【実施例】
【0021】
以下本発明の一実施例による取引企業開拓支援方法について説明する。
図1は本実施例による取引企業開拓支援方法の処理流れを示す概念図である。
本実施例による取引企業開拓支援方法は、今回企業固有情報抽出ステップ10と、前回企業固有情報抽出ステップ20と、企業固有情報比較ステップ30と、一次対象企業抽出ステップ40と、二次対象企業抽出ステップ50と、三次対象企業抽出ステップ60と、配信対象企業抽出ステップ70と、情報配信ステップ80とを有する。
【0022】
企業情報データベース1には、企業別に企業固有情報が登録されている。企業情報データベース1は、定期的又は不定期に更新されるが、少なくとも今回登録される今回企業固有情報を今回データとして保有するとともに、今回登録される今回企業固有情報よりも以前に登録されている前回企業固有情報を前回データとして保有している。
また、企業情報データベース1には、顧客情報データベース2に登録している顧客企業に関しては、顧客企業に付与している顧客管理コードを登録している。すなわち、企業情報データベース1に登録されている企業の中で、顧客情報データベース2に登録している顧客企業については、顧客管理コードが登録されている。
顧客情報データベース2には、企業情報データベース1とは別に、顧客企業として企業固有情報が登録されている。顧客情報データベース2は、組織関係者、特に担当者によってデータが随時蓄積され、企業情報データベース1に登録されている企業固有情報と共通の項目を含み、その他に組織内部での特有情報が蓄積されている。特有情報は、例えば与信内容、与信枠、新規開拓先か否かの区分などのデータである。顧客情報データベース2に登録している顧客企業には、企業名を識別する顧客管理コードが付与されている。
【0023】
今回企業固有情報抽出ステップ10では、企業情報データベース1の今回データから企業別に今回企業固有情報を抽出する。
前回企業固有情報抽出ステップ20では、企業情報データベース1の前回データから企業別に前回企業固有情報を抽出する。
企業固有情報比較ステップ30では、企業別に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出した今回企業固有情報と、前回企業固有情報抽出ステップ20で抽出した前回企業固有情報とを比較する。
一次対象企業抽出ステップ40では、企業固有情報比較ステップ30で比較した結果、今回企業固有情報と前回企業固有情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
二次対象企業抽出ステップ50では、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、売上高及び評価点の少なくともいずれかが、設定した金額又は点数以上である企業を二次対象企業として抽出する。
三次対象企業抽出ステップ60では、顧客情報データベース2に登録している顧客企業の中から、既に取引関係にある既取引先企業を抽出し、二次対象企業抽出ステップ50で抽出した二次対象企業から、抽出した既取引先企業を除外する。
配信対象企業抽出ステップ70では、一次対象企業抽出ステップ40で抽出した一次対象企業であり、かつ三次対象企業抽出ステップ60で抽出した三次対象企業を対象企業として抽出する。
情報配信ステップ80では、配信対象企業抽出ステップ70で抽出した対象企業に関し、企業名とともに今回企業固有情報を担当者に配信する。
【0024】
本実施例による取引企業開拓支援方法は、紐付けステップ91と、新規開拓区分登録ステップ92とを有する。
紐付けステップ91では、取引関係にない未取引先企業を新規に登録する際には、企業情報データベース1に既に登録されている未取引先企業に関する情報に、新たな顧客管理コードを登録する。あらかじめ営業対象として可能性のある企業に対して、顧客管理コードを登録することで、開拓先候補を事前に登録できる。
新規開拓区分登録ステップ92では、未取引先企業を、新規開拓対象企業として登録する際には、顧客情報データベース2には、新規開拓対象企業の情報とともに、新規開拓対象企業であることを区分する新規開拓区分を登録する。
【0025】
以下に二次対象企業抽出ステップ50について詳細に説明する。
二次対象企業抽出ステップ50では、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、売上高があらかじめ設定した範囲内である企業を抽出する(ステップ51)。
また、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、評価点があらかじめ設定した範囲内である企業を抽出する(ステップ52)。
このように、売上高や評価点についてあらかじめ上限と下限とを設定することで、開拓先として適切な取引企業に絞り込むことができる。
