(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208900
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】燃料電池のバイポーラプレートの改善された構造及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/02 20160101AFI20170925BHJP
H01M 8/0202 20160101ALI20170925BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20170925BHJP
【FI】
H01M8/02 C
H01M8/02 B
H01M8/10
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-576083(P2016-576083)
(86)(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公表番号】特表2017-521829(P2017-521829A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】FR2015051520
(87)【国際公開番号】WO2015189514
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2017年1月18日
(31)【優先権主張番号】1455378
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516284345
【氏名又は名称】サフラン・パワー・ユニッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ヨアン ラブニュ
【審査官】
守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−100381(JP,A)
【文献】
特開2006−221897(JP,A)
【文献】
特開2007−128857(JP,A)
【文献】
カナダ国特許出願公開第02711210(CA,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0263360(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01826851(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池のバイポーラプレートを形成するためのキットであって、該キットが、互いに組み付けられるように構成された2つの半割プレート(1A,1B)を含み、該2つの半割プレート(1A,1B)のそれぞれが、エンボス加工により形成された、長手方向(X−X)に延びる溝(11A,12A,11B,12B)を有し、該溝が、該2つの半割プレート(1A,1B)間の熱伝達流体流ダクト(6)と共に、該半割プレート(1A,1B)の両側に反応物流チャネル(5A,5B)を形成するように構成されている、燃料電池のバイポーラプレートを形成するためのキットにおいて、
該キットは、該半割プレート(1A,1B)が同一であり、それぞれが、エンボス加工によって形成された少なくとも一対の相補的なインデキシングエレメント(2A1,2A2,2B1,2B2,3A1,3A2,3B1,3B2)を有し、該インデキシングエレメントは、前記半割プレートが共に組み付けられる時に前記半割プレート(1A,1B)を互いにセンタリングするように構成されていることを特徴とする、燃料電池のバイポーラプレートを形成するためのキット。
【請求項2】
それぞれの前記半割プレート(1A,1B)のインデキシングエレメントが、前記溝(11A,12A,11B,12B)を形成するために用いられるものと同じエンボス加工パス中にエンボス加工することによって形成される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
各半割プレート(1A,1B)の溝(11A,12A,11B,12B)が該半割プレート(1A,1B)の厚さを規定し、各半割プレート(1A,1B)のインデキシングエレメントが各半割プレート(1A,1B)の厚さ内にある、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記半割プレート(1A,1B)のインデキシングエレメント対のそれぞれが、当該半割プレートの中央軸線に対して対称的に配置された2つの相補的なインデキシングエレメントを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項5】
