(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドッキング対象プロセッサは、同期化コマンドにより示された時間に前記ドッキング対象周辺機器の機能を活性化するために前記同期化コマンドを受信し、及び/又は、前記同期化コマンドにより示された時間に前記ワイヤレスドッキング環境における少なくとも1つの周辺機器の機能を活性化するために同期化コマンドを生成するように構成される、請求項5に記載のドッキング対象。
前記ドッキング対象プロセッサは、結合要求及び/又は使用要求を受信すると、前記ドッキング対象のユーザが前記ドッキング対象周辺機器を前記ワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にすることに同意するかどうかを決定するように構成される、請求項5に記載のドッキング対象。
前記ドッキング対象プロセッサは、前記ドッキング対象周辺機器の使用モードが関与するとき、前記ドッキング対象のユーザが前記ドッキング対象周辺機器を用いることを要求したかどうかを決定し、その後、前記ワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としての前記ドッキング対象周辺機器の使用を制限又は終了するように構成される、請求項5に記載のドッキング対象。
前記少なくとも1つのドッキング対象周辺機器は、マイクロホン、ラウドスピーカ、カメラ、ディスプレイ、タッチスクリーン、マウス、キーボード、通信ユニット、光センサ、温度センサ、配向センサ、位置センサのうち少なくとも1つを有する、請求項5に記載のドッキング対象。
前記ホストプロセッサは、設定モードに適応するように構成され、前記設定モードにおいて、前記ワイヤレスドッキング環境は、前記ドッキング対象周辺機器を前記ワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としての使用のために利用可能にするように設定可能である、請求項10に記載のホスト。
前記ホストプロセッサは、ドッキングされているドッキング対象の検出、前記ホストのユーザインタフェースを介したユーザ入力、前記ホストにより受信された前記ドッキング対象からの設定メッセージのうち少なくとも1つにより前記設定モードに関与するように構成される、請求項11に記載のホスト。
ホストと少なくとも1つのドッキング対象とを有するワイヤレスドッキングシステムにおける使用のための前記ドッキング対象におけるワイヤレスドッキングの方法であって、
前記ホスト及び前記ドッキング対象は、ワイヤレス通信を介してドッキングするように構成され、
前記ホストは、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、周辺機器のセットを前記ワイヤレスドッキング環境における使用のために利用可能にするために前記周辺機器のセットを通知するように構成され、
前記のドッキングは、前記ドッキング対象が前記周辺機器のセットを用いるのを可能にし、
前記ドッキング対象は、前記ドッキング対象内部の少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有し、
当該方法は、
前記ワイヤレスドッキング環境にドッキングするステップと、
前記ドッキング対象周辺機器を通知し、前記ホストから結合要求を受信すると、前記ホストにより前記ドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを供給するために前記ホストに結合するステップとを有する、方法。
プロセッサに請求項13又は請求項14に記載の方法を実行させるように動作するプログラムを有する、ホストとドッキング対象との間のワイヤレスドッキングのためのコンピュータプログラム製品。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ワイヤレスドッキングシステムは、ホストに結合される1又はそれ以上の周辺機器へのアクセスを提供するために少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応する。種々のアプリケーションは、種々の周辺機器を必要としてもよい。しかしながら、斯様な周辺機器は利用可能ではないかもしれない。
【0009】
本発明の目的は、ワイヤレスドッキング環境において追加の周辺機器を利用可能にすることを可能にするワイヤレスドッキングのためのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明の第1の態様によれば、冒頭において述べられたワイヤレスドッキングシステムにおいて、ドッキング対象は、少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有し、ドッキング対象プロセッサは、ドッキング対象周辺機器を通知し、ホストから結合要求を受信すると、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを供給するためにホストに結合するように構成され、ホストプロセッサは、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを取得するために結合要求をドッキング対象に送信し、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境において更なる周辺機器として利用可能にするためにドッキング対象周辺機器を含む周辺機器のセットを通知するように構成される。
【0011】
この目的のために、本発明の他の態様によれば、上記のワイヤレスドッキングシステムにおいて用いられるドッキング対象は、ワイヤレス通信を介してワイヤレスドッキングを行うように構成され、ドッキング対象は、ワイヤレス通信を提供するためのドッキング対象通信ユニットを有し、ドッキング対象プロセッサは、ワイヤレスドッキング環境にドッキングするように構成され、ドッキング対象は、少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有し、ドッキング対象プロセッサは、ドッキング対象周辺機器を通知し、ホストから結合要求を受信すると、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを供給するためにホストに結合するように構成される。
【0012】
この目的のために、本発明の他の態様によれば、上記のワイヤレスドッキングシステムにおいて用いられるホストは、ワイヤレス通信を介してドッキングし、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、周辺機器をワイヤレスドッキング環境用における使用のために利用可能にするために周辺機器のセットを通知するように構成され、ホストは、前記ワイヤレス通信を提供するためのホスト通信ユニットを有し、ホストプロセッサは、ドッキング対象をワイヤレスドッキング環境にドッキングするように構成され、ホストプロセッサは、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを取得するために結合要求をドッキング対象に送信し、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器として利用可能にするためにドッキング対象周辺機器を含む周辺機器のセットを通知するように構成される。
【0013】
この目的のために、本発明の他の態様によれば、ホストにおけるワイヤレスドッキングの方法が、上記のワイヤレスドッキングシステムにおける使用のために提供され、ホスト及びドッキング対象は、ワイヤレス通信を介してドッキングするように構成され、ホストは、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、周辺機器のセットをワイヤレスドッキング環境における使用のために利用可能にするために周辺機器のセットを通知するように構成され、ドッキングは、ドッキング対象が周辺機器のセットを用いるのを可能にし、ドッキング対象は、少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有し、当該方法は、ドッキング対象をワイヤレスドッキング環境にドッキングするステップと、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを取得するために結合要求をドッキング対象に送信するステップと、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器として利用可能にするためにドッキング対象周辺機器を含む周辺機器のセットを通知するステップとを有する。
【0014】