二次対象企業抽出ステップ50では、更に、紐付けステップ91で顧客管理コードが登録されている企業を二次対象企業として抽出することが好ましい(ステップ53)。
このように、あらかじめ開拓先候補として登録している企業を対象として抽出することで、情報配信の効果を高めることができる。
更に、本発明による取引企業開拓支援方法を銀行が利用する場合には、特定の取引銀行(自行)を除外する(ステップ54)。すなわちステップ54では、自行が取引銀行として登録されている場合には、既取引先企業であるため、新規開拓先の候補から除外する。
【0026】
以下に三次対象企業抽出ステップ60について詳細に説明する。
三次対象企業抽出ステップ60では、顧客情報データベース2に登録している顧客企業に関し、与信残高又は与信枠が有る顧客企業に対して既存融資先情報を付与する(ステップ61)。
そして、ステップ61で既存融資先情報が付与された顧客企業を既取引先企業として除外する(ステップ62)。
このように、既に取引のある企業の中でも、特に融資中の企業を除外することで、新規融資先企業に絞ることができる。
更に、新規開拓区分登録ステップ92で新規開拓区分が登録されている企業を二次対象企業として抽出する(ステップ63)。
このように、新規開拓区分が登録されている企業を抽出することで、更に営業対象として可能性の高い企業に関する情報に絞ることができる。
【0027】
以上のように、本実施例によれば、一次対象企業抽出ステップ40では、企業変化のある企業を抽出でき、二次対象企業抽出ステップ50では、営業対象として基本的な要件を備えた企業を抽出でき、三次対象企業抽出ステップ60では、営業対象として新規な企業を抽出できるため、新規に取引企業として開拓するのに適した企業情報を担当者に配信できる。
【0028】
以下に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出する今回企業固有情報を、今回登録された今回メイン取引銀行コードとし、前回企業固有情報抽出ステップ20でする前回企業固有情報を、前回登録された前回メイン取引銀行コードとした場合について説明する。
この場合には、企業固有情報比較ステップ30では、今回メイン取引銀行コードと前回メイン取引銀行コードとを比較し、一次対象企業抽出ステップ40では、今回メイン取引銀行コードと前回メイン取引銀行コードとが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
取引銀行コードは、一般に4桁の銀行コードと3桁の店番号とで構成されている。抽出する今回メイン取引銀行コードと前回メイン取引銀行コードとは上4桁の銀行コードとする。3桁の店番号を除外して抽出することで、メイン取引銀行の変動情報だけを抽出できる。
このように、メイン取引銀行の変動情報を配信することで、財務や銀行取引方針の変化を予測できる。
【0029】
以下に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出する今回企業固有情報を、今回登録された今回代表者氏名情報とし、前回企業固有情報抽出ステップ20でする前回企業固有情報を、前回登録された前回代表者氏名情報とした場合について説明する。
この場合には、企業固有情報比較ステップ30では、今回代表者氏名情報と前回代表者氏名情報とを比較し、一次対象企業抽出ステップ40では、今回代表者氏名情報と前回代表者氏名情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
なお、今回企業固有情報抽出ステップ10では、今回代表者氏名情報として、今回漢字氏名情報と今回ふりがな氏名情報を抽出し、前回企業固有情報抽出ステップ20では、前回代表者氏名情報として、前回漢字氏名情報と前回ふりがな氏名情報を抽出する。企業固有情報比較ステップ30では、今回漢字氏名情報と前回漢字氏名情報とを比較するとともに、今回ふりがな氏名情報と前回ふりがな氏名情報とを比較する。一次対象企業抽出ステップ40では、今回漢字氏名情報と前回漢字氏名情報とが異なり、かつ今回ふりがな氏名情報と前回ふりがな氏名情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
このように、代表者が変更になった企業を抽出する際に、漢字氏名情報とふりがな氏名情報との一致性を確認することで、単なる漢字間違いやふりがな間違いによる抽出を除くことができ、対象企業を正確に抽出することができる。
そして、代表者の変動情報を配信することで、財務や銀行取引方針の変化を予測できる。
【0030】
以下に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出する今回企業固有情報を、今回登録された今回主要販売先情報とし、前回企業固有情報抽出ステップ20でする前回企業固有情報を、前回登録された前回主要販売先情報とした場合について説明する。
