(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208854
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】セルラーおよびD2Dの混在型ネットワークにおける通信方法およびユーザ装置
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20170925BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20170925BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20170925BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20170925BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W92/18
H04W28/06 110
H04W72/12 110
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-515310(P2016-515310)
(86)(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公表番号】特表2016-524858(P2016-524858A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】SE2013051366
(87)【国際公開番号】WO2014189424
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2016年1月20日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2013/075977
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, チェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ, チンユー
(72)【発明者】
【氏名】リュウ, チェンシー
【審査官】
齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/130626(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0107851(US,A1)
【文献】
特表2013−530570(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0293968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラーおよびデバイスツーデバイス(D2D)混在型ネットワーク(300)におけるユーザ装置(UE)によって実行される通信方法であって、
前記セルラーおよびD2D混在型ネットワーク(300)において無線フレーム構造にしたがって通信すること(S220)を有し、
前記無線フレーム構造は、第一のD2Dサブフレームが受信された後に第二のD2Dサブフレームが送信されるときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く前記第一のD2Dサブフレームを含み、前記第一のD2Dサブフレームの終了位置にガード期間(GP)がある、通信方法。
【請求項2】
少なくとも一つのD2Dサブフレームを含み、当該少なくとも一つのD2Dサブフレームの終了位置または開始位置に前記GPを有している、前記無線フレーム構造を決定すること(S210)をさらに有する請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記無線フレーム構造は、セルラーサブフレームよりも後にD2Dサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが前記D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短いときに、前記GPを開始位置に有する前記D2Dサブフレームを含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記無線フレーム構造は、第二のD2Dサブフレームよりも後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが前記第二のD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しいときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く第一のD2Dサブフレームを含み、前記第二のD2Dサブフレームの終了位置にGPがある、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項5】
前記無線フレーム構造は、セルラーサブフレームが送信された後にD2Dサブフレームが受信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが、前記D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへの前記D2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短いときに、前記GPを開始位置に有する前記D2Dサブフレームを含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項6】