この目的のために、本発明の他の態様によれば、ドッキング対象におけるワイヤレスドッキングの方法が、上記のワイヤレスドッキングシステムにおける使用のために提供され、ホスト及びドッキング対象は、ワイヤレス通信を介してドッキングするように構成され、ホストは、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、周辺機器のセットをワイヤレスドッキング環境における使用のために利用可能にするために周辺機器のセットを通知するように構成され、ドッキングは、ドッキング対象が周辺機器のセットを用いるのを可能にし、ドッキング対象は、少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有し、当該方法は、ワイヤレスドッキング環境にドッキングするステップと、ドッキング対象周辺機器を通知し、ホストから結合要求を受信すると、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを供給するためにホストに結合するステップとを有する。
【0015】
この目的のために、本発明の他の態様によれば、冒頭において述べられたようなコンピュータプログラム製品は、プロセッサに前述した方法のうちいずれか1つを実行させるように動作するプログラムを有する。
【0016】
これらの手段は、ドッキング対象周辺機器がホストにより適応されるワイヤレスドッキング環境における周辺機器としての使用のために利用可能になるという効果を有する。ワイヤレスドッキング環境への適応は、要求された通信、簿記及び更なるプロトコル処理を開始すること、並びに、ドッキング対象に提供されるドッキング機能の設定管理を有する。ドッキング対象周辺機器を使用のために利用可能にするために、ドッキング対象周辺機器の制御及び接続データがホストにより取得され、接続データは、その後、ワイヤレスドッキング環境において適用される。それに、ドッキング対象プロセッサは、ドッキング対象周辺機器を通知し、ホストから結合要求を受信すると、ホストによりドッキング対象周辺機器の制御及び接続データを提供するためにホストに結合するように構成される。接続データは、ドッキング対象に接続するとともにドッキング対象周辺機器を用いることにおいて用いられるべき情報を有する。ホストによるドッキング対象周辺機器の制御は、ホストが、ドッキング対象周辺機器を周辺機器としての使用のために利用可能にするのを可能にする。接続データは、ドッキング対象周辺機器を用いるためにホスト又は更なるドッキング対象によるドッキング対象への接続を行うことを可能にする。ドッキング対象周辺機器は、ワイヤレスドッキング環境の周辺機器のセットにおけるドッキング対象周辺機器を含むことによりワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としての使用のために利用可能となる。従って、前記セットは、ドッキング対象周辺機器を含むセットを通知することにより更なるドッキング対象までのワイヤレスドッキング環境の周辺機器のセットとして拡張及び提示される。その後、更なるドッキング対象は、ワイヤレスドッキング環境に実際にドッキングしてもよく、ホストに接続される従来の周辺機器であった場合のようにドッキング対象周辺機器を用いてもよい。更なるドッキング対象は、前記のドッキングのための標準のドッキングソフトウェア及びプロトコルを用いてもよい。前記ドッキング対象周辺機器は、標準の周辺機器としてワイヤレスドッキング環境において利用可能となるためである。有利には、1又はそれ以上の追加の周辺機器(即ち、前記ドッキング対象周辺機器)は、ホストに結合される1又はそれ以上のドッキング対象周辺機器へのアクセスを提供するためにワイヤレスドッキング環境において利用可能となる。
【0017】
本発明は、以下の認識にも基づいている。昔から、ドッキングは、ドッキング対象がホストに既に結合されている周辺機器のみを用いるものと考えられている。ドッキング対象周辺機器は、通常他のデバイスによりアクセス可能ではないモバイルフォン又はタブレットのようなポータブルデバイスからの内蔵周辺機器又は周辺機能(スピーカ、マイクロホン、センサ、ディスプレイ、GPS、カメラ)である。この文書において、"ドッキング対象周辺機器"という用語は、例えばワイヤレス接続を介して、ドッキング対象に取り付けられた外部周辺機器とは対照的に、ドッキング対象内部のユニットを規定する。内部ユニットは、周辺的特性を有する、即ち、物理的な外界と直接インタラクトする。斯様な内部ユニットをワイヤレス環境における更なるドッキング対象による周辺機器としての使用のために利用可能にすることは、更なるドッキング対象によるデバイスレベルの使用を意味する。ドッキング対象周辺機器を使用のために利用可能にすることは、斯様な周辺機器が、データを表示すること、音を出すこと、又は、ユーザからの入力を得ることのようなものを提供する機能の直接的使用を可能にすることを意味する。
【0018】
米国特許出願公開第2013/0103873号明細書は、音楽再生のためのシステムについて述べている。ミュージックシステムは、ポータブル再生デバイスをネットワーク上のワイヤレスドックに接続することを可能にし、その後、ネットワーク上の更なるデバイスにより、ドッキングされたポータブル上の選択された音楽の閲覧、選択及び再生を可能にする。ミュージックシステムは、ドッキングされたポータブル上に存在する音楽を、ネットワーク上の更なるデバイスによる再生のためにアクセス可能にする。音楽は、ファイルレベル又はアプリケーションレベルでアクセス可能とされる。しかしながら、システムは、ネットワーク上の更なるデバイスが、ドッキングされたポータブルの周辺機器を周辺デバイスとして用いるのを可能にしない。格納デバイスレベルは、ドッキングされたポータブルにより排他的に訓練及び制御される。どの格納デバイスに音楽が格納されるかは、ネットワークに対して開示されない。コンテンツだけがネットワークに出力されるためである。
【0019】
発明者らは、新たな機能を利用可能にするために、及び/又は、1又はそれ以上のポータブルデバイスからの入力により既存の機能を拡張するために、ドッキング対象周辺機器(ワイヤレスローカルネットワークにおける1又はそれ以上のモバイルデバイスからの個々の周辺ユニット又は機能)を更なるドッキング対象に対してデバイスレベルで利用可能にするドッキング方法を提案する。デバイスレベルで周辺機器を用いることは、通常、デバイス駆動レベル制御インタフェースを介して実行される。
【0020】
ドッキングシステムの外側において、モバイルデバイスは、モバイルデバイス上でローカルに実行するアプリケーションに対して利用可能である入出力ユニット及びセンサを有してもよい。斯様なアプリケーションは、周辺データを交換するために、他のコンピュータ(例えば、更なるモバイルデバイス)上の他のアプリケーションと協働及び通信してもよい。しかしながら、斯様な方式は、全ての協働しているデバイス上の専用のアプリケーションを常に必要とする。発明者らは、ドッキングシステムを使用及び拡張して、斯様なモバイル入出力ユニットが、斯様なデバイスに組み込まれるか又はこれらに結合されるドッキング対象周辺機器であるとみなされ得るということを知った。彼らは、ドッキング対象周辺機器をホストに結合することにより、斯様なドッキング対象周辺機器を、ワイヤレスドッキングシステムにおける他のドッキング対象のためにデバイスレベルで直接的にアクセス可能及び使用可能にするよう努力した。ホストは、ドッキング対象周辺機器をそれぞれのワイヤレスドッキング環境において後に利用可能にする。
【0021】
オプションとして、ドッキング対象において、ドッキング対象プロセッサは、以下のように構成される。
− 同期コマンドにより示される時間においてドッキング対象周辺機器の機能を活性化するための同期コマンドを受信する。
及び/又は
− 同期コマンドにより示される時間においてワイヤレスドッキング環境における少なくとも1つの周辺機器の機能を活性化するための同期コマンドを生成する。
【0022】
有利には、種々のドッキング対象周辺機器は、同期コマンドを介して同期される。
【0023】
オプションとして、ドッキング対象において、ドッキング対象プロセッサは、結合要求及び/又は使用要求を受信すると、ドッキング対象のユーザがドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にすることに同意するかどうかを決定するように構成される。有利には、ドッキング対象のユーザは、ドッキング対象周辺機器を利用可能にすべきかどうかを決めることを可能にされる。
【0024】
オプションとして、ドッキング対象において、ドッキング対象プロセッサは、ドッキング対象周辺機器の使用モードが関与するとき、ドッキング対象のユーザがドッキング対象周辺機器を用いることを要求するかどうかを決定し、その後、ワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてのドッキング対象周辺機器の使用を制限又は終了するように構成される。
【0025】
有利には、ドッキング対象のユーザは、ドッキング対象周辺機器を介した制御を取り戻すのを可能にされる。
【0026】
オプションとして、ドッキング対象において、ドッキング対象プロセッサは、結合要求及び/又は使用要求を受信すると、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境におけるUSB周辺機器として利用可能にするように構成される。有利には、ドッキング対象周辺機器は、通常のUSB周辺機器として更なるドッキング対象により把握されるだろう。
【0027】
