(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、芳香を有する製品の需要が高まってきている。ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙製品においても、香りを有するものが好まれる傾向にあり、噴霧などの方法で直接香りを紙製品に付与したもの、ロール状紙製品では芯材に着香することにより紙製品へ香りを付与したものなどが知られている。
【0003】
家庭内などで使用するティッシュペーパーとしては、重ね合わせた状態で紙箱内に収納されたものが広く用いられている。
【0004】
紙箱内に収納されたティッシュペーパーに芳香を付与する方法としては、内面に芳香剤を塗布した芳香剤塗布部を設けた紙箱を用いることが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、ティッシュペーパーの収納箱の内側に芳香剤を備え、ティッシュペーパーに香りを付与するとともに、箱の外に向けても芳香を発散させるティッシュペーパー収納箱が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
また、芳香剤をしみこませたフエルトやスポンジなどの芳香部を設けた箱に、市販のティッシュペーパーを詰め替えて用いる、詰め替え式ティッシュペーパー用箱が提案されている。このティッシュペーパー用箱の発明によれば、ティッシュペーパーを取り出すたびに箱内部の芳香剤蒸気が流出することにより、間欠的に箱外に芳香をもたらすことが記載されており、ティッシュペーパー自体に香りが強く付着しすぎないよう、中底を設け、ティッシュペーパーが直接芳香部に付着しない構成を取れることも記載されている(特許文献3参照)。さらに、ティッシュペーパー製造時に香り成分を含むマイクロカプセルを練りこみ、香りのあるティッシュペーパーとする方法などが挙げられる。
【0007】
しかしながらこれらの技術では、使用開始当初は芳香が強すぎる場合があり、ティッシュペーパーの使用につれて芳香が弱まってしまうという問題があった。また、あらかじめ香りを付与したティッシュペーパーでは、製品の出荷から実際の使用までに長期間を有した場合には、香りが飛散してしまい、使用時に十分な芳香が感じられないという問題があった。これらの問題により、消費者の好みに合った芳香の度合いを調整することは非常に困難であった。さらに、工場のラインで香りの付与を行うと、香り成分がライン中に残存し、その後に香りのないティッシュペーパーや、他の香りを付与したティッシュペーパーを製造する際に支障をきたす場合があった。
【0008】
このため、使用時に所望の芳香が感じられ、適度な香りが長期間持続する、ティッシュペーパーの出現が望まれていた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のティッシュペーパー用芳香板(以下、単に芳香板ということもある。)は、香料含有層と、香料含有層に隣接する香り透過性層とを有する積層体からなる。このような本発明のティッシュペーパー用芳香板では、香料含有層からの香料成分の放出が、透過性層により制御されるため、香料成分が徐々に放出される徐放性となり、ティッシュペーパーへの香りの付与が長期間にわたって持続する。香り透過性層は、香料含有層の片面に設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。香り成分を徐放的に放出させるため、香料含有層は露出していないことが好ましく、香り透過性層が香料含有層の片面のみに設けられている場合には、香り透過性層または香り不透過性層を有した支持層が設けられていることが好ましい。香り透過性層が香料含有層の両面に設けられている場合、同種の層が両面に設けられていてもよく、また、異なる種類の香り透過性層が各面にそれぞれ設けられていてもよい。
【0016】
・香料含有層
本発明のティッシュペーパー用芳香板において、香料含有層は、香り成分を含有する層であればよく、香り成分と香り成分を保持しうる基材から構成することができ、特に限定されるものではないが、好ましくは、香り成分を含有する粘着剤からなる層である。
【0017】
香料含有層が粘着剤からなる場合には、粘着剤に香料を含浸あるいは練りこむ等の方法によって、十分な量の香り成分を粘着剤に容易に保持させることができるため好ましい。香料の含浸方法としては、特に限定されないが例えばグラビアコーターを用いて香料を粘着剤層に塗布する方法等が挙げられる。香料含有層が、香り成分を含む粘着剤層である場合には、香り透過性層や香り非透過性層などの他層との積層を、接着剤などを介さずに積層することができるため有利である。
【0018】
前記香料含有層に好適に用いられる粘着剤は、特に限定されないが、たとえば、アクリル系、ポリエステル系、ゴム系、シリコーン系、ウレタン系などの粘接着剤を用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ジエチルブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシルの如き(メタ)アクリル酸エステルの一種または二種以上と、該エステル類と共重合可能な(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルの如き官能性モノマーとの共重合物等のアクリル系粘着剤、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のビニル系粘着剤、天然ゴムや、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤が用いられるがこれらに限定されない。