この場合には、企業固有情報比較ステップ30では、今回主要販売先情報と前回主要販売先情報とを比較し、一次対象企業抽出ステップ40では、今回主要販売先情報と前回主要販売先情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
なお、今回企業固有情報抽出ステップ10では、今回主要販売先情報として、一般、客、個人、者、法人、及び官公庁の文字情報の中で少なくとも1つの文字情報が含まれていれば抽出せず、前回企業固有情報抽出ステップ20では、前回主要販売先情報として、一般、客、個人、者、法人、及び官公庁の文字情報の中で少なくとも1つの文字情報が含まれていれば抽出しないことが好ましい。
このように、主要販売先が変更になった企業を抽出する際に、実質的に主要販売先の変更ではない情報を除外することで、対象企業を正確に抽出することができる。
そして、主要販売先の変動情報を配信することで、取引条件、運転資金の変更による資金調達の変化を予測できる。
【0031】
以下に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出する今回企業固有情報を、今回登録された今回主要仕入先情報とし、前回企業固有情報抽出ステップ20でする前回企業固有情報を、前回登録された前回主要仕入先情報とした場合について説明する。
この場合には、企業固有情報比較ステップ30では、今回主要仕入先情報と前回主要仕入先情報とを比較し、一次対象企業抽出ステップ40では、今回主要仕入先情報と前回主要仕入先情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
このように、主要仕入先の変動情報を配信することで、取引条件、運転資金の変更による資金調達の変化を予測できる。
【0032】
以下に、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出する今回企業固有情報を、今回登録された今回事業所数とし、前回企業固有情報抽出ステップ20でする前回企業固有情報を、前回登録された前回事業所数とした場合について説明する。
この場合には、企業固有情報比較ステップ30では、今回事業所数と前回事業所数とを比較し、一次対象企業抽出ステップ40では、今回事業所数が前回事業所数より増加した企業を一次対象企業として抽出する。
このように、事業所数の増加情報を配信することで、必要運転資金の増加が予測できる。
【0033】
図2は、取引銀行数の変動情報を配信する場合の本実施例による取引企業開拓支援方法の処理流れを示す概念図である。
図1と同一処理には同一符号を付して説明を省略する。
今回企業固有情報抽出ステップ10では、今回登録された全ての今回取引銀行コードを抽出する。
そして、今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出した今回取引銀行コードから今回取引銀行数を算出する(ステップ11)。
前回企業固有情報抽出ステップ20では、前回登録された全ての前回取引銀行コードを抽出する。
そして、前回企業固有情報抽出ステップ20で抽出した前回取引銀行コードから前回取引銀行数を算出する(ステップ21)。
企業固有情報比較ステップ30では、ステップ11で算出した今回取引銀行数とステップ21で算出した前回取引銀行数とを比較する。
一次対象企業抽出ステップ40では、ステップ11で算出した今回取引銀行数とステップ21で算出した前回取引銀行数とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
このように、取引銀行数の変動情報を配信することで、必要運転資金の増加が予測できる。
なお、本実施例では、取引銀行数の変動があれば抽出するものとして説明したが、取引銀行数の増加だけを抽出することもできる。
【0034】
図3は、売上高増加傾向情報を配信する場合の本実施例による取引企業開拓支援方法の処理流れを示す概念図である。
図1と同一処理には同一符号を付して説明を省略する。
今回企業固有情報抽出ステップ10では、今回登録された、最新期売上高、前期売上高、前々期売上高、及び最新決算期を抽出する。
前回企業固有情報抽出ステップ20では、前回登録された最新決算期を抽出する。
企業固有情報比較ステップ30では、今回最新決算期と前回最新決算期とを比較する。
一次対象企業抽出ステップ40では、今回最新決算期と前回最新決算期とが異なり、かつ今回企業固有情報抽出ステップ10で抽出した最新期売上高、前期売上高、及び前々期売上高から売上高増減を算出し、売上高増減があらかじめ設定した売上増加条件を満たす企業を一次対象企業として抽出する。
【0035】
このように、売上高増加傾向情報を配信することで、必要運転資金の増加を予測できる。
