系の親水性成分を共重合することにより、親水性を付与し、水に分散させることが可能となる。
【0048】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物には、架橋剤を含むことができる。架橋剤としては、メチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分は、バインダーポリマーと予め結合していてもよい。
【0049】
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物には、オリゴマー防止層の固着性、滑り性改良を目的として、無機系粒子を含むことができる。無機系粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
【0050】
前記オリゴマー防止層の形成は、前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物を、水やアルコール等の溶媒に溶解した溶液を、基材フィルム又はオリゴマー防止層に塗布後、乾燥することにより行うことができる。また、乾燥の際に、延伸してもよい。前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物を溶解した溶液の濃度は特に制限されるわけではないが、0.1〜40重量%程度であるのが好ましい。塗布後の乾燥温度は特に限定されるわけでないが、60〜200℃程度であるのが好ましい。また、塗布後の乾燥時間は特に限定されるわけでないが、3〜60秒程度であるのが好ましい。必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
【0051】
前記オリゴマー防止層におけるポリビニルアルコール系樹脂の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは20〜90重量%、最も好ましくは30〜80重量%の範囲がよい。
【0052】
前記オリゴマー防止層の形成方法は、特に限定されず、その形成材料により適宜に選択すればよく、塗布法、スプレー法、スピンコート法、インラインコート法等が用いられる。また、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法等も用いることができる。
【0053】
前記オリゴマー防止層の厚さは、5〜100nmの範囲で適宜に設定することが好ましく、10〜70nmであるのがより好ましい。
【0054】
<導電層>
本発明の導電層は、セパレータの剥離による静電気の発生を抑制でき、かつ、セパレータの剥離により静電気が発生しても、粘着剤層付き光学フィルムに発生した静電気の電荷が、速やかに剥離したセパレータに移動できるため、液晶パネルの白色ムラを防止できるものである。導電層は、導電性を有する層であれば、特に限定されないが、導電性高分子を含む導電性組成物、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤を含む導電性組成物、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を含む導電性組成物等により形成された層が挙げられる。導電層は、所望の離型層の表面抵抗値を有するセパレータを得やすい観点から、導電性高分子を含む導電性組成物により形成された層であることが好ましい。
【0055】
前記導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(略称PEDOT)、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS)等が挙げられる。特にポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS)が、帯電防止性と透明性の点で好ましい。導電性高分子は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0056】
前記導電性高分子を含む導電性組成物には、バインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂等が挙げられる。
【0057】
前記導電性高分子とバインダー樹脂との重量割合(導電性高分子:バインダー樹脂)は、50:1〜1:1が好ましく、20:1〜2:1がより好ましく、15:1〜5:1がさらに好ましい。
【0058】
前記導電層の形成は、前記導電性高分子を含む導電性組成物を、水やアルコール等の溶媒に溶解した溶液を、基材フィルム又はオリゴマー防止層に塗布後、乾燥することにより行うことができる。前記導電性高分子を含む導電性組成物を溶解した溶液の濃度は特に制限されるわけではないが、0.1〜40重量%程度であるのが好ましい。塗布後の乾燥温度は特に限定されるわけでないが、100〜150℃程度であるのが好ましい。また、塗布後の乾燥時間は特に限定されるわけでないが、1〜60分程度であるのが好ましい。
【0059】
前記導電層の形成方法は、特に限定されず、塗布法、スプレー法、スピンコート法、インラインコート法等が用いられる。
【0060】
前記導電層の厚みは、好ましくは1nm〜500nmであり、より好ましくは10nm〜200nmであり、さらに好ましくは20nm〜100nmである。
【0061】
<離型層>
本発明のオリゴマー防止層及び導電層の上には、次いで、離型層が設けられる。離型層は、粘着剤層からの剥離性を高めるために設けられる。離型層の形成材料は、特に制限されず、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤等が挙げられる。これらのなかでも、シリコーン系離型剤が好ましい。離型層は、オリゴマー防止層及び導電層の上に、塗布層として形成することができる。また、離型層は、転着によっても形成できる。
【0062】
