特許第6208910号(P6208910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208910動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6208910
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2187 20110101AFI20170925BHJP
   H04N 21/2343 20110101ALI20170925BHJP
   H04N 21/2662 20110101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04N21/2187
   H04N21/2343
   H04N21/2662
【請求項の数】15
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-84874(P2017-84874)
(22)【出願日】2017年4月21日
【審査請求日】2017年5月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517144075
【氏名又は名称】合同会社cuvie
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】江里口 徹平
【審査官】 福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−85128(JP,A)
【文献】 特開2009−232319(JP,A)
【文献】 特開2010−16521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 5/222−5/257
H04N 5/76−5/956
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理装置であって、
前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示装置に出力し前記合成画像の一部である前記動画像を前記表示装置に選択的に表示させる合成画像出力部と、
前記表示装置から出力される前記動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部とを備え、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像処理装置。
【請求項2】
前記合成画像出力部は、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が高解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像が中解像度に設定され、前記表示装置から切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像が低解像度に設定された合成画像を表示装置に出力する請求項1に記載の動画像処理装置。
【請求項3】
前記表示装置が前記切り換え指示を順次出力すると、前記切り換え指示入力部は前記切り換え指示を順次入力し、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像に順次変更して前記表示装置に順次出力する請求項2に記載の動画像処理装置。
【請求項4】
前記合成画像生成部は、前記それぞれの動画像の少なくとも一つがあらかじめ高解像度に設定され前記少なくとも一つの動画像に対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像があらかじめ中解像度に設定され前記少なくとも一つの動画像に対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像があらかじめ低解像度に設定された配置パターンに基づいて、前記それぞれの動画像ごとに複数の合成画像を生成し、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記合成画像生成部がそれぞれの動画像ごとに生成した複数の合成画像の中から、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に変更して前記表示装置に順次出力する請求項3に記載の動画像処理装置。
【請求項5】
前記合成画像生成部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像を高解像度に設定し、前記切り換え指示された動画像に対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像を中解像度に設定し、前記切り換え指示された動画像に対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像を低解像度にして合成画像を順次生成し、
前記合成画像出力部は、前記合成画像生成部が順次生成した合成画像を前記表示装置に順次出力する請求項3に記載の動画像処理装置。
【請求項6】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の動画像処理装置。
【請求項7】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置が前記動画像を切り換える切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記切り換え速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像を前記表示装置に表示させる請求項6に記載の動画像処理装置。
【請求項8】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置が前記動画像を切り換える切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記切り換え速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる請求項6に記載の動画像処理装置。
【請求項9】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置との通信速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記通信速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる請求項7又は請求項8に記載の動画像処理装置。
【請求項10】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が低解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像が中解像度に設定され、前記切り換え方向のさらに隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を出力し前記切り換え指示された動画像、前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像及び前記切り換え方向のさらに隣りに配列されたカメラの動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させる請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の動画像処理装置。
【請求項11】
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が中解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を出力し前記切り換え指示された動画像及び前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させる請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の動画像処理装置。
【請求項12】
前記合成画像出力部は、1つのカメラが撮影した動画像を前記表示装置が連続して表示する表示時間が所定のしきい値を超えると、前記表示装置が表示している動画像以外の他の動画像が低解像度に設定された合成画像を出力する請求項2から請求項11のいずれか一項に記載の動画像処理装置。
【請求項13】
動画像を表示する表示装置と、線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて前記表示装置に表示させる動画像処理装置とを備える動画像処理システムであって、
前記動画像処理装置は、
前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示装置に出力し前記合成画像の一部である前記動画像を前記表示装置に選択的に表示させる合成画像出力部と、
前記表示装置から出力される前記動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部とを備え
前記表示装置は、
前記動画像を切り換える切り換え指示を動画像処理装置に出力する切り換え指示出力部と、
前記合成画像出力部が出力した合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示する表示部とを備え、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示出力部が出力した前記切り換え指示を前記切り換え指示入力部が入力すると、前記それぞれの動画像のうち、切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し、
前記表示部は、前記合成画像出力部が出力した合成画像のうち前記切り換え指示された動画像を選択的に表示する動画像処理システム。
【請求項14】
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理方法であって、
合成画像生成部が、前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
合成画像出力部が、前記合成画像生成ステップにおいて生成された合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示させるように前記合成画像を前記表示装置に出力する合成画像出力ステップと、
切り換え指示入力部が、前記表示装置から出力される動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力ステップと、
前記切り換え指示入力ステップにおいて前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記合成画像出力部が、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像切り換えステップとを含む動画像処理方法。
【請求項15】
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理装置におけるプログラムであって、
合成画像生成部が、前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