前記半割プレート(1A,1B)のそれぞれが二対のインデキシングエレメント、すなわち、
各半割プレート(1A,1B)の中央長手方向軸線(X−X)の両側に形成された円形インデキシングエレメント対(2A1,2A2,2B1,2B2)と、
各半割プレート(1A,1B)の中央長手方向軸線(X−X)の両側に形成された長円形インデキシングエレメント対(3A1,3A2,3B1,3B2)とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキット。
【請求項6】
前記2つの半割プレート(1A,1B)が、ハイドロフォーミングによるエンボス加工の単一バッチから形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット。
【請求項7】
バイポーラ燃料電池プレートであって、該バイポーラ燃料電池プレートが請求項1〜6のいずれか1項に記載のキットから形成されており、前記キットの2つの半割プレートが、該半割プレートの一方を該半割プレートの中央軸線(X−X)を中心として180°回転させた後で共に組み付けられることを特徴とする、バイポーラ燃料電池プレート。
【請求項8】
バイポーラ燃料電池プレートを形成するように互いに組み付けられるのに適した半割プレート(1A,1B)を形成する方法において、
2つの同一の半割プレート(1A,1B)のそれぞれが、該2つの半割プレート(1A,1B)間の熱伝達流体流ダクト(6)と共に、該半割プレート(1A,1B)の両側に反応物流チャネル(5A,5B)を形成するように構成された、長手方向(X−X)に延びる溝(11A,12A,11B,12B)と、前記半割プレートが共に組み付けられる時に前記半割プレート(1A,1B)を互いにセンタリングするように構成された少なくとも一対の相補的なインデキシングエレメント(2A1,2A2,2B1,2B2,3A1,3A2,3B1,3B2)とを有するように、2つの同一の半割プレート(1A,1B)をエンボス加工によって形成する、半割プレート(1A,1B)を形成する方法。
【請求項9】
前記溝(11A,12A,11B,12B)と、それぞれの前記半割プレート(1A,1B)のインデキシングエレメントとが、同じエンボス加工パス中に形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溝(11A,12A,11B,12B)を形成するためのエンボス加工が、各半割プレート(1A,1B)の厚さを規定し、各半割プレート(1A,1B)のインデキシングエレメントが各半割プレート(1A,1B)の厚さ内に含まれる、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記半割プレート(1A,1B)のそれぞれに対して、各半割プレート(1A,1B)の中央長手方向軸線(X−X)の両側に円形インデキシングエレメント対(2A1,2A2,2B1,2B2)がエンボス加工によって形成され、各半割プレート(1A,1B)の中央長手方向軸線(X−X)の両側に長円形インデキシングエレメント対(3A1,3A2,3B1,3B2)がエンボス加工によって形成される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
両半割プレート(1A,1B)が、ハイドロフォーミングによるエンボス加工の単一バッチで形成される、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
バイポーラ燃料電池プレートを組み付ける方法であって、該方法が、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のキットを得る工程と、
前記半割プレート(1A,1B)の一方を当該半割プレートの中央軸線を中心として180°回転させる工程と、
前記2つの半割プレートの相補的なインデキシングエレメント対が係合するように前記2つの半割プレート(1A,1B)を互いに重ね合わせ、これにより前記2つの半割プレート(1A,1B)を互いにセンタリングする工程とを含む、バイポーラ燃料電池プレートを組み付ける方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池分野に関し、より具体的には燃料電池のためのバイポーラプレートの組み付けに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の重量を最適化することは、2つの同一のエンボス加工された半割プレートからバイポーラプレートを形成することにより、バイポーラプレートの構造を改善することにつながっている。半割プレートはいくつかの機能を発揮するのに役立ち、外面上で
反応物流を通過させ、プレート間で熱伝達流体流を通過させ、2つの電極膜集成体を電気的に相互接続し、電極膜集成体を押し合わせて締め付ける。
