(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る映像処理装置、映像処理システム、および、映像処理方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態に係る映像処理装置100の構成の一例について
図1および
図2を参照して説明し、その後、本実施形態の処理等について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る映像処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための映像処理装置100を例示するものであって、本発明をこの映像処理装置100に特定することを意図するものではなく、請求の範囲に含まれるその他の実施形態の映像処理装置100にも等しく適用し得るものである。
【0017】
例えば、本実施形態で例示する映像処理装置100における機能分散の形態は以下に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0018】
まず、
図1に示すように、映像処理装置100は、概略的に、制御部102と記憶部106とを備えて構成される。これら映像処理装置100の各部は任意の通信路(内部バス等)を介して通信可能に接続されている。また、映像処理装置100は、ネットワーク300を介して外部装置と通信可能に接続されていてもよい。
【0019】
ここで、映像処理装置100は、同期信号発生器200に接続されたデコーダモジュールであるマスタデコーダと、同期信号発生器200に接続されていないデコーダモジュールであるスレーブデコーダと、を備えていてもよい。
【0020】
また、映像処理装置100は、同期信号発生器200に接続された映像データを撮影する撮影装置400に接続されていてもよい。
【0021】
また、映像処理装置100は、更に、データの入出力(I/O)を行う機能を有する入出力部、入出力インターフェース部、および/または、通信インターフェース部を備えていてもよい(図示省略)。
【0022】
ここで、入出力部は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、および、マイク等であってもよい。
【0023】
また、入出力部は、アプリケーション等の(入出力)情報を表示する表示部(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネル等)であってもよい。また、入出力部は、音声情報を音声として出力する音声出力部(例えば、スピーカ等)であってもよい。
【0024】
また、入出力インターフェース部は、SDI(Serial Digital Interface)端子、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子、または、Display port端子等の映像入出力インターフェースであってもよい。
【0025】
ここで、入出力インターフェース部を構成する入力ポートの先には、同期信号発生器200、カメラ等の撮影装置400、または、レコーダ等が接続され、入出力インターフェース部を構成する出力ポートの先には、出力装置(モニタ、または、ディスプレイ)500、または、レコーダ等が接続されてもよい。
【0026】
また、通信インターフェース部は、有線通信および/または無線通信(WiFi等)によりIPデータを送受信するためのネットワークインターフェース、または、Bluetooth(登録商標)等によって無線通信を行うインターフェースであってもよい。
【0027】
ここで、記憶部106は、各種のデータベース、テーブル、ファイル、および/または、バッファ(ダイレクトメモリアクセス(DMA)バッファ等)などを格納する。
【0028】
ここで、記憶部106は、映像データ、アンシラリ(ANC)データ、および、パケット等を記憶していてもよい。また、記憶部106は、各種アプリケーションプログラム(例えば、ユーザアプリケーション等)を記憶していてもよい。
【0029】
記憶部106は、ストレージ手段であり、例えばRAM・ROM等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)のような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、および/または、光ディスク等を用いることができる。
【0030】
記憶部106には、CPU(Central Processing Unit)に命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラム等が記録されていてもよい。
【0031】
また、制御部102は、映像処理装置100を統括的に制御するCPU等からなる。制御部102は、制御プログラムと各種の処理手順等を規定したプログラムと所要データとを格納するための内部メモリを有し、これらプログラムに基づいて種々の処理を実行するための情報処理を行う。