合成画像出力部が、前記合成画像生成ステップにおいて生成された合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示させるように前記合成画像を前記表示装置に出力する合成画像出力ステップと、
切り換え指示入力部が、前記表示装置から出力される動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力ステップと、
前記切り換え指示入力ステップにおいて前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記合成画像出力部が、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像切り換えステップとを前記動画像処理装置のコンピュータに実行させる動画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を処理する動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術の発達により、動画像の送受信がより多く行われるようになっている。動画像の品質要求は年々高まってきており、より高品質な動画像の送受信が求められている。従来、このような動画像において、複数の動画像を合成して送受信することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−271908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動画像を適切に処理することができるデータ量や処理量は装置のスペックによって制限があるため、制限されたデータ量や処理量のもとで複数の動画像を単に合成して送受信しようとすると、視聴者が見たい動画像をより高品質な状態で表示することが困難になるという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、限られたスペックの中で視聴者がより楽しめるように動画像を表示することができる動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する動画像処理装置は、線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理装置であって、前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部と、前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示装置に出力し前記合成画像の一部である前記動画像を前記表示装置に選択的に表示させる合成画像出力部と、前記表示装置から出力される前記動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部とを備え、前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、限られたスペックの中で視聴者がより楽しめるように動画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る動画像処理システムおよび動画像処理装置を示す全体構成図である。
図2】通信速度対応テーブルを示す説明図である。
図3】複数のカメラの配列と被写体との位置関係を示す説明図である。
図4】表示部において動画像が切り換えられていく様子を示す説明図である。
図5】合成画像における動画像の配置を示す説明図である。
図6図5における合成画像のカメラの配列を示す説明図である。
図7図5とは別の合成画像における動画像の配置を示す説明図である。
図8図7における合成画像のカメラの配列を示す説明図である。
図9】一時点における全ての合成画像を示す説明図である。
図10】動画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
図11図5および図7とは別の合成画像における動画像の配置を示す説明図である。
図12図5図7および図12とは別の合成画像における動画像の配置を示す説明図である。
図13】第2の実施形態に係る動画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
図14】合成画像における動画像の配置パターンに関する第1の変形例を示す説明図である。
図15】合成画像における動画像の配置パターンに関する第2の変形例を示す説明図である。
図16】合成画像における動画像の配置パターンに関する第3の変形例を示す説明図である。
図17】合成画像における動画像の配置パターンに関する第4の変形例を示す説明図である。
図18】合成画像における動画像の配置パターンに関する第5の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態における動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態としての動画像処理システム1を示す全体構成図である。
動画像処理システム1は、表示装置20と動画像処理装置10とを備えている。これら表示装置20と動画像処理装置10とは、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0010】
表示装置20は、制御部201と、通信部(切り換え指示出力部)202と、記憶部203と、表示部204と、操作部205とを備えている。
通信部202は、例えば、各種通信デバイスなどからなり、動画像処理装置10から送信された合成画像データを入力する。なお、合成画像データについては、後述するものとする。また、通信部202は、制御部201が出力した、後述する切り換え指示信号を動画像処理装置10に送信する。
記憶部203は、例えば、ハードディスクやメモリなどからなり、通信部202が入力した合成画像データの他、各種プログラムや作業データなどを記憶する。
【0011】
表示部204は、例えばモニタなどからなり、記憶部203が記憶した合成画像データのうち、一つのカメラで撮影された一つの動画像領域のみを択一的に選択して動画像として表示する。
操作部205は、例えばキーボード、マウス、タッチパッドまたはボタンなどからなり、ユーザからの各種指示を受け付け、各種の指示信号を制御部201に出力する。例えば、操作部205は、表示部204が動画像を表示しているときに、ユーザが動画像の表示の切り換え操作を行うと、動画像の切り換え操作指示信号を制御部201に出力する。
【0012】
制御部201は、例えばCPU等からなり、装置全体の制御を行う。また、制御部201は、記憶部203が記憶した合成画像データを読み出して、表示部204に出力する。さらに、制御部201は、操作部205が出力した切り換え操作指示信号を入力し、当該切り換え操作指示信号を通信部202に出力する。
【0013】
動画像処理装置10は、制御部101と、通信部(切り換え指示入力部)102と、記憶部103と、表示部104と、操作部105と、動画像入力部106とを備えている。
通信部102は、例えば、各種通信デバイスなどからなり、各種の合成画像データを表示装置20に送信する。また、通信部102は、表示装置20から送信された切り換え指示を入力し、この切り換え指示を制御部101に出力する。
【0014】
記憶部103は、例えば、ハードディスクやメモリなどからなり、動画像入力部106が入力した各種動画像データや、後述する合成画像生成部101bが生成した各種合成画像データの他、各種プログラムや作業データなどを記憶する。また、記憶部103は、図2に示すように、表示装置20と動画像処理装置10との間の通信速度と、切り換え速度のしきい値とが対応付けられた通信速度対応テーブルを記憶する。この通信速度対応テーブルにおいては、通信速度が遅いと切り換え速度のしきい値が大きくなり、通信速度が速くなるにつれて段階的にしきい値が小さくなるように設定されている。例えば、しきい値は以下の式に基づいて設定される。
しきい値=最小動画像単位のデータ量(Mb)/通信速度(Mbps)
具体的には、しきい値(1.5秒)=最小動画像単位のデータ量(15Mb)/通信速度(10Mbps)となる。
【0015】
表示部104は、例えばモニタなどからなり、動画像を処理するための処理画面等を表示する。
操作部105は、例えばキーボード、マウス、タッチパッドまたはボタンなどからなり、ユーザからの各種指示を受け付け、各種の指示信号を制御部101に出力する。
動画像入力部106は、例えばUSBおよびCD-ROMなどの各種記憶媒体に記憶された動画像データや通信装置から送信された動画像データを入力し、制御部101に出力する。
【0016】
制御部101は、例えばCPU等からなり、メイン制御部101aと、合成画像生成部101bと、合成画像出力部101cとを備えている。また、制御部101は、切り換え方向検知部101dと、切り換え速度検知部101eと、通信速度検知部101fとを備えている。
メイン制御部101aは、装置全体の制御を行う。
合成画像生成部101bは、記憶部103が記憶した動画像データに基づいて、各種合成画像データを生成する。
合成画像出力部101cは、記憶部103が記憶した各種合成画像データの中から、特定の合成画像データを抽出し通信部102に出力する。
【0017】
切り換え方向検知部101dは、通信部102が順次入力した切り換え指示から、切り換え方向を検知する。
切り換え速度検知部101eは、通信部102が順次入力した切り換え指示から、切り換え速度を検知する。なお、切り換え速度とは、メイン制御部101aが直前の切り換え指示信号を入力したときから最新の切り換え指示信号を入力するまでの間の経過時間をいうものである。
通信速度検知部101fは、動画像処理装置10と表示装置20との間の通信速度を検知する。
【0018】
次いで、動画像データを撮影するカメラの設置状況等について説明する。
図3に示すように、複数のカメラC1〜C20が、被写体Pを中心点にして、円周上に配置されている。すなわち、カメラC1〜C20は、被写体Pに対して全て径方向に同一の距離であって、かつ互いに周方向に均等間隔を空けて20台設置されている。換言すれば、カメラC1〜C20は、仮想的な円周線L上に順に配列されている。
カメラC1〜C20が撮影する動画像の解像度は、すべて1920×1080ピクセルとする。
【0019】
このような構成のもと、例えばカメラC1が撮影した動画像を表示装置20が表示しているときに、カメラC1に対して円周線L上に配列されたカメラが撮影した動画像への切り換え指示操作をユーザが行うと、図4に示すように、表示装置20は、カメラC1が撮影した動画像から、円周線L上において隣り合うカメラC2が撮影した動画像へと動画像を切り換える。そして、表示装置20は、ユーザからの切り換え指示操作が円周線L上に連続的に行われると、カメラC1からカメラC2、カメラC3、カメラC4へと連続的に順次切り換える。
なお、表示装置20は、カメラC1とカメラC20との間も連続的に順次切り替えるようになっており、そのため、カメラC1〜C20は円周線L上の左右方向のいずれの方向にも循環して切り換えられるようになっている。
また、図4においては、カメラC10からカメラC19までの動画像の図示を省略しているのは言うまでもない。
【0020】
次いで、合成画像生成部101bが生成する合成画像について説明する。