【0019】
本発明では上記の各種粘着剤が選択使用できるが、アクリル系粘着剤から選択使用するのが好ましく、特に、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体が好ましく、架橋タイプのものがより好ましい。
【0020】
なお、粘着剤中には必要に応じ、テルペン系樹脂、石油系樹脂等の粘着付与剤、流動パラフィン、動植物油(例えばオリーブ油、大豆油、牛油、トン脂)、ポリブテン、低級イソプレン、ワックス等の粘着力、保持力調整剤、酸化チタン、酸化亜鉛、メタケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の充填剤、水および乳化剤(例えばソルビタンモノオレエート、ラウリルスルホン酸ナトリウム)、乳化助剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム)などを配合することもできる。また香り成分を含浸保持できる粘着剤であれば、ここに例示した以外の粘着剤も用いることができる。
【0021】
なお、粘着剤の選択は、香料の保持性能や、香料含有層と積層される、香り透過性層や香り非透過性層などの材質および表面性状等を考慮して、適宜行われるものである。
【0022】
ティッシュペーパー用芳香板の使用後の廃棄時に、積層体の積層を剥離して分別処理したい場合など、香料含有層と他層との剥離が望ましい場合には、香料含有層の製造に用いられる粘着剤は再剥離可能な粘着剤であることが好ましい。再剥離可能な粘着剤としては、一般的にはアクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の再剥離可能な粘着剤が挙げられる。再剥離可能な粘着剤は、ティッシュペーパー用芳香板の使用中に積層体が剥離することなく、かつ、剥離する段階では糊残りなく剥離できる程度の粘着性を有することが好ましい。粘着性の程度は、香料含有層中の粘着剤の材質、積層する香り透過性層や香り非透過性層の材質および表面平滑性(表面粗度)などに応じて調整することができる。
【0023】
香り成分としては、公知の香料を制限なく用いることができ、たとえば、ジャコウ、シベット(レイビョウ香)、カストル(カイリ香)、アン-バーグリス(リュウゼン香)等の動物性香料、ラベンダー油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、ローズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油等の植物精油からなる植物性香料等の天然香料、テルペン化合物、芳香族化合物等からなる合成香料、あるいはそれらをブレンドした調合香料等の香料などを適宜用いることができる。
香り成分の使用量は、所望の香りの強さ、適用するティッシュペーパー包装体の容量、香り成分の種類などに応じて香り成分を適宜調整して決定することができる。
【0024】
・香り透過性層
本発明のティッシュペーパー用芳香板において、香り透過性層は、香り成分を透過する層である。香り透過性層としては、香り成分を透過する一方、香り成分の透過をある程度抑制するという、香り成分の放出をコントロールする、板状、シート状あるいはフィルム状物であることが好ましい。
【0025】
香り透過性層としては、プラスチック(樹脂)、紙、薄板などの天然素材など、板状、シート状あるいはフィルム状を形成し、香り成分を透過しうる材質のもの、あるいは香り透過性能を有するものを特に制限なく使用することができる。
【0026】
香り透過性層を形成するプラスチックとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン/エチレン/環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、それらの共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド、フッ素系樹脂、またはこれらのいずれかを含む共重合体、ポリマーブレンド、ポリマーアロイなどが挙げられ、これらからなる板、シートあるいはフィルムが使用できるが、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂の板、シートあるいはフィルムが好ましく用いられる。具体的には、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど、単にフィルム状等に成形して香り透過性を有するものを好適に使用できる他、発泡成形したプラスチックシートや微細孔を形成したポリエチレンテレフタレートフィルムなど、通常高いガスバリア性を有する樹脂素材に香り透過性能を付与したものを用いることもできる。プラスチック(樹脂)以外のものとしては、紙、木、布、合成紙、合成板などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明では、これらのうち、香り透過性層が紙または香り透過性樹脂フィルムであることが好ましい。
