(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208894
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】止血クリップ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/08 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
A61B17/08
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-553541(P2016-553541)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公表番号】特表2017-509392(P2017-509392A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】CN2014081316
(87)【国際公開番号】WO2015176361
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年8月18日
(31)【優先権主張番号】201410222753.7
(32)【優先日】2014年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516249159
【氏名又は名称】南京微創医学科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】金 鴻雁
(72)【発明者】
【氏名】唐 志
(72)【発明者】
【氏名】范 茗橋
(72)【発明者】
【氏名】宋 冉
【審査官】
宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−501736(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0044363(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102090910(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
止血クリップであって、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、
前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、前記クリップ本体は2つのクランプアームからなり、前記2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、前記2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームは前記シュートに沿って往復運動して前記クリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して前記固定ピンを前記屈曲構造内に位置させる際に、前記2つのクランプアームはロック閉鎖位置にあり、
前記鋼線バックルは前記可動ピンに巻きつけられ、前記鋼線バックルに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、前記鋼線バックルがまっすぐに引っ張られて前記可動ピンと分離し、前記鋼線バックルと前記可動ピンが分離した後、前記クリップ本体の後部は前記クランプシート内に固定される、
ことを特徴とする止血クリップ。
【請求項2】
止血クリップであって、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、
前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、前記クリップ本体は2つのクランプアームからなり、前記2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、前記2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームは前記シュートに沿って往復運動して前記クリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して前記固定ピンを前記屈曲構造内に位置させる際に、前記2つのクランプアームはロック閉鎖位置にあり、
前記2つのクランプアームの末端にフック構造が設けられ、前記クランプシートに前記フック構造に合わせる突起が設けられ、前記2つのクランプアームがロック閉鎖位置にある際に、前記2つのクランプアームの末端にある前記フック構造は前記突起に係合される、
ことを特徴とする止血クリップ。
【請求項3】
止血クリップであって、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、
前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、前記クリップ本体は2つのクランプアームからなり、前記2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、前記2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームは前記シュートに沿って往復運動して前記クリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して前記固定ピンを前記屈曲構造内に位置させる際に、前記2つのクランプアームはロック閉鎖位置にあり、