【0032】
ここで、制御部102は、機能概念的に、映像データ取得部102a、ネットワーク送信部102b、ネットワーク受信部102c、発生器同期信号取得部102d、同期信号生成部102e、同期信号選択部102f、映像出力クロック選択部102g、および、出力制御部102hを備える。
【0033】
映像データ取得部102aは、映像データを取得する。ここで、映像データ取得部102aは、同期信号発生器200等から供給されるリファレンス信号から取得される発生器同期信号に基づいて、撮影装置400から送出される映像データを取得してもよい。
【0034】
ここで、リファレンス信号は、複数の放送映像機器が同期するための基準信号である共通リファレンス信号であってもよい。
【0035】
ネットワーク送信部102bは、映像データを、ネットワーク300を介して送信する。
【0036】
ネットワーク受信部102cは、映像データをネットワーク300を介して受信する。
【0037】
発生器同期信号取得部102dは、映像データを同期させる発生器同期信号を取得する。ここで、発生器同期信号取得部102dは、同期信号発生器200から供給されるリファレンス信号に基づいて、映像データを同期させる発生器同期信号を取得してもよい。
【0038】
ここで、リファレンス信号は、同期信号発生器200に接続された映像データを撮影する撮影装置400に、当該同期信号発生器200から、供給されるリファレンス信号と一致する信号であってもよい。
【0039】
同期信号生成部102eは、発生器同期信号とは異なるマスタ同期信号を生成する。
【0040】
同期信号選択部102fは、発生器同期信号を選択同期信号として選択し、内部バスを介して他のデコーダモジュール(スレーブデコーダ等)に送出する。ここで、同期信号選択部102fは、選択同期信号を内部バスを介して受信してもよい。
【0041】
また、同期信号選択部102fは、発生器同期信号、または、マスタ同期信号を選択同期信号として選択し、内部バスを介して他のデコーダモジュール(スレーブデコーダ等)に送出してもよい。
【0042】
映像出力クロック選択部102gは、映像データの映像フォーマットに基づいて、映像出力クロックを選択する。
【0043】
出力制御部102hは、映像データを出力させる。ここで、出力制御部102hは、選択同期信号に基づいて、映像データを出力させてもよい。また、出力制御部102hは、他のデコーダモジュール(マスタデコーダ等)から送出される選択同期信号に基づいて、映像データを出力させてもよい。
【0044】
また、出力制御部102hは、選択同期信号に基づいて、映像出力クロックおよびフレーム先頭を同期させて、映像データを出力させてもよい。
【0045】
次に、
図2を参照して、本実施形態における映像処理システムのハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、本実施形態における映像処理システムの構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0046】
図2に示すように、映像処理システムは、概略的に、映像処理装置(送信装置)100−1と、映像処理装置(受信装置)100−2と、がネットワーク300を介して通信可能に接続して構成される。
【0047】
ここで、映像処理装置100は、モジュール構成を備えており、モジュールを変更することで、映像/ANCデータの入力を受け、ネットワーク300へ送信する構成と、受信した映像/ANCデータをモニタ500等へ出力する構成と、を切り替えることができる。
【0048】
すなわち、映像処理装置100は、映像/ANCデータを撮影装置(カメラ)400から取得(受信)するエンコーダモジュール(ENC)と、ネットワーク300を介してデータを送受信するNIC(Network Interface Controller)モジュール(NIC)、および/または、出力装置(モニタ)500へ映像/ANCデータを出力するデコーダモジュール(DEC)を選択的に備えていてもよい。
【0049】
これにより、映像処理システムは、圧縮または非圧縮の映像データをネットワーク300経由で送受信することで、カメラ400等で撮影した映像データを遠隔地のディスプレイ500等へ出力することができる。
【0050】
また、映像処理装置100は、これらのモジュール間を中継ユニットを介して内部バス経由で高速にインターコネクトする機構を備えており、モジュール間のインターコネクトを実現するために、ファームウェア等が動作するCPUを介してPCIe Switchとメインメモリとが接続されている。
【0051】
各モジュールは、PCIe Switchとメインメモリとを介して、お互いにインターコネクトされ、各モジュールとメインメモリとの間でデータをやり取りしてもよい。
【0052】
ここで、
図2を参照して、ENCのハードウェア構成について説明する。
