(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のX線トモシンセシス投影画像を再構成する工程は、第一の座標系上に該X線トモシンセシス投影画像を再構築し、最初の再構築物を提供する、請求項9記載の方法。
前記複数のトモシンセシス投影画像を再構成する工程が、前記最初の再構成物を第二の異なる座標系上に投影して前記三次元再構成画像を提供する工程を含む、請求項10、11、または12記載の方法。
前記複数のX線トモシンセシス投影画像を再構成する工程が、前記三次元再構成トモシンセシス画像を、選択された平面に方向付ける工程を含む、請求項11〜14の何れか1項記載の方法。
前記二次元マンモグラムを合成する工程が、マンモグラムのピクセル間隔とは異なるピクセル間隔を有する少なくとも一つのトモシンセシススライス画像をマンモグラム座標系上に投影することを含む、請求項9〜15の何れか1項記載の方法。
【発明の概要】
【0005】
概要
本特許明細書に開示されるシステムおよび方法で使用されるようなトモシンセシスは通常、複数のトモシンセシス投影画像Tpを乳房に対するそれぞれの角度で取得すること、およびそれらの画像から、選択される厚さを有する乳房スライスを表す複数のトモシンセシス再構成画像Trを再構成することを含む。本発明の一つの局面にしたがって、トモシンセシス投影画像Tpおよび/またはトモシンセシス再構成画像Trの少なくとも一つを使用して合成2D画像が生成される。再構成される画像は、空間または周波数ドメインのいずれかにおけるフィルタ補正逆投影法、最尤再構成法、反復再構成法、代数的方法を使用する再構成法、最小尤度または他の公知もしくは開発される三次元再構成法をはじめとする多様な技術のいずれかを使用して再構成することができるが、これらに限定されない。デカルト座標系、円錐ビーム座標系を含む任意の座標系に基づいて得られる投影データを使用して得ることができる。円錐ビーム座標系は、対応するトモシンセシス取得システムの幾何学情報によって画定されることもできるし、または、「仮想」トモシンセシス取得システムに対して画定される仮想化円錐ビーム座標系であることもできる。さらには、再構成ののち、再構成されたデータを他の異なる座標系に投影することもできる。たとえば、第一の座標系を使用して得られた再構成データを第二の異なる座標系に投影することもできる。たとえば、再構成されたデータを異なる向きの平面に投影することもできるし、円錐ビーム再構成画像を仮想円錐ビーム座標系またはデカルト座標系などに投影することもできる。要するに、投影画像を、任意の第一の座標系に再構成したのち、任意の第二の異なる座標系に投影することができる。
【0006】
本明細書中、合成された2D画像を合成マンモグラム(Ms)または他の合成2Dトモシンセシス画像(T2d)と呼ぶ。合成2D画像は、任意の座標系を使用して生成された、任意の座標系からの、または任意の座標系に投影されたトモシンセシス投影データまたは再構成データの任意の組み合わせを使用して生成することができる。本発明の合成2D画像は、有利には、トモシンセシス画像データ(Trおよび/またはTp画像)とともにレビューワークステーションで表示される。このような構成により、医療従事者は、マンモグラムの独立した取得なしで、マンモグラムデータの過去のレビューから得られる既存の専門知識を利用して、3Dトモシンセシスデータをより効果的に評価し、見ることができる。
【0007】
もう一つの態様において、合成された2D画像Msを、患者に関して以前に得られたMp画像とともに表示して、Trデータを使用する前に公知の方法を使用して類似データの比較を可能にすることもできる。逆に、Tpおよび/またはTrデータから2D画像を合成する方法を使用して、マンモグラフィー専用機によって得られたマンモグラムを、患者に関する既存のトモシンセシスデータに対して比較して、それにより、異なる能力のシステム間の移送を容易にすることによってトモシンセシスデータの利用度を高めることもできる。このように、マンモ専用システム、トモ専用システムおよびコンボシステムを含む多様なシステムがあり、これらのシステムは、マンモグラフィーデータとの比較に関して、または診断ワークフロー効率の向上に関して、トモシンセシスデータから2D画像を合成する能力から恩恵を受けることができる。
【0008】
適切な表示技術が、Ms、Mp、Tpおよび/またはTr画像(ここではまとめてT画像と呼ぶ)の提示を、医療従事者によるレビューにとってより効果的かつ効率的にする。トモシンセシス投影画像Tpが取得されると(従来の2DマンモグラムMpとともに、またはそれなしで)、改良された表示方法がTならびにMpおよび/またはMs画像の表示を容易にする。
【0009】
また、ある時機に取得されたトモシンセシス画像Tpおよび/またはTrを、異なる時機に取得されたマンモグラムMpおよび/またはトモシンセシス画像Tpおよび/またはTrに比較しなければならない場合に効果的な表示手法が望ましい。ある特定の時機のMp画像が利用できず、ただしTpおよび/あるいはTr画像が利用可能である状況において、本発明は、合成マンモグラム画像Msの生成を可能にする。また、Trおよび/またはTp画像だけが表示される場合にも効果的な表示が望ましい。
【0010】
一つまたは複数のTp画像および/または一つまたは複数のTr画像を使用すると、多数の方法のいずれかでMs画像を提供することができる。Ms画像を生成するための多様な技術を以下でさらに詳細に説明する。Ms画像は、表示の前に動的に生成することもできるし、または、事前に生成し、記憶しておくこともできる。たとえば、Ms画像は、Tr/Tp画像の表示の前に動的に合成することもできるし、Tp画像の取得と同時に生成し、Tp画像とともに記憶しておくこともできるし、Tr画像の再構成ののち、Tp画像とTr画像との組み合わせを使用して生成することもできる。
【0011】
表示は、Ms、Mp、TpおよびTr画像の一つまたは複数の任意の組み合わせの並行、トグル式、オーバレイ式またはシネ表示を提供するように適合されることができる。並行表示は、同じ表示装置または隣接する表示装置上でのサイドバイサイドビューであってもよいし、または、一つの画像が別の画像の内部に提供されるサムネイルスカウトビューの形態であってもよい。本発明は、画像を並行に見るときに、異なる画像の反映マーキングをサポートする。たとえば、技術者がマンモグラム(またはトモスライス)上の対象区域をマーキングする、またはマンモグラム上のマーカを移動させるならば、マークおよび/またはマークの動きは、トモスライス(またはマンモグラム)の適切な位置に反映される。