オプションとして、ホストデバイスにおいて、ホストプロセッサは、ワイヤレスドッキング環境がドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器として利用可能にするように設定可能である設定モードに適応するように構成される。
【0028】
有利には、設定モードにおいて、ホストは、ドッキング対象周辺機器の利用可能性を検出し、ワイヤレスドッキング環境の設定を確立する。
【0029】
ホストプロセッサは、以下のうち少なくとも1つにより設定モードに関与するように構成されてもよい。
− ドッキングされるドッキング対象の検出
− ホストのユーザインタフェースを介したユーザ入力
− ホストにより受信されるドッキング対象からの設定メッセージ
【0030】
本発明によるデバイス及び方法の更なる好ましい実施形態は、添付の特許請求の範囲において与えられ、その開示は参照によりここに取り込まれる。
【0031】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の説明において例により述べられる実施形態を参照して、及び、添付の図面を参照して、明らかになり、更に説明されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図は単に図表であり、実寸では描かれていない。図において、既に述べられた要素に対応する要素は、同じ参照符号を有し得る。
【0034】
ワイヤレスドッキングは、(ドッキング対象、ワイヤレスドッキング対象又はWDと呼ばれる)ポータブルデバイスが周辺機器のグループに無線接続するのを可能にすることであり、従って、ポータブルデバイス上のアプリケーションは、これらのアプリケーションとの動作/インタラクトの体験及び生産性を向上させるためにこれらの周辺機器を使用することができる。周辺機器のグループ化、周辺機器のグループの発見/通知、周辺機器のグループへの接続の管理は、その機能をワイヤレスドッキングプロトコルを介して利用可能にする、いわゆるワイヤレスドッキングホスト(WDH;wireless docking host)により実行される。
【0035】
考えられるワイヤレスドッキング対象は、これらに限定されるものではないが、ドッキング対象電話、ラップトップ、タブレット、ポータブルメディアプレーヤ、カメラ、電子時計を含む。考えられるWDHは、これらに限定されるものではないが、専用のワイヤレスドッキングステーションデバイス、ディスプレイデバイス、オーディオデバイス、プリンタ、PCを含む。また、ワイヤレスドッキングホストは、ディスプレイ、USB及びオーディオインタフェースを有する小さな(PCのような)ドングルであってもよい。考えられる周辺機器は、これらに限定されるものではないが、ワイヤレスマウス、キーボード、ディスプレイデバイス、オーディオデバイス、ウェブカメラ、プリンタ、ストレージデバイス、USBハブを含む。これらの周辺機器は、有線又は無線によりWDHに接続される。WDHは、これらの機能を、ドッキング対象のような他のデバイスに対してワイヤレスネットワークを介して利用可能にするために、Wi−Fi Miracast及びWi−Fiを介したUSBトンネリングのような技術を用いることができる。有線の周辺機器は、ワイヤレスホストに接続されてもよい。
【0036】
ワイヤレスドッキングシステムは、少なくとも2つのポータブルデバイス(ワイヤレスドッキング対象)及びワイヤレスドッキングホストを有してもよい。動作中、ワイヤレスドッキングホストは、周辺機器に取り付けられ、ワイヤレスドッキング環境においてドッキングするための周辺機器のセットを提供するように構成される。第1のワイヤレスドッキング対象は、ドッキングするためのワイヤレスドッキングホストに無線接続される。ワイヤレスドッキング対象は、ワイヤレスドッキング環境のための追加の周辺機器としてのワイヤレスドッキングホストに対するドッキング対象周辺機器として機能/性能/サブシステムのうち1又はそれ以上を利用可能にするように構成される。ワイヤレスドッキングホストは、第1のワイヤレスドッキング対象の1又はそれ以上のドッキング対象周辺機器を含むドッキングするための周辺機器を通知するだろう。更なるワイヤレスドッキング対象は、第1のワイヤレスドッキング対象のドッキング対象周辺機器の1又はそれ以上を有するワイヤレスドッキング環境にドッキングするためにワイヤレスドッキングホストに接続してもよい。それ故、更なるドッキング対象は、以下に更に説明されるように、共通のワイヤレスメッセージ発信及びストリーミングプロトコル(要するに、ドッキング処理と呼ばれる)を介してこれらのI/O周辺機器を介した制御を取得する。
【0037】
オペレーティングシステムは典型的にはプラグ&プレイデバイス管理機能を可能にするので、周辺機器は、典型的には、自動的に列挙され、正しいドライバに関連付けられ、その後、これらの機能は、そのOS上で実行する全てのアプリケーションに対して容易に及び透過的に利用可能になる。とりわけ、ドッキング対象周辺機器は、USBデバイスとして列挙されてもよい。1又はそれ以上のWDの機能/性能/サブシステムは、Wi−Fi Serial Bus又はMedia Agnostic USBのようなWi−Fiを介したUSBトンネリングプロトコル、又はUSB/IPソフトウェアを用いることにより、Wi−Fi(又は他のネットワーク)を介して提供され得る。プロトコルを促進するものとしてUSBを用いることは、これらの周辺機器の各々に関して各WDが利用するマスター/スレーブの役割を直ちに決定する。"通常の"周辺機器としてさらされる1又はそれ以上のドッキングされたWDのこれらの機能/性能/サブシステムによって、他のWDは、他のWD上で実行するアプリケーションの範囲内で、又は、ディスプレイ上のパネルとして示される標準のボリューム制御を用いてシステムに接続された各マイクロホン又はスピーカのボリュームを制御するような、標準オペレーティングシステム機能を用いることにより、全てのこれらの周辺機能を容易に制御/一体化し得る。
【0038】
図1は、ワイヤレスドッキングシステムを示している。本システムは、複数のドッキング対象120,130,140(例えば、モバイルフォン、ラップトップ又はタブレットコンピュータ)とのワイヤレス通信のためのホスト100を含む。第1のドッキング対象120だけが以下に詳細に述べられるが、他のドッキング対象は同様の構成要素及び機能を有する。ホストは、オーディオ又はビデオ(AV)データをレンダリングするための複数の周辺機器110,111,112に結合される。この文書において、AVデータは、ビデオデータ、オーディオデータ又はビデオとオーディオデータとの組み合わせの任意のタイプに対して用いられることに留意されたい。周辺機器は、ビーマー又はディスプレイスクリーン111のようなビデオ出力デバイス、スマートボード110又はタッチスクリーンのようなグラフィック入力/出力デバイス、ラウドスピーカシステム112又はヘッドホンのようなオーディオ出力デバイス、マウス又は部屋制御ユニットのようなユーザ制御デバイス、データ記憶装置又はプリンタのようなデータ処理デバイスを含んでもよい。
【0039】
ホスト100は、前記ワイヤレス通信を提供するためのホスト通信ユニット102、例えばそれ自体良く知られたWiFiユニットを有する。ホストは、周辺機器へのアクセスを提供してドッキング対象に対して周辺機器の使用を可能にするためにワイヤレスドッキング環境にドッキング対象をドッキングするように構成されたホストプロセッサ101を更に有する。ワイヤレスデバイスをワイヤレスドッキング環境にドッキングする処理は、WiFi又はBluetoothのような利用可能な無線チャンネルを介してデータリンクを確立する処理であり、国際公開第2012/117306号を参照して前述されたようにそれ自体知られている。Bluetoothの説明は、例えば2007年7月26日に発行されたBluetooth Specification, Core Package version 2.1 + EDRにおいて見られ得る。ホストは、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、種々の周辺機器をそれぞれのワイヤレスドッキング環境における使用のために利用可能にするように構成される。ドッキング処理は、ドッキング対象が選択されたワイヤレスドッキング環境において利用可能な1又はそれ以上の周辺機器にアクセスするのを提供することを含む。
【0040】
ドッキング対象120は、ホストとの前記ワイヤレス通信を提供するためのドッキング対象通信ユニット121を有する。実際には、その目的のための複数の通信ユニット(例えば、Bluetooth,Wi―Fi及び60GHz)があってもよい。ドッキング対象は、少なくとも1つの周辺機器へのアクセスを得るためにワイヤレスドッキング環境へのホストと、ドッキング対象としてドッキングするように構成されたドッキング対象プロセッサ122を更に有する。例えば、ドッキング対象に対して、レンダリングされるべきAVデータのための周辺機器を介して制御が提供される。例えばディスプレイ上にビデオをレンダリングする。
【0041】
ドッキング対象120は、ドッキング対象周辺機器123を備えている。例えば、ドッキング対象周辺機器は、マイクロホン、ラウドスピーカ、カメラ、ディスプレイ、タッチスクリーン、マウス、キーボード、通信ユニット、光センサ、温度センサ、配向センサ、位置センサのうち少なくとも1つであってもよい。また、ドッキング対象周辺機器は、ディスプレイの部分(例えばウインドウ)であってもよい。
