(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208823
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20170925BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20170925BHJP
G06F 11/20 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
G06F3/06 306Z
G06F3/06 304N
G06F13/10 340A
G06F3/06 301Z
G06F3/06 304E
G06F11/20 694
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-134391(P2016-134391)
(22)【出願日】2016年7月6日
(62)【分割の表示】特願2012-76896(P2012-76896)の分割
【原出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2016-181292(P2016-181292A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2016年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】川上 貞弘
【審査官】
桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−118771(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0138079(US,A1)
【文献】
特開2008−059387(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0059825(US,A1)
【文献】
特開2013−114400(JP,A)
【文献】
特開2013−070170(JP,A)
【文献】
特開2005−322122(JP,A)
【文献】
特開2013−027136(JP,A)
【文献】
佐藤 真也 他1名,“ベンダが提唱するSANの利用方法”,OPEN DESIGN,日本,CQ出版株式会社,2003年 1月 1日,第10巻第1号,第58−80頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06− 3/08
G06F 13/10−13/14
G06F 12/00
G06F 11/16−11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを格納するサーバ装置と、クライアント装置と、をLAN接続し、そのうち少なくとも一のクライアント装置がバッテリー駆動が可能なクライアント装置により構成される情報処理システムであって、
前記サーバ装置が、
計画停電開始時刻と計画停電終了時刻とを少なくとも含む計画停電情報を前記データベースに記憶するステップ1と、
計画停電開始時刻の所定時間前に至ったか監視するステップ2と、
前記ステップ2により前記計画停電開始時刻の所定時間前に至ったと判定した場合、前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置にフェイルオーバーを要求するステップ3と、
を実行し、
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
前記サーバ装置からのフェイルオーバーの要求に応じて、前記計画停電開始時刻の所定時間前において前記サーバ装置のデータベースを読み出して自身のデータベース記憶部にコピーするステップ4と、
前記サーバ装置及び他のクライアント装置にシャットダウンを要求するステップ5と、
を実行する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記クライアント装置が、
前記サーバ装置のデータベースをコピーして格納するデータベース記憶部と、
商用電源の通電の有無を示す通電有無情報を格納する通電情報記憶部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
前記サーバ装置の処理を引き継いでフェイルオーバーするステップ6を実行する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
前記データベースから前記計画停電情報を読み出して前記計画停電終了時刻に至ったか
監視するステップを実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
前記監視するステップにおいて、前記計画停電終了時刻に至ったと判定した場合、前記
通電情報記憶部の前記通電有無情報を参照して、前記商用電源が通電状態か否か判定する
ステップ7を実行する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
前記ステップ7において、前記商用電源が通電状態であると判定された場合、前記サー
バ装置及び前記他のクライアント装置を起動制御するステップ8を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、
自身の前記データベースの更新内容を前記サーバ装置のデータベースに反映させて、前
