特許第6208743号(P6208743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208743
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】非連続的接着剤領域を有する積層物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/04 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   B32B5/04
【請求項の数】68
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2015-503589(P2015-503589)
(86)(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公表番号】特表2015-512347(P2015-512347A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】US2013034428
(87)【国際公開番号】WO2013149047
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2016年1月8日
(31)【優先権主張番号】13/432,613
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/843,682
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/851,761
(32)【優先日】2013年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディー.ケルシー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ.マクアダムス
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−527825(JP,A)
【文献】 実公昭41−012785(JP,Y1)
【文献】 実開昭55−177428(JP,U)
【文献】 特開2002−166965(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0271416(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、実質的に接着剤フリーである領域で分離された2以上の接着剤領域含有し、前記接着剤領域のそれぞれが複数の接着剤ドットを有し、ここで、前記接着剤領域内の隣接する接着剤ドット間の距離は連続する接着剤領域間の距離よりも短い、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、
前記接着剤領域のそれぞれは、湾曲部の半径を生じて、これが前記積層物品に持ち上がった部分を形成し、これが前記実質的に接着剤フリーである領域に相当し、
前記湾曲部の半径は2mmから50mmである
積層物品。
【請求項2】
前記実質的に接着剤フリーである領域が、mmよりも大きい幅を有する、請求項1に記載の積層物品。
【請求項3】
前記実質的に接着剤フリーである領域が、前記接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、請求項1に記載の積層物品。
【請求項4】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含み、ここで、前記積層物品は、前記接着剤領域によって定められる前記積層物品の部分に、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置されるエアギャップをさらに含む、請求項1に記載の積層物品。
【請求項5】
前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、請求項に記載の積層物品。
【請求項6】
前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、請求項に記載の積層物品。
【請求項7】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項1に記載の積層物品。
【請求項8】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、請求項1に記載の積層物品。
【請求項9】
前記実質的に接着剤フリーである領域の曲げ弾性率が、前記接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い、請求項1に記載の積層物品。
【請求項10】
前記積層物品内の前記接着剤領域の被覆面積パーセントが、少なくとも30%である、請求項1に記載の積層物品。
【請求項11】
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、第一の接着剤領域および第二の接着剤領域を含有する、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記第一の接着剤領域は、前記第二の接着剤領域中に存在する接着剤の量よりも多い量の接着剤を含有し
ここで、前記積層物品は、前記第一の接着剤領域における曲げ弾性率よりも低い前記第二の接着剤領域における曲げ弾性率を有し、および
前記第一の接着剤領域のそれぞれは、湾曲部の半径を生じて、これが前記積層物品に持ち上がった部分を形成し、これが前記第二の接着剤領域に相当する、
積層物品。
【請求項12】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、請求項11に記載の積層物品。
【請求項13】
前記第二の接着剤領域が、実質的に接着剤フリーである、請求項11に記載の積層物品。
【請求項14】
連続する前記第一の接着剤領域間の距離が、mmよりも大きい、請求項11に記載の積層物品。
【請求項15】
前記積層物品が、前記第二の接着剤領域において選択的に屈曲する、請求項11に記載の積層物品。
【請求項16】
第一の接着剤領域が、少なくとも1つの特徴的形状を形成し、前記少なくとも1つの形状が、2回以上繰り返される、請求項11に記載の積層物品。
【請求項17】
前記第二の接着剤領域が、前記第一の接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、請求項16に記載の積層物品。
【請求項18】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイル;および
前記持ち上がった部分において、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置されるエアギャップ
をさらに含む、請求項11に記載の積層物品。
【請求項19】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項11に記載の積層物品。
【請求項20】
前記第一の接着剤領域の各々が、複数の接着剤ドットを含み、前記第一の接着剤領域内の前記接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、請求項11に記載の積層物品。
【請求項21】
前記第一の接着剤領域の各々が、複数の接着剤ドットを含み、前記第一の接着剤領域内の前記接着剤ドットのサイズが異なっている、請求項11に記載の積層物品。
【請求項22】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、請求項11に記載の積層物品。
【請求項23】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、請求項11に記載の積層物品。
【請求項24】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、請求項11に記載の積層物品。
【請求項25】
前記第一の接着剤領域の湾曲部の半径が、mmから0mmである、請求項11に記載の積層物品。
【請求項26】
前記第二の接着剤領域の曲げ弾性率が、前記第一の接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い、請求項11に記載の積層物品。
【請求項27】
積層物品を形成する方法であって:
第一のテキスタイルに張力を掛けること;
機能性フィルム層および第一のテキスタイルの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うこと、
前記第一のテキスタイルを弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、第一の接着剤層は、前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルに結合して、前記実質的に接着剤フリーの領域に積層物品の持ち上がった部分を形成し、および前記持ち上がった部分が前記接着剤領域の輪郭を視認可能に描き、
前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、前記特徴的形状は、2回以上繰り返され、および
ここで、前記積層物品は、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲する、
積層物品を形成する方法。
【請求項28】
連続する前記接着剤領域間の距離が、mmよりも大きい、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第二のテキスタイルを、前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
エアギャップが、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記実質的に接着剤フリーである領域が、前記接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域、および実質的に接着剤フリーである領域を含有し、ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占めていて、2mmより大きい幅を有する、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有し、
前記接着剤領域のそれぞれは、湾曲部の半径を生じて、これが前記積層物品に持ち上がった部分を形成し、これが前記実質的に接着剤フリーである領域に相当する、
積層物品。
【請求項33】
前記積層物品が、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲する、請求項32に記載の積層物品。
【請求項34】
前記接着剤領域の少なくとも1つ内での接着剤の分布が、不均一である、請求項32に記載の積層物品。
【請求項35】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、請求項32に記載の積層物品。
【請求項36】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項32に記載の積層物品。
【請求項37】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、請求項32に記載の積層物品。
【請求項38】
前記接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、請求項32に記載の積層物品。
【請求項39】
前記接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、請求項32に記載の積層物品。
【請求項40】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、請求項32に記載の積層物品。
【請求項41】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、請求項32に記載の積層物品。
【請求項42】
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、請求項32に記載の積層物品。
【請求項43】
機能性フィルム層;
第一の接着剤層によって前記機能性フィルム層に結合された第一のテキスタイルであって、前記第一の接着剤層は、接着剤の第一の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第一の領域および接着剤の第二の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第二の領域を含有し、前記接着剤の第一の被覆面積パーセントは、前記接着剤の第二の被覆面積よりも大きい、第一のテキスタイル、
を含む積層物品であって、
ここで、前記第一の領域は、少なくとも1つの特徴的形状を形成し、前記少なくとも1つの形状は、2回以上繰り返され ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有し、および
ここで、第一の被覆面積パーセントを有する前記第一の領域のそれぞれは、湾曲部の半径を生じて、これが前記積層物品に持ち上がった部分を形成し、これが第二の被覆面積パーセントを有する前記第二の領域に相当する、
積層物品。
【請求項44】
前記第一の接着剤領域および前記第二の接着剤領域の少なくとも1つ内での接着剤の分布が不均一である、請求項43に記載の積層物品。
【請求項45】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項43に記載の積層物品。
【請求項46】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、請求項43に記載の積層物品。
【請求項47】
前記少なくとも1つの第二の領域が、前記第一の領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、請求項43に記載の積層物品。
【請求項48】
前記接着剤領域の湾曲部の半径が、2mmから0mmである、請求項43に記載の積層物品。
【請求項49】
前記第一の領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、請求項43に記載の積層物品。
【請求項50】
前記第一の領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、請求項43に記載の積層物品。
【請求項51】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、請求項43に記載の積層物品。
【請求項52】
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、請求項43に記載の積層物品。
【請求項53】
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、請求項43に記載の積層物品。
【請求項54】
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、請求項43に記載の積層物品。
【請求項55】
積層物品を形成する方法であって:
第一のテキスタイルに張力を掛けること;
機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うこと;および
前記第一のテキスタイルを弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、
ここで、前記積層物品は、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲し、
ここで、第一の接着剤層は、前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルに結合して、前記実質的に接着剤フリーの領域に積層物品の持ち上がった部分を形成し、および前記持ち上がった部分が前記接着剤領域の輪郭を視認可能に描き、および
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品を形成する方法。
【請求項56】
前記第一の接着剤領域内の接着剤の分布が不均一である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
積層物品を形成する方法であって:
機能性フィルム層に張力を掛けること;
前記張力を掛けた機能性フィルム層の第一のテキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うことによって、積層物品を形成すること;
前記積層物品を弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、
