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特許6208875セキュアメディアベース会議のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208875
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】セキュアメディアベース会議のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/56 20060101AFI20170925BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20170925BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04M3/56 C
   H04N7/15 150
   H04L12/70 D
【請求項の数】27
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-539273(P2016-539273)
(86)(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公表番号】特表2017-502586(P2017-502586A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014060165
(87)【国際公開番号】WO2015054655
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2016年6月13日
(31)【優先権主張番号】14/289,109
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/289,122
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/889,926
(32)【優先日】2013年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/289,138
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515266360
【氏名又は名称】エディファイアー・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Edifire LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ルドコフスキー、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ゲップ、ダニエル ピー.
【審査官】 衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−306683(JP,A)
【文献】 特開2002−330178(JP,A)
【文献】 特表2011−523239(JP,A)
【文献】 特表2005−535156(JP,A)
【文献】 特開2013−118668(JP,A)
【文献】 特表2011−510531(JP,A)
【文献】 武井 健太郎 他,インターネット上のマルチメディアセッションに関するシグナリングプロトコルの相互接続に関する研究,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO 2000)シンポジウム論文集,2000年 6月28日,第2000巻,第7号,p.493〜498
【文献】 真鍋 敬士,プレイパーソナルLinux第44回,UNIX USER,1998年 2月 1日,第7巻,第2号,p.41〜48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/56
H04L 12/70
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのコンピュータ化された方法であって、
サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1の呼処理モジュールにおいて、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を発信元エンドポイント・デバイスから受信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ割り振る工程と
前記第1の呼処理モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様と、前記発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置と、前記会議呼を確立する前記要求とに基づき、第1の会議呼属性を決定する会議呼属性決定工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性に基づき、会議呼資源の可用性を決定する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源が利用可能な場合、前記会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性を前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1のメディア・モジュールへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、互いのエンドポイント・デバイスに関連する第2の会議呼属性の解析に基づき、前記会議呼を処理する前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールを選択する工程であって、前記第2の会議呼属性は、前記エンドポイント・デバイスの技術仕様と、前記エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記エンドポイント・デバイスの地理的位置とに基づく、工程と、
前記第1のメディア・モジュールが、会議メディア・フローの開始のために、前記発信元エンドポイント・デバイスと選択された前記会議セッション・モジュールとの間の第1のメディア・フローを確立する工程と、
前記会議セッション・モジュールが、前記第2の会議呼属性に基づき、残りのエンドポイント・デバイスを前記会議呼へ接続する工程であって、前記残りのエンドポイント・デバイスからのメディア・フローは、前記第1のメディア・モジュールとは異なる少なくとも1つの他のメディア・モジュールと前記第1の呼処理モジュールとは異なる少なくとも
1つの他の呼処理モジュールとを介して前記会議セッション・モジュールにおいて前記会議メディア・フローに加わる、接続工程と、を備える方法。
【請求項2】
会議呼を確立する前記要求は、発信元エンドポイント識別子、宛先エンドポイント識別子、会議識別子、シグナリング・プロトコル属性、前記発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ハードウェア・プラットフォーム、および前記発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の呼処理モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスを前記発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子にマッピングする工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記会議呼属性決定工程は、前記第1の呼処理モジュールへ結合されたデータベースから、前記発信元エンドポイント・デバイスに関連する前記ユーザの前記識別子に基づき、前記発信元エンドポイント・デバイスに関連する前記ユーザのパーミッションを決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パーミッションは、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供される会議呼ルーティング機能へのアクセス、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供される会議呼強化機能へのアクセス、会議呼受信者へのアクセス、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供されるハードウェア資源へのアクセス、および前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供されるソフトウェア資源へのアクセスを規定する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記会議呼資源識別子は、前記会議呼を確立する前記要求を送信するために前記発信元エンドポイント・デバイスによって使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームに関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接続工程は、前記会議セッション・モジュールが、前記会議呼に加わるための他のエンドポイント・デバイスからの要求を受信する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の呼処理モジュールが、前記会議呼を確立する前記要求に関連する宛先エンドポイント識別子に基づき、前記会議呼資源識別子を修正する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメディア・フローを確立する工程は、前記第1のメディア・モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスによって使用される第1のシグナリング・プロトコルを前記会議呼によって使用される第2のシグナリング・プロトコルに変換する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記会議呼を確立する前記要求は前記発信元エンドポイント・デバイスのユーザに関連するユーザ識別クレデンシャルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の呼処理モジュールが、前記ユーザ識別クレデンシャルに基づき前記発信元エンドポイント・デバイスの前記ユーザを認証する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記発信元エンドポイント・デバイスは、前記他のエンドポイント・デバイスの少なくとも1つとは異なる会議呼ソフトウェア・プラットフォームを動作させる、請求項1に記
載の方法。
【請求項13】
前記サーバ・コンピューティング・デバイスは、複数の独立し地理的に分散したノードからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのシステムであって、
サーバ・コンピューティング・デバイスを備え、前記サーバ・コンピューティング・デバイスは、プロセッサおよびメモリモジュールを備え、
前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1の呼処理モジュールにおいて、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を発信元エンドポイント・デバイスから受信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ割り振る工程と
前記第1の呼処理モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様と、前記発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置と、前記会議呼を確立する前記要求とに基づき、第1の会議呼属性を決定する会議呼属性決定工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性に基づき、会議呼資源の可用性を決定する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源が利用可能な場合、前記会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性を前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1のメディア・モジュールへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、互いのエンドポイント・デバイスに関連する第2の会議呼属性の解析に基づき、前記会議呼を処理する前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールを選択する工程であって、前記第2の会議呼属性は、前記エンドポイント・デバイスの技術仕様と、前記エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記エンドポイント・デバイスの地理的位置とに基づく、工程と、