【0042】
ワイヤレスドッキングシステムにおいて、ホストプロセッサは、結合要求をドッキング対象に送信し、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にするように構成される。ドッキング対象プロセッサは、ホストから結合要求を受信すると、ドッキング対象周辺機器をホストに結合するように構成される。更なる詳細が後述される。
【0043】
オプションとして、ドッキング対象プロセッサは、更なる周辺機器として結合するために利用可能なドッキング対象周辺ユニットを示す周辺機器性能信号をホストに送信するように構成される。周辺性能信号は、ドッキングプロセスの間に又はその前であっても送信されてもよい。周辺性能信号は、ホストから受信した結合要求に応答して、又は、照会メッセージ、又は、要求されないことに応答して、送信されてもよい。ホストにおいて、ホストプロセッサは、ドッキング対象から周辺性能信号を受信し、周辺性能信号を受信すると、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にするように構成される。更なる詳細が後述される。
【0044】
オプションとして、システムは、更なるドッキング対象130,140を含む。更なるドッキング対象は、ワイヤレスドッキング環境にドッキングすると、周辺ドッキング対象を用いるように構成される更なるドッキング対象プロセッサを有する。例えば、更なるドッキング対象は、ドッキング対象周辺機器の機能(例えばドッキング対象カメラ)である特定の周辺機能を必要とするアプリケーションを有してもよい。ホストにおいて、ホストプロセッサは、ワイヤレスドッキング環境に更なるドッキング対象をドッキングするように構成される。更なるドッキング対象をドッキングすると、ホストプロセッサは、ドッキング対象周辺機器がワイヤレスドッキング環境において用いられるべきことを示す使用要求をドッキング対象に送信し、ドッキング対象周辺ユニットと更なるドッキング対象との間の信号の伝達に適応する。ドッキング対象プロセッサは、ホストから使用要求を受信すると、ドッキング対象周辺機器の使用モードに関与し、ドッキング対象周辺ユニットとワイヤレスドッキング環境との間で信号を伝達するように構成される。更なる詳細が後述される。
【0045】
ドッキングシステムにおいて、ドッキング対象は、ドッキングを開始するためにWDHからの信号を自動的に検索してもよい。斯様な信号のための前記検索は、ユーザによりトリガされた後に開始されてもよく、その後、信号を受信すると、WDHにドッキングするために1又はそれ以上のアクションを開始する。第1のオプションは、常にイネーブルにされて常に動作するという利点を有し、第2のオプションは、より少ないバッテリ出力しか必要としないという利点を有する。
【0046】
ドッキングシステムにおいて、種々のドッキング対象は、それぞれの異なるワイヤレスドッキング環境においてアクセスされ得る周辺機能の異なるセットを受信してもよい。また、ホスト(例えばPC)は、ドッキング対象共有周辺機器も排他的な周辺機器も利用可能にしてもよく、これにより、排他的周辺機器(即ち、単一のソースからの/へのデータのみを受け入れ得るか又は供給し得る周辺機器)が、以下に従うように扱われ得る。
1)ディスプレイ上にウインドウは、ディスプレイ全体の代わりに利用可能にされ得る。効果的に、排他的ディスプレイは共有周辺機器になる。ドッキング対象に焦点が合っているときには、マウス/キーボード制御がそのドッキング対象に割り当てられる。
2)ホットキーは、完全なスクリーンにおける表示を用いるために、ドッキング対象の間のスイッチに対して、又は、ホストPC自体に対して提供される。
3)方法は、WDHがドッキング対象から周辺機器を強制的に解放し、これらを他のドッキング対象に与えるのを可能にする。
【0047】
図2は、ワイヤレスドッキングホスト及びドッキング対象を有するドッキングシステムの一例を示している。図は、周辺機器211(例えば、ディスプレイ、オーディオスピーカ及び他の周辺機器)のセットに接続されるワイヤレスドッキングホスト(WDH;Wireless Docking Host)210を示す。また、周辺機器は、周辺機器への高速アクセスのためのイーサネット接続又はインターネットアクセス、複数の周辺機器接続をサポートし得るUSBインタフェース、又は、HDMIのような、周辺機器インタフェースを介して結合されてもよい。種々のドッキング対象251,252,253は、ホスト210により提供されるワイヤレスドッキング環境にドッキングされるものとして示される。ドッキング対象252,253は、それぞれのドッキング対象内部のドッキング対象周辺機器へのアクセスを提供する。ドッキング対象周辺機器は、ホストに結合され、ホストにより適応されるワイヤレスドッキング環境において利用可能になる。(それぞれのワイヤレスドッキング環境にドッキングされる)更なるドッキング対象251は、双方向矢印260により示されるように、(実際には異なる周辺機器において配置される)ドッキング対象周辺機器にアクセスしてもよい。
【0048】
図は、本発明の一例を示している(例えば、周辺機器のセット(例えば、ディスプレイ、オーディオスピーカ及び多数の他の周辺機器)に接続されるミーティング部屋におけるWDH)。WDのセットは、Wi−Fi Directを用いてWDHに同時に接続され、これによって、WDHは、Wi−Fi Direct Group Owner(GO)である。一方向矢印により結合されるように示されたWDは、WDHとドッキングされ、これらの各々は、WDHにより管理される周辺機器としてこれらの性能(例えば、マイクロホン、スピーカ、センサ)の幾つかを提供し、従って、これらは、他のWDがドッキングし得る周辺機器のセットに追加され得る。
【0049】
更なるドッキング対象251がドッキングされると、WDHに最初に接続された周辺機器だけ用いることができないが、ドッキングするドッキング対象周辺機器として提供される他のWDの性能を用いる。更なるドッキング対象は、これらの周辺機器のうち1又はそれ以上の使用を統合するアプリケーション(例えば、他のWD上でオーディオ入出力機能を有効にするか又は無効にするかの制御を有するアプリケーション)を実行することができる。
【0050】
実際には、ワイヤレスドッキング環境は、最初は、幾つかの従来の周辺機器に結合されたホストのみを有し得る(例えば、有線の周辺機器(例えば、USB、HDMI)、及び/又は、それ自体知られているBluetooth/WiFiペアリング及び設定プロトコルを用いた(例えばBluetooth、WiFi、Miracastを介した)ワイヤレス周辺機器)。ワイヤレスドッキングは、ワイヤレスドッキングプロトコルを実行するためにWDHに無線接続するポータブルデバイス(即ち、ワイヤレスドッキング対象又はWD)を伴う。無線ドッキングプロトコルは、ワイヤレスメッセージ発信のセット及びWDとWDHとの間のストリーミング/制御プロトコルからなり、これは、WDが、WDH(事前関連付け及び/又は事後関連付け)によりドッキングするために提供されている周辺機器に関する情報を発見し、周辺機器のセットを選択し、(例えば、Miracastのようなプロトコルを用いて、又は、Wi−Fiを介したUSBトンネリングにより)これらの選択された周辺機器へのストリーミング/制御接続をセットアップするのを可能にする。
【0051】
周辺機器は、(例えば、USB、HDMI、DVI/VGA、オーディオジャッキを用いて)WDHに有線で取り付けられる別々のデバイスであってもよい。また、周辺機器は、(例えば、Bluetooth、Wi−Fiを用いて)WDHに無線接続されてもよい。また、周辺機器は、(例えば、PCIe又は他の内部バスを用いて接続された)WDHの内部サブシステムであってもよい。我々は、WDがWDHとドッキングされていないときの周辺機器の初期セットを初期ワイヤレスドッキング環境という。ドッキングのためにWDHに接続するWDは、ドッキングする初期ワイヤレスドッキング環境の周辺機器のサブセット又は完全なセットを選択することができる。これは、各周辺機器を個別に選択することにより、又は、サブセット若しくは完全なセットを一度選択することにより行われ得る。
【0052】
その後、ワイヤレスドッキング環境は、1又はそれ以上のポータブルドッキング対象に渡って割り当てられる1又はそれ以上のドッキング対象周辺機器に結合することにより拡張されてもよい。ドッキング対象周辺機器の結合は、提案されたワイヤレスドッキング及び後に説明される設定プロトコルを用いてもよい。ここで拡張されたワイヤレスドッキング環境は、それ自体知られているワイヤレスドッキングプロトコルを用いてドッキングするために更なるドッキング対象により選択されてもよい。更なるドッキング対象は、利用可能な周辺機器のセットを知覚するだろう。セットは、従来の周辺機器及び結合されたドッキング対象周辺機器の双方を含む。
【0053】
ドッキング対象周辺機器のワイヤレスドッキング環境への追加により提案された拡張を可能にするために、WDHは、WDHが(k−1を伴う)k+1無線接続を有するのを可能にするために1又はそれ以上のWi−Fi無線を備えてもよい。WDHは、更に、初期ワイヤレスドッキング環境が拡張され得る設定モードに入るのを可能にされてもよい。第1のワイヤレスドッキング対象WD1がWDHに接続されるとき、WDHは、例えば以下の方法のうち1つを介して、この設定モードに入ってもよい。