前記無線フレーム構造は、第二のD2Dサブフレームが受信された後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが、前記第二のD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへの前記第二のD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しいときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く第一のD2Dサブフレームを含み、前記第二のD2Dサブフレームの終了位置にGPがある、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項7】
前記GPは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの一つの継続時間に相当する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項8】
セルラーおよびデバイスツーデバイス(D2D)混在型ネットワーク(300)におけるユーザ装置(UE)(301)であって、
前記セルラーおよびD2D混在型ネットワーク(300)において無線フレーム構造にしたがって送信および受信を実行するように構成された通信機(1020)を有し、
前記無線フレーム構造は、第一のD2Dサブフレームが受信された後に第二のD2Dサブフレームが送信されるときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く前記第一のD2Dサブフレームを含み、前記第一のD2Dサブフレームの終了位置にガード期間(GP)がある、ユーザ装置(301)。
【請求項9】
少なくとも一つのD2Dサブフレームを含み、当該少なくとも一つのD2Dサブフレームの終了位置または開始位置に前記GPを有している、前記無線フレーム構造を決定するように構成された無線フレーム構造決定ユニット(1010)をさらに有する、請求項8に記載のユーザ装置(301)。
【請求項10】
前記無線フレーム構造は、セルラーサブフレームよりも後にD2Dサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが前記D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短いときに、前記GPを開始位置に有する前記D2Dサブフレームを含む、請求項8または9に記載のユーザ装置(301)。
【請求項11】
前記無線フレーム構造は、第二のD2Dサブフレームよりも後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが前記第二のD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しいときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く第一のD2Dサブフレームを含み、前記第二のD2Dサブフレームの終了位置にGPがある、請求項8または9に記載のユーザ装置(301)。
【請求項12】
前記無線フレーム構造は、セルラーサブフレームが送信された後にD2Dサブフレームが受信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが、前記D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへの前記D2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短いときに、前記GPを開始位置に有する前記D2Dサブフレームを含む、請求項8または9に記載のユーザ装置(301)。
【請求項13】
前記無線フレーム構造は、第二のD2Dサブフレームが受信された後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、前記セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellが、前記第二のD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへの前記第二のD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しいときに、前記第二のD2Dサブフレームが続く第一のD2Dサブフレームを含み、前記第二のD2Dサブフレームの終了位置にGPがある、請求項8または9に記載のユーザ装置(301)。
【請求項14】
前記GPは直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの一つの継続時間に相当する、請求項8ないし13のいずれか一項に記載のユーザ装置(301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に移動通信の技術分野に関連し、とりわけ、セルラーとデバイスツーデバイス(D2D)との混在型ネットワークにおけるユーザ装置(UE)によって実行される通信方法と、UEとに関連する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは本開示において記述される技術の様々な実施形態に対する背景を提供することが意図されている。このセクションにおける記述は達成可能なコンセプトを含みうるが、過去に着想または達成されたものである必要はない。したがって、ここでとくに断りがない限り、このセクションにおいて記述されるものは本開示におけるこの記述および/または、クレームに対する従来技術ではなく、このセクションに含ませたことだけで従来技術として自認したものでもない。
【0003】
第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)の近年の開発進展は、家庭、オフィス、または公衆ホットスポット、もしくは、屋外環境などの様々な場所においてローカルのインターネットプロトコルベースのサービスへのアクセスを可能にしている。ローカルIPアクセスおよびローカルコネクティビティのための重要な使用事例の一つは、いわゆるD2D通信モードを含み、これは相互に近接したUE(典型的には10メートル未満や、ときには数百メートルに至ることもある)がお互いに直接的に通信するものである。
