特許第6208742号(P6208742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208742マクロライド抗生物質を投与するための非経口製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208742
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】マクロライド抗生物質を投与するための非経口製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7056 20060101AFI20170925BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20170925BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20170925BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170925BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A61K31/7056
   A61K47/12
   A61K47/18
   A61K47/02
   A61P31/04
【請求項の数】22
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2015-503549(P2015-503549)
(86)(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公表番号】特表2015-512413(P2015-512413A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013034179
(87)【国際公開番号】WO2013148891
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年3月28日
(31)【優先権主張番号】61/616,196
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/783,026
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511100970
【氏名又は名称】センプラ ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ペレイラ,デイビッド イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウー,サラ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス,プラブハバシ
【審査官】 馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/112864(WO,A1)
【文献】 米国特許第03843787(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第101045063(CN,A)
【文献】 特開昭59−175414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/7056
A61K 47/02
A61K 47/12
A61K 47/18
A61P 31/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または複数の抗生物質化合物および配合剤を含み、その際、前記配合剤が、乳酸またはその薬学的に許容される塩、生理学的条件下でイオン化可能な側鎖官能基を有するアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記のものの組合せを含み;前記1種または複数の抗生物質化合物が、下式の化合物
【化1】
およびその薬学的に許容される塩:
[式中、
10は、水素、またはアシルであり;
Wは、H、F、Cl、Br、I、またはOHであり;
Aは、CH、C(O)、C(O)O、C(O)NH、S(O)、S(O)NH、またはC(O)NHS(O)であり;
Bは、C〜C10アルケニレンまたはC〜C10アルキレンであり;かつ
Cは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ウレイド、もしくはカルバモイルであるか、または、Cは、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、それぞれは、場合によって、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、チオール、アルキル、ハロアルキル、ニトロ、スルホン酸、カルボン酸、もしくは、1種または複数のラジカル−(CH(式中、xは、0〜6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルコキシ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜Cアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C〜Cアルキルアミノアルキル、(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N−(C〜Cアルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、およびニトロから選択されるか;またはZは、−COおよび−CONRから選択され、ここで、R、R、およびRはそれぞれ独立して水素、C〜Cアルキル、アリール−C〜Cアルキル、およびヘテロアリール−C〜Cアルキルから選択される)に置換されていてもよい
である、非経口投与のために適合させた医薬組成物。
【請求項2】
10が水素である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
WがHまたはFである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
WがFである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
AがCHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
Bが(CHであり、ここで、nは、3〜5の整数である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
Bが(CHである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
Cが、場合によって置換されているアリールである、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
Cが3−アミノフェニルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記化合物のうちの1種がソリスロマイシンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記化合物のうちの1種がソリスロマイシンである、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記配合剤が、アスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記配合剤が、グルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩、アスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩、およびグルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
水を含有する液体ビヒクルをさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記液体ビヒクルが、約0.9%もしくはそれより低い濃度の生理食塩水を含有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記液体ビヒクルが、塩化ナトリウムを実質的に含有しない、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記配合剤が、クエン酸またはその塩を実質的に含有しない、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
製剤が約3.5〜約6の範囲のpHを有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物と、その薬学的に許容される輸液を調製するための指示書とを含むキット。
【請求項22】
細菌感染を治療するための医薬組成物であって、治療有効量を含有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)(35U.S.C.119(e))に基づき、いずれも参照により本明細書に組み込まれる2012年3月27日出願の米国特許仮出願第61/616,196号および2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/783,026号の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の本発明は、トリアゾール含有マクロライド抗生物質の、静脈内投与を含めた非経口投与に適合させた医薬組成物ならびに細菌感染、原虫感染、および他の感染の治療においてそれを使用するための方法に関する。特に、本明細書に記載の本発明は、ソリスロマイシンとしても知られているCEM-101などのケトライド抗生物質および関連化合物の、静脈内投与を含めた非経口投与に適合させた医薬組成物ならびに細菌感染、原虫感染、および他の感染の治療においてそれを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景および概要
1個または複数のデオキシ糖、通常はクラジノースおよびデソサミンが結合している大きなラクトン環によって特徴付けられるマクロライド抗生物質は、好気性および嫌気性グラム陽性球菌に対して活性な抗微生物薬であり、気道および軟部組織の感染症を含めたいくつかの感染症を治療するために処方される。天然産物のポリケチド群に属するマクロライドは、細菌リボソームの50Sサブユニットに可逆的に結合し、タンパク質合成を遮断し、かつ細菌の増殖および再生産を防止することによって機能する。この作用は主に静菌性であるが、ある種のトリアゾール含有フルオロケトライドマクロライドは殺菌性である。他のマクロライドは、高濃度で殺菌性であり得る。
【0004】
14員のマクロライドエリスロマイシンAの半合成誘導体であるケトライドは、呼吸器感染症を治療するために使用される薬物群に属する。これらの薬物は、細菌リボソーム上の2つの部位に結合するその能力によって、マクロライド耐性菌に対して有効である。それにも関わらず、23S細菌リボソームの転写後メチル化などによって、マクロライドに対する獲得細菌耐性が発生し得る。この耐性は、マクロライド、リンコサミド、およびストレプトグラミンに対する交差耐性をもたらす。まれではあるが、獲得耐性は、エステラーゼまたはキナーゼなどの薬物不活性化酵素の産生、さらには、マクロライドを細胞外へと輸送する活性なATP依存性流出タンパク質の産生からも生じ得る。肺炎球菌のうちのかなりの割合が、現在利用可能な抗生物質に対して耐性がある。
【0005】
現在承認されているマクロライド抗生物質のうちには、エリスロマイシンならびに半合成誘導体であるアジスロマイシンおよびクラリスロマイシンがある。テリスロマイシンおよびセスロマイシンは、抗生物質のケトライド群に属する。経口投与は、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、およびアジスロマイシンを包含する多くのマクロライドおよびケトライドで達成されている。エリスロマイシンは他にも、ラクトビオン酸塩として注射用に製剤化されており;アジスロマイシンは他にも、クエン酸塩として注射用に製剤化されており;かつクラリスロマイシンは、いくつかの国ではラクトビオン酸塩として、注射用に利用可能である。テリスロマイシンおよびセスロマイシンなどのケトライドは、静脈内投与(IV)を含めた非経口投与のためには承認されていない。経口用の対応品とは異なり、公知のマクロライドおよびケトライド、特に、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、およびアジスロマイシンなどの承認されているマクロライドの、静脈内(IV)および筋肉内(IM)投与などの対応する非経口投与は、投与時の薬理疼痛と、経口投与と比較して有意に異なる薬物動態および薬力学を伴う非経口投与から生じ得る有害な副作用とによって妨害されている。例えば、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、およびアジスロマイシンは、非経口投与する場合に有痛性を有し、このことが、その使用制限、患者コンプライアンスの問題、他の欠点につながっていることが報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、静脈内投与を含めた非経口投与が承認されているケトライドは存在しない。したがって、細菌感染、原虫感染、および他の感染の治療におけるケトライドの代替の非経口製剤およびそのような非経口製剤を使用するための方法が必要とされている。加えて、より高濃度で、かつより迅速な速度で投与することができるケトライドの非経口製剤およびそのような非経口製剤を使用するための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ラクトビオン酸塩、クエン酸塩、および/または生理食塩水を包含する製剤などの従来の製剤は、トリアゾール含有ケトライド抗生物質との使用には容易に適合し得ないことが予期せず発見された。そのような従来の製剤は、過剰な疼痛または他の有害な副作用を伴うことなく、細菌感染、原虫感染、および他の感染を治療するための組成物および方法を提供するためには、過度の最適化を必要とする。特に、そのような従来の製剤は、疼痛または他の有害な副作用によって、高濃度または急速度で投与することができない。
【0008】
また、1種もしくは複数の乳酸、1種もしくは複数のアミノ酸、またはこれらの組合せ(上記のものの任意の薬学的に許容される塩を含めて)を包含するトリアゾール含有ケトライド抗生物質の製剤は、そのようなトリアゾール含有ケトライド抗生物質を非経口送達するために有用であることが予期せず発見された。
【0009】
例示的なトリアゾール含有ケトライド抗生物質には、WO2004/080391に記載されている化合物および関連化合物が包含される。さらなる例示的なトリアゾール含有ケトライド抗生物質には、下式の化合物:
【化1】
ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および水和物が包含される
[式中、
10は、水素、アシル、またはプロドラッグ部分であり;
XおよびYは、結合している炭素と一緒になって、カルボニルを形成しており;
Vは、C(O)であり;
Wは、H、F、Cl、Br、I、またはOHであり;
Aは、CH、C(O)、C(O)O、C(O)NH、S(O)、S(O)NH、またはC(O)NHS(O)であり;
Bは、C2〜C10アルケニレンまたは(CHなどのC1〜C10アルキレンであり、ここで、nは1〜10、2〜6、または3〜5の整数であり;かつ
Cは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ウレイド、もしくはカルバモイル、またはアルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル(それぞれ場合によって置換されている)である]。
【0010】
さらなる例示的なトリアゾール含有ケトライド抗生物質には、ケミカルアブストラクツ登録番号760981−83−7であり、次の構造式を有するフルオロケトライド化合物ソリスロマイシン(SOL):
【化2】
ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、およびプロドラッグが包含される。SOLは、国際特許出願公開番号WO2004/080391にも記載されている。ソリスロマイシンは、CEM−101およびOP−1068としても知られている。SOLおよび関連化合物の製剤は、WO2009/055557に記載されている。上述の各刊行物および本明細書において挙げる追加の各刊行物の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
他にも、低溶解度および/または低塩基性度によって特徴付けられるような他の治療用化合物のための固体、溶液、および液体製剤を本明細書では記載する。意外にも、1種もしくは複数の乳酸、1種もしくは複数のアミノ酸、またはこれらの組合せ(上記のものの任意の薬学的に許容される塩を含めて)を包含する本明細書に記載の製剤は、そのような低溶解度および/または低塩基性度の治療用化合物を非経口送達するために有用であることが発見された。