前記第1のメディア・モジュールが、会議メディア・フローの開始のために、前記発信元エンドポイント・デバイスと前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の選択された前記会議セッション・モジュールとの間の第1のメディア・フローを確立する工程と、
前記会議セッション・モジュールが、前記第2の会議呼属性に基づき、残りのエンドポイント・デバイスを前記会議呼へ接続する工程であって、前記残りのエンドポイント・デバイスからのメディア・フローは、前記第1のメディア・モジュールとは異なる少なくとも1つの他のメディア・モジュールと前記第1の呼処理モジュールとは異なる少なくとも1つの他の呼処理モジュールとを介して前記会議セッション・モジュールにおいて前記会議メディア・フローに加わる、接続工程と、を行うように構成されている、システム。
【請求項15】
会議呼を確立する前記要求は、発信元エンドポイント識別子、宛先エンドポイント識別子、会議識別子、シグナリング・プロトコル属性、前記発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ハードウェア・プラットフォーム、および前記発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の呼処理モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスを前記発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子にマッピングする工程をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記会議呼属性決定工程は、前記第1の呼処理モジュールへ結合されたデータベースから、前記発信元エンドポイント・デバイスに関連する前記ユーザの前記識別子に基づき、
前記発信元エンドポイント・デバイスに関連する前記ユーザのパーミッションを決定する工程をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記パーミッションは、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供される会議呼ルーティング機能へのアクセス、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供される会議呼強化機能へのアクセス、会議呼受信者へのアクセス、前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供されるハードウェア資源へのアクセス、および前記サーバ・コンピューティング・デバイスによって提供されるソフトウェア資源へのアクセスを規定する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記会議呼資源識別子は、前記会議呼を確立する前記要求を送信するために前記発信元エンドポイント・デバイスによって使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームに関連付けられている、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記接続工程は、前記会議セッション・モジュールが、前記会議呼に加わるための他のエンドポイント・デバイスからの要求を受信する工程を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の呼処理モジュールが、前記会議呼を確立する前記要求に関連する宛先エンドポイント識別子に基づき、前記会議呼資源識別子を修正する工程をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1のメディア・フローを確立する工程は、前記第1のメディア・モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスによって使用される第1のシグナリング・プロトコルを前記会議呼によって使用される第2のシグナリング・プロトコルに変換する工程をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記会議呼を確立する前記要求は前記発信元エンドポイント・デバイスのユーザに関連するユーザ識別クレデンシャルを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の呼処理モジュールが、前記ユーザ識別クレデンシャルに基づき前記発信元エンドポイント・デバイスの前記ユーザを認証するようにさらに構成されている、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記発信元エンドポイント・デバイスは、前記他のエンドポイント・デバイスの少なくとも1つとは異なる会議呼ソフトウェア・プラットフォームを動作させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記サーバ・コンピューティング・デバイスは、複数の独立し地理的に分散したノードからなる、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
非一時的なコンピュータ可読記憶デバイスにより有形に具現される、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのコンピュータプログラム製品であって、サーバ・コンピューティング・デバイスに、
前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1の呼処理モジュールにおいて、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を発信元エンドポイント・デバイスから受信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ割り振る工程と
前記第1の呼処理モジュールが、前記発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様と、
前記発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置と、前記会議呼を確立する前記要求とに基づき、第1の会議呼属性を決定する会議呼属性決定工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性に基づき、会議呼資源の可用性を決定する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、会議呼資源が利用可能な場合、前記会議呼資源識別子を前記発信元エンドポイント・デバイスへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、前記第1の会議呼属性を前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の第1のメディア・モジュールへ送信する工程と、
前記第1の呼処理モジュールが、互いのエンドポイント・デバイスに関連する第2の会議呼属性の解析に基づき、前記会議呼を処理する前記サーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールを選択する工程であって、前記第2の会議呼属性は、前記エンドポイント・デバイスの技術仕様と、前記エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子と、前記エンドポイント・デバイスの地理的位置とに基づく、工程と、
前記第1のメディア・モジュールが、会議メディア・フローの開始のために、前記発信元エンドポイント・デバイスと選択された前記会議セッション・モジュールとの間の第1のメディア・フローを確立する工程と、
前記会議セッション・モジュールが、前記第2の会議呼属性に基づき、残りのエンドポイント・デバイスを前記会議呼へ接続する工程であって、前記残りのエンドポイント・デバイスからのメディア・フローは、前記第1のメディア・モジュールとは異なる少なくとも1つの他のメディア・モジュールと前記第1の呼処理モジュールとは異なる少なくとも1つの他の呼処理モジュールとを介して前記会議セッション・モジュールにおいて前記会議メディア・フローに加わる、接続工程と、を行わせるように構成されている命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般的には、セキュアメディアベース会議のための方法およびデバイス(コンピュータプログラム製品を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
メディアベース(すなわち、ビデオおよび/または音声)会議は伝統的に、セキュリティ、呼強化(call enhancement)、および相互運用(interoperability)特徴に欠けてきた。通常、会議呼は、ネットワークおよび会議呼システムに知られており既に認証されたエンドポイント間のプライベートネットワーク上で発生する。いくつかのケースでは、これらのプライベートネットワークは、特定ベンダーのプロプライアタリソフトウェアおよび/またはハードウェア・プラットフォーム上で動作し、したがって、プロプライアタリ技術の範囲外のエンドポイントが会議呼プラットホームにアクセスするのを困難にする。加えて、典型的会議呼シグナリングがエンドポイント間で直接交換されるので、シグナリングのセキュリティの実現をより難しくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、必要なのは、会話型音声応答(IVR:interactive voice response)機能および自動出席(auto attendance)などの呼強化特徴、エンドポイントのパスワード管理、多要素認証および承認(フィルタ処理および許可/拒否機能を含む)などの呼セキュリティ特徴、記録選択肢、規制規則などの呼コンプライアンス特徴、および他の保持/監視特徴を提供するロバストな特徴セットを提供する一方でセキュアメディアベース会議を行うための方法およびシステムである。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ルーティング、パーミッション、認証などに関する動的意志決定を行うためにメディアベース会議呼に関連するシグナリングを遮断する利点を提供する。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、会議呼システムへ接続するエンドポイントのセキュア多要素認証の利点を提供する。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、種々のタイプのソフトウェアおよびハードウェア・プラットフォーム上で動作するエンドポイント間のシームレス相互運用性を有するメディアベース会議の利点を提供する。
【0004】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、メディアベース会議呼の可用性と効率的なルーティングを保証するためにシステムのハードウェアおよびソフトウェア資源を動的に割り振る利点を提供する。例えば、本明細書において説明されるシステムおよび方法により割り振られたハードウェアおよびソフトウェア資源は、メッシュベースフレームワークを介し通信する複数の地理的分散および独立(例えば、同じ物理的領域内に存在しない)ノード上に常駐し得る。この属性は、一般的に使用される従来の「単一ボックス」システムの代わりにコンポーネント化呼システム(componentized call system)の利点をシステムが提供できるようにする。さらに、本システムを含む処理およびモジュールは、所与の会議呼、エンドポイント・デバイスまたはユーザに関してどの行動を取るべきかについて決定する際に、システムの他のノードまたはモジュールに依存すること無く互いに独立して動作し得る。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、「会議呼」を任意の特定物理的インフラストラクチャから分離するという利点を実現する。
【0005】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、上に述べた認証、強化および規制特徴のそれぞれを適用する一方で主会議呼への参加者間の私的サブ会議を可能にするとい