前記シリコーン系離型剤としては、例えば、付加反応型シリコーン樹脂が挙げられる。付加反応型シリコーン樹脂としては、信越化学工業製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−847T、東芝シリコーン製のTPR−6700、TPR−6710、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング製のSD7220、SD7226等が挙げられる。
【0063】
シリコーン系離型層の塗布量(乾燥後)は0.01〜2g/m
2が好ましく、より好ましくは0.01〜1g/m
2、さらに好ましくは0.01〜0.5g/m
2の範囲である。
【0064】
前記離型層の形成は、例えば、上記の材料を、前記機能層上に、リバースグラビアコート、バーコート、ダイコート等、従来公知の塗布方式により塗布した後に、通常、120〜200℃程度、30秒〜30分で熱処理を施すことにより硬化させることにより行うのができる。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
【0065】
前記離型層の厚みは、通常、10〜2000nmであり、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは10〜500nmである。
【0066】
前記離型層の表面抵抗値は、セパレータに導電性を付与し、液晶パネルの白色ムラを抑制する観点から、1.0×10
12Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10
11Ω/□以下であることがより好ましく、1.0×10
10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
【0067】
<粘着剤層>
本発明の粘着剤層は、粘着剤組成物から形成される。粘着剤組成物としては、ゴム系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤組成物、シリコーン系粘着剤組成物、ウレタン系粘着剤組成物、ビニルアルキルエーテル系粘着剤組成物、ポリビニルアルコール系粘着剤組成物、ポリビニルピロリドン系粘着剤組成物、ポリアクリルアミド系粘着剤組成物、セルロース系粘着剤組成物等が挙げられる。粘着剤組成物には、ベースポリマーを含むことが好ましい。
【0068】
<ベースポリマー>
ベースポリマーは、前記粘着剤組成物の種類に応じて粘着性のベースポリマーが選択される。
【0069】
前記粘着剤組成物のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性等に優れる点から、アクリル系粘着剤組成物が好ましく使用される。アクリル系粘着剤組成物は、粘着性のベースポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーは、通常、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート及び/又はメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
【0070】
前記(メタ)アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等を例示できる。アルキル(メタ)アクリレートは、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらアルキル基の平均炭素数は3〜9であるのが好ましい。
【0071】
また、前記アルキル(メタ)アクリレートとしては、粘着特性、耐久性、位相差の調整、屈折率の調整等の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートのような芳香族環を含有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。
【0072】
前記(メタ)アクリル系ポリマー中には、接着性や耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。共重合モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー等が挙げられる。
【0073】
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、全構成モノマーの重量比率において、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、(メタ)アクリル系ポリマー中の前記共重合モノマーの割合は、特に制限されないが、前記共重合モノマーの割合は、全構成モノマーの重量比率において、0〜20%程度、0.1〜15%程度、さらには0.1〜10%程度であるのが好ましい。
【0074】
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、通常、重量平均分子量(Mw)が50万〜300万の範囲のものが用いられる。耐久性、特に耐熱性を考慮すれば、重量平均分子量(Mw)は70万〜270万であるものを用いることが好ましく、80万〜250万であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が50万よりも小さいと、耐熱性の点で好ましくない。また、重量平均分子量(Mw)が300万よりも大きくなると、塗布するための粘度に調整するために多量の希釈溶剤が必要となり、コストアップとなることから好ましくない。なお、重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
【0075】
前記(メタ)アクリル系ポリマーの製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等いずれでもよい。
【0076】