【0012】
理論に束縛されることはないが、本明細書に記載の製剤は、弱塩基性であるそのような治療用化合物を含めたそのような治療用化合物の溶解度を向上させると、本明細書では考えている。別の実施形態では、低溶解度および/または低塩基性度の治療用化合物を非経口投与するために適合させた、乳酸およびその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を本明細書では記載する。別の実施形態では、低溶解度および/または低塩基性度の治療用化合物を非経口投与するために適合させた、アミノ酸およびその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を本明細書では記載する。別の実施形態では、低溶解度および/または低塩基性度の治療用化合物を非経口投与するために適合させた、乳酸およびアミノ酸ならびにその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を本明細書では記載する。本明細書に記載の固体、液体、および溶液製剤は、トリアゾール含有マクロライド抗生物質などの低溶解度および/または弱塩基性治療用化合物の投与に関する問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】輸液の注射時の沈殿を評価するための動的インビトロ装置を示す図である。
図2】0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入した0.45%生理食塩水中に3mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤についての動的沈殿モデルの痕跡を示すグラフである(注入はt=1.0分に開始した)。
図3】0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入した5%マンニトール中に3mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤についての動的沈殿モデルの痕跡を示すグラフである(注入はt=1.0分に開始した)。
図4】0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入した5%マンニトール中に1mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤についての動的沈殿モデルの痕跡を示すグラフである(注入はt=1.0分に開始した)。
図5】5mMクエン酸緩衝液(pH4)中に3mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)と、0.45%生理食塩水中に3mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)とを1mL/分(t=1分)、2mL/分(t=3分)、および3mL/分(t=5分)の注入速度で比較するための、動的沈殿モデルにおける痕跡を示すグラフである。
図6A】0.5%生理食塩水中の0.5%乳酸緩衝液(pH4)中に2mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)を1mL/分(t=1min)、2mL/分(t=4分)、および3mL/分(t=7分)の注入速度で評価し、かつ0.45%生理食塩水中に2mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)と比較するための動的沈殿モデルにおける痕跡を示すグラフである。
図6B】0.5%生理食塩水中の0.5%乳酸緩衝液(pH4)中に2mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)を1mL/分(t=1min)、2mL/分(t=4分)、および3mL/分(t=7分)の注入速度で評価し、かつ0.45%生理食塩水中に2mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)と比較するための動的沈殿モデルにおける痕跡を示すグラフである。
図7】0.45%生理食塩水中の1%乳酸塩緩衝液(pH4)中に2mg/mLおよび1mg/mLのCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤(CEM−101)を1mL/分(t=1分)、2mL/分(t=3分)、および3mL/分(t=5分)の注入速度で評価するための動的沈殿モデルにおける痕跡を示すグラフである。
図8】それぞれ0.5%生理食塩水ビヒクル中の25mMヒスチジン+25mMグルタミン酸+25mM酢酸の製剤(pH5.0)中に2mg/mLのSOLの3mL/分(t=6.5分)を評価するための動的沈殿モデルの痕跡を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一例示的実施形態では、低溶解度および/または低塩基性度を有すると特徴付けられる薬物または他の治療薬を含む固体医薬組成物を記載する。一態様では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。一変形形態では、当該製剤は、1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。他の変形形態では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、および1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。別の実施形態では、当該固体製剤は、静脈内投与などの非経口投与に適合されている。例えば、当該固体製剤は、静脈内投与などの非経口投与のために、薬学的に許容されるビヒクル中で再構成または溶解され得る。
【0015】
別の例示的実施形態では、SOL、関連化合物、および/またはその薬学的に許容される塩を含む固体医薬組成物を記載する。一態様では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。一変形形態では、当該製剤は、1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。他の変形形態では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、および1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。別の実施形態では、当該固体製剤は、静脈内投与などの非経口投与に適合されている。例えば、当該固体製剤は、静脈内投与などの非経口投与のために、薬学的に許容されるビヒクル中で再構成または溶解され得る。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態では、低溶解度および/または低塩基性度を有すると特徴付けられる薬物または他の治療薬を含む液体および/または溶液医薬組成物を記載する。一態様では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。一変形形態では、当該製剤は、1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。他の変形形態では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、および1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。別の実施形態では、当該液体および/または溶液製剤は、水などの担体またはビヒクルをさらに含む。
【0017】
別の例示的実施形態では、SOL、関連化合物、および/またはその薬学的に許容される塩を含む液体および/または溶液医薬組成物を記載する。一態様では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。一変形形態では、当該製剤は、1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。他の変形形態では、当該製剤は、乳酸乳酸またはその薬学的に許容される塩、および1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはそれらの組合せを含む。別の実施形態では、当該液体および/または溶液製剤は、水などの担体またはビヒクルをさらに含む。
【0018】
別の実施形態では、本明細書に記載の製剤には、下式の1種または複数の化合物
【化3】
およびその薬学的に許容される塩が包含される
[式中、
10は、水素、アシル、またはプロドラッグ部分であり;
XおよびYは、結合している炭素と一緒になって、カルボニルを形成しており;
Vは、C(O)であり;
Wは、H、F、Cl、Br、I、またはOHであり;
Aは、CH、C(O)、C(O)O、C(O)NH、S(O)、S(O)NH、またはC(O)NHS(O)であり;
Bは、C〜C10アルケニレンであるか、またはBは、(CHなどのC〜C10アルキレンであり、ここで、nは1〜10、2〜6、3〜5、3〜4の整数であるか、またはnは3であり;かつ
Cは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ウレイド、もしくはカルバモイル、またはアルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル(それぞれ場合によって置換されている)である]。
【0019】
別の実施形態では、R10は水素である。別の実施形態では、WはHまたはFである。別の実施形態では、WはFである。別の実施形態では、AはCHである。別の実施形態では、Bは(CHであり、ここで、nは1〜10の範囲の整数である。別の実施形態では、Bは(CHであり、ここで、nは2〜6の範囲の整数である。別の実施形態では、Bは(CHであり、ここで、nは3〜5の範囲の整数である。別の実施形態では、Bは(CHであり、ここで、nは3である。別の実施形態では、Cは、場合によって置換されているアリールである。別の実施形態では、Cはアミノアリールである。別の実施形態では、Cは3−アミノフェニルである。また、R10X、Y、V、W、A、B、およびCのそれぞれについての選択は、可能なすべての組み合わせで本明細書に記載されていることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、R10は水素であり、かつWはHまたはFであり;ならびにR10は水素であり、WはFであり、かつAはCHである。加えて、あらゆる上述のものの薬学的に許容される塩も本明細書に記載されていることを理解されたい。
【0020】
別の実施形態では、本明細書に記載の製剤には、下式の化合物:
【化4】
ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、およびプロドラッグが包含される。次の酸解離定数がSOLについて観察される:pKa1=9.44;pKa2=3.5。このような解離定数は、低塩基性度を有すると特徴付けられ得る化合物を例証している。
【0021】
本発明のいくつかの例示的実施形態を、次に列挙する条項によって記載する:
1.
1種または複数の抗生物質化合物および配合剤(formulating agent)を含み、その際、当該配合剤が、乳酸、アミノ酸、およびその組合せ、ならびに上述のものの薬学的に許容される塩からなる群から選択され;かつ1種または複数の抗生物質化合物が、下式の化合物
【化5】
およびその薬学的に許容される塩:
[式中、
10は、水素、アシル、またはプロドラッグ部分であり;
Wは、H、F、Cl、Br、I、またはOHであり;
Aは、CH、C(O)、C(O)O、C(O)NH、S(O)、S(O)NH、またはC(O)NHS(O)であり;
Bは、C〜C10アルケニレンまたはC〜C10アルキレンであり;かつ
Cは、水素、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、スルホニル、ウレイド、もしくはカルバモイル、またはアルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル(それぞれ場合によって置換されている)である]
である、非経口投与のために適合させた医薬組成物。
2.
10が水素である、条項1に記載の組成物。
3.
WがHまたはFである、条項1または2のいずれか一条項に記載の組成物。
4.
WがFである、条項1から3のいずれか一条項に記載の組成物。
5.
AがCHである、条項1から4のいずれか一条項に記載の組成物。
6.
BがC〜C10アルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.1.
BがC〜Cアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.2.
BがC〜Cアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.3.
BがC〜Cアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.4.
BがC〜Cアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.5.
BがCアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.6.
BがCアルキレンである、条項1から5のいずれか一条項に記載の組成物。
6.7.
Bが(CHであり、ここで、nは、1〜10の整数である、条項1から6のいずれか一条項に記載の組成物。
7.
Bが(CHであり、ここで、nは、2〜6の整数である、条項1から6.1のいずれか一条項に記載の組成物。
8.
Bが(CHであり、ここで、nは、3〜5の整数である、条項1から6.3のいずれか一条項に記載の組成物。
8.1.
Bが(CHであり、ここで、nは、3〜4の整数である、条項1から6.4のいずれか一条項に記載の組成物。
9.
Bが(CHである、条項1から6.4のいずれか一条項に記載の組成物。
10.
Cが、場合によって置換されているアリールである、条項1から9のいずれか一条項に記載の組成物。
10.1.
Cが、場合によって置換されているフェニルである、条項1から9のいずれか一条項に記載の組成物。
11.
Cがアミノアリールである、条項1から9のいずれか一条項に記載の組成物。
11.1.
Cがアミノフェニルである、条項1から9のいずれか一条項に記載の組成物。
12.
Cが3−アミノフェニルである、条項1から9のいずれか一条項に記載の組成物。
13.
化合物のうちの1種がソリスロマイシンまたはその薬学的に許容される塩である、条項1に記載の組成物。
14.
当該配合剤が、乳酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から13のいずれか一条項に記載の組成物。
14.1.
当該配合剤が、乳酸または乳酸のナトリウム塩、あるいはその組合せである、条項1から13のいずれか一条項に記載の組成物。
15.
当該乳酸または当該ナトリウム塩が、L−乳酸およびD−乳酸ならびにそのナトリウム塩の任意の混合物を含む、条項14に記載の組成物。
16.
当該乳酸または当該ナトリウム塩が、L−乳酸またはそのナトリウム塩である、条項14に記載の組成物。
17.
当該乳酸または当該ナトリウム塩が、DL−乳酸またはそのナトリウム塩である、条項14に記載の組成物。
18.
当該配合剤が、1種もしくは複数のアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
19.
当該配合剤が、1種もしくは複数のアルファアミノ酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
20.
当該配合剤が、天然に存在するアミノ酸から選択される1種もしくは複数のアミノ酸およびその立体異性体、および上述のものの薬学的に許容される塩、ならびにその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
21.
当該配合剤が、天然の立体配置を有する天然に存在するアミノ酸から選択される1種または複数のアミノ酸およびその薬学的に許容される塩、ならびにその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
22.
当該配合剤が、生理学的条件下でイオン化可能な側鎖官能基を有する天然の立体配置を有する天然に存在するアミノ酸から選択される1種または複数のアミノ酸およびその薬学的に許容される塩、ならびにその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
23.
当該配合剤が、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
24.
当該配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
25.