1)(ドッキング目的のために)接続されているワイヤレスドッキング対象の自動検出により
2)(例えばローカルユーザインタフェース、又は、WDHにより提供される遠隔ユーザインタフェース(例えば、HTMLページ)を介して、WDHのユーザにより開始される
3)(例えば、ワイヤレスドッキングプロトコルにおける特定の設定メッセージをWDHに送信することにより)ワイヤレスドッキング対象WD1又は他のワイヤレスドッキング対象により開始される
この目的を達成するために、WDHは、例えば、WDHにより提供される特定のドッキング設定サービスに対するREQUEST_SESSIONメッセージのための特定のTCP/IPポートを聴取してもよく、又は、WDHは、例えば、UPnPドッキングサービスにより提供される特定のUPnPアクション(例えば、EnterConfigurationMode())をサポートしてもよい。
【0054】
WDHが上述の設定モードにあるとき、WDHは、その性能に関する情報を提供するようワイヤレスドッキング対象WD1に要求する。とりわけ、任意の機能/性能/サブシステムがある場合、これは、他のドッキング対象のためのドッキング対象周辺機器として利用可能になるか又は利用可能になり得る。これは、例えば要求された情報を示す幾つかの追加のフィールドを有する802.11プローブ要求フレーム又は802.11uGASフレームをWDに送信することにより、又は、特定のメッセージ(例えば、RequestDockingPeripheralCapabilities)を特定のTCP/IPポート上のWDにより提供されるドッキング設定サービスに送信することにより、行われ得る。
【0055】
これらのメッセージ(又はフォローアップメッセージ)のうち1つを受信すると、ワイヤレスドッキング対象WD1は、他のワイヤレスドッキング対象がドッキングするドッキング対象周辺機器として機能/性能/サブシステムのうち1又はそれ以上を提供してもよいかどうかをそのユーザに要求してもよい。ユーザは、ドッキング対象周辺機器として利用可能となる1又はそれ以上の機能/性能/サブシステムを選択的に又は自動的に選んでもよい。代わりに、WDは、他のワイヤレスドッキング対象がドッキングするドッキング対象周辺機器としてその機能/性能/サブシステム(の幾つか)を提供することに自動的に同意するように(事前に)構成されてもよい。この結果として、ワイヤレスドッキング対象WD1は、機能/性能/サブシステムがドッキング対象周辺機器として利用可能となるかどうかを決定する。例えば、
− マイクロホン入力は、入力端子タイプMicrophone(0x0201)を伴うUSB Audioデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− スピーカ出力は、出力端子タイプSpeaker(0x0301)を伴うUSB Audioデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− カメラ入力は、入力端子タイプCamera(0x0201)を伴うUSB Videoデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− ディスプレイ出力は、ビデオタイプDISPLAYを伴うUSB AVデバイスクラスとして、又は、Miracastシンクとして利用可能になってもよい。
− キーボード/マウス/タッチ入力は、USB HIDデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− 光/温度センサは、適切なセンサタイプを伴うUSB HIDデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− 配向センサは、適切なセンサタイプを伴うUSB HIDデバイスクラスとして利用可能になってもよい。
− GPSセンサは、適切なセンサタイプを伴うUSB HIDデバイスクラスとして利用可能になってもよい。種々のUSB HIDデバイスは、http://www.usb.org/developers/hidpage/HUTRR39b.pdfにおいて述べられる。
【0056】
アプリケーション層プロトコル(例えばDLNA)を使用して機能又はコンテンツを利用可能にする代わりにこれらの機能/性能/サブシステムを(USB周辺機器のような)低レベル周辺機器として利用可能にする利点は、これらの周辺機器が、ドッキングされたときに、ワイヤレスドッキング対象のオペレーティングシステム管理されたデバイスリストにおける周辺機器として単純に現れ、列挙され、及び、ローカルに接続された周辺機器(例えば、USB周辺機器)であった場合のように用いられ得ることである。これは、これらの周辺機器の透過的なアプリケーションの使用を提供する。Wi−Fiを介したUSBトンネリングを介して利用可能になるUSB周辺機器の場合、WD上のアプリケーションは、標準のUSB列挙及びこれらのUSB周辺機器を制御するための任意の標準のUSBドライバコマンドを用いることができる。
【0057】
ワイヤレスドッキング対象WD1は、性能メッセージを用いてWDHにドッキング対象周辺機器を通知してもよい。USB周辺機器に関して、これは、Wi−Fiサービス及びプロトコル(例えば、USB/IP)を介したUSBトンネリングを介してアクセスを提供する。これらの周辺機器(例えば、これらの性能、これらのUSB記述子、サービス識別子、用いられるTCP/UDPポート等)の通知は、802.11プローブ応答又は802.11u GASサービス応答における幾つかの追加のフィールドを介するような、事前関連付けメッセージを介して行われてもよく、又は、例えば、UPnPドッキング設定サービスの部分として提供されるUPnPメッセージ"AddNewPeripherals"におけるドッキング対象周辺機器に関する情報を送信することによるような、事後関連付けメッセージを介して行われてもよい。
【0058】
WDHは、WD1により提供される接続データを格納するだろう。接続データは、WD1に接続するために必要な情報及びドッキング対象周辺機器に関する情報を有してもよい。WDHは、これらをワイヤレスドッキング環境に対する周辺機器として追加し、例えばそのドッキングサービス特有の事前関連付け又は事後関連付けメッセージ又はペイロードを用いて、他のWDとのドッキングを可能にするためにこれらの追加の周辺機器を通知するのを開始するだろう。
【0059】
一実施形態において、ホストプロセッサは、前記結合要求を介してドッキング対象周辺機器に対するセッションをセットアップするように構成され、ドッキング対象プロセッサは、前記セッションを介してドッキング対象周辺機器の制御を提供するように構成される。従って、ホストは、ドッキング対象周辺機器に関する情報を取得し、ドッキング対象周辺機器に対するセッションをセットアップすることにより使用のための周辺機器を求める。WDHは、周辺機器のアクティブな制御を得てもよく、更なるドッキング対象がドッキングすると後のより速いアクセスのために(WD1自体を含む)他者により用いられ得るのを防止する。
【0060】
例えば、WD1のドッキング対象周辺機器に関する情報を取得するとともに、ホストによるドッキング対象周辺機器の制御を取得するために、WDHは、これらの周辺機器の制御を要求し、及び/又は、これらを設定し、及び/又は、これらの周辺機器に関する追加の詳細な情報を収集することを要求してもよい。これは、Wi−Fiを介したUSBトンネリングのような周辺機器特有のプロトコルを用いて周辺機器に対するセッションをセットアップすることにより行われ得る。周辺機器に対するセッションをセットアップすることにより、WDHは、周辺機器の一時的な制御を得ることができ、これらのリソースの制御を他のワイヤレスドッキング対象に与えるために、WD1上のこれらの機能/性能/サブシステムのリソースが適切に請求されていることを確かめる。WDH又は他のドッキング対象の制御下にある間、リソースは、時間スケジューリング又は周辺機器の仮想化の他の形式のような幾つかの特別な条件が利用されない限り、典型的には、もはやWD1のユーザにとって利用可能ではない。
【0061】
代わりに、WD1のドッキング対象周辺機器に関する必要な情報を格納した後、WDHは、WD1に対するドッキング対象周辺機器の制御を放棄してもよい。WD1のユーザは、第2のWDがWDHにドッキングして、WD1により提供されるドッキング対象周辺機器のうち1又はそれ以上を選択するまで、ドッキング対象周辺機器により提供される機能/性能/サブシステムを用い続けてもよい。選択があると又はドッキング対象周辺機器に対するセッションをセットアップすると、WD1のユーザは、通知されてもよく、該ユーザが選択されたドッキング対象周辺機器により提供された機能/性能/サブシステムの制御を第2のWDに与えたいかどうかを確認するよう尋ねられてもよい。
【0062】