【0028】
香り透過性層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常5〜2000μm、好ましくは10〜1000μm程度とすることができる。
【0029】
香り透過性層の厚さは、フィルム状である場合には、一般に5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度が望ましい。フィルム状である香り透過性層は、単独でフィルム状等の形状に形成されたものであってもよく、また、香料含有層上に樹脂成分を塗布するなどの方法で設けられたものであってもよい。
【0030】
本発明では、香り透過性層が支持能を有することも好ましい。本発明において、支持能とは、芳香板に強度および剛性を与え、芳香板が形状を保持するのに寄与する性状を意味する。支持能を有する香り透過性層は、所望の機械的強度に応じた厚さと、所望の香り透過性とを兼ね備えて有するものを、適宜選択して用いることができ、材質あるいは構造にもよるが、たとえば50〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは200〜800μm程度の厚さを有するものを用いることができる。
【0031】
支持能を有する香り透過性層が紙により形成されている場合、本来の香り透過性が高いことから十分な厚さとすることができ、芳香板に十分な強度および剛性を与えることができる。具体的には、たとえば支持能を有する香り透過性層として紙を用いる場合、紙の厚さは通常200〜800μm程度、好ましくは400〜600μm程度であるのが望ましい。また坪量は、通常200g/m
2〜600g/m
2、好ましくは300g/m
2〜400g/m
2であるのが望ましい。
【0032】
香り透過性層が香料含有層の両面に設けられる場合、一方の面の香り透過性層と他方の面の香り透過性層とは、同種の材料から形成された層であってもよく、また他種の材料から形成された層であってもよい。また、一方の面の香り透過性層と他方の面の香り透過性層とは、異なる厚さを有していてもよく、一方のみが支持能を有していてもよい。
【0033】
香り透過性層は、単独でフィルム状等の形状に形成されたものであってもよく、また、香料含有層上に樹脂成分を塗布するなどの方法で設けられたものであってもよい。
香り透過性フィルム層は、前記香料含有層に隣接することにより、香料含有層から香り成分が短時間で飛散してしまうのを防ぎつつ、香り成分を透過し、ティッシュペーパー用芳香板から長時間にわたり香りの放出を持続させる役割を果たすことができる。
【0034】
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、香料含有層と香り透過性層とを必須の構成とする積層体からなり、香料含有層および/または香り透過性層が十分な強度および剛性を有する場合には、たとえば、香り透過性層/香料含有層/香り透過性層といった積層構造の構成により、これらの層のみから形成されていてもよいが、香り成分の透過を制御して徐放性に優れ香り付与効果が長期間持続する芳香板とするためには、芳香板が、香料含有層の一方の面に香り透過性層を有し、他方の面に香り非透過性層を有する積層体であることが好ましい。
【0035】
・香り非透過性層
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、香り非透過性層を有することも好ましい。香り非透過性層としては、香料含有層中に含まれる香り成分を、実質的に透過しない層形成物を特に制限なく用いることができる。
【0036】
このような香り非透過性層としては、たとえば、ビニリデン、アクリロニトリル、エチレンポリビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂や金属、これらの複合体などで、板状、シート状あるいはフィルム状のものが挙げられる。
【0037】
香り非透過性層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常5〜2000μm、好ましくは10〜1000μm程度とすることができる。
【0038】
香り非透過性層は、単独でフィルム状等の形状に形成されたものであってもよく、また、香料含有層上に樹脂成分を塗布するなどの方法で設けられたものであってもよい。
香り透過性層がフィルム状である場合、たとえば厚さが5〜200μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜50μm程度のものを選択して用いることができる。
【0039】
香り非透過性層は、支持能を有することも好ましく、支持能を有する香り非透過性層としては、得られる芳香板に強度および剛性を付与できる機械的特性を有し、かつ香り成分を実質的に透過しない層を制限なく用いることができる。支持能を有する香り非透過性層としては、その材質や構造等にもよるが、たとえば厚さが50〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは200〜800μm程度のものを選択することができる。