前記ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
【0077】
なお、前記溶液重合においては、重合溶媒として、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素等の不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
【0078】
<導電性化合物>
本発明の粘着剤組成物は、前記ベースポリマーに加えて、導電性化合物を含有することが好ましい。導電性化合物としては、イオン性化合物、イオン性界面活性剤、導電性ポリマー、金属酸化物等が挙げられる。
【0079】
前記イオン性化合物としては、アルカリ金属塩及び/または有機カチオン−アニオン塩を好ましく用いることができる。アルカリ金属塩は、アルカリ金属の有機塩および無機塩を用いることができる。なお、本発明でいう、「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。「有機カチオン−アニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。イオン性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0080】
前記アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンのなかでもリチウムイオンが好ましい。
【0081】
前記アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、CH
3COO
−、CF
3COO
−、CH
3SO
3−、CF
3SO
3−、(CF
3SO
2)
3C
−、C
4F
9SO
3−、C
3F
7COO
−、(CF
3SO
2)(CF
3CO)N
−、
−O
3S(CF
2)
3SO
3−、PF
6−、CO
32−、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(C
nF
2n+1SO
2)
2N
− (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF
2(C
mF
2mSO
2)
2N
− (但し、mは1〜10の整数)、
(3):
−O
3S(CF
2)
lSO
3− (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C
pF
2p+1SO
2)N
−(C
qF
2q+1SO
2)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl
−、Br
−、I
−、AlCl
4−、Al
2Cl
7−、BF
4−、PF
6−、ClO
4−、NO
3−、AsF
6−、SbF
6−、NbF
6−、TaF
6−、(CN)
2N
−、等が用いられる。アニオン部としては、(CF
3SO
2)
2N
−、(C
2F
5SO
2)
2N
−、等の前記一般式(1)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CF
3SO
2)
2N
−、で表わされる(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
【0082】
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCF
3SO
3、Li(CF
3SO
2)
2N、Li(CF
3SO
2)
2N、Li(C
2F
5SO
2)
2N、Li(C
4F
9SO
2)
2N、Li(CF
3SO
2)
3C、KO
3S(CF
2)
3SO
3K、LiO
3S(CF
2)
3SO
3K等が挙げられ、これらのうちLiCF
3SO
3、Li(CF
3SO
2)
2N、Li(C
2F
5SO
2)
2N、Li(C
4F
9SO
2)
2N、Li(CF
3SO
2)
3C等が好ましく、Li(CF
3SO
2)
2N、Li(C
2F
5SO
2)
2N、Li(C
4F
9SO
2)
2N等のフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩が好ましい。
【0083】
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
【0084】
前記有機カチオン−アニオン塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
【0085】
前記アニオン成分としては、Cl
−、Br
−、I
−、AlCl
4−、Al
2Cl
7−、BF
4−、PF
6−、ClO
4−、NO
3−、CH
3COO
−、CF
3COO
−、CH
3SO
3−、CF
3SO
3−、(CF
3SO
2)
3C
−、AsF
6−、SbF
6−、NbF
6−、TaF
6−、(CN)
2N
−、C
4F
9SO
3−、C
3F
7COO
−、((CF
3SO
2)(CF
3CO)N
−、
−O
3S(CF
2)
3SO
3−、や下記一般式(1)乃至(4)、
(1):(C
nF
2n+1SO
2)
2N
− (但し、nは1〜10の整数)、
(2):CF
2(C
mF
2mSO
2)
2N
− (但し、mは1〜10の整数)、
(3):
−O
3S(CF
2)
lSO
3− (但し、lは1〜10の整数)、
(4):(C
pF
2p+1SO
2)N
−(C
qF
2q+1SO
2)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
【0086】
また、前記イオン性化合物としては、前記のアルカリ金属塩、有機カチオン−アニオン塩の他に、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等の無機塩が挙げられる。
【0087】