【0003】
従って、半割プレートをエンボス加工することにより、燃料電池を冷却するために用いられる熱伝達流体を通過させる冷却ダクトを形成する。
【0004】
これらの冷却ダクトは、
反応物流を通過させるためのダクトの両側に位置しており、10分の数ミリメートルのオーダーの極めて小さな寸法を有している。このことは、製造時及び組み付け時の許容範囲に関して極めて制約が大きい。
【0005】
半割プレートを組み付けるための今日の技術は、ツーリング上に遠隔位置決めされたセンタリング・ペグ、又はツーリング上に遠隔位置決めされたブラケットのシステムを使用することにある。
【0006】
それでもなお、これらの解決手段は所望の許容範囲を得るためには問題をはらんでいる。ツーリングを用いた位置決めは、2つの連続する間隙、つまり一方では第1半割プレートとツーリングとの間隙、他方ではツーリングと第2半割プレートとの間隙を伴い、これにより集成体の全体的なばらつきを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、この問題を少なくとも部分的に改善しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、燃料電池のバイポーラプレートを形成するためのキットであって、キットが、互いに組み付けられるように構成された2つの半割プレートを含み、2つの半割プレートのそれぞれが、エンボス加工により形成された、長手方向に延びる溝を有しており、溝が、2つの半割プレート間の熱伝達流体流ダクトと共に、半割プレートの両側に
反応物流チャネルを形成するように構成されている形式のものにおいて、キットは、半割プレートが同一であり、それぞれが、エンボス加工によって形成された少なくとも一対の相補的なインデキシングエレメント(indexing elements)を有しており、インデキシングエレメントは、前記半割プレートが共に組み付けられる時に前記半割プレートを互いにセンタリングするように構成されていることを特徴とする、燃料電池のバイポーラプレートを形成するためのキットを提供する。
【0009】
それぞれの半割プレートのインデキシングエレメントは典型的には、溝を形成するために用いられるものと同じエンボス加工パス中にエンボス加工することによって形成される。
【0010】
具体的な実施態様では、各半割プレートの溝は半割プレートの厚さを規定し、各半割プレートのインデキシングエレメントは典型的には各半割プレートの厚さ内にある。
【0011】
具体的な実施態様では、半割プレートのインデキシングエレメント対のそれぞれは、当該半割プレートの中央軸線に対して対称的に配置された2つの相補的なインデキシングエレメントを含む。
【0012】
一例としては、半割プレートのそれぞれが二対のインデキシングエレメント、すなわち、
各半割プレートの中央長手方向軸線の両側に形成された円形インデキシングエレメント対と、
各半割プレートの中央長手方向軸線の両側に形成された長円形インデキシングエレメント対とを含む。
【0013】
2つの半割プレートは、ハイドロフォーミングによるエンボス加工の単一バッチから形成されると有利である。
【0014】
本発明はまた、バイポーラ燃料電池プレートであって、バイポーラ燃料電池プレートが上記実施態様のうちのいずれかに基づくキットから形成されており、前記キットの2つの半割プレートが、半割プレートの一方を半割プレートの中央軸線を中心として180°回転させた後で共に組み付けられる、バイポーラ燃料電池プレートを提供する。
【0015】
本発明はまた、バイポーラ燃料電池プレートを形成するように互いに組み付けられるのに適した半割プレートを形成する方法であって、2つの同一の半割プレートのそれぞれが、2つの半割プレート間の熱伝達流体流ダクトと共に、半割プレートの両側に
反応物流チャネルを形成するように構成された、長手方向に延びる溝と、前記半割プレートが共に組み付けられる時に前記半割プレートを互いにセンタリングするように構成された少なくとも一対の相補的なインデキシングエレメントとを有するように、2つの同一の半割プレートをエンボス加工によって形成する、半割プレートを形成する方法を提供する。
【0016】
溝と、それぞれの半割プレートのインデキシングエレメントとは、同じエンボス加工パス中に形成されるのが典型的である。
【0017】
具体的な実施態様では、溝を形成するためのエンボス加工が、各半割プレートの厚さを規定し、各半割プレートのインデキシングエレメントが典型的には各半割プレートの厚さ内に含まれる。
【0018】
具体的な実施態様では、半割プレートのそれぞれに対して、各半割プレートの中央長手方向軸線の両側に円形インデキシングエレメント対がエンボス加工によって形成され、各半割プレートの中央長手方向軸線の両側に長円形インデキシングエレメント対がエンボス加工によって形成される。