う別の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様では、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのコンピュータ化された方法を特徴とする。サーバ・コンピューティング・デバイス内の呼処理モジュールは、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を発信元エンドポイント・デバイスから受信する。呼処理モジュールは会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイスへ割り振る。呼処理モジュールは、発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様、発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子、発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置、および会議呼を確立する要求のうちの1つまたは複数に基づき会議呼属性を決定する。呼処理モジュールは決定された会議呼属性に基づき会議呼資源の可用性を決定する。呼処理モジュールは、会議呼資源が利用可能な場合、会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイスへ送信する。呼処理モジュールは決定された会議呼属性をサーバ・コンピューティング・デバイス内のメディア・モジュールへ送信する。メディア・モジュールは、会議メディア・フローの開始のために、発信元エンドポイント・デバイスとサーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールとの間の信号接続を確立する。会議セッション・モジュールは決定された会議呼属性に基づき他のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続する。
【0007】
本発明は、別の態様では、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのシステムを特徴とする。本システムは、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を呼処理モジュールにおいて発信元エンドポイント・デバイスから受信するように構成されたサーバ・コンピューティング・デバイスを含む。サーバ・コンピューティング・デバイスは、呼処理モジュールにより会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイスへ割り振るように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様、発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子、発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置、および会議呼を確立する要求のうちの1つまたは複数に基づき、会議呼属性を呼処理モジュールにより決定するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、決定された会議呼属性に基づき、会議呼資源の可用性を呼処理モジュールにより決定するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、会議呼資源が利用可能な場合、発信元エンドポイント・デバイスへ会議呼資源識別子を呼処理モジュールにより送信するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、決定された会議呼属性をサーバ・コンピューティング・デバイス内のメディア・モジュールへ呼処理モジュールにより送信するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、会議メディア・フローの開始のために、発信元エンドポイント・デバイスとサーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールとの間の信号接続をメディア・モジュールにより確立するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、決定された会議呼属性に基づき会議セッション・モジュールにより他のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するように構成される。
【0008】
本発明は、別の態様では、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のための、非一時的なコンピュータ可読記憶デバイス内に明白に具現化されたコンピュータプログラム製品を特徴とする。コンピュータプログラム製品は、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求を呼処理モジュールにおいて発信元エンドポイント・デバイスから受信するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイスへ呼処理モジュールにより割り振るようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、発信元エンドポイント・デバイスの技術仕様、発信元エンドポイント・デバイスに関連するユ
ーザの識別子、発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置、および会議呼を確立する要求のうちの1つまたは複数に基づき会議呼属性を呼処理モジュールにより決定するようサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、決定された会議呼属性に基づき会議呼資源の可用性を呼処理モジュールにより決定するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、会議呼資源が利用可能な場合、発信元エンドポイント・デバイスへ会議呼資源識別子を呼処理モジュールにより送信するようにサーバ・コンピューティング・デバイスをさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、決定された会議呼属性をサーバ・コンピューティング・デバイス内のメディア・モジュールへ呼処理モジュールにより送信するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、会議メディア・フローの開始のために、発信元エンドポイント・デバイスとサーバ・コンピューティング・デバイス内の会議セッション・モジュールとの間の信号接続をメディア・モジュールにより確立するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、決定された会議呼属性に基づき会議セッション・モジュールにより他のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。
【0009】
上記態様のうちの任意のものは、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、会議呼を確立する要求は、発信元エンドポイント識別子、宛先エンドポイント識別子、会議識別子、シグナリング・プロトコル属性、発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ハードウェア・プラットフォーム、および発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームを含み得る。いくつかの実施形態では、呼処理モジュールは、発信元エンドポイント・デバイスを、発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子にマッピングする。いくつかの実施形態では、会議呼属性を決定する工程は、呼処理モジュールへ結合されたデータベースから、発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子に基づき発信元エンドポイント・デバイスに関連するユーザのパーミッションを決定する工程を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、パーミッションは、サーバ・コンピューティング・デバイスにより提供される会議呼ルーティング機能へのアクセス、サーバ・コンピューティング・デバイスにより提供される会議呼強化機能へのアクセス、会議呼受信者へのアクセス、サーバ・コンピューティング・デバイスにより提供されるハードウェア資源へのアクセス、およびサーバ・コンピューティング・デバイスにより提供されるソフトウェア資源へのアクセスを規定する。いくつかの実施形態では、会議呼資源識別子は、会議呼を確立する要求を送信する発信元エンドポイント・デバイスにより使用される会議呼ソフトウェア・プラットフォームに関連付けられる。いくつかの実施形態では、接続工程は、会議呼に加わるための他のエンドポイント・デバイスからの要求を会議セッション・モジュールにより受信する工程を含む。いくつかの実施形態では、呼処理モジュールは、会議呼を確立する要求に関連する宛先エンドポイント識別子に基づき会議呼資源識別子を修正する。
【0011】
いくつかの実施形態では、信号接続をメディア・モジュールにより確立する工程は、発信元エンドポイント・デバイスにより使用される第1のシグナリング・プロトコルを会議呼により使用される第2のシグナリング・プロトコルへメディア・モジュールにより変換する工程を含む。いくつかの実施形態では、会議呼を確立する要求は、発信元エンドポイント・デバイスのユーザに関連するユーザ識別クレデンシャルを含む。いくつかの実施形態では、呼処理モジュールはユーザ識別クレデンシャルに基づき発信元エンドポイント・デバイスのユーザを認証する。いくつかの実施形態では、発信元エンドポイント・デバイスは、他のエンドポイント・デバイスの少なくとも1つとは異なる会議呼ソフトウェア・
プラットフォームを動作させる。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは複数の独立した地理的分散ノードからなる。
【0012】
本発明は、別の態様ではメディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議を確立するためのコンピュータ化された方法を特徴とする。サーバ・コンピューティング・デバイスは、主会議呼に参加する第1のエンドポイント・デバイスからのサブ会議を確立する要求であって主会議呼に参加する第2のエンドポイント・デバイスに関連する識別子を含む要求を受信する。サーバ・コンピューティング・デバイスは、サブ会議を確立する要求に基づき主会議呼とは別の呼インスタンスを開始する。サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを主会議呼から分離すること無く第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを別の呼インスタンスへ結合する。サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローを確立し、主会議呼は、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローへのアクセスを妨げられる。
【0013】
本発明は、別の態様では、メディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議を確立するシステムを特徴とする。本システムは、主会議呼に参加する第1のエンドポイント・デバイスからのサブ会議を確立する要求であって主会議呼に参加する第2のエンドポイント・デバイスに関連する識別子を含む要求を受信するように構成されたサーバ・コンピューティング・デバイスを含む。サーバ・コンピューティング・デバイスは、サブ会議を確立する要求に基づき主会議呼とは別の呼インスタンスを開始するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを主会議呼から分離すること無く第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを別の呼インスタンスへ結合するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローを確立するように構成され、主会議呼は第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローへのアクセスを妨げられる。
【0014】
本発明は、別の態様では、メディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議を確立するための、コンピュータ可読格納デバイス内に明白に具現化されたコンピュータプログラム製品を特徴とする。コンピュータプログラム製品は、主会議呼に参加する第1のエンドポイント・デバイスからのサブ会議を確立する要求であって主会議呼に参加する第2のエンドポイント・デバイスに関連する識別子を含む要求を受信するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、サブ会議を確立する要求に基づき主会議呼とは別の呼インスタンスを開始するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを主会議呼から分離すること無く第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを別の呼インスタンスへ結合するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローを確立するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含み、主会議呼は第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイス間のシグナリングおよびメディア・フローへのアクセスを妨げられる。