【0004】
D2DのUEは、少なくとも一つのセルラーアクセスポイント(例:エボルブド・ノードB(eNB))を介して通信しなければならいセルラーUEと比較して、お互いにずっと近くに存在しているため、収容能力、ピークレート利得、および遅延利得などを含む伝統的なセルラー技術による潜在的な利得を達成している。
【0005】
収容利得は、たとえば、D2Dとセルラー通信との間で無線リソース(例:直交周波数分割多重(OFDM)のリソースブロック)を再利用することによって、および、UE間でのリンクの数を2個から1個に削減することによって、つまり、ひとつのリンクについて必要となる無線リースを削減することで、達成されている。ピークレート利得は、D2DのUE間が相対的に短距離であること、および、これらの間の伝搬状況が潜在的に好ましいものであることから直接的に結果として得られる。遅延利得は、また、D2DのUE間のリンクが単一で相対的に短いリンクであることの直接的な結果である。
【0006】
図1はセルラーおよびD2D混在型ネットワーク100の一例を図示しており、ここではUE101はセルラーリンク105を使用してeNB103を介して通信するセルラーUEであり、UE108およびUE110はD2DのUEリンク115を使用して相互に直接的に通信するD2DのUEである。このようなセルラーおよびD2D混在型ネットワーク100において、D2D通信はセルラー通信と無線リソースを共有している。時分割デュープレックス(TDD)は
図1において双方向のD2D通信のためのデュープレックス方式として利用されている。
【0007】
純粋なセルラーシステムは
図1においてUE101とeNB103だけを含みうる。D2DのUEリンク115を使用して通信しているUE108とUE110は含まれない。適切に動作するためにTDD方式を使用する純粋なセルラーシステムについて、ガード期間(GP)が、
図2に示すように、ダウンリンク(DL)通信とアップリンク(UL)通信との間の遷移(切り替え)期間に設定されている。GPは、無線送信が発生しない時間間隔として説明されてもよい。GPの目的は、データの伝搬に依拠した送信の重なりから隣接したデータを保護すること、つまり、干渉を回避することにある。GPの長さはセルサイズに関係する。より具体的には、GPはeNBとUE101との間で送信される信号の伝搬遅延時間、つまり、eNB103からUE101への送信について遅延またはUE101からeNB103への送信についての遅延の2倍よりも大きくなければならない。GPは、eNB103からUE101(つまり、DL)の伝搬遅延と、送信(つまり、UL)のためにUE101のタイミングアドバンス(AT)と、を取り扱うために使用され、TDDシステムにのみ存在する。よって、GPはダウンリンクとアップリンクとの間の切り替え期間である。ダウンリンクパイロットタイムスロット(DwPTS)とアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)との間に位置づけられるGPを用いて、eNB103から送信されるDLデータは、TAを用いてULデータがUEからeNB103へ送信される前に、UE101によって完全に受信される。TAはデータを送信するためにUE101によって使用される。異なるUEの信号がeNB103において時間的に整列可能となるように、これらの異なるUEは異なるTAを有している。
図2に示す送信遅延はeNB103からUE101へ送信されるデータの遅延である。
【0008】
eNB103からDLデータが送信された時刻は
図2においてeNB TXと示されており、DLデータがUE101によって受信された時刻は
図2においてUE RXと示されている。UE101からeNB103へULデータが送信された時刻は
図2においてUE TXと示されており、ULデータがeNB103によって受信された時刻は
図2においてeNB RXと示されている。TXは送信を示し、RXは受信を示している。
【0009】
上述したDwPTSは、同期、ユーザデータおよびスケジューリング情報および制御情報を送信するためのダウンリンク制御チャネルを搬送するフィールドである。UpPTSは、物理ランダムアクセスチャネルおよびサウンディングリファレンス信号を送信するために使用されるフィールドである。
【0010】
用語としての上述したDLは、eNB103からUE101への方向における通信を指しており、用語としてのULは、UE101からeNB103への方向における通信を指している。
【0011】
セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおける送信は、送信対象のデータがマッピングされるときにフレーム構造やサブフレーム構造を利用してもよい。フレームは複数のサブフレームに分割されうる。サブフレームは、所定の長さを有しうるものであり、いくつかのスロットなどを含みうる。セルラーサブフレームは、UEとeNBとの間でデータを搬送するために使用されるサブフレームであってもよい。D2Dサブフレームは、二つのUE間で、つまり、D2DのUE間でデータを搬送するために使用されるサブフレームであってもよい。サブフレームは、少なくとも一つのOFDMシンボルを含みうる。UEによって(他のUEへ)送信されるD2DサブフレームはD2D TXサブフレームと呼ばれる。UEによって(他のUEから)受信されるD2DサブフレームはD2D RXサブフレームと呼ばれる。
【0012】