【0053】
DEMUX(映像データ取得部102a)は、カメラ400等からのフレーム画像データ(映像/ANCデータ)を受信し、映像データとANCデータとに分離する。
【0054】
J2K Encoder(映像データ取得部102a)は、DEMUXから出力された映像データをJPEG2000方式で圧縮し、J2K Streamを出力する。
【0055】
MPEG2−TS(Video)(映像データ取得部102a)は、J2K Encoderから出力されたJ2K Streamを、MPEG2−TS(Transport Stream)パケットとして出力する。
【0056】
MPEG2−TS(ANC)(映像データ取得部102a)は、DEMUXから出力されたANCデータを、MPEG2−TSパケットとして出力する。
【0057】
MUX(映像データ取得部102a)は、MPEG2−TS(Video)から出力されたMPEG2−TSパケットと、MPEG2−TS(ANC)から出力されたMPEG2−TSパケットを配置し、出力する。
【0058】
DMA RX(映像データ取得部102a)は、MUXから出力されたMPEG2−TSパケットを、メインメモリへ書き込む。
【0059】
ここで、
図2に示すように、ENCに接続されているカメラ400は、同軸ケーブル等を介して接続された同期信号発生器200から供給されるリファレンス信号から取得される発生器同期信号に基づいて、フレーム画像データをENCに送出している。
【0060】
ここで、同期信号発生器200は、SG−7811(アストロデザイン株式会社)、または、TG−700(株式会社TFF)等であってもよい。
【0061】
また、
図2を参照して、NICのハードウェア構成について説明する。
【0062】
DEMUX TX(PCIe)(ネットワーク送信部102b)は、PCIe Switchから出力されるPCIeパケットを受信および解析し、PCIeパケットの宛先が示すDMA TXへ出力する。
【0063】
DMA TX(ネットワーク送信部102b)は、メインメモリから、MPEG2−TSパケットを読み出し、SMPTE2022−1/−2 TXへ出力する。
【0064】
SMPTE2022−1/−2 TX(ネットワーク送信部102b)は、DMA TXからMPEG2−TSパケットを受け、SMPTE2022−1/−2に準拠したデータへカプセル化(IP/UDP/RTPヘッダの付与)し、Arbiter TXへ出力する。
【0065】
Arbiter TX(ネットワーク送信部102b)は、各SMPTE2022−1/−2 TXからのデータを受け、調停し、1GbE/10GbE TXへ出力する。
【0066】
1GbE/10GbE TX(ネットワーク送信部102b)は、Arbiter TXからのフレームを受け、外部のネットワーク300へ出力する。
【0067】
1GbE/10GbE RX(ネットワーク受信部102c)は、外部のネットワーク300からデータを受信し、DEMUX RX(1GbE/10GbE)へ出力する。
【0068】
DEMUX RX(10GbE/1GbE)(ネットワーク受信部102c)は、1GbE/10GbE RXからのフレームを受信および解析し、フレームの宛先が示すSMPTE2022−1/−2 RXへ出力する。
【0069】
SMPTE2022−1/−2 RX(ネットワーク受信部102c)は、DEMUX RX(1GbE/10GbE)からのフレームを受信し、MPEG2−TSパケットを抽出し、DMA RXへ出力する。
【0070】
DMA RX(ネットワーク受信部102c)は、SMPTE2022−1/−2 RXからMPEG2−TSパケットを受け、Arbiter RXを経由し、メインメモリへ書き込む。
【0071】
Arbiter RX(ネットワーク受信部102c)は、複数のDMA RXからメインメモリへの書き込み要求を調停し、シリアル化し、PCIe Switchへ出力する。
【0072】
また、
図2を参照して、DECのハードウェア構成について説明する。
【0073】
DMA TX(出力制御部102h)は、メインメモリから、MPEG2−TSパケットを読み出し、DEMUXへ出力する。
【0074】
DEMUX(出力制御部102h)は、MPEG2−TSパケットを解析し、MPEG2−TS(Video)パケットとMPEG2−TS(ANC)パケットを抽出する。
【0075】
DEMUXは、MPEG2−TS(Video)パケットをMPEG2−TS(Video)へ出力し、MPEG2−TS(ANC)パケットをMPEG2−TS(ANC)へ出力する。
【0076】
MPEG2−TS(Video)(出力制御部102h)は、DEMUXからのMPEG2−TS(Video)パケットを受け、J2K Streamへ変換し、J2K Decoderへ出力する。
【0077】
J2K Decoder(出力制御部102h)は、MPEG2−TS(Video)からのJ2K Streamを受け、映像データへ変換し、MUXへ出力する。