【0015】
上記態様のうちの任意のものは、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、第2のエンドポイント・デバイスに関連する識別子に基づきサブ会議を第2のエンドポイント・デバイスへ結合する要求を送信する。いくつかの実施形態では、呼インスタンスを初期化する工程は、主会議呼に参加する他のエンドポイント・デバイスに、第1のエンドポイント・デバイスからのサブ会議を確立する要求をサーバ・コンピューティング・デバイスにより通知することを含む。いくつかの実施形態では、通知する工程は、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスに関連するプレゼンス情報であって主会議呼に参加する他のエンドポイント・デバイスから見ることができるプレゼンス情報を変更することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスを別の呼インスタンスへ結合する前に第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスの少なくとも1つを認証する。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、別の呼インスタンスを介し第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスとの間で交換されるメディアを記録する。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、別の呼インスタンスを開始することに関連する1つまたは複数の規則を決定する。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、サブ会議を確立する要求が規則のうちの1つに準拠しない場合、別の呼インスタンスを開始しない。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の規則はプライバシー要件および/または規制要件に基づく。いくつかの実施形態では、主会議呼に参加するエンドポイント・デバイスは規則に合致する。
【0017】
いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイスは、主会議呼の1つまたは複数のコンテキスト属性を決定し該1つまたは複数のコンテキスト属性を別の呼インスタンスへ適用する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンテキスト属性は、呼ルーティング特徴、呼強化特徴、シグナリング・プロトコル属性、トランスコーディングおよび記録属性を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスとの間で交換されるメディアは音声情報である。いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスとの間で交換されるメディアは映像情報および音声情報である。いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスと第2のエンドポイント・デバイスとの間で交換されるメディアはテキスト情報である。
【0019】
本発明は、別の態様ではメディアベース会議呼に参加するエンドポイント・デバイスを認証するコンピュータ化された方法を特徴とする。サーバ・コンピューティング・デバイスの呼処理モジュールは、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議呼を確立する要求であって第1のエンドポイント・デバイスのユーザに関連するクレデンシャルとエンドポイント・デバイスに関連する属性とを含む要求を受信する。呼処理モジュールは、クレデンシャルに基づき第1のエンドポイント・デバイスのユーザの識別子を決定する。呼処理モジュールは、第1のエンドポイント・デバイスに関連する属性に基づき会議呼アクセスのレベルを決定する。呼処理モジュールは、会議呼機能に関連する一組のパーミッションを含むユーザ・プロファイルをユーザの識別子に基づき取り出す。呼処理モジュールは、第1のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するか否かをユーザ・プロファイルと会議呼アクセスのレベルとに基づき決定する。
【0020】
本発明は、別の態様ではメディアベース会議呼に参加するエンドポイント・デバイスを認証するためのシステムを特徴とする。本システムは、複数のエンドポイント・デバイス
間の会議呼を確立する要求であって第1のエンドポイント・デバイスのユーザに関連するクレデンシャルとエンドポイント・デバイスに関連する属性を含む要求をサーバ・コンピューティング・デバイスの呼処理モジュールにおいて受信するように構成されたサーバ・コンピューティング・デバイスを含む。サーバ・コンピューティング・デバイスは、クレデンシャルに基づき第1のエンドポイント・デバイスのユーザの識別子を呼処理モジュールにおいて決定するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスに関連する属性に基づき会議呼アクセスのレベルを呼処理モジュールにおいて決定するように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、会議呼機能に関連する一組のパーミッションを含むユーザ・プロファイルをユーザの識別子に基づき呼処理モジュールにより取り出すように構成される。サーバ・コンピューティング・デバイスは、第1のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するか否かをユーザ・プロファイルと会議呼アクセスのレベルとに基づき呼処理モジュールにより決定するように構成される。
【0021】
本発明は、別の態様では、メディアベース会議呼に参加するエンドポイント・デバイスを認証するための、非一時的なコンピュータ可読記憶デバイス内に明白に具現化されたコンピュータプログラム製品を特徴とする。コンピュータプログラム製品は、複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立する要求であって第1のエンドポイント・デバイスのユーザに関連するクレデンシャルとエンドポイント・デバイスに関連する属性を含む要求をサーバ・コンピューティング・デバイスの呼処理モジュールにおいて受信するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、クレデンシャルに基づき第1のエンドポイント・デバイスのユーザの識別子を呼処理モジュールにおいて決定するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、第1のエンドポイント・デバイスに関連する属性に基づき会議呼アクセスのレベルを呼処理モジュールにおいて決定するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、ユーザの識別子に基づくユーザ・プロファイルであって会議呼機能に関連する一組のパーミッションを含むユーザ・プロファイルを呼処理モジュールにより取り出すようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。コンピュータプログラム製品は、ユーザ・プロファイルと会議呼アクセスのレベルとに基づき第1のエンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するか否かを呼処理モジュールにより決定するようにサーバ・コンピューティング・デバイスにさせるように動作可能な命令を含む。
【0022】
上記態様のうちの任意のものは、以下の特徴の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスのユーザに関連するクレデンシャルは、パスワード、ユーザ名、証明書、またはバイオメトリック特徴を含む。他のクレデンシャルはユーザに関連付けられ得、本発明の範囲から逸脱すること無く上記態様と併せて使用され得るということを理解すべきである。いくつかの実施形態では、クレデンシャルは、要求が送信される時点で第1のエンドポイント・デバイスのユーザにより提供される。いくつかの実施形態では、クレデンシャルは第1のエンドポイント・デバイスにより自動的に決定される。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスの属性は、デバイス識別子、位置または発信元アドレスを含む。いくつかの実施形態では、会議呼アクセスのレベルを決定する工程は、第1のエンドポイント・デバイスによる使用に利用可能なハードウェアおよび/またはソフトウェア資源を決定する工程と、第1のエンドポイント・デバイスによる使用に利用可能でないハードウェアおよび/またはソフトウェア資源を決定すること工程とを含む。いくつかの実施形態では、第1のエンドポイント・デバイスのユーザの識別子を決定する工程は、クレデンシャルに基づきデータベースからユーザに関連する識
別子を取り出す工程を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ユーザ・プロファイルはディレクトリから取り出される。いくつかの実施形態では、ディレクトリはライトウェイト・ディレクトリ・アクセス・プロトコル(LDAP:Lightweight Directory Access Protocol)に基づく。いくつかの実施形態では、ディレクトリはアクティブ・ディレクトリ(AD:Active Directory)サービスに基づく。いくつかの実施形態では、ディレクトリはセキュリティ・アサーション・マークアップ言語(SAML:Security Assertion Markup Language)データ形式に基づく。他のタイプのディレクトリが本発明の範囲から逸脱すること無く上記態様と併せて使用され得るということを理解すべきである。
【0025】
いくつかの実施形態では、ユーザ・プロファイルは、ユーザが参加することができる会議呼を規定する規則を含む。いくつかの実施形態では、一組のパーミッションは、第1のエンドポイント・デバイスが接続することができる宛先エンドポイント・デバイスのリスト、第1のエンドポイント・デバイスが接続することができない宛先エンドポイント・デバイスのリスト、第1のエンドポイント・デバイスが接続することができるユーザのリスト、および第1のエンドポイント・デバイスが接続することができないユーザのリストを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、呼処理モジュールは会議呼中に第1のエンドポイント・デバイスの認証を定期的に繰り返す。いくつかの実施形態では、呼処理モジュールは多要素認証を行う。
【0027】
本発明の他の態様および利点は、単に一例として本発明の原理を示す添付図面と併せ以下の詳細説明から明らかになる。
上記本発明の利点は、別の利点と共に、添付図面と併せて記載する以下の説明を参照することにより、より良く理解され得る。添付図面は必ずしも原寸に比例しておらず、その代わりに全体として本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのシステムのブロック図。
図2】本発明の一実施形態による、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議の方法の流れ図。
図3】本発明の一実施形態による、複数のエンドポイント間のメディアベース会議のためのシステムのブロック図。
図4】本発明の一実施形態による、会議呼に参加するエンドポイント・デバイスを認証する方法の流れ図。
図5】本発明の一実施形態による、会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議の確立のためのシステムのブロック図。
図6】本発明の一実施形態による、会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議を確立する方法の流れ図。
図7】本発明の一実施形態による、複数のエンドポイント間のメディアベース会議のためのネットワークシステムのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施形態による、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のためのシステム100のブロック図である。システム100は、複数のエンドポイント・デバイス102a、102b、通信ネットワーク104、シグナリング・プロ
キシ107を含むサーバ・コンピューティング・デバイス106、呼処理モジュール108a、メディア・モジュール108b、会議セッション・モジュール108c、およびデータベース110を含む。
【0030】