【0012】
もう一つの表示問題は、画像のコンピュータ解析を使用して、疑われる異常の位置およびおそらくは他の特性を識別するコンピュータ支援検出(CAD)法に関する。CADマークは現在、マンモグラム画像Mp上に配置されるか、他のやり方でマンモグラム画像Mpと対応させられるが、それらをTrおよび/またはTp画像上の適切な位置に配置する、または他のやり方でそれらをTr/Tp画像と対応させることが有用である可能性がある。逆に、Tpおよび/またはTr画像を処理することによってCADマークを得、それらをMp画像上の適切な位置に配置する、またはMs画像中の適切な位置に配することが望ましい可能性がある。
[本発明1001]
患者の乳房の複数のX線トモシンセシス投影画像を得る工程、
該X線投影画像を使用して該患者の乳房の三次元再構成物を生成する工程、および
該複数のX線トモシンセシス投影画像のサブセットのみを使用して二次元マンモグラムを合成する工程
を実行する一つまたは複数のプロセッサを含むコンピュータシステムで使用する方法。
[本発明1002]
二次元マンモグラムを合成する工程が、X線トモシンセシス投影画像の一つを二次元マンモグラムとして使用するために選択する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
二次元マンモグラムを合成する工程が、複数のX線トモシンセシス画像のサブセットをフィルタ補正することおよび組み合わせることの少なくとも一つを実行する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
合成されたマンモグラムを、三次元再構成物の少なくとも一部分とともに表示する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1005]
合成されたマンモグラムおよび三次元再構成物の少なくとも一部分をオーバレイ表示して、合成されたマンモグラムと三次元再構成物の一部分との間での切り換えを可能にする、本発明1001の方法。
[本発明1006]
三次元再構成物の一部分、X線投影画像の少なくとも一つ、およびマンモグラムのうちの少なくとも一つの表示を制御するためのユーザインタフェースを提供する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1007]
トモシンセシスシステムのユーザインタフェースにおけるマンモグラムビューの選択に応答して、合成されたマンモグラムを該トモシンセシスシステムの表示装置に表示する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1008]
記憶装置から過去のマンモグラムを検索し、かつこの過去のマンモグラムを、合成されたマンモグラムとともにトモシンセシスシステムの表示装置上に表示する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1009]
合成する工程が、代数的方法または最大値投影法の少なくとも一つを使用する、本発明1001の方法。
[本発明1010]
合成する工程の前にX線トモシンセシス投影画像の少なくとも一つをフィルタ補正する工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1011]
患者の乳房の複数のX線トモシンセシス投影画像を得る段階、
該複数のX線トモシンセシス投影画像を、複数のスライスを含む三次元再構成画像に再構成する段階、および
少なくとも該三次元再構成画像のサブセットを使用して二次元マンモグラムを合成する段階、および
合成されたマンモグラムを表示装置上に表示する段階
を含む方法。
[本発明1012]
複数のトモシンセシス投影画像を再構成する工程が、トモシンセシス投影画像を第一の座標系上に再構成して最初の再構成物を提供し、第一の座標系が、デカルト座標系、円錐ビーム座標系および仮想取得システムに関連する座標系を含む群より選択される、本発明1011の方法。
[本発明1013]
複数のトモシンセシス投影画像を再構成する工程が、最初の再構成物を第二の異なる座標系上に投影して三次元再構成画像を提供する工程を含む、本発明1011の方法。
[本発明1014]
再構成する工程が、三次元再構成トモシンセシス画像を、選択された平面に方向付ける工程を含む、本発明1011の方法。
[本発明1015]
合成する工程が、マンモグラムのピクセル間隔とは異なるピクセル間隔を有する少なくとも一つのトモシンセシススライス画像をマンモグラム座標系上に投影することを含む、本発明1011の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい態様の詳細な説明
図面に示す好ましい態様の説明においては、明確さのために、特定の専門用語を用いる。しかし、本特許明細書の開示は、そのように選択された特定の専門用語に限定されることを意図したものではなく、各特定の要素は、同様なやり方で作用する技術的均等物をすべて含むということが理解されよう。
【0015】
以下の略号は、本出願を通して以下の定義を有するものとする。表記Mpは、乳房の二次元投影画像である従来のマンモグラムを指し、フラットパネル検出器または別のイメージング装置によって取得されたデジタル画像および医療従事者への表示または記憶、たとえば病院または別の施設のPACSシステムへの記憶のために従来の処理を加えられた後の画像の両方を包含する。Mp
currentという用語は、患者診断のために取得システムによって取得されるマンモグラムをいい、Mp
legacyという用語は、患者の以前のレビューで撮られた患者のマンモグラム画像、たとえば患者の乳房構造における変化を識別するためにMp
currentに対する比較のために使用されるマンモグラム画像をいう。
【0016】
Tpとは、同様に二次元であるが、乳房とイメージングX線の原点(通常、X線管の焦点)との間のそれぞれのトモシンセシス角で撮られた画像をいい、取得されたままの画像および表示または他の用途のために処理された後の画像を包含する。Trとは、たとえば前記先出願に記載されたやり方で画像Tpから再構成された画像をいい、乳房のスライスを、そのスライスの投影X線画像で見えるように、TpまたはMp画像に使用される角度だけでなく、任意の所望の角度で表す。
【0017】
Msという用語は、マンモグラフィー画像、たとえば頭尾方向(CC)画像または内外斜位方向(MLO)画像を模倣し、トモシンセシス投影画像Tp、トモシンセシス再構成画像Trまたはそれらの組み合わせを使用して構成される合成2D投影画像をいう。Ms画像は、医療従事者への表示または病院もしくは別の施設のPACSシステムでの記憶のために提供されることができる。