ここで、第一の接着剤層は、前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルに結合して、前記実質的に接着剤フリーの領域に積層物品の持ち上がった部分を形成し、および前記持ち上がった部分が前記接着剤領域の輪郭を視認可能に描き、および
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品を形成する方法。
【請求項60】
前記第一の接着剤領域内の接着剤の分布が不均一である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記機能性フィルム層に張力を掛ける前に、弾性フィルム層を前記機能性フィルム層に結合することをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
積層物品を形成する方法であって:
収縮性機能性フィルム層の第一のテキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行って、積層物品を形成すること;
前記機能性フィルムを収縮させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、第一の接着剤層は、前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルに結合して、前記実質的に接着剤フリーの領域に積層物品の持ち上がった部分を形成し、および前記持ち上がった部分が前記接着剤領域の輪郭を視認可能に描き、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有する、
積層物品を形成する方法。
【請求項65】
前記積層物品が、前記機能性フィルム層に向かって湾曲する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記収縮した機能性フィルムの前記第一のテキスタイルとは反対側である側にて、第二のテキスタイルを前記収縮した機能性フィルムに接着することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
積層物品を形成する方法であって:
機能性フィルム層の収縮性テキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行って、積層物品を形成すること;
前記テキスタイルを収縮させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、第一の接着剤層は、前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルに結合して、前記実質的に接着剤フリーの領域に積層物品の持ち上がった部分を形成し、および前記持ち上がった部分が前記接着剤領域の輪郭を視認可能に描き、および
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有する、
積層物品を形成する方法。
【請求項68】
前記積層物品が、前記収縮したテキスタイルに向かって湾曲する、請求項67に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/843,682号の一部継続出願であり、そしてそれは、2012年3月28日に出願された米国特許出願第13/432,613号の一部継続出願であり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、積層物品全般に関し、より詳細には、特徴的な非連続的接着剤パターンを有する接着剤層を介して結合されたテキスタイル層およびフィルム層を含む積層物品に関する。
【0003】
<定義>
本明細書で用いられる場合、「積層体」の用語は、少なくとも1つのテキスタイルの層にコーティングされたもしくは接着された機能性フィルムまたはコーティングを含む物品を意味する。
【0004】
「機能性フィルム」、「機能性フィルム層」、および「フィルム層」の用語は、液体(例:水)の透過に対するバリア性、化学物質の透過に対するバリア性、気体の透過に対するバリア性、粒子の透過に対するバリア性、空気の透過に対するバリア性(例:不透過性)、臭気制御性、抗菌性、防風性、および通気性が挙げられ得るがこれらに限定されない特性を提供する物質を示すことを意図している。
【0005】
本明細書で用いられる場合、「テキスタイル」の用語は、いかなる織布、不織布、フェルト、フリース、またはニットをも示すことを意図しており、天然および/もしくは合成繊維材料、ならびに/またはその他の繊維もしくはフロッキング材料から成っていてよい。
【0006】
本明細書で用いられる場合、層は、それが少なくとも0.07バールの圧力に対して、少なくとも3分間にわたって液体の透過を阻止する場合、「防液体性」であると見なされる。液体透過圧力は、本明細書で述べる防液体性ファブリックのスーター試験(Suter Test for Liquid-proof Fabrics)に関して述べたものと同じ条件に基づいて防液体性パネルに対して測定される。
【0007】
本明細書で用いられる場合、「通気性を持つ」または「通気性」の用語は、24時間で少なくとも約1000グラム/m2の水蒸気透過率(WVTR)を有する積層体を意味する。
【0008】
本明細書で用いられる場合、「選択的に屈曲する」の用語は、同一、または実質的に同一の力が両方の領域に印加される場合、積層体の1つの領域が、積層体の第二の領域よりも大きい度合いで屈曲することを意味する。例えば、本発明において、選択的な屈曲は、接着剤フリーである、または実質的に接着剤フリーである領域(例:非結合領域)において、積層体のそのフリーなエッジ部が掴まれ、互いに向かって移動される場合に発生する。
【背景技術】
【0009】
防水性通気性衣類は、本技術分野にて公知である。これらの衣類は、多くの場合、複数の層から構築され、その各層が、特定の機能性を付与する。例えば、衣類は、外側テキスタイル層、防水性通気性フィルム層、および内側テキスタイル層を用いて構築され得る。多くの場合、接着剤層で複数の層を一緒に結合して積層体を作製し、層が互いに対して滑ることを防止して単一層衣類の外見および触感を与えることが望ましい。しかし、層を一緒に結合するプロセスは、衣類をより堅くし、装着時の音を大きくするという好ましくない影響を有する。これは、このような衣類を装着する楽しみを低下させるだけでなく、狩猟用または軍事用の用途など、音の制御が極めて重要である用途での性能にも影響を与え得る。
【0010】
堅さおよび音の問題に加えて、均一に結合された積層体が望ましくない可能性のあるその他の理由が存在する。例えば、積層プロセスの過程で張力が適切に制御されない場合、得られた積層体は、積層の過程で発生した残留応力によって湾曲し得る。積層体のそのような湾曲は、縫製の際にピースをフラットに敷くことが困難であることから、衣類の構築が問題となる。逆に、層がまったく一緒に結合されていない場合、各材料を別々にカットして敷き広げることが必要であることから、衣類構築の複雑性が増加し得る。
【0011】
防水性通気性衣類および物品内に伸縮特性が所望される場合、均一に結合された積層体でのさらなる問題点が浮上する。ほんの数例を挙げると、脱ぎ着のし易さに対する適合性から移動の際の心地良さまで様々な課題が、均一に結合された積層体を扱う場合、大きな問題となり得る。従来の伸縮性防水性通気性衣類は、米国特許第4,443,511号、および米国特許第4,935,287号に記載されている。このような均一に結合された積層体材料を伸縮させるのに必要である高い伸縮力に関連して、限界が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本技術分野において、結合された多層物品のプラスの特質を維持することができると同時に、音、堅さ、伸縮力、および残留積層応力が低減される積層体物品が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル;および(3)機能性フィルム層および第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。第一の接着剤層は、実質的に接着剤フリーである領域によって分離された2つ以上の接着剤領域を含有する。接着剤領域は、複数の接着剤ドットを含有してよい。少なくとも1つの実施形態では、接着剤ドットは、実質的に同じサイズである。接着剤領域内の隣接する接着剤ドット間の距離は、積層体内の連続する接着剤領域間の距離よりも短い。加えて、少なくとも1つの実施形態では、接着剤領域は、2回以上繰り返される少なくとも1つの特徴的な形状を形成する。特徴的な形状は、幾何学的または抽象的形状であってよい。加えて、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。接着剤領域は、約5mm超の幅を有してよく、実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有してよい。接着剤領域は、積層体領域の少なくとも50%に等しいかまたはそれを超える領域に相当していてよい。
【0014】
本発明の別の目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル、および(3)機能性フィルム層を第一のテキスタイルに結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。接着剤層は、接着剤領域、および接着剤領域間の空間を占める実質的に接着剤フリーである領域を含有する。実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有する。さらに、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。1つの代表的な実施形態では、第二のテキスタイルが、第二の接着剤層により、第一のフィルム層とは反対側にて、機能性フィルム層と結合される。機能性フィルム層と第二のテキスタイルとの間、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分に、エアギャップが配置される。接着剤領域は、各々、複数のドットを含有してよい。実質的に接着剤フリーである領域の曲げ弾性率は、接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い。
【0015】
本発明のなお別の目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル、および(3)機能性フィルム層および第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。接着剤層は、第一の接着剤領域および第二の接着剤領域を含有する。加えて、第一の接着剤領域は、第二の接着剤領域に存在する接着剤の量よりも多い量の接着を含有する。1つの代表的な実施形態では、第一の接着剤領域は、複数の接着剤ドットを含有する。また、積層物品の第二の接着剤領域の曲げ弾性率は、第一の接着剤領域の曲げ弾性率よりも低い。第二の接着剤領域は、実質的に接着剤フリーであってよい。連続する第一の接着剤領域間の距離は、約2mmよりも大きい。
【0016】
本発明のさらなる目的は、機能性フィルム層、ならびに(1)2つ以上の接着剤ドットおよび(2)実質的に接着剤フリーである連続するパスを含む第一の接着剤層によって機能性フィルム層に結合された第一のテキスタイルを含む積層物品を提供することである。連続するパスは、積層体が選択的に屈曲する領域を提供する。加えて、接着剤ドットの各セットは、接着剤領域を形成する。各接着剤領域の湾曲部の半径は、約2mmから約50mmである。また、少なくとも1つの代表的な実施形態では、連続するパスは、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する。第二のテキスタイルは、第二の接着剤により、第一のテキスタイルとは反対側で、機能性フィルム層に結合されてよい。別の代表的な実施形態では、第一のテキスタイルおよび接着剤ドットの少なくとも一方は、難燃性または耐火性材料を含有する。
【0017】
本発明のさらなる目的は、(1)機能性フィルム層および(2)第一の接着剤層によって機能性フィルム層と結合される第一のテキスタイルを含む積層物品を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤の第一の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第一の領域、および接着剤の第二の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第二の領域を含有する。接着剤の第一の被覆面積パーセントは、接着剤の第二の被覆領域よりも大きい。代表的な実施形態では、第二の接着剤領域は、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである。加えて、第一の領域は、2回以上繰り返される少なくとも1つの特徴的な形状を形成する。第二の領域は、その特徴的な形状の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成してよく、それは、幾何学的または抽象的形状を有する。少なくとも1つの実施形態では、第二のテキスタイルは、第二の接着剤層により、第一のテキスタイルとは反対側にて、フィルム層と結合される。フィルム層と第二のテキスタイルとの間、持ち上がった視認可能な部分に、エアギャップが配置されてよい。
【0018】
本発明のさらなる目的は、機能性フィルム層および第一のテキスタイルを第一の接着剤層を介して結合させることを含む積層物品を形成する方法を提供することであり、ここで、第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。機能性フィルムは、フルオロポリマーであってよい。実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域の間の空間を占める。1つ以上の代表的な実施形態では、実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する。接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有し、それは、2回以上繰り返されていてよい。加えて、実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有する。さらに、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。この方法は、機能性フィルムを第一の接着剤層上に配置する前に、機能性フィルムに張力を掛けることをさらに含んでよい。少なくとも1つの代表的な実施形態では、この方法はまた、第二のテキスタイルを、第二の接着剤層により、第一のテキスタイルとは反対側にて機能性フィルムに結合することも含む。機能性フィルム層と第二のテキスタイルとの間、持ち上がった部分に、エアギャップが配置されてよい。別の選択肢としての実施形態では、接着剤領域は、テキスタイルをパターン化ゴムロールに押し込むことによって形成される。別の選択肢として、接着剤領域の形成に剥離紙が用いられてもよい。そのような実施形態では、この方法は、さらに、(1)第一の接着剤層を適用する前に第一のテキスタイル上に剥離紙を配置すること、および(2)機能性フィルムを第一の接着剤層上に配置する前に第一のテキスタイルから剥離紙を取り除くことを含む。さらなる実施形態では、グラビアロールを用いて、接着剤層がフィルム層へ転写される。さらに、第一のテキスタイルまたは第一の接着剤層は、難燃性材料または耐火性材料を含んでよい。
【0019】
本発明のなお別の目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル;および(3)機能性フィルム層および第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。第一の接着剤層は、実質的に接着剤フリーである領域によって分離された2つ以上の接着剤領域を含有する。接着剤領域は、複数の接着剤ドットを含有してよい。少なくとも1つの実施形態では、接着剤ドットは、実質的に同じサイズである。接着剤領域内の隣接する接着剤ドット間の距離は、積層体内の連続する接着剤領域間の距離よりも短い。加えて、少なくとも1つの実施形態では、接着剤領域は、2回以上繰り返される少なくとも1つの特徴的な形状を形成する。特徴的な形状は、幾何学的または抽象的形状であってよい。加えて、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。接着剤領域は、約5mm超の幅を有してよく、実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有してよい。接着剤領域は、積層体領域の少なくとも50%に等しいかまたはそれを超える領域に相当していてよい。
【0020】