複数のエンドポイント・デバイス102a、102bは、他のエンドポイントと共に会議呼と他のメディア通信セッションを開始しそれに参加するために通信ネットワーク104を介しサーバ・コンピューティング・デバイス106へ接続する。例示的エンドポイント・デバイスはデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯デバイス、スマートフォンおよびインターネット家電を含む。サーバ・コンピューティング・デバイス106へ接続することができる他のタイプのコンピューティング・デバイスが本発明の範囲から逸脱すること無く使用され得るということを理解すべきである。いくつかの実施形態では、エンドポイント・デバイス102a、102bは、会議呼クライアントソフトウエアを局所的に実行することができ、および/またはサーバ・コンピューティング・デバイス106へ接続するために別のタイプのユーザインターフェース(例えば、ウェブブラウザ)を使用することができる。会議呼クライアントソフトウエアは、米国ワシントン州レイモンドのマイクロソフト社(Microsoft Corp.)から入手可能なスカイプ(Skype)(商標)などの開放ネットワーク、使用無料/フリーミアムソフトウェア、または米国カルフォニア州マウンテンビューのグーグル社(Google,Inc.)から入手可能なグーグル(Google)(商標)ハングアウツ(Hangouts)、または米国カルフォニア州サンホセのポリコム社(Polycom,Inc)から入手可能なリアルプレゼンス(RealPresence)(登録商標)プラットホームなどの購入可能なクローズドネットワークソフトウェアであり得る。いくつかの実施形態では、会議呼クライアントソフトウエアは、例えば内部使用用に企業により開発されたプロプライアタリプラットホームであり得る。図1は2つのエンドポイント・デバイス102a、102bを描写するが、システム100は任意の数のエンドポイント・デバイスを含み得るということを理解すべきである。
【0031】
通信ネットワーク104は、エンドポイント・デバイス102a、102bがメディアベース会議呼を開始しそれに参加するためにサーバ・コンピューティング・デバイス106と通信できるようにする。ネットワーク104は、LANなどのローカルネットワーク、またはインターネットおよび/またはセルラネットワークなどの広域ネットワークであり得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク104は、エンドポイント・デバイス102a、102bがサーバ・コンピューティング・デバイス106と通信できるようにするいくつかの個別ネットワークおよび/またはサブネットワーク(例えば、セルラ→インターネット)からなる。
【0032】
サーバ・コンピューティング・デバイス106は、複数のエンドポイント・デバイス102a、102b間のメディアベース会議呼を確立し、認証し、容易にし、管理できるようにするハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせである。サーバ・コンピューティング・デバイス106はシグナリング・プロキシ107、呼処理モジュール108a、メディア・モジュール108bおよび会議セッション・モジュール108cを含む。プロキシ107とモジュール108a〜108cは、メディアベース会議呼を確立し、認証し、容易にし、管理することに関連する機能を行うためにサーバ・コンピューティング・デバイス106上に常駐するハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュールである。いくつかの実施形態では、プロキシ107とモジュール108a〜108cの機能は複数のコンピューティング・デバイス間に分散される。多種多様なアーキテクチャ、資源および構成で配置された任意の数のコンピューティング(例えば、クラスター計算、仮想計算、クラウド計算)デバイスが本発明の範囲から逸脱すること無く使用され得るということを理解すべきである。いくつかの実施形態では、プロキシ107とモジュール108a〜108cの機能は、プロキシ107および/またはモジュール108a〜108
cのうちの任意のものが本発明の範囲から逸脱すること無く、本明細書において説明される機能のうちの任意のものを行うことができるように分散され得るということも理解すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、プロキシ107および/またはモジュール108a〜108cの機能は単一モジュールにマージされ得る、または、いくつかの実施形態では、モジュール108a〜108cはプロキシ107へ結合された単一モジュールにマージされ得る。
【0033】
シグナリング・プロキシ107はエンドポイント・デバイス102a、102bとモジュール108a〜108c間に結合される。プロキシ107は、メディアベース会議呼セッションの確立と維持に関係するエンドポイント・デバイス102a、102bから様々なプロトコル(例えば、セッションイニシエーションプロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)、h.323)でシグナリング通信を受信する。他のシグナリング・プロトコルが本発明の範囲から逸脱すること無く使用され得るということを理解すべきである。プロキシ107はエンドポイント・デバイス102a、102bからシグナリング通信を受信し、さらなる処理のためにシグナリングをモジュール108a〜108cへ送信する。
【0034】
いくつかの実施形態では、プロキシ107はシグナリングをモジュール108a〜108cにより処理され得る別のフォーマットに変換する。例えば、プロキシ107は、シグナリングをXMLフォーマット(呼詳細(例えば、ドメインへの、ドメインからの)、エンドポイント・デバイス特有の詳細、ユーザ固有の詳細、および他のタイプの情報などのアイテムを含む)に変換し得、これにより、シグナリングのさらなるカスタム化を提供して、モジュール108a〜108cが各エンドポイント・デバイス102a、102bごとに動的やり方で呼を処理できるようにする。
【0035】
プロキシ107からシグナリングを受信すると、呼処理モジュール108aは、呼を処理するための多くの異なる行為を行い得る。いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108aは、シグナリングを解析し、さらなる処理のために呼をシステム100内の他の資源へ転送する。例えば、呼処理モジュール108aは、インバウンド呼シグナリングが、特定の会議呼ハードウェアおよび/またはソフトウェア・プラットフォームを動作させているエンドポイント・デバイスから発しているということを決定する。プラットホーム決定に基づき、呼処理モジュール108aは、エンドポイント・デバイス102aのプラットホームと通信することができるシステム内の資源へシグナリングを転送し得る。いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108aは、シグナリングを発したエンドポイント・デバイス102aへ応答を戻す。応答は、エンドポイント・デバイスがシグナリングの再ルーティングを行うための呼ルーティング・データ(例えば、URI)を含む。いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108は応答をプロキシ107(例えば、XML)へ戻し、プロキシ107は、宛先エンドポイント・デバイスへのシグナリングセッションのルーティングを処理する。
【0036】
いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108aは、発信元エンドポイント・デバイス102aのユーザおよび/またはシグナリングを発したエンドポイント・デバイス102aのタイプを識別するためにシグナリングを利用する。例えば、呼処理モジュール108aは、発信元エンドポイント・デバイスまたは宛先エンドポイント・デバイスに関連するユーザの識別子を決定するために、シグナリング内のデータ(‘to’アドレス、‘from’アドレス、デバイス識別子、ユーザIDなど)を利用し得る。呼処理モジュール108aは、上記データポイントのうちの任意のものに基づきユーザの詳細を調べるためにデータベース110へアクセスし得る。例えば、シグナリングが‘to’アドレスを含めば、呼処理モジュール108aはデータベース110内の‘to’アドレスに関連するユーザ・プロファイルを検索し得る。このようにして、呼処理モジュール108aはシ
グナリングをユーザにマッピングする。呼処理モジュール108aは次に、当該ユーザの識別子に基づき会議経験をカスタム化するためにその能力を活用し得る。
【0037】
別の例では、呼処理モジュール108aは、エンドポイント・デバイス102aの技術的能力を決定するとともに当該エンドポイント・デバイスに利用可能な会議特徴および選択肢を調整するためにシグナリングを利用し得る。シグナリングは、発信元エンドポイント・デバイス102aがデータを送受信するための限定ネットワーク帯域幅を有するということを示すデータポイントを含み得る。呼処理モジュール108aは、デバイス102aの利用可能帯域幅能力に基づき、発信元エンドポイント・デバイス102aへ送信されるメディアの忠実度(fidelity)を格上げまたは格下げし得る。
【0038】
別の例では、呼処理モジュール108aは、(上述のように)エンドポイント・デバイスに関連するユーザを決定するためにシグナリングを利用し得、次にユーザがシステム100上に有するアクセスのレベルを決定するためにエンドポイント・デバイス/ユーザの認証を行い得る。例えば、呼処理モジュール108aは、ユーザが宛先の規定リスト(例えば、人、デバイス、物理的位置)によりメディアベース会議呼を確立することを制限されているということを決定し得る。これらの制約の決定に基づき、呼処理モジュール108aは、発信元エンドポイント・デバイス102aとシグナリングにおいて規定された宛先エンドポイント・デバイスとの間の会議呼を確立するか否かを評価し得る。
【0039】
上述のように、サーバ・コンピューティング・デバイス106はまた、メディア・モジュール108bを含む。メディア・モジュールはプロキシ107と他のモジュール108a、108cへ結合される。メディア・モジュール108bは、呼終端およびストリーミングポイントとして働くことを含むメディアシグナリングおよびストリーミング機能を行う。いくつかの実施形態では、メディア・モジュール108bは、メディアを固定(anchor)するために参加エンドポイント・デバイス間の中間ポイント(例えば、サーバ・デバイス)の位置を特定する機能を行う。メディア・モジュール108bはメディア・フローを処理しない場合がある。いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108aがシグナリングに基づき複数のエンドポイント・デバイス間の会議呼を確立すると、呼処理モジュール108aは、エンドポイント・デバイス間のメディアセッションを処理するために、呼に関連するメディアをメディア・モジュール108bへ転送し得る。メディア・モジュール108bはまた、会話型音声応答(IVR)メニューおよびプロンプト、自動出席、および高度PIN管理などの追加の会議呼強化特徴を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、メディア・モジュール108bは、サーバ・コンピューティング・デバイス106により処理された会議呼のメディアシグナリングおよびフローを管理するための構内交換(PBX:private branch exchange)ソフトウェアを含む。メディア・モジュール中に取り込み得る例示的PBXソフトウェア・プラットフォームは米国アラバマ州ハンツビル(Huntsville)のディジウム社(Digium,Inc)から入手可能なアスタリスク(Asterisk)(登録商標)である。
【0041】
サーバ・コンピューティング・デバイス106はまた、会議セッション・モジュール108cを含む。会議セッション・モジュール108cはプロキシ107と他のモジュール108a、108bへ結合される。会議セッション・モジュール108cは、メディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイスをシングルセッションへブリッジする機能を行う。いくつかの実施形態では、会議セッション・モジュール108cはマルチポイントコントロールユニット(MCU:multipoint control unit)である。会議セッション・モジュール108c中に取り込み得る例示的MCUは、米国カルフォニア州サンホセのシスコシステムズ社(Cisco Systems,I
nc)から入手可能なコーディアン(Codian)である。MCUは、追加機能を提供するために、米国カルフォニア州サニーベールのヴィドテル社(Vidtel,Inc)から入手可能なヴィドテル・ゲートウェイ(Vidtel Gateway)と一体化され得る。
【0042】
システム100はまた、データベース110を含む。データベース110はサーバ・コンピューティング・デバイス106へ結合され、メディアベース会議機能を行うためにサーバ・コンピューティング・デバイス106により使用されるデータを格納する。データベース110はサーバ・コンピューティング・デバイス106と一体化され得る、または別個のコンピューティング・デバイス上に配置され得る。システム100と共に使用され得る例示的データベースは米国カルフォニア州レッドウッド市のオラクル社(Oracle Corp.)から入手可能なマイエスキューエル(MySQL)(商標)である。
【0043】