記サーバ装置にフェイルバックするステップ9を実行する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムがバックアップ装置を更に備え、
前記ステップ5に応じて、前記サーバ装置及び前記他のクライアント装置が前記バック
アップ装置へのバックアップ処理を行ってからシャットダウンするステップ10を実行す
る
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記サーバ装置が、
計画停電開始時刻と計画停電終了時刻とを少なくとも含む計画停電情報を、ネットワー
クを介して外部から取得し、前記計画停電情報を前記データベースに記憶する請求項1か
ら8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計画停電に対応してフェイルオーバー及びフェイルバックを行うようにした情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サービスを担当するメインサーバに電源障害等の何らかの障害が発生した場合、その処理をサブのサーバに引き継いでシステムの運用を継続することが可能なシステムがある。例えば、特許文献1には、火災等によりサーバに障害が発生したとき、障害の及ばない遠隔地のバックアップサーバに切り替えて端末の処理を継続させるようにしたネットワーク間のプロセス移動方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−282714
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象地域を区切って計画的に停電を実施する計画停電により広域に亘って停電が発生するようなとき、遠隔地にバックアップサーバを持つ大規模なシステムであれば障害の及ばない遠隔地のバックアップサーバに処理を引き継ぐフェイルオーバーを実施することができる。しかし、遠隔地にバックアップサーバを持たない小規模なシステムも多数存在する。例えば、病院システムのような場合、院内LANを敷設してサーバとクライアント(端末)とを同じ建屋内あるいは同じ敷地内に設置してシステムを運用する。このようなシステムの場合、計画停電が実施されてその対象地域となったとき、すべてのサーバ及びクライアントが稼働できなくなり、システムが運用できなくなってしまっていた。そこで、本発明では、遠隔地にバックアップサーバを持たない小規模なシステムでも、計画停電が予定されている場合に、あらかじめフェイルオーバーを実施し、規模を縮小した構成でシステムを運用可能とした装置/システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、データベースを格納するサーバ装置と、クライアント装置と、をLAN接続し、そのうち少なくとも一のクライアント装置がバッテリー駆動が可能なクライアント装置により構成される情報処理システムであって、
前記サーバ装置が、計画停電開始時刻と計画停電終了時刻とを少なくとも含む計画停電情報を前記データベースに記憶するステップ1と、計画停電開始時刻の所定時間前に至ったか監視するステップ2と、前記ステップ2により前記計画停電開始時刻の所定時間前に至ったと判定した場合、前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置にフェイルオーバーを要求するステップ3と、を実行し、前記バッテリー駆動が可能なクライアント装置が、前記サーバ装置からのフェイルオーバーの要求に応じて、前記計画停電開始時刻の所定時間前において前記サーバ装置のデータベースを読み出して自身のデータベース記憶部にコピーするステップ4と、前記サーバ装置及び他のクライアント装置にシャットダウンを要求するステップ5と、を実行することで、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の情報処理システムによれば、計画停電が実施されるような場合、計画停電が開始されて商用電源が断たれる所定時間前にフェイルオーバーを実施するので、円滑に支障なくフェイルオーバーを実施できるようになる。また、バッテリーバックアップされていないサーバやクライアントについては、計画停電が開始されて商用電源が断たれる前にシャットダウンを実施するので、不測の障害を被ることを未然に防止することができる。また、計画停電に備えてシャットダウンすること、そして、所定の端末にフェイルオーバーすることが予め通知されるので、オペレータはそれに備えることができ、無用の混乱を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【
図4】実施形態のフェイルオーバーの動作手順を示す図である。
【
図5】実施形態のフェイルバックの動作手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態における情報処理システム10の構成を
図1に示す。本システムは医療機関において電子カルテ端末や医事会計端末をLAN接続した病院システムを想定したものである。そして、サーバコンピュータ30(サーバ装置30。以下、単にサーバ30と言う。)と、電子カルテ端末や医事会計端末等の複数のクライアントコンピュータ20,20(クライアント装置20。以下、単にクライアント20と言う。)、及びバックアップディスク装置40がLAN回線51を介して相互に通信可能に接続されて病院システムを構成している。また、更にLAN回線51にネットワーク制御装置50が接続され、ネットワーク制御装置50を介して外部のネットワーク(インターネット)60に接続されている。