本発明の別の目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル、および(3)機能性フィルム層を第一のテキスタイルに結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。接着剤層は、接着剤領域、および接着剤領域間の空間を占める実質的に接着剤フリーである領域を含有する。実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有する。さらに、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。1つの代表的な実施形態では、第二のテキスタイルが、第二の接着剤層により、第一のフィルム層とは反対側にて、機能性フィルム層と結合される。機能性フィルム層と第二のテキスタイルとの間、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分に、エアギャップが配置される。接着剤領域は、各々、複数のドットを含有してよい。実質的に接着剤フリーである領域の曲げ弾性率は、接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い。
【0021】
本発明のさらなる目的は、(1)機能性フィルム層、(2)第一のテキスタイル、および(3)機能性フィルム層および第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層を含む積層物品を提供することである。接着剤層は、第一の接着剤領域および第二の接着剤領域を含有する。加えて、第一の接着剤領域は、第二の接着剤領域に存在する接着剤の量よりも多い量の接着を含有する。1つの代表的な実施形態では、第一の接着剤領域は、複数の接着剤ドットを含有する。また、積層物品の第二の接着剤領域の曲げ弾性率は、第一の接着剤領域の曲げ弾性率よりも低い。第二の接着剤領域は、実質的に接着剤フリーであってよい。連続する第一の接着剤領域間の距離は、約2mmよりも大きい。
【0022】
本発明のさらなる目的は、機能性フィルム層、ならびに(1)2つ以上の接着剤ドットおよび(2)実質的に接着剤フリーである連続するパスを含む第一の接着剤層によって機能性フィルム層に結合された第一のテキスタイルを含む積層物品を提供することである。連続するパスは、積層体が選択的に屈曲する領域を提供する。加えて、接着剤ドットの各セットは、接着剤領域を形成する。各接着剤領域の湾曲部の半径は、約2mmから約50mmである。また、少なくとも1つの代表的な実施形態では、連続するパスは、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する。第二のテキスタイルは、第二の接着剤により、第一のテキスタイルとは反対側で、機能性フィルム層に結合されてよい。別の代表的な実施形態では、第一のテキスタイルおよび接着剤ドットの少なくとも一方は、難燃性または耐火性材料を含有する。
【0023】
本発明のなお別の目的は、(1)機能性フィルム層および(2)第一の接着剤層によって機能性フィルム層と結合される第一のテキスタイルを含む積層物品を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤の第一の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第一の領域、および接着剤の第二の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第二の領域を含有する。接着剤の第一の被覆面積パーセントは、接着剤の第二の被覆面積よりも大きい。代表的な実施形態では、第二の接着剤領域は、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである。加えて、第一の領域は、2回以上繰り返される少なくとも1つの特徴的な形状を形成する。第二の領域は、その特徴的な形状の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成してよく、それは、幾何学的または抽象的形状を有する。少なくとも1つの実施形態では、第二のテキスタイルは、第二の接着剤層により、第一のテキスタイルとは反対側にて、フィルム層と結合される。フィルム層と第二のテキスタイルとの間、持ち上がった視認可能な部分に、エアギャップが配置されてよい。
【0024】
本発明のさらなる目的は、機能性フィルム層および第一のテキスタイルを第一の接着剤層を介して結合させることを含む積層物品を形成する方法を提供することであり、ここで、第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。機能性フィルムは、フルオロポリマーであってよい。実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域の間の空間を占める。1つ以上の代表的な実施形態では、実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する。接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有し、それは、2回以上繰り返されていてよい。加えて、実質的に接着剤フリーである領域は、約2mm超の幅を有する。さらに、積層物品は、実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する。この方法は、機能性フィルムを第一の接着剤層上に配置する前に、機能性フィルムに張力を掛けることをさらに含んでよい。少なくとも1つの代表的な実施形態では、この方法はまた、第二のテキスタイルを、第二の接着剤層により、第一のテキスタイルとは反対側にて機能性フィルムに結合することも含む。機能性フィルム層と第二のテキスタイルとの間、持ち上がった部分に、エアギャップが配置されてよい。別の選択肢としての実施形態では、接着剤領域は、テキスタイルをパターン化ゴムロールに押し込むことによって形成される。別の選択肢として、接着剤領域の形成に剥離紙が用いられてもよい。そのような実施形態では、この方法は、さらに、(1)第一の接着剤層を適用する前に第一のテキスタイル上に剥離紙を配置すること、および(2)機能性フィルムを第一の接着剤層上に配置する前に第一のテキスタイルから剥離紙を取り除くことを含む。さらなる実施形態では、グラビアロールを用いて、接着剤層がフィルム層へ転写される。さらに、第一のテキスタイルまたは第一の接着剤層は、難燃性材料または耐火性材料を含んでよい。
【0025】
本発明のさらなる目的は、(1)弾性フィルムに張力を掛けること、(2)機能性フィルム層および張力を掛けられた弾性フィルムを結合して、結合された弾性フィルム層を作ること、(3)結合された弾性フィルム層に張力を掛け、それを第一の接着剤層によって第一のテキスタイルに結合させること、ならびに(4)積層物品を弛緩させることで、接着剤領域に相当する領域で積層物品を湾曲させることを含む、積層物品を形成する方法を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。実質的に接着剤フリーである領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有する前記接着剤領域間の空間を占める。連続する接着剤領域間の距離は、約2mmよりも大きくてよい。代表的な実施形態では、積層体の20%伸長時伸縮力は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である。加えて、積層体の20%伸長時伸縮力は、機能性フィルム層の伸縮力の2倍未満である。
【0026】
本発明のさらなる目的は、(1)第一のテキスタイルに張力を掛けて第一のテキスタイルの幅を減少させること、(2)機能性フィルム層および第一のテキスタイルを、第一の接着剤層を介して結合させること、および(3)第一のテキスタイル上の張力を減少させて、第一のテキスタイルを、張力の方向に対して直角の方向に伸ばし、それによって、第一のテキスタイルを実質的に接着剤フリーである領域中において襞形成(bunching)することを含む、積層物品を形成する方法を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。また、実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域間の空間を占めており、接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有する。
【0027】
本発明のなお別の目的は、(1)収縮性機能性フィルム層を、第一の接着剤層を介して第一のテキスタイルに結合性させて、積層物品を形成すること、および(3)機能性フィルムを収縮させ、それによって、接着剤領域に相当する領域において積層物品を湾曲させることを含む、積層物品を形成する方法を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。また、実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域間の空間を占めており、接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有する。代表的な実施形態では、積層体の20%伸長時伸縮力は、第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である。積層物品は、機能性フィルム層に向かって湾曲する。少なくとも1つの代表的な実施形態では、第一のテキスタイルは収縮性であり、この方法は、第一のテキスタイルを収縮させることをさらに含む。
【0028】
本発明のさらなる目的は、(1)機能性フィルム層を、第一の接着剤層を介して収縮性テキスタイルに結合性させて、積層物品を形成すること、および(2)テキスタイルを収縮させ、それによって、接着剤領域に相当する領域において積層物品を湾曲させることを含む、積層物品を形成する方法を提供することである。第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有する。実質的に接着剤フリーである領域は、接着剤領域間の空間を占めており、接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的な形状を有する。代表的な実施形態では、積層体の20%伸長時伸縮力は、第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である。
【0029】
積層物品の利点は、堅さの低減、改善された断熱特性、改善された正反射、および物品の屈曲に付随する音の低減を示すことである。
【0030】
さらなる利点は、積層物品が、従来の防水性通気性積層体構造と比較して改善された伸縮特性を示すことである。加えて、テキスタイルの編み段(knit rows)に直角の方向に、襞形成を、またはニットテキスタイルとフィルム層との間にギャップの形成を示して物品の曲げ性を改善するニットテキスタイルを含む積層物品も考慮される。
【0031】
フィルム層がフルオロポリマーであってよいことは、本発明の特徴である。
【0032】
テキスタイルおよび/または接着剤が、難燃性または耐火性材料を含んでよいことも、本発明の特徴である。
【0033】
積層体の20%伸長時伸縮力が、第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満であることは、本発明の別の特徴である。
【0034】
積層体の20%伸長時伸縮力が、前記機能性フィルム層の伸縮力の2倍未満であることは、本発明のなお別の特徴である。
【0035】
本発明の前述の、およびその他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な記述の考察から、以降でより充分に明らかとなるであろう。しかし、図面は例示の目的のものであり、本発明の範囲を定めるものとして解釈されるべきでないことは明確に理解されるべきである。
【0036】
本発明の利点は、本発明の以下の詳細な開示の考察から、特に添付の図面と合わせて考えることで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、結合領域に非連続的接着剤ドットを有する2層積層体の概略図である。
図2図2は、本発明の別の代表的な実施形態に従う、結合領域に連続的接着剤を有する2層積層体の概略図である。
図3図3は、本発明の1つの実施形態に従う、結合および非結合領域によって形成されるパターンを示す図1または図2の積層体の平面図である。
図4図4は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、結合領域に非連続的接着剤ドットを有する3層積層体の概略図である。
図5図5は、本発明の別の代表的な実施形態に従う、積層体の上面および底面の両方に結合および非結合領域を含有する3層積層体の概略図である。
図6図6は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、立体的積層体の透視図である。
図7図7は、本発明の1つの実施形態に従う、結合領域中の非連続的接着剤ドット、および非結合領域に相当する持ち上がった部分を有する2層積層体の概略図である。
図8図8は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、結合領域中の非連続的接着剤ドット、および非結合領域に相当する持ち上がった部分を有する3層積層体の概略図である。
図9図9は、本発明の別の代表的な実施形態に従う、第二のテキスタイルが積層体内にエアポケットを形成する3層積層体の概略図である。
図10図10は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、収縮性または弾性フィルム層で形成される積層体構造の概略図である。
図11図11は、本発明の1つの実施形態に従う、第二のテキスタイルが、第一のテキスタイルとは反対側にてフィルム層上に配置されている、図10の積層体の概略図である。
図12図12は、本発明の1つの代表的な実施形態に従う、その中に六角形パターンを有する剥離紙の概略図である。
図13図13は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、六角形接着剤パターンを適用するために剥離紙を用いて2層積層体を形成するためのプロセスの概略図である。
図14図14は、本発明の1つの実施形態に従う、チャネルによって分離された持ち上がった六角形領域から成るパターン化されたゴムロールの一部分の概略図である。
図15図15は、別の代表的な実施形態に従う、3層積層体を形成するためのプロセスの概略図である。
図16図16は、図7の積層体の湾曲部の半径を特定するための方法の概略図である。
図17図17は、本発明の1つの実施形態に従う、非接着剤領域によって分離された接着剤パターンを含有するグラビアロールの一部分の概略図である。
図18図18は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、接着剤パターンを適用するためにグラビアロールを用いて2層積層体を形成するためのプロセスの概略図である。
図19図19は、本発明の1つの代表的な実施形態に従う、その中に波形の平行線パターンを有する剥離紙の概略図である。
図20図20は、本発明の少なくとも1つの代表的な実施形態に従う、襞形成を示す積層体構造の概略図である。
図21図21は、接着剤ドットが接着剤領域全体を通して実質的に同じ径を有する代表的な接着剤領域の概略図である。
図22図22は、接着剤領域の外側部分に位置する接着剤ドットが、接着剤領域の内側部分に位置する接着剤ドットよりも大きい径を有する代表的な接着剤領域の概略図である。
図23図23は、接着剤領域の外側部分が、実質的に同じ径を有する複数の接着剤ドットを囲む連続的、または実質的に連続的である接着剤のバンドから形成される代表的な接着剤領域の概略図である。
図24図24は、接着剤の適用が、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである中央に位置する円形領域を形成するような方法で行われる代表的な接着剤領域の概略図である。
図25図25は、接着剤が適用されて、接着剤領域内にグリッド状パターンが形成される代表的な接着剤領域の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
特に断りのない限り、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。図面において、分かりやすくするために、線、層、および領域の厚さが誇張されている場合がある。層などの要素が別の要素の「上」にあるとして言及される場合、それは、他の要素の上に直接存在してよく、または介在する要素が存在してもよい。また、要素が別の要素に「隣接」するとして言及される場合、その要素は、他の要素に直接隣接してよく、または介在する要素が存在してもよい。「上」、「底」、「側」などの用語は、本明細書にて、説明の目的でのみ用いられる。図面を通して見られる同じ数字は、同じ要素を示す。「フィルム層」および「機能性フィルム層」の用語は、本明細書にて交換可能に用いられ得る。また、「積層体」および「積層物品」の用語も、本明細書にて交換可能に用いられ得る。加えて、「結合領域」および接着剤領域」の用語も、本明細書にて交換可能に用いられ得る。