図2は、図1のシステム100を使用する、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議のための方法200の流れ図である。サーバ・コンピューティング・デバイス106の呼処理モジュール108aは、複数のエンドポイント・デバイス(例えば、102a、102b)間の会議呼を確立する要求を受信する(202)。要求はエンドポイント・デバイスの1つ(例えば、102a)から発する。例えば、SIP文脈では、発信元エンドポイント・デバイス102aはネットワーク104を介しSIP INVITEメッセージをサーバ・コンピューティング・デバイス106へ送信する。プロキシ107はSIP INVITEメッセージを受信し、いくつかの実施形態では、SIP INVITEメッセージをXMLへ変換し、次にXMLは呼処理モジュール108aに渡される。
【0044】
呼処理モジュール108aは、受信XML要求に基づき会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイス102aへ割り振る(204)。以下にさらに詳細に説明されるように、呼処理モジュール108aはまた、会議呼の資源の可用性を決定し、規定および/または必要資源が利用可能である場合のみ会議呼資源識別子を発信元エンドポイント・デバイス102aへ送信する。
【0045】
呼処理モジュール108aは、発信元エンドポイント・デバイス102aの技術仕様、発信元エンドポイント・デバイス102aに関連するユーザの識別子、発信元エンドポイント・デバイスの地理的位置、および会議呼を確立する要求のうちの1つまたは複数に基づき会議呼属性を決定する(206)。上述のように、呼処理モジュール108aは、プロキシ107からXMLフォーマットの要求を受信し、会議呼要求の処理を決定するために要求に埋め込まれたデータを評価する。例えば、呼処理モジュール108aは、認証、グループ・パーミッション、特徴アクセスなどの機能を行うために、エンドポイント・デバイス102aのユーザを識別するために要求内の発信アドレス(例えば、‘from’アドレス)を評価し得る。別の例では、呼処理モジュール108aは、発信元エンドポイント・デバイスおよび/または宛先エンドポイント・デバイスのいくつかの技術属性を決定するために要求を評価し得る。例えば、発呼要求が携帯デバイスにおいておよび/またはセルラネットワークを介し発生すれば、呼処理モジュール108aは特別のおよび/または異なる呼セキュリティ選択肢(例えば、暗号)を決定し得る。別の例では、呼処理モジュール108aは、適切なルーティング規則、セキュリティ認可、および/または発信元エンドポイント・デバイス102aまたは会議呼自体へ割り振るべきハードウェア/ソフトウェア資源を決定するために発信元エンドポイント・デバイス102aの地理的位置を評価し得る。呼処理モジュール108aは、呼に関連する属性および/または要求が到着した際にモジュール108aが呼へ割り当てるべき属性を決定するために、会議呼を確立する要求を解析し得るということを理解すべきである。
【0046】
上述のように、呼処理モジュール108aは会議呼属性に基づき資源の可用性を決定する(208)。例えば、呼処理モジュール108aは、要求された会議呼に利用可能な資源(例えば、ゲートウエイ、URI)を決定し、発信元エンドポイント・デバイス102aへ割り当てられる会議呼資源識別子を発生する。例えば、発信元エンドポイント・デバイス102aがメディアベース会議呼を開始するために特定ソフトウェア・プラットフォーム(例えば、スカイプ(Skype)(商標))を使用していれば、呼処理モジュール108aはエンドポイント・デバイス102aに関連付けられるスカイプ(Skype)(商標)URIを発生する。いくつかの実施形態では、特定資源が利用不能である(例えば、スカイプ(Skype)(商標)URIのすべてが使用中である)場合、呼処理モジュール108aは発信元エンドポイント・デバイス102aに通知して資源が利用可能になるまで待ってもよいし会議呼を確立することを拒絶してもよい。
【0047】
次に、呼処理モジュール108aは、ソフトウェア・プラットフォームに関連するサーバへの呼シグナリングの出力先変更のために、エンドポイント・デバイス102aへ会議呼識別子(例えば、URI)を送信し得る(210)。いくつかの実施形態では、会議呼資源識別子は、呼シグナリングを取り扱い処理し得るシステム100の内部資源(例えば、内部ゲートウェイ、トランスコーダ)へ関連付けられる。
【0048】
呼処理モジュール108aは決定された会議呼属性をメディア・モジュール108bへ送信する(212)。例えば、呼処理モジュール108aは、呼強化機能、呼ルーティング機能、メディアストリーミング機能および呼終端機能などの特徴を提供するための、決定された会議呼属性をメディア・モジュール108bへ送信し得る(例えば、XMLを介し)。
【0049】
メディア・モジュール108bは、会議メディア・フローの開始のために発信元エンドポイント・デバイス102aと会議セッション・モジュール108cとの間の会議メディア接続を確立する(214)。いくつかの実施形態では、呼処理モジュール108aが信号接続を確立して様々な機能(例えば、認証、パーミッション、ルーティング)を行うと、メディア・モジュール108bは、発信元エンドポイント・デバイス102aとサーバ・コンピューティング・デバイス106における会議セッション・モジュール108cとの間のメディア・フローを開始する。メディア・モジュール108bは、会議セッション・モジュール108cが会議呼に参加する様々なエンドポイント・デバイスを会議呼セッションへ接続する(216)間、通話状態およびメディアストリームを依然として管理し得る。いくつかの実施形態では、会議セッション・モジュール108cは、いくつかのエンドポイント・デバイスが会議呼へ接続することができるか否かを決定するために、決定された会議呼属性を使用する。
【0050】
図3は、図1のシステム100に基づく複数のエンドポイント間のメディアベース会議のためのシステム300のブロック図である。システム300は、エンドポイント・デバイス102a、サーバ・コンピューティング・デバイス106、データベース110、第三者会議呼サーバ・コンピューティング・デバイス302、会議呼トランスコーダ304、メディアベース通信サーバ(MCS)コンピューティング・デバイス306、およびMCU308を含む。
【0051】
図3は、複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議呼を確立するための例示的ワークフローを描写する。
工程1:エンドポイント・デバイス102aはメディアベース会議呼を確立する要求をサーバ・コンピューティング・デバイス106へ送信する。要求は会議IDを含む。例えば、エンドポイント・デバイス102aがスカイプ(Skype)(商標)クライアントソフトウエアを介し動作していれば、デバイス102aにおけるユーザは、会議呼を開始
するためにスカイプ(Skype)(商標)ユーザインターフェース内のボタンをクリックする。ソフトウェアは、サーバ106とのシグナリングセッションを確立するためにユーザのスカイプ(Skype)(商標)IDと会議IDをサーバ・コンピューティング・デバイス106へ送信する。
【0052】
工程2:サーバ・コンピューティング・デバイス106は、要求に関連するユーザの識別子を決定するために要求を処理する。例えば、サーバ106は、要求からユーザIDを取り出し得、ユーザの識別子と任意の関連情報(例えば、パーミッション、デバイス特有情報および認証詳細)とを決定するためにデータベース110を使用し得る。サーバは、ユーザIDに関連するユーザが要求された会議に加わることを認証されるか否かを(会議IDを介し)照査し得る。次に、サーバ・コンピューティング・デバイス106はスカイプ(Skype)(商標)URIをエンドポイント・デバイス102aへ戻す。
【0053】
工程3:エンドポイント・デバイス102aは、スカイプ(Skype)(商標)サーバ(例えば、第三者会議呼サーバ302)との会議呼のためのシグナリングセッションを開始するために受信URIを使用する。URIは、会議呼トランスコーダ(例えば、デバイス304)、メディアベース通信サーバ(例えば、デバイス306)、および/またはMCU308に関連するアドレスまたは識別子を含み得る。いくつかの実施形態では、URIはMCSエンドポイントに対応し、サーバ・コンピューティング・デバイス106/データベース110は第三者URIとMCSエンドポイントとの対応関係を維持する。
【0054】
工程4:第三者会議呼サーバ302は会議呼シグナリングを会議呼トランスコーダ304(例えば、Vidtelモジュール)へ転送する。
工程5:会議呼トランスコーダ304は受信スカイプ(Skype)(商標)URIをMCSエンドポイントアドレスにマッピングする。例えば、トランスコーダ304は、MCSエンドポイントアドレスを追加するためにユーザのスカイプ(Skype)(商標)ID(例えば、<ユーザのスカイプ(Skype)(商標)ID>@skype.vidtel.com)を修正し得る。次に、トランスコーダ304はMCS306と通信する。
【0055】
工程6:MCS306はサーバ・コンピューティング・デバイス106と通信する。例えば、MCS306はMCSエンドポイントアドレスを含む修正スカイプ(Skype)(商標)IDをサーバ・コンピューティング・デバイス106へ送信する。
【0056】
工程7:サーバ106は、エンドポイント・デバイス102によりサーバ106へ既に送信された会議IDの位置を特定するために修正IDを使用する(工程1を参照)。次に、サーバ106は会議IDをMCS306へ送信する。
【0057】
工程8:次に、MCS306は、ユーザが要求通りメディアベース会議呼または会議に加わることができるように、エンドポイント・デバイス102aの会議呼シグナリングをMCU308へ転送する。
【0058】
図3は複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議呼を確立するための例示的実施形態を表すということを理解すべきである。複数のエンドポイント・デバイス間のメディアベース会議呼を確立するための他の技術およびワークフローが本発明の範囲から逸脱すること無く企図され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、システム100は、同じメディアベース会議呼に加わることを要求する異なるタイプのエンドポイント・デバイス間の相互運用性を提供することができる。例えば、エンドポイント・デバイス102aはセルラネットワーク上のスカイプ(
Skype)(商標)ユーザインターフェースを介しシステム100へアクセスし得、一方、別のエンドポイント・デバイス102bはVoIPアーキテクチャの後方に設置された会議呼端末を介しシステムにアクセスし得る(例えば、会社において)。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、シームレス通信セッションを可能にするためにそれぞれのエンドポイント・デバイス間でトランスコーディングを行い得る。いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、システムにアクセスしている要求および/またはエンドポイント・デバイスのタイプに依存してシステム資源を予約する。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、システム資源がメディアベース会議呼の開始と終了とに基づき適切に予約され解放されるようにアクセスのプールを維持し得る。
【0060】
図4は、図1のシステム100を使用する、メディアベース会議呼に参加するエンドポイント・デバイスを認証する方法の流れ図である。サーバ・コンピューティング・デバイス106の呼処理モジュール108aは、複数のエンドポイント・デバイス(例えば、エンドポイント・デバイス102a、102b)間の会議呼を確立する要求であってエンドポイント・デバイス(例えば、102a)のユーザに関連するクレデンシャルとエンドポイント・デバイス102aに関連する属性とを含む要求を受信する(402)。呼処理モジュール108aは、クレデンシャルに基づきエンドポイント・デバイスのユーザの識別子を決定する(404)。呼処理モジュール108aは、エンドポイント・デバイスに関連する属性に基づき会議呼アクセスのレベルを決定する(406)。呼処理モジュール108aは、会議呼機能に関連する一組のパーミッションを含むユーザ・プロファイルをユーザの識別子に基づき取り出す(408)。呼処理モジュール108aは、エンドポイント・デバイスを会議呼へ接続するか否かをユーザ・プロファイルと会議呼アクセスのレベルとに基づき決定する(410)。
【0061】