図5は、カメラC1が撮影した動画像D1が高解像度に設定された合成画像F1を示す説明図である。図5における動画像D1〜D20の数字が、撮影したカメラC1〜C20の数字と対応している。
図5に示すように、カメラC1〜C20が撮影した動画像D1〜D20に対して、解像度を異ならせて、かつ互いに重ならないように配置して合成したものが合成画像である。例えば、カメラC1が撮影した動画像D1が1920×1080ピクセルの高解像度に設定され、カメラC2,C3,C20,C19が撮影した動画像D2,D3,D20,D19が1440×810ピクセルの中解像度に設定され、カメラC4〜C18が撮影した動画像D4〜D18が960×540ピクセルの低解像度に設定される。これが合成画像F1となる。
なお、「重ならないように」とは、各動画像のドットが重複しないように設定することであり、各動画像が視覚的に互いに影響を及ぼさないように設定することをいう。
【0021】
合成画像の解像度は、あらかじめ設定された配置パターンに基づいて設定される。例えば、図6に示すように、あるカメラC1が撮影した動画像D1が高像度に設定され、このカメラC1に対して円周線L上の両方向に順に2台分隣り合うカメラC2,C3,C20,C19が撮影した動画像D2,D3,D20,D19が中解像度に設定され、これら順に2台分隣り合うカメラC2,C3,C20,C19のさらに円周線L上の両方向に順に隣り合うカメラC4〜C18が撮影した動画像D4〜D18が低解像度に設定される。
【0022】
図7は、カメラC2が撮影した動画像D2が高解像度に設定された合成画像F2を示す説明図である。
図7に示すように、カメラC2が撮影した動画像D2が高解像度に設定され、カメラC3,C4,C1,C20が撮影した動画像D3,D4,D1,D20が中解像度に設定され、カメラC5〜C19が撮影した動画像D5〜D19が低解像度に設定されている。
すなわち、あらかじめ設定された配置パターンにおいて、図8に示すように、あるカメラC2が撮影した動画像D2が高像度に設定され、このカメラC2に対して円周線L上の両方向に順に2台分隣り合うカメラC3,C4,C1,C20が撮影した動画像D3,D4,D1,D20が中解像度に設定され、これら順に2台分隣り合うカメラC3,C4,C1,C20のさらに円周線L上の両方向に隣り合うカメラC5〜C19が撮影した動画像D5〜D19が低解像度に設定される。
図9に示すように、合成画像生成部101bは、あらかじめ設定された配置パターンに基づいて、カメラC1〜C20が撮影した各動画像D1〜D20が高解像度に設定される20種類全ての合成画像F1〜F20を生成する。なお、図9では、ある時間t1における各合成画像F1〜F20のみが示されているが、さらに時間t2、t3・・・と時間が経過するにつれて、フレームレートに応じて新たな合成画像F1〜F20を合成画像生成部101bが生成していくことは言うまでもない。
【0023】
次に、動画像処理システム1の処理動作について、図10を参照して説明する。
まず、カメラC1〜C20が被写体Pを撮影し、それら動画像データを動画像処理装置10に出力する。動画像入力部106は、それら動画像データを入力し、制御部101に出力する。メイン制御部101aは、それら動画像データを入力すると、記憶部103に出力し、記憶部103がそれら動画像データを記憶する。
このような状態で、表示装置20において、ユーザの操作に基づいて操作部205が再生指示信号を制御部201に出力すると、制御部201が再生指示信号を入力し通信部202に出力する。通信部202は、その再生指示信号を入力すると、動画像処理装置10に再生指示信号を送信する。
【0024】
動画像処理装置10の通信部102は、表示装置20が送信した再生指示信号を入力し、制御部101に再生指示信号を出力する。メイン制御部101aは、その再生指示信号を入力すると、合成画像生成部101bに再生指示信号を出力する。合成画像生成部101bは、再生指示信号を入力すると、記憶部103からカメラC1〜C20の動画像データを読み出し、図9に示す合成画像F1〜F20を生成する(ステップS1)。このとき、合成画像生成部101bは、図5および図6に示すように、あらかじめ決められた配置パターンに基づいて、例えばカメラC1が撮影した動画像D1を高解像度に設定し、カメラC2,C3,C20,C19が撮影した動画像D2,D3,D20,D19を中解像に設定し、他のカメラC4〜C18が撮影した動画像D4〜D18を低解像度に設定して合成画像を生成する。さらに、合成画像生成部101bは、図9に示すように、すべてのカメラC1〜C20が撮影した動画像D1〜D20をそれぞれ高解像に設定した20種類の合成画像F1〜F20を生成し、記憶部103がそれら合成画像F1〜F20を記憶する。
【0025】
合成画像生成部101bは、それぞれの合成画像F1〜F20を生成すると、メイン制御部101aに生成信号を出力する。メイン制御部101aは、生成信号を入力すると、通信速度検知部101fに速度検知指示信号を出力する。通信速度検知部101fは、その速度検知指示信号を入力すると、表示装置20と動画像処理装置10との間の通信速度を検知する。例えば、通信速度検知部101fは、通信部102を介して通信速度検知指示信号を表示装置20に送信する。表示装置20の制御部201は、通信部202を介してその通信速度検知指示信号を入力すると、通信部202を介して通信速度検知応答を動画像処理装置10に送信する。通信速度検知部101fは、通信部102を介してその通信速度検知応答を入力して、通信速度検知指示信号の送信から通信速度検知応答の入力までの時間を通信速度として検知する。そして、通信速度検知部101fは、図2に示す通信速度対応テーブルを記憶部103から読み出し、切り換え速度のしきい値を設定する(ステップS2)。例えば、通信速度検知部101fが通信速度を5.5Mbpsであると検知すると、切り換え速度のしきい値を2秒に設定して、そのしきい値を記憶部103が記憶する。
【0026】
そして、通信速度検知部101fは、切り換え速度のしきい値を設定すると、メイン制御部101aに設定完了信号を出力する。メイン制御部101aは、設定完了信号を入力すると、合成画像出力部101cに合成画像出力指示信号を出力する。合成画像出力部101cは、合成画像出力指示信号を入力すると、カメラC1が撮影した動画像D1が高解像度に設定された図5に示す合成画像F1を記憶部103から読み出し、通信部102に出力する。通信部102は、合成画像F1を入力すると、表示装置20に合成画像F1を送信する。すなわち、合成画像出力部101cが通信部102を介して合成画像F1を表示装置20に送信する(ステップS3)。
表示装置20の通信部202が、その合成画像F1を入力すると、制御部201に出力する。制御部201は、合成画像F1を入力すると表示部204に出力する。表示部204は、その合成画像F1を入力すると、動画像単位で配置された合成画像F1の領域から、高解像度に設定された動画像D1の領域のみを択一的に選択し動画像D1のみを表示する。これにより、カメラC1が撮影した動画像D1が表示画面に表示される。
【0027】
この状態で、例えばユーザが表示画面を指でタッチしながら、その指を画面上の右方向または左方向に連続的に動かす。この動作により、表示される動画像の切り換えをユーザが指示する。なお、表示される動画像の切り換えをユーザが指示することは、動画像を撮影したカメラを切り換えることである。例えば、ユーザが指を右方向の直線上に連続的に動かして、表示される動画像の切り換えを順次指示することは、表示対象となる動画像を撮影したカメラC1〜C20を図3に示す円周線L上において左回りに順次切り換えることを意味する。一方、ユーザが指を左方向の直線上に連続的に動かして、表示される動画像の切り換えを順次指示することは、表示対象となる動画像を撮影したカメラC20〜C1を円周線L上において右回りに順次切り換えることを意味する。これらカメラC1〜C20が円周線L上において同一方向に順次切り換えられるときのその同一方向が動画像の切り換え方向となる。
【0028】
さて、ユーザが操作部205を操作すると、操作部205は、動画像の切り換え操作指示信号を制御部201に出力する。制御部201は、その切り換え操作指示信号を入力すると、切り換え指示信号を生成する。切り換え指示信号は、切り換え操作指示と切り換え動画像識別情報とを含むものである。切り換え動画像識別情報は、表示されている動画像から切り換え指示された動画像を識別するものである。例えば、動画像D1が表示されているときに、ユーザが画面上において指を右方向に動かすと、切り換え動画像識別情報は、カメラC1に対して円周線L上において左回りに隣り合うカメラC2が撮影した動画像D2を識別するものとなる。すなわち、制御部201は、現在表示されている動画像D1に対して、切り換え指示された動画像D2を識別するための切り換え動画像識別情報を生成して、この切り換え動画像識別情報および切り換え操作指示を切り換え指示信号として通信部202に出力する。
通信部202は、切り換え指示信号を入力すると、動画像処理装置10に切り換え指示信号を送信する。
【0029】
動画像処理装置10の通信部102は、切り換え指示信号を入力すると、制御部101に切り換え指示信号を出力する。メイン制御部101aは、通信部102の出力を読み出し(ステップS4)、切り換え指示があったか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、メイン制御部101aは、通信部102から出力された切り換え指示信号を読み出して入力すると、切り換え指示があったと判定し、切り換え指示信号が読み出せなかったら切り換え指示がないと判定する。
なお、メイン制御部101aは、切り換え指示信号を入力すると、切り換え指示信号の入力タイミング時間、入力回数および切り換え動画像識別情報を記憶部103に順次記憶する。
【0030】
メイン制御部101aは、通信部102から出力された切り換え指示信号を読み出して入力し、切り換え指示があったと判定すると(ステップS5:Yes)、切り換え速度検知部101eに切り換え速度検知指示信号を出力する。切り換え速度検知部101eは、その切り換え速度検知指示信号を入力すると、動画像の切り換え速度を検知する(ステップS6)。すなわち、切り換え速度検知部101eは、表示装置20から出力された再生指示信号に基づいて合成画像出力部101cが最初に合成画像F1を出力したときから、メイン制御部101aが最新の切り換え指示信号を入力するまでの間に、メイン制御部101aが切り換え指示信号を入力していない場合には、合成画像出力部101cが最初に合成画像F1を出力したときから、メイン制御部101aが最新の切り換え指示信号を入力するまでの経過時間を動画像の切り換え速度として算出する。一方、切り換え速度検知部101eは、合成画像出力部101cが最初に合成画像F1を出力したときから、メイン制御部101aが最新の切り換え指示信号を入力するまでの間に、メイン制御部101aが切り換え指示信号を入力していた場合には、メイン制御部101aが直前の切り換え指示信号を入力したときから最新の切り換え指示信号を入力するまでの間の経過時間を動画像の切り換え速度として算出する。そして、切り換え速度検知部101eは、算出した切り換え速度をメイン制御部101aに出力する。
【0031】
メイン制御部101aは、その切り換え時間を入力すると、切り換え時間が所定のしきい値よりも速いか否かを判定する(ステップS7)。ここでは、このしきい値は例えば2秒に設定されている。