前記クランプシートが順次に遷移キャップ、固定キャップ及び遠位端のスプリングチューブに接続されて外部ケーシングアセンブリを構成し、前記クランプアセンブリは前記鋼線バックルに接続される接続部材を含み、前記接続部材に弾性を有する歯止めが設けられ、前記歯止めに2つ以上の変形可能なバックルが設けられ、前記クランプシートと前記遷移キャップは部分的に互いにネスティングされ、且つ互いにネスティングされた部分に前記バックルを収納できる係合溝が設けられ、前記バックルはクランプシートと前記遷移キャップを接続し、前記歯止めに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、前記バックルは弾性変形してまっすぐに引っ張られ、前記バックルを前記係合溝と分離させ、前記クランプシートと前記遷移キャップが分離し、
前記遷移キャップの末端に遷移キャップインサートが設けられ、前記遷移キャップの外壁に環状溝が形成され、前記固定キャップの一端は遠位端の前記スプリングチューブに固定接続され、他端に前記環状溝に合わせる環状突起が設けられ、前記遷移キャップと前記固定キャップとの間に相対的に回転させることができる、
ことを特徴とする止血クリップ。
【請求項4】
前記2つのクランプアームの噛合遠位端は鋸歯状で嵌め合う、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血クリップ。
【請求項5】
前記2つのクランプアームの側壁は遠位端から近位端まで次第に広くなる構造である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血クリップ。
【請求項6】
前記固定キャップと遠位端の前記スプリングチューブとの内径は、前記鋼線バックル、前記接続部材及び前記歯止めの最大外径より大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の止血クリップ。
【請求項7】
前記遠位端の前記スプリングチューブ内にスプリングチューブ遷移部材が設けられ、前記接続部材は操作ロープに接続され、前記スプリングチューブ遷移部材に操作ロープだけが通過することを許可する貫通孔が設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の止血クリップ。
【請求項8】
前記クランプアームにおける前記可動ピンを設置するための孔形状は腎臓形である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血クリップ。
【請求項9】
前記シュートは弧度を有するシュートである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の内部に使用される医療器具に関し、特に分離操作を容易にする止血クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡止血クリップは外傷性が小さく、止血速度が速く、再出血の発生率が低く、合併症が少なく、治療効果が正確である等の利点を有するため、重篤な患者の急性消化管出血の非外科的治療において最も効果的で、最も臨床的価値がある方法となっている。内視鏡での金属クリップによる止血は幅広く使用される止血手段の一つであり、適切な病例に対して熟練した金属クリップ操作を行うのは、効果的に止血して再出血を予防することができ、有害な反応を低減し、消化管出血の内視鏡治療の安全性と治癒率を大幅に向上させる。金属止血クリップの止血機構は、外科血管結紮又は縫合と同様に、物理的及び機械的方法であり、止血クリップが閉鎖する際に生成した機械力を利用して、その周囲組織及び出血中の血管を併せて結紮することで、出血中の血管を閉鎖して、血流を阻断して止血目的を達成し、非静脈瘤様腫脹性活動性出血及び可視血管断端病変の止血治療に適用される。
【0003】
しかし、従来の止血クリップにおいて、クリップの置き及び固定はいずれも不便であり、使用しやすい止血クリップが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来の技術の不足に対して、止血クリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は止血クリップを開示し、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、クリップ本体は2つのクランプアームからなり、2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームはシュートに沿って往復運動してクリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して固定ピンを屈曲構造内に位置させる際に、2つのクランプアームはロック閉鎖位置にある。
【0006】
本発明において、前記鋼線バックルは可動ピンに巻きつけられ、鋼線バックルに印加された引っ張り力が所定の値(該値の範囲が35−40Nである)に達した場合、鋼線バックルがまっすぐに引っ張られて前記可動ピンと分離し、鋼線バックルと可動ピンが分離した後、クリップ本体の後部はクランプシート内に固定される。
【0007】
本発明において、前記2つのクランプアームの末端にフック構造が設けられ、前記クランプシートに前記フック構造に合わせる突起が設けられ、2つのクランプアームはロック閉鎖位置にある際に、2つのクランプアームの末端にあるフック構造は前記突起に係合される。それにより二重安全を形成して、止血クリップをロック状態で安定させ、突然に再びリリースすることがないように確保する。
【0008】
本発明において、前記2つのクランプアームの噛合遠位端は鋸歯状で嵌め合い、2つの鉗子ヘッドを同期合わせさせ、クリップがクリッピングした後の有効性を確保する。2つのクランプアームの噛合遠位端が閉鎖した後に、端面は球状端面であり、よりよくコーナーを通過し、且つ内視鏡のキャビティを保護する。