セルラーおよびD2D混在型ネットワーク100において、DL/ULの切り替えとは異なる他の通信切り替えが存在する。一つのUEから見ると、通信の切り替えは、セルラーサブレフレームとD2D TXサブフレームとの間、セルラーサブフレームとD2D RXサブフレームとの間、または、D2D TXサブフレームとD2D RXサブフレームとの間で追加的に発生しうる。これらの切り替えにおいて、上述した重なりが発生しうるものであり、データの送信/受信に影響しうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の目的は、セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおけるUEが、セルラーサブレフレームとD2D TXサブフレームとの間、セルラーサブフレームとD2D RXサブフレームとの間、または、D2D TXサブフレームとD2D RXサブフレームとの間での通信切り替えにおいて適切に動作することを保証する解決手段を提供することである。
【0014】
本開示の第一の観点によれば、セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおけるUEによって実行される通信方法が提供される。UEは混在型ネットワークにおいて無線フレーム構造にしたがって通信する。無線フレーム構造は、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にGPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含む。
【0015】
本開示の第二の観点によれば、セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおけるUEが提供される。UEは混在型ネットワークにおいて無線フレーム構造にしたがって送信と受信とを実行するように構成された通信機を含む。無線フレーム構造は、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にGPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含む。
【0016】
本開示の第一および第二の観点にしたがって方法とUEとを使用することによって、セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおいてUEは様々な切り替え時に適切に動作できるようになる。UEが適切に動作するときに、UEは、D2Dサブフレームの開始位置および/または終了位置において定義されているGPによって、様々な切り替え時に何を実行すればよいかを正確には把握する。換言すれば、UEはGPの位置と長さを知っているため、UEはデータを搬送するシンボルを受信するだけでよい。GPなしでは、UEは様々な切り替え時に何をすればよいかを把握できず、その結果、UEはセルラーデータやD2Dデータなどを廃棄してしまうかもしれない。換言すれば、サブフレームの切り替え時に、UEは、第一のサブフレームの終了位置がどこであるかや、第二のサブフレームの開始位置がどこであるかを、GPがないために知らない。この結果として、サブフレーム送信の間に重なりが存在すると、UEはセルラーデータまたはD2Dデータを廃棄すべきかどうかを知ることができない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示についての上述したおよび他の目的、特徴および有利性は図面の参照とともに本開示の実施形態についての以下の説明から明確になるであろう。
【
図1】セルラーおよびD2D混在型ネットワークを示す図である。
【
図2】TDD方式を使用する純粋なセルラーシステムにおけるDL通信とUL通信との間の切り替え時に適切に動作するためのUEについて解決手段を示す図である。
【
図3】本開示にしたがったセルラーおよびD2D混在型ネットワークの実施形態を示す図である。
【
図4b】D2D RX UEがeNBよりもD2D TX UEに対してより近くに存在しており、eNBがD2D UEよりもD2D TX UEに対してより近くに存在しているシナリオを示す図である。
【
図5】セルラーサブフレームとD2D TXサブフレームとの間の切り替えについての異なるケースを示す図である。
【
図6】セルラーサブフレームとD2D RXサブフレームとの間の切り替えについての異なるケースを示す図である。
【
図7】D2D TXサブフレームよD2D RXサブフレームとの間の切り替えについての異なるケースを示す図である。
【
図8】
図5−7に示した切り替え時にUEが適切に動作することを保証するための通信方法を示す図である。
【
図9】本開示に従ったD2Dサブフレームの構造の一例を示す図である。
【
図10】本開示に従ったUEの構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付図面に示された実施形態を参照しつつ本開示が説明される。しかし、これらの説明は本開示を限定するものではなく、図解目的で提供されることを理解されるべきである。さらに、以下において、既知の構造や技術の説明は、本開示のコンセプトの邪魔とならないように、省略される。
【0019】
図3は本開示にしたがったセルラーおよびD2D混在型ネットワーク300の実施形態を示す図である。セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300は、D2D UE303へデータを送信したり、D2D UE303からデータを受信したりするUE101を含む。セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300は、さらに、UE301へデータを送信したり、UE301からデータを受信したりするeNB305を含む。よって、UE301はeNBとD2D UE303との両方からデータを受信したり、これらへ送信したりすることができる。UE301およびD2D UE303はそれぞれ、たとえば、インターネットへのアクセスなど、通信事業者の無線アクセスネットワークおよびコアネットワークがアクセスを提供するデバイスであって、加入者が通信事業者のネットワークによって提供されるサービスへアクセスしたり、通信事業者のネットワークの外にあるサービスにアクセスしたりするためのデバイスであってもよい。UE301およびD2D UE303はそれぞれ、通信ネットワークにおける無線チャネルを介して通信することを可能にする移動型または固定型のいずれかのデバイスであってもよく、たとえば、これらに限定されるわけではないが、ユーザ装置、移動電話機、スマートフォン、センサー、メーター、乗り物、家庭電化製品、医療機器、メディアプレイヤー、カメラ、マシンツーマシン(M2M)デバイス、または、いずれかのタイプのコンシューマエレクトロニック、たとえば、これらに限定されるわけではないが、テレビ受像機、ラジオ、照明器具、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータまたはパーソナルコンピュータ(PC)などであってもよい。