オプションとして、WD1のユーザは、例えば"GainBackControl"UPnPメッセージをWDHに送信することにより、自己のドッキング対象周辺機器の制御に戻すよう要求するのを可能にされてもよい。これが必要とされ得る典型的な使用事例は、ドッキング対象オーディオ周辺機器がWDH又は他のドッキング対象の制御下にあり、電話がかかってくるときである。通話が終わった後、ドッキング対象は、WDH又は他のドッキング対象が発見をやり直すことなく制御を回復し得るように、例えば"ResumeControl"UPnPメッセージをWDHに送信してもよい。代わりに、WD1は、必要とされる間、自己の周辺機器を単純に取得してもよく、WDHにダミーを送信したか又は応答しない、及び、WDHからのデータを選択的に無視する(又は、ディスプレイ又はスピーカデータの場合においてWDHからのデータをWD1データと組み合わせる)。
【0063】
WDHは、WD1にWi−Fiを介して(とりわけWi−Fi Directを介して)接続されるので、WD1により提供されるドッキング対象周辺機器を用いたい他のワイヤレスドッキング対象WD2は、Wi−Fi Directの動作の一部を壊すことなく効率的な態様でこれを行い得ることが重要である。WDH,WD1及びWD2(例えば、異なるWi−Fiチャネル上の並列接続のためのサポート、5GHz/60GHzのサポート、複数の無線サポート等)の性能に依存して、これは、以下の手段のうちの1つにおいて行われ得る。
【0064】
1) WDH支援型ダイレクトペアリング(又はTDLS)を介した場合。以下のステップが実行される。ステップa)は、更なるドッキング対象WD2とホストWDHとの間の支援されたペアリングを取り込む。それに加えて、WDHは、接続データを更なるドッキング対象WD2に提供し、典型的には、ペアリングのために用いられるべき認証情報をWD1及びWD2の双方に指示する。ステップb)は、接続データ及び受信した認証情報に基づいて第1のドッキング対象WD1及び更なるドッキング対象WD2のペアリングを取り込む。最後のステップc)は、直接接続を用いてWiFiを介したUSBトンネリングを取り込む。WDHは、WD2により用いられるWD1のドッキング対象周辺機器の制御を一時的に放棄するだろう。WD2がドック解除された後、WDHは、典型的には、例えばWDHにおいて以前に格納されているP2Pパーシステント(Persistent)グループ認証情報を用いてWD1を再招待することにより、WD1のドッキング対象周辺機器の制御を取り戻すだろう。ペアリングの更なる詳細は、特許出願EP12182285"Pairing within a group of wireless devices"において述べられている。USB周辺機器としてのワイヤレスドッキング環境において利用可能なドッキング対象周辺機器により、ワイヤレスドッキング環境は拡張される。
【0065】
2) WD1とWD2との間のWDH中継トラフィックを介した場合。USBトラフィックは、更なるドッキング対象WD2とホストWDHとの間でWiFiを介してトンネリングされる。更に、WDHは、USBトンネリングトラフィックを更なるWiFi接続に伝達し、USBトラフィックは、ワイヤレスドッキング環境を拡張するようにドッキング対象周辺機器を提供している第1のドッキング対象WD1にWiFiを介してトンネリングされる。WD1に対するトンネリングは、接続データに基づく接続を介したものである。詳細には、Wi−Fiを介した斯様なUSBトンネリングは、以下のように行われ得る。
【0066】
a) WDHがドッキングのためにWD1により提供されたドッキング対象周辺機器を通知するとき、事前関連付けメッセージ及び/又は事後関連付けメッセージにおける中継を介して(例えばWi−Fiダイレクトサービスのための802.11uのANQPクエリ応答における応答データのサービス情報記述子フォーマットの範囲内のサービス情報フィールドを介して)この周辺機器に接続するために接続データを供給してもよい。ドッキング対象接続データは、以下のような情報を含む。
i.周辺機器のMACアドレス。これは、他のWDが周辺機器に送信されることを意味するメッセージ/Wi−Fiフレームのための終点アドレスとして用いなければならないものである。とりわけ、セキュリティ上の理由のため、WDHは、WD1とともに形成するP2Pグループよりも、ドッキングのために他のWDとともに別々のP2Pグループをおそらく形成するので、このMACアドレスは、異なる(そうでなければ他のドッキング対象に対して知られていない)サブネット/アドレス空間にあってもよい。
ii.サービスの名前/識別子。これは、WD1がWi−Fiを介してUSBトンネリングを可能にするために提供するものである(例えばorg.usb.audiodeviceのようなWi−Fiダイレクトサービスフレームワークの範囲内で使用される名前)。
iii.サービスとの通信のために用いられることを必要とするポート番号。これは、WD1がWi−Fiを介してUSBトンネリングを可能にするために提供するものである。
【0067】
b) 他のワイヤレスドッキング対象WD2がドッキングのためにWDHに接続して、WD1により提供されるドッキング対象周辺機器を選択すると、WD1がWi−Fiを介したUSBトンネリングを可能にするために提供するサービスに対するセッションをセットアップするためにステップa)において受信したドッキング対象接続データを用いる。WD2とWD1との間でセッションがセットアップされる必要があるが、セッション初期設定要求(例えばWi−Fiダイレクトサービス制御ポート上のREQUEST_SESSIONメッセージ)は、WDHにおいて予定されるべきである。WDHは、制御目的のためにWD1を伴うドッキング対象接続データに基づいて既にセッションを有している可能性が高く、及び、第2のセッションは、WD1により拒否され得るためである。WDHは、WD1を伴うそのセッションをクローズし、WD2に代わって新たなセッションを再確立しなければならないかもしれない。
【0068】
c) WD2とWD1との間のセッションが確立されると、WDHは、ステップaにおいて示されたMACアドレスで予定されるWD2からの任意のメッセージをWD1に伝達し、Wi−Fiリターンメッセージを介した任意のUSBトンネリング又はWDHにおけるWi−Fiを介した任意の入力USBトンネリングをWD2に伝達するだろう。
【0069】
d) WD2がWi−Fiサービスを介してUSBトンネリングとのセッションを閉じたこと、又はドック解除されたこと、又は用いられるドッキング対象周辺機器を外したこと、又は範囲外に行ったこと(及び、時間内にキープアライブメッセージを送信しなかったこと)をWDHが検出すると、WDHは、WD1のドッキング対象周辺機器の制御を取り戻すためにWD1とのドッキング対象接続データに基づいてセッションを再確立してもよい。そうするために、WDHとWD1との間のP2Pグループを再確立することを必要としてもよい。これは、前に格納されたドッキング対象接続データ(例えばパーシステントP2Pグループをセットアップするための認証情報)を用いることにより行われ得る。
【0070】
図3は、組み合わせられた写真機能を実行するワイヤレスドッキングシステムの一例を示している。第1のモバイルデバイスは、ワイヤレスドッキングホストWDH 300の機能を実行する。ホストは、ワイヤレスドッキング環境における周辺機器として自己のカメラを提供する。3つのドッキング対象310,320,330は、ホストにより適応されるワイヤレスドッキング環境においてワイヤレスにドッキングされ、ドッキング対象は、それぞれ、ドッキング対象周辺機器としてカメラを提供する。ホスト(又はドッキング対象のうち1つ)は、オブジェクト350の組み合わせられた写真を得るために使用可能なアプリケーションプログラムを有する。アプリケーションプログラムは、周辺機器として、全ての利用可能なカメラ周辺機器を用いる。アプリケーションは、更に、全ての周辺カメラを活性化することにより同時撮影をトリガする。
【0071】
実際には、家族又は旅行者のグループは、360度画像を取得したいモニュメントを訪問しているかもしれない。彼らのスマートフォンは、WDHにドッキングされ、これらのカメラをドッキング対象周辺機器として(更なるスマートフォンがドッキングし得る拡張されたワイヤレスドッキング環境の部分として)利用可能にする。更なるスマートフォンがWDHとドッキングされると、スマートフォンのオペレーティングシステムは、全ての周辺機器をその(プラグ&プレイ)デバイス管理機能の部分として列挙する。例えば、更なるドッキング対象は、組み合わせられたパノラマ画像を撮るためのフォトアプリケーションを有する。画像取得アプリケーションは、オペレーティングシステムにこれらの周辺機器へのアクセスを提供するよう尋ねることができ、モニュメント周辺の適切な位置決めのために各デバイスに対して分離命令を送信する。これらのデバイス命令は、(例えば、Wi−Fi Serial Bus又はMedia Agnostic USBを用いて)ワイヤレス媒体を介して特定のデバイス命令を用いてデバイスに供給され得る。(例えば、撮影されるべきオブジェクトのまわりのユーザ配置のための)ユーザインストラクションは、グラフィックフォーマット及び/若しくはテキストにおいて所有者のスクリーン上に示され得るか、又は、それぞれのドッキング対象ディスプレイ(又はディスプレイの一部)をディスプレイ周辺機器として用いることにより、各WDのディスプレイ上に示され得る。全てのデバイスが適切に配置されたとき、デバイスのうち1つは、位置調整されたカメラ設定と同時に写真を撮るために全てのデバイスをトリガする。それぞれ個々の画像は、全体的な(360度)画像のシームレスなステッチングを可能にするようローカルで処理される。結果を組み合わせることは、全てのデバイスから(事前に処理された)画像を取ってきた後に写真取得アプリにより行われる。