【0040】
本発明の芳香板が、香料含有層の一方の面に香り透過性層を、他方の面に香り非透過性層を有する積層体である場合には、香り成分は実質的に香り透過性層側のみから放出されるため、香りを付与したいティッシュペーパー側に香り透過性層を向けることにより、香り成分が効率的にティッシュペーパーに移行するとともに、香り成分の無用な拡散を防ぐことができ、より長期にわたり持続的に香りを放出することができるため好ましい。
【0041】
・ティッシュペーパー用芳香板
本発明に係る芳香板は、上述したように、香料含有層と、香り透過性層とを有し、必要に応じてさらに香り非透過性層を有する積層体からなる。
【0042】
このような芳香板としては、たとえば、香料含有層/香り透過性層の2層構造からなる積層体、香り透過性層/香料含有層/香り透過性層の3層構造からなる積層体、香り透過性層/香料含有層/香り非透過性層の3層構造からなる積層体、香り透過性層/香料含有層/香り非透過性層/香料含有層/香り透過性層の5層構造からなる積層体、あるいはその他の中間層あるいは表面層を有する積層体など、特に制限なく所望の形態とすることができる。またこれらの積層体と他の素材との複合体であってもよい。
【0043】
本発明に係る芳香板は、紙素材のボックスティッシュなどの箱型のティッシュペーパー包装体、あるいはポケットティッシュなどのフィルムにより包装されたティッシュペーパー包装体に、挿入して用いて内部のティッシュペーパーに長期にわたり所望の芳香を付与することができる。また、本発明に係る芳香板をティッシュペーパーとともに包装材で包装することによっても、内部のティッシュペーパーに長期にわたり所望の芳香を付与することができる。本発明に係る芳香板は、これらの態様のうち、あらかじめ包装されたティッシュペーパー包装体の内部に挿入して用いるのが好ましく、これにより、ティッシュペーパー包装体の製造ラインを香料で汚染することなく、使用者個人の好みの種類の芳香をティッシュペーパーに付与することができる。
【0044】
本発明の芳香板は、特に限定されるものではないが、ある程度の強度および剛性を有していると、ティッシュペーパー包装体の内部への挿入が容易であるため好ましい。所望の強度および剛性を有する芳香板は、芳香板を構成する積層体の少なくとも1層が十分な支持能を有しているか、積層体全体として所望の強度および剛性を達成しているか、あるいは支持能を有する枠などで積層体を支持する構成とするなどにより得ることができる。
【0045】
たとえば本発明のティッシュペーパー用芳香板を、紙素材のボックスティッシュ内に挿入して用いる場合には、香り透過性層が紙であって、本発明のティッシュペーパー用芳香板が主に紙から構成されていると、所望の強度、剛性を満たし、且つ廃棄が容易であり、紙素材のボックスティッシュ外装箱とともに紙製品として分別廃棄することもできるため好ましい。
【0046】
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、その形状を特に限定するものではないが、ボックスティッシュの箱内や、ポケットティッシュの包装フィルム内など、ティッシュペーパーを外装する包装体内に挿入できる形状であるのが好ましく、板状(シート状を含む)である。
【0047】
ティッシュペーパー用芳香板の厚みは、材質および求められる機械的特性などに応じて適宜設計することができ、特に限定されるものではないが、通常50〜2500μm程度、好ましくは200〜800μm程度、より好ましくは400〜600μm程度であるのが望ましい。この程度の厚みを有する場合には、芳香板をティッシュペーパー包装体内に挿入した際にも邪魔にならず、また容易に挿入できる程度の強度および剛性を有するものとしやすいため好ましい。
【0048】
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、たとえばボックスティッシュの場合、使用後の空箱を折りたたむときに開ける側面あるいは底面の開口、マグネットバーなどを装着するために設けられた開口、取り出し口の開口、あるいは本発明のティッシュペーパー用芳香板を挿入するために適宜設けた開口など、開口部からティッシュペーパー用芳香板を挿入して用いることができる。また、たとえばフィルムにより包装されたポケットティッシュの場合、包装時に形成される開口部あるいは取り出し口から、本発明のティッシュペーパー用芳香板を挿入して用いることができる。本発明のティッシュペーパー用芳香板は、挿入時に折れや捲れが生じにくい程度の剛性を有することが好ましい。
【0049】
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、特に限定されるものではなくどのような形状であってもよいが、一辺の長さが他方の辺より長い、細長い形状である略矩形状の場合には、包装体内に挿入しての使用が容易で、小さな開口部からの挿入にも好適であり、かつ十分な表面積を有するため好ましく、ボックスティッシュの箱内部に挿入して用いる場合、前述の開口部の口径よりも小さな幅を有する略矩形状である場合には、開口部からの挿入が容易であるとともに、香りを放出するために十分な表面積が得られるため好ましい。