当該配合剤が、アスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
26.
当該配合剤が、グルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
27.
当該配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩およびアスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
28.
当該配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩およびグルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
29.
当該配合剤が、アスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩およびグルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
30.
当該配合剤が、ヒスチジンまたはその薬学的に許容される塩、アスパラギン酸またはその薬学的に許容される塩、およびグルタミン酸またはその薬学的に許容される塩、あるいはその組合せである、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
31.
その水溶液を凍結乾燥させることによって調製される、上記条項のいずれか一条項に記載の組成物。
31.1.
液体ビヒクルをさらに含む、条項1から31のいずれか一条項に記載の組成物。
31.2.
当該液体ビヒクルが水を含む、条項31.1に記載の組成物。
31.3.
当該ビヒクルが、約0.9%未満生理食塩水を含有する、条項31.1から31.2のいずれか一条項に記載の組成物。
31.4.
当該液体ビヒクルが、約0.45%未満生理食塩水を含有する、条項31.1から31.3のいずれか一条項に記載の組成物。
31.5.
当該液体ビヒクルが、塩化ナトリウムを実質的に含有しない、条項31.1から31.4のいずれか一条項に記載の組成物。
31.6.
当該液体ビヒクルが、クエン酸またはその塩を実質的に含有しない、条項31.1から31.5のいずれか一条項に記載の組成物。
31.7.
当該液体ビヒクルがマンニトールを含む、条項31.1〜31.6のいずれか一条項に記載の組成物。
32.
当該製剤が約3.5〜約6の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.1.
当該製剤が約4〜約6の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.2.
当該製剤が約4〜約5.5の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.3.
当該製剤が約4.2〜約5.5の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.4.
当該製剤が約4〜約5の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.5.
当該製剤が約4.2〜約5の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.6.
当該製剤が約4.2〜約4.5の範囲のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.7.
当該製剤が約4.5のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
32.8.
当該製剤が約4.2のpHを有する、条項1から17のいずれか一条項に記載の組成物。
33.
条項1から32.8のいずれか一条項に記載の組成物と、その薬学的に許容される輸液を調製するための指示書とを含むキット。
34.
細菌感染を有する患者を治療するための方法であって、当該患者に、治療有効量の、条項1から32.8のいずれか一条項に記載の組成物を非経口投与するステップを含む方法。
35.
当該投与ステップを静脈内注射によって行う、条項34に記載の方法。
【0022】
上述の一群の条項の列挙において、特徴のあらゆる可能な組合せ、ならびにあらゆる可能な部分的群および部分的組合せが記載されていることを理解されたい。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」には、場合によって分枝している炭素原子の鎖が包含される。本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」および「アルキニル」には、場合によって分枝していて、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を包含する炭素原子の鎖が包含される。アルキニルは1個または複数の二重結合を包含することもあることを理解されたい。さらに、ある種の実施形態では、アルキルは有利には、C〜C24、C〜C12、C〜C、C〜C、およびC〜Cを含めた限られた長さのアルキルであり得ることを理解されたい。さらに、ある種の実施形態では、アルケニルおよび/またはアルキニルはそれぞれ有利には、C〜C24、C〜C12、C〜C、C〜C、およびC〜Cを含めた限られた長さのアルキルであり得ることを理解されたい。比較的短いアルキル、アルケニル、および/またはアルキニル基は、より低い親油性を化合物に付加し得、したがって、異なる薬物動態挙動を有するはずであると、本明細書では認識している。例示的なアルキル基は、これらに限られないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどである。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」には、場合によって分枝している炭素原子の鎖であって、その鎖の少なくとも一部が環式である鎖が包含される。シクロアルキルアルキルは、シクロアルキルのサブセットであることを理解されたい。シクロアルキルは多環式であってよいことを理解されたい。例示的なシクロアルキルには、これだけに限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロプロピル、シクロペンチルエト−2−イル、アダマンチルなどが包含される。本明細書で使用する場合、用語「シクロアルケニル」には、場合によって分枝していて、かつ少なくとも1個の二重結合を包含する炭素原子の鎖であって、その鎖の少なくとも一部が環式である鎖が包含される。1個または複数の二重結合は、シクロアルケニルの環式部分および/またはシクロアルケニルの非環式部分にあってよいことを理解されたい。シクロアルケニルアルキルおよびシクロアルキルアルケニルはそれぞれ、シクロアルケニルのサブセットであることを理解されたい。シクロアルキルは多環式であってよいことを理解されたい。例示的なシクロアルケニルには、これだけに限定されないが、シクロペンテニル、シクロヘキシルエテン−2−イル、シクロヘプテニルプロペニルなどが包含される。さらに、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する鎖は有利には、C〜C24、C〜C12、C〜C、C〜C、およびC〜Cを含めた限られた長さの鎖であることを理解されたい。シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する比較的短いアルキルおよび/またはアルケニル鎖はそれぞれ、より低い親油性を化合物に付加し得、したがって、異なる薬物動態挙動を有するはずであると、本明細書では認識している。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアルキル」には、炭素および少なくとも1個のヘテロ原子の両方を包含し、かつ場合によって分枝している原子の鎖が包含される。例示的なヘテロ原子には、窒素、酸素、および硫黄が包含される。ある種の変形形態では、例示的なヘテロ原子には、リンおよびセレンも包含される。本明細書で使用する場合、ヘテロシクリルおよび複素環を含めた用語「シクロヘテロアルキル」には、ヘテロアルキルなどの炭素および少なくとも1個のヘテロ原子を包含し、かつ場合によって分枝している原子の鎖であって、その鎖の少なくとも一部が環式である鎖が包含される。例示的なヘテロ原子には、窒素、酸素、および硫黄が包含される。ある種の変形形態では、例示的なヘテロ原子には、リンおよびセレンも包含される。例示的なシクロヘテロアルキルには、これだけに限定されないが、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、キヌクリジニルなどが包含される。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「アリール」には、それぞれ場合によって置換されていてもよい単環式および多環式芳香族炭素環式基が包含される。本明細書に記載の例示的な芳香族炭素環式基には、これだけに限定されないが、フェニル、ナフチルなどが包含される。本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」には、それぞれ場合によって置換されていてもよい芳香族複素環式基が包含される。例示的な芳香族複素環式基には、これだけに限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリルなどが包含される。
【0027】
本明細書で使用する場合、用語「アミノ」には、基NH、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノが包含され、その際、ジアルキルアミノ中の2個のアルキル基は、同じでも、または異なってもよく、すなわち、アルキルアルキルアミノであってよい。例示的には、アミノには、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノなどが包含される。加えて、アミノアルキルまたはアシルアミノなど、アミノが他の用語を修飾しているか、または他の用語によって修飾されている場合、用語アミノの上記の変形形態は、本明細書に包含されることを理解されたい。例示的には、アミノアルキルには、HN−アルキル、メチルアミノアルキル、エチルアミノアルキル、ジメチルアミノアルキル、メチルエチルアミノアルキルなどが包含される。例示的には、アシルアミノには、アシルメチルアミノ、アシルエチルアミノなどが包含される。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「アミノおよびその誘導体」には、本明細書に記載のアミノ、およびアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、ヘテロアルケニルアミノ、ヘテロアルキニルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルケニルアミノ、シクロヘテロアルキルアミノ、シクロヘテロアルケニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニルアミノ、アリールアルキニルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルケニルアミノ、ヘテロアリールアルキニルアミノ、アシルアミノ(それぞれ場合によって置換されている)などが包含される。用語「アミノ誘導体」は、尿素、カルバマートなども包含する。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシおよびその誘導体」には、OH、およびアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、ヘテロアルケニルオキシ、ヘテロアルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロヘテロアルキルオキシ、シクロヘテロアルケニルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルケニルオキシ、アリールアルキニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールアルキニルオキシ、アシルオキシ(それぞれ場合によって置換されている)などが包含される。用語「ヒドロキシ誘導体」には、カルバマートなども包含される。