【0039】
本発明は、特徴的な非連続的接着剤パターンを有する接着剤層を介して結合された第一のテキスタイルおよび機能性フィルム層を含む積層物品に関する。非連続的接着剤パターンは、第一のテキスタイル上に、視認可能な美的に優れた表面を作り出す。加えて、非連続的接着剤パターンは、積層物品内に接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである領域を作り出し、それにより、積層体は、その領域で選択的に屈曲することが可能となる。所望される場合、第二のテキスタイルが、第一のテキスタイルとは反対側にて、接着剤によりフィルム層と結合されてよい。少なくとも1つの代表的な実施形態では、第一のテキスタイルおよびフィルム層のうちの少なくとも一方は、弾性、またはそうでなければ伸縮性である。積層物品は、防水性、防液体性、通気性であり、物品の屈曲によって発生する音の低減、ならびに断熱性値(insulative value)および分光反射の改善を示す。
【0040】
本発明の積層物品は、さらに、本明細書にて以降で測定および記述されるように、第一のテキスタイル単独の伸縮に要する伸縮力と比較して、驚くべき低い伸縮力を示す。比較の目的で、伸縮特性を有するとして販売促進されている従来の均一に積層された材料は、典型的には、第一のテキスタイル単独の伸縮力よりも、少なくとも5倍(5×)のオーダーで高い伸縮力を示し得る。本発明の新規な積層物品は、第一のテキスタイル単独の伸縮力よりも、僅かに3倍(3×)もしくはそれ未満のオーダーで高いのみである伸縮力を示し得る。別の選択肢としての実施形態では、本発明の積層物品は、第一のテキスタイル単独の伸縮力よりも、僅かに2倍(2×)もしくはそれ未満のオーダーで高いのみである伸縮力を示し得る。別の選択肢として、本発明の積層物品の実施形態は、第一のテキスタイル単独の伸縮力と実質的に同じ(1×)もしくはそれ未満でさえある伸縮力を示し得る。なおさらなる別の選択肢としての実施形態では、積層物品の伸縮力は、第一のテキスタイル単独の伸縮に要する伸縮力の2分の1(0.5×)もしくはそれ未満のオーダーであり得る。他の別の選択肢としての実施形態では、伸縮力は、第一のテキスタイル単独の伸縮に要する伸縮力の3分の1(0.33×)もしくはそれ未満のオーダーであり得る。本発明の他の実施形態は、第一のテキスタイル単独の伸縮に要する伸縮力の6分の1(0.16×)もしくはそれ未満のオーダーの伸縮力を示し得る。
【0041】
本発明の別の実施形態では、ニットテキスタイルを含む積層物品も考慮され、それは、ニットテキスタイルが少なくとも1つの方向に伸長され、その結果として物品の厚さが増加する場合に「襞形成」を、またはニットテキスタイルとフィルム層との間の非結合領域にギャップの形成を示す。
【0042】
図1を参照すると、本発明の1つの実施形態に従う2層積層体10を最も良く理解することができる。図1に示されるように、フィルム層20に接着剤30が適用され、第一のテキスタイル40がフィルム層20に結合される。接着剤30が、フィルム層20に、または第一のテキスタイル40に(またはフィルム層20および第一のテキスタイル40の両方に)適用されてよいことは理解されたい。議論を容易とするために、本明細書では、接着剤30をフィルム層20へ適用することが記載される。接着剤30は、特徴的な非連続的パターンでフィルム層20に適用され、それによって、接着剤30は、非結合(非接着剤)領域60で分離された結合(接着剤)領域50を含有する。接着剤30は、図1に示されるものなどの一連の非連続的ドットとして適用されてよく、または図2に示されるように、結合領域50内に中実の連続的パターンで適用されてもよい。
【0043】
結合領域50内の接着剤ドットは、同じ、もしくは実質的に同じサイズを有してよく、または1つの結合領域内で、もしくは結合領域ごとにサイズが異なっていてよい。別の選択肢としての実施形態では、接着剤ドットは、接着剤領域内に不均一に分布されていてよい。グリッド、ライン、またはその他のパターンなどの結合領域50内のその他の接着剤パターンは、本発明の範囲内であると見なされ、そのような接着剤は、(1もしくは複数の)接着剤領域内に均一にまたは不均一に分布されていてよい。
【0044】
例えば、接着剤ドット40は、図21に示されるように、結合領域50全体にわたって実質的に同じ径を有していてよい。結合領域50内の隣接する接着剤ドット41間の距離は、連続する結合領域50間の距離よりも短くてよい。別の選択肢として、結合領域50の外側部分に配置された接着剤ドットは、結合領域50の内側部分に配置された接着剤ドットよりも大きい直径を有してよい。図22を参照すると、接着剤ドット42は、接着剤ドット44よりも大きい直径を有することが分かる。加えて、図22に示されるように、接着剤ドットは、結合領域50の外側部分から結合領域50の内側部分に向かって順に直径が小さくなっていてもよい。また、ドット42、44間の距離は、結合領域50内で異なっていてよい(図示せず)。
【0045】
他の実施形態では、接着剤30は、接着剤領域50内に連続的および非連続的両方の方法で適用されてよい。1つのそのような例が図23に示され、ここでは、接着剤領域50の外側部分が、接着剤46の連続的もしくは実質的に連続的なバンドから形成され、それが、実質的に同じ直径を有する複数の接着剤ドット48を囲んでいる。接着剤46のバンド内に位置する接着剤ドット48が、様々な直径であってよく、それ自体が特徴的なパターンを形成してよく、または接着剤領域50の中心に向かって直径が順に大きく、もしくは小さくなってよいこと、ならびにそのような実施形態は、本発明の範囲内であると見なされることは理解されたい。
【0046】
いくつかのその他の実施形態では、接着剤30の適用によって、接着剤領域50内にパターンが形成されてよい。図24では、接着剤30は、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである中央に位置する円形領域52を形成するような方法で適用される。図24には7つの円形領域52が示されているだけであるが、それより少ない、または多い円形領域52が存在してよいことは理解されたい。その領域は円形の性質のものである必要はないこと、および接着剤領域50中の接着剤フリー領域はいかなる形状であってもよいことは理解されたい。別の代表的な実施形態では、図25に示されるように、接着剤30の適用によって、グリッド状のパターンが形成されてよい。より具体的には、接着剤領域50内に、ストリップ54が互いに実質的に平行であり、接着剤ストリップ54の間の空間を非接着剤領域が占めるように、接着剤54のストリップが配置される。ストリップ54と実質的に直角の配向で交わって「グリッド」(図示せず)を形成する接着剤のストリップが、本発明の範囲内と見なされることは理解されたい。
【0047】
図21〜25に示される接着剤領域50内の接着剤のパターンが、単に例示の性質のものであること、ならびに接着剤領域50内のその他の接着剤および/または非接着剤パターンが、本発明の範囲内であると見なされることは理解されたい。また、接着剤が、(1もしくは複数の)接着剤領域内にて均一または不均一に、接着剤領域50内にていかなるパターンで分布されてもよいことも理解されたい。
【0048】
接着剤30はまた、結合領域50が、非結合領域60と共に、積層体10の表面に視認可能なパターンを作り出すように、フィルム層20に適用される。図3は、代表的な実施形態を示し、ここで、結合領域50および非結合領域60は、積層体10の第一のテキスタイル40(図2に示される)の外部表面上に視認可能な六角形パターンを形成する。接着剤30は、通気性または非通気性であってよく、グラビア印刷、スクリーン印刷、および転写印刷などであるがこれらに限定されない従来のいずれの方法によってフィルム層20に適用されてもよい。
【0049】
結合および非結合領域、それぞれ50、60によって形成されるパターンは、いかなる幾何学的(例:正方形、円形、長方形、八角形など)、または抽象的形状を有していてもよく、一般的に2回以上繰り返されることは理解されたい。加えて、非結合領域60は、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである。さらに、これらの非結合領域60は、積層体10内に、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである連続的パスを形成してよい。少なくとも図3に示される例では、結合領域50は、非結合領域により、両側矢印80で表される距離で分離されている。この非結合距離は、約2mmよりも大きくてよく、代表的な実施形態では、約2mmから約20cm、約2mmから約10cm、約2mmから20mm、または約2mmから約10mmの範囲であってよい。また、結合領域は、少なくとも2mm、3mm、4mm、5mm、7mm、または10mmもしくはそれ以上の幅を有してよい。代表的な実施形態では、結合領域の幅は、約5mmから約10cm、または約5mmから約50mmである。
【0050】
結合および非結合領域、それぞれ50、60は、所望される物理的外観および特質に応じてサイズが異なっていてよいことは理解されたい。1つ以上の代表的な実施形態では、結合領域の幅は、連続する結合領域間の距離(例:非結合領域)よりも大きく、本明細書において、「幅」は、一般的に、領域の1つの側から別の側までの最大距離として定義される。加えて、積層体中の結合領域の被覆面積パーセントは、積層体面積の少なくとも30%、少なくとも40%、もしくは少なくとも50%に等しいかまたはそれより大きく、ある実施形態では、約60%もしくは70%以上に等しいかまたはそれより大きい。本明細書で用いられる場合、「結合領域の被覆面積パーセント」の用語は、積層体内の接着剤領域の全2次元面積(必須ではないが、接着剤領域は、一般的に、結合領域を形成する)を積層体の全面積で除し、100%を掛けたものとして定義される。いかなる場合であっても、結合領域50に存在する接着剤の量は、非結合領域60に存在する接着剤の量よりも多い。代表的な実施形態では、結合領域50に存在する接着剤の量(例:接着剤の質量または体積)は、非結合領域60に存在する接着剤の量よりも少なくとも10%多い、20%多い、またはさらには30%(以上)多い。また、結合領域50内の隣接する接着剤ドット間の距離は、連続する結合領域50間の距離よりも小さくてよい。本明細書で用いられる場合、「連続する結合領域」または「連続する領域」の用語は、隣接する領域を記載することを意図している。接着剤は、所望される場合、積層体に難燃性を付与するために、耐火性接着剤であってよく、または耐火性もしくは難燃性材料を含有してよい。耐火性または難燃性材料の限定されない例としては、例えば、アラミド、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリp‐フェニレン‐2,6‐ベンゾビスオキサゾール(PBO)、モドアクリル系ブレンド、ポリアミン、耐火性レイヨン、ポリアミン、カーボン、ポリアクリロニトリル(PAN)、およびこれらのブレンドおよび組み合わせが挙げられる。
【0051】
フィルム層20は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、延伸修飾ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタンなどの保護コーティングでコーティングされたePTFEもしくはPTFEフィルムなどのフルオロポリマー膜;ポリオレフィンフィルム、ポリウレタンフィルム;シリコーンおよびケイ素含有フィルム;さらにはスカイブPTFEおよびフッ化エチレンプロピレン(FEP)などのその他のフルオロポリマー含有フィルム;ならびにポリテトラフルオロエチレン膜を有するコンポジットであってよい。PTFEの延伸可能ブレンド、延伸可能修飾PTFE、およびPTFEの延伸コポリマーに関する特許が出願されており、Brancaの米国特許第5,708,044号;Baillieの米国特許第6,541,589号;Sabol et al.の米国特許第7,531,611号;Fordの米国特許出願第11/906,877号;ならびにXu et al.の米国特許出願第12/410,050号などである。少なくとも1つの代表的な実施形態では、フィルム層20は、少なくとも部分的にポリウレタンでコーティングされたePTFEである。別の保護コーティングが用いられてもよく、これらに限定されないが、Maplesの米国特許第6,395,383号、ならびにWuの米国特許第5,286,279号;同第5,342,434号;および同第5,539,072号に記載のものなどである。
【0052】
第一のテキスタイル40は、いかなる織布、不織布、フェルト、またはニットであってもよく、天然および/または合成繊維材料から形成されてよい。第一のテキスタイル40は、非弾性もしくは弾性であってよく、またはそうでなければ、操作することで寸法が変化されてよい(例:収縮または伸長)。本明細書で用いられる場合、「弾性」の用語は、張力を掛けることができ、次にその張力から解放することでおおよそのその元の寸法に戻ることができる材料を示すことを意図している。弾性特性は、(1もしくは複数の)テキスタイル、(1もしくは複数の)フィルム層、(1もしくは複数の)接着剤、またはこれらの組み合わせによって付与することができることは理解されるべきである。第一のテキスタイル40としての使用に適するテキスタイルの限定されない例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、コットン、ウール、シルク、アラミド、ポリエチレン、レイヨン、アクリル、オレフィン、スパンデックスなどが挙げられる。加えて、第一のテキスタイル40は、耐火性または難燃性テキスタイルであってよい。第一のテキスタイル40はまた、UV保護材料を含有していてもよく、および/またはそれ以外では、コーティングもしくは処理されることで、所望される特性が提供されてもよい。
【0053】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、第二のテキスタイル90が、第一のテキスタイル40とは反対の側にてフィルム層20と結合されて、3層積層体100が形成される。第二のテキスタイル90は、第一のテキスタイル40に関して上述したテキスタイルのいずれであってもよく、第一のテキスタイル40と同じであっても、または異なっていてもよい。第二のテキスタイル90のフィルム層20との結合は、接着剤110によって行われ、それは、連続的な(すなわち、接着剤領域内の接着剤の密着した層)または非連続的な(すなわち、接着剤領域内の接着剤の個々の不連続な部分)方法で適用されてよい。連続的な方法で適用される場合、接着剤は、積層体100の通気性を維持する目的で、通気性でなければならない。接着剤材料が存在しない領域を通して充分な通気性が得られる適切な非連続的方法で適用される場合、接着剤は通気性である必要はない。図4は、一連の非連続的ドットとしての接着剤110を示すが、接着剤は、例えば図5に示されるような非連続的方法で適用されてもよい。図5に示される接着剤110の非連続的適用により、積層体140の底側に結合領域120および非結合領域130が形成される結果となる。その結果、積層体140は、上面および底面の両方に特徴的なパターンを含有する。理論に束縛されるものではないが、積層体の上面および底面の両方に結合および非結合領域を含める結果として、堅さのさらなる低減、音のさらなる低減、および通気性の向上が得られるものと考えられる。接着剤30の場合と同様に、接着剤110も、公知の従来のいかなる適用方法によってフィルム層20に適用されてもよい。図4または5には示されていないが、結合領域50は、示されるような非連続的接着剤パターンの代わりに、連続的接着剤パターンを含有してもよい。
【0054】
1つ以上の代表的な実施形態では、フィルム層20および/もしくは第一のテキスタイル40は、弾性であるか、またはそうでなければ、操作することで寸法を変化させることができる(例:収縮または伸長)。第一のテキスタイル40が弾性である例では、非結合領域60に相当する積層体の持ち上がった視認可能な部分が、図6に示されるように視認可能である。持ち上がった視認可能なパターンは、接着剤30によって形成される幾何学的または抽象的形状の輪郭を描く。加えて、結合領域50は、局所的な湾曲現象150を示す。非結合領域60は、積層体の残留応力を解放するだけでなく、積層体全体160に過剰の湾曲を引き起こすことなく結合領域50に応力(例:湾曲)を導入することも可能とすることが、予想外なことに見出された。可撓性非結合領域60で分離された結合領域50でのこの局所的な積極的湾曲150は、積層体160の立体的な態様を高め、ならびに、断熱特性、伸縮、分光特性、および美的特徴の向上などであるがこれらに限定されない性能ならびに/または特徴の向上を導入する。
【0055】