【0018】
Tp、Tr、MsおよびMpという用語はまた、表示、さらなる処理または記憶のためにそのような画像を説明するのに十分である情報(形態にかかわらない)を包含する。画像Mp、Ms、TpおよびTrは通常、表示される前にはデジタル形態にあり、ピクセルの二次元配列における各ピクセルの性質を識別する情報によって画定される。ピクセル値は通常、X線に対する、乳房中の対応する体積(ボクセルまたは組織の列)の計測または推測または計算された応答に関連する。好ましい態様においては、2005年11月15日出願の米国特許出願第11/667,650号「Matching Geometry Generation and Display of Mammograms and Tomosynthesis Images」に記載されているように、トモシンセシス画像(TrおよびTp)およびマンモグラフィー画像(Ms、Mp)の幾何が共通の座標系に整合される。
【0019】
図1は、本明細書に開示される画像生成および表示システムの一例におけるデータの流れを示す。画像データ取得システム1が、患者の乳房のTp画像のトモシンセシス画像データを取得し、前記先出願に開示されているシステムのいずれかの形態をとり、その取得方法を使用することができる。システムがコンボシステムであるならば、Mp画像を生成することもできる(
図1に破線およびラベルMp
currentによって示すとおり)。一部の専用トモシンセシスシステムまたはコンボシステムは、過去のマンモグラム画像を画像保存通信システム(PACS;Picture Archiving and Communication System)記憶装置2に受け、記憶するように適合されていることもできるが(
図1に破線および凡例Mp
legacyによって示すとおり)、任意のMp画像を取得し、事前に記憶しておくということが必要条件ではない。
【0020】
トモシンセシス画像取得ののち、投影画像Tpを説明するデータが、好ましくはDICOM準拠PACSである記憶装置2に送られる。画像が表示装置5のために必要になるならば、データTp画像は、取得システム1または記憶装置2のいずれかから、前記先出願に開示され、以下に詳述するように、選択された厚さおよび選択された向きの乳房スライスを表す画像Trへのトモシンセシス再構成を実行することができる再構成エンジンとして構成されたコンピュータシステム3に送られる。コンピュータシステムはさらに、再構成エンジン3と実質的に平行に作動して合成2D画像(T2dまたはMsとして互換可能に参照する)を生成することができる、2D合成機能4を有するように構成されていることもできる。そして、再構成されたスライス画像Trは、見ることができるように表示システム5に送られる。再構成エンジン3が高速リンクを介して表示装置5に接続されているならば、大きなデータセットを速やかに伝送することができる。他の画像、たとえばMs、Mpおよび/またはTp画像もまた、並行またはトグル式表示のために表示ユニットに転送されることができる。
【0021】
時が経つにつれて、取得システムおよび表示システムに改良が加えられる可能性が高く、それが、ハードウェアおよびソフトウェアアップグレードならびに再構成アルゴリズムの変更を生じさせる可能性がある。それが、以前に撮られた画像を見る際に問題を生じさせるおそれがある。過去に再構成され、表示されたときと同一に見える(または少なくとも匹敵しうる)画像を記憶装置から検索し、再構成することができる、またはその逆ができることが重要になる可能性がある。
【0022】
再構成アルゴリズムにおける改良が画質を改善して、旧バージョンの再構成アルゴリズムおよび当時存在した医療水準を使用したときには見えなかった画像中の癌性病変の検出を可能にする例を考えてみる。新たなアルゴリズムで処理された古い画像を見ることは有用である可能性があるが、当初の検出/診断の間に見られたような画像の再表示を可能にすることもまた重要である可能性がある。本特許明細書における開示にしたがってこれを達成する一つの方法は、取得時のTp画像データ取得および/またはTr画像再構成システムのソフトウェアおよび/またはハードウェアバージョンを識別する、またはそのような情報を他のやり方でTp画像と対応させるバージョン番号または他の情報をTp画像のデータに埋め込むことである。のちの再構成の間、再構成エンジンがそのバージョン番号または他の類似情報を読み取り、適切なアルゴリズムを使用して再構成する。したがって、システムアップグレードは、適切な技術を使用して再構成ができるよう、旧アルゴリズムおよび/またはハードウェアのライブラリを維持することができる。
【0023】
加えて、異なる能力を有するシステムを使用して生成された既存の画像を新システムに移植することが望ましい可能性がある。たとえば、患者は、過去のスクリーニングに関連するマンモグラム画像の履歴を編集している可能性がある。そのような患者が、最新の設備を有する施設、たとえば専用トモシンセシスシステムを含む施設で検査されることもある。履歴情報を既存の診断画像に対して比較するためには、そのような過去のMp画像を記憶し、専用トモシステムのトモシンセシス取得からMs画像を生成し、同様なフォーマットを有する表示を比較することが望ましい可能性がある。
【0024】
したがって、本発明の画像取得および表示システムの代替設計が
図2に示されている。この例においては、再構成ユニット3および2Dシンセサイザ4が取得ステーション1に直結され、再構成画像Trおよび合成画像Msが記憶システム2に送られて、その後、過去のMp画像を記憶することもできる表示装置5で表示されることになる。
図2の構成の一つの利点は、取得および合成アップグレードを取り扱う方法にある。新たなハードウェア/ソフトウェアバージョンが修正された再構成アルゴリズムを有するならば、アップグレード後に撮られたTp画像データから再構成または合成されるすべてのTr画像およびMs画像はこの新たなアルゴリズムを自動的に反映し、アップグレード前に撮られたTp画像データから再構成または合成されるTrおよびMs画像は、旧バージョンで再構成され、そのようなものとして適切に記憶されることになる。PACSに記憶された画像は、検出/診断または他の以前のレビューの間に放射線科医または他の医療従事者によって見られたものと同じになる。
図2のシステムのもう一つの利点は、再構成エンジンが表示装置の直前にある