【0078】
MPEG2−TS(ANC)(出力制御部102h)は、DEMUXからのMPEG2−TS(ANC)パケットを受け、ANCデータへ変換し、MUXへ出力する。
【0079】
MUX(出力制御部102h)は、J2K Decoderからの映像データとPES(ANC)からのANCデータとを受け、映像データとANCデータとを多重し、同期信号に基づいて、外部のモニタ(マルチ画面モニタ等)500に出力させる。
【0080】
Sync Separator(発生器同期信号取得部102d)は、同軸ケーブル等を介してDECに接続された同期信号発生器200から供給されるリファレンス信号に基づいて、映像データを同期させる発生器同期信号を取得する。
【0081】
LVDS Transceiver(同期信号選択部102f)は、同期信号を内部バスを介して他のデコーダモジュール(スレーブデコーダ等)に送出する。
【0082】
ここで、
図2に示すように、従来、ネットワーク300を介した映像フレーム表示において、カメラ400で撮影したある同一フレーム内の映像データの先頭フレームが、チャネル間同期、および/または、モジュール間同期されていない場合、マルチ画面モニタ500に表示される映像データは、乱れてしまうことがあった。
【0083】
すなわち、
図2に示すように、送信装置100−1がENC×1台、受信装置100−2がDEC×3台を搭載するシステムにおいては、1台のカメラ400で撮影した映像データ(フレーム画像(2×2面)データ)を、DEC×3台から同一の映像フレームとして出力させて、マルチ画面モニタ500で表示させている。
【0084】
ただし、
図2に示すように、同期信号発生器200等が出力するリファレンス信号(共通リファレンス信号)の供給されないDEC(例えば、DEC#2等)から出力される映像が同期されない場合、フレーム画像データ(フレーム画像(6×2面)データ)の一部映像は、乱れてしまうことがあった(例えば、ch−J乃至ch−Mが出力されない等)。
【0085】
そこで、本実施形態の映像処理システムにおいては、受信装置100−2の任意の1つのDECにリファレンス信号を供給することで、装置内リファレンス共有ができ、複数のDECから出力する映像データを同期させるように制御している。
【0086】
[本実施形態の処理]
上述した構成の映像処理システムで実行される処理の一例について、
図3乃至
図8を参照して説明する。
図3は、本実施形態の映像処理システムにおける処理の一例を示すフロー図である。
図4は、本実施形態の映像処理システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
ここで、
図3および
図4に示すように、まず、同期信号発生器200#1は、撮影現場のカメラ400#1乃至#nへリファレンス信号を送出する。
【0088】
そして、カメラ400#1乃至カメラ400#nは、リファレンス信号に基づいて、映像データを同期させる発生器同期信号を取得する(ステップSA−1)。
【0089】
そして、カメラ400#1乃至カメラ400#nは、発生器同期信号に基づいて、撮影した映像データを、カメラ400#1乃至カメラ400#nから送信装置100−1#1乃至送信装置100−1#nへそれぞれ送出する。
【0090】
そして、送信装置100−1#1乃至送信装置100−1#nのENCは、映像データを取得する(ステップSA−2)。
【0091】
そして、送信装置100−1#1乃至送信装置100−1#nのNICは、ネットワーク(IPネットワーク)300経由で、映像データを、送信装置100−1#1乃至送信装置100−1#nから受信装置100−2#1乃至受信装置100−2#nへそれぞれ送信する。
【0092】
そして、受信装置100−2#1乃至受信装置100−2#nのNICは、映像データを受信する(ステップSA−3)。
【0093】
すなわち、複数のカメラ400で撮影した映像データを各送信装置100−1からネットワーク300経由で各受信装置100−2へ送出してもよい。
【0094】
そして、同期信号発生器200#2は、中継車またはスタジオの受信装置100−2#1乃至受信装置100−2#n、および、スイッチャへリファレンス信号を送出する(ステップSA−4)。
【0095】
そして、受信装置100−2#1乃至受信装置100−2#nのマスタDECは、同期信号発生器200#2から供給されるリファレンス信号に基づいて、映像データを同期させる発生器同期信号を取得し、スレーブDEC#1およびスレーブDEC#2に発生器同期信号を分配する。
【0096】
そして、受信装置100−2#1乃至受信装置100−2#nのマスタDEC、スレーブDEC#1およびスレーブDEC#2は、発生器同期信号に基づいて、スイッチャへ映像データを送出する(ステップSA−5)。
【0097】
ここで、
図5および
図6を参照して、本実施形態における同期信号分配方式の一例について説明する。
図5は、従来の同期信号分配方式の一例を示す図である。