【0072】
性能を組み合わせるために、以下のうち1又はそれ以上がドッキングシステムにより提供されてもよい。
− 第1のWDの機能/性能/サブシステムを介した更なるWDのための制御メカニズム。(例えばUSBホストとして)第2のWDにより使用されると、ドッキングされた周辺機能は、基本的には、第2のWDからのスレーブになる。第1のWDは、同じ周辺機器を介した一部の共有/同時制御が第1のWDによりイネーブルにされない限り、基本的には、この機能/性能/サブシステムの制御を失う。
− 第2のWDが用いていない(しばらくの間、時間多重化された)場合に、又は、(例えばドッキング解除アクションを開始することにより)周辺機能の制御を放棄した場合に、第1のWDが再び周辺機能を用いるのを可能にする協働プロトコル。
− 複数のデバイスからのデータを組み合わせるための、及び、これらに対する命令の分配のための、制御メカニズム。このメカニズムは、WDHにより提供されてもよく、又は、ドッキングデバイスの間で分配されてもよい。1つの特定の例は、(例えば、USB/IP又はWi−Fi Serial Bus又はMedia Agnostic USBを用いて)Wi−Fiを介したUSBトンネリングと協働してUSBサブシステムを用いることである。
− 例えば、組み合わせられた画像を撮るときにカメラシャッターを調整するか、又は、マルチチャネルサウンドのためのオーディオデータを同期化させるために、例えばデバイス間のデータ転送を調整するための同期メカニズム。このメカニズムは、WDH又は第2のWDにより提供されてもよい。USBサブシステムが用いられる場合には、第2のWD上のUSBホストは、その命令を周辺デバイスの各々に同期させ得る。
− どこに立っているべきか、どのようにデバイスを保持するべきか、及び、どの他のアクションを利用するべきかについて、個々のユーザに指示するためのインストラクタアプリケーション。
− WDの機能/性能の仮想化。
− 拡張されたワイヤレスドッキング環境の部分(例えばオートマチック)になるためにWDの機能を活性化するのに対し、WDのユーザが、或る機能が利用可能になるのを拒絶するのを可能にすることによる制御。
− 拡張されたワイヤレスドッキング環境における周辺機器をプラグ&プレイデバイス管理機能の部分としてリストアップすることが可能なオペレーティングシステム。ドライバの(自動)導入がこれらの周辺機器を用いるのを可能にし、従って、WDは、デバイス自身に存在していた場合のように、他のWDにより提供されたこれらの周辺機器を使用し始めることができる。
【0073】
提案された拡張したワイヤレスドッキング環境は、同時にアクティブになっている複数の類似の周辺機器からの入力を集めるのを可能にし、異なる入力間のオーバーラップを組み合わせる/相関させる/挿入する/検出することにより組み合わせられた出力を生成するために入力を処理する。WDがモバイルデバイスであり、それ故に(例えば部屋内又はWDHのワイヤレス範囲内の)或るエリア内の異なるスポットに配置されることに基づいて、単純な低コストの態様において幾つかの強力なアプリケーションを可能にする。以下は、可能にされる例となるアプリケーションのリストである。
− マイクロホンアレイを形成するために拡張したワイヤレスドッキング環境内の異なるマイクロホンからの(即ち、複数のすぐ近くのデバイスから入力される)入力を組み合わせる。この結果は、非常に高品質な結果となる信号である。例えば、ミーティングが複数の参加者により(大きな)物理的ミーティングルームにおいて生じており、全ての参加者が彼らのモバイルフォンをミーティングルームのWDHとドッキングする場合、ミーティングの参加者のうちの1人(例えば議長)は、参加者の各々からのモバイルフォンからの全てのマイクロホンからの入力を集めることができ、(例えば電話でミーティングに参加している)遠隔参加者のために高品質出力信号を生成し得る。拡張ワイヤレスドッキング環境における異なるWDからのマイクロホンにより形成されたマイクロホンアレイとは異なる入力信号を挿入することにより、参加者からの音声がマイクロホンの近くにあるように見せることができる。この態様において異なるマイクロホン信号を組み合わせる他の利点は、サラウンドサウンドとして、及び、極めて容易な低コストの態様における非常に高い品質を伴う、ミュージック、スピーチ等を記録することであり得る。
− 仮想サラウンドサウンド体験を生成するために拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるスピーカからの出力を組み合わせる。
− パノラマ又は3D画像/ビデオを生成するために拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるカメラからの入力を組み合わせる。
− より大きなディスプレイ(例えばマップ又はボードゲーム)を形成するために、又は、全てのWD上に同じディスプレイ出力の複数のコピー(例えばクイズ又は試験問題)を示すために、又は、(例えば、協力的タスクを行うか又は3Dの世界上に異なる視野を示すために)ユーザインタフェースからの異なる視野又は要素を表すために、拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるディスプレイからの出力を組み合わせる。
− マルチプレイヤゲームのような協力的な目的のために拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるキーボード/マウス/タッチ入力デバイスからの入力を組み合わせる。例えば、WDのうちの1つからの配向センサは、WDHのドッキングスクリーン上のポインタを制御するために用いられ得る。この場合、WDは、WDHのための仮想(レーザポインタ)周辺機器とみなされ得る。それ故、部屋内の誰でも、スクリーンの前で移動する必要なく或る提示アイテムを移動又はポイントすることができる。他の類似の例は、二次WDの(仮想)鍵が一次WDの提示を制御するために一時的に用いられるということであるだろう。
− (WDHのスクリーン輝度/コントラスト/色を含む)光又は気候調整目的のために周囲の温度又は光マップを生成するために拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なる光又は温度センサからの入力を組み合わせる。
【0074】
必要とされる場合、複数のドッキング対象の制御及び/又は周辺データのための同期化メカニズムは、NTP(Network Time Protocol)又はWi−Fi TSF(Timing Synchronisation Function)等を用いて実装され得る。これらのプロトコルは、P2Pグループ内のデバイスのクロック同期を可能にする。NTPの最新版(NTPv4、RFC5905)は、ソフトウェア実装を用いて干渉のないLANにおけるマイクロ秒の精度を実現し得る。NTPは、https://tools.ietf.org/html/rfc5905を介して利用可能な、Request for Comments 5905, ISSN: 2070-1721においてIETF(Internet Engineering Task Force)により規定される。
【0075】
デバイスは、UDP、TCP又はRTPプロトコルを用いてタイムスタンプを送受信してもよく、これらのタイムスタンプは、必要に応じて複数のデバイスからの/へのデータを同期させるために用いられ得る。データの適切な同期は、オーディオ周辺機器(マイクロホン、スピーカ)及びビデオ周辺機器(カメラ、ディスプレイ)にとって重要であるが、これらに限定されなくてもよい。
図3の例において、カメラは、PTP[Picture Transfer Protocol, PIMA 15740]InitiateCaptureを用いて、又は、デバイスがイメージデバイスクラスを依然としてサポートしている場合にはUSBを介したベンダ固有のキャプチャコマンドを用いて、個別にトリガされてもよい。前記PTPは、http://people.ece.cornell.edu/land/courses/ece4760/FinalProjects/f2012/jmv87/site/files/pima15740-2000.pdfを介して利用可能な"Photography - Electronic still picture imaging - Picture Transfer Protocol (PTP) for Digital Still Photography Devices, PIMA 15740:2000, Approved 2000-07-05, FIRST EDITION"において更に述べられる一方で、USBは、http://www.usb.org/developers/devclass_docs/usb_still_img10.pdfを介して利用可能な"Universal Serial Bus Still Image Capture Device Definition, Revision 1.0, July 11, 2000"において更に述べられる。