図1のシステムに比較した場合のシステム再構成負担の軽減である。画像を表示装置に押し込む複数の取得システム、たとえば四つのシステムがあるならば、再構成エンジンは、全患者スループットが同じである場合、一つの取得システムしか有しないシステム中の再構成エンジンの四倍の速度で画像を再構成しなければならない。
【0025】
図3は、本発明の2D画像合成プロセスから恩恵を受けることができるもう一つの画像取得および表示システムを示す。
図3において、画像取得装置11はマンモグラフィー専用装置である。デジタルイメージングの一つの利点はデータの移植性である。異なるイメージング場所の間で移動する患者は、異なる能力を有するイメージング設備に暴露されるということが考えられる。たとえば、患者は、トモシンセシス専用システムを含むイメージングセンタで検査を受けたのち、マンモグラフィー専用取得システムを含む場所で(または逆の順序で)検査を受ける可能性がある。医療従事者が容易に画像を比較して乳房構造中の変化を識別するためには、既存のTrおよび/またはTpデータから2Dマンモグラムを合成することが望ましいであろう。
図3において、記憶装置2は、過去のMp画像(あるならば)および過去のTp画像の両方を記憶するように適合されている。表示装置の能力(すなわち、トモシンセシスデータを見ることができるかどうか)に依存して、システムは再構成ユニット3を含むこともできる。マンモグラムを見る能力しか有しない他のシステムはこのユニットを含まなくてもよく、したがって、
図3では、ユニットおよびトモシンセシスデータはすべて破線で示されている。
図3のシステムにおいて、マンモグラムMpが取得されると、それは、記憶装置2に記憶されるか、または表示装置5に転送されるかのいずれかである。Tpおよび/またはTrデータは記憶装置から検索され、2Dシンセサイザ4に転送される。得られるMs画像は最新のMpとともに表示装置5上に表示される。このようなシステムにおいて、2D合成ソフトウェアは、既存のマンモグラフィーシステム上でトモシンセシスデータを見ることを容易にする、ダウンロード可能なアプリケーションとして提供されることもできると想定される。
【0026】
どのシステム設計がより大きな負担を施設のPACS記憶装置に課すのかの問いは、未処理の投影Tpおよび再構成画像Trのサイズに依存する。一般に、未処理の投影Tpが再構成画像Trよりも小さいならば、未処理または予備的に処理されたTp画像のデータをPACS中に保存し、表示または他の使用のための要求に応じて最終的なTr画像を再構成することが望ましい可能性がある。すべての場合、これらのサイズの両方をできるだけ小さく維持することが望ましい可能性がある。
【0027】
Tp画像の当初のデータセットのサイズを減らす一つの方法は、最終的なMs、TpまたはTr画像の臨床的効能を減らすことなく、投影Tpデータをできるだけ大きなピクセルサイズにビニングすることである。
【0028】
記憶、遠隔場所への伝送および/または他の目的のために、画像は、DICOM規格に合致するようにフォーマットされることができる。たとえば、一つのビューの各未処理または表示投影画像セット、合成画像または再構成スライス画像セットは、DICOMにしたがって、一つのセカンダリキャプチャ画像インスタンスとして記憶される。画像ピクセルデータは、すべての投影またはスライス画像を含む選択された圧縮フォーマット(CODEC)にコード化することができる。
【0029】
図1〜3に示すように、本発明のイメージングおよび表示システムは、一つまたは複数のTpおよび/またはTr画像の組み合わせを使用して、CCおよびMLOの両方の向きで撮られたマンモグラムを模倣する2D画像を生成するための2Dシンセサイザを含む。システムの表示装置は、好ましくは、Ms、MpおよびTr(および/またはTp)画像を並行に(表示装置上の別個のウィンドウ中、技術ワークステーションの別個のモニタ上またはオーバレイ式のいずれかに)または順次にまたはトグルモードで表示することができるべきであり、Ms、Mp、TpおよびTr画像は、最新に取得されたものであってもよいし、以前の検査で取得されたものであってもよい。したがって、一般に、表示装置は、最新および以前の検査からのマンモグラム(Ms、Mp)およびトモシンセシス画像Tr(および/またはTp)を同時もしくは順次にまたはトグルモードで表示することができる。Trスライスは、すべてを、乳房のMpまたはMs画像のサイズと同じであることができる同じサイズに再構成することもできるし、はじめに、取得に使用されるX線ビームの扇形によって決まるサイズに再構成したのち、適切な補間/補外によってその同じサイズに転換することもできる。
【0030】
異なるタイプの画像および異なるソースからの画像を所望のサイズおよび解像度で表示することができる。たとえば、画像は、(1)イメージングされる乳房組織全体が見えるように表示画像のサイズが最大化されるFit To View Portモード、(2)スクリーン上の表示ピクセルが画像のピクセルに一致するTrue Sizeモードまたは(3)表示画像のサイズが、並行に表示されている、または表示画像とともに表示されている、または切り換えることができる別の画像のサイズに整合するように調節されるRight Sizeモードで表示することができる。たとえば、同じ乳房の二つの画像が撮られるが、同じサイズではない、または同じ空間解像度を有しない場合、それらの画像の一方を選択的にズームインまたはズームアウトする、または両方をズームして、並行に表示されたときスクリーン上で同じサイズに見えるようにする、またはユーザがそれらの画像を切り換えて比較を容易にする、または他のやり方で検出/診断を容易にするための備えが設けられる。そのようなサイズ変更には、公知の補間/補外および重み付け技術を使用することができ、検出/診断を容易にする方法で表示画像の他の特徴を類似させるためには、公知の画像処理技術を使用することができる。
【0031】