前記イオン性界面活性剤としては、カチオン系(4級アンモニウム塩型、ホスホニウム塩型、スルホニウム塩型等)、アニオン系(カルボン酸型、スルホネート型、サルフェート型、ホスフェート型、ホスファイト型等)、両性イオン系(スルホベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリウムベタイン型等)またはノニオン系(多価アルコール誘導体、β−シクロデキストリン包接化合物、ソルビタン脂肪酸モノエステル・ジエステル、ポリアルキレンオキシド誘導体、アミンオキシド等)の各種界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0088】
前記導電性ポリマーとしては、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリピロール系、ポリキノキサリン系等のポリマーがあげられるが、これらのなかでも、水溶性導電性ポリマーまたは水分散性導電性ポリマーになり易い、ポリアニリン、ポリチオフェン等が好ましく使用される。特にポリチオフェンが好ましい。導電性ポリマーは、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0089】
前記金属酸化物としては、酸化スズ系、酸化アンチモン系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系等があげられる。これらのなかでも酸化スズ系が好ましい。酸化スズ系のものとしては、たとえば、酸化スズの他、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズの複合体、酸化チタン−酸化スズの複合体等があげられる。金属酸化物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0090】
さらに前記以外の導電性化合物として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然グラファイト、人造グラファイト、チタンブラックや、カチオン型(4級アンモニウム塩等)、両性イオン型(ベタイン化合物等)、アニオン型(スルホン酸塩等)またはノニオン型(グリセリン等)のイオン導電性基を有する単量体の単独重合体若しくは当該単量体と他の単量体との共重合体、4級アンモニウム塩基を有するアクリレートまたはメタクリレート由来の部位を有する重合体等のイオン導電性を有する重合体;ポリエチレンメタクリレート共重合体等の親水性ポリマーをアクリル系樹脂等にアロイ化させたタイプの永久帯電防止剤を例示できる。
【0091】
前記導電性化合物は、導電性能が高い点、粘着剤中で分散性や透明性に優れている点、粘着剤中での保管安定性の観点から、イオン性化合物を用いることが好ましい。
【0092】
前記導電性化合物の配合割合は、ベースポリマー100重量部に対して、0.0001〜5重量部が好ましい。導電性化合物が0.0001重量部未満では、帯電防止性能の向上効果が十分ではない場合がある。一方、導電性化合物は5重量部より多いと、耐久性が十分ではなくなる場合がある。導電性化合物は、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上であるのがより好ましい。また、導電性化合物は、3重量部以下が好ましく、2重量部以下であるのがより好ましい。
【0093】
さらに、本発明の粘着剤組成物には、架橋剤を含有することできる。架橋剤としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤等が挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合又は配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合又は配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤が好ましい。架橋剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0094】
前記架橋剤の配合割合は、ベースポリマー100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.03〜10重量部がより好ましい。なお、架橋剤が0.01重量部未満では、粘着剤の凝集力が不足する傾向があり、加熱時に発泡が生じるおそれがあり、一方、20重量部より多いと、耐湿性が十分ではなく、信頼性試験等で剥がれが生じやすくなる。
【0095】
さらに、本発明の粘着剤組成物には、シランカップリング剤を含有することできる。シランカップリング剤を用いることにより、耐久性を向上させることができる。シランカップリング剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0096】
前記シランカップリング剤の配合割合は、ベースポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.001〜5重量部が好ましく、0.01〜1重量部がより好ましく、0.02〜1重量部がさらに好ましく、0.05〜0.6重量部が特に好ましい。耐久性を向上させ、液晶パネル等の光学部材への接着力を適度に保持するために、この範囲内で適宜選択される。
【0097】
さらに本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機又は有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。
【0098】
本発明のセパレータ付き粘着剤層は、前記セパレータの離型層上に、前記粘着剤組成物を含有する溶液を塗布した後、乾燥して粘着剤層を形成することにより製造することができる。なお、粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
【0099】
