特許第6208977号(P6208977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6208977情報処理装置、通信端末およびデータ取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6208977
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】情報処理装置、通信端末およびデータ取得方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20170925BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20170925BHJP
   G01C 21/00 20060101ALI20170925BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20170925BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170925BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   H04N7/18 J
   G08G1/005
   G01C21/00
   G08B21/02
   H04N5/225
   G08G1/16 D
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-104115(P2013-104115)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2014-225782(P2014-225782A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】木村 真治
(72)【発明者】
【氏名】中西 美木子
(72)【発明者】
【氏名】堀越 力
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 正治
【審査官】 鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−032284(JP,A)
【文献】 特開2009−070243(JP,A)
【文献】 特開2007−323556(JP,A)
【文献】 特開2009−289227(JP,A)
【文献】 特開2009−288212(JP,A)
【文献】 特開2005−006081(JP,A)
【文献】 特開2003−317193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G01C 21/00
G08B 21/02
G08G 1/005
G08G 1/16
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末であるユーザ端末の位置を示す位置情報、前記ユーザ端末の向きを示す端末方向および範囲特定情報とから形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶する記憶手段と、
一のユーザ端末からの要求に基づいて、撮影データが撮影された地点を示す撮影対象位置を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記撮影対象位置に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたユーザレコードの撮影データを前記一のユーザ端末に送信する送信手段と、
を備え、
前記選択手段は、
前記一のユーザ端末から前記撮影対象位置に対する視認方向と、ユーザレコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、前記視認方向に最も近い端末方向を有する任意のユーザレコードを選択することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記範囲特定情報は、ユーザ端末が撮影データを取得するための光学機器の画角および撮影データの撮影有効距離により定義され
前記選択手段は、前記撮影対象位置を含んだ前記範囲特定情報に対応付けられたユーザレコードを選択することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
自端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記自端末の向きを示す端末方向を取得する端末方向取得手段と、
ユーザの視認方向を検出する視認方向検出手段と、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記視認方向検出手段により検出されたユーザの視認方向と、あらかじめ定められた距離情報とに基づいた撮影対象位置を特定可能な情報を請求項1または2に記載の情報処理装置に送信する通知手段と、を備える通信端末。
【請求項4】
撮影データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された撮影データを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示される撮影データにおいて任意の位置を指定する指定手段と、をさらに備え、
前記視認方向検出手段は、前記指定手段により指定された位置に基づいて視認方向を検出することを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記表示手段は、前記情報処理装置から送信された撮影データを、前記取得手段により取得された撮影データに重畳表示する、請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
前記視認方向検出手段は、ユーザの視線を検出することにより視認方向を検出することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の通信端末。
【請求項7】
通信端末であるユーザ端末の位置を示す位置情報と前記ユーザ端末の向きを示す端末方向と範囲特定情報から形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶する記憶手段を備える情報処理装置のデータ取得方法において、