【0019】
両半割プレートが、ハイドロフォーミングによるエンボス加工の単一バッチで形成されると有利である。
【0020】
本発明はまた、バイポーラ燃料電池プレートを組み付ける方法であって、この方法が、 ・上記実施態様のうちのいずれかに基づくキットを得る工程と、
・半割プレートの一方を当該半割プレートの中央軸線を中心として180°回転させる工程と、
・前記2つの半割プレートの相補的なインデキシングエレメント対が係合するように前記2つの半割プレートを互いに重ね合わせ、これにより前記2つの半割プレートを互いにセンタリングする工程とを含む、バイポーラ燃料電池プレートを組み付ける方法を提供する。
【0021】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は下記の説明から明らかになる。説明は一例にすぎず、非制限的であり、添付の図面を参照しながら読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一態様におけるキットの半割プレートを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一態様におけるキットを示す部分断面図である。
【
図3】
図3、4及び5は、本発明の一態様におけるキットが、燃料電池のバイポーラプレートを形成するために組み付けられる様子を示しており、
図3A及び4Aは、2つの半割プレートを組付けの前及び後の状態で示す立面図であり、
図3B及び4Bは、
図3A及び4Aの細部Bを示す図であり、
図5は、2つの半割プレートを組み付け前の状態で示す斜視図である。
【
図4】
図3、4及び5は、本発明の一態様におけるキットが、燃料電池のバイポーラプレートを形成するために組み付けられる様子を示しており、
図3A及び4Aは、2つの半割プレートを組付けの前及び後の状態で示す立面図であり、
図3B及び4Bは、
図3A及び4Aの細部Bを示す図であり、
図5は、2つの半割プレートを組み付け前の状態で示す斜視図である。
【
図5】
図3、4及び5は、本発明の一態様におけるキットが、燃料電池のバイポーラプレートを形成するために組み付けられる様子を示しており、
図3A及び4Aは、2つの半割プレートを組付けの前及び後の状態で示す立面図であり、
図3B及び4Bは、
図3A及び4Aの細部Bを示す図であり、
図5は、2つの半割プレートを組み付け前の状態で示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の態様におけるキットの半割プレートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面全体を通して、共通のエレメントは同一の符号によって示されている。
【0024】
図1は、本発明の一態様におけるキットの半割プレートを示す図である。
【0025】
この図は、燃料電池のためのバイポーラプレートを形成するために、同一の第2の半割プレート1B(この図には示されていない)と共に組み付けられるように構成された第1の半割プレート1Aを示している。
【0026】
下記の説明は第1の半割プレート1Aに関連して行う。半割プレート1Bは同一のものなので、そのエレメントは、半割プレート1Aと同じ符号によって示されるが、末尾に文字Bがついている。
【0027】
第1の半割プレート1Aは、金属シートから得られたブランクから形成されている。金属シートは、
図1に示されているように、断面(軸線Y−Yに対して平行な横方向)において刻み目を付けられた(crenellated)レリーフを有するようにエンボス加工されている。それぞれの刻み目(crenellation)はチャネルを画定する。
【0028】
一例としては、それぞれの刻み目は、その面のうちの1つが開いていることによりU字を形成する台形であってよく、U字の脚部は開口に向かってフレア状に開いている。交互に配列された2つのタイプの刻み目、すなわち長い刻み目11Aと短い刻み目12Bとが示されている。「長い」及び「短い」という用語は任意であり、これらの刻み目が異なる幅を有するという事実を表している。幅は軸線Y−Yに沿って測定される。
【0029】
2つの半割プレート1A及び1Bは同一であり、半割プレートのうちの一方を中央長手方向軸線X−Xを中心として180°回転させた後で背中合わせで取り付けることにより、半割プレート1A及び1Bの両方に設けられた長い刻み目11A及び11Bを、他方の半割プレート1B及び1Aに設けられた短い刻み目12A又は12B内に係合させる。
【0030】
図2は、重ね合わされた半割プレート1A及び1Bの刻み目間のこのような係合状態を示す断面図である。これらの半割プレートは燃料電池の2つの拡散層4A及び4Bの間に配置されている。第1の半割プレート1Aは第1の拡散層4Aに隣接しており、第2の半割プレート1Bは第2の拡散層4Bに隣接している。