前記粘着剤組成物の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
【0100】
前記粘着剤層の厚さは、特に制限されず、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
【0101】
前記粘着剤層の表面抵抗値は、セパレータ付き粘着剤層に導電性を付与し、液晶パネルの白色ムラを抑制する観点から、1.0×10
12Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10
11Ω/□以下であることがより好ましく、1.0×10
10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
【0102】
<セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム>
本発明のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムは、光学フィルムの少なくとも片面に、セパレータ付き粘着剤層の粘着剤層側が、貼り合わされている。
【0103】
前記光学フィルムとしては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものを用いることができ、その種類は特に制限されない。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルムや、反射防止フィルム等の表面処理フィルム、さらにはこれらが積層されているもの等が挙げられる。
【0104】
前記偏光フィルムは、偏光子の片面または両面に透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に80μm程度以下である。
【0105】
また前記偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
【0106】
前記透明保護フィルムを構成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。
【0107】
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型、カチオン硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。
【0108】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、表示パネルの少なくとも片面に、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムから、前記セパレータが剥離された状態の粘着剤層付きの光学フィルムの粘着剤層側が、貼り合わされている。表示パネルとしては、液晶パネル等が挙げられる。液晶パネルは、TN型やSTN型、π型、VA型、IPS型等の任意なタイプ等の任意なタイプのものを用いうる。
【0109】
<画像表示装置の製造方法>
本発明の画像表示装置の製造方法は、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの長尺シートをロール原反として準備するロール原反準備工程と、表示パネルを貼付位置に搬送して準備する表示パネル搬送準備工程と、前記ロール原反から繰出された前記セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムからセパレータを剥離体により剥離しながら、前記セパレータの剥離後に露出した粘着剤層付きの光学フィルムの粘着剤層側を、前記貼付位置に搬送される前記表示パネルに貼り合わせる貼合工程(RTP貼合工程)と、を含む製造方法である。
【0110】
<ロール原反準備工程>
前記ロール原反準備工程は、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムを長尺(帯状)のシートのロール原反として製造される工程であり、当該ロール原反は、特に限定なく、従来に準じて製造できる。
【0111】
<表示パネル搬送準備工程>
前記表示パネル搬送準備工程は、液晶パネル等の表示パネルを貼付位置に搬送する工程であり、搬送方法は特に制限なく、従来に準じて搬送できる。
【0112】
<RTP貼合工程>
前記RTP貼合工程の典型的な模式図を
図3に示す。前記ロール原反から繰出されたセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム3の長尺シートは、貼付位置101に搬送される直前に、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム3からセパレータ1が剥離体100により剥離される。セパレータ1の剥離後に露出した粘着剤層付き光学フィルム4の粘着剤層21は、受けローラ102により貼合所定位置101に導かれた表示パネル5に、貼付ローラ103により貼り合わされ、画像表示装置が製造される。
【0113】
前記RTP貼合工程において、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルム3は、裁断されていない長尺シートなので、セパレータ1の剥離後においても、長尺シート状の粘着剤層付き光学フィルム4(あるいは粘着剤層21)は、剥離前のセパレータ1に接触し続けている状態となる。よって、セパレータ1の剥離により、長尺シート状の粘着剤層付き光学フィルム4(あるいは粘着剤層21)に静電気が発生しても、静電気の電荷が、剥離前のセパレータ1を介して、速やかに剥離後のセパレータ1に移動できるため、当該剥離後のセパレータ1がアースの役目を果たす結果、静電気の電荷が減衰される。
【0114】