【0030】
本明細書で使用する場合、用語「チオおよびその誘導体」には、SH、およびアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアルケニルチオ、ヘテロアルキニルチオ、シクロアルキルチオ、シクロアルケニルチオ、シクロヘテロアルキルチオ、シクロヘテロアルケニルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルケニルチオ、アリールアルキニルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアルケニルチオ、ヘテロアリールアルキニルチオ、アシルチオ(それぞれ場合によって置換されている)などが包含される。用語「チオ誘導体」には、チオカルバマートなども包含される。
【0031】
本明細書で使用する場合、用語「アシル」には、ホルミル、およびアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアルケニルカルボニル、ヘテロアルキニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルケニルカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シクロヘテロアルケニルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールアルケニルカルボニル、アリールアルキニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルキルカルボニル、ヘテロアリールアルケニルカルボニル、ヘテロアリールアルキニルカルボニル、アシルカルボニル(それぞれ場合によって置換されている)などが包含される。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「カルボン酸およびその誘導体」には、基COHおよびその塩、ならびにそのエステルおよびアミド、ならびにCNが包含される。
【0033】
用語「場合によって置換されている」には、本明細書で使用する場合、場合によって置換されているラジカル上で、水素原子が他の官能基に置き換えられていることが包含される。そのような他の官能基には例示的に、これだけに限定されないが、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびその誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが包含される。例示的には、アミノ、ヒドロキシル、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、および/またはスルホン酸のいずれも、場合によって置換されている。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「場合によって置換されているアリール」および「場合によって置換されているヘテロアリール」には、場合によって置換されているアリールまたはヘテロアリール上で、水素原子が他の官能基に置き換えられていることが包含される。そのような他の官能基には例示的に、これだけに限定されないが、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびその誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが包含される。例示的には、アミノ、ヒドロキシ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、および/またはスルホン酸のいずれも、場合によって置換されている。
【0035】
例示的な置換基には、これだけに限定されないが、ラジカル−(CH(式中、xは、0〜6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルカノイルオキシを含めたアルカノイルオキシ、場合によって置換されているアロイルオキシ、C〜Cアルキルを含めたアルキル、C〜Cアルコキシを含めたアルコキシ、C〜Cシクロアルキルを含めたシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシを含めたシクロアルコキシ、C〜Cアルケニルを含めたアルケニル、C〜Cアルキニルを含めたアルキニル、C〜Cハロアルキルを含めたハロアルキル、C〜Cハロアルコキシを含めたハロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルキルを含めたハロシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルコキシを含めたハロシクロアルコキシ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜Cアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C〜Cアルキルアミノアルキル、(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N−(C〜Cアルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノ、およびニトロから選択されるか;またはZは、−COおよび−CONRから選択され、ここで、R、R、およびRはそれぞれ独立に、存在する毎に、水素、C〜Cアルキル、アリール−C〜Cアルキル、およびヘテロアリール−C〜Cアルキルから選択される)が包含される。
【0036】
用語「プロドラッグ」は、本明細書で使用する場合一般的に、生物系に投与されると、1種または複数の自発的化学反応(複数可)、酵素に触媒される化学反応(複数可)、および/または代謝による化学反応(複数可)、あるいはその組合せの結果として、生物学的に活性な化合物を生成する任意の化合物を指す。インビボにおいて、プロドラッグは典型的には、酵素(エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼなど)、単純な生物学的化学作用、または他のプロセスによる作用を受けて、インビボで、より薬理学的に活性な薬物を遊離または再生成する。この活性化は、内因性宿主酵素、またはプロドラッグを投与する前に、その後に、もしくはその間に宿主に投与される非内因性酵素の作用を介して生じ得る。プロドラッグの使用の追加の詳細は、米国特許第5,627、165号;およびPathalkら、Enzymic protecting group techniques in organic synthesis、Stereosel. Biocatal. 775〜797(2000)に記載されている。標的化送達、安全性、安定性などの目標が達成され、続いて、プロドラッグを形成している基の放出残分が後で迅速に除去されるとすぐに、プロドラッグは有利に、元の薬物に変換されると、認識されている。
【0037】
最終的にインビボで切断される基を、−OH−、−SH、−COH、−NRなどの化合物上に存在する1個または複数の官能基に結合させることによって、プロドラッグを本明細書に記載の化合物から調製することができる。例示的なプロドラッグには、これだけに限定されないが、カルボキシラートエステル(その際、その基は、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルである)、さらには、ヒドロキシル、チオール、およびアミンのエステル(その際、結合される基は、アシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスファート、またはスルファートである)が包含される。例示的なエステルは、活性エステルとも称され、これには、これだけに限定されないが、1−インダニル、N−オキシスクシンイミド;アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、β−アセトキシエチル、β−ピバロイルオキシエチル、1−(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロパ−1−イル、(1−アミノエチル)カルボニルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、α−エトキシカルボニルオキシエチル、β−エトキシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシカルボニルオキシアルキル基;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチルなどのジ低級アルキルアミノアルキル基を含めたジアルキルアミノアルキル基;2−(イソブトキシカルボニル)ペンタ−2−エニル、2−(エトキシカルボニル)ブタ−2−エニルなどの2−(アルコキシカルボニル)−2−アルケニル基;およびフタリジル、ジメトキシフタリジルなどのラクトン基が包含される。
【0038】
さらなる例示的なプロドラッグは、本明細書に記載の化合物の溶解度および安定性を増大させるように機能するアミドまたはリン基などの化学部分を含有する。アミノ基のためのさらなる例示的なプロドラッグには、これだけに限定されないが、(C〜C20)アルカノイル;ハロ−(C〜C20)アルカノイル;(C〜C20)アルケノイル;(C〜C)シクロアルカノイル;(C〜C)−シクロアルキル(C〜C16)アルカノイル;非置換のアロイル、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C〜C)アルキル、および(C〜C)アルコキシ(それぞれ1〜3個のハロゲン原子のうちの1個もしくは複数で場合によってさらに置換されている)からなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されているアロイルなどの場合によって置換されているアロイル;非置換か、またはハロゲン、(C〜C)アルキル、および(C〜C)アルコキシ(それぞれ1〜3個のハロゲン原子で場合によってさらに置換されている)からなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されているアリールまたはヘテロアリールラジカルなどの場合によって置換されているアリール(C〜C16)アルカノイルおよび場合によって置換されているヘテロアリール(C〜C16)アルカノイル;ならびに非置換か、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C〜C)アルキル、および(C〜C)アルコキシ(それぞれ、1〜3個のハロゲン原子で場合によってさらに置換されている)からなる群から選択される1〜3個の置換基によって置換されているヘテロアリールラジカルなどの、O、S、およびNから選択される1〜3個のヘテロ原子をヘテロアリール部分に、かつ2〜10個の炭素原子をアルカノイル部分に有する場合によって置換されているヘテロアリールアルカノイルが包含される。例示した基は、例であって、網羅的なものではなく、従来のプロセスによって調製することができる。
【0039】
プロドラッグ自体は有意な生物学的活性を有し得ないが、代わりに、1種または複数の自発的化学反応(複数可)、酵素に触媒される化学反応(複数可)、および/もしくは代謝による化学反応(複数可)、またはその組合せをインビボ投与の後に受けて、生物学的に活性であるか、または生物学的に活性な化合物の前駆体である本明細書に記載の化合物を生成することは理解されるであろう。しかしながら、場合によっては、プロドラッグが生物学的に活性であると認識されている。また、プロドラッグは多くの場合に、経口生物学的利用能、薬力学的半減期などの向上を介して、薬物の有効性または安全性を向上させるために役立ち得ると認識されている。プロドラッグはまた、望ましくない薬物特性を単にマスキングするか、または薬物送達を向上させる基を包含する本明細書に記載の化合物の誘導体を指す。例えば、1種または複数の本明細書に記載の化合物は、臨床的薬物適用において薬理学的、医薬的、または薬物動態的障壁になり得、遮断または最小化されることが有利な望ましくない特性、例えば、低い経口薬物吸収、部位特異性の欠如、化学的不安定性、毒性、および不十分な患者受容(味の悪さ、悪臭、注射部位での疼痛など)を示し得る。プロドラッグまたは可逆的な誘導体を使用する他の戦略は、薬物の臨床適用の最適化において有用であり得ると、本明細書では認識している。