開示されたシステムが扱う様々なタイプの画像ごとに固有である、選択されるハンギングプロトコルが提供される。一例として、2D画像(たとえばMsまたはMp画像)のためのハンギングプロトコルと、3D画像(たとえばTr画像)のためのハンギングプロトコルとは、所与の乳房に関して、一方のタイプの画像が表示され、他方のタイプの画像もまた表示されるようにリンクされる。たとえば、乳房のMs/Mp画像が表示されるとき、スクロールまたはシネモード提示を含むことができる所望のハンギングプロトコルによってTr画像および/またはTp画像のタイルが自動的に同時に表示されることもできるし、あるいはTrおよび/またはTp画像の特定のサブセットまたは特定の個々のTr/Tp画像を選択するためのユーザ入力を要求することもできる。このように、並行に表示される(共通の表示装置上、隣接する表示装置上、またはオーバレイ式のいずれか)、または一度に一つのタイプしか表示されないよう切り換えられる2Dおよび3D画像の場合には、複合ハンギングプロトコルセットを提供することができる。加えて、複合ハンギングプロトコルは、ハンギングプロトコルに含まれる2Dおよび3D画像の一方または両方に関連するCAD情報のリンク表示のための備えを含むことができる。または、2D画像のためのハンギングプロトコルは、3D画像のためのものとは異なるように作られている。Ms、Mp、Trおよび/またはTp画像の表示においてどの画像がどの画像タイプに対応するのかを識別する方法が望ましい。そのような方法の一例が
図4に示されている。画像タイプを識別するためにアイコンが使用されている。この非限定的例において、左画像300の記号MSは、これが合成マンモグラムであることを示す。右画像310の記号Tは、これがトモシンセシススライス画像Trであることを示す。同様に、表示画像がトモシンセシス投影画像Tpであることを示すために記号Tp(図示せず)を使用し、2D画像であることを示すために記号2Dを使用し、表示装置上の画像が3D画像であることを示すために記号3D(同じく図示せず)を使用することもできる。上述したものの代わりに、またはそれらに加えて、同様な目的に働く他の記号/アイコンを使用することもできる。または、画像タイプの識別なしに画像を表示することもできる。たとえば、見えている画像のタイプの指示を表示することなく、Tr画像およびMpまたはMs画像を同時に表示する、または切り換えることもできる。これは、ユーザが馴染みのあるハンギングプロトコルを有し、画像タイプの明示的識別を要しない場合などに望ましい可能性がある。
【0032】
本特許明細書に非限定的例として記載されるシステムは、トモシンセシス投影画像Tp、トモシンセシス再構成画像Tr、合成マンモグラム画像Msおよび/またはマンモグラム画像Mpまたは一つのタイプもしくはタイプの部分的組み合わせを選択的に受け、表示することができる。非圧縮状態、可逆的圧縮状態および不可逆的圧縮状態で記憶された画像を受けることができる。また、圧縮フォーマットで送られた画像を圧縮解除するためのアルゴリズムを含むことができる。システムは、画像Tpのトモシンセシス画像データを画像Trに再構成するためのソフトウェアおよびマンモグラム画像Msを合成するためのソフトウェアを有する。さらに、標準的な公知の方法、たとえばMIP(最大値投影法)、加算および/または重み付き加算アルゴリズムを使用してトモシンセシス再構成画像Trから3D表示画像を生成するためのソフトウェアを含むことができる。
図5は、Mp画像および2D合成画像の例示的な表示を示す。各画像は、画像が最新の取得からの画像であるのか、または過去のデータに基づく画像であるのかを示すために標識されてもよい。たとえば、Mp画像は、記憶された過去のマンモグラムであることができ、2DMs画像は、最新のトモシンセシス取得から生成され、トモシンセシスデータの医療従事者による読みをガイドするための初期ビューとして提供されることもできる。または、Mp画像は、たとえばコンボマンモ/トモシステムを介する、またはマンモグラフィー専用システムによる最新の取得に基づくこともでき、Ms画像は、
図3に示したように以前に記憶されたトモシンセシスデータから生成して、それにより、類似画像を比較して対象領域をより容易に識別することを可能にすることもできる。
【0033】
図6Aは、Tpおよび/またはTr画像の表示中にオーバレイとして提供されることもできるスカウトビューサムネイル画像としての合成2D画像の表示を示す。このようなスカウトビューは、トモシンセシス画像のレビュー中に医療従事者のワークフローをガイドするために使用することができる。
図6Bは、たとえば過去の2D画像を最新2D画像とともに示す二つのスカウトビューを示す。二つの画像を比較する能力は医療のワークフローをさらに支援することができる。
図6Bは過去のMp画像をMs画像とともに示すが、異なるタイミングの取得に対応する任意の二つの2D画像を使用することができ、本発明は、図示される特定の画像に限定されない。
【0034】
図7は、異なるビュー(CCおよびMLO)の二つの合成2D画像の表示を示す。
図7の態様において、コンピュータ支援検出(CAD)プロセスが合成2Dビューまたは再構成トモシンセシスデータのいずれかに適用されて、その結果、CADマーク350を提供している。‘050号出願に記載されているように、マンモグラムを処理する結果として得られるCADマークを3Dトモシンセシス画像に投影することができ、3Dトモシンセシス画像を処理する結果として得られるCADマークをマンモグラムに投影することもできる。本発明はさらに、2D合成画像を使用する場合、CADマークを画像間で同様に平行移動させることを想定している。
【0035】
表示する特定の画像を選択するためには多様な方法を使用することができる。たとえば、メニュー起動型インタフェースに対し、最新取得画像および利用可能な過去の画像の選択を含む、表示に利用可能である画像のタイプを自動的に追加することができる。ソフトウェアが、画像処理で使用するための一つまたは複数の像平面を選択したり、ウィンドウ/レベルを変更したり、スライス高さを変更したりすることなどを可能にする。さらに、メニュー起動型インタフェースには、オーバレイ、シネ、インセットビューなどを含む表示構成を追加することもできる。ドラッグアンドドロップ技術のような代替方法を使用して、スクリーン上に画像を配置することもできる。これらの画像セットは、一つのモニタもしくは複数のモニタまたは他の表示装置上に出すことができる。
【0036】
複数の画像が表示される場合、デジタル画像に適用される公知の補間または補外法を使用して画像をすべて同じピクセル間隔で表示させることが好都合である可能性がある。これが画像比較を容易にすることができる。一例として、以前のマンモグラムが100ミクロンピクセル間隔を使用するシステム上で取得され、最新のマンモグラムが70ミクロンピクセル間隔を使用するシステム上で取得されたならば、表示装置は、ピクセル間隔が同一になるように両画像をマッピングすることができる。このピクセル間隔調節はまた、Ms、MpおよびTr/Tp画像にも使用することができる。好ましい態様において(ただし、