【0009】
本発明において、前記2つのクランプアームの側壁は遠位端から近位端まで次第に広くなる構造である。クリップの根部の強度を向上させることができるとともに、クリップの順調さ及びコーナリング性を有する。
【0010】
本発明において、前記クランプシートが順次に遷移キャップ、固定キャップ及び遠位端のスプリングチューブに接続されて外部ケーシングアセンブリを構成し、前記クランプアセンブリは鋼線バックルに接続される接続部材を含み、前記接続部材に弾性を有する歯止めが設けられ、歯止めに2つ以上の変形可能なバックルが設けられ、前記クランプシートと遷移キャップは部分的に互いにネスティングされ、且つ互いにネスティングされた部分にバックルを収納できる係合溝が設けられ、前記バックルはクランプシートと遷移キャップを接続し、歯止めに印加された引っ張り力が所定の値(該値の範囲は20−30Nである)に達した場合、バックルは弾性変形してまっすぐに引っ張られ、バックルを係合溝と分離させ、クランプシートと遷移キャップが分離し、
前記遷移キャップの末端に遷移キャップインサートが設けられ、遷移キャップの外壁に環状溝が形成され、前記固定キャップの一端は遠位端のスプリングチューブに固定接続され、他端に前記環状溝に合わせる環状突起が設けられ、遷移キャップと固定キャップとの間に相対的に回転させることができる。
【0011】
本発明において、前記固定キャップと遠位端のスプリングチューブとの内径は鋼線バックル、接続部材及び歯止めの最大外径より大きい。このようにして、本発明を従来の装置と区別させ、分離後の鋼線バックル、接続部材、歯止めをいずれも操作ロープの牽引下で遠位端のスプリングチューブ内に進入させることができ、人体への二次傷害を低減する。
【0012】
本発明において、前記遠位端のスプリングチューブ内にスプリングチューブ遷移部材が設けられ、接続部材は操作ロープに接続され、前記スプリングチューブ遷移部材に操作ロープだけが通過することを許可する貫通孔が設けられる。それによりスプリングチューブ遷移部材を利用してストッパーを形成する。
【0013】
本発明において、前記クランプアームにおける可動ピンを設置するための孔形状は腎臓形であり、それによりバックルはより容易にずれ、サイズが小さくなり、クランプシートの底孔に入り、再び開いてクリップを係合することができ、閉鎖抵抗を効果的に低減して締付力を向上させることができ、クリップが脱落せずにクリッピングを完成することに役立つ。
【0014】
本発明において、前記シュートは弧度を有するシュートである。シュートの形態は弧形又は直線形で設計し、クリップ運動の順調さを確保し、且つ設計した開口サイズに達する。
【発明の効果】
【0015】
本発明における止血クリップは、操作しやすく、人体内で容易に様々な角度の必要に応じて回転できるとともに、止血クリップを位置決めすることに成功した後に、操作ロープによって引っ張ることができ、止血クリップの本体を人体の内部に留めることを目的とするという有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1における第I部分を示す部分拡大図である。
【
図3】
図2における第1変化状態を示す模式図である。
【
図4】
図2における第2変化状態を示す模式図である。
【
図5】
図2における第3変化状態を示す模式図である。
【
図6】
図1における第II部分を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と具体的な実施形態を参照して本発明を更に具体的に説明し、本発明の上記及び/又はその他の側面の利点をより明らかにする。
【0018】
本発明は止血クリップを開示し、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、クリップ本体は2つのクランプアームからなり、2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームはシュートに沿って往復運動してクリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して固定ピンを屈曲構造内に位置させる際に、2つのクランプアームはロック閉鎖位置にある。
【0019】
前記鋼線バックルは可動ピンに巻きつけられ、鋼線バックルに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、鋼線バックルがまっすぐに引っ張られ前記可動ピンと分離し、鋼線バックルと可動ピンが分離した後、クリップ本体の後部はクランプシート内に固定される。
【0020】
前記2つのクランプアームの末端にフック構造が設けられ、前記クランプシートに前記フック構造に合わせる突起が設けられ、2つのクランプアームはロック閉鎖位置にある際に、2つのクランプアームの末端にあるフック構造は前記突起に係合される。
【0021】
前記2つのクランプアームの噛合遠位端は鋸歯状で嵌め合う。2つのクランプアームの噛合遠位端が閉鎖した後に、端面は球状端面となる。前記2つのクランプアームの側壁は遠位端から近位端まで次第に広くなる構造である。ここで、本発明における近位端とは操作者に近づく一端を指し、遠位端とは操作者から離れ、標的病巣に近づく一端を指す。
【0022】
前記クランプシートが順次に遷移キャップ、固定キャップ及び遠位端のスプリングチューブに接続されて外部ケーシングアセンブリを構成し、前記クランプアセンブリは鋼線バックルに接続される接続部材を含む。前記接続部材に弾性を有する歯止めが設けられ、歯止めに2つ以上の変形可能なバックルが設けられ、前記クランプシートと遷移キャップは部分的に互いにネスティングされ、且つ互いにネスティングされた部分にバックルを収納できる係合溝が設けられている。前記バックルはクランプシートと遷移キャップを接続し、歯止めに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、バックルは弾性変形してまっすぐに引っ張られ、バックルは係合溝と分離し、クランプシートと遷移キャップが分離し、