【0009】
サーバ30は、コンピュータから成る情報処理装置であり、CPUで構成した制御部と、RAM、ROM等のメモリと、キーボード等の入力装置と、LCD等の表示装置と、ハードディスクドライブ(HDD)等で構成したファイル装置、及び通信制御装置とが内部バスでつながった構成である。
【0010】
ファイル装置には、OS(オペレーティングシステム)等の基本プログラム及びクライアント20,20の要求によりクライアント20,20に対して各種サービスを提供する業務アプリケーションソフトウェアのファイルと、病院システムのデータベースと、計画停電の情報を取得したり、バックアップディスク装置40の電源のオン、オフを制御したりする制御プログラムSと、バックアップ処理及びシャットダウンを実行する制御プログラムCとが記録されている。制御プログラムSが取得した計画停電の情報はファイル装置内のデータファイルに記録される。このデータファイルは計画停電情報を格納する計画停電情報記憶部として機能する。ファイル装置内のデータファイルには、また、サーバ30またはサーバ30が所属する情報処理システム10が所在する場所(住所)の情報である所在地情報があらかじめ記録されているものとする。尚、データファイルとデータベースとは分けずに、データベースと一体に構成してもよいものである。
【0011】
一方、クライアント20,20もサーバ30と同様にコンピュータから成る情報処理装置であり、CPUで構成した制御部と、RAM、ROM等のメモリと、キーボード等の入力装置と、LCD等の表示装置と、ハードディスクドライブ(HDD)等で構成したファイル装置、及び通信制御装置とが内部バスでつながった構成である。
【0012】
ファイル装置には、OS等の基本プログラム及び各種の業務ソフトウェアのファイルと、サーバ30と同様にバックアップ処理とシャットダウンを実行する制御プログラムCが記録されている。各クライアントのCPUは、この制御プログラムCを導入して実行することで、ファイル装置に記録されたデータを後述するバックアップディスク装置40にバックアップするとともに、自身をシャットダウンすることができる。
【0013】
尚、ここで、複数のクライアント20,20のうち、少なくとも1台のクライアントはバッテリーバックアップされており、商用電源から切り離して稼働可能に構成されている。以下、このバッテリーバックアップされたクライアントをクライアントAと呼び、その外のバッテリーバックアップされていないクライアントをクライアントBと呼ぶことにする。また、図ではクライアントBは1台であるが、複数台が接続されていてもよいものである。そして、クライアントAには前述した制御プログラムCの代わりに、サーバ及び他のクライアントBのオン、オフ即ち起動と停止を制御し、フェイルオーバー、フェイルバックを制御する制御プログラムAが記録されている。
【0014】
バックアップディスク装置40は、ハードディスクドライブ(HDD)等で構成した大容量のファイル装置であり、指示により各端末装置から送信されたファイルの複写を記録するバックアップ装置として機能する。バックアップディスク装置40にも通信制御装置が備わっている。
【0015】
サーバ30やクライアント20、バックアップディスク装置40の通信制御装置は、WOL(Wake On Lan)機能やPXE(Preboot eXecution Environment)機能、マルチキャスト受信機能等を備えている。そのためにサーバ30やクライアント20の通信制御装置はバッテリーバックアップがされている。
【0016】
次に、
図2乃至3を参照して、本システムにおいて、計画停電に対応してフェイルオーバー、フェイルバックする動作を説明する。本実施形態では、サーバ30があらかじめ計画停電の情報を取得しておき、計画停電の開始時刻が近付いたらバッテリーバックアップされたクライアントAにサーバの処理を引き継ぐフェイルオーバーを実施し、計画停電が終了したことを確認したら、バッテリーバックアップされたクライアントAから元のサーバにフェイルオーバーするものである。
【0017】
先ず、
図2に基づいてフェイルオーバーの動作を説明する。
【0018】
<S11>
サーバ30は起動されると、あるいは所定のスケジュールに従って、ネットワーク制御装置50、外部のネットワーク60を介して電力会社のウェブサイト70にアクセスし、計画停電の情報を取得する。取得した計画停電の情報はファイル装置内のデータファイルに記録する。計画停電の情報としては、計画停電開始時刻、計画停電終了時刻、計画停電実施地域の情報が少なくとも含まれるものとする。
【0019】
尚、計画停電の情報を取得する際、自身の所在地に関係する計画停電開始時刻、計画停電終了時刻の情報のみを取得するようにしてもよいものである。また、計画停電の情報は随時更新されることが考えられるので、所定のスケジュールに従って定期的に計画停電の情報を取得するようにし、最新の情報を取得することが好ましい。
【0020】
<S12>
サーバはファイル装置内のデータファイルに記録された自身の所在地情報と、計画停電実施地域の情報とを照合し、自身の所在地を対象に含む計画停電実施地域の情報に対応する計画停電開始時刻が近付いたか監視する。即ち、計画停電開始時刻の所定時間前に至ったか否かを判定する。ここで所定時間とは、フェイルオーバーの作業が完了するまでに要する時間に対して十分余裕を持った時間を設定している。また、計画停電の開始が多少変動することを見越して更に余裕を持たせて所定時間を設定するようにしてもよい。
【0021】