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、使用までの間、アルミ蒸着フィルムなどの香り非透過性の素材で包装して保存すると、香り成分の飛散を抑制できるため好ましい。
【0050】
・ティッシュペーパー包装体
本発明のティッシュペーパー用芳香板は、香りを有さない従来公知のティッシュペーパー包装体に対して、制限なく用いることができる。ティッシュペーパー包装体とは、ティッシュペーパーが包装された形態のものをいい、たとえば、紙製の箱にティッシュペーパーが収納されたボックスティッシュ、携帯に好適な形状に折りたたまれたティッシュペーパーがフィルム等により包装されたポケットティッシュ、その他の包装を施されたティッシュペーパー等が挙げられる。本発明では、このうち紙箱で包装された形態のボックスティッシュが特に好適である。
【0051】
包装体内部に収納されるティッシュペーパーとしては、特に制限なく従来公知のものを用いることができ、通常の家庭用ティッシュペーパー、柔軟性や湿潤性を有するティッシュペーパー、水で溶解するタイプのティッシュペーパー、ペーパータオル等として使用可能な厚地タイプのものなどが挙げられる。
【0052】
包装されるティッシュペーパーは、折りたたんだ形態であることが好ましいが、単に重ねられた状態やロール状など、折りたたんでいないものであってもよい。このうち、ボックスティッシュとして知られる家庭用ティッシュペーパーの形態に折りたたんだものが特に好ましい。
【0053】
本発明のティッシュペーパー用芳香板を用いると、ティッシュペーパーに対して、使用者が所望の時に所望の香りを簡便に付与することができるため、個人の好みの芳香度合いに容易に適応することができる。また、香料入りのマイクロカプセルなどを用いてティッシュペーパー自体に香りを付与した製品を製造する場合と比較して、作成コストが低く、製造ラインを香料で汚染することがなく、芳香の種類を豊富にすることができ、また使用までに香料が飛散せず、長期にわたり所望の香りを所望の芳香度合いで付与したティッシュペーパーを使用することができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
[実施例1]
厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムからなる香り透過性フィルム2−1上に、アクリル系粘着剤を29g/m
2となるよう塗布、乾燥してアクリル系粘着剤層を形成し、これに香料(ローズ油)をグラビアコーターを用いて11g/m
2となるよう塗布・含浸させて香料含有層3を形成し、香り透過性フィルム層2−1と香料含有層3との積層体(i−1)を得た。次いで積層体(i−1)の香料含有層3上に、支持能を有する香り非透過性層4として、厚さ400μmのポリエチレンテレフタレート板を乗せ、ラミネート機を用いて、速度15m/min、圧力1kg/cm
2の条件でプレスして、3層構造の積層体(ii−1)を得た。
【0056】
得られた積層体(ii−1)を幅1.5cm、長さ13.6cmにカットして、
図1に示す略矩形状のティッシュペーパー用芳香板1Aを得た。
【0057】
得られたティッシュペーパー用芳香板1Aを、
図2に示すように、ボックスティッシュの箱体底面aに設けられた開口部bより挿入したところ、挿入時に折れやゆがみを生じることなく、ティッシュペーパー用芳香板1をボックスティッシュ内の底部(ティッシュペーパーの下に当たる部分)に入れることができた。挿入は、ティッシュペーパー用芳香板1の香り透過性フィルム層2−1側が、ティッシュペーパー側となるように行った。
【0058】
このようにして得られた香りつきティッシュペーパー包装体を、ティッシュペーパーの取り出し口を上にして一昼夜静置後、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。また、そのまま1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。
【0059】
[実施例2]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートからなる香り非透過性フィルム4上に、アクリル系粘着剤を29g/m
2となるよう塗布、乾燥してアクリル系粘着剤層を形成し、これに香料(ローズ油)をグラビアコーターを用いて11g/m
2となるよう塗布・含浸させて香料含有層3を形成し、香り非透過性フィルム層4と香料含有層3との積層体(i−2)を得た。積層体(i−2)の香料含有層3上に、支持能を有する香り透過性層2−2として、厚み750μmの紙を乗せ、ラミネート機を用いて、速度15m/min、圧力1kg/cm
2の条件でプレスして、3層構造の積層体(ii−2)を得た。
【0060】
得られた積層体(ii−2)を幅1.5cm、長さ13.6cmにカットして、
図3に示す略矩形状のティッシュペーパー用芳香板1Bを得た。
【0061】
得られたティッシュペーパー用芳香板1Bを、
図2に示すように、ボックスティッシュの箱体底面aに設けられた開口部bより挿入したところ、挿入時に折れやゆがみを生じることなく、ティッシュペーパー用芳香板1をボックスティッシュ内の底部(ティッシュペーパーの下に当たる部分)に入れることができた。挿入は、ティッシュペーパー用芳香板1Bの香り透過性層2−2側が、ティッシュペーパー側となるように行った。