メイン制御部101aは、切り換え時間がしきい値よりも速いと判定すると(ステップS7:Yes)、切り換え時間がしきい値よりも速い切り換え指示が連続して3回目以上か否かを判定する(ステップS8)。すなわち、メイン制御部101aは、表示装置20から出力された再生指示信号に基づいて合成画像出力部101cが最初に合成画像F1を出力したときから、メイン制御部101aが最新の切り換え指示信号を入力するまでの間に、メイン制御部101aが切り換え指示信号を入力したそれぞれの入力タイミング時間と入力回数とを記憶部103から読み出し,これら入力タイミング時間および入力回数に基づいて、切り換え時間がしきい値以内となっている切り換え指示が連続して3回目以上か否かを判定する。
【0032】
メイン制御部101aは、切り換え指示が連続して3回目以上であると判定すると(ステップS8:Yes)、切り換え方向検知信号を切り換え方向検知部101dに出力する。切り換え方向検知部101dは、その切り換え方向検知信号を入力すると、切り換え指示の切り換え方向を検知して(ステップS9)、検知結果をメイン制御部101aに出力する。すなわち、切り換え方向検知部101dは、切り換え時間がしきい値より速い連続した切り換え指示に対して、記憶部103が記憶した切り換え動画像識別情報を読み出して、切り換え方向を検知する。
例えば、動画像D1が表示されている場合において、1回目の切り換え動画像識別情報が動画像D2であり、2回目および3回目の切り換え動画像識別情報がD3,D4と続く場合には、切り換え方向検知部101dは、動画像の切り換え方向が、図3に示す円周線L上において左回り方向であると検知する。
【0033】
そして、メイン制御部101aは、切り換え方向検知部101dが出力した検知結果を入力すると、動画像の切り換え方向がすべて同じ方向であるか否かを判定する(ステップS10)。例えば、動画像D1が表示されている場合において、1回目の切り換え動画像識別情報が動画像D2であり、2回目および3回目の切り換え動画像識別情報がD3,D4と続く場合には、メイン制御部101aは、動画像の切り換え方向が、円周線L上においてすべて左回り方向の同方向であると判定する。一方、動画像D1が表示されている場合において、1回目の切り換え動画像識別情報が動画像D2であり、2回目および3回目の切り換え動画像識別情報がD3,D2と続く場合には、メイン制御部101aは、動画像の切り換え方向が、円周線L上において同方向ではないと判定する。
【0034】
メイン制御部101aは、切り換え方向が同方向ではないと判定した場合(ステップS10:No)、またはステップS7において切り換え時間が所定のしきい値よりも遅いと判定した場合(ステップS7:No)、またはステップS8において切り換え指示が連続して3回以上でないと判定した場合(ステップS8:No)、通常の切り換え指示信号を合成画像出力部101cに出力する。
合成画像出力部101cは、通常の切り換え指示信号を入力すると、記憶部103が記憶した最新の切り換え動画像識別情報に基づいて切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像(通常の合成画像)を記憶部103から読み出して、通信部102を介して表示装置20に送信する(ステップS11)。例えば、動画像D1が表示されている場合において、記憶部103が記憶した最新の切り換え動画像識別情報が動画像D2である場合には、合成画像出力部101cは、通信部102を介して合成画像F2を出力する。
【0035】
表示装置20の制御部201は、通信部202を介してその合成画像を入力し、表示部204に出力する。表示部204は、その合成画像を入力すると、合成画像のうち高解像度に設定された動画像を択一的に選択し表示する。例えば、表示部204は、合成画像F1における動画像D1を表示しているときに、合成画像F2を入力すると、合成画像F2における動画像D2のみを表示する。
これにより、画面上において、動画像が切り換えられる。
なお、動画像処理装置10において、ステップS11の後、制御部101は、ステップS4に戻って処理を繰り返す。
【0036】
また、ステップS10において、メイン制御部101aは、動画像の切り換え方向がすべて同じ方向であると判定すると(ステップS10:Yes)、通常の切り換え指示信号に代えて、緊急の切り換え指示信号を合成画像出力部101cに出力する。合成画像出力部101cは、緊急の切り換え指示信号を入力すると、記憶部103が記憶した最新の切り換え動画像識別情報を読み出し、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像が低解像度に設定された合成画像(緊急の合成画像)を記憶部103から読み出し、通信部102を介してその合成画像を表示装置20に送信する(ステップS12)。このときの合成画像は、例えば、図11に示すように、切り換え指示された動画像D4が低解像度に設定され、動画像D4を撮影したカメラC4に対して円周線L上において左回り方向に隣りに2つ分配列されたカメラC5,C6の動画像D5,D6が中解像度に設定され、これらカメラC5,C6に対して左回り方向に隣りにさらに1つ分配列されたカメラC7の動画像D7が高解像度に設定され、このカメラC7に対して左回り方向に隣りにさらに2つ分配列されたカメラC8,C9の動画像D8,D9が中解像度に設定され、このカメラC9からカメラC4の間に配列されたカメラC3〜C10の動画像D3〜D10が低解像度に設定された合成画像F7となる。
【0037】
表示装置20の表示部204は、上記と同様に、合成画像F7に基づいて、切り換え指示された動画像D4を表示する。このとき、動画像D4は低解像度に設定されているが、ユーザからの所定の速さによる切り換え指示に応じて所定の速さで動画像が切り換えられているため、低解像度による表示はユーザにとってさほど気にはならない。それよりも、動画像処理装置10から送信される合成画像では切り換え表示が間に合わない場合、すなわち通信による処理スピードが間に合わないくらいの速さでユーザからの同方向の切り換え指示操作があった場合、表示部204は、最新の合成画像F7の領域内において、表示する動画像をD4からD5,D6,D7,D8,D9へと順次切り換えていく。
【0038】
ここまでのステップS1からS12に関して、いくつかのバリエーションにより具体例を交えて説明する。
(バリエーション1)
例えば、動画像D1が1分間表示されている場合に、ユーザが画面上において指を右方向に連続的に動かして、動画像D1からD5までをそれぞれ2秒を越える切り換え時間で切り換え指示動作を行うものとする。
まず、表示装置20が、上述したように、動画像D1からD2への切り換え指示信号を送信すると、メイン制御部101aが、ステップS7において切り換え時間が所定のしきい値2秒よりも遅いと判定することにより(ステップS7:No)、合成画像出力部101cが、通信部102を介して合成画像F1に代えて合成画像F2(図7に示す)を表示装置20に送信する(ステップS11)。
表示装置20の表示部204は、合成画像F2に基づいて動画像D2のみを択一的に選択して、動画像D1から動画像D2に切り換えて表示する。
【0039】
同様にして、メイン制御部101aが、ステップS7において切り換え時間が所定のしきい値2秒よりも遅いと判定することにより(ステップS7:No)、合成画像出力部101cが、通信部102を介して合成画像F2に代えて合成画像F3を表示装置20に送信し、続いて合成画像F3,F4に代えてそれぞれ合成画像F4,F5を送信していく(ステップS11)。
表示装置20の表示部204は、合成画像F3に基づいて動画像D3のみを択一的に選択して、動画像D2から動画像D3に切り換えて表示し、続いて合成画像F4,F5に基づいて動画像D4,D5へと切り換えていく。
これによって、図4に示すように、円周線L上において左方向に配列されたカメラC1からC5へと順に動画像がD1からD5へと切り換えられてそれぞれ高解像度によって表示される。
【0040】
(バリエーション2)
次に、例えば動画像D1が1分間表示されている場合に、ユーザが画面上において指を右方向に連続的に動かして、動画像D1からD5までを2秒以下の切り換え速度で連続的に切り換え指示動作を行い、続けて動画像D5からD10までを通信による処理スピードが間に合わないくらいの速い切り換え時間で連続的に切り換え指示動作を行うものとする。
まず、表示装置20が、上述したように、動画像D1からD2への切り換え指示信号を送信すると、メイン制御部101aが、ステップS7において切り換え時間が所定のしきい値よりも遅いと判定することにより(ステップS7:No)、合成画像出力部101cは、通信部102を介して合成画像F1に代えて合成画像F2(図7に示す)を表示装置20に送信する(ステップS11)。
表示装置20の表示部204は、合成画像F2に基づいて動画像D2のみを択一的に選択して、動画像D1から動画像D2に切り換えて表示する。
【0041】
さらに、表示装置20は、動画像D2からD3への切り換え指示信号を順次送信すると、動画像処理装置10の通信部102が切り換え指示信号を順次入力し、メイン制御部101aが、ステップS8において切り換え指示が2回目であって3回目以上でないと判定することにより(ステップS8:No)、合成画像出力部101cは、通信部102を介して合成画像F2に代えて合成画像F3を表示装置20に順次送信する(ステップS11)。
表示装置20の表示部204は、合成画像F3に基づいて動画像D3のみを択一的に選択して、動画像D2から動画像D3に順次切り換えて表示する。
【0042】
そして、表示装置20は、動画像D3からD4への切り換え指示信号を順次送信すると、動画像処理装置10の通信部102が切り換え指示信号を順次入力し、メイン制御部101aが、ステップS8において切り換え指示が3回目以上であると判定し(ステップS8:Yes)、さらにステップS10において切り換え方向が同方向であると判定することにより(ステップS10:Yes)、合成画像出力部101cは、合成画像F4に代えて緊急用の合成画像F7(図11に示す)を表示装置20に通信部102を介して順次送信する(ステップS12)。
表示装置20の表示部204は、緊急用の合成画像F7に基づいて動画像D4のみを択一的に選択して、動画像D3から動画像D4に順次切り換えて表示する。このときの動画像D4は、低解像度にて表示される。
【0043】
同様にして、表示装置20は、動画像D4からD5への切り換え指示信号を順次送信すると、動画像処理装置10の通信部102が切り換え指示信号を順次入力し、メイン制御部101aが、ステップS8において切り換え指示が4回目であって3回目以上であると判定し(ステップS8:Yes)、さらにステップS10において切り換え方向が同方向であると判定することにより(ステップS10:Yes)、合成画像出力部101cは、合成画像F5に代えて緊急用の合成画像F8(図12に示す)を表示装置20に通信部102を介して順次送信する(ステップS12)。
表示装置20の表示部204は、緊急用の合成画像F8に基づいて動画像D5のみを択一的に選択して、動画像D4から動画像D5に順次切り換えて表示する。このときの動画像D5は、低解像度にて表示される。
【0044】