本発明の積層体の単位質量あたりの熱抵抗(例:断熱特性)は、0.05(m2K/W)/(kg/m2)以上であってよい。少なくとも1つの代表的な実施形態では、積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.05(m2K/W)/(kg/m2)から約0.4(m2K/W)/(kg/m2)である。結合領域50の湾曲部の半径は、約50mm未満、約20mm未満、約10mm未満、または約6mm未満であってよい。さらに、湾曲部の半径は、約1mm超、約2mm超、約3mm超、またはさらにはそれよりも大きくてよい。代表的な実施形態では、湾曲部の半径は、約2mmから約50mm、約3mmから約20mm、または約4mmから約10mmの範囲である。また、積層体の単位面積あたり質量に対する厚さは、約0.005mm/(g/m2)超、約0.010mm/(g/m2)超、またはそれより大きくてよい。
【0056】
ここで図7を参照すると、少なくとも1つの代表的な実施形態に従う立体的積層体160を最もよく理解することができる。積層体160を形成するために、第一のテキスタイル40は、所定の長さ伸長され、接着剤30は、非伸長弛緩状態のフィルム層20に適用される。第一のテキスタイル40(および以下で考察されるフィルム層20)は、一方向に伸長されるものとして本明細書にて考察されるが、テキスタイル(およびフィルム)の二方向の伸長も本発明の範囲内であると見なされることは理解されたい。上記で詳細に考察されるように、接着剤30は、非連続的方法で適用されて、結合領域50および非結合領域60が提供される。第一のテキスタイル40が伸長された位置で張力が掛けられている状態で、接着剤30を含有するフィルム層20が第一のテキスタイル40上に配置され、フィルム層20が第一のテキスタイル40に結合される。張力を解放すると、第一のテキスタイル40は、およそその元の非伸長位置に戻る。代表的な実施形態では、接着剤30は、張力の解放前に硬化される。
【0057】
第一のテキスタイル40が弛緩(「非伸長」)されると、結合領域50は湾曲し、非結合領域60は持ち上がる。積層体160は、結合領域50と比較して非結合領域60に接着剤が存在しないこと、または実質的に存在しないことに少なくとも部分的には起因して、非結合領域60で曲がる(buckle)(例:襞形成する)。「曲がる」および「襞形成する」の用語は、本明細書にて交換可能に用いられてよく、フィルム層またはテキスタイル層がそれ自体に対して屈曲して持ち上がった部分65を形成することを示すことを意図している。結合領域50および非結合領域60における接着剤の存在の相違により、積層体は、非結合領域60で持ち上がり(弛緩)、結合領域50で湾曲することが可能となる。結合領域50の凹面は、積層体のテキスタイル側に向かって配置される。さらに、非結合領域60の曲りにより、第一のテキスタイル40とフィルム層20との間に位置するエアギャップ75が形成され、そこでは、第一のテキスタイル40は、フィルム層20と結合していない。積層体160(および以下で述べる積層体170)は、接着剤フリー、または実質的に接着剤フリーである非結合領域60で選択的に屈曲することができる。この選択的屈曲は、積層体の非結合領域60での曲げ弾性率が、結合領域50での曲げ弾性率と比較して低いという事実に少なくとも部分的に起因している。少なくとも1つの代表的な実施形態では、非結合領域での曲げ弾性率は、結合領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い、少なくとも30%低い、少なくとも40%低い、または少なくとも50%低い(またはさらにそれより低い)。
【0058】
図8に示されるように、第二のテキスタイル90が、接着剤110によってフィルム層20に結合されていてよい。この実施形態では、第二のテキスタイル90は、フィルム層20に貼り付けられており、一方第一のテキスタイル40は、上述の伸長された状態にある。その結果、第二のテキスタイル90は、フィルム層20に対して実質的に平面配向に配置される。言い換えると、第二のテキスタイル90は、フィルム層20の挙動(path)に実質的に追随し、第一のテキスタイル40が張力から解放されると、非結合領域60でフィルム層20と共に曲り、結合領域50で第一のテキスタイル40と共に湾曲する。第二のテキスタイル90を追加することが、積層体の立体的構造を形成するための非結合領域60でのフィルム層20の曲り、または結合領域50での積層体の湾曲を妨げるものではないことには留意されたい。図8に示されてはいないが、接着剤110は、積層体170の上面および底面の両方に結合および非結合領域が提供されるように、非連続的方法で適用されてよい。加えて、持ち上がった部分65の第一のテキスタイル40は、第一のテキスタイル40(例:外側面)を、例えば積層体が衣類の構築に用いられる場合などに、摩耗から保護するために、ポリマーコーティング(図示せず)などの耐摩耗性コーティングで少なくとも部分的にコーティングされてよい。
【0059】
図9に示される別の選択肢としての実施形態では、第二のテキスタイル90は、第一のテキスタイル40が張力から解放され、積層体160が結合領域50で湾曲した後に、積層体160に結合される。示されるように、接着剤110は、第二のテキスタイル90の実質的に長さ方向全体にわたって、非連続的方法で適用されてよい。別の選択肢として、接着剤110は、第二のテキスタイル90全体にわたって連続的方法で、または、第二のテキスタイル90がフィルム層20と接触する積層体180の一部分のみに、別々の部分として(連続的または非連続的のいずれかで)適用されてよい。図9から分かるように、第二のテキスタイル層90は、フィルム層20および第一のテキスタイル30に対して実質的にフラットである。第二のテキスタイル90をフィルム層20にこの方法で貼り付けることにより、第二のテキスタイル90とフィルム層20との間に定められる領域内に、エアポケット190が形成される。これらのエアポケット190は、積層体180に追加の断熱性値を提供する。
【0060】
さらなる実施形態において、フィルム層20は、弾性または収縮性であってよい。図10を見ると、フィルム層20は、積層体200上にパターン化された面を形成する非連続的接着剤30で第一のテキスタイル40と結合される。フィルム層20が弾性である実施形態では、非結合領域60の持ち上がった部分65および結合領域50の湾曲部は、その上に接着剤30を有する第一のテキスタイル40を、張力が掛けられたフィルム層20に適用することによって得られる。張力が解放されると、積層体は、結合領域50にてフィルム層20へ向かって湾曲する。ここで、結合領域50の凹面は、積層体のフィルム層側に向かって配置される。上記で考察されるように、結合領域50および非結合領域60における接着剤の存在の相違により、積層体は、非結合領域60において持ち上がり(弛緩)、結合領域50において湾曲することが可能となる。加えて、持ち上がった領域65において、第二のテキスタイル40とフィルム層20との間にエアギャップ75が形成される。加えて、結合領域50に相当する湾曲領域は、第一のテキスタイル40(例:外側面)を、例えば積層体が衣類の構築に用いられる場合などに、摩耗から保護するために、ポリマーコーティング(図示せず)などの耐摩耗性コーティングで少なくとも部分的にコーティングされてよい。
【0061】
別の選択肢として、フィルム層20が収縮性である場合、非結合領域60における持ち上がった部分65および結合領域50における湾曲部は、フィルム層20に熱を適用することなどにより、フィルム層20を収縮させることによって得られる。フィルム層20が収縮するに従って、積層体200は、結合領域50においてフィルム層20へ向かって湾曲する。積層体200は、非結合領域60において弛緩し(持ち上がり)、フィルム層20の収縮に起因する応力を解放する。伸縮性(すなわち、弾性)および収縮性フィルム層20のいずれも、図10に示される2層積層体200をもたらすことは理解されたい。フィルム層20が収縮性または伸縮性である実施形態では、第一および第二のテキスタイル40、90は、特に限定されず、両方が非弾性であってもよい。
【0062】
別の選択肢として、第一のテキスタイル40が収縮性である場合、非結合領域60における持ち上がった部分65および結合領域50における湾曲部は、第一のテキスタイル層40に熱を適用することなどにより、第一のテキスタイル層40を収縮させることによって得られる。テキスタイル層40が収縮するに従って、積層体は、結合領域50においてテキスタイル層40へ向かって湾曲する。積層体は、非結合領域60において弛緩し(持ち上がり)、テキスタイル層40の収縮に起因する応力を解放する。テキスタイル層40が収縮性または伸縮性である実施形態では、フィルム層20および第二のテキスタイル90は、特に限定されず、一方または両方が非弾性であってもよい。
【0063】
第二のテキスタイル90は、図11に示されるように、フィルム層20に貼り付けられてよい。接着剤110は、示されるように非連続的方法で適用されてよく、またはそれは、第二のテキスタイル90がフィルム層20と接触する積層体210の部分のみに、別々の部分として(連続的または非連続的に)適用されてもよいことは理解されたい。図11に示される実施形態では、第二のテキスタイル90の追加により、フィルム層20と第二のテキスタイル90との間に定められる領域内に、エアポケット190が形成される。
【0064】
積層体の立体的性質は、例えば弾性であることによる、収縮性であることによる、伸長可能であることによる、またはこれらのいずれかの組み合わせによるなど、何らかの方法で変形可能である少なくとも1つの層を提供することによって達成され得ることから、上述の実施形態が、限定するものではないことは理解されたい。層のうちの1つの変形によって、結合領域内での積層体の湾曲を引き起こす応力が、積層体内に発生する。そして今度は、非結合領域が、積層体を曲げ、それが、積層体の湾曲によって引き起こされる応力を解放する。本明細書で記載される積層体は、非結合領域内での積層体の選択的屈曲に少なくとも部分的に起因して、従来の積層体と比較して、使用時の音が著しく小さい。
【0065】
本明細書で述べる積層体は、例えば、衣類において、断熱材として、スペーサー材として、拡散反射面において、または高度にテクスチャリングされた積層体が用いられ得るこれら以外の場面など、様々な用途で用いることができる。本明細書で述べる本発明の利点は、堅さおよび音の低減から、断熱性の改善、および審美的差別化、および分光反射の改善もしくは向上まで、様々である。分光反射は、少なくとも部分的には、本発明の物品の表面的特徴(例:持ち上がった部分)によって、改善または向上される。
【0066】
音が低減される積層体は、狩猟、法執行、または軍隊など、音の制御が不可欠である用途で、ならびに一般向けアウトドア用衣類(例:ジャケット、パンツなど)など、音の制御が単に望ましいものである用途で用いることができる。積層体の湾曲を利用する実施形態としては、一般向け、消防士向けなどの軽量断熱性衣類、または医療用途のための接触面積が低減された毛布およびシーツが挙げられる。
【0067】
<試験方法>
特定の方法および設備が以下で記載されるが、当業者によって適切であると判断されるいかなる方法または設備も用いられてよいことは理解されるべきである。
【0068】
<防液体性ファブリックのためのスーター試験>
サンプルが防液体性であるかどうかを判定するために、スーター試験法を用いた。この手順は、ASTM D 751‐00、コーティングされたファブリックのための標準試験方法(静水圧抵抗手順B2)(Standard Test Methods for Coated Fabrics (Hydrostatic Resistance Procedure B2))の記載に全体として基づいている。この手順は、試験サンプルの一方の側に対して水を押し付け、サンプルを水が透過した徴候をもう一方の側で観察することにより、試験されるサンプルへの低圧力での負荷を与えるものである。
【0069】
試験サンプルを、クランプで固定し、サンプルを保持する固定具中のゴム製ガスケット間にシールし、それによって、特定の領域に水を適用できるようにした。水が適用される円形領域は、4.25インチの直径であった。1psig(0.07バール)の圧力で、サンプルの一方の側に水を適用した。1つのテキスタイル層を有する積層体の試験では、加圧水をフィルム側へ投入した。
【0070】
サンプルの圧力が掛かっていない側を、3分間、水が出現する何らかの徴候について目視観察した。水が観察されない場合、サンプルは試験に合格したと考えられ、防液体性であると見なした。報告した値は、3回の測定の平均値とした。
【0071】
<水蒸気透過率(WVTR)試験>
水蒸気透過率(WVTR)、すなわち、水蒸気透過性は、35質量部の酢酸カリウムおよび15質量部の蒸留水から成るおよそ70mLの溶液を、その開口部の内径が6.5cmである133mLのポリプロピレンカップへ投入することで測定する。最小WVTRがおよそ85000g/m2/日(Crosbyの米国特許第4,862,730号に記載の方法によって試験)であるePTFE膜でカップのリップ部をヒートシールして、溶液を封入する張った状態の液漏れのない微孔性バリアを作製した。
【0072】
類似のePTFE膜を、水浴の表面に載せた。この水浴組み立て物を、温度制御室および水循環浴を用いて、23℃±0.2℃に制御した。試験手順を行う前に、試験されるべきサンプルを、23℃の温度および約50%の相対湿度でコンディショニングした。3つのサンプルを配置し、各試験されるべきサンプルが水浴の表面を覆って載せられた延伸PTFE膜と接触し、カップ組み合立て物の導入前に少なくとも15分間平衡化されるようにした。
【0073】
カップ組み立て物を、四捨五入で0.001gの位まで秤量し、試験サンプルの中央に逆さまにして置いた。水の移動は、水浴中の水と飽和塩溶液との間の駆動力により、その方向への拡散による水分流動を提供することによって得た。サンプルの試験は、20分間行い、次に、カップ組み立て物を取り出し、再度0.001gの位まで秤量した。
【0074】
サンプルのWVTRは、カップ組み立て物の質量増加分から算出し、24時間、サンプル表面積1平方メートルあたりの水のグラム数で表した。報告した値は、3回の測定値の平均値とした。
【0075】
<熱伝導率測定>
本発明のサンプルの熱伝導率は、注文製の熱流計熱伝導率テスターを、大気条件(約298Kおよび101.3kPa)で用いて測定した。このテスターは、熱流センサー(モデルFR‐025‐TH44033、コネチカット州,オールドセイブルック,コンセプトエンジニアリング(Concept Engineering)より市販)および表面に埋め込まれた温度センサー(サーミスター)を備えた加熱アルミニウム板、ならびにやはりその表面に埋め込まれた温度センサーを備えた室温に維持された第二のアルミニウム板から構成した。
【0076】
加熱板の温度は、309.15Kに維持し、一方「冷」板の温度は、298.15Kに保持した。板の直径は、約10cmであった。熱流量測定値は、通常は、サンプルをテスター内に配置した後、約2から5分以内に、定常状態に到達した時点で得た。
【0077】
単位質量あたりの熱抵抗は、式Rm=(l/Q−l/Q(0))/wに従って、測定された熱流量およびサンプル質量から算出し、ここで、Rmは、(m2K/W)/(kg/m2)の単位での単位質量あたりの熱抵抗であり、Qは、W/m2Kの単位での標準化された熱流量であり、Q(0)は、サンプルを配置していない状態での標準化された熱流量(Q(0)=100W/m2K)であり、wは、kg/m2の単位でのサンプル質量である。報告した値は、3回の測定値の平均値を表す。
【0078】
<湾曲部の半径の測定>
湾曲部の半径は、図16に示されるように、湾曲領域の断面の最上部エッジおよび底部中央の両方に接触することができる最大円の半径として定義される。これを特定するために、切断部が複数の湾曲セクションを横切るように、湾曲部の半径に対して直角にサンプルを切断した。次に、湾曲セクションの幅および深さをデジタルカリパスで測定し、平均値を得た。
【0079】
湾曲部の半径は、式r=c2/(8*a)+(a/2)に従い、幅および深さの平均測定値から算出し、式中、rは、mmの単位での湾曲部の半径であり、cは、mmの単位での湾曲セクションの幅であり、aは、mmの単位での湾曲セクションの深さである。報告した値は、3回の測定値の平均値とした。
【0080】
<曲げ弾性率測定>
本発明の積層体の4.68mm×4.68mmのサンプルの曲げ弾性率を、サーモメカニカルアナライザー(デラウェア州,ニューキャッスル,TAインスツルメンツ製のモデルQ400)を用い、三点曲げ法を用いて測定した。試験は23℃で行った。支点間距離は2.508mmとした。たわみ速度は、1分間あたりおよそ0.162mmとした。サンプルは、表側のファブリックを上に向けて試験装置中に配置した。
【0081】
各サンプルの弾性率は、式Ef=L3m/(4bd3)に従って算出し、式中、Efは、MPaの単位での曲げ弾性率であり、Lは、mmの単位での支点間距離であり、mは、荷重‐たわみ曲線の最初の直線部分の傾きで、単位はN/mmであり、bは、mmの単位での試験サンプルの幅であり、dは、mmの単位での試験サンプルの厚さである。サンプル厚さは、デジタルマイクロメータ(日本,川崎市,ミツトヨ社製のモデルID‐C112EX)を用いて測定した。