図6Aおよび6Bのようなサムネイルスカウトビューを除く)、Ms、MpおよびTr/Tp画像は同じピクセルサイズで表示される。これは、Ms、MpおよびTr/Tp画像が互いの上に来るオーバレイ式またはトグル式画像表示を実行する際に特に有用である。このように、Tr画像中の対象物は、対応するMs/Mp画像中の同じ位置に現れる。二つの画像が同じピクセルサイズではないならば、それらの間での切り換えは、ピクセルサイズの違いによる目障りな変化を示すおそれがある。表示装置上のすべての画像でピクセル間隔を合致させることが唯一の可能性である。乳房の領域にズームした画像で起こるような、任意の画像または画像セットのピクセル間隔を変更する能力を含めることもできる。
【0037】
ズーミングは、表示装置上の画像のいずれに対しても実施することができる。たとえば、コンボオーバレイ表示モード中、ズームされる区域は、切り換えるときのMs/MpおよびTrスライス画像の両方をズームする。換言するならば、どの画像タイプが表示されていようと、その画像はズームされる。ウィンドウ/レベルは、独立して、またはいっしょに、表示装置上の画像の任意の組み合わせに適用することができる。特に、Tr画像の場合、ウィンドウ/レベルは、表示された一つのTrスライス画像だけに適用することもできるし、またはすべてのTrスライス画像に適用することもできる。画像の拡大領域があるならば、ウィンドウ/レベルは、選択的に、その拡大領域だけに適用することもできるし、画像全体に適用することもできる。
【0038】
本発明のもう一つの局面にしたがって、合成されたマンモグラムは、対象領域に関連するトモシンセシススライスの識別を支援するために、技術者ワークステーションでトモシンセシス画像とともに使用されることができる。たとえば、ここで
図8を参照すると、技術者または他のユーザがマーカ(410A)を配置する、または他のやり方でマンモグラム上の対象領域(420A、430A)を強調することができる。本発明は、トモグラフ画像400B上の対応するx-y位置に複製マーカをマーカ410B、420Bおよび430Bとして生成することにより、マーカを自動的に反映する。ユーザがマーカを画像内の異なる位置に動かすと(たとえば、マウスを使用して、マークまたは領域に対応するカーソルをドラッグする)、反映されたマークは代わりの画像中で同様に動く。表示目的のために二つの画像の座標系がすでに整合しているため、マーカの自動反映は、標準的なグラフィックイメージング技術を使用して容易に達成することができる。このように、加えられたマークのx-y位置と、マークが反映されるべき代わりの画像上のx-y位置との間に一対一の関係が生じる。マーカは、本質的に、各画像に被さる二次元平面上に位置し、ユーザがトモグラフィースライス画像中で深さ方向にスクロールするときでも定位置に留まる。したがって、マーカは、ユーザがトモグラフィースライス中で深さ方向にスクロールするときでもトモシンセシススライス上に留まる。同様に、技術者は、トモシンセシス画像上にマーカを配置することもでき、そのマーカはマンモグラム上に反映される。このような構成により、技術者は、トモシンセシススライス中のアーチファクトがマンモグラム画像中でどのように現れるのかを速やかに認識することができる。
【0039】
図9は、上述した好ましい非限定的例を具現化することができるマンモグラフィー/トモグラフィーシステム全体を示す。この図は、乳房112をイメージングするX線源110を含むX線データ取得ユニット100をブロック図形態で示す。X線イメージャ116、たとえば本特許明細書の譲受人から市販されているフラットパネルX線イメージャが、マンモグラムMpまたはトモシンセシス投影画像Tpであることができる投影画像データを生成する。X線源110は、画像Tpを異なる角度で撮ることができるよう、移動可能に取り付けられている。X線イメージャ116は、固定されることもできるし、好ましくはX線源110の動きと同期的に動くこともできる。要素110および116が、前記先出願特許明細書から公知のやり方で動作を制御するX線データ取得制御装置118と通信する。イメージャ116からのX線画像データは処理ユニット120に送られる。処理ユニット120は、ユニット12のコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されていることができる再構成ソフトウェア122を含む。再構成ソフトウェアは、前記先出願特許明細書から公知であるようなX線画像データをTpおよびTr画像データへと処理し、これらの画像データは、上記様々な態様で開示されているように、記憶装置130に記憶され、画像表示ユニット150で表示されることができる。
【0040】
特に、トモシンセシス再構成は、上記で参照した「Matching Geometry」特許出願(第11/667,650号)に記載されている方法のいずれかを使用することができる。開示されたプロセスおよびシステムは、患者乳房のトモシンセシススライス画像を、乳房中の対象物が、それが見える各スライス画像中で同じまたは少なくとも整合する相対的位置にあり、また、好ましくは、その同じ乳房の従来のマンモグラム中と同じまたは少なくとも整合する位置にあるように生成し、表示する。これを達成するために、「Matching Geometry」特許出願に記載された方法およびシステムは、好ましくは円錐形または角錐形のイメージングX線ビームを使用してトモシンセシス画像の2DX線投影データを得、マンモグラムと同じ幾何座標系および好ましくは2D投影マンモグラムと同じ座標系に適合するようなトモシンセシス画像を生成する。その結果、解剖学的構造が、そのようなトモシンセシス画像および好ましくはマンモグラム中の幾何学的に整合または合致する位置に出現する。一つの態様において、トモシンセシス画像は、はじめに、対象物が異なるトモシンセシス画像またはマンモグラム中で整合する位置にない、またはあることができない最初の座標系、たとえばデカルト座標系中にトモシンセシス画像を再構成し、次に、それらの画像を別の座標系、たとえばマンモグラムの座標系中に投影する2ステップコンピュータ具現化プロセスで生成することができる。第二の態様において、再構成により、所望の座標系、たとえばマンモグラムの円錐ビーム幾何中にトモシンセシス画像を直接生成することができる。本発明の一つの局面にしたがって、望むならば、たとえば再構成の平面を修正するために、この直接再構成をさらに異なる座標系に投影することもできる。
【0041】
たとえば、