【0020】
上述したように、セルラーおよびD2D混在型ネットワークにおいて動作するUE301は、eNB305だけでなく、たとえば、D2D受信側(RX)UEなど、対応するD2D UE303へデータを送信しうる。したがって、eNB305へデータを送信するためのTA_cellと、D2D UE303へデータを送信するためのTA_D2Dとして示されている2つのTAが事前にそれぞれ存在する。TA_cellとTA_D2Dとの取得は、既知の取得技術やこれまでに知られていないものにしたがって実行可能である。たとえば、TA_cellとTA_D2Dは、UE301のすべてのデータがeNB305またはD2D UE303に同時に到着するような手法でもって決定されてもよい。UE301は、UE301がeNB305へデータを送信する実施形態においてはTX UEと呼ばれ、UE301がD2D RX UEであるD2D UE303に対してデータを送信するときには、D2D TX UEと呼ばれてもよい。UE301は、D2D UE303がD2D TX UEであるときに、UE301がD2D UE303からデータを受信する実施形態においては、D2D RX UEと呼ばれてもよい。UE301は、UE301がeNB305からデータを受信する実施形態においては、RX UEと呼ばれてもよい。換言すれば、UE301は送信側UEと受信側UEとの双方になりうる。D2D UE303は、UE301がD2D TX UEであるときに、UE301からデータを受信する実施形態においては、D2D RX UEと呼ばれてもよい。D2D UE303は、UE301がD2D RX UEであるときに、UE301へデータを送信する実施形態においては、D2D TX UEと呼ばれてもよい。換言すれば、D2D UE303は送信側D2D UE303と受信側D2D UE303との双方になりうる。
【0021】
ときには、D2D UE303はeNB305よりもUE301に対して近いことがあり、また、ときには、eNB305はD2D UE303よりもUE301に対して近いこともある。
図4a、
図4bには二つのケースがそれぞれ示されている。用語としての「近い」は距離を指している。D2D UE303がeNB305よりもUE301に対して近いときに、用語としての「近い」は、D2D UE303とUE301との間の距離が、UE301とeNB305との間の距離よりも短いことを指している。同様に、eNB305がD2D UE303よりもUE301に近いと記述されるときは、UE301とeNB305との間の距離が、UE301とD2D UE303との間の距離よりも短い。
【0022】
以下では、セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300においてUE301が本開示にしたがって異なる切り替えシナリオにおいていかにして適切に動作するかを示すために、六つの切り替えのシナリオが説明される。
【0023】
第一のシナリオにおいて、UE301は、まず、eNB305に対してTA_cell1でもってセルラーサブフレームを送信し、D2D UE303に対してTA_D2DでもってD2Dサブフレームを送信する。TA_cell1は
図5aに示すようにTA_D2Dよりも長くてもよいし、等しくてもよく、または、TA_cell1は
図5bに示すようにTA_D2Dよりも短くてもよい。
【0024】
図5aにおける前者のケースでは、セルラーサブフレームとD2Dサブフレームとの間の重なり(オーバーラップ)は生じない。つまり、セルラーサブフレームは、UE301がD2D UE303に対してTA_D2DでもってD2Dサブフレームの送信を開始する前に、UE301によって完全に送信可能となる。したがって、UE301は、この切り替え時に適切に動作でき、この切り替えを取り扱うための特別な手段は適用される必要がない。
【0025】
図5bにおける後者のケースでは、D2Dサブフレームの開始位置におけるOFDMシンボルが、セルラーサブフレームの終了位置におけるシンボルに重なりうる。セルラーサブフレームの送信がD2Dサブフレームの送信によって影響を受けないためには、GPはD2Dサブフレームの開始位置に設定されてもよい。GPの設定に依拠してセルラーサブフレームがD2Dサブフレームの送信によって影響を受けないため、セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300において送信されるデータを失うリスクが減少する。
【0026】
第二のシナリオにおいて、UE301は、まず、D2D UE303に対してTA_D2DでもってD2Dサブフレームを送信し、eNB305に対してTA_cell1でもってセルラーサブフレームを送信する。TA_cell1は
図5cに示すようにTA_D2Dよりも長くてもよいし、等しくてもよく、または、TA_cell1は
図5dに示すようにTA_D2Dよりも短くてもよい。
【0027】
図5cにおける前者のケースでは、D2Dサブフレームの終了位置におけるOFDMシンボルが、セルラーサブフレームの開始位置におけるシンボルに重なりうる。セルラーサブフレームの送信がD2Dサブフレームの送信によって影響を受けないためには、GPはD2Dサブフレームの終了位置に設定されてもよい。GPの設定に依拠してセルラーサブフレームがD2Dサブフレームの送信によって影響を受けないため、セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300において送信されるデータを失うリスクが削減される。