【0040】
用語「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、研究者、獣医師、医師、または他の臨床家が求めている、治療されている疾患または障害の症状の緩和を包含する生物学的または医学的応答を組織系、動物、またはヒトにおいて誘発する活性化合物または薬剤の量を指す。一態様では、治療有効量は、あらゆる医学的治療に対して適用可能で合理的なベネフィット/リスク比で疾患または疾患の症状を治療または緩和し得る量である。しかしながら、本明細書に記載の化合物および組成物の総一日使用量は、適正な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることを理解されたい。任意の特定の患者についての具体的な治療的に有効な用量レベルは、治療する障害およびその障害の重症度;使用する具体的な化合物の活性;使用する具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身健康、性別、および食事:使用する具体的な化合物の投与時間、投与経路、および排泄速度;治療期間;使用する具体的な化合物と組み合わせて、またはそれと同時に使用する薬物;ならびに通常の技能の研究者、獣医師、医師、または他の臨床家によく知られている同様の因子を含めた様々な因子に左右され得る。
【0041】
また、治療有効量は、単独療法または併用療法に関するかに関わらず、有利には、1種または複数の本明細書に記載の化合物を投与する間に生じるかもしれないあらゆる毒性または他の望ましくない副作用に関連して選択されると認識されている。さらに、本明細書に記載の併用療法は、そのような毒性または他の望ましくない副作用を示す化合物をより低い用量で投与することを可能にし得、その際、その低い用量は、毒性の閾値未満であるか、または他の方法では、併用療法が存在しない状態で投与された場合よりも治療ウィンドウにおいて下方にあると認識されている。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は一般的に、規定の成分を規定の量で含む任意の製品、さらに、規定の成分の規定の量での組合せから直接的または間接的に生じる任意の製品を指す。本明細書に記載の組成物は、明細書に記載の単離化合物から、または本明細書に記載の化合物の塩、溶液、水和物、溶媒和物,および他の形態から調製することができることを理解されたい。また、組成物は、本明細書に記載の化合物の様々な非晶質、非−非晶質、部分結晶質、結晶質、および/または他の形態型から調製することができることを理解されたい。また、組成物は、本明細書に記載の化合物の様々な水和物および/または溶媒和物から調製することができることを理解されたい。したがって、本明細書に記載の化合物を列挙するそのような医薬組成物は、本明細書に記載の化合物の様々な形態型および/または溶媒和物もしくは水和物のそれぞれ、またはその任意の組合せを包含することを理解されたい。例示的には、組成物は、1種または複数の担体、希釈剤、および/または賦形剤を包含し得る。本明細書に記載の化合物またはそれを含有する組成物は、治療有効量で、本明細書に記載の方法に適した任意の従来の剤形で製剤化することができる。そのような製剤を含めた本明細書に記載の化合物またはそれを含有する組成物は、本明細書に記載の方法のための幅広い様々な従来の経路によって、かつ幅広い様々な剤形で、公知の手順を利用して投与することができる(一般的には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(21版、2005)を参照されたい)。
【0043】
したがって、SOLなどの薬物または治療薬の供給源は限定的ではないことを、本明細書では理解されたい。例えば、SOLは、その中性形態または1種もしくは複数の塩形態から出発して本明細書に記載の製剤中に包含されていてよい。別法では、SOLは、その開示が参照により本明細書に組み込まれているPCT国際出願、米国特許出願公開第2011/027984号に記載されている組成物であるCEM−101 lyoを含めたSOLの様々な凍結乾燥形態のうちのいずれかなど、再構成可能な形態から出発して本明細書に記載の製剤中に包含されていてよい。さらに、上述のいずれにおいても、SOLは、そのそれぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれているPCT国際出願、米国特許出願公開第2004/006645号および同第2011/029424号に記載されているものなど、非晶質I型、II型などの任意の形態型から出発して本明細書に記載の製剤中に包含されていてよい。
【0044】
別の実施形態では、本明細書に記載の組成物中で使用される化合物はSOLである。別の実施形態では、SOLは中性である。別の実施形態では、SOLは非晶質である。別の実施形態では、SOLはI型である。別の実施形態では、SOLはII型である。別の実施形態では、SOLは薬学的に許容される塩である。別の実施形態では、SOLは酒石酸塩塩である。別の実施形態では、SOLは塩酸塩である。別の実施形態では、SOLは、SOL、マンニトール、および酒石酸を含む凍結乾燥物である。別の実施形態では、SOLは、SOL、ヒスチジン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸を含む凍結乾燥物である。
【0045】
別の実施形態では、製剤はアミノ酸を含む。本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤に含まれてよい例示的なアミノ酸には、あらゆるアルファまたはベータアミノ酸、およびその薬学的に許容される塩が包含される。一実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸およびその立体異性体、ならびに上述のものの薬学的に許容される塩から選択される。別の実施形態では、アミノ酸は、天然立体配置を有する天然に存在するアミノ酸、およびその薬学的に許容される塩から選択される。別の実施形態では、アミノ酸は、生理学的条件下でイオン化可能な側鎖官能基を有する天然立体配置を有する天然に存在するアミノ酸およびその薬学的に許容される塩から選択される。別の実施形態では、アミノ酸は、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびその薬学的に許容される塩から選択される。
【0046】
別の実施形態では、本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤は、L−(−)−ヒスチジンなどのヒスチジンおよびその薬学的に許容される塩を包含する。別の実施形態では、本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤は、L−(+)−グルタミン酸などのグルタミン酸およびその薬学的に許容される塩を包含する。別の実施形態では、本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤は、L−(+)−アスパラギン酸などのアスパラギン酸およびその薬学的に許容される塩を包含する。別の実施形態では、本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤は、L−乳酸およびDL−乳酸などの乳酸、ならびにその薬学的に許容される塩を包含する。別の実施形態では、本明細書に記載の固体、溶液、または液体製剤は、D−(+)−マンニトールなどのマンニトールを包含する。
【0047】
別の実施形態では、担体またはビヒクル中で再構成するために適合させた本明細書に記載の化合物の固体製剤を、本明細書では記載する。別の実施形態では、固体製剤は、SOL、ヒスチジン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸を含む。
【0048】
用語「投与すること」には、本明細書で使用する場合、これだけに限定されないが、経口(po)、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮、眼、膣内、直腸などを含めた、本明細書に記載の化合物および組成物の液体または溶液製剤を患者に導入するすべての手段が包含される。本明細書に記載の化合物および組成物は、従来の非毒性で薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する単位剤形および/または製剤で投与することができる。
【0049】
本明細書に記載するとおりの疾患に応じて、本明細書に記載の化合物および組成物は、局所または全身に投与することができる。
【0050】
例示的には、投与には、疾患、損傷、または欠陥の部位に局所的に投与する場合などの局所使用が包含される。例示的な局所投与は、開腹術、または疾患、損傷、もしくは欠陥の部位にアクセス可能な他の手順の間に行うことができる。局所投与は、非経口送達を使用して行うことができ、その際、本明細書に記載の化合物または組成物を、治療されている患者の多数の他の非標的部位に全般的に分布させることなく、その部位に局所的に堆積させる。局所投与は、疾患部位に直接的であってもよいし、または周辺組織に局所的であってもよいと、さらに認識されている。臓器などの特定の組織種への局所送達に関する同様の変形形態も、本明細書に記載する。例示的には、化合物を、ポンプデバイスを備えているか、または備えていない頭蓋内または脊椎内の針および/またはカテーテルを介しての送達によって、これらに限られないが、投与の脳内、心室内、脳室内、髄腔内、槽内、髄腔内、および/または傍脊柱(peri-spinal)経路を含めた神経系に直接投与することができる。
【0051】
本明細書に記載の方法では、同時投与または組合せの個々の成分を、任意の適切な手段によって、同時に、一斉に、連続して、別々に、または単一の医薬処方物で投与することができることを理解されたい。同時投与する化合物または組成物を別々の剤形で投与する場合には、各化合物について1日につき投与する投与回数は、同じでも、または異なってもよい。化合物または組成物は、同じか、または異なる投与経路を介して投与することができる。化合物または組成物を、同時または交互レジメンに従って、療法経過の間の同じか、または異なる時間に、同時に分割形態または単一の形態で投与することができる。
【0052】
非経口投与の例示的な経路には、静脈内、動脈内、腹腔内、硬膜外(epidurial)、尿道内、胸骨内、筋肉内、および皮下、さらには、当技術分野で認められている任意の他の非経口投与経路が包含される。非経口投与の例示的な手段には、針(マイクロニードルを包含)注射器、無針注射器、および注入技法、さらには、当技術分野で認められている非経口投与の任意の他の手段が包含される。
【0053】
特許請求の範囲に記載の組合せの各化合物の投与量は、投与方法、治療する状態、状態の重症度、状態が治療されるのか、または防止されるのか、ならびに治療される人の年齢、体重、および健康を含めたいくつかの因子に左右される。加えて、特定の患者についての薬理ゲノミクス(薬物動態、薬力学的、または治療薬の有効性プロファイルに対する遺伝子型の作用)情報が、使用する投与量に影響を及ぼし得る。
【0054】
上述の例示的な投与量および投与プロトコルに加えて、本明細書に記載の化合物のうちの任意の1種または混合物の有効量を、担当診断医または医師であれば、公知の技法を使用することによって、かつ/または類似の状況下で得られた結果を観察することによって、容易に決定することができることを理解されたい。有効量または用量の決定においては、担当診断医または医師は、これらに限られないが、ヒトを包含する哺乳類の種類、そのサイズ、年齢、および全身健康、関係する具体的な疾患または障害、疾患または障害の関与程度または重症度、個々の患者の応答、投与する特定の化合物、投与方式、投与する製剤の生物学的利用能特性、選択された用量レジメン、随伴薬物の使用、ならびに他の関連状況を含めたいくつかの因子を考慮する。
【0055】