さらに、表示装置20の操作部205が動画像D5から動画像D6へと切り換え操作指示信号を出力すると、制御部201は、前回の切り換え操作指示信号の入力タイミング時間から最新の切り換え操作指示信号の入力タイミング時間までの経過時間が極めて短く、通信による処理スピードが間に合わないと判定し、切り換え動画像識別情報および超緊急の切り換え指示信号を表示部204に出力する。表示部204は、それら切り換え動画像識別情報および超緊急の切り換え指示信号を入力すると、現在使用している合成画像F8(図12に示す)に基づいて動画像D6を表示する。このときの動画像D6は、中解像度にて表示される。
【0045】
さらに、表示装置20の操作部205が動画像D6から動画像D7へと切り換え操作指示信号を出力すると、制御部201は、前回の切り換え操作指示信号の入力タイミング時間から最新の切り換え操作指示信号の入力タイミング時間までの経過時間が極めて短く、通信による処理スピードが間に合わないと判定し、切り換え動画像識別情報および超緊急の切り換え指示信号を表示部204に出力する。表示部204は、それら切り換え動画像識別情報および超緊急の切り換え指示信号を入力すると、現在使用している合成画像F8(図12に示す)に基づいて動画像D7を表示する。このときの動画像D7は、中解像度にて表示される。
上記と同様にして、表示部204は、切り換え動画像識別情報および超緊急の切り換え指示信号を順次入力すると、現在使用している合成画像F8に基づいて動画像D8〜D10へと順次切り換えて表示していく。このときの動画像D8は高解像度にて表示され、動画像D9,D10は中解像度に表示される。
【0046】
これにより、図4に示すように、円周線L上において左方向に配列されたカメラC1からC10へと動画像がD1からD10へと一つ一つ順次切り換えられて表示される。このとき、動画像D1からD3までは高解像度によって表示され、動画像D4からD5までは低解像度によって表示され、動画像D6からD7までは中解像度によって表示され、動画像D8は高解像度によって表示され、動画像D9からD10までは中解像度によって順次表示される。このように、切り換え速度が速い場合、切り換え指示された動画像よりも、切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像の解像度が高く設定された合成画像を、先に送っておくことにより、超緊急の切り換え指示に対して中解像度または高解像度による動画像を順次切り換えて表示することができる。
【0047】
続いて、図10に示すフローチャートのステップS13以降に関して説明する。
メイン制御部101aは、通信部102の出力を読み出し、切り換え指示がないと判定すると(ステップS5:No)、合成画像出力部101cに維持信号を出力する。合成画像出力部101cは、その維持信号を入力すると、前回送信した合成画像(現在表示している動画像が高解像度に設定された合成画像)と同じ合成画像を記憶部103から読み出して、通信部102を介してその合成画像を表示装置20に送信する(ステップS13)。
表示装置20の制御部201は、通信部202を介してその合成画像を入力すると、表示部204に出力し、現在表示している動画像と同じ動画像を表示する。これにより、時間の経過とともに例えば動画像D1が表示され続ける。
【0048】
そして、メイン制御部101aは、維持信号を合成画像出力部101cに出力してから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS14)。メイン制御部101aは、所定時間経過していないと判定すると(ステップS14:No)、ステップS4に戻って処理を繰り返す。一方、メイン制御部101aは、所定時間経過したと判定すると(ステップS4:Yes)、特定生成信号を合成画像生成部101bに出力する。合成画像生成部101bは、その特定生成信号を入力すると、特定合成画像を生成する(ステップS15)。なお、特定合成画像は、現在表示している動画像が高解像度に設定され、それ以外の動画像が低解像度に設定されたものである。例えば、合成画像生成部101bは、現在表示している動画像D1のみを高解像度に設定し、それ以外の動画像D2〜D20を低解像度に設定した特定合成画像を生成し、記憶部103に記憶する。そして、合成画像生成部101bは、生成完了信号を合成画像出力部101cに出力する。
【0049】
合成画像出力部101cは、その生成完了信号を入力すると、記憶部103から特定合成画像を読み出し、通信部102を介して特定合成画像を表示装置20に送信する(ステップS16)。
表示装置20の制御部201は、通信部202を介して特定合成画像を入力し、特定合成画像を表示部204に出力する。表示部204は、その特定合成画像を入力すると、高解像度に設定された動画像のみを択一的に選択して表示する。
メイン制御部101aは、合成画像が終了したか否かを判定する(ステップS17)。すなわち、合成画像出力部101cが、記憶部103から時間順に合成画像を読み出し、読み出すべき合成画像がない場合に終了信号をメイン制御部101aに出力し、メイン制御部101aがその終了信号を入力したときに合成画像が終了したと判定する。
【0050】
メイン制御部101aは、合成画像が終了していないと判定すると(ステップS17:No)、ステップS4に戻って処理を繰り返す。一方、メイン制御部101aは、合成画像が終了したと判定すると(ステップS17:Yes)、終了信号を合成画像出力部101cに出力する。合成画像出力部101cは、その終了信号を入力すると、通信部102を介して終了信号を表示装置20に送信する(ステップS18)。
表示装置20の制御部201は、通信部202を介して終了信号を入力すると、その終了信号を表示部204に出力する。表示部204は、その終了信号を入力すると、動画像の再生を停止する。
【0051】
以上より、本実施形態における動画像処理システム1、動画像処理装置10、動画像処理方法、および動画像処理プログラムにおいては、複数の動画像C1〜C20の少なくとも1つが異なる解像度にされて互いに重ならないように配置され、切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を合成画像出力部101cが表示装置20に送信し、表示装置20がその合成画像の一部であり高解像度に設定された動画像を択一的に選択して表示する。
これにより、表示装置20が通常の切り換え速度で切り換え表示する動画像を高解像度によって表示することができる。また、表示装置20が、通信が間に合わないような超緊急の切り換え速度で切り換え表示するときでも、同じ合成画像の他の動画像に素早く切り換えて表示することができる。そのため、種々の装置における限られたスペックの中で視聴者がより楽しめるように動画像を表示することができる。
【0052】
また、合成画像生成部101bが、切り換え指示された動画像を高解像度に設定し、この動画像を撮影したカメラに対して円周線L上において近くに配列されたカメラの動画像を中解像度に設定し、切り換え指示された動画像に対して近くに配列されたカメラより円周線L上において遠くに配列されたカメラの動画像を低解像度に設定して合成画像を生成することから、切り換え指示された動画像を表示装置20において高解像度に表示させ、表示装置20が、通信が間に合わないような超緊急の切り換え速度で切り換え表示するときでも、切り換え指示された動画像を撮影したカメラの近くに配列されたカメラの動画像を素早く切り換えて中解像度に表示させることができる。
【0053】
また、表示装置20が切り換え指示信号を順次送信すると、動画像処理装置10の通信部102がその切り換え指示信号を順次入力し、合成画像出力部101cは、切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像に順次切り換えて表示装置20に順次送信することから、高解像度に設定された動画像をユーザの切り換え指示に応じて表示装置20が順次切り換えて表示することができる。
また、合成画像生成部101bが、解像度があらかじめ設定された配置パターンに基づいて、それぞれの動画像ごとにすべての合成画像を生成し、合成画像出力部101cが、それらすべての合成画像の中から、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に変更して表示装置20に順次送信することから、より簡易に合成画像を変更して表示することができる。
【0054】
また、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像が低解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して円周線L上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を合成画像出力部101cが表示装置20に送信することから、表示装置20が、通信が間に合わないような超緊急の切り換え速度で切り換え表示するときでも、切り換え指示された動画像から切り換え方向に先に配列されたカメラの動画像を素早く切り換えて高解像度に表示させることができる。すなわち、切り換え方向検知部101dが切り換え方向を検知することにより、ユーザの切り換え動作の先を読むことができ、その先の切り換え指示があるはずの動画像を素早く切り換えて高解像度に表示することができる。
【0055】
また、合成画像出力部101cは、切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像が低解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して円周線L上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次送信し、切り換え速度が所定のしきい値よりも遅い場合には、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次送信することから、切り換え速度に応じて適切な動画像を表示することができる。例えば、表示装置20が、通信が間に合わないような超緊急の切り換え速度で切り換え表示するときでも、ユーザの切り換え動作の先を読むことにより、その先の切り換え指示があるはずの動画像を素早く切り換えて高解像度に表示することができ、一方、ユーザの切り換え動作が遅い場合には、切り換え指示された動画像を切り換えて高解像度に表示することができる。
【0056】
また、合成画像出力部101cは、通信速度が所定のしきい値よりも速い場合には、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次送信し、通信速度が所定のしきい値よりも遅い場合には、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像が低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して円周線L上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次送信することから、通信速度に応じて適切な動画像を表示することができる。すなわち、通信速度が速い場合には、動画像の切り換え速度が速くてもその速さに応じて合成画像を表示装置20が順次入力することができることから、切り換え指示された動画像に順次切り換えて高解像度に表示することができる。一方、通信速度が遅い場合には、切り換え速度が速いとその速さに応じて合成画像を表示装置20が順次入力することができないことから、ユーザの切り換え動作の先を読むことにより、その先の切り換え指示があるはずの動画像に素早く切り換えて高解像度に表示することができる。
【0057】