【0028】
図5dにおける後者のケースでは、D2Dサブフレームとセルラーサブフレームの間の重なり(オーバーラップ)は生じない。つまり、D2Dサブフレームは、UE301がD2D UE305に対してTA_cell1でもってセルラーサブフレームの送信を開始する前に、UE301によって完全に送信可能となる。したがって、UE301は、この切り替え時に適切に動作でき、この切り替えを取り扱うための特別な手段は適用される必要がない。
【0029】
第三のシナリオにおいて、UE301は、まず、eNB305に対してTA_cell2でもってセルラーサブフレームを送信し、たとえば、D2D UE303などのD2D TX UEからD2Dサブフレームを受信するよう、D2D RX UE301として機能する。D2Dサブフレームは、TA_D2DでもってD2D TX UE303から送信され、D2D TX UE303からD2D RX UE301へ送信遅延T_TransDelayを受ける。TA_cell2は
図6aに示すようにTA_D2DからT_TransDelayを減算したものよりも長くてもよいし、等しくてもよく、または、TA_cell2は
図6bに示すようにTA_D2DからT_TransDelayを減算したものよりも短くてもよい。
【0030】
図6aにおける前者のケースでは、セルラーサブフレームとD2Dサブフレームとの間の重なり(オーバーラップ)は生じない。つまり、セルラーサブフレームは、D2DサブフレームがD2D RX UE303に到着する前に、UE301によって完全に送信可能となる。したがって、UE301は、この切り替え時に適切に動作でき、この切り替えを取り扱うための特別な手段は適用される必要がない。
【0031】
図6bにおける後者のケースでは、D2Dサブフレームの開始位置におけるOFDMシンボルが、セルラーサブフレームの終了位置におけるシンボルに重なりうる。D2Dサブフレームのデータの消失を回避するために、GPはD2Dサブフレームの開始位置に設定されてもよい。
【0032】
第四のシナリオにおいて、UE301は、まず、D2Dサブフレームを受信するためにD2D RX UEとして機能し、eNB305に対してTA_cell2でもってセルラーサブフレームを送信する。D2Dサブフレームは、TA_D2DでもってD2D TX UE、たとえば、D2D UE303から送信され、D2D TX UE303からD2D RX UE301へ送信遅延T_TransDelayを受ける。TA_cell2は
図6cに示すようにTA_D2DからT_TransDelayを減算したものよりも長くてもよいし、等しくてもよく、または、TA_cell2は
図6dに示すようにTA_D2DからT_TransDelayを減算したものよりも短くてもよい。
【0033】
図6cにおける前者のケースでは、D2Dサブフレームの終了位置におけるOFDMシンボルが、セルラーサブフレームの開始位置におけるシンボルに重なりうる。D2Dサブフレームのデータの消失を回避するために、GPはD2Dサブフレームの終了位置に設定されてもよい。
【0034】
図6dにおける後者のケースでは、セルラーサブフレームとD2Dサブフレームとの間の重なり(オーバーラップ)は生じない。つまり、D2Dサブフレームは、UE301がセルラーサブフレームの送信を開始する前に、UE301によって完全に受信可能となる。したがって、UE301は、この切り替え時に適切に動作でき、この切り替えを取り扱うための特別な手段は適用される必要がない。
【0035】
第五シナリオにおいて、UE301は、まず、D2D UE303に対してD2Dサブフレームを送信するためにD2D TX UEとして機能し、D2D UE303からD2Dサブフレームを受信するよう、D2D RX UEとして機能する。
図7aに示すように、このシナリオでは、D2D TX UE301からD2D RX UE303へのD2Dサブフレームの送信遅延と、D2D TXサブフレームの送信のためのTAとに依拠して、D2D TXサブフレームとD2D TXサブフレームの重なりは生じない。したがって、UE301は、この切り替え時に適切に動作でき、この切り替えを取り扱うための特別な手段は適用される必要がない。
【0036】
第六シナリオにおいて、UE301は、まず、D2Dサブフレームを受信するためにD2D RX UEとして機能し、D2Dサブフレームを送信するためにD2D TX UEとして機能する。
図7bに示したように、このシナリオでは、D2D RXサブフレームの終了位置におけるOFDMシンボルが、D2D TXサブフレームの開始位置におけるシンボルに重なりうる。この重なりは状況の違いに依拠している。DLタイミングの使用とUL TAの使用といった、2つのD2Dサブフレームの送信タイミングが潜在的に可能である。同様に、DLタイミングの使用とUL TAの使用といった、2つのD2Dサブフレームの受信タイミングが潜在的に可能である。重なりは、UE301とD2D UE303との位置にも関連している(eNB305に対して一方が最も近い)。しかし、一般にD2D RXからD2D TXへの切り替え時に重なりが生じる。D2Dサブフレームのデータの消失を回避するために、GPはD2D TXサブフレームの開始位置またはD2D RXサブフレームの終了位置、あるいはこの両方に設定されてもよい。
【0037】
当業者であれば理解できるように、第三および第四の切り替えシナリオを扱うためには、D2D TX UEは、TA_cell2とT_TransDelayとを明示的にまたは黙示的にD2D RX UEによって必要とされる。
【0038】
要するに、セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300においてUE301が上述したシナリオにおいて適切に動作することを保証するために、セルラーおよびD2D混在型ネットワーク300においてUE301が実行する通信方法が提供されうる。