非経口組成物。非経口医薬組成物は、注射、注入、または移植(静脈内、筋肉内、皮下など)によって、従来の非毒性で薬学的に許容される担体およびアジュバントを含有する剤形、製剤で、または適切な送達デバイスまたは移植を介して投与することができる。そのような組成物の製剤および調製物は、医薬製剤の当業者によく知られている。
【0056】
非経口使用のための組成物を、単位剤形で(例えば、単回用量アンプルで)、複数回用量を含有し、適切な保存剤(下記を参照されたい)が加えられていてよいバイアルで、または予め充填されたシリンジで提供し得る。
【0057】
上記で示したとおり、本明細書に記載の医薬組成物は、滅菌注射に適した形態のものであってよい。そのような組成物を調製するために、適切な活性薬物(複数可)を非経口許容される液体ビヒクルに溶解または懸濁させる。例示的なビヒクルおよび溶媒には、これだけに限定されないが、水、適切な量の塩酸、水酸化ナトリウム、または適切な緩衝液を加えることによって適切なpHに調節された水、1,3−ブタンジオール、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液が包含される。水性製剤は、1種または複数の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル、またはn−プロピル)を含有してもよい。化合物のうちのいずれかが僅か、または多少しか水に可溶性ではない場合には、溶解促進剤または可溶化剤を加えることができるか、または溶媒が、プロピレングリコールなど10〜60%w/wを包含してよい。加えて、担体は、これらに限られないが、3〜5%マンニトール、3%マンニトール、4%マンニトール、4.3%マンニトール、および5%マンニトールなどのマンニトール、リン酸塩、酢酸塩、追加の酒石酸塩、生理食塩水(0.9%)、1/2生理食塩水(0.45%)、および0.5%生理食塩水などの生理食塩水を含めた等張化剤の任意の組合せを包含してもよい。
【0058】
別の実施形態では、非経口製剤は、低張性マンニトール製剤である。別の実施形態では、非経口製剤は、等張性マンニトール製剤である。別の実施形態では、非経口製剤は、約250以下の重量モル浸透圧濃度を有する。別の実施形態では、非経口製剤は、約250以下の重量モル浸透圧濃度を有する。別の実施形態では、非経口製剤は、約350以下の重量モル浸透圧濃度を有する。
【0059】
本明細書に記載の溶液または液体製剤のpHは、広範な生理学的に許容されるか、または薬学的に許容される値のうちのいずれであってもよい。例示的には、pHは、約2〜約8、約3〜約7、約4〜約6.5などの範囲である。別の実施形態では、本明細書に記載の溶液または液体製剤のpHは、ほぼ中性である。別の実施形態では、本明細書に記載の溶液または液体製剤のpHは、約4〜約6、約4〜約5.5、約4〜約5、約4〜約4.5、約4.5〜約6.5、約4.5〜約6、約4.5〜約5.5、または約4.5〜約5の範囲である。
【0060】
患者および臨床的条件の必要性に応じて、静脈内経路による薬物の投与が、全身循環への迅速な導入および高い生物学的利用能、ならびに経口投与した場合の胃腸管における安定性、肝臓に関係する吸収、分布、および代謝作用または毒性作用の問題を回避することによって得られる他の利点を含めたいくつかの異なる理由により好ましいことがある。しかしながら、血液への薬物の溶解度によって、薬物を静脈内経路によって投与することができる濃度または速度が制限され得る。
【0061】
理論に束縛されることはないが、薬物が、そのビヒクルの成分および薬物が注射される血液によって形成される相から分離すると、油性の液滴または結晶の相が静脈中で形成され得ると、本明細書では考えている。分離した相は、比較的迅速に血液中に再溶解し得るので、有効性を失うことなく、生物学的利用能において僅かな遅延のみが生じる。別段には、この作用は、一様ではないか、または遅延した生物学的利用能であり得る。理論に束縛されることはないが、結晶質粒子としての治療薬の沈殿は、その粒子が血管壁に沿って移動するので、細胞擦傷の原因となり得、この作用は、純粋に物理的であって、薬理学的ではないと、本明細書では考えている。血管壁の炎症である静脈炎は、静脈内注射に関連する微粒子物質の作用に関連している。非経口薬物の注射速度が血液の流速を上回らない従来の投与条件下では、この問題を、注射ビヒクル中での治療薬の濃度を低下させることによってか、または注射時間を延長することによって克服し得るが、これらはそれぞれ、望ましくない変更である。別法では、注射する薬物の組成物の処方を変更することによって、この問題を改善することができる。
【0062】
理論に束縛されることはないが、他にも、注射静脈炎は、pH、張性、微粒子物質、および血流中で希釈された際の沈殿を含めたいくつかの異なる因子に起因し得ると、本明細書では考えている(例えば、Wardら、1993.Studies in Phlebitis VI: Dilution−Induced Precipitation of Amidoarone HCl. Journal of Parenteral Science and Technology.47(4)。161〜165)を参照されたい)。pH7.4超またはpH7.4未満で製剤化された薬物の注射は、希釈に伴って溶解度の指数的低下をもたらし得る。このことによって、希釈の際の濃度の直線的な低下、それによる沈殿の生成が克服され得る(例えば、Narazaki et al., 2007. Estimation of Precipitation Upon Dilution of pH−Controlled Formulations. Molecular Pharmaceutics.4(4)、550〜555を参照されたい)。緩衝液を使用して、血液に注射した塩基性薬物付近でのpHの上昇を最小化することによって、沈殿を阻害することができる。他方で、緩衝液を使用することは、薬物と酸性緩衝液イオンとの間での不溶性塩の形成につながり得る。
【0063】
インビボ沈殿およびインビボ静脈炎を測定するために、いくつかの動物モデルが開発されているが、治療薬を注射する際の沈殿を測定するためには、定量インビトロモデルを利用することが望まれ得る(例えば、Yalkowskyら、1998. Journal of Pharmaceutical Sciences、87(7)、787〜796を参照されたい)。例えば、等張性Sorensenリン酸緩衝液(ISPB)を血液代用物として使用する装置および動的沈殿モデルが記載されている(例えば、Johnsonら、2003 Prediction of Precipitation− Induced Phlebitis: A Statistical Validation of an In Vitro Model. Journal of Pharmaceutical Sciences、92(8)、1574〜1581を参照されたい)。
【0064】
本明細書に詳細に記載の動的沈殿モデルでは、SOLなどの試験化合物の溶液を0.45%生理食塩水中に1mg/mL以上のSOLの酒石酸緩衝溶液として、約1mL/分以上で投与すると、沈殿が示され得る。この沈殿は、約1mg/mLよりも高い濃度および約1mL/分よりも速い注入速度でのSOLの静脈内注射は、沈殿に関連し、沈殿誘発静脈炎に関連する疼痛をもたらし得ることを示唆している。したがって、そのような沈殿を回避するために、この投与速度は例えば、SOL400mgの用量を投与するためにほぼ7時間を必要とする。そこで、臨床使用のためにSOLをより高い濃度および/またはより速い速度で投与することを可能にする医薬組成物が必要とされている。
【0065】
アジスロマイシンは、動的沈殿モデルにおいて、0.45%生理食塩水中のクエン酸緩衝溶液として2mg/mLおよび4mL/分で投与すると、沈殿を示さず;したがって、アジスロマイシンを静脈内注射すると観察される疼痛はおそらく、沈殿が原因ではない。その代わり、アジスロマイシン注射で観察される疼痛は、薬理学的疼痛であり得ることが報告されている。しかしながら、SOLは、薬理学的疼痛を示さないことが発見されている。それにも関わらず、クエン酸緩衝液中で同様に製剤化したSOLは、疼痛の原因となり得る。理論に束縛されることはないが、クエン酸塩は3個の緩衝性カルボキシラート単位を有するが、SOLは、約1mg/mLよりも高い濃度および約1mL/分より速い注入速度ではまだ沈殿を示し得ると、本明細書では考えている。
【0066】
中等度に重症から重症までの市中細菌性肺炎(CABP)などの疾患を治療するために適したSOLおよび関連化合物の静脈内輸液が必要である。3%マンニトール中に1mg/mLのSOLの酒石酸緩衝溶液を約1mL/分で注入して投与するイヌおよびサルにおける28日間の毒性学研究は、疼痛または他の有害事象の証拠を伴うことなく成功裏に完了する。しかしながら、理論に束縛されることはないが、臨床的設定においてさらに望ましいより高い濃度および/またはより速い注入速度での注入は、他のマクロライド、エノリド、およびケトライド化合物と比較してSOLおよび関連化合物で観察されるかなり低い溶解度によって、現行の製剤を用いる場合には、実際的ではあり得ないと、本明細書では考えている。
【0067】
意外にも、乳酸塩配合剤を使用することで、ソリスロマイシンの溶解度がかなり向上することが見出された。したがって本明細書では、フルオロケトライド抗生物質SOLおよび関連化合物を非経口投与するために適合させた乳酸塩配合剤を含む医薬組成物、さらには、細菌感染、原虫感染、および他の感染を治療する際にそれらを使用するための方法を提供する。
【0068】
意外にも他にも、アミノ酸配合剤を使用することで、ソリスロマイシンの溶解度がかなり向上することが見出された。したがって、本明細書では、フルオロケトライド抗生物質SOLおよび関連化合物を非経口投与するために適合させたアミノ酸配合剤を含む医薬組成物、さらには、細菌感染、原虫感染、および他の感染を治療する際にそれらを使用するための方法を提供する。
【0069】
本明細書では、ソリスロマイシン自体は薬理学的疼痛の原因となり得ないが、ソリスロマイシン溶液の溶解度および溶液特性の変化が、例えば、沈殿による疼痛の原因となり得ることを理解されたい。以下でさらに記載するとおり、アジスロマイシンでの通常の院内使用に匹敵する用量および速度でのそのような静脈内注入に関連した疼痛の潜在性を評価するために、SOLの静脈内輸液を、ウサギ耳介静脈モデルにおいて、比較のために注射用のアジスロマイシンを使用して評価する。本明細書に記載のとおりのSOL製剤の静脈内輸液は、ウサギ耳介静脈モデルを使用する単回投与および複数回投与研究において十分に許容されることが見出された。対照的に、注射用のアジスロマイシンは、通常の院内使用の濃度および注入速度では、かなりの疼痛の原因となった。
【0070】
動的沈殿モデルによって決定したところ、静脈内投与用のSOLの製剤において乳酸緩衝液を使用すると、沈殿の劇的な低減が観察されることが発見された。他にも、動的沈殿モデルによって決定したところ、静脈内投与用のSOLの製剤においてアミノ酸緩衝液を使用すると、沈殿の劇的な低減が観察されることが発見された。
【0071】
動的沈殿モデルを使用する本明細書に記載の実施例において示すとおり、SOLおよび関連化合物を0.45%生理食塩水中に3mg/mLで施与すると、1.0mL/分以上の速度で沈殿が認められた。より低い濃度である0.45%生理食塩水中に2mg/mLまたは1mg/mLでは、1.0mL/分超の速度で沈殿が認められ、1.0mL/分がボーダーラインである。5%マンニトール中での沈殿量は、マンニトールを加えられていない0.45%生理食塩水中のものと同様であった。
【0072】
対照的に、SOLおよび関連化合物を、0.45%生理食塩水中の0.5%および1%の両方の乳酸緩衝液(pH4)中で使用すると、このモデルにおける沈殿は、1mg/mLおよび2mg/mLで3mL/分の速度で、静脈炎の潜在性を伴う沈殿を決定するための表示オパシティ値(delineating opacity value)未満に低減する。L−乳酸緩衝液またはDL−乳酸緩衝液のいずれかを使用することで、すべてのケースにおいて、沈殿が低減した。しかしながら、0.45%生理食塩水中で0.5、1、および5mMクエン酸緩衝液(pH4)を使用すると、2mg/mLおよび3mg/mLのSOL濃度での動的沈殿モデルにおいて、沈殿は有意に低減しない。同様に、0.45%生理食塩水中の10または25mM酒石酸緩衝液(pH4)は、2mg/mLおよび3mg/mLのSOL濃度での動的沈殿モデルにおいて、沈殿を有意に低減させない。クエン酸または酒石酸の共緩衝液を乳酸緩衝液に加えると、動的沈殿モデルにおいて軽微な効果があった。沈殿が観察されるすべてのケースにおいて、沈殿の量は、吸光度の量によって反映されるとおり、注射速度および濃度に伴って増大する。