【0031】
図面から判るように、短い刻み目12A又は12Bを長い刻み目11A及び11B内に係合させることは、短い刻み目と拡散層との間に
反応物のための流れチャネルを形成し、また2つの半割プレート1A及び1Bの間に冷却チャネルを形成するのに役立つ。
【0032】
従って、第1のプレート4Aと第1の拡散層4Aとの間にそれぞれの第1チャネル5Aが画定され、第2のプレート1Bと第2の拡散層4Bとの間に第2の
反応物チャネル5Bが画定される。
【0033】
長い刻み目11A及び11Bと短い刻み目12A及び12Bとの幅の差はまた、2つの半割プレート1A及び1Bの間に冷却ダクト6を形成するのに役立つ。
【0034】
従って、刻み目は概ね、開いた基部を備えた台形の形状を有しており、半割プレートが同一なので、刻み目の基部は互いに当て付けられる。冷却ダクト6はこうして長い刻み目11A,11B及び短い刻み目12A,12Bの脚部の間に形成される。
【0035】
冷却ダクト6及び
反応物チャネル5A及び5Bは、流体を供給し排出するための開口に接続されている。これらの開口はそれぞれの半割プレート1A及び1Bの周囲に設けられている。
【0036】
半割プレート1Aを参照すると、
図1は、こうして、
・第1の
反応物のための供給開口111Aと、
・第1の
反応物のための排出開口112Aと、
・第2の
反応物のための供給開口113Aと、
・第2の
反応物のための排出開口114Aと、
・冷却ダクト6に接続された、冷却流体のための2つの供給開口115Aと、
・冷却ダクト6に接続された、冷却流体のための2つの排出開口116Aとを示している。
【0037】
半割プレート1A及び1Bはこのように、燃料電池のための
反応物流及び冷却流体流を通過させるためのダクト及びチャネルを提供するのに役立つ。
【0038】
半割プレート1A及び1Bが互いに正確に位置決めされることを保証するために、その結果、冷却ダクト6が適切に形成されることを保証するために、半割プレート1A及び1Bのそれぞれに、典型的にはエンボス加工によって、有利には半割プレート1A及び1Bのそれぞれに種々の刻み目を提供するのと同じエンボス加工パス中に、インデキシングエレメントが形成される。
【0039】
図1に示された実施態様の場合、半割プレート1Aは実質的に中央横方向軸線Y−Yに沿った半割プレート1Aの2つの端部に、中央長手方向軸線X−Xの両側に配置されたインデキシングエレメント対を有している。
【0040】
こうして、第1の半割プレート1Aのために、第1及び第2のインデキシングエレメント対2A1及び2A2が形成されている。
【0041】
半割プレート1Bは同一であり、ひいては第1及び第2のインデキシングエレメント2B1及び2B2を有している。
【0042】
これらのインデキシングエレメントは、第1のインデキシングエレメント2A1が第2のインデキシングエレメント2A2内に係合することができ、ひいては半割プレート1Bが同一のものであるため、半割プレート1Bの第2のインデキシングエレメント2B2内に係合することができるように構成されている。
【0043】
このような係合を達成するために、半割プレートのうちの一方をその中央長手方向軸線X−Xを中心として180°回転させ、次いで他方の半割プレート上に重ね合わせる。
【0044】
これらのインデキシングエレメントは中心ボスを形成するようにエンボス加工によって形成される。中心ボスは、半割プレート1Aの一方の側で延び、半割プレート1Aの他方の側で延びる周囲ボスによって取り囲まれる。
【0045】
一例としては、インデキシングエレメントは、当該半割プレートの中央軸線に対して、この例では軸線X−Xに対して対称的に配置されている。
【0046】
図3〜5は、バイポーラプレートを形成するために2つの半割プレート1A及び1Bが係合させられる様子を示している。
【0047】
図面から判るように、半割プレート1Aに関しては、半割プレート1Aの一方の側では中心ボス21A1が延びているのに対して、半割プレート1Aの他方の側では周囲ボス22A1が延びており、これらのボスが共にインデキシングエレメント2Aを形成している。
【0048】
プレート1Bにはインデキシングエレメント2B2が形成されている。このインデキシングエレメント2B2も、半割プレート1Bの一方の側で延びる中心ボス21B2を有しているのに対して、半割プレート1Bの他方の側では周囲ボス22B2が延びており、これらのボスが共にインデキシングエレメント2B2を形成している。
【0049】