図6は、本実施形態の同期信号分配方式の一例を示す図である。
【0098】
図5に示すように、従来は、同期信号発生器200等から全てのDECに対して、太く重い同軸ケーブルを接続し、リファレンス信号の供給を行っていた。すなわち、従来は、同期ユニット毎に外部機器と接続する同軸ケーブルが必要であった。
【0099】
一方、
図6に示すように、本実施形態においては、同期信号発生器200等から同軸ケーブル1本で装置内でリファレンス信号を共有できるように、中継ユニットを介してリファレンス信号を内部バス経由で分配するように基板配線を行っている。
【0100】
すなわち、本実施形態においては、1ユニットのみで同軸ケーブルを接続すればよい。これにより、本実施形態においては、同期信号を内部バス経由で他のDECに分配できる。
【0101】
図3および
図4に戻り、スイッチャは、選択された映像データをディスプレイ500へ送出し(ステップSA−6)、処理を終了する。
【0102】
すなわち、スイッチャは、複数の入力映像データからディスプレイ500へ出力する映像データを切り替えており、同期信号発生器200から各受信装置100−2とスイッチャとへリファレンス信号が供給されることで、スイッチャから出力される映像データは、全て同期がとれる。
【0103】
ここで、
図7および
図8を参照して、本実施形態における同期信号選択処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態における同期信号選択処理の一例を示す選択制御図である。
図8は、本実施形態の映像処理システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【0104】
図7および
図8に示すように、まず、受信装置100−2のDEC(制御部102)は、同期信号発生器200が接続されている(自身がマスタDEC)か否かを判定する(ステップSB−1)。
【0105】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#n(制御部102)は、同期信号発生器200が接続されていないと判定した場合(ステップSB−1:No)、処理をステップSB−13に移行させる。
【0106】
一方、受信装置100−2のマスタDEC(制御部102)は、同期信号発生器200が接続されていると判定した場合(ステップSB−1:Yes)、処理をステップSB−2に移行させる。
【0107】
そして、受信装置100−2のマスタDECのシンクセパレータ(発生器同期信号取得部102d)は、同期信号発生器200から送出されるリファレンス信号に基づいて、映像データを同期させるHVF同期信号(発生器同期信号)を取得し(ステップSB−2)、処理をステップSB−3、および、ステップSB−10に移行させる。
【0108】
すなわち、マスタDECのシンクセパレータは、同期信号発生器200より供給されるリファレンス信号から、タイミングデータであるH(水平ラインの開始)、V(フィールドの開始)、F(新フレームの開始)同期信号を抽出してもよい。
【0109】
そして、受信装置100−2のマスタDECのシンクセパレータは、同期信号セレクタ1へHVF同期信号(発生器同期信号)を送出する(ステップSB−3)。
【0110】
そして、受信装置100−2の同期信号選択レジスタ(同期信号選択部102f)は、シンクセパレータから同期信号セレクタ1へ供給されるHVF同期信号(発生器同期信号)を選択する(ステップSB−4)。
【0111】
ここで、DECの同期信号選択レジスタは、GENLOCKへ入力するHVF同期信号としてシンクセパレータから送出されるHVF同期信号、または、内部バスでマスタDECから送出されるHVF同期信号のいずれかを選択してもよい。
【0112】
すなわち、本実施形態においては、同期信号が供給されるパスを選択制御してもよい。
【0113】
そして、受信装置100−2のマスタDECの同期信号セレクタ1(同期信号選択部102f)は、GENLOCKへHVF同期信号(発生器同期信号)を送出する(ステップSB−5)。
【0114】
そして、受信装置100−2のマスタDECのGENLOCK(制御部102)は、映像データに同期させるクロックを出力する(ステップSB−6)。
【0115】
ここで、DECのGENLOCKモード選択レジスタにより選択されたGENLOCKモードに基づき、GENLOCKは、映像データに同期させるクロックを出力してもよい。
【0116】
具体的には、外部からリファレンス信号が供給される場合、マスタDECおよびスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nは、GENLOCKロックモード(外部同期)で動作してもよい。
【0117】
また、外部からリファレンス信号が供給されない場合、マスタDECは、GENLOCK自走モード(外部からの信号未使用)で動作し、スレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nは、GENLOCKロックモードで動作してもよい。