【0082】
各領域から、縦(縦糸)方向に3つおよび横(横糸)方向に3つの6つのサンプルを試験した。報告した値は、全6回の測定値の平均値を表す。
【0083】
<最大厚さ対単位面積当たり質量比の測定>
サンプルの最大厚さは、デジタルマイクロメータ(ロードアイランド州,プロビデンス,マーフェデラル社(Mahr Federal Inc.)、モデルXLI 40002)を用いて、5cm2の面積の2つの剛性表面間で測定した。最大厚さ(すなわち、持ち上がった領域の高さ)および面積の測定には、適切ないかなる手段が用いられてもよいことには留意されたい。サンプル質量は、サンプルを直径8.9cmの円形部分に切断し、それを四捨五入で0.001gの位まで秤量することで特定した。厚さ対質量比は、式D=T/(W/A)に従って算出し、式中、Dは、mm/(g/m2)の単位での厚さ対質量比であり、Tは、mmの単位でのサンプル厚さであり、Wは、gの単位でのサンプル質量であり、Aは、m2の単位での面積である。報告した値は、3回の測定値の平均値を表す。
【0084】
<伸縮力測定>
サンプルを伸長するための力は、1000ポンドのロードセルを有するインストロン 万能試験機(モデル5565)を用いて測定した。3インチ掛ける8インチの材料サンプルを、最大伸長方向に長寸法を合わせて切断した。インストロンのロードセルに直径5mmの水平バーを取り付け、エアークランプをインストロンのベースに取り付けた。水平バーの上部エッジを、エアクランプグリップの上部から3インチ上に配置した。サンプルを、この3インチの側に平行に半分に折り、水平バー上に配置した。サンプルの両端部をエアクランプグリップで一緒に固定し、それによって、サンプルに張力もゆるみもない状態とした。サンプルを、10インチ/分の歪速度で伸長し、20%歪での荷重をポンドの単位で記録した。報告した値は、3回の測定値の平均値を表す。
【0085】
当業者であれば、積層体は、適切な溶媒で接着剤を溶解することが挙げられ得るがこれに限定されない適切ないかなる手段によっても、その構成パーツに分離されてよいことは理解される。その後に、テキスタイルの伸長力が特定されてよい。
【0086】
厚さ
厚さは、膜またはテキスタイル積層体を、ミツトヨ543‐252BSスナップゲージの2つのプレート間に配置することで測定した。3回の測定値の平均を用いた。
【0087】
マトリックス引張強度(MTS)
フラットフェースグリップ(flat-faced grips)および0.445kNロードセルを備えたインストロン1122引張試験機を用いて最大荷重を測定した。ゲージ長さは、5.08cmであり、クロスヘッドスピードは、50.8cm/分であった。サンプル寸法は、2.54cm掛ける15.24cmであった。比較可能な結果を確実に得るために、実験室温度を68°Fから72°Fに維持して、確実に比較可能な結果を得た。グリップとの接触部でサンプルが破断した場合は、データを破棄した。
【0088】
縦方向MTSの算出は、サンプルの長い方の寸法を、縦または「ダウンウェブ(down web)」方向に合わせた。横方向MTの算出は、サンプルの長い方の寸法を、「クロスウェブ(cross web)」方向としても知られる縦方向に直角の方向に合わせた。各サンプルは、メトラートレド スケール モデルAG204を用いて秤量した。次に、サンプルの厚さを、ケーファー FZ1000/30スナップゲージを用いて測定した。続いて、サンプルを、引張試験機で個々に試験した。各サンプルの3つの異なるセクションを測定した。3つの最大荷重(すなわち、ピーク力)測定値の平均を用いた。
【0089】
縦および横方向MTSを、以下の式を用いて算出し:
MTS=(最大荷重/断面積)*(PTFEのバルク密度)/多孔性膜の密度)、
式中、PTFEのバルク密度は、2.2g/ccと見なされる。
【0090】
3つのクロスウェブ方向の測定値の平均を、縦および横方向MTSとして記録した。
【0091】
<密度>
密度の算出には、マトリックス引張試験からの測定値を用いた。上述のように、サンプル寸法は、2.54cm掛ける15.24cmであった。各サンプルは、メトラートレド スケール モデルAG204を用いて秤量し、次にサンプルの厚さを、ケーファー FZ1000/30スナップゲージを用いて得た。このデータを用いて、サンプルの密度を以下の式で算出することでき:
【0092】
【数1】
【0093】
式中:ρ=密度(g/cc)
m=質量(g)
w=幅(1.5cm)
l=長さ(16.5cm)
t=厚さ(cm)
である。
【0094】
報告した結果は、6つの算出値の平均である。
【0095】
<気泡点圧力>
気泡点試験は、ASTM F31 6‐03の一般的教示事項に従って行った。気泡点は、サンプルから連続する泡の流れの上昇が観察された最低圧力と見なされる。不透明または白色の膜サンプルを、イソプロピルアルコール(IPA)などの湿潤用液体で、サンプルが透明または半透明となるまで湿潤させた。膜サンプルをフィルターホルダー中に配置してサンプルを固定し、追加量のIPAをホルダーに添加した。サンプルの第一の側を、上昇する気体圧力に掛け、一方サンプルの第二の側は、気体圧力を上昇させながら、肉眼での目視によってモニタリングした。固定具の気体圧力が気泡点圧力に近付くに従って、サンプルの上面に気体の小さい気泡の形成が観察される。圧力をさらに上昇させると、気体の気泡は、ePTFE膜の上面から上向きに流れ始めるので、その時点での圧力を、気泡点圧力として記録する。報告した結果は、3回の測定の平均である。
【0096】
本発明について全般的に記載してきたが、説明の目的でのみ提供され、特に断りのない限り、包括的であることも、または限定的であることも意図しない以下に示す特定の具体例を参照することで、さらなる理解を得ることができる。
【実施例】
【0097】
<実施例1>
1本の129g/m2 ナイロン/Roica(登録商標)伸縮織布材(台湾,トウリウ(Touliu),ホルモサタフェタ社(Formosa Taffeta Co.)製のStyle GNS3)および1本のポリウレタンコーティングされたePTFEを入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ポリウレタン(PU)の適用は、ePTFE膜をコーティングし、膜の細孔にそれを少なくとも部分的に浸透させ、続いて硬化させることで行った。
【0098】
剥離紙215は、図12に示されるハニカム(六角形)パターンを用いてレーザーで切断した。六角形の空隙部220を、10mmの幅で切断し、剥離紙230の幅4mmのストリップで分離されるようにした。この剥離紙を、コーティングした膜のePTFE側に配置し、この剥離紙プラス膜を、グラビアプリンターに供給した。この実施例では用いなかったが、図17に示される別の選択肢としての実施形態では、適用された接着剤パターン(図18に符号317として概略的に示される)をその上に有するグラビアロール315が、接着剤を機能性フィルム層(例:コーティングされた膜)へ転写してもよく、それによって、剥離紙215の必要性が排除される。グラビアロール325の一部分325が図18に示され、接着剤パターン317および非接着剤領域327の両方を含有している。
【0099】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。膜のePTFE側にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。500ミクロン径のドットを、39%の被覆面積パーセントで、ePTFE膜260の非マスク領域に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。伸縮織布材に張力を掛け、剥離紙215(マスク)を除去し、伸縮織布テキスタイル270を、膜260の接着剤側に配置した。テキスタイル270上に張力を維持した状態で、得られた積層体280をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0100】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、テキスタイルの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、剥離紙の六角形空隙部に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のテキスタイル側に向いていた。
【0101】
湾曲セクションの幅は、7.3mm、深さは、0.9mm、湾曲部の半径は、7.8mmであった。得られた積層体の質量は、173g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、10048g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.090(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0051mm/(g/m2)であった。
【0102】
<実施例2>
以下を除いては実施例1に概ね記載した通りに、別の積層体を作製した。テキスタイルは、93.2g/m2のナイロン織布(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン(Milliken)製Style 131913)であり、剥離紙の六角形空隙部は、30mm幅であり、幅6mmの剥離紙のストリップで分離されており、テキスタイルは、予め伸長はせず、追加の接着剤ドットを、ePTFEのコーティングされた側にも適用し、テキスタイルの第三の層、37.3g/m2のポリエステルニット(ノースカロライナ州,グレンラーベン,グレンラーベン製Style A1012)を、ナイロン織布テキスタイルとは反対側の接着剤へ添付した。
【0103】
得られた積層体の質量は、180g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、7069g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.024(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0021mm/(g/m2)であった。結合領域の曲げ弾性率は、11.3MPaであった。非結合領域の曲げ弾性率は、2.40MPaであった。
【0104】
<実施例3>
1本の37.3g/m2 ナイロン織布材(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン製Style 130970)および1本のePTFE膜を入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.126mm、密度=0.402g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=28.5×106Pa、横方向のマトリックス引張強度=144.3×106Pa、気泡点=9.55×104Pa。ePTFE膜を、厚さ25.4ミクロンのモノリシック熱可塑性ポリウレタンフィルム(マサチューセッツ州,サウスディアフィールド,ディアフィールドウレタン(Deerfield Urethane)製、パーツ番号PT1710S)に、12から15g/m2の被覆率で適用した通気性ポリウレタン接着剤の連続層を用いて積層した。この通気性ポリウレタン接着剤は、Robert Hennの米国特許第4,532,316号に記載のように、水分硬化ポリエーテルポリウレタン接着剤であった。
【0105】
幅4mmおよび深さ2mmのチャネル300で分離された10mm幅の持ち上がった六角形領域290から成るパターン化されたゴムロールを用いて、テキスタイルをグラビアロールへプレスした。そのようなパターン化されたゴムロール310の一部分を図14に示す。ポリウレタン接着剤240を入手し、図15に示すように、ロール250を介して加熱接着剤ドットをテキスタイル320に適用するために、プリンターに充填した。335ミクロン径のドットを、主としてパターン化されたゴムロール310の持ち上がった部分に支持された領域において、53%の被覆面積パーセントでテキスタイル320に適用した。ePTFE/PUフィルム330に張力を掛け、フィルムのPU側を、コーティングされたテキスタイルの接着剤側に配置した。ePTFE/PUフィルム330の張力を維持した状態で、得られた積層体340をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0106】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、フィルムの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、パターン化されたゴムロールの持ち上がった六角形領域に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のフィルム側に向いていた。
【0107】
湾曲セクションの幅は、6.7mm、深さは、2.3mm、湾曲部の半径は、3.6mmであった。得られた積層体の質量は、202g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、4243g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.204(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.010mm/(g/m2)であった。
【0108】
<実施例4>
1本の129g/m2 ナイロン/Roica(登録商標)伸縮織布材(台湾,トウリウ,ホルモサタフェタ社製のStyle GNS3)および1本のポリウレタンコーティングされたePTFEを入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ポリウレタン(PU)の適用は、ePTFE膜をコーティングし、膜の細孔にそれを少なくとも部分的に浸透させ、続いて硬化させることで行った。
【0109】
剥離紙215は、図12に示されるハニカム(六角形)パターンを用いてレーザーで切断した。六角形の空隙部220を、10mmの幅で切断し、剥離紙230の幅4mmのストリップで分離されるようにした。この剥離紙を、コーティングした膜のePTFE側に配置し、この剥離紙プラス膜を、グラビアプリンターに供給した。この実施例では用いなかったが、図17に示される別の選択肢としての実施形態では、適用された接着剤パターン(図18に符号317として概略的に示される)をその上に有するグラビアロール315が、接着剤を機能性フィルム層(例:コーティングされた膜)へ転写してもよく、それによって、剥離紙215の必要性が排除される。グラビアロール325の一部分325が図18に示され、接着剤パターン317および非接着剤領域327の両方を含有している。
【0110】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。膜のePTFE側にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。500ミクロン径のドットを、39%の被覆面積パーセントで、ePTFE膜260の非マスク領域に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。伸縮織布材に張力を掛け、剥離紙215(マスク)を除去し、伸縮織布テキスタイル270を、膜260の接着剤側に配置した。テキスタイル270上に張力を維持した状態で、得られた積層体280をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0111】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、テキスタイルの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、剥離紙の六角形空隙部に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のテキスタイル側に向いていた。
【0112】
湾曲セクションの幅は、7.3mm、深さは、0.9mm、湾曲部の半径は、7.8mmであった。得られた積層体の質量は、173g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、10048g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.090(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0051mm/(g/m2)であった。
【0113】
<実施例5>
以下を除いては実施例1に概ね記載した通りに、別の積層体を作製した。テキスタイルは、93.2g/m2のナイロン織布(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン製Style 131913)であり、剥離紙の六角形空隙部は、30mm幅であり、幅6mmの剥離紙のストリップで分離されており、テキスタイルは、予め伸長はせず、追加の接着剤ドットを、ePTFEのコーティングされた側にも適用し、テキスタイルの第三の層、37.3g/m2のポリエステルニット(ノースカロライナ州,グレンラーベン,グレンラーベン製Style A1012)を、ナイロン織布テキスタイルとは反対側の接着剤へ添付した。