例えば、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、(i)会議呼を確立する要求を起こしたユーザとエンドポイント・デバイスとの両方の識別子と、(ii)どのようにしてサーバ106が要求を処理し(例えば、呼を接続し、さらなる処理のために呼をシステム内の別の資源へルーティングし、付加デバイスを介しユーザを認証し)なければならないかとを決定するために多要素認証を行うことができる。一例では、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、指紋を含む属性の行列を生成するために、エンドポイント・デバイスのユーザに関係する属性、エンドポイント・デバイス自体に関係する属性、および/または要求呼のパラメータを評価することにより、入力要求の指紋をとることができる。サーバ106は、指紋が(同じユーザ/エンドポイント・デバイスからの要求および異なるユーザ/エンドポイント・デバイスからの要求と比較して)将来参照され得るように指紋を例えばデータベース110内に格納し得る。サーバ・コンピューティング・デバイス106はまた、会議呼が確立後進行するにつれて指紋を再評価し得る。例えば、エンドポイント・デバイスが、発呼要求を送信した後サーバ106へ一時的な偽名を提供することにより不正なやり方で会議通話システムへアクセスすることを試みるが、その後呼期間中にエンドポイント・デバイス属性が変化すれば、サーバ106は再び指紋を動的かつ自動的に評価し、必要ならば是正処置を取り(例えば、呼を切断して、監視のために呼を別の資源へルーティングし)得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、多要素認証は次の2つの様相に従って実施される:(1)技術的に(すなわち、どのようにして/なぜエンドポイント・デバイスが発呼しているのか?)、および(2)個人的に(すなわち、エンドポイント・デバイスにおけるユーザは誰か?)。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、エンドポイント・デバイスからメディアベース会議の要求を受信し、発呼デバイスの技術的特徴(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、位置、発信元ネットワーク、プロトコル)、および発呼デバイスのおよび/または同デバイスに関連するユーザの個人的特徴などのアイテム(例えば、ユーザ
ネーム、ID、PIN、顔認識)を決定し得る。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、適切なアクセスおよびパーミッションがエンドポイント・デバイスへ与えられることを保証するロバストな認証処理を提供するために上記両方の組の情報を評価し得る。
【0063】
システム100はまた、個人パーミッション・レベルと呼/会議パーミッション・レベルとの両方において認証を行うことができる。例えば、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、例えばライトウェイト・ディレクトリ・アクセス・プロトコル(LDAP)またはアクティブ・ディレクトリ(AD)サービスに基づき、データベース110から個人パーミッションを取り出し得る。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、会議呼パーミッションを管理するためのユーザ情報を使用するために組織内ユーザ・プロファイルとディレクトリサービスとへ連結し得る。サーバ・コンピューティング・デバイス106はまた、特定会議呼に加わる資格のある参加者のリストを、例えばユーザ識別子、職位、アクセスレベル、またはユーザに関係して規定され得るような他のこのようなパラメータに基づき、発生または格納するなど、呼/会議パーミッションを維持し管理し得る。
【0064】
システム100は、機能レベル、個人レベル、グループ・レベルおよび/またはデバイス・レベルにおいて、カスタム化された認証およびパーミッションを可能にするロバストなパーミッション方式を有する。機能パーミッションのために、システム100は、特定ユーザ/エンドポイント・デバイス/会議呼がいくつかの機能を実行する(例えば、サブ会議を設定し、会議呼を確立し、参加者を招待し、セキュリティ属性を実装する等々)ことができるということを決定し得る。個人的パーミッションのために、システム100は特定ユーザのアクセス制御の粒度を可能にする。例えば、システム100は、ユーザが特定位置(例えば、自宅ではなく職場)から特定の人等々への特定タイプの会議呼を開始するパーミッションを有するということを決定し得る。
【0065】
グループ・パーミッションのために、システム100は、任意の数の異なる要件またはカテゴリ分類に基づき、属性を複数のユーザへ割り当て得る。例えば、企業内の従業員のすべてがグループへ割り当てられ得る。システム100はまた、複数のグループおよび/またはサブグループ(企業内の事業単位または事業単位内の製品チームなど)へユーザを割り当て得る。ユーザはまた、例えば2人以上のユーザから、任意の数のユーザを含む自身のアドホックグループ(例えば、友人、取引相手)を形成し得る。ユーザはグループに入るために所属させられる必要はない(例えば、雇用者により)ということに注意すべきである。デバイス・パーミッションについて、システム100は、特定の呼環境のアクセスのレベルおよび機能を決定し得る(例えば、エンドポイント・デバイスのハードウェアおよび/またはソフトウェア・プラットフォーム(または他の技術属性)、エンドポイント・デバイスの位置など)。
【0066】
本明細書において説明されるパーミッション構造の別の態様はパーミッションの階層的性質である。例えば、企業はその従業員のすべてを、特別指定パーミッション・レベルを有する特定グループへ割り当て得る。当該グループ内の何人かの従業員は、サブグループを形成し、会社全体に渡るパーミッション構造と異なるパーミッション・レベルを望み得る。システム100は、会社全体に渡るパーミッション構造がサブグループ・パーミッション・レベルをオーバーライドするということを決定し得、会社全体に渡るパーミッション構造の範囲を越えないようにまたは会社全体に渡るパーミッション構造と競合しないようにサブグループ・パーミッション・レベルに制限を課し得る。
【0067】
いくつかのシナリオでは、主会議呼への参加者は私事に関して通信するために短期間の間会議から自身を切り離すことを望むことがある。例えば、主会議呼が複数のパーティと
の商談または訴訟手続きに関わる場合、1つのパーティは、主会議から切断すること無くしかし私的会話に依然として関与しながら微妙なまたは優先課題に関し協議することを望むことがある。したがって、システムは、複数のエンドポイント・デバイス間のサブ会議を確立する機能を提供し、システムはサブ会議へ上記機能(例えば、認証、ルーティングおよびパーミッション設定)のすべてを適用し得る。
【0068】
図5は、図1のシステムに基づく、メディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス(例えば、エンドポイント・デバイス102a、102b、602a、602b)間のサブ会議を確立するためのシステム500のブロック図である。システム500はエンドポイント・デバイス102a、102b、502a、502bとサーバ・コンピューティング・デバイス106を含む。エンドポイント・デバイス102a、102b、502a、502bは、上記技術を使用することにより主会議呼504へ接続する。主会議呼504が確立されると、何人かの参加者は一定期間の間主会議呼504から自身を切り離すことを望むことがある。
【0069】
図6は、図1のシステム100と図5のシステム500を使用して、メディアベース会議呼に参加する複数のエンドポイント・デバイス間でサブ会議を確立する方法600の流れ図である。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、主会議呼に参加する第1のエンドポイント・デバイス(例えば、エンドポイント・デバイス102a)からサブ会議を確立する要求を受信する(602)。要求は、主会議呼に参加する第2のエンドポイント・デバイス(例えば、エンドポイント・デバイス102b)に関連する識別子を含む。例えば、エンドポイント・デバイス102aにおけるユーザは、エンドポイント・デバイス102bにおけるユーザとサブ会議を開始するために、エンドポイント・デバイス102bにおけるユーザに関連するアイコンをクリックし得、デバイス102aはサーバ・コンピューティング・デバイス106へ要求を送信する。
【0070】
サーバ・コンピューティング・デバイス106は、サブ会議を確立する要求に基づき、主会議呼504から切り離された呼インスタンス(例えば、別の呼インスタンス506)を開始する(604)。例えば、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、サーバ106により管理される別の会議を割り振ることにより別の呼インスタンス506を開始し得るが、メディア・フローは主会議呼504から切り離される。いくつかの実施形態では、メディア・フローの一部だけが別の呼インスタンス506へ転送される。例えば、主会議呼への参加者は、サブ会議に関与するユーザに関連する映像を見続け得るが、サブ会議に関与するユーザ間で交換される音声通信は主会議呼504から排除される。別の例では、主会議呼への参加者は、何人かのユーザがサブ会議を開始したということを示す発信音を聞く場合がある。いくつかの実施形態では、サブ会議は、サブ会議への参加者間のテキスト情報(例えば、チャット)の交換を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、サブ会議に加わったユーザおよび/またはエンドポイント・デバイスに関連するプレゼンス情報を変更する。例えば、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、ビデオ会議中にユーザの名前または写真へ状態標識(主会議呼中のすべての参加者へ当該ユーザがサブ会議中であるということを示す)を追加することができる。別の例では、サーバ・コンピューティング・デバイス106は、主会議呼への参加者に対して音声メッセージ(何人かのユーザがサブ会議に入ったという)を定期的に再生し、それらのユーザを名前により識別し得る。
【0072】
サーバ・コンピューティング・デバイス106は、第1のエンドポイント・デバイス102aと第2のエンドポイント・デバイス102bを主会議呼504から切り離すこと無く第1のエンドポイント・デバイス102aと第2のエンドポイント・デバイス102b
を別の呼インスタンス506へ結合する(606)。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、第1のエンドポイント・デバイス102aと第2のエンドポイント・デバイス102bとの間のメディア・フローを確立し(608)、主会議呼504は第1のエンドポイント・デバイス102aと第2のエンドポイント・デバイス102bとの間のメディア・フローへのアクセスを妨げられる。
【0073】
サーバ・コンピューティング・デバイス106は、呼ルーティング、強化特徴、パーミッション、認証などに関して上に説明した概念のうちの任意のものをサブ会議呼インスタンス506へ適用することができる。例えば、主会議呼への参加者が他の参加者とサブ会議を確立しようとすれば、サーバ106は、第1の参加者が第2の参加者と私的に通信するのを許容するか否かを例えばデータベース110内に格納された一組の規則を介し決定し得る。規則は、主会議呼に予め規定され得るまたは発呼の時点で参加者により合意され得る。規則は、呼の過程で(例えば、参加者が主会議呼に出入りする際に)変わり得る。パーミッションおよび関連特徴は主会議呼およびサブ会議全体にわたって階層的であり得、この結果、ユーザは、各呼インスタンス内で同じパーミッション範囲を有する、または、いくつかの実施形態では、ユーザは主会議呼内の自身のパーミッション範囲に対し低減されたサブ会議内のパーミッション範囲を有し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、サーバ・コンピューティング・デバイス106は会議呼への各参加者の状態を追跡し続けるということに注意すべきである。例えば、サーバ106は、ユーザがサブ会議に入った状況に関するいくつかのデータ(例えば、サブ会議が開始された時間、サブ会議内のユーザの識別、どれくらい長くサブ会議が持続したかなど)を記録する。この特徴は、会議呼の構造およびタイミングに関する詳細な報告を可能にする(監査およびコンプライアンス目的のために役立つ)。
【0075】
いくつかの文脈では、規則は、サブ会議へ適用されるいくつかの監視および報告特徴を提供する。例えば、業界は、すべての通信が特定のガイドラインに従って記録および文書化されなければならないように規制され得る。サーバ・コンピューティング・デバイス106は、サブ会議を記録するか否か、サブ会議への参加者および他の同様な要件を識別するか否かを規則に基づき決定し得る。いくつかのケースでは、主会議呼に適用される規則はサブ会議へ自動的に転送される。加えて、本システムは、サブ会議と併せて使用される監視または報告などの追加機能を提供し得る。
【0076】
加えて、本明細書において説明される方法およびシステムにより提供される利点は、各エンドポイント・デバイス(例えば、図1のデバイス102a)が会議呼に参加する際にそれ自身のメディアストリームを有するということである。したがって、サーバ・コンピューティング・デバイス106および/または他の仲介サーバおよびデバイスは、あるエンドポイント・デバイスのユーザに個人専用化されたまたはそれ特有のアーティファクト(例えば、通知、警告、メッセージ、グラフィックス)を、他のエンドポイント・デバイスのメディアストリーム中に挿入すること無く、挿入し得る。この技術は、システム100が個々のユーザの動的かつ個人専用ユーザインターフェース、記録および表示操作を行えるようにする。
【0077】