一のユーザ端末からの要求に基づいて、撮影データが撮影された地点を示す撮影データの撮影対象位置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された前記撮影対象位置に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択されたユーザレコードの撮影データを前記一のユーザ端末に送信する送信ステップと、を備え、
前記選択ステップは、
前記一のユーザ端末から前記撮影対象位置に対する視認方向と、ユーザレコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、前記視認方向に最も近い端末方向を有する任意のユーザレコードを選択することを特徴とするデータ取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末で撮影したデータを取得する情報処理装置、通信端末およびデータ取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、交差点の道路状況を迅速に把握するために、その交差点にカメラを設置しておき、その交差点に進入しようとする自動車に対して死角となる道路状況を撮影し、この撮影した撮影データをその自動車に対して送信する技術が存在する。かかる技術によって、受信した撮影データを運転者に知らしめることができ、自動車の運転手は、死角となる道路の状況を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−101566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1に記載の技術においては、あらかじめ定められた撮影データを受信するものであり、任意の場所を見ることができない。例えば、対象となる物体が自動車などの車両ではなく、人間等のユーザである場合があり、廊下の曲がり角や、遮蔽物の向こう側などの様子を知りたい場合がある。またさらに、コンサートなどで、前の席の方からの見え方などを知りたい場合がある。しかし、上述特許文献1に記載の技術においては、交差点などの固定の場所にカメラを設置しているため、いろいろな角度や所望の場所についての撮影データを見ることができない。
【0005】
そこで、本発明においては、自分の位置からは見ることのできない、様々な撮影データなどの視聴可能データを取得することができる情報処理装置、そのような視聴可能データを提供する通信端末、およびデータ取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、通信端末であるユーザ端末の位置を示す位置情報、前記ユーザ端末の向きを示す端末方向および範囲特定情報から形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶する記憶手段と、一のユーザ端末からの要求に基づいて、撮影データが撮影された地点を示す撮影データの撮影対象位置を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された前記撮影対象位置に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたユーザレコードの撮影データを前記一のユーザ端末に送信する送信手段と、を備え、前記選択手段は、前記一のユーザ端末から前記撮影対象位置に対する視認方向と、ユーザレコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、前記視認方向に最も近い端末方向を有する任意のユーザレコードを選択するよう構成される。
【0007】
また、本発明のデータ取得方法は、通信端末であるユーザ端末の位置を示す位置情報と前記ユーザ端末の向きを示す端末方向と範囲特定情報から形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶する記憶手段を備える情報処理装置のデータ取得方法において、一のユーザ端末からの要求に基づいて、撮影データが撮影された地点を示す撮影データの撮影対象位置を特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定された前記撮影対象位置に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択されたユーザレコードの撮影データを前記一のユーザ端末に送信する送信ステップと、を備え、前記選択ステップは、前記一のユーザ端末から前記撮影対象位置に対する視認方向と、ユーザレコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、前記視認方向に最も近い端末方向を有する任意のユーザレコードを選択するよう構成される。
【0008】
この発明によれば、通信端末であるユーザ端末の位置を示す位置情報と前記ユーザ端末の向きを示す端末方向と範囲特定情報から形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶しておき、一のユーザ端末からの要求に基づいて、当該一のユーザ端末の位置情報、当該ユーザ端末を操作するユーザの視認方向および予め定められた距離情報に基づいて定義された、撮影データが撮影された地点を示す撮影データの撮影対象位置を特定し、 特定された撮影対象位置に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択する。そして、選択されたユーザレコードの撮影データを前記一のユーザ端末に送信する。これにより、一のユーザ端末のユーザからは見ることのできない様々な撮影データを、当該ユーザは取得することができる。
また、この発明によれば、一のユーザ端末から撮影対象位置に対する視認方向と、ユーザレコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、視認方向に最も近い端末方向を有する任意のユーザレコードを選択することで、一のユーザにとってより見やすい撮影データを選択することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置において、前記範囲特定情報は、ユーザ端末が撮影データを取得するための光学機器の画角および撮影データの撮影有効距離により定義される。
【0012】
この発明によれば、範囲特定情報は、ユーザ端末が撮影データを取得するための光学機器の画角および撮影データの撮影有効距離により定義される。これにより、その範囲を簡易に定義づけすることができる。
【0013】
また、本発明の通信端末は、自端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記自端末の向きを示す端末方向を取得する端末方向取得手段と、ユーザの視認方向を検出する視認方向検出手段と、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記視認方向検出手段により検出されたユーザの視認方向と、あらかじめ定められた距離情報とに基づいて、撮影データの撮影対象位置を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された撮影対象位置の撮影対象位置を上記情報処理装置に送信する通知手段と、を備えている。
【0014】
この発明によれば、位置情報と、ユ−ザの視認方向と、あらかじめ定められた距離情報とに基づいて、撮影データの撮影対象位置を特定することで、特定された撮影対象位置の撮影対象位置を情報処理装置に送信することができる。
【0015】
また、本発明の通信端末は、自端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記自端末の向きを示す端末方向を取得する端末方向取得手段と、前記端末方向取得手段により取得された端末方向に基づいてユーザの視認方向を検出する視認方向検出手段と、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記視認方向検出手段により検出されたユーザの視認方向と、および端末内に設定された距離情報とを上記情報処理装置に送信する通知手段と、を備えている。
【0016】
この発明によれば、位置情報と、ユーザの視認方向と、および端末内に設定された距離情報とを情報処理装置に送信することで、情報処理装置では、受信した各種情報に基づいて簡易に撮影対象位置を特定することができる。
【0017】
また、本発明の通信端末は、撮影データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された撮影データを表示する表示手段と、前記表示手段により表示される撮影データにおいて任意の位置を指定する指定手段と、をさらに備え、前記視認方向検出手段は、前記指定手段により指定された位置に基づいて視認方向を検出する。
【0018】
この発明によれば、表示される撮影データにおいて任意の位置を指定することで、簡易に、一のユーザの視認方向を検出することができる。
【0019】
また、本発明の通信端末において、前記視認方向検出手段は、ユーザの視線を検出することにより視認方向を検出する。
【0020】
この発明によれば、ユーザの視線を検出することにより視認方向を検出する。例えば、ユーザの眼球の動きを検出することによりその視線を検出することができる。これにより、簡易に視認方向を特定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一のユーザ端末のユーザからは見ることのできない様々な撮影データを、当該ユーザは取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態の情報処理システム10のシステム構成を示すブロック図である。
図2】サーバ100の機能を示すブロック図である。
図3】サーバ100のハードウェア構成図である。
図4】記憶部102が記憶しているユーザレコードの具体例を示す説明図である。
図5】撮影対象位置に基づいてユーザレコードを選択するための処理概念を示す説明図である。
図6】通信端末200aの機能構成を示すブロック図である。
図7】情報処理システム10を構成する通信端末200とサーバ100との処理を示すシーケンス図である。
図8】、通信端末200がサーバ100に撮影データを記憶させるときに処理を示すシーケンス図である。
図9】複数ある他の通信端末200から一の通信端末を選択するときの処理概念を示す説明図である。
図10】表示部202とタッチパネル203とを用いた撮影データの撮影対象位置の指定処理を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本実施形態の情報処理システム10のシステム構成を示すブロック図である。図1に示される通り、本情報処理システム10は、サーバ100と、複数の通信端末200a〜200cとを含んで構成されている。そして複数の通信端末200a〜200cは、それぞれカメラを備えており、撮影データを随時取得し、サーバ100に対して、撮影データを送信している。なお、本実施形態においては、特定しない通信端末については、通信端末200と称している。
【0025】
サーバ100では、各通信端末200a〜200cから撮影データを受信し、受信した撮影データを、その位置を示す位置情報とともに記憶している。
【0026】
ここで、通信端末200aのユーザが、ある死角となる場所などの所望の場所を指定した場合、その所望の場所(死角となる場所)を撮影している通信端末をサーバ100は検索する。例えば、通信端末200cが、その死角となる場所を撮影していたとすると、サーバ100は、通信端末200cの撮影範囲(端末の位置や端末方向、画角など)に基づいて、通信端末200cはユーザが欲している死角を撮影していると判断することができ、その撮影データを通信端末200aに送信することができる。
【0027】
つぎに、本実施形態の情報処理装置であるサーバ100の機能について説明する。図2は、サーバ100の機能を示すブロック図である。図2に示される通り、サーバ100は、受信部101(受信手段)、記憶部102(記憶手段)、特定部103(特定手段)、選択部104(選択手段)、および送信部105(送信手段)を含んで構成されている。
【0028】
図3は、このサーバ100のハードウェア構成図である。図2に示されるサーバ100は、物理的には、図3に示すように、1または複数のCPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスである入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスクや半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2における各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0029】
受信部101は、一の通信端末である通信端末200aから送信される、所望する撮影データの撮影対象位置を含んだ閲覧要求を受信する部分である。この撮影データの撮影対象位置は、例えば、通信端末200aにとっての、いわゆる死角の位置を特定する情報であってもよい。なお、ここでの通信端末200aは、他の通信端末200b等の撮影データの取得要求をした端末としている。
【0030】
また、