図10は、圧縮される乳房10の長軸がシートに対して垂直である正面図を示す。乳房10は、イメージレセプタ12、たとえばフラットパネルデジタルイメージャと圧縮パドル14との間で圧縮され、X線源18からの円錐系または角錐系のX線ビーム16でイメージングされる。乳房10中に二つの対象物、スライスAにある対象物#1およびスライスBにある対象物#2が示されている。ここで使用する「対象物」という用語は、マンモグラムまたはトモシンセシス画像中でイメージングされることができる任意の構造、たとえば乳房中の病変をいい、「スライス」という用語は、全乳房厚さ未満である有限厚さ、たとえばz方向の厚さの乳房の層をいうために使用される。たとえば、スライスは、厚さ数mmである、またはそれよりも薄いまたはそれよりも厚いことができる。対象物#1および#2は同じX線軌道20に沿うため、マンモグラム中では重なり合った状態に見える。しかし、X線軌道20はレセプタ12の像平面に対して垂直ではないため、そのような円錐ビーム幾何を使用するときのX線軌道の一般的な場合と同じく、二つの対象物は、スライスAおよびスライスBのトモシンセシス投影画像中、異なるxy位置に見える。「Matching Geometries」出願は、トモシンセシス画像の座標をマンモグラムと整合させるトモシンセシス画像の再構成および表示法を記載している。すべての関連するX線計測は、乳房に対するX線ビームのいくつかの異なる角度それぞれにおける、たとえば一定範囲のいくつかの等距離角におけるピクセル値の2Dセット(基本画面積のX線計測値)として得ることができる。他の未処理X線データ取得技術を代わりに使用することもできる。マンモグラフィーおよび乳房トモシンセシス技術で公知のタイプの前処理ののち、公知の再構成アルゴリズム、たとえばフィルタ補正逆投影法、反復再構成法、最尤再構成法などを使用して、それらのピクセル値を長方形デカルト座標系(
図11aの30)へと再構成することができる。
図11aに示すように、トモシンセシススライス画像中で各ピクセルとしてイメージングされるボクセル(基本体積要素)が、レセプタ12の像平面に対して垂直な線に沿って並ぶ。結果は、レセプタ12の像平面によって下を画定され、圧縮パドル14によって上を画定され、レセプタ12に当たるX線ビーム16の境界によって側面を画定された3D空間中にあり、xy面中で均一に離間した、ボクセルのX線性質を表すピクセル値のセットとして概念化することができる。X線ビーム16は円錐形であるため、この3D空間の側面は、少なくともビームの三つの側面で傾斜し、線源18からレセプタ12へのX線軌道は、一般的な場合、拡散する。したがって、一般的な場合、各X線軌道、たとえば軌道20は、レセプタ12の像平面に対して非垂直である。マンモグラムの幾何に整合するトモシンセシス画像スライスは、当業者のプログラマによって過度な実験なしに特定のX線データ取得幾何に適合されるコンピュータ具現化プロセスを使用して、いくつかの水平乳房スライスそれぞれを、X線ビームに含まれる実際のX線軌道に沿って撮られたマンモグラフィー画像の像平面に別々に投影することによって得ることができる。
【0042】
または、円錐ビームX線照射の場合、再構成幾何は、
図11bに示す、トモシンセシススライス画像中のピクセルに対応するボクセルが異なるスライス中の異なるxy間隔にあり(そして、少なくともxy面中でサイズが異なる)、異なるスライスの対応するボクセルが同じ(一般に傾斜する)X線軌道に沿う円錐ビーム座標系31であることができる。再構成ソフトウェア122によって実施される再構成処理の場合、幾何行列は、幾何較正ファイルおよび逆投影で使用するための取得システム11に適切な入力投影角、取得システム11の幾何較正から決定される行列要素へのフィットおよび取得システム11中のエンコーダによって計測される入力投影角から画定することができる。画像処理およびフィルタ補正は、再構成の前に、当技術分野で公知の画像処理技術、たとえばCTスキャンおよびトモシンセシスを使用して、画像に対して実施することができる。また、公知の皮膚ライン補正をこの段階で適用することができる。そして、以下の幾何行列を使用して、逆投影を、一度に1トモシンセシススライスずつ実施することができる。
【0044】
式中、u、v、zは、再構成されたピクセルの位置であり、Miは、投影Iの3×4幾何行列であり、(x、y、z)は、画像ピクセルの位置であり、(dx、dy)は、線源18中の焦点と画像ピクセルとを接続するラインの、X線検出要素または区域上の位置である。
【0045】
幾何行列(M)はデカルト幾何または取得システム幾何に限定されないことに注目することが重要である。むしろ、本発明は、任意の座標系の幾何にしたがってデータを再構成することに利点があることを実現する。
図11cは、円錐ビーム座標系が仮想焦点配置を有する仮説的取得システムから導出される例示的な仮想円錐ビーム幾何を示す。このような座標系は、
図11bの座標系と同じく、トモシンセシススライスごとに異なるピクセル間隔を有する。しかし、このような構成においては、胸壁に近いピクセル間隔の角度が増す。本発明の範囲内で、異なる仮説的取得システムと対応した、またはイメージング区域の異なる部分に合焦する他の仮想座標系を容易に代用することもできる。
【0046】
上記再構成法は、フィルタ補正逆投影プロセスを使用してデータを既知の幾何に投影する。しかし、反復再構成法、最尤再構成法またはたとえば前記特許出願第10/723,486号に教示されているような他の方法を含むがこれらに限定されない他の公知の再構成法を使用して同じ結果を達成することもできる。
【0047】
再構成されるトモシンセシス画像スライスは、上記式1によって示されるような「デフォルト」基準面に対して平行であることができる。または、以下の式にしたがって当初の3×4行列Mに適用される4×4行列乗算によって画定される他の所望の向きにあることもできる。
【0049】
たとえば、好ましい向きは、特定のマンモグラムが撮られる向きであることができる。または、透視行列の使用が、再構成画像を任意の向きで見ることを可能にする。たとえば、投影画像の共通セットに関連するが、異なる透視図および座標系を使用して再構成される再構成データのいくつかのセットを有することが望ましい可能性がある。
【0050】
要するに、トモシンセシススライス画像の再構成は、1)再構成される画像スライスの向きの選択を含むことができる。スライスは、式Iによって示されるような「デフォルト」基準面に対して平行であることができるか、または式IIによって示されるように、当初の3×4行列Mに対する4×4行列乗算によって画定される、別のより好ましい向きにあることもできるかのいずれかである。そして2)デカルト格子(
図11a)または円錐ビーム格子(
図11b)または仮想格子(
図11c)のいずれかであることができる、空間中の再構成ボクセル格子の選択を含むことができる。
【0051】