また、合成画像出力部101cは、切り換え指示された動画像が低解像度に設定され、この動画像を撮影したカメラに対して円周線L上において切り換え方向の隣りに2つ分配列されたカメラの動画像が中解像度に設定され、切り換え方向のさらに隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に送信することから、切り換え速度に応じて適切な動画像を表示することができる。例えば、ユーザの切り換え動作が速い場合には、ユーザの切り換え動作の先を読むことにより、その先の切り換え指示があるはずの隣りの動画像に素早く切り換えて高解像度または中解像度によって表示することができる。
また、合成画像出力部101cは、動画像の表示時間が所定のしきい値を超えると、特定合成画像を表示装置20に送信することから、動画像のデータ量を抑制しつつ動画像を高解像度によって表示することができる。
【0058】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図13において、図1から図12に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
本実施形態においては、切り換え速度のしきい値が、第1のしきい値として例えば2.5秒に設定され、第2のしきい値として例えば1秒に設定されて、記憶部103に記憶されている。
【0059】
このような構成のもと、メイン制御部101aは、切り換え時間が第1のしきい値2.5を越えるか否かを判定する(ステップS71)。
メイン制御部101aは、切り換え時間が第1のしきい値を越えていると判定すると(ステップS71:Yes)、上記と同様に、通常の切り換え指示信号を合成画像出力部101cに出力し、合成画像出力部101cが、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を記憶部103から読み出して、通信部102を介して表示装置20に送信する(ステップS11)。
【0060】
また、メイン制御部101aは、ステップS10において、動画像の切り換え方向がすべて同じ方向であると判定すると(ステップS10:Yes)、切り換え時間が第2のしきい値1秒を越えるか否かを判定する(ステップS20)。メイン制御部101aは、切り換え時間が第2のしきい値を越えると判定すると(ステップS20:Yes)、通常の切り換え指示信号に代えて、緊急の切り換え指示信号を合成画像出力部101cに出力する。合成画像出力部101cは、緊急の切り換え指示信号を入力すると、記憶部103が記憶した最新の切り換え動画像識別情報を読み出し、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像が低解像度に設定された緊急の合成画像を記憶部103から読み出し、通信部102を介してその合成画像を表示装置20に送信する(ステップS12)。このときの合成画像は、例えば、図11に示すように、切り換え指示された動画像D4が低解像度に設定され、この動画像D4を撮影したカメラC4に対して切り換え方向の隣りに2つ分配列されたカメラC5,C6の動画像D5,D6が中解像度に設定され、これら2つ分のカメラC5,C6に対して切り換え方向の隣りに1つ分配列されたカメラC7の動画像D7が高解像度に設定され、このカメラC7に対して切り換え方向の隣りに2つ分配列されたカメラC8,C9の動画像D8,D9が高解像度に設定された合成画像F7となる。
【0061】
一方、メイン制御部101aは、切り換え時間が第2のしきい値を越えていないと判定すると(ステップS20:No)、通常の切り換え指示信号および緊急の切り換え指示信号に代えて、第2の緊急の切り換え指示信号を合成画像出力部101cに出力する。合成画像出力部101cは、第2の緊急の切り換え指示信号を入力すると、記憶部103が記憶した最新の切り換え動画像識別情報を読み出し、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像および緊急の合成画像に代えて、切り換え指示された動画像を撮影したカメラが緊急の合成画像のときよりも切り換え方向の反対方向に配列された第2の緊急の合成画像を記憶部103から読み出し、通信部102を介してその第2の緊急の合成画像を表示装置20に送信する(ステップS21)。このときの合成画像は、例えば、図12に示すように、切り換え指示された動画像D4が低解像度に設定され、この動画像D4を撮影したカメラC4が、緊急の合成画像において配列された位置よりも切り換え方向の反対方向に配列され、カメラC4に対して切り換え方向の隣りに1つ分配列されたカメラC5の動画像D5が低解像度に設定され、同様にして、動画像D6,D7,D9,D10が中解像度に設定され、動画像D8が高解像度に設定された合成画像F8となる。
【0062】
これにより、切り換え速度に応じてより適切な動画像を表示することができる。例えば、ユーザの切り換え動作が遅い場合には、切り換え指示された動画像を切り換えて高解像度に表示することができ、また、ユーザの切り換え動作が速い場合には、ユーザの切り換え動作の先を読むことにより、その先の切り換え指示があるはずの動画像を素早く切り換えて高解像度または中解像度によって表示することができ、さらに、ユーザの切り換え動作がより速い場合には、ユーザの切り換え動作のより先を読むことにより、その先の切り換え指示があるはずの動画像を素早く切り換えて高解像度または中解像度によって表示することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、各種の変形及び変更が可能である。
例えば、カメラの設置をカメラC1〜C20の20台としたが、これに限ることはなく、カメラの設置台数は、20台未満であってもよいし、20台超であってもよく、適宜変更可能である。
また、カメラの設置位置に関して、被写体Pに対して、同一距離および均等間隔としたが、これに限ることはなく、カメラの設置位置は適宜変更可能である。例えば、円周線L上において、カメラを互いに周方向に不均等な間隔に設置してもよい。
また、カメラC1〜C20を円周線L上に設置しているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、複数のカメラを直線上、曲線上またはランダムな線上に配置してもよい。
【0064】
また、カメラC1〜C20が撮影する動画像の解像度を1920×1080ピクセルとしたが、これに限ることはなく、解像度は適宜変更可能である。
また、高解像度を1920×1080ピクセルとし、中解像度を1440×810ピクセルとし、低解像度を960×540ピクセルとしているが、これらに限ることはなく、各解像度は適宜変更可能である。
また、合成画像において、動画像の解像度を高解像度、中解像度および低解像度の3段階に設定したが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、高解像度と低解像度の2段階に設定してもよいし、高解像度、中解像度および低解像度以外の解像度も設定し4段階以上に設定してもよい。
また、高解像度の動画像が1つ、中解像度の動画像が4つ、残りの動画像が低解像度に設定されるとしたが、これに限ることはなく、各解像度の設置数は適宜変更可能である。例えば、高解像度の動画像が2つ以上、中解像度の動画像が1つ以上に設定されていてもよい。この場合、動画像の配置も適宜変更可能である。例えば、図14に示すように、高解像度の動画像D1が1つ設定され、この動画像D1を挟んで線上の両方向の隣りに各3つ分配列された合計6つの動画像D2〜D4,D17〜19が中解像度に設定され、残りの動画像D5〜D16が低解像度に設定されていてもよい。
【0065】
また、図15に示すように、高解像度の動画像D1が1つ設定され、この動画像D1を挟んで線上の両方向の隣りに各4つ分配列された合計8つの動画像D2〜D5,D15〜18が中解像度に設定され、残りの動画像D6〜D14が低解像度に設定されていてもよい。
また、図16に示すように、高解像度の動画像D1が1つ設定され、この動画像D1以外の残りの動画像D2〜D28が低解像度に設定されていてもよい。
また、図17に示すように、高解像度の動画像D1が1つ設定され、この動画像D1を挟んで線上の両方向の隣りに各1つ分配列された合計2つの動画像D2,D16が中解像度に設定され、動画像D2から線上の隣りに3つ分配列された動画像D3〜D5および動画像D16から線上の隣りに3つ分配列された動画像D13〜D15の合計6つの動画像が低解像度に設定され、残りの動画像がさらに低い解像度に設定されていてもよい。この場合、動画像D3〜D15の解像度が複数段階に設定されているものの、これらの動画像D3〜D15をまとめて低解像度として区分けすることができる。また、必ずしも動画像が隣接して配置される必要はなく、クリアランスCが設けられていてもよい。
【0066】
また、図18に示すように、高解像度の動画像D1が1つ設定され、この動画像D1を挟んで線上の両方向の隣りに配列された各4つ分の合計8つの動画像D2〜D5,D18〜19が中解像度に設定され、残りの動画像D6〜D17のうちのいくつかが間引かれて低解像度に設定されていてもよい。すなわち、合成画像生成部101bは、切り換え指示された動画像に対して線上に遠い位置に配列された動画像を間引いて合成画像を生成し、合成画像出力部101cは、その合成画像を表示装置20に送信するようにしてもよい。なお、図18においては、動画像D11,D13が間引かれている。
【0067】
また、図2に示す通信速度対応テーブルの通信速度としきい値の各数値は、適宜変更可能である。もちろん、しきい値を算出する数式も適宜変更可能である。
また、図10に示すステップS8において、切り換え指示が連続して3回目以上であるか否かをメイン制御部101aが判定しているが、これに限ることはなく、回数は適宜変更可能である。例えば、中解像度に設定される線上の一方向に連続して配列されたカメラの動画像の数+1としてステップS8における回数を設定してもよい。例えば、図14においては、中解像度に設定される線上の一方向に連続して配列されたカメラの動画像の数3(D2,D3,D4)+1=4回とし、図15においては、中解像度に設定される線上の一方向に連続して配列されたカメラの動画像の数4(D2,D3,D4,D5)+1=5回とすることができる。
【0068】
また、合成画像生成部101bがあらかじめ決められた配置パターンに基づいてすべての合成画像を生成するとしたが、これに限ることはなく、通信部102が切り換え指示信号を入力すると、メイン制御部101aの指示のもと、合成画像生成部101bが上述の必要な合成画像のみを都度ごとに生成してもよい。すなわち、合成画像生成部101bは、通信部102が切り換え指示信号を順次入力すると、必要な合成画像のみを順次生成し、合成画像出力部101cが、この順次生成された合成画像を表示装置20に順次送信してもよい。
【0069】