前記遷移キャップの末端に遷移キャップインサートが設けられ、遷移キャップの外壁に環状溝が形成され、前記固定キャップの一端は遠位端のスプリングチューブに固定接続され、他端に前記環状溝に合わせる環状突起が設けられ、遷移キャップと固定キャップとの間に相対的に回転させることができる。
【0023】
前記固定キャップと遠位端のスプリングチューブとの内径は鋼線バックル、接続部材及び歯止めの最大外径より大きい。
【0024】
前記遠位端のスプリングチューブ内にスプリングチューブ遷移部材が設けられ、接続部材は操作ロープに接続され、前記スプリングチューブ遷移部材に操作ロープだけが通過することを許可する貫通孔が設けられる。
【0025】
前記クランプアームにおける可動ピンを設置するための孔形状は腎臓形である。
【0026】
前記シュートは弧度を有するシュートである。
【0027】
(実施例)
図1及び
図2に示すように、本発明は止血クリップを開示し、外部ケーシングアセンブリと外部ケーシングアセンブリ内にあるクランプアセンブリを備えている。前記外部ケーシングアセンブリは順次に接続されたクランプシート4、遷移キャップ8、固定キャップ10及び遠位端のスプリングチューブ11を含んでいる。前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体1、鋼線バックル5、接続部材7、及び操作ハンドル13に接続される操作ロープ14を含んでいる。
【0028】
前記クランプシート4の前端に固定ピン2が設けられ、クリップ本体1は2つのクランプアーム1a、1bからなり、2つのクランプアーム1a、1bの末端は可動ピン3によって接続され、2つのクランプアーム1a、1bの中部にそれぞれ1つのシュート1c、1dが設けられ、前記2つのクランプアーム1a、1bの噛合遠位端は鋸歯状1b2で嵌め合う。
【0029】
図7に示すように、シュート1c、1dの末端に屈曲構造1c1、1d1が設けられ、前記固定ピン2は前記シュート1c、1dを貫通し、前記2つのクランプアーム1a、1bはシュート1c、1bに沿って往復運動してクリップ本体の開閉を構成する。前記鋼線バックル5は可動ピン3に巻きつけられ、鋼線バックル5に印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、鋼線バックル5はまっすぐに引っ張られて前記可動ピン3と分離し、鋼線バックル5と可動ピン3が分離した後、クリップ本体1はクランプシート4内に固定される。
【0030】
前記接続部材7に弾性を有する歯止め14が設けられ、歯止め14にバックル6が設けられ、前記クランプシート4と遷移キャップ8は互いにネスティングして重なる部分を有し、且つ互いにネスティングされる部分にバックル6を収納できる係合溝15が設けられている。
【0031】
前記バックル6はクランプシート4と遷移キャップ8を接続し、バックル6に印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、バックル6は変形してまっすぐに引っ張られ、バックル6を係合溝と分離させ、クランプシート4と遷移キャップ8が分離し、前記遷移キャップ8の末端に遷移キャップインサート9が設けられ、遷移キャップ8の外壁に環状溝16が形成され、前記固定キャップ10の一端は遠位端のスプリングチューブ11に固定接続され、他端に前記環状溝16に合わせる環状突起10aが設けられ、遷移キャップ8と固定キャップ10との間に相対的に回転させることができる。
【0032】
前記固定キャップ10と遠位端のスプリングチューブ11との内径は鋼線バックル5、接続部材7及び歯止めの最大外径より大きい。
図6に示すように、前記遠位端のスプリングチューブ11内にスプリングチューブ遷移部材12が設けられ、前記スプリングチューブ遷移部材12に操作ロープ14だけが通過することを許可する貫通孔が設けられる。
図7に示すように、前記クランプアームにおける可動ピン3を設置するための孔形状は腎臓形1b3である。
【0033】
図2に示すものは、2つのクランプアーム1a、1bの開き状態であり、この時、止血クリップを挟んで止血する必要がある人体部位に位置合わせすることができる。必要に応じて操作ロープ14を回転することができ、それにより止血クリップ本体を回転させる。
【0034】
図3に示すように、止血部位を位置合わせした後(本発明において止血クリップ本体の方向は前方であり、操作ロープの方向は後方である)、後へ操作ロープ14を引くと、2つのクランプアーム1a、1bはシュート1c、1d及び固定ピン2からなる軌道に沿って後へ撤退するとともに、閉鎖する。
【0035】
シュート1c、1dの末端に屈曲構造1c1、1d1が設けられ、前記クランプアーム1a、1bが移動して固定ピン2を屈曲構造内に位置させる際に、即ち2つのクランプアーム1a、1bが後へ移動する際に閉鎖するとともに、シュート1c、1dの末端にロック位置を設定することを確保する。同時に、前記2つのクランプアームの末端にフック構造1b1が設けられ、前記クランプシートに前記フック構造に合わせる突起4aが設けられ、2つのクランプアーム1a、1bがロック閉鎖位置にある際に、2つのクランプアーム1a、1bの末端のフック構造は前記突起に係合される。即ちこの位置に、クランプアーム1a、1bは開かないことになる。
【0036】