【0118】
そして、受信装置100−2のマスタDECの周波数選択レジスタ(映像出力クロック選択部102g)は、映像フォーマットに適したクロック周波数を選択し(ステップSB−7)、処理をステップSB−8、および、ステップSB−9に移行させる。
【0119】
すなわち、周波数選択レジスタは、映像フォーマットに適した148.5MHz、または、148.35MHz等のクロック周波数を選択してもよい。
【0120】
そして、受信装置100−2のマスタDECのHVFカウンタ(同期信号生成部102e)は、GENLOCKから出力されたクロックから、HVF同期信号(マスタ同期信号)を生成し、同期信号セレクタ2へHVF同期信号(マスタ同期信号)を送出し(ステップSB−8)、処理をステップSB−11に移行させる。
【0121】
また、受信装置100−2のマスタDEC(出力制御部102h)は、クロックと出力映像のフレーム先頭とを同期させて、映像データを(マルチ画面モニタ500等に)出力させ(ステップSB−9)、処理を終了する。
【0122】
また、受信装置100−2のマスタDECのシンクセパレータは、同期信号セレクタ2へHVF同期信号(発生器同期信号)を送出する(ステップSB−10)。
【0123】
そして、受信装置100−2のマスタDECの同期信号セレクタ2(同期信号選択部102f)は、スレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nへ送出する、発生器同期信号またはマスタ同期信号いずれかのHVF同期信号(選択同期信号)を選択する(ステップSB−11)。
【0124】
すなわち、マスタDECの同期信号セレクタ2は、スレーブDECへ送出する同期信号をシンクセパレータから送出されるHVF同期信号、または、GENLOCK自走モードで出力するクロックからHVFカウンタで生成されるHVF同期信号のいずれかを選択してもよい。
【0125】
そして、受信装置100−2のマスタDECのLVDS Transceiver(同期信号選択部102f)は、同期信号セレクタ2から送出されるHVF同期信号を、スレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nへ内部バスを介して送出し(ステップSB−12)、処理を終了する。
【0126】
一方、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nのLVDS Transceiver(同期信号選択部102f)は、内部バスを介してマスタDECから送出されたHVF同期信号(選択同期信号)を受信した場合、同期信号セレクタ1へHVF同期信号(選択同期信号)を送出する(ステップSB−13)。
【0127】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nの同期信号選択レジスタ(同期信号選択部102f)は、マスタDECから供給されるHVF同期信号(選択同期信号)を選択する(ステップSB−14)。
【0128】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nの同期信号セレクタ1(同期信号選択部102f)は、GENLOCKへHVF同期信号(選択同期信号)を送出する(ステップSB−15)。
【0129】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nのGENLOCK(制御部102)は、映像データに同期させるクロックを出力する(ステップSB−16)。
【0130】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nの周波数選択レジスタ(映像出力クロック選択部102g)は、映像フォーマットに適したクロック周波数を選択する(ステップSB−17)。
【0131】
そして、受信装置100−2のスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#n(出力制御部102h)は、クロックと出力映像のフレーム先頭とを同期させて、映像データを(マルチ画面モニタ500等に)出力させ(ステップSB−18)、処理を終了する。
【0132】
このように、本実施形態においては、外部からリファレンス信号が供給されなくても、マスタDECをGENLOCK自走モードにし、スレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nをGENLOCKロックモードにすることで、マスタDECとスレーブDEC#1乃至スレーブDEC#nとを、マスタDECから出力するHVF同期信号で同期させることができる。
【0133】
すなわち、外部からリファレンス信号が供給される場合だけでなく、外部からリファレンス信号が供給されない場合でも、マスタDECは、GENLOCK自走モードにすることで、複数のDECユニットから出力する映像データを同期させることができる。