図8に示すように、本方法はステップS220を含んでおり、このステップにおいてUE、たとえば、301は、無線フレーム構造にしたがってセルラーおよびD2D混在型ネットワーク300において通信し、ここで無線フレーム構造は、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にガード期間GPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含む。オプションとして、S220の前に、本方法は、S210を含んでもよく、このステップでUE301は、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にガード期間GPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定してもよい。
【0039】
好ましくは、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームよりも後にD2Dサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含みうる。
【0040】
好ましくは、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームよりも後にD2Dサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含むように決定されてもよい。
【0041】
好ましくは、無線フレーム構造は、D2Dサブフレームよりも後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含みうる。
【0042】
好ましくは、無線フレーム構造は、D2Dサブフレームよりも後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含むように決定されてもよい。
【0043】
好ましくは、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームが送信された後にD2Dサブフレームが受信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含みうる。
【0044】
好ましくは、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームが送信された後にD2Dサブフレームが受信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含むように決定されてもよい。
【0045】
好ましくは、無線フレーム構造は、D2Dサブフレームが受信された後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含みうる。
【0046】
好ましくは、無線フレーム構造は、D2Dサブフレームが受信された後にセルラーサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含むように決定されてもよい。
【0047】
好ましくは、無線フレーム構造は、第一のD2Dサブフレームが受信された後に第二のD2Dサブフレームが送信される場合、第二のD2Dサブフレームがその後に続く第一のD2Dサブフレームであって、終了位置にGPを有する第一のD2Dサブフレームおよび/または第二のD2Dサブフレームの開始位置にGPを有するような、第一のD2Dサブフレームを含みうる。
【0048】
好ましくは、無線フレーム構造は、第一のD2Dサブフレームが受信された後に第二のD2Dサブフレームが送信される場合、第二のD2Dサブフレームがその後に続く第一のD2Dサブフレームであって、終了位置にGPを有する第一のD2Dサブフレームおよび/または第二のD2Dサブフレームの開始位置にGPを有するような、第一のD2Dサブフレームを含むように決定されてもよい。
【0049】
D2Dサブフレームの開始位置および/または終了位置におけるGPの設定(配置)は、明示的にまたは黙示的に、一方のUEから他方のUEへ、たとえば、UE301がD2D TX UEであるときに、UE301から、D2D UE303がD2D RX UEであるときに、UE303へ信号伝達可能である。追加的に、このシグナリングは、たとえば、eNB305など、ネットワークによってアシスト(補助)されてもよい。代替え的に、UE、たとえば、D2D RX UEは、受信したOFDMシンボルの信号強度を測定し、ブランクのシンボル(このシンボルの信号強度は干渉と同程度のレベルである)をGPと決定することによって、GPをブラインド検出してもよい。
【0050】
一つのOFDMシンボルの継続時間は、D2Dサブフレームの開始位置または終了位置におけるGPのために十分に大きなものであってもよい。一例として通常のサイクリックプリフィックス(CP)のケースを挙げると、一つのサブフレームは14個のOFDMシンボルを有している。各シンボルは、21kmに相当する約71マイクロ秒の継続時間を有している。これは、相互に近接しているUE間で典型的に発生するD2D通信にとって十分に大きな値である。
図9はD2Dサブフレームの例示的な構造を示している。
図9はハッチングを施された矩形によって表現された二つのGPを示している。各GPは一つのOFDMシンボルに相当する継続時間を有しており、各GPはD2Dサブフレームの開始位置と終了位置に設定されている。
図9において白色の矩形のそれぞれはD2DデータのためのOFDMシンボルを示している。トータルとして、
図9は、D2Dデータと2個のGPのための12個のOFDMシンボルを示している。
【0051】
以下では、本開示に従ったUE301の構造が
図10を参照しながら説明される。
【0052】