【0073】
加えて、様々な乳酸、リン酸、および酢酸緩衝液中、様々なpHレベルで、0.45%生理食塩水、3〜5%マンニトールなどの適切な張性担体中でSOL/アミノ酸製剤を使用した場合、当該モデルにおける沈殿は、1mg/mLおよび2mg/mLで3mL/分の速度で、静脈炎の潜在性を伴う沈殿を決定するための表示オパシティ値未満に低減する。
【0074】
アジスロマイシンおよびクラリスロマイシンは、静脈内投与について承認されている。しかしながら、それらの使用は報告によると、炎症、薬理学的疼痛、肝毒性、および/またはQT延長などの有害な心臓作用によって、限定されている。そのような副作用は、経口投与と比較して非経口投与で生じる高い曝露によって悪化すると、本明細書では認識している。例えば、クラリスロマイシンは報告によると、心臓組織に蓄積する。加えて、アジスロマイシンは高い心臓組織曝露の原因とはならないが、アジスロマイシンは報告によると、最小限の曝露を心がけることが必要であり得るような、QT延長を惹起する高い効力を有する。テリスロマイシンなどのケトライドは報告によると、望ましくない副作用によって、静脈内投与などの非経口投与に特に適していない。
【0075】
予期せず本明細書において、本明細書に記載のトリアゾール含有ケトライド化合物および組成物は、有意な薬理学的疼痛、肝毒性、またはQT延長などの心臓作用を誘発しないことが発見された。疼痛を伴わないか、または実質的に疼痛を伴わない、静脈内投与含めた非経口に適合させた組成物を本明細書では記載する。肝毒性の原因とならないか、または実質的に肝毒性の原因とにならない、静脈内投与を含めた非経口に適合させた組成物を本明細書では記載する。QT延長などの有害な心臓作用を伴わないか、または実質的に疼痛を伴わない、静脈内投与を含めた非経口に適合させた組成物を本明細書では記載する。炎症の原因とならないか、または実質的に炎症の原因とならない、静脈内投与を含めた非経口に適合させた組成物を本明細書では記載する。
【0076】
次の実施例で、本発明の具体的な実施形態をさらに説明する;しかしながら、次の例示的な実施例は、本発明を限定するものとは決して解釈されるべきではない。
【0077】
実施例
実施例。本明細書に記載の製剤を調製する際には、SOLのあらゆる供給源を使用することができる。例示的には、SOLの供給源は、WO2011/112864に一般的に記載されているとおりの再構成可能な凍結乾燥物である。例示的には、SOLの供給源は、次の水溶液から調製される再構成可能な凍結乾燥物である。理論量は、オーバーフィルをカバーするために6%の過剰を包含する。SOL溶液の密度は約1.030g/mLである。
【表1】
【0078】
実施例。任意の供給源からのSOLを、本明細書に記載の製剤溶液に直接溶かすことができる。例示的には、次の最終製剤は、150mMヒスチジン、150mMグルタミン酸、および150mMアスパラギン酸をpH4.5で含む。
【0079】
実施例。任意の供給源からのSOLを、本明細書に記載の製剤溶液に直接溶かすことができる。例示的には、次の配合剤を、本明細書に記載の医薬組成物の調製において使用する。150mMヒスチジン、150mMグルタミン酸、および150mMアスパラギン酸溶液の密度は周囲温度で、約1.027g/mLである。
【表2】
【0080】
実施例。本明細書に記載の製剤の調製においては、SOLのあらゆる供給源を使用することができる。例示的には、SOLの供給源は、次の水溶液から調製される再構成可能な凍結乾燥物である。理論量は、オーバーフィルをカバーするために7%を包含する。注射用水を凍結乾燥の間に除去する。充填溶液の密度は約1.041g/mlである。製剤の最終標的pHは4.5である。
【表3】
【0081】
実施例。生理食塩水ビヒクルを0.9%塩化ナトリウム注射液(USP)から調製するか、または注射用水で0.45%まで希釈する。すべての製剤を場合によって、Alltec 0.45μMフィルターなどの0.45μMフィルターを使用して濾過する
【0082】
方法の実施例。動的沈殿モデル。動的沈殿装置を図1に示すが、これはJohnsonら(2003)にも記載されている。装置は、注射針の先端とUVフローセルとの間に所定の距離、例示的には15cmの距離を含み、血流および薬物の種々の注入速度をシミュレートするための3つの主要な構成部品を含む。例示的には、Cole−Palmer−Masterflex(登録商標)7520−00ぜん動ポンプを使用して、血液代用物の流を5mL/分で送る。例示的には、Harvard Apparatus Precision Syringe Pump 22を使用して、薬物製剤をシステム内に様々な注射速度で注入する。例示的には、1.00cmのフローセルを有するCary UV−50 Bio分光光度計を使用して、製剤−血液代用物システムにおける沈殿の測度として吸光度をモニタリングする。
【0083】
試験化合物の指示最終濃度に適しているように、試験化合物および配合剤を水またはビヒクルに溶かし、かつ1M HClまたは1M NaOHのいずれかを用いて、pHを調節することによって、各試料を調製する。所定の重量の固体または液体を水に溶かし、かつ1M HClまたは1M NaOHのいずれかを用いて、pHを調節することによって、乳酸、クエン酸、および酒石酸配合剤の原液を製造する。
【0084】
血液代用物(等張性Sorensenリン酸緩衝液、0.067M、pH7.4)を、レザバーから、2つのIV設定Y注射部位を備えたTygon(登録商標)配管(R−6306)を介してポンプ導入するが、これは、フローセルを通過し、廃棄コンテナを終点とする。タイマーおよびメスシリンダーと共にDwyer MMA−35流量計を使用して、システムを通過する代用血流の速度を測定する。例示的には、流速は5mL/分である。
【0085】
試験化合物製剤を種々の測度で、下流の第2のY注射部位を介して、フローセルに入る血液代用物の流に注入する。試験化合物をそれぞれ注入した後に、0.001M HCl溶液を第1のY注射部位に注射して、下流の配管およびフローセルをフラッシュする。すべての注射を25℃で行う。一定の吸光度、例示的には500nmを時間に対して読み取るように、分光光度計ソフトウェア(Cary UVWin)を設定する。
【0086】
記載しているとおりの緩衝液および薬物を用いて、試料を製造する。5mL/分の流速が確認された後に、500nmでの吸光度を5〜10分間記録するように、分光光度計を設定し、かつ規定のとおりの種々の測度で、注射を行う。配管またはフローセル内にどのような残留沈殿も付着することを防ぐために、pH3のHClのフラッシュを各注射の合間に行う。操作の間に、フローセルを場合によって、沈殿の存在について目視検査する。試験化合物製剤を血液代用物中で2倍系列希釈し、微粒子の存在を決定するためにレーザーポインターをチンダルビームとして使用することによって、静的沈殿測定も場合によって行う。
【0087】
0.003の吸光度(オパシティ値)を、検出し、かつ静脈炎の潜在性を有する沈殿を評価するための閾値レベルであるとみなす。対照(プラセボ/ビヒクル)製剤は、約0.003未満の吸光度を示す。0.05以上の吸光度は、静脈炎の潜在性を有する沈殿を評価するための閾値レベルであるとみなす。約0.05以下の吸光度は、静脈炎の潜在性を有する沈殿に関して許容される潜在性であるとみなす。約0.03以下の吸光度は、静脈炎の潜在性を有する沈殿に関して低い潜在性であるとみなす。約0.01以下の吸光度は、静脈炎の潜在性を有する沈殿に関して非常に低い潜在性であるとみなす。
【0088】
対照ビヒクルである0.45%生理食塩水および5.0%マンニトールを試験したところ、定量可能限界未満(BQL)の吸光度を示す。
【0089】
比較例。従来の賦形剤を使用するSOL製剤。様々なSOL塩をビヒクルに溶かし、動的沈殿モデルにおいて試験した。すべての水を、18MΩ・cmの固有抵抗で水を出すMillipore Milli−Qウォーターシステムで濾過し、かつ0.45μm(Alltech)膜フィルターを使用して濾過した。1M HClまたは1M NaOHを用いて、必要に応じてpHを調節した。アジスロマイシンクエン酸塩およびエリスロマイシンラクトビオン酸塩をそれぞれ陽性対照として使用したが、これらは、BQL(<0.003)を示した。
【表4】
(−)=≧0.05
(+)=<0.05
(++)=<0.03
(+++)=<0.01
(++++)=<0.003のBQL
【0090】
比較例。3%マンニトール中の38.5mM酒石酸および0.5%モノチオグリセロール中に2mg/mLのSOL(pH4.0)を、2mL/分、3mL/分、または4mL/分で、5分間の注入期間で注射すると、軽微な沈殿が示される。
【0091】
比較例。38.5mM酒石酸中、かつ5%マンニトール中に2mg/mLのSOL(pH4.0)を、2mL/分、3mL/分、または4mL/分で、5分間の注入期間で注射すると、軽微な沈殿が示される。
【0092】
比較例。5%マンニトール中の20mM酒石酸中に2mg/mLのSOL(pH4.2)を、3mL/分で、1分間の注入期間で注射すると、軽微な沈殿が示される。
【0093】
比較例。5%マンニトール中の10mM酒石酸中に2mg/mLのSOL(pH4.2)を、3mL/分で、1分間の注入期間で注射すると、軽微な沈殿が示される。
【0094】
比較例。2mL/分または3mL/分で注射する5%マンニトール中の5mM酒石酸中に3mg/mLのSOL(pH4.2)と、2mL/分または3mL/分で注射する5%マンニトール中に2mg/mLのSOLとを、それぞれ2分間の注入期間で比較する。酒石酸の添加は、両方の注入速度で、観察される沈殿の量をかなり減少させる。
【0095】
比較例。0.45%生理食塩水ビヒクル中に3mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、1.0mL/分以上の速度で沈殿が認められ、それぞれ、BQL、約0.02、約0.1、および約0.3を示す。
【0096】
比較例。0.45%生理食塩水ビヒクル中に2mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、3.0および6.0mL/分の速度で沈殿が認められ;1.0mL/分がボーダーラインであり、それぞれ、BQL、BQL、約0.02、および約0.1を示す。
【0097】
比較例。0.45%生理食塩水ビヒクル中に1mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、3.0および6.0mL/分の速度で沈殿が認められ;1.0mL/分がボーダーラインであり、それぞれ、BQL、BQL、BQL、および約0.1を示す。
【0098】
比較例。5%マンニトールビヒクル中に3mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、1.0mL/分以上の速度で沈殿が認められ、それぞれBQL、約0.1、約0.4、および約0.6を示す。
【0099】
比較例。5%マンニトールビヒクル中に2mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、1.0mL/分以上の速度で沈殿が認められ、それぞれ、BQL、約0.03、約0.06、および約0.1を示す。
【0100】
比較例。5%マンニトールビヒクル中に1mg/mLのSOL:
0.3、1.0、3.0、および6.0mL/分の注射速度で注入すると(t=1.0分で注入を開始)、3.0mL/分以上の速度で沈殿が認められ、それぞれ、BQL、BQL、0.01、および約0.05を示す。一般的に、マンニトールの添加は、沈殿の観察量を低下させる。
【0101】
実施例。乳酸をベースとする製剤。CEM−101 lyo(緩衝液1として示される酒石酸塩を包含)を使用して、次の例示的製剤を調製し、その際、乳酸の作用を、0.45%生理食塩水のみと比較する。
【表5】
各ケースにおいて、乳酸の添加は、沈殿の観察量をBQLまで低下させた。
【0102】