【0076】
各カメラのためのコマンドを、相互遅延を最小化するためにできるだけ同時に送信し、自己のカメラをトリガしたときに転送遅延を補償するかどうかはWDH次第である。各カメラのためのトリガ遅延が知られているか又は決定され得る場合、WDHは、個々のキャプチャコマンドを送信したときにこれを考慮してもよい。
【0077】
オーディオチャネルに関して、同期は、例えば、http://www.usb.org/developers/devclass_docs/audio10.pdfを介して利用可能な"Universal Serial Bus Device Class Definition for Audio Devices, Release 1.0, March 18, 1998"において更に述べられる、USB device Class Definition for Audio Devices (V1.0, section 3.4)において述べられた"Inter Channel Synchronization"方法を用いることにより達成され得る。
【0078】
新たな又は他の周辺機器は、類似の手段で組み合わせられてもよく、他の例及びアプリケーションが可能であることに留意されたい。また、列挙された2又はそれ以上の要素が組み合わせられてもよい。例えば、ユーザは、大きなディスプレイを形成するか又はパノラマ画像を同時に取得するための位置及び配向センサに基づいて彼らのデバイスの物理的配置のために指示されてもよい。
【0079】
オプションとして、拡張ワイヤレスドッキング環境は、例えばユーザ又は制御アプリケーションからのトリガに基づいて、特定の(短い)時間間隔で活性化されるべき拡張ワイヤレスドッキング環境における複数の周辺機器をトリガするように構成されてもよい。アプリケーションは、以下のものを含み得る。
− 秘密を解除するためにボタン又は特定のキーを同時に押すことを複数のユーザに要求するセキュリティアプリケーション。
− 写真撮影:シーンのインスタントパノラマショットを生成し得るか、又は、暗い環境において同期された光フラッシュをつけ得る。
【0080】
オプションとして、拡張ワイヤレスドッキング環境において利用可能な周辺機器は、アプリケーションが異なるWD間の及びWDとWDHとの間の相対位置/距離を決定し、制御機能内部でこの情報を用いるのを可能にする。例えば、
− 拡張ワイヤレスドッキング環境内の1又はそれ以上のスピーカを用いてサウンドを生成し、同時に、生成されたサウンドを取り込むために拡張ワイヤレスドッキング環境内の1又はそれ以上のマイクロホンを用いる。取り込まれたサウンドのボリューム、質及びコンテンツを測定し、これを生成されたサウンドに関する情報と相関させることにより、異なるWD間の相対的位置が決定され得る。
− 拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるGPS/位置及び配向センサを用いることにより相対位置情報を決定する。この相対位置情報は、エンターテイメント目的、戦略的目的又は協力的目的のために図又はパターンを形成するために物理的配置をユーザに教えるために後に用いられ得る。
− (場合により、幾つかのビーコン又はプローブ要求/応答フレームを送信するようワイヤレスコネクティビティ/通信機能に指示することにより拡張される)拡張ワイヤレスドッキング環境内の異なるワイヤレスコネクティビティ/通信機能から受信されたワイヤレス信号強度及び品質レベルを挿入することにより、相対位置情報を決定する。
【0081】
この情報から大いに利益を享受し得る1つの特定の制御アプリケーションは、特定のWDがどれくらいWDHから離れるように移動しているかに基づいてその特定のWDをドッキング解除するという制御アプリケーションであるだろう。これは、セキュリティ理由のために有益である。WDが離れているが依然としてドッキングされているとき、他のユーザが、その特定のWDとインタラクトするため、及び、場合によりそのデバイスを誤用するために、他のWD又はWDHのうちの1つを用いることができるかもしれないためである。
【0082】
上記の説明において別々の実体であるWDH及びWDについて述べているにもかかわらず、WDHとWDのうちの1つとの機能が、単一の物理的デバイスにおいて組み合わせられてもよい。
【0083】
上の説明は、Wi−Fiアライアンスからの文献"Wi-Fi Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification, Version 1.2, 2010"から知られる、(Wi−Fi Peer to Peerとして知られる)Wi−Fi Directを用いた実装オプションについて述べている。Wi−Fi Directは、Wi−Fiデバイスがワイヤレスアクセスポイントを必要とすることなく互いに接続するのを可能にする規格である。
【0084】
図4は、ホスト及び少なくとも1つのドッキング対象を有するワイヤレスドッキングシステムにおいて用いられる、ホストにおけるワイヤレスドッキングの方法を示している。ホスト及びドッキング対象は、ワイヤレス通信を介してワイヤレスにドッキングするように構成され、ホストは、少なくとも1つのワイヤレスドッキング環境に適応し、周辺機器をワイヤレスドッキング環境においてアクセス可能にするために少なくとも1つの周辺機器に結合するように構成される。ドッキング対象は、少なくとも1つのドッキング対象周辺機器を有する。この方法は、ステップSTART 401で開始し、続いて、ステップDOCK_1 402において、少なくとも1つのドッキング対象は、ドッキング対象のためのワイヤレスドッキング環境における周辺機器へのアクセスを提供するためにワイヤレスドッキング環境にドッキングされる。次に、ステップCPL_REQ 403において、結合要求がドッキング対象に送信される。ドッキング対象周辺機器が存在しているとともに利用可能にされているとドッキング対象が決定した場合、ドッキング対象は、ステップCPL_CF 404において結合確認メッセージを送信する。確認メッセージを受信した後、本方法は、ステップC_RDY 405において、ワイヤレスドッキング環境の設定が準備できているかどうかを決める。そうでない場合には、更なる結合要求がステップCPL_REQ 402に戻ることにより送信され得る。設定モードが完了したとき、本方法は、ステップDOCK_2 406に進み、本方法は、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にする。ここで、更なるドッキング対象は、ワイヤレスドッキング環境にドッキングし、ドッキング対象周辺機器へのアクセスを得ることができる。本方法は、END 407で終了する。
【0085】
相補的方法(図示省略)がドッキング対象で実行される。ドッキング対象の方法は、周辺機器へのアクセスを得るためにワイヤレスドッキング環境にドッキングすること、及び、ホストから結合要求を受信すると、ドッキング対象周辺機器をワイヤレスドッキング環境における更なる周辺機器としてアクセス可能にするためにドッキング対象周辺機器をホストに結合することを有する。
【0086】
明瞭さのための上記の説明は、異なる機能ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を述べたが、プログラム可能なコンポーネントを用いてソフトウェア及び/又はハードウェアにおいて実装されてもよいことが理解されるだろう。異なる機能的ユニット又はプロセッサ間の機能の任意の適切な分配は、本発明から逸脱することなく用いられてもよい。例えば、別々のユニット、プロセッサ又はコントローラにより実行されるように示された機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実行されてもよい。それ故、特定の機能ユニットへの参照は、厳しい論理的又は物理的な構造又は組織を示すよりはむしろ、記述された機能を供給するための適切な手段への参照としてのみ理解されるべきである。本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形式において実装され得る。
【0087】
この文書において、"有する"という用語は、記載されたもの以外の他の要素又はステップの存在を除外するものではなく、要素の単数表記は、斯様な要素の複数の存在を除外するものではなく、任意の参照符号は請求項の範囲を限定するものではなく、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの双方によって実装されてもよく、幾つかの"手段"又は"ユニット"は、ハードウェア又はソフトウェアの同じアイテムにより表されてもよく、プロセッサは、場合によりハードウェア要素と協働して、1又はそれ以上のユニットの機能を果たしてもよいことに留意されたい。更に、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明は、前述した又は相互に異なる従属請求項において記載されたそれぞれの新規な特徴又は複数の特徴の組み合わせを含む。