図10に示すように、UE301は無線フレーム構造にしたがってセルラーおよびD2D混在型ネットワーク300において送信および受信を実行する通信機1020を有しており、ここで無線フレーム構造は、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にGPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含む。通信機1020が送信と受信とを実行するときに、通信機1020は通信すると記述されてもよい。オプションとして、UE301は、無線フレーム構造決定ユニット1010を含んでもよく、このユニットは、D2Dサブフレームの終了位置または開始位置にGPを有している少なくとも一つのD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定するように構成されうる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造は、D2Dサブフレームがセルラーサブフレームよりも後にUE301によってD2D UE303へ送信され、かつ、セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含む。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームがD2Dサブフレームよりも後にUE301によってeNB205へ送信され、かつ、セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含む。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造は、セルラーサブフレームがUE301によってeNBへ送信された後にD2DサブフレームがD2D UE303からUE301によって受信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含む。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造は、D2DサブフレームがUE301によってD2D UE303から受信された後にセルラーサブフレームがeNB305へUE301によって送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含む。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造は、第一のD2Dサブフレームが受信された後に第二のD2DサブフレームがUE301によってD2D UE303へ送信される場合、第二のD2Dサブフレームがその後に続く第一のD2Dサブフレームであって、第一のD2Dサブフレームの終了位置にGPを有し、および/または第二のD2Dサブフレームの開始位置にGPを有するような、第一のD2Dサブフレームを含む。
【0058】
GPは一つのOFDMシンボルの継続時間に相当してもよい。
【0059】
好ましくは、無線フレーム構造決定ユニット1010は、セルラーサブフレームよりも後にUE301によってD2D UE303へD2Dサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定するように構成されてもよい。
【0060】
好ましくは、無線フレーム構造決定ユニット1010は、D2Dサブフレームよりも後にUE301によってeNB305へセルラーサブフレームが送信され、かつ、セルラーサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_cellがD2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定するように構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造決定ユニット1010は、セルラーサブフレームがUE301によってeNBへ送信された後にD2DサブフレームがD2D UE303からUE301によって受信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも短い場合に、GPを開始位置に有するD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定するように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、無線フレーム構造決定ユニット1010は、D2DサブフレームがD2D UE303からUE301によって受信された後に、セルラーサブフレームがUE301によってeNB305へ送信され、かつ、セルラーサブフレームのタイミングアドバンスTA_cellが、D2Dサブフレームを送信するためのタイミングアドバンスTA_D2Dから、D2D TXからD2D RXへのD2Dサブフレームの送信遅延T_TransDelayを減算したものよりも長いか等しい場合に、GPを終了位置に有するD2Dサブフレームを含むように無線フレーム構造を決定するように構成されてもよい。
【0063】
好ましくは、無線フレーム構造決定ユニット1010は、第一のD2DサブフレームがD2D UE303からUE301によって受信された後に第二のD2DサブフレームがUE301によってD2D UE303へ送信される場合、第二のD2Dサブフレームがその後に続く第一のD2Dサブフレームであって、第一のD2Dサブフレームの終了位置にGPを有し、および/または第二のD2Dサブフレームの開始位置にGPを有するような、第一のD2Dサブフレームを含む無線フレーム構造を決定するように構成されてもよい。
【0064】
本開示は、本開示の実施形態を参照しながら以上で説明された。しかし、これらの実施形態は本開示を限定するものではなく、図解目的で提供されている。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲だけでなく、その均等物によって定義される。当業者であれば、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な置換や変形を行うことが可能であり、これらも本開示の範囲に含まれる。