【0114】
得られた積層体の質量は、180g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、7069g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.024(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0021mm/(g/m2)であった。結合領域の曲げ弾性率は、11.3MPaであった。非結合領域の曲げ弾性率は、2.40MPaであった。
【0115】
<実施例6>
1本の49.0g/m2 ナイロン織布材(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン製Style 131907)および1枚のePTFE膜を入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.126mm、密度=0.402g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=28.5×106Pa、横方向のマトリックス引張強度=144.3×106Pa、気泡点=9.55×104Pa。ePTFE膜を、厚さ25.4ミクロンのモノリシック熱可塑性ポリウレタンフィルム(マサチューセッツ州,サウスディアフィールド,ディアフィールドウレタン製、パーツ番号PT1710S)に、12から15g/m2の被覆率で適用した通気性ポリウレタン接着剤の連続層を用いて積層した。この通気性ポリウレタン接着剤は、Robert Hennの米国特許第4,532,316号に記載のように、水分硬化ポリエーテルポリウレタン接着剤であった。
【0116】
幅4mmおよび深さ2mmのチャネル300で分離された10mm幅の持ち上がった六角形領域290から成るパターン化されたゴムロールを用いて、テキスタイルをグラビアロールへプレスした。そのようなパターン化されたゴムロール310の一部分を図14に示す。ポリウレタン接着剤240を入手し、図15に示すように、ロール250を介して加熱接着剤ドットをテキスタイル320に適用するために、プリンターに充填した。335ミクロン径のドットを、主としてパターン化されたゴムロール310の持ち上がった部分に支持された領域において、53%の被覆面積パーセントでテキスタイル320に適用した。ePTFE/PUフィルム330に張力を掛け、フィルムのPU側を、コーティングされたテキスタイルの接着剤側に配置した。ePTFE/PUフィルム330の張力を維持した状態で、得られた積層体340をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0117】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、フィルムの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、パターン化されたゴムロールの持ち上がった六角形領域に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のフィルム側に向いていた。
【0118】
湾曲セクションの幅は、6.7mm、深さは、2.3mm、湾曲部の半径は、3.6mmであった。得られた積層体の質量は、202g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、4243g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。積層体の単位質量あたりの熱抵抗は、0.204(m2K/W)/(kg/m2)であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.010mm/(g/m2)であった。
【0119】
<実施例7>
1本の137.7g/m2 ナイロン/エラステイン伸縮織布材(台湾,台北,キアヘルインダストリアル社(Chia Her Industrial Co.)製のStyle Q4410)および1本のポリウレタンコーティングされたePTFEを入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ポリウレタン(PU)の適用は、ePTFE膜をコーティングし、膜の細孔にそれを少なくとも部分的に浸透させ、続いて硬化させることで行った。
【0120】
剥離紙215は、図12に示されるハニカム(六角形)パターンを用いてレーザーで切断した。六角形の空隙部220を、10mmの幅で切断し、剥離紙230の幅4mmのストリップで分離されるようにした。この剥離紙を、コーティングした膜のePTFE側に配置し、この剥離紙プラス膜を、グラビアプリンターに供給した。図17に示される別の選択肢としての実施形態では、適用された接着剤パターン(図18に符号317として概略的に示される)をその上に有するグラビアロール315が、接着剤を機能性フィルム層(例:コーティングされた膜)へ転写してもよく、それによって、剥離紙215の必要性が排除される。グラビアロール325の一部分が図18に示され、接着剤パターン317および非接着剤領域327の両方を含有している。
【0121】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。膜のePTFE側にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。305ミクロン幅の正方形接着剤ドットを、83%の被覆面積パーセントで、ePTFE膜260の非マスク領域に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。伸縮織布材に張力を掛け、剥離紙215(マスク)を除去し、伸縮織布テキスタイル270を、膜260の接着剤側に配置した。テキスタイル270上に張力を維持した状態で、得られた積層体280をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0122】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、テキスタイルの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、剥離紙の六角形空隙部に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のテキスタイル側に向いていた。
【0123】
湾曲セクションの幅は、6.37mm、深さは、2.54mm、湾曲部の半径は、3.27mmであった。得られた積層体の質量は、194.5g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、4470g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.014mm/(g/m2)であった。サンプルの20%歪時伸縮力は、0.23ポンドであった。加工前の伸縮織布材の20%歪時伸縮力は、0.73ポンドであった。
【0124】
<比較例1>
比較用の先行技術の伸縮材を、以下の方法で組み立て、比較の目的で、記載のようにして試験した。1本の137.7g/m2 ナイロン/エラステイン伸縮織布材(台湾,台北,キアヘルインダストリアル社製のStyle Q4410)および1本のポリウレタンコーティングされたePTFEを入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ポリウレタン(PU)の適用は、ePTFE膜をコーティングし、膜の細孔にそれを少なくとも部分的に浸透させ、続いて硬化させることで行った。
【0125】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。膜のePTFE側にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。500ミクロン径接着剤ドットを、40%の被覆面積パーセントで、ePTFE膜260に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。伸縮織布材270に張力を掛け、膜260の接着剤側に配置した。テキスタイル270上に張力を維持した状態で、得られた積層体280をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0126】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、テキスタイルの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。
【0127】
得られた積層体の質量は、164.4g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、13540g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0035mm/(g/m2)であった。サンプルの20%歪時伸縮力は、5.25ポンドであった。
【0128】
<実施例8>
1本の49.0g/m2 ナイロン織布材(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン製Style 131907)および1本のePTFE膜を入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ePTFE膜を、厚さ25.4ミクロンのモノリシック熱可塑性ポリウレタンフィルム(マサチューセッツ州,サウスディアフィールド,ディアフィールドウレタン製、パーツ番号PT1710S)に、12から15g/m2の被覆率で適用した通気性ポリウレタン接着剤の連続層を用いて積層した。この通気性ポリウレタン接着剤は、Robert Hennの米国特許第4,532,316号に記載のように、水分硬化ポリエーテルポリウレタン接着剤であった。
【0129】
剥離紙215は、図12に示されるハニカム(六角形)パターンを用いてレーザーで切断した。六角形の空隙部220を、10mmの幅で切断し、剥離紙230の幅4mmのストリップで分離されるようにした。この剥離紙を、織布材上に配置し、この剥離紙プラス織布材を、グラビアプリンターに供給した。図17に示される別の選択肢としての実施形態では、適用された接着剤パターン(図18に317として概略的に示される)をその上に有するグラビアロール315が、接着剤を織布材へ転写してもよく、それによって、剥離紙215の必要性が排除される。グラビアロール325の一部分が図18に示され、接着剤パターン317および非接着剤領域327の両方を含有している。
【0130】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。織布材にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。305ミクロン幅の正方形接着剤ドットを、83%の被覆面積パーセントで、織布材320の非マスク領域に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。ePTFE/ポリウレタンフィルムに張力を掛け、剥離紙215(マスク)を除去し、ePTFE/ポリウレタンフィルム330を、織布材320の接着剤側に配置した。ePTFE/ポリウレタンフィルム330上に張力を維持した状態で、得られた積層体340をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0131】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、フィルムの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。六角形パターンは肉眼で視認可能であった。このサンプルは、剥離紙の六角形空隙部に相当する領域での局所的な湾曲を示した。これらの領域の凹面は、積層体のフィルム側に向いていた。
【0132】
湾曲セクションの幅は、6.07mm、深さは、2.88mm、湾曲部の半径は、3.04mmであった。得られた積層体の質量は、247g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、3255g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.013mm/(g/m2)であった。サンプルの20%歪時伸縮力は、0.77ポンドであった。加工前のePTFE/ポリウレタンフィルムの20%歪時伸縮力は、6.63ポンドであった。
【0133】
<比較例2>
比較用の先行技術の伸縮材を、以下の方法で組み立て、比較の目的で、記載のようにして試験した。1本の49.0g/m2 ナイロン織布材(サウスカロライナ州,スパータンバーグ,ミリケン製Style 131907)および1本のePTFE膜を入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ePTFE膜を、厚さ25.4ミクロンのモノリシック熱可塑性ポリウレタンフィルム(マサチューセッツ州,サウスディアフィールド,ディアフィールドウレタン製、パーツ番号PT1710S)に、12から15g/m2の被覆率で適用した通気性ポリウレタン接着剤の連続層を用いて積層した。この通気性ポリウレタン接着剤は、Robert Hennの米国特許第4,532,316号に記載のように、水分硬化ポリエーテルポリウレタン接着剤であった。
【0134】
ここで図13を参照すると、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。織布材にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。390ミクロン幅の正方形接着剤ドットを、15.5%の被覆面積パーセントで、織布材320の非マスク領域に適用した。本明細書で用いられる場合、接着剤の「被覆面積パーセント」の用語は、任意の領域中の接着剤の全2次元面積をその領域の面積で除し、100%を掛けたものを示すことを意図している。ePTFE/ポリウレタンフィルム330に張力を掛け、織布材320の接着剤側に配置した。ePTFE/ポリウレタンフィルム330上に張力を維持した状態で、得られた積層体340をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0135】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、フィルムの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。
【0136】
得られた積層体の質量は、149.2g/m2であった。サンプルの水蒸気透過率は、6784g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0036mm/(g/m2)であった。サンプルの20%歪時伸縮力は、6.39ポンドであった。
【0137】
<実施例9>
1本の79.4g/m2 ポリエステルニット材(台湾,台北,タートンテキスタイル社(Tah Tong Textile Co.)製Style MT‐O50)および1本のポリウレタンコーティングされたePTFEを入手した。ePTFEは、以下の特性を有していた:厚さ=0.043mm、密度=0.41g/cc、縦方向のマトリックス引張強度=31×106MPa、横方向のマトリックス引張強度=93×106MPa、気泡点=1.5×105MPa。ポリウレタン(PU)の適用は、ePTFE膜をコーティングし、膜の細孔にそれを少なくとも部分的に浸透させ、続いて硬化させることで行った。
【0138】
剥離紙410は、図19に示されるパターンを用いてレーザーで切断した。空隙部420の寸法は、幅3mm、長さ27mmであり、剥離紙410の幅5mmのストリップで分離されるようにした。この剥離紙410を、コーティングされた膜のePTFE側に配置し、この剥離紙プラス膜を、グラビアプリンターに供給した。
【0139】
図13を概略的に参照すると、剥離紙215を、空隙部420の長い方の辺が縦方向に合わせられた剥離紙410に置き換えた以外は、2層積層体を形成するための加工ラインの一部分を見ることができる。膜のePTFE側にロール250を介して加熱接着剤ドットを適用するために、別のポリウレタン240を入手し、プリンターに充填した。接着剤を、ePTFE膜260の非マスク領域に適用した。剥離紙410(マスク)を除去し、ニット材270を、膜260の接着剤側に配置した。ニット270上に張力を維持した状態で、得られた積層体280をロール(図示せず)に巻き取り、水分硬化させたが、それにはおよそ2日間を要した。
【0140】