処理ユニット120はさらに、Tpおよび/またはTr画像の一つまたは複数を使用して2D画像を合成する2D合成ソフトウェアを含む。
【0052】
トモシンセシスデータを使用して2D画像を合成するために使用することができる多様な方法がある。非常に簡単な形態として、トモシンセシスの間に撮られた任意のTp画像を2D画像として使用することができる。Tp画像を個々に使用することもできるし、または、代数的方法(平均化、重み付け平均化、統計または他の方法)、最大値投影法または2D画像を提供するための他の公知の手段を使用して、Tp画像のサブセットまたはTrスライスのサブセット(上記方法のいずれかを使用して再構成)を組み合わせることもできる。以下、2D画像を合成する方法の一例を記載するが、本発明は、2D画像を合成する特定の方法に限定されず、それどころか、トモシンセシスデータセットから2D画像を生成するために使用することができるいかなる合成技術をも包含するということが理解されるべきである。
【0053】
例示的な態様において、トモデータセットは、Tp0未処理投影、Tp処理投影およびTr再構成スライスからなる。Tp処理投影は、座標幾何整合およびデータセットサイズ縮小の少なくとも一つを実行するために、‘650号出願に記載されているように処理されている。
【0054】
従来のマンモグラフィー画像Mpに類似した一つの「合成された」2D画像T2dが3Dトモデータセットのみから構成される。上記のように、2D合成画像は、乳房構造の速やかな概観を提供して、診断を容易にし、放射線科医が3Dスライスを分析するとき特定の領域に集中しやすくすることができる。表示ワークステーション上で画像をレビューするとき、画像T2dは、通常はコンボモード手法で存在するであろうMp画像に取って代わることができ、過去のMp画像に対して見ることもできるし、多様な他の組み合わせで表示することもできる。
【0055】
図12は、2D合成プロセスで実行することができる例示的工程を示す流れ図である。
図9は、‘650号出願に記載されている方法を使用して、スライスのセットが円錐ビームまたはデカルト座標系で表示される、または仮想座標系(仮想取得システムに対応)で表示されるプロセスへの入力としてスライスTrのセットを生成したと仮定する。以下の式はTr画像を使用する方法を説明するが、Tp画像の任意のサブセットを用いて同様な処理を実行することもできることが理解されよう。
【0056】
工程910で、Trデータセットをスライスのスラブ化セットTslabに割り当てる。すなわち、最大値投影法(MIP)または平均化を使用して、数多くの画像Trを効果的に組み合わせてTslabスライスのセットを生成する。以下の式IIIは、MIPを使用してセットTslabを形成する方法を示し、以下の式IVは、平均化を使用してセットTslabを形成する方法を示す。
【0057】
式III:
当初のセットのスライスをTr[j,z]とする。jは画像のピクセル指数であり、zはスライス番号である。
Tslab[j,z]=MAX(Tr[j,z−Nslab/2], Tr[j,z−Nslab/2+1,..., Tr[j,z+Nslab/2])
【0058】
式IV:
Tslab[j,z]=AVE(Tr[j,z−Nslab/2], Tr[j,z−Nslab/2+1,..., Tr[j,z+Nslab/2])
【0059】
ひとたびTslabスライスのボクセル値が選択されたならば、工程920で、スライスのセットを再投影して初期画像T2d0を生成する。再投影法は画像処理の分野で周知である。画像体積の両側で原点および像平面を選択する。原点をスライスセットに通して像平面点に投影することにより、ピクセルを得る。当初のスライスの値を補間することにより、各スライス位置でピクセル値を合計する。‘650号出願および上記で記載された円錐ビーム座標系再構成の場合、再投影は単にピクセル値の和であり、補間は含まれず、以下の式Vによって示されることに注意すること。
【0061】
式中、zmin、zmaxは、乳房境界、すなわち皮膚の近くのスライスを除外するように選択することができる。これがアーチファクトを減らすことができる。N=zmax−zmin+1。
【0062】
工程930は、再投影された画像をフィルタ補正してT2dを生成する省略可能な工程を実行する。実行されるフィルタ補正は一般に、当初のトモシンセシス画像取得における線源移動の方向に加えられるべきである。必要とされないが、フィルタ補正は、スライスTr中のアーチファクトのせいで再投影中に発生するさらなるぼけを減らすのに役立つことができる。フィルタ補正工程930は、工程920の再投影の前に、ただし計算コストを払って実行することもできるということがさらに注目される。
【0063】
円錐ビーム幾何再構成スライスを入力として使用する利点は以下のとおりである。再構成中に幾何学的相関がすでに実行されているため、工程920の補間工程が簡略化される。したがって、‘650号出願に記載されているように、最終画像T2dが当初のスライスセットTrと幾何学的に重ね合わされる。重ね合わせは、診断およびT2d上でのCAD結果の表示を容易にし、CAD結果は3D画像Trから導出される。また、3DCAD結果を、工程2におけるように再投影(または合計)し、T2dに被せることもできる。
【0064】
したがって、X線画像を、トモシンセシス画像データから合成される2D画像とともに表示するためのいくつかのシステムを示し、説明した。合成された画像は、複合マンモグラフィー/トモグラフィー取得ステーションおよびトモシンセシス専用取得ステーションとともに生成し、表示することができる。過去のトモシンセシスデータが利用可能である場合、画像は、マンモグラフィー専用取得ステーションと組み合わせて生成し、表示することさえできる。このような構成により、馴染みのある画像をトモシンセシスデータとともに提供することが履歴イメージング知識を強化することができるため、診断効率が高まる。
【0065】
例示的な態様を説明したが、上記の例は例を示すだけであり、他の例が請求の範囲に包含されるということが理解される。また、上記のように、公知の画像処理および表示方法からの技術、たとえばTV画像のポストプロダクションおよびAdobeのPhotoshopのようなソフトウェアによる画像操作を使用して、上記の処理の詳細を具現化することもできるということが明かであろう。上記具体的な態様は例示的であり、開示の真意または請求の範囲を逸脱することなく、多くの変形をこれらの態様に導入することができる。たとえば、本開示の範囲および請求の範囲内で様々な例示的態様の要素および/または特徴を互いに組み合わせたり、互いに代用したりすることができる。