図4に示すように、続いて後へ操作ロープ14を引いて、バックル6に印加された引っ張り力が所定の値である20−30Nに達した場合、バックル6は変形してまっすぐに引っ張られバックル6を係合溝と分離させ、クランプシートと遷移キャップ8が互いに分離する。
【0037】
図5に示すように、続いて後へ操作ロープ14を引いて、鋼線バックル5に印加された引っ張り力が所定の値である35−40Nに達した場合、鋼線バックル5は変形してまっすぐに引っ張られ前記可動ピン3と分離する。
【0038】
本実施例において前記2つのクランプアーム1a、1bの側壁は遠位端から近位端まで次第に広くなる構造である。
【0039】
本実施例において前記シュートは弧度を有するシュートである。
【0040】
使用する際に、内視鏡の補助監視作用下で止血クリップ本体を病変指定位置に輸送し、ハンドルにある導電プラグを高周波電源と導通させ、スライダーが後へ撤退し、鉗子ヘッドが閉鎖し、この時高周波切開ナイフとして使用でき、病変組織をマークし、切断し、手術中に出血すると、ハンドルにあるスライダーを進み、鉗子ヘッドを開くとともにマンドレルを回転して鉗子ヘッドを回転させ、この時、止血鉗として出血部位を止血することができる。手術が完成した後に切断された病変組織をクランプする。
【0041】
本発明は止血クリップを提供し、具体的に該技術的解決手段を実現する方法及び手段が多く、以上は本発明の好ましい実施形態だけであり、なお、当業者にとって、本発明の原理を逸脱しない前提下で、若干の改善及び修飾を行うこともでき、これらの改善及び修飾も本発明の保護範囲と見なされるべきである。本実施例における明確にしない各構成部分はいずれも従来技術を使用して実現することができる。
(付記)
(付記1)
止血クリップであって、クランプアセンブリ及びクランプシートを備え、前記クランプアセンブリは順次に接続されるクリップ本体と鋼線バックルを含み、
前記クランプシートの前端に固定ピンが設けられ、前記クリップ本体は2つのクランプアームからなり、前記2つのクランプアームの末端は可動ピンによって接続され、前記2つのクランプアームの中部にそれぞれ1つのシュートが設けられ、前記固定ピンは前記シュートを貫通し、前記2つのクランプアームは前記シュートに沿って往復運動して前記クリップ本体の開閉を形成し、前記シュートの末端に屈曲構造が設けられ、前記クランプアームが移動して前記固定ピンを前記屈曲構造内に位置させる際に、前記2つのクランプアームはロック閉鎖位置にある、
ことを特徴とする止血クリップ。
(付記2)
前記鋼線バックルは前記可動ピンに巻きつけられ、前記鋼線バックルに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、前記鋼線バックルがまっすぐに引っ張られて前記可動ピンと分離し、前記鋼線バックルと前記可動ピンが分離した後、前記クリップ本体の後部は前記クランプシート内に固定される、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記3)
前記2つのクランプアームの末端にフック構造が設けられ、前記クランプシートに前記フック構造に合わせる突起が設けられ、前記2つのクランプアームがロック閉鎖位置にある際に、前記2つのクランプアームの末端にある前記フック構造は前記突起に係合される、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記4)
前記2つのクランプアームの噛合遠位端は鋸歯状で嵌め合う、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記5)
前記2つのクランプアームの側壁は遠位端から近位端まで次第に広くなる構造である、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記6)
前記クランプシートが順次に遷移キャップ、固定キャップ及び遠位端のスプリングチューブに接続されて外部ケーシングアセンブリを構成し、前記クランプアセンブリは前記鋼線バックルに接続される接続部材を含み、前記接続部材に弾性を有する歯止めが設けられ、前記歯止めに2つ以上の変形可能なバックルが設けられ、前記クランプシートと前記遷移キャップは部分的に互いにネスティングされ、且つ互いにネスティングされた部分に前記バックルを収納できる係合溝が設けられ、前記バックルはクランプシートと前記遷移キャップを接続し、前記歯止めに印加された引っ張り力が所定の値に達した場合、前記バックルは弾性変形してまっすぐに引っ張られ、前記バックルを前記係合溝と分離させ、前記クランプシートと前記遷移キャップが分離し、
前記遷移キャップの末端に遷移キャップインサートが設けられ、前記遷移キャップの外壁に環状溝が形成され、前記固定キャップの一端は遠位端の前記スプリングチューブに固定接続され、他端に前記環状溝に合わせる環状突起が設けられ、前記遷移キャップと前記固定キャップとの間に相対的に回転させることができる、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記7)
前記固定キャップと遠位端の前記スプリングチューブとの内径は、前記鋼線バックル、前記接続部材及び前記歯止めの最大外径より大きい、
ことを特徴とする付記6に記載の止血クリップ。
(付記8)
前記遠位端の前記スプリングチューブ内にスプリングチューブ遷移部材が設けられ、前記接続部材は操作ロープに接続され、前記スプリングチューブ遷移部材に操作ロープだけが通過することを許可する貫通孔が設けられる、
ことを特徴とする付記6に記載の止血クリップ。
(付記9)
前記クランプアームにおける前記可動ピンを設置するための孔形状は腎臓形である、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。
(付記10)
前記シュートは弧度を有するシュートである、
ことを特徴とする付記1に記載の止血クリップ。