また、今回最新決算期と前回最新決算期とが異なることで最新情報であることを判別するため、決算情報が新しくなったタイミングで1回だけ情報配信することができ、同一情報を複数回配信されることを防止することができる。
なお、本実施例において、売上増加条件は、例えば前期売上高に対する最新期売上高が増加、前々期売上高に対する前期売上高が増加、及び前期売上高に対する最新期売上高が10%以上増加とすることができる。
【0036】
図4は本実施例による取引企業開拓支援方法を機能実現手段で現したブロック図である。
サーバー100は、一次対象企業抽出手段110と、二次対象企業抽出手段120と、三次対象企業抽出手段130と、配信対象企業抽出手段140と、顧客管理コード付与手段151と、新規開拓区分付与手段152とを備えている。
サーバー100は、ネットワークを介して本店及び各支店の端末200と接続されている。
【0037】
一次対象企業抽出手段110は、顧客固有情報抽出手段111と、顧客固有情報比較手段112と、顧客固有情報算出手段113とを備え、今回企業固有情報と前回企業固有情報とが異なる企業を一次対象企業として抽出する。
二次対象企業抽出手段120は、売上高判定手段121と、評価点判定手段122と、顧客管理コード有無判定手段123とを備え、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、売上高及び評価点の少なくともいずれかが、設定した金額又は点数以上である企業を二次対象企業として抽出する。
三次対象企業抽出手段130は、既存融資先情報付与手段131と、既存融資先情報有無判定手段132と、新規開拓区分有無判定手段133とを備え、顧客情報データベース2に登録している顧客企業の中から、既に取引関係にある既取引先企業を抽出し、二次対象企業抽出手段120で抽出した二次対象企業から、抽出した既取引先企業を除外する。
配信対象企業抽出手段140は、一次対象企業抽出手段110で抽出した一次対象企業であり、かつ三次対象企業抽出手段130で抽出した三次対象企業を対象企業として抽出する。
配信対象企業抽出手段140で抽出した対象企業は、企業名とともに今回企業固有情報を端末200に配信される。
【0038】
顧客管理コード付与手段151は、取引関係にない未取引先企業を新規に登録する際に、企業情報データベース1に既に登録されている未取引先企業に関する情報に、新たな顧客管理コードを登録する。
新規開拓区分付与手段152は、未取引先企業を、新規開拓対象企業として登録する際に、新規開拓対象企業の情報とともに、新規開拓対象企業であることを区分する新規開拓区分を顧客情報データベース2に登録する。
【0039】
顧客固有情報抽出手段111は、企業情報データベース1の今回データから企業別に今回企業固有情報を抽出し、企業情報データベース1の前回データから企業別に前回企業固有情報を抽出する。
顧客固有情報比較手段112は、顧客固有情報抽出手段111で抽出した今回企業固有情報と前回企業固有情報とを企業別に比較する。企業固有情報をメイン取引銀行コードとした場合には、今回メイン取引銀行コードと前回メイン取引銀行コードとを比較する。企業固有情報を代表者氏名情報とした場合には、今回漢字氏名情報と前回漢字氏名情報とを比較するとともに、今回ふりがな氏名情報と前回ふりがな氏名情報とを比較する。企業固有情報を主要販売先情報とした場合には、今回主要販売先情報と前回主要販売先情報とを比較する。企業固有情報を主要仕入先情報とした場合には、今回主要仕入先情報と前回主要仕入先情報とを比較する。企業固有情報を事業所数とした場合には、今回事業所数と前回事業所数とを比較する。企業固有情報を取引銀行数とした場合には、今回取引銀行数と前回取引銀行数とを比較する。
顧客固有情報算出手段113は、企業固有情報を取引銀行数とした場合には、今回取引銀行コードから今回取引銀行数を算出し、前回取引銀行コード数から前回取引銀行数を算出する。また、顧客固有情報算出手段113は、売上高増加傾向情報を配信する場合には、最新期売上高、前期売上高、及び前々期売上高から売上高増減を算出する。
【0040】
売上高判定手段121は、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、売上高があらかじめ設定した範囲内にある企業か否かを判定する。
評価点判定手段122は、企業情報データベース1に今回登録された企業情報を基に、評価点があらかじめ設定した範囲内にある企業か否かを判定する。
顧客管理コード有無判定手段123は、顧客管理コードが登録されている企業か否かを判定する。
既存融資先情報付与手段131は、顧客情報データベース2に登録している顧客企業に関し、与信残高又は与信枠が有る顧客企業に対して既存融資先情報を付与する。
既存融資先情報有無判定手段132は、既存融資先情報付与手段131で既存融資先情報が付与された顧客企業か否かを判定する。
新規開拓区分有無判定手段133は、新規開拓区分が登録されている顧客企業か否かを判定する。