水分硬化の後、積層体を巻き出し、弛緩させ、それによって、テキスタイルの初期の張力が掛かっていない状態に戻した。この張力の低下により、ニットは、クロスウェブ方向、すなわち、テキスタイルの平面内のニットテキスタイルの編み段に対して直角の方向に伸長し、その結果、ニットは、剥離紙の空隙部に相当しない領域で曲がり、折り畳まれた。
【0141】
得られた積層体の質量は、298g/m2であった。サンプルの厚さ対単位面積当たり質量比は、0.0077mm/(g/m2)であった。サンプルの水蒸気透過率は、6480g/m2/24時間であった。サンプルは、防液体性および通気性であった。
【0142】
本出願の発明を、一般的に、および具体的実施形態に関しての両方で、上記に記載した。本発明は、以下で示す請求項の列挙を除いて、それ以外で限定されるものではない。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[71]に記載する。
[1]
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域、および実質的に接着剤フリーである領域を含有し、ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占めている、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、前記少なくとも1つの形状は、2回以上繰り返され、および
ここで、前記積層物品は、前記実質的に接着剤フリーである領域で選択的に屈曲する、
積層物品。
[2]
前記実質的に接着剤フリーである領域が、前記接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する、項目1に記載の積層物品。
前記持ち上がった部分における前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間。
[3]
前記実質的に接着剤フリーである領域が、約2mmよりも大きい幅を有する、項目1に記載の積層物品。
[4]
前記実質的に接着剤フリーである領域が、前記接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、項目1に記載の積層物品。
[5]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含み、ここで、前記積層物品は、前記接着剤領域によって定められる前記積層物品の部分に、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置されるエアギャップをさらに含む、項目1に記載の積層物品。
[6]
前記接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含有する、項目1に記載の積層物品。
[7]
前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、項目6に記載の積層物品。
[8]
前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、項目6に記載の積層物品。
[9]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目1に記載の積層物品。
[10]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、項目1に記載の積層物品。
[11]
前記接着剤領域の湾曲部の半径が、約2mmから約50mmである、項目1に記載の積層物品。
[12]
前記実質的に接着剤フリーである領域の曲げ弾性率が、前記接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い、項目1に記載の積層物品。
[13]
前記積層物品内の前記接着剤領域の被覆面積パーセントが、少なくとも30%である、項目1に記載の積層物品。
[14]
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、第一の接着剤領域および第二の接着剤領域を含有する、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記第一の接着剤領域は、前記第二の接着剤領域中に存在する接着剤の量よりも多い量の接着剤を含有し、および
ここで、前記積層物品は、前記第一の接着剤領域における曲げ弾性率よりも低い前記第二の接着剤領域における曲げ弾性率を有する、
積層物品。
[15]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、項目14に記載の積層物品。
[16]
前記第二の接着剤領域が、実質的に接着剤フリーである、項目14に記載の積層物品。
[17]
連続する前記第一の接着剤領域間の距離が、約2mmよりも大きい、項目14に記載の積層物品。
[18]
前記積層物品が、前記第二の接着剤領域において選択的に屈曲する、項目14に記載の積層物品。
[19]
第一の接着剤領域が、少なくとも1つの特徴的形状を形成し、前記少なくとも1つの形状が、2回以上繰り返される、項目14に記載の積層物品。
[20]
前記第二の接着剤領域が、前記第一の接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、項目19に記載の積層物品。
[21]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイル;および
前記持ち上がった部分において、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置されるエアギャップ
をさらに含む、項目14に記載の積層物品。
[22]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目14に記載の積層物品。
[23]
前記第一の接着剤領域の各々が、複数の接着剤ドットを含み、前記第一の接着剤領域内の前記接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、項目14に記載の積層物品。
[24]
前記第一の接着剤領域の各々が、複数の接着剤ドットを含み、前記第一の接着剤領域内の前記接着剤ドットのサイズが異なっている、項目14に記載の積層物品。
[25]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、項目14に記載の積層物品。
[26]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、項目14に記載の積層物品。
[27]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、項目14に記載の積層物品。
[28]
前記第一の接着剤領域の湾曲部の半径が、約2mmから約50mmである、項目14に記載の積層物品。
[29]
前記第二の接着剤領域の曲げ弾性率が、前記第一の接着剤領域の曲げ弾性率よりも少なくとも20%低い、項目14に記載の積層物品。
[30]
積層物品を形成する方法であって:
第一のテキスタイルに張力を掛けること;
機能性フィルム層および第一のテキスタイルの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うこと、
前記第一のテキスタイルを弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、前記特徴的形状は、2回以上繰り返され、および
ここで、前記積層物品は、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲する、
積層物品を形成する方法。
[31]
連続する前記接着剤領域間の距離が、約2mmよりも大きい、項目30に記載の方法。
[32]
第二のテキスタイルを、前記第一のテキスタイルとは反対側にて、第二の接着剤層によって前記機能性フィルム層と結合することをさらに含む、項目30に記載の方法。
[33]
エアギャップが、前記機能性フィルム層と前記第二のテキスタイルとの間に配置される、項目32に記載の方法。
[34]
前記実質的に接着剤フリーである領域が、前記接着剤領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能な部分を形成する、項目30に記載の方法。
[35]
機能性フィルム層;
第一のテキスタイル;ならびに
前記機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルを結合する第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域、および実質的に接着剤フリーである領域を含有し、ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占めている、第一の接着剤層、
を含む積層物品であって、
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品。
[36]
前記積層物品が、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲する、項目35に記載の積層物品。
[37]
前記接着剤領域の少なくとも1つ内での接着剤の分布が、不均一である、項目35に記載の積層物品。
[38]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、項目35に記載の積層物品。
[39]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目35に記載の積層物品。
[40]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、項目35に記載の積層物品。
[41]
前記接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、項目35に記載の積層物品。
[42]
前記接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、項目35に記載の積層物品。
[43]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、項目35に記載の積層物品。
[44]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、項目35に記載の積層物品。
[45]
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、項目35に記載の積層物品。
[46]
機能性フィルム層;
第一の接着剤層によって前記機能性フィルム層に結合された第一のテキスタイルであって、前記第一の接着剤層は、接着剤の第一の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第一の領域および接着剤の第二の被覆面積パーセントを有する少なくとも1つの第二の領域を含有し、前記接着剤の第一の被覆面積パーセントは、前記接着剤の第二の被覆面積よりも大きい、第一のテキスタイル、
を含む積層物品であって、
ここで、前記第一の領域は、少なくとも1つの特徴的形状を形成し、前記少なくとも1つの形状は、2回以上繰り返され、および
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品。
[47]
前記第一の接着剤領域および前記第二の接着剤領域の少なくとも1つ内での接着剤の分布が不均一である、項目46に記載の積層物品。
[48]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目46に記載の積層物品。
[49]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを囲む接着剤の実質的に連続的なバンドを含む、項目46に記載の積層物品。
[50]
前記少なくとも1つの第二の領域が、前記第一の領域の輪郭を描く持ち上がった視認可能部分を形成する、項目46に記載の積層物品。
[51]
前記接着剤領域の湾曲部の半径が、2mmから約50mmである、項目46に記載の積層物品。
[52]
前記第一の領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットが、実質的に同じサイズを有する、項目46に記載の積層物品。
[53]
前記第一の領域の少なくとも1つが、複数の接着剤ドットを含み、前記複数の接着剤ドットのサイズが異なっている、項目46に記載の積層物品。
[54]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、前記接着剤領域内に配置された接着剤のストリップを、前記接着剤のストリップが互いに実質的に平行であり、前記実質的に接着剤フリーである領域が前記接着剤のストリップ間の空間を占めるように含む、項目46に記載の積層物品。
[55]
前記第一の接着剤領域の少なくとも1つが、中央に位置する接着剤フリーまたは実質的に接着剤フリーである領域を含む、項目46に記載の積層物品。
[56]
前記第一のテキスタイルとは反対側にて、前記機能性フィルム層と結合された第二のテキスタイルをさらに含む、項目46に記載の積層物品。
[57]
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、項目46に記載の積層物品。
[58]
積層物品を形成する方法であって:
第一のテキスタイルに張力を掛けること;
機能性フィルム層および前記第一のテキスタイルの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うこと;および
前記第一のテキスタイルを弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、
ここで、前記積層物品は、前記実質的に接着剤フリーである領域において選択的に屈曲し、および
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品を形成する方法。
[59]
前記第一の接着剤領域内の接着剤の分布が不均一である、項目58に記載の方法。
[60]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目58に記載の方法。
[61]
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、項目58に記載の方法。
[62]
積層物品を形成する方法であって:
機能性フィルム層に張力を掛けること;
前記張力を掛けた機能性フィルム層の第一のテキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行うことによって、積層物品を形成すること;
前記積層物品を弛緩させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有し、および
ここで、前記積層体は、前記第一のテキスタイルの伸縮力の3倍未満である20%伸長時伸縮力を有する、
積層物品を形成する方法。
[63]
前記第一の接着剤領域内の接着剤の分布が不均一である、項目62に記載の方法。
[64]
前記機能性フィルム層が、フルオロポリマーである、項目62に記載の方法。
[65]
前記機能性フィルム層が、防水性および通気性である、項目62に記載の方法。
[66]
前記機能性フィルム層に張力を掛ける前に、弾性フィルム層を前記機能性フィルム層に結合することをさらに含む、項目62に記載の方法。
[67]
積層物品を形成する方法であって:
収縮性機能性フィルム層の第一のテキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行って、積層物品を形成すること;
前記機能性フィルムを収縮させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有する、
積層物品を形成する方法。
[68]
前記積層物品が、前記機能性フィルム層に向かって湾曲する、項目67に記載の方法。
[69]
前記収縮した機能性フィルムの前記第一のテキスタイルとは反対側である側にて、第二のテキスタイルを前記収縮した機能性フィルムに接着することをさらに含む、項目67に記載の方法。
[70]
積層物品を形成する方法であって:
機能性フィルム層の収縮性テキスタイルへの結合を、第一の接着剤層であって、前記第一の接着剤層は、接着剤領域および実質的に接着剤フリーである領域を含有するものである第一の接着剤層を介して行って、積層物品を形成すること;
前記テキスタイルを収縮させることによって、前記接着剤領域に相当する領域において前記積層物品を湾曲させること、
を含み、および
ここで、前記実質的に接着剤フリーである領域は、前記接着剤領域間の空間を占め、前記接着剤領域は、少なくとも1つの特徴的形状を有する、
積層物品を形成する方法。
[71]
前記積層物品が、前記収縮したテキスタイルに向かって湾曲する、項目70に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25