尚、自身の所在地情報はオペレータ等によりあらかじめ設定しているが、GPS(全地球測位システム)を搭載してそこから自動で取得して設定するようにしてもよいものである。
【0022】
<S13>
サーバは計画停電開始時刻の所定時間前になったことを判定すると、全部のクライアント20,20に対してフェイルオーバーの処理を開始することを通知する。それとともに、バッテリーバックアップされたクライアントAの制御プログラムAを起動する。ここで、フェイルオーバー開始の通知を受けたクライアントB及びサーバ30は、計画停電に備えてシャットダウンすること、そして、クライアントAにフェイルオーバーすることを表示装置に表示出力し、各々オペレータに通知することができる。また、クライアントAは、計画停電に備えてサーバ30や他の端末がシャットダウンすること、そして、クライアントAにフェイルオーバーして処理を続行することを表示装置に表示出力し、オペレータに通知することができる。
【0023】
<S14>
これに応じて、クライアントAの制御プログラムAは、サーバ30のデータベースと、計画停電の情報が記録されたデータファイルとをクライアントAのファイル装置にコピーする。ここではクライアントAのファイル装置はサーバのデータベースをコピーして格納するデータベース記憶部として機能する。
【0024】
<S15>
そして、クライアントAの制御プログラムAは、サーバ30の制御プログラムCとクライアントBの制御プログラムCをそれぞれ起動し、シャットダウンを要求する。
【0025】
<S16>
これに応じて、クライアントBの制御プログラムCは、クライアントB自身のデータベースをバックアップディスク装置40にバックアップし、その後、クライアントB自身をシャットダウンする。
【0026】
<S17>
一方、サーバ30の制御プログラムCは、サーバ30のデータベースをバックアップディスク装置40にバックアップする。
【0027】
<S18>
クライアントAの制御プログラムAは、サーバ30の制御プログラムSに対して、バックアップディスク装置40の電源を切断(オフ)と、サーバ30のシャットダウンを要求する。
【0028】
<S19>
サーバ30の制御プログラムSは、バックアップディスク装置40の電源を切断(オフ)し、その後、サーバ30自身をシャットダウンする。
【0029】
こうしてサーバ30からバッテリーバックアップされたクライアントAにフェイルオーバーする。一方、バッテリーバックアップされていないサーバ30やクライアントBは、計画停電に備えて、稼働中に電源断となって不測の障害が発生することがないように、計画停電開始時刻の前にシャットダウンする。その後、計画停電が開始されて商用電源が停電しても、クライアントAは商用電源からバッテリー駆動に切り替えるので、処理を続行することができる。
【0030】
尚、ステップS15の要求に応じてサーバ30がステップS17とステップS19とを連続して行うようにしてもよい。即ち、データベースをバックアップディスク装置40にバックアップした後、引き続いてバックアップディスク装置40の電源切断と、更にサーバ30自身のシャットダウンとを連続して行うように構成してもよいものである。
【0031】
次に、計画停電が終了した後のフェイルバックの動作を
図5を参照して説明する。
【0032】
<S51>
クライアントAの制御プログラムAは、サーバのファイル装置からコピーしたデータファイルに記録された所在地情報と、計画停電実施地域の情報とを照合し、その所在地を対象に含む計画停電実施地域の情報に対応する計画停電終了時刻を参照し、それと現在時刻とを比較して計画停電終了時刻に至ったか監視する。
【0033】
<S52>
クライアントAの制御プログラムAは、計画停電終了時刻になったことを判定すると、AC電源部からAC電源(商用電源)の状態を示す情報を読み出して商用電源が回復しているか否か判定する。ここでAC電源部は商用電源の通電の有無を示す通電有無情報を格納する通電情報記憶部として機能する。
【0034】
<S53>
クライアントAの制御プログラムAは、商用電源が回復していることを判定すると、サーバ30とクライアントBにWOLパケットを送信し、サーバ30とクライアントBを起動する。
【0035】
<S54>
クライアントAの制御プログラムAは、サーバ30が起動すると、計画停電の期間即ちフェイルオーバーしている間にクライアントAのデータベースに加えられた更新をサーバ30のデータベースに反映させる。そして、クライアントAからサーバ30にフェイルバックして処理をサーバ30に戻すものである。
【0036】
そして、これより後、サーバ30は通常通りの処理を続けることができる。
【0037】
このように本実施形態によれば、計画停電が実施された場合、バッテリーバックアップされた端末にフェイルオーバーして最少構成ながら処理を続けることができるものである。その際、計画停電が開始されて商用電源が断たれる所定時間前にフェイルオーバーを実施するので、円滑に支障なくフェイルオーバーを実施できる。また、バッテリーバックアップされていないサーバやクライアントBについては、計画停電が開始されて商用電源が断たれる前にシャットダウンを実施するので、不測の障害を被ることを未然に防止することができる。また、オペレータに対しては計画停電に備えてシャットダウンすること、そして、クライアントAにフェイルオーバーすることが通知されるので、オペレータはそれに備えることができ、無用の混乱を避けることができるものである。
【符号の説明】
【0038】
10 情報処理システム
20 クライアントコンピュータ
30 サーバコンピュータ
40 バックアップディスク装置
50 ネットワーク制御装置
60 外部ネットワーク