インデキシングエレメント2A1及び2B2は相補的であり、すなわち半割プレート1A及び1Bが共に組み付けられると相互に係合する。より正確に言えば、図示されているように、半割プレート1Aをその軸線X−Xを中心として180°回転させ、次いで半割プレート1B上に重ね合わせた後、中心ボス21B2は中心ボス21A1と協働し、周囲ボス22A1は周囲ボス22B2と協働する。
【0050】
図1に示された実施態様では、インデキシングエレメント2A1及び2B2は円形であり、これは2つの半割プレート1A及び1Bを方向X−X及び方向Y−Yでインデキシングするのに役立つ。
【0051】
インデキシングエレメント2A1及び2A2は、半割プレート1Aの中央軸線に対して、この例では軸線X−Xに対して対称的に配置されていてよい。
【0052】
図6に示された実施態様では、別のインデキシングエレメント対3A1及び3A2が半割プレート1Aに配置されている。インデキシングエレメント3A1及び3A2は、半割プレート1Aの中央軸線に対して、この例では軸線X−Xに対して対称的に配置されていてよい。
【0053】
加えて、図示の実施態様では、インデキシングエレメント2A1及び2A2は軸線Y−Yのいずれかの側に配置されており、インデキシングエレメント3A1及び3A2は軸線Y−Yのいずれかの側に配置されている。インデキシングエレメント3A1及び3A2は、インデキシングエレメント2A1及び2A2に類似する構造を有し、ひいては半割プレート1Aの一方の側で延びる中心ボスと、半割プレート1Aの他方の側で延びる周囲ボスとを含む。
【0054】
図示の実施態様では、インデキシングエレメント2A1及び2A2とは異なり、インデキシングエレメント3A1及び3A2は長円形である。従ってインデキシングエレメント3A1及び3A2は、センタリングが方向Y−Yに沿って受け止められる(taken up)のを可能にする。
【0055】
円形インデキシングエレメントと長円形インデキシングエレメントとを連携させるこのような実施態様は、かなりの長さを有する半割プレートにとって有利である。センタリングは円形インデキシングエレメント2A1,2A2,2B1及び2B2によって行われるのに対して、長円形インデキシングエレメント3A1,3A2,3B1及び3B2によって発揮されるセンタリング受け止め機能は、あまりにも長い長さの結果として発生し得る差を補償するのに役立つ。
【0056】
半割プレート1A及び1Bのそれぞれはこうして、軸線X−X及びY−Yによって規定される方向に半割プレート1A及び1Bを互いにセンタリングするように構成された少なくとも一対のインデキシングエレメントを有する。
【0057】
インデキシングエレメントの数は、半割プレートの寸法に応じて変化してよい。
【0058】
例えば、小さな寸法の半割プレートの場合、半割プレートのそれぞれに、例えば軸線X−Xの両側に、典型的には軸線Y−Yに沿った半割プレートの端部に一対だけのインデキシングエレメントを形成するので充分である。
【0059】
この場合、半割プレートのそれぞれは、円形且つ相補的なただ一対のインデキシングエレメントを有していてよい。
【0060】
半割プレートがより大きい寸法を有する場合、半割プレートのそれぞれは、半割プレートに形成された一対の円形インデキシングエレメントを有するとともに、センタリングを受け止めるための長円形インデキシングエレメント対を有していてよい。
【0061】
さらに、燃料電池のバイポーラプレートを形成するために使用される2つの半割プレート1A及び1Bは、同じプロセスにおいて、すなわち単一のバッチから、同じ成形パラメータ、及び同じツーリングを用いて形成されると有利であり、このことは、半割プレートの種々のインデキシングエレメント間の間隔に関連するばらつきを排除するのに役立つ。
【0062】
半割プレート1A及び1Bはこうして半割プレート1A及び1Bに所属するインデキシングエレメント対によってセンタリングされる。インデキシングエレメントは、バイポーラプレートのチャネル及びダクトを形成するのに役立つ種々の刻み目を成形している間に形成されると有利である。
【0063】
このようなセンタリングは、半割プレートのための特異的なセンタリング工具を使用することから生じるおそれのあるばらつきを排除し、ひいてはより良好な精度を得るのを可能にする。
【0064】
用いられる成形法は典型的には、例えばハイドロフォーミングによるエンボス加工である。
【0065】
半割プレート1A及び1Bのそれぞれに形成された刻み目は、典型的にはそれぞれの半割プレート1A及び1Bの厚さを規定する。それぞれの半割プレート1A及び1Bのインデキシングエレメントは典型的には、対応する半割プレートの厚さ内にあるように形成されていると有利であり、これにより集成体のサイズ全体を制限するのに役立つ。
【0066】
上記半割プレート構造、及び関連する製造方法はこうして、燃料電池のバイポーラプレートを製造する時に、改善されたセンタリングが半割プレートのために得られるのを可能にする。