本技術は、図7に示すように、様々な位置全体にわたって分散された複数のコンピューティング・デバイスを含むネットワークシステム700において実施され得る。位置A702、位置B704および位置C706のそれぞれは、図1の部品107、108a〜108cおよび110を有するサーバ・コンピューティング・デバイス106を含み、位置702、704および706におけるサーバはネットワーク104を介し互いに接続される。図7のネットワークシステムは、本明細書において説明された処理機能のコンピューティング・デバイス全体にわたる分散を可能にし、万一1つの位置におけるコンピューテ
ィング・デバイスがオフラインであるまたは動作不能である場合に冗長性を提供する。いくつかの実施形態では、特定の位置(例えば、位置A702)の近傍のエンドポイント・デバイス(例えば、デバイス102a)が当該位置におけるサーバ106を介しネットワークシステムにアクセスする。いくつかの実施形態では、それぞれの位置702、704、706におけるサーバ・コンピューティング・デバイス106が、ネットワークへ結合された中央コンピューティング・デバイス712(例えば、サーバ)と通信する。中央コンピューティング・デバイス712はコンピューティング・デバイス106のネットワーク(例えば、コンピューティング・デバイス全体にわたる機能/データの同期)のデータおよび/または処理資源を提供し得る。
【0078】
上記方法、システムおよび技術のうちの任意のものは、本発明の範囲から逸脱すること無くビデオ会議(すなわち映像および音声メディアからなる会議呼)および音声だけ会議の文脈で実施され得るということを理解すべきである。
【0079】
上記技術は、デジタルおよび/またはアナログ電子回路で、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実現され得る。上記実施形態は、データ処理デバイス(例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、および/または複数のコンピュータ)による実行のためのまたは該データ処理デバイスの動作を制御するためのコンピュータプログラム製品(すなわち、機械可読記憶デバイスにより有形に具現されるコンピュータプログラム)として実現され得る。コンピュータプログラムは、ソースコード、コンパイルコード、インタープリタコードおよび/またはマシンコードを含み任意の形式のコンピュータまたはプログラミング言語で書くことができ、そしてスタンドアロンプログラムとして、またはサブルーチン、要素、またはコンピュータ環境における使用に好適な他のユニットを含む任意の形式で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つまたは複数の場所における1つのコンピュータまたは複数のコンピュータ上で実行されるように配備され得る。
【0080】
本方法の工程は、入力データに作用しおよび/または出力データを生成することにより本発明の機能を実行するコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプロセッサにより実行され得る。本方法の工程はまた、専用論理回路構成(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、FPAA(フィールドプログラマブルアナログアレイ)、CPLD(コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス)、PSoC(プログラマブル・システム・オンチップ)、ASIP(特定用途命令セットプロセッサ:application−specific instruction−set processor)、ASIC(特定用途向け集積回路:application−specific integrated circuit)などにより実行され得、そしてデバイスは、これらとして実現され得る。サブルーチンは、格納されたコンピュータプログラムおよび/またはプロセッサおよび/または1つまたは複数の機能を実現する特定回路構成の一部を指し得る。
【0081】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、一例として、汎用および専用マイクロプロセッサと、任意のタイプのデジタルまたはアナログコンピュータの1つまたは複数のプロセッサとの両方を含む。一般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリからまたはその両方から命令とデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令および/またはデータを格納するための1つまたは複数のメモリ・デバイスとである。キャッシュなどのメモリ・デバイスはデータを一時的に格納するために使用され得る。メモリ・デバイスはまた、長期データ記憶に使用され得る。一般的に、コンピュータはまた、データを格納するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス(例えば、磁気、光磁気ディスクまたは光ディスク)を含む、または上記デバイスからデータを受信するまたはそれらにデータを転送するまたは上
記受信と送信の両方を行うように動作可能に接続される。コンピュータはまた、ネットワークから命令および/またはデータを受信するおよび/またはネットワークへ命令および/またはデータを転送するために通信ネットワークへ動作動可能に結合され得る。コンピュータプログラム命令およびデータの具現に好適なコンピュータ可読記憶媒体は、一例として半導体記憶デバイス(例えば、DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ・デバイス);磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスクまたは取り外し可能ディスク);光磁気ディスク;および光ディスク(例えば、CD、DVD、HD−DVD、ブルーレイディスク)を含む揮発性および不揮発性メモリのすべての形式を含む。プロセッサとメモリは、専用論理回路構成により補完され得るおよび/または専用論理回路構成内に組み込まれ得る。
【0082】
ユーザとの相互作用を提供するために、上記技術は、情報をユーザへ表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)、プラズマまたはLCD(液晶表示)モニタ、携帯デバイス・ディスプレイまたはスクリーン、ホログラフィ・デバイスおよび/またはプロジェクタ)とユーザが入力をコンピュータへ提供し(例えば、ユーザインターフェース要素と相互作用し)得るキーボードおよびポインティング・デバイス(例えば、マウス、トラックボール、タッチパッド、または運動センサ)と通信するコンピューティング・デバイス上で実施され得る。ユーザとの対話処理を提供するために他の種類のデバイスが使用され得、例えば、ユーザへ提供されるフィードバックは、任意の形式の知覚フィードバック例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、言語および/または触覚入力を含む任意の様式で受信され得る。
【0083】
上記技術は、バックエンド部品を含む分散コンピューティング・システムにおいて実現され得る。バックエンド部品は例えば、データサーバ、ミドルウェア部品、およびまたはアプリケーションサーバであり得る。上記技術は、フロントエンド部品を含む分散コンピューティング・システムにおいて実現され得る。フロントエンド部品は例えば、グラフィックユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータ、ユーザが例示的実施形態と相互作用し得るウェブブラウザ、および/または送信デバイス用の他のグラフィックユーザインターフェースであり得る。上記技術は、このようなバックエンド、ミドルウェアまたはフロントエンド部品の任意の組み合わせを含む分散コンピューティング・システムにおいて実現され得る。
【0084】
コンピューティング・システムの部品は、デジタルまたはアナログデータ通信(例えば、通信ネットワーク)の任意の形式またはメディアを含み得る伝送媒体により相互接続され得る。伝送媒体は、任意の構成の1つまたは複数のパケットベースネットワークおよび/または1つまたは複数の回路ベースネットワークを含み得る。パケットベースネットワークは例えば、インターネット、キャリヤ・インターネットプロトコル(IP)ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ホームエリアネットワーク(HAN))、プライベートIPネットワーク、IP構内交換(IPBX)、無線ネットワーク(例えば、無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)、ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fi、WiMAX、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)ネットワーク、HiperLAN)、およびまたは他のパケットベースネットワークを含み得る。回路ベースネットワークは例えば、公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone network)、レガシー構内交換(PBX)、無線ネットワーク(例えば、RAN、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多重アクセス(TDMA)ネットワーク、世界移動体通信システム(GSM(登録商標):global system for mobi
le communications)ネットワーク)、および/または他の回路ベースネットワークを含み得る。
【0085】
伝送媒体上の情報転送は1つまたは複数の通信プロトコルに基づき得る。通信プロトコルは例えば、イーサネット(登録商標)プロトコル、インターネットプロトコル(IP)、ボイス・オーバーIP(VOIP)、ピア・ツー・ピア(P2P)プロトコル、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、セッションイニシエーションプロトコル(SIP)、H.323、メディアゲートウエイ・コントロールプロトコル(MGCP)、シグナリングシステム#7(SS7)、世界移動体通信システム(GSM(登録商標))プロトコル、プッシュ・トゥ・トーク(PTT)プロトコル、PTT・オーバ・セルラ(POC)プロトコル、汎用移動体電話システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、3GPPロングタームエボリューション(LTE)および/または他の通信プロトコルを含み得る。
【0086】
コンピューティング・システムのデバイスは例えば、コンピュータ、ブラウザ・デバイスを備えたコンピュータ、電話、IP電話、携帯デバイス(例えば、セルラ電話、個人用デジタル情報処理端末(PDA)デバイス、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、電子メール・デバイス)、および/または他の通信デバイスを含み得る。ブラウザ・デバイスは例えば、ワールドワイドウェブブラウザ(World Wide Web browser)(例えば、グーグル社(Google,Inc.)のクローム(Chrome)(商標)、マイクロソフト社(Microsoft Corporation)から利用可能なマイクロソフト(Microsoft)(登録商標)インターネットエクスプローラ(Internet Explorer)(登録商標)、および/またはモジラ社(Mozilla Corporation)から利用可能なモジラ(Mozilla)(登録商標)ファイアフォックス(Firefox))を備えたコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータおよび/またはラップトップコンピュータ)を含む。モバイルコンピューティング・デバイスは、例えばリサーチ・イン・モーション(Research in Motion)のブラックベリー(Blackberry)(登録商標)、アップル社(Apple Corporation)のアイフォン(iPhone)(登録商標)および/またはアンドロイド(Android)(登録商標)ベース・デバイスを含む。IP電話は例えば、シスコ(Cisco)(登録商標)ユナイテッドIP電話(United IP Phone)7985Gおよび/またはシスコシステムズ社(Cisco Systems,Inc.)から利用可能なシスコ(Cisco)(登録商標)ユナイテッドワイヤレスフォン(United Wireless Phone)7920を含む。
【0087】
「からなる」、「含む」、および/または各複数形は開放型であり、列挙された部品を含み、列挙されない追加物品を含み得る。「および/または」は開放型であり、列挙された部品の1つまたは複数および列挙された部品の組み合わせを含む。
【0088】
本発明はその趣旨または本質的特徴から逸脱すること無く他の特定形式で具現され得るということを当業者は理解することになる。したがって、前述の実施形態は、ここに説明した発明を限定するというよりもむしろすべての点で例示的であると考えるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7