また、図10に示すステップS11において、合成画像出力部101cが、切り換え速度が所定のしきい値よりも遅い場合には、切り換え指示された動画像(例えばD4とする)が高解像度に設定された合成画像F4を表示装置20に順次送信するとしたが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像D4が高解像度に設定された合成画像F4に代えて、切り換え指示された動画像D4が中解像度(または低解像度)に設定され、この動画像D4を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像D6が高解像度に設定された合成画像F6を送信し、動画像D4から動画像D6までを順次切り換えて表示装置20が表示してもよい。このとき、切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、ステップS12において、合成画像出力部101cが、切り換え指示された動画像D4が高解像度に設定された合成画像F4に代えて、切り換え指示された動画像D4が中解像度(または低解像度)に設定され、この動画像を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像D7が高解像度に設定された合成画像F7を送信し、動画像D4から動画像D7までを順次切り換えて表示装置20が表示してもよい。
【0070】
また、図10に示すステップS7において、切り換え速度のしきい値を通信速度に対応させることにより、通信速度に応じて、合成画像出力部101cが表示装置20に送信する合成画像を制御している。すなわち、合成画像出力部101cは、通信速度が所定のしきい値よりも速い場合に、切り換え指示された動画像(例えばD4とする)が高解像度に設定された合成画像F4を表示装置20に順次送信するとしているが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像D4が高解像度に設定された合成画像F4に代えて、切り換え指示された動画像D4が中解像度(または低解像度)に設定され、この動画像D4を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像D6が高解像度に設定された合成画像を送信してもよい。
【0071】
また、図10に示すステップS12において、合成画像出力部101cが、切り換え指示された動画像が低解像度に設定された合成画像を表示装置20に送信するとしたが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像が中解像度に設定され、この動画像を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を送信してもよい。例えば、図5において、切り換え指示された動画像がD19であるとすると、動画像D19とカメラC19に対して円周線L上の切り換え方向の先に配列されたカメラC20の動画像D20との2つ分の動画像D19,D20が中解像度に設定され、これら2つ分のカメラC19,C20に対して円周線L上において切り換え方向の隣りに配列されたカメラC1の動画像D1が高解像度に設定された合成画像F1を合成画像出力部101cが表示装置20に送信するようにしてもよい。
【0072】
また、図11に示すステップS71において第1のしきい値を2.5秒とし、第2のしきい値を1秒としたが、これらに限ることはなく、各数値は適宜変更可能である。すなわち、合成画像出力部101cは、メイン制御部101aの判定のもと、切り換え速度が速い場合には、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された通常の合成画像を表示装置20に送信し、切り換え速度が中速度の場合には、切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して線上の近くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を送信し、切り換え速度が遅い場合には、切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して線上に遠くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を送信するようにしてもよい。
【0073】
また、表示装置20が切り換え指示信号を順次送信すると、通信部102切り換え指示信号を順次入力し、合成画像出力部101cは、通信部102が切り換え指示信号を順次入力すると切り換え指示された動画像を他の動画像よりも高解像度に設定した合成画像に順次変更して表示装置20に順次送信するとしたが、これに限ることはなく、合成画像出力部101cが必要な合成画像のみを選択して適宜のタイミングで送信するようにしてもよい。
また、合成画像出力部101cが、通信速度に応じて、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次出力するとしたが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を送信するようにしてもよい。この場合、通信速度検知部101fは設けられていなくてもよい。
【0074】
また、合成画像出力部101cが、切り換え方向に応じて、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次出力するとしたが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を送信するようにしてもよい。この場合、切り換え方向検知部101dは設けられていなくてもよい。
また、合成画像出力部101cが、切り換え速度に応じて、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して線上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を表示装置20に順次出力するとしたが、これに限ることはなく、切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を送信するようにしてもよい。この場合、切り換え速度検知部101eは設けられていなくてもよい。
【0075】
また、所定時間経過すると、合成画像生成部101bが特定合成画像を生成し、合成画像出力部101cが特定合成画像を表示装置20に送信するとしたが、これに限ることはなく、特定合成画像を生成したり送信したりしなくてもよい。
また、表示装置20は、デスクトップパソコンのように固定的に設置される端末であってもよいし、携帯電話、スマートフォンまたはノートパソコンなどのような携帯端末であってもよい。
【0076】
また、操作部205として、タッチパッドなどを例示しているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、キーボードやマウスなどの操作により、切り換え指示を入力してもよい。また、これらの入力操作だけでなく、切り換え操作指示出力部として、見者の移動を画像認識により検知しその移動によって切り換え操作指示信号を出力するようにしてもよい。さらに、見者から発せられる赤外線によって見者の移動を検知する赤外線検知部や、見者の携帯端末のGPS機能を利用した位置検出部などによって、見者の移動を検知してもよい。また、見者の移動を検知するものとしているが、これに限ることはなく、例えば、人でなくても、ネコや犬などのような動物であってもよい。
また、見者の身体全体の移動を検知するだけでなく、見者の身体の少なくとも一部の移動を検知するものであってもよい。例えば、指示空間座標内において、見者が手を左から右にスライド移動させたときの手の動きを動画像の切り換え指示として検知するようにしてもよい。これにより、手などの身体を動かすとその動きに合わせて動画像を連続して順次切り換えることができるため、見者が動画像の変化を見ながら、手を動かすなどの切り替え指示をリアルタイムに行うことができる。
【0077】
また、見者が表示部204の傾きや角度を変化させたときに、その変化に応じて、動画像を連続して順次切り替えることができるように、切り換え操作指示出力部が傾き検知部や角度検知部などであってもよい。
例えば、スマートフォンなどの携帯端末に、切り換え操作指示出力部としての傾き検知部や角度検知部を設けてもよい。すなわち、ユーザが当該携帯端末を把持して表示部204を見ている状態で、携帯端末の角度を連続して切り替えることにより、傾き検知部や角度検知部が動画像の切り換え操作指示信号を連続して順次出力し、表示部204が動画像を連続して順次切り替えて表示するようにしてもよい。これにより、ユーザが携帯端末を把持しながら角度を変えていくだけで、表示部204に映る動画像が連続して順次切り替えられる。
【0078】
また、表示装置20は、メガネなどの目を覆う部分(ガラスやレンズの部分)に動画を表示することができるようなメガネ式のデバイスに、切り換え操作指示出力部としての傾き検知部や角度検知部が設けられていてもよい。すなわち、ユーザが当該メガネ式デバイスを装着したまま顔の角度を変えていくことにより、傾き検知部や角度検知部が切り換え操作指示信号を連続して出力し、表示部204としての目を覆う部分が動画像を連続して切り替えて表示するようにしてもよい。これにより、ユーザがメガネ式デバイスを装着して顔の角度を変えていくだけで、表示部204に映ったユーザの見ている動画像が連続して切り替えられる。
また、表示部104,204としては、液晶、プラズマ、有機ELなどのモニタだけでなく、ホログラムなどによる立体的な表示であってもよい。
【0079】
また、動画像処理システム1、動画像処理装置10および表示装置20を構成する前述の各機能部は、単体のコンピュータに備えられていてもよいし、通信ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータに分散して備えられていてもよい。
なお、ここでは、装置内での各種信号やデータのやり取りを出力及び入力とし、装置間でのネットワークを介した各種信号やデータのやり取りを送信および受信としているが、これらに限ることはなく、装置間でのネットワークを介したやり取りでも出力および入力としてもよい。
また、動画像処理システム1、動画像処理装置10および表示装置20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0080】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、DVD等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、以上の実施形態や変形例を種々組み合わせることができることは言うまでもない。
【0081】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理装置であって、
前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示装置に出力し前記合成画像の一部である前記動画像を前記表示装置に選択的に表示させる合成画像出力部と、
前記表示装置から出力される前記動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部とを備え、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像処理装置。
【0082】
(付記2)
前記合成画像出力部は、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が高解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像が中解像度に設定され、前記表示装置から切り換え指示された動画像を撮影したカメラに対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像が低解像度に設定された合成画像を表示装置に出力する付記1に記載の動画像処理装置。