実施例。クエン酸塩を包含する乳酸をベースとする製剤。CEM−101 lyo(緩衝液1として示される酒石酸塩を包含)を使用して、次の例示的製剤を調製し、その際、乳酸の作用を、0.45%生理食塩水のみおよびクエン酸塩と比較する。
【表6】
各ケースにおいて、乳酸の添加は、沈殿の観察量をBQLまで低下させる。乳酸の添加は他にも、クエン酸塩を包含する試料において観察される沈殿の量を低下させる。0.45%生理食塩水中、2mg/mLおよび4mL/分で、クエン酸緩衝液として注入されるアジスロマイシンは、沈殿を示さない(BQL)。1mL/分、2mL/分、および3mL/分の注入速度で、5mMクエン酸緩衝液中に3mg/mLのCEM−101(pH4)を、0.45%生理食塩水中に3mg/mLのCEM−101と比較すると、すべての注入速度で、両方の溶液から沈殿が示されるが、1mL/分での沈殿は、5mMクエン酸緩衝液で低減され、その際、1mL/分で<0.05の吸光度が観察され、2または3mL/分で、>0.05の吸光度が観察された。クエン酸緩衝液希釈剤の使用は、乳酸塩が存在しない状態では、沈殿を劇的に低減することはなかった。
【0103】
乳酸塩形態および緩衝液濃度の変化
実施例。0.45%生理食塩水ビヒクル中の乳酸をベースとする製剤。CEM−101 lyo(CEM−101 1グラムあたり酒石酸塩0.012%および緩衝液1として示されている濃度に必要な任意の追加の酒石酸塩を包含)および示されている乳酸緩衝液を使用して、次のものを調製する。
【表7】
【表8】
【0104】
0.5%生理食塩水中の0.5%乳酸緩衝液(pH4)中に2mg/mLおよび1mg/mLのCEM−101 lyoをベースとする製剤(CEM−101)を1mL/分、2mL/分、および3mL/分の注入速度で評価すると、3つの速度それぞれで、0.003の閾値吸光度レベル未満の沈殿が示される(0.45%生理食塩水中に2mg/mLのCEM−101 lyoをベースとする製剤(CEM−101)との比較を示している)。すべての乳酸塩含有製剤が吸光度<0.01を示した。すべての乳酸塩不含物は、少なくとも1つの注入/濃度の組合せにおいて、約0.03の吸光度を示した。
【0105】
0.5%生理食塩水中の1%乳酸塩製剤(pH4)中に2mg/mLのCEM−101 lyoを様々なビヒクルと共に、1mL/分、2mL/分、および3mL/分の注入速度で注入すると一般に、3つの速度それぞれで、0.003の閾値吸光度レベル未満の沈殿が示される。3mg/mLのCEM−101 lyoをベースとする製剤を同様に注入すると、1%乳酸緩衝液を含まない製剤と比較すると多大に低減された沈殿が示されるか、または0.003の閾値吸光度レベル未満の沈殿が示される。総じて、1.0%および0.5%L−乳酸塩を使用すると、0.25%L−乳酸塩よりもかなり大きな沈殿の低減が生じる。
【0106】
DL−乳酸緩衝液を使用している溶液を注入すると、L−乳酸緩衝液を使用している溶液の結果に匹敵する結果が得られ、0.5%生理食塩水、0.5%生理食塩水中の0.5%L−乳酸緩衝液(pH4)、0.5%生理食塩水中の0.5%DL−乳酸緩衝液(pH4)、および0.5%生理食塩水中の0.5%L−乳酸緩衝液+5mM酒石酸緩衝液(pH4)中に2mg/mLのCEM−101 lyoをベースとする製剤(CEM−101)の1mL/分、2mL/分、および3mL/分の注入速度での注入が示されている。
【0107】
追加の酒石酸緩衝液の使用は、沈殿を劇的に低減させることはなかった。L−乳酸緩衝液またはDL−乳酸緩衝液のいずれかの使用は、すべてのケースにおいて、沈殿を低減させた。
【0108】
まとめると、0.45%生理食塩水中の0.5、1、および5mMクエン酸緩衝液(pH4)は、2mg/mLおよび3mg/mLのSOL製剤の濃度での動的沈殿モデルにおいて沈殿を有意に低減させることはない。0.45%生理食塩水中の10または25mM酒石酸緩衝液(pH4)は、2mg/mLおよび3mg/mLのSOL製剤の濃度での動的沈殿モデルにおいて沈殿を有意に低減させることはない。0.45%生理食塩水中の0.5%および1%の両方の乳酸緩衝液(pH4)においては、沈殿が、1mg/mLおよび2mg/mLで、3mL/分の速度で、0.003吸光度レベル未満に低減する。乳酸緩衝液へのクエン酸または酒石酸共緩衝液の添加は、動的沈殿モデルに軽微な作用を有した。
【0109】
実施例。アミノ酸製剤。SOLを使用して、次の例示的な製剤を調製する。本明細書に記載しているとおり、任意のSOL供給源を使用することができることは理解されるであろう。例示的な製剤を動的沈殿モデルで試験すると、約0.01未満の吸光度を示す。
【表9】
【0110】
方法の実施例。ウサギへの静脈内注入後の疼痛認容性の評価。単回投与ウサギ耳介静脈モデル研究。体重2.5〜3.2kgの雌のNew Zealand Whiteウサギを、試験化合物の静脈内注入後の疼痛、耳介炎症、および静脈炎について評価する。市販のアジスロマイシンクエン酸塩を陽性対照として使用する。
【0111】
CEM−101 lyo(SOL(250.0mg)、マンニトール(USP)(250.0mg)、L(+)−酒石酸(USP)(29.0mg)、水酸化ナトリウム(NF)(pH4.2へのpH調節用))を、本明細書に記載のとおりのビヒクルまたは製剤中で再構成する。プラセボは、SOLを含まない同じ製剤である。再構成したSOLまたはプラセボを、0.45%生理食塩水、0.45%生理食塩水中の0.5%乳酸(pH4)、0.45%生理食塩水中の0.5%乳酸および10mM酒石酸(pH4)などの適切なビヒクルに溶かす。CEM−101 lyoを、適切なビヒクルに、2mg/mLまたは3mg/mLの濃度で溶かす。CEM−101プラセボ製剤を、0.45%生理食塩水に溶かす。投与体積を計算するために、すべてのウサギを秤量する。
【0112】
アジスロマイシン凍結乾燥バイアルは、静脈内投与用のアジスロマイシン500mgに相当する、10mLバイアル中の凍結乾燥された形態の市販の注射用アジスロマイシンクエン酸塩(ZITHROMAX IV)である。ラベルの指示に従って再構成すると、静脈内注射用のZITHROMAX約5mLが生じ、その際、1mLあたり、アジスロマイシン100mgに相当するアジスロマイシン二水和物を含有する。再構成したアジスロマイシンクエン酸塩、2mg/mLを、そのビヒクルである0.45%生理食塩水に溶かす。
【0113】
2匹のウサギに、ビヒクルを、次いで、アジスロマイシンクエン酸塩を、辺縁耳介静脈での静脈内注入を介して、5mLの用量体積および4mL/分の注入速度で投与する。2匹のウサギに、ビヒクル(4mL/分)を、次いで、本明細書に記載の製剤中の試験化合物を、または比較可能な製剤生理食塩水を、辺縁耳介静脈での静脈内注入を介して、5mLの用量体積ならびに/あるいは2mg/mLおよび/または3mg/mLの濃度で、1、2、3、および/または4mL/分の注入速度で投与する。評価の後に、研究を、乳酸塩含有ビヒクル中のCEM−101/マンニトール/酒石酸塩製剤の投与で続けた。すべてのウサギが、ビヒクル、0.5Nの生理食塩水(アジスロマイシンクエン酸塩)、または0.45%生理食塩水中のCEM−101プラセボ製剤(CEM−101投与動物)を左の耳介に、かつ試験物を右の耳介に投与された。同じ動物への各注入の合間には、30分を経過させた。
【0114】
各注入の間、およびその後(30分間)に動物を観察し、反応を、改変Draize Scoreに従ってスコアリングし、記録した。試験物投与に対するウサギの反応を評価するために使用した改変Draize Scoreは次のとおりであった:
0 − 反応なし
1 − 静脈内輸液を投与すると、耳介の僅かなれん縮
2 − 耳介れん縮および頭部運動
3 − 投与時に頭部の激しい運動、ただし、20秒で静止
4 − 発声と共に、耳介、頭部、および身体の激しい運動
【0115】
0.45%生理食塩水中のSOLを投与されたウサギは、試験物の投与時の耳介の僅かなれん縮から、投与時の激しい頭部の運動までの有害作用を経験したが、約20秒で静止した。反応の重症度は、注入速度の漸増と相関した。いずれかの乳酸製剤中のSOLを投与されたウサギは、いずれの濃度(2mg/mLまたは3mg/mL)でのいずれの注入の間にも、試験物の投与時に反応を示さず、疼痛、炎症、および静脈炎は観察されなかった。
【0116】
アジスロマイシンクエン酸塩を投与されたウサギは、試験物の投与時に、発声と共に耳介、頭部、および身体の激しい運動を経験し、そのウサギを研究から外した。
【表10】
【0117】
方法実施例。ウサギへの静脈内注入後の忍容性評価。多回投与ウサギ耳介静脈モデル研究。体重2.5〜3.2kgの雌のNew Zealand Whiteウサギを、試験化合物の静脈内輸液を1日1回5日間投与した後に疼痛、耳介炎症、および静脈炎について評価する。
【0118】
SOLを、0.5%乳酸製剤(pH4)に溶かし、次いで、2mg/mLまたは3mg/mLの濃度で0.45%生理食塩水に溶かす。
【0119】
4匹のウサギに投与する;1匹にはビヒクルを投与し、1匹ずつ、2mg/mL(3mL/分の速度)、3mg/mL(3mL/分の速度)、および3mg/mL(4mL/分の速度)を投与する。すべてのウサギが、5mLの用量体積を投与され、右側辺縁耳介静脈での静脈内注入を介して1日1回5日間投与される。各注入の間およびその後(30分)に動物を観察し、反応を記録する。
【0120】
1日目および2日目には、いずれのウサギにおいても、有害作用は観察されなかった。4日目および5日目に、針から遠位での反応はなかったが、針刺し周囲での機械的刺激が、ビヒクル処理および2mg/mL(3mL/分の速度)のウサギで見られた。3mg/mLの濃度および3mL/分または4mL/分の速度でSOLを投与されたウサギは、血管の膨張および針刺し周囲とその先において刺激を経験し、それは、3日目に始まり、5日目まで続いた。3mg/mLのSOLを4mL/分の速度で投与されたウサギにおいて、頭部および耳介のれん縮も観察された。
【0121】
方法実施例。皮膚紅斑、浮腫、および静脈炎モデル。試験化合物を、対応するビヒクル対照と比較する。試験製剤およびビヒクル対照製剤は、投与日に新たに調製し、調製から4時間以内に使用する。対照の注射用0.9%NaCl(USP)は、供給されたままで使用する。ビヒクル対照を投与開始の5日前に、5日目までの処理期間に十分な量で調製する。すべての製剤を、注射用滅菌水(USP)を使用して調製する。26匹のオスのNew Zealand Whiteウサギ(Oryctolagus cuniculus)をこの実施例では使用する。ウサギは概して3〜4ヶ月齢であり、それらの体重は2.3〜3.6kgの範囲である。試験化合物を単回投与として2または20分間かけて(10mLの総体積)、静脈内注入によってNew Zealand Whiteウサギ(n=3)に投与する。試験化合物を辺縁耳介静脈(右耳介)に、使い捨て留置カテーテルを介して注射する。対応するビヒクル対照を辺縁耳介静脈(左耳介)に、使い捨て留置カテーテルを介して注射する。陽性対照群を、注射用0.9%NaCl(USP)でそれぞれの耳介において試験する。すべての試験動物を、耳介皮膚紅斑および/または浮腫について評価する。注入速度は一定で、動物の体重から独立している。最終用量レベル(mg/kg)は、個々の動物体重に依存している。
【表11】
【0122】
投与の後、すべての動物を約24時間観察し、次いで、安楽死させ、外部検査に掛け、続いて、組織病理学的検査のために組織を収集した。モニタリングしたパラメーターには、死亡率、臨床観察、体重、皮膚変化(改変Draizeスコアリングスキームを使用)、ならびに耳介(投与部位)および頚静脈の巨視的および顕微鏡(組織病理学的)検査が包含される。群3(0.9%生理食塩水ビヒクル中の15mM L−(−)−ヒスチジン、15mM L−(+)−グルタミン酸、15mM L−(+)−アスパラギン酸(pH4.5))のうちの1匹のウサギのみが、投与後23時間目に十分に画定される紅斑を発生させた。耳介浮腫は、いずれの注入条件下でのいずれの群においても観察されなかった。屍検での巨視的所見は、いずれの処置群でも観察されなかった。カテーテルの先端から1cmおよび約2cmの最も遠位(耳介と頭部との接合部)での組織病理学的所見は、すべての群において軽微であるか、または中程度であった。5mL/分または0.5mL/分で投与されたいずれの群においても、頸静脈部位で、所見は観察されなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8