【0134】
このように、受信装置100−2は、カメラ400等の映像を生成する装置ではないため、カメラ400等で撮影した映像データとディスプレイへ出力される映像データとの同期をとるには、同期信号発生器200およびマスタDECからのHVF同期信号がGENLOCKに供給される事が必要となっている。
【0135】
なお、従来、DECを複数(例えば、3台等)搭載する装置において、複数のDECから出力される映像データを同一の映像フレームとして表示するものはあった。
【0136】
このような場合、装置に搭載する全てのDECそれぞれに接続した同期信号発生器200等からリファレンス信号を供給し、リファレンス信号からHVF同期信号を抽出し、映像データのフレーム先頭を同期させて映像をディスプレイ500等へ出力する必要があった。
【0137】
そこで、従来から、同期信号発生器200等から任意の1つのDECにリファレンス信号を供給する構成において、当該1つのDECから出力する映像データと他のDECから出力する映像データとを同期させる機構が必要とされていた。
【0138】
そこで、本実施形態においては、中継ユニットにインターフェースコネクタを設け、各DEC間を内部バスで接続することにより、複数のDECを搭載する情報処理装置100においても、任意の1つのDECにリファレンス信号を供給すれば、装置内の全てのDECに同期信号を分配できるようにしている。
【0139】
また、本実施形態において、同期信号発生器200等から同軸ケーブルを介してリファレンス信号を受信するDECは、シンクセパレータから出力する同期信号を選択し、映像データの出力を同期制御でき、且つ、内部バス経由で他のDECに同期信号を分配できるようにしている。
【0140】
また、本実施形態においては、同期信号発生器200等に接続されていないDECは、内部バス経由で供給される同期信号を選択し、映像データの出力を同期制御できるようにしている。
【0141】
[他の実施形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0142】
例えば、映像処理装置100は、スタンドアローンの形態で処理を行ってもよく、クライアント端末(映像処理装置100とは別筐体である)からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
【0143】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0144】
このほか、明細書中および図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データもしくは検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、または、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0145】
また、映像処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0146】
例えば、映像処理装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。
【0147】
尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて映像処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0148】
また、このコンピュータプログラムは、映像処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0149】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0150】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0151】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAMもしくはROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および/または、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および/または、ウェブページ用ファイル等を格納してもよい。
【0152】
また、映像処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、映像処理装置100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0153】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。