また、画像表示装置の製造方法は、表示パネルと粘着剤層付き光学フィルムが貼り合わされた後、必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて、さらに駆動回路が組み込まれて製造することもでき、例えば、液晶パネル等の表示パネルの片側又は両側に粘着剤層付き光学フィルムを配置した液晶表示装置の製造方法や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いた液晶表示装置の製造方法等が挙げられる。その場合、本発明の粘着剤層付き光学フィルムは液晶パネル等の表示パネルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の製造方法では、拡散層、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散シート、バックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することもできる。
【実施例】
【0115】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部及び%はいずれも重量基準である。
【0116】
実施例1
<セパレータの作製>
<<オリゴマー防止層の形成>>
シリカ系材料として、オルガノシロキサン(エチルシリケート48:コルコート社)をイソプロピルアルコールで固形分濃度1%に希釈して塗布液を調製した。得られた塗布液を、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが50nmになるようにグラビアコーターにより塗布した後、120℃で30秒乾燥して、オリゴマー防止層(1)を形成した。
【0117】
<<導電層の形成>>
導電性高分子として、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を用い、固形分濃度1%の水/イソプロピルアルコール(1/1:重量比)の溶液を調製した。得られた溶液を、オリゴマー防止層(1)の上に、乾燥後の厚みが100nmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して導電層(1)を形成した。
【0118】
<<離型層の形成>>
シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):20部及び硬化剤(PL−50T:信越化学製):0.2部を、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)350部で希釈して、シリコーン系離型剤の溶液を調製した。得られたシリコーン系離型剤の溶液を、導電層(1)の上に、乾燥後の厚みが100nmになるようにグラビアコーターにより塗布した後、120℃で30秒乾燥して、離型層を形成して、ポリエステルフィルム/オリゴマー防止層(1)/導電層(1)/離型層の構成を有する実施例1のセパレータを得た。
【0119】
実施例2
<セパレータの作製>
<<導電層の形成>>
導電性高分子として、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を用い、固形分濃度1%の水/イソプロピルアルコール(1/1:重量比)の溶液を調製した。得られた溶液を、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが100nmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して導電層(1)を形成した。
【0120】
<<オリゴマー防止層の形成>>
シリカ系材料として、平均粒径0.05μmのシリカゾルをイソプロピルアルコールで固形分濃度1%に希釈して塗布液を調製した。得られた塗布液を、導電層(1)上に、乾燥後の厚みが50nmになるようにグラビアコーターにより塗布した後、120℃で30秒乾燥して、オリゴマー防止層(2)を形成した。
【0121】
<<離型層の形成>>
実施例1において、<<離型層の形成>>にあたり、オリゴマー防止層(2)の上に離型層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルム/導電層(1)/オリゴマー防止層(2)/離型層の構成を有する実施例2のセパレータを得た。
【0122】
実施例3
<セパレータの作製>
<<導電層の形成>>
導電性高分子として、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)と、バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂を用い、固形分濃度0.8%水/イソプロピルアルコール(1/1:重量比)の溶液を調製した。なお、導電性高分子とバインダー樹脂との重量比は、10:1である。得られた溶液を、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが100nmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して導電層(2)を形成した。
【0123】
<<オリゴマー防止層の形成>>
<<離型層の形成>>
実施例2において、<<オリゴマー防止層の形成>>、<<離型層の形成>>にあたり、導電層(2)の上にオリゴマー防止層(2)を形成し、さらに、オリゴマー防止層(2)の上に離型層を設けたこと以外は実施例2と同様にして、ポリエステルフィルム/導電層(2)/オリゴマー防止層(2)/離型層の構成を有する実施例3のセパレータを得た。
【0124】
実施例4
<セパレータの作製>
<<オリゴマー防止層の形成>>
ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物として、ポリビニルアルコール系樹脂(けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルアルコール)70部、バインダーポリマー(水系ポリエステル樹脂:イソフタール酸、エチレングリコール、ジエチレングリコールを主とするポリエステルにネオペンチルグリコール、脂肪族ジカルボン酸無水物を有するジカルボン酸誘導体を共重合させたポリエステルをアミン化合物で中和し水系化して得た水系ポリエステル)15部、架橋剤(ヘキサメトキシメチルメラミン)10部、無機系粒子(平均粒径65nmのシリカゾル)5部を、水で固形分濃度2%に希釈して塗布液を調製した。得られた塗布液を、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが50nmになるようにグラビアコーターにより塗布した後、フィルムをテンターに導き100℃で延伸した後、230℃で熱固定を行い、オリゴマー防止層(3)を形成した。
【0125】
<<導電層の形成>>
<<離型層の形成>>
実施例1において、<<導電層の形成>><<離型層の形成>>にあたり、実施例1と同様にして、ポリエステルフィルム/オリゴマー防止層(3)/導電層(1)/離型層の構成を有する実施例4のセパレータを得た。
【0126】
比較例1
<セパレータの作製>
実施例1において、導電層(1)を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、基材フィルム/オリゴマー防止層(1)/離型層の構成を有する比較例1のセパレータを得た。
【0127】
比較例2
<セパレータの作製>
<<導電剤入りオリゴマー防止層の形成>>
導電剤入りオリゴマー防止層の形成する組成物として、導電材としての窒素元素を有する化合物(主鎖にピロリジウム環を有する化合物:第一工業製薬社製:シャロールDC−303P)85部、ポリビニルアルコール系樹脂(けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルアルコール)10部、無機系粒子(平均粒径50nmのシリカゾル)5部を、水で固形分濃度2%に希釈して塗布液を調製した。得られた塗布液を、基材フィルムとしてのポリエステルフィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが50nmになるようにグラビアコーターにより塗布した後、フィルムをテンターに導き100℃で延伸した後、230℃で熱固定を行い、導電剤入りオリゴマー防止層を形成した。
【0128】
<<離型層の形成>>
実施例1において、<<離型層の形成>>にあたり、導電剤入りオリゴマー防止層の上に離型層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルム/導電剤入りオリゴマー防止層/離型層の構成を有する比較例2のセパレータを得た。
【0129】
<セパレータ付き粘着剤層の作製>
<<アクリル系ポリマーの調製>>
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に、ブチルアクリレート99部及び4−ヒドロキシブチルアクリレート1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量(Mw)160万のアクリル系ポリマーの溶液を調製した。
【0130】
<<粘着剤組成物の調製>>
上記で得られたアクリル系ポリマー(A)溶液の固形分100部に対して、イオン性化合物として、1−エチル−1−メチルピロリジニウム・トリフルオロメタンスルホニルイミド0.7部と、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(三菱マテリアル電子化成(株)製)1.0部を配合し、架橋剤として、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製:タケネートD110N)0.1部と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3部と、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM−403)0.2部とを配合して、粘着剤組成物の溶液を得た。
【0131】
<<粘着剤層の形成>>
上記で調製した粘着剤組成物の溶液を、上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータの離型層上にファウンテンコータで均一に塗布した後、150℃の空気循環式恒温オーブンで60秒間乾燥して、前記離型層の表面に厚さ20μmの粘着剤層を形成して、実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層を得た。
【0132】
<セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの作製>
<<光学フィルムの作製>>
薄型偏光子を作製するため、まず、非晶性ポリエチレンテレフタラート(PET)基材に9μm厚のポリビニルアルコール(PVA)層が製膜された積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸によって延伸積層体を生成し、次に、延伸積層体を染色によって着色積層体を生成し、さらに着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸によって総延伸倍率が5.94倍になるように非晶性PET基材と一体に延伸された4μm厚のPVA層を含む光学フィルム積層体を生成した。このような2段延伸によって非晶性PET基材に製膜されたPVA層のPVA分子が高次に配向され、染色によって吸着されたヨウ素がポリヨウ素イオン錯体として一方向に高次に配向された高機能偏光子を構成する、厚さ4μmのPVA層を含む光学フィルム積層体を生成することができた。更に、当該光学フィルム積層体の偏光子の表面にポリビニルアルコール系接着剤を塗布しながら、けん化処理した80μm厚のトリアセチルセルロースフィルムを貼合せたのち、非晶性PET基材を剥離し、薄型偏光子を用いた偏光フィルムを作製した。
【0133】
<セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの作製>
次いで、上記で得られた薄型偏光子を用いた偏光フィルムに、上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層を貼り合わせ、粘着剤層を移着させて、実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムを得た。
【0134】
<画像表示装置の製造>
図3で示されるRTP貼合工程により画像表示装置を製造するために、上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムの長尺シートをロール原反として準備し、貼付位置に搬送するための液晶パネルを準備した。その後、ロール原反から繰出された実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムからセパレータを剥離体により剥離しながら、セパレータの剥離後に露出した粘着剤層付きの光学フィルムの粘着剤層側を、貼付位置に搬送される液晶パネルに貼り合わせ、実施例1〜4及び比較例1〜2の液晶パネルを用いた画像表示装置(液晶表示装置)を製造した。
【0135】
上記で得られた(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により以下の条件により測定した。
・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC
・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm
・カラム温度:40℃
・流量:0.8ml/min
・注入量:100μl
・溶離液:テトラヒドロフラン
・検出器:示差屈折計(RI)
・標準試料:ポリスチレン
【0136】
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ、セパレータ付き粘着剤層、及びセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0137】
<離型層の表面抵抗値の測定方法>
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータについて、離型層の表面の表面抵抗値(Ω/□)を三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて測定した。
【0138】
<粘着剤層の表面抵抗値の測定方法>
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層について、粘着剤層の表面の表面抵抗値(Ω/□)を三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて測定した。
【0139】
<PETオリゴマーの溶出量の測定方法>
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムを60℃、90%RHの条件下で500時間放置した後、セパレータを除去した。粘着剤層付偏光フィルムから、粘着剤層(サンプル)を約0.025g採取して、クロロホルム1mlを加え室温で18時間振とうした後、アセトニトリルを5ml加え抽出を行い、3時間振とうした。得られた溶液を0.45mlメンブランフィルターでろ過し試料を調整した。3量体のPETオリゴマーの標準品を一定濃度に調整し、検量線を作成し、その検量線を用いて粘着剤中に含まれるPETオリゴマー量(ppm)を求めた。検量線は、PETオリゴマー濃度(ppm)が分かっているサンプルを用いて、HPLCで測定して作成した。
HPLC装置:Agilent Technologies製 1200シリーズ
測定条件
カラム:Agilent Technologies製ZORBAX SB−C18
カラム温度:40℃
カラム流量:0.8ml/min
溶離液組成:水/アセトニトリル逆相グラジエント条件
注入量:5μl
検出器:PDA
定量方法:PETオリゴマー3量体の標準試料をクロロホルムで溶解後、アセトニトリルで希釈し一定の濃度で標品を調整した。そのHPLC面積と調整濃度から検量線を作成し、サンプルのPETオリゴマーの溶出量を求めた。
なお、PETオリゴマーの溶出量は、30ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましい。
【0140】
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2の液晶表示装置について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<白色ムラの評価>
上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜2の液晶表示装置を、バックライト上に設置した。設置した液晶表示装置の端部に手を接触させ、液晶パネルに白色ムラを発生させた。この白色ムラの消失する時間を計測した。消失時間は、200秒以下が好ましく、100秒以下がより好ましく、50秒以下がさらに好ましく、20秒以下が特に好ましい。
【0141】
【表1】
【0142】
表1に示しように、本発明の実施例1〜4については、いずれの評価項目において良好な結果が得られた。一方、比較例1〜2については、いずれかの評価項目において実施例1〜4に比べ劣る結果が得られた。この結果から、本発明によれば、セパレータに使用するポリエステルフィルム等の基材フィルムに含まれるオリゴマーが粘着剤層に溶出することを抑制することで、輝点による輝度ムラ等による液晶パネルの不具合を防止でき、かつ、液晶表示装置の製造時に、上記のRTP貼合工程を適用しても、液晶パネルの白色ムラを抑制できるセパレータ付き粘着剤層、セパレータ付き粘着剤層付きの光学フィルムを提供できることがわかった。