【0083】
(付記3)
前記表示装置が前記切り換え指示を順次出力すると、前記切り換え指示入力部は前記切り換え指示を順次入力し、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像に順次変更して前記表示装置に順次出力する付記2に記載の動画像処理装置。
【0084】
(付記4)
前記合成画像生成部は、前記それぞれの動画像の少なくとも一つがあらかじめ高解像度に設定され前記少なくとも一つの動画像に対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像があらかじめ中解像度に設定され前記少なくとも一つの動画像に対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像があらかじめ低解像度に設定された配置パターンに基づいて、前記それぞれの動画像ごとに複数の合成画像を生成し、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記合成画像生成部がそれぞれの動画像ごとに生成した複数の合成画像の中から、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に変更して前記表示装置に順次出力する付記3に記載の動画像処理装置。
【0085】
(付記5)
前記合成画像生成部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像を高解像度に設定し、前記切り換え指示された動画像に対して前記線上において近くに配列されたカメラの動画像を中解像度に設定し、前記切り換え指示された動画像に対して前記線上において遠くに配列されたカメラの動画像を低解像度にして合成画像を順次生成し、
前記合成画像出力部は、前記合成画像生成部が順次生成した合成画像を前記表示装置に順次出力する付記3に記載の動画像処理装置。
【0086】
(付記6)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる付記3から付記5のいずれか一つに記載の動画像処理装置。
【0087】
(付記7)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置が前記動画像を切り換える切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記切り換え速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像を前記表示装置に表示させる付記6に記載の動画像処理装置。
【0088】
(付記8)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置が前記動画像を切り換える切り換え速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記切り換え速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の近くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる付記6に記載の動画像処理装置。
【0089】
(付記9)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記表示装置との通信速度が所定のしきい値よりも速い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させ、前記通信速度が前記所定のしきい値よりも遅い場合には、前記切り換え指示された動画像が高解像度に設定された合成画像に代えて、前記切り換え指示された動画像が中解像度又は低解像度に設定され当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の先に配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を前記表示装置に順次出力し前記切り換え指示された動画像から前記切り換え方向の遠くに配列されたカメラの動画像までを順次切り換えて前記表示装置に表示させる付記7又は付記8に記載の動画像処理装置。
【0090】
(付記10)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が低解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像が中解像度に設定され、前記切り換え方向のさらに隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を出力し前記切り換え指示された動画像、前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像及び前記切り換え方向のさらに隣りに配列されたカメラの動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させる付記6から付記9のいずれか一つに記載の動画像処理装置。
【0091】
(付記11)
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を順次入力すると、前記切り換え指示された動画像が中解像度に設定され、当該動画像を撮影したカメラに対して前記線上において前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像が高解像度に設定された合成画像を出力し前記切り換え指示された動画像及び前記切り換え方向の隣りに配列されたカメラの動画像を順次切り換えて前記表示装置に表示させる付記6から付記10のいずれか一つに記載の動画像処理装置。
【0092】
(付記12)
前記合成画像出力部は、1つのカメラが撮影した動画像を前記表示装置が連続して表示する表示時間が所定のしきい値を超えると、前記表示装置が表示している動画像以外の他の動画像が低解像度に設定された合成画像を出力する付記2から付記11のいずれか一つに記載の動画像処理装置。
【0093】
(付記13)
動画像を表示する表示装置と、線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて前記表示装置に表示させる動画像処理装置とを備える動画像処理システムであって、
前記動画像処理装置は、
前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した合成画像を前記表示装置に出力し前記合成画像の一部である前記動画像を前記表示装置に選択的に表示させる合成画像出力部と、
前記表示装置から出力される前記動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部とを備え
前記表示装置は、
前記動画像を切り換える切り換え指示を動画像処理装置に出力する切り換え指示出力部と、
前記合成画像出力部が出力した合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示する表示部とを備え、
前記合成画像出力部は、前記切り換え指示出力部が出力した前記切り換え指示を前記切り換え指示入力部が入力すると、前記それぞれの動画像のうち、切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し、
前記表示部は、前記合成画像出力部が出力した合成画像のうち前記切り換え指示された動画像を選択的に表示する動画像処理システム。
【0094】
(付記14)
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理方法であって、
合成画像生成部が、前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
合成画像出力部が、前記合成画像生成ステップにおいて生成された合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示させるように前記合成画像を前記表示装置に出力する合成画像出力ステップと、
切り換え指示入力部が、前記表示装置から出力される動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力ステップと、
前記切り換え指示入力ステップにおいて前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記合成画像出力部が、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像切り換えステップとを含む動画像処理方法。
【0095】
(付記15)
線上に順に配列された複数のカメラによって撮影されたそれぞれの動画像を前記線上のカメラの順に選択的に切り換えて表示装置に表示させる動画像処理装置におけるプログラムであって、
合成画像生成部が、前記それぞれの動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にして前記それぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
合成画像出力部が、前記合成画像生成ステップにおいて生成された合成画像の一部である前記動画像を選択的に表示させるように前記合成画像を前記表示装置に出力する合成画像出力ステップと、
切り換え指示入力部が、前記表示装置から出力される動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力ステップと、
前記切り換え指示入力ステップにおいて前記切り換え指示入力部が前記切り換え指示を入力すると、前記合成画像出力部が、前記それぞれの動画像のうち、前記表示装置から切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置に出力し前記切り換え指示された動画像を表示装置に表示させる動画像切り換えステップとを前記動画像処理装置のコンピュータに実行させる動画像処理プログラム。
【符号の説明】
【0096】
1 動画像処理システム
10 動画像処理装置
20 表示装置
101b 合成画像生成部
101c 合成画像出力部
102 通信部(切り換え指示入力部)
202 切り換え指示出力部
204 表示部

【要約】
【課題】限られたスペックの中で視聴者がより楽しめるように動画像を表示することができる動画像処理装置、動画像処理システム、動画像処理方法及び動画像処理プログラムを提供すること。
【解決手段】
複数のカメラによって撮影された動画像を選択的に切り換えて表示装置20に表示させる動画像処理装置10であって、動画像の少なくとも一つを他の動画像と異なる解像度にしてそれぞれの動画像が互いに重ならないように配置した合成画像を生成する合成画像生成部101bと、合成画像を出力し動画像を表示装置20に選択的に表示させる合成画像出力部101cと、表示装置20から出力される動画像の切り換え指示を入力する切り換え指示入力部102とを備え、合成画像出力部101cは、切り換え指示された動画像が他の動画像よりも高解像度に設定された合成画像を表示装置20に出力し切り換え指示された動画像を表示装置20に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18