【0062】
このようにして得られた香りつきティッシュペーパー包装体を、ティッシュペーパーの取り出し口を上にして一昼夜静置後、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。また、そのまま1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。さらに1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、やはり好適な香りが付与されていることが確認できた。
【0063】
[実施例3]
厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムからなる香り透過性フィルム2−1上に、アクリル系粘着剤を29g/m
2となるよう塗布、乾燥してアクリル系粘着剤層を形成し、これに香料(ローズ油)をグラビアコーターを用いて11g/m
2となるよう塗布・含浸させて香料含有層3を形成し、香り透過性フィルム層2−1と香料含有層3との積層体(i−3)を得た。次いで積層体(i−3)の香料含有層3上に、支持能を有する香り透過性層2−2として、厚み750μmの紙を乗せ、ラミネート機を用いて、速度15m/min、圧力1kg/cm
2の条件でプレスして、3層構造の積層体(ii−3)を得た。
【0064】
得られた積層体(ii−3)を幅1.5cm、長さ13.6cmにカットして、
図4に示す略矩形状のティッシュペーパー用芳香板1Cを得た。
【0065】
得られたティッシュペーパー用芳香板1Cを、
図2に示すように、ボックスティッシュの箱体底面aに設けられた開口部bより挿入したところ、挿入時に折れやゆがみを生じることなく、ティッシュペーパー用芳香板1をボックスティッシュ内の底部(ティッシュペーパーの下に当たる部分)に入れることができた。挿入は、ティッシュペーパー用芳香板1Cの香り透過性層2−2側が、ティッシュペーパー側となるように行った。
【0066】
このようにして得られた香りつきティッシュペーパー包装体を、ティッシュペーパーの取り出し口を上にして一昼夜静置後、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。また、そのまま1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。
【0067】
[実施例4]
厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムである香り透過性フィルム2−1上に、アクリル系粘着剤を29g/m
2となるよう塗布、乾燥してアクリル系粘着剤層を形成し、これに香料(ローズ油)をグラビアコーターを用いて11g/m
2となるよう塗布・含浸させて香料含有層3を形成し、香り透過性フィルム層2−1と香料含有層3との積層体(i−4)を得た。この積層体(i−4)は2枚製造した。次いで、支持能を有する香り透過性層2−2として、厚み750μmの紙を、香料含有層3が香り透過性層2−2側となるように、2枚の積層体(i−4)で挟み、ラミネート機を用いて、速度15m/min、圧力1kg/cm
2の条件でプレスして、5層構造の積層体(ii−4)を得た。
【0068】
得られた積層体(ii−4)を幅1.5cm、長さ13.6cmにカットして、
図5に示す略矩形状のティッシュペーパー用芳香板1Dを得た。
【0069】
得られたティッシュペーパー用芳香板1Dを、
図2に示すように、ボックスティッシュの箱体底面aに設けられた開口部bより挿入したところ、挿入時に折れやゆがみを生じることなく、ティッシュペーパー用芳香板1Dをボックスティッシュ内の底部(ティッシュペーパーの下に当たる部分)に入れることができた。
【0070】
このようにして得られた香りつきティッシュペーパー包装体を、取り出し口を上にして一昼夜静置後、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。また、そのまま1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。
【0071】
[実施例5]
実施例4において、厚み750μmの紙(透過性層2−2)を用いる代わりに、支持能を有する香り非透過性層4として、厚さ400μmのポリエチレンテレフタレート板を用いたことのほかは、実施例4と同様にして5層構造の積層体を製造し、これを幅1.5cm、長さ13.6cmにカットして、
図6に示す略矩形状のティッシュペーパー用芳香板1Eを得た。
【0072】
得られたティッシュペーパー用芳香板1Eを、
図2に示すように、ボックスティッシュの箱体底面aに設けられた開口部bより挿入したところ、挿入時に折れやゆがみを生じることなく、ティッシュペーパー用芳香板1Eをボックスティッシュ内の底部(ティッシュペーパーの下に当たる部分)に入れることができた。
【0073】
このようにして得られた香りつきティッシュペーパー包装体を、取り出し口を上にして一昼夜静置後、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。また、そのまま1ヶ月常温にて静置後に、取り出し口よりティッシュペーパーを取り出したところ、好適な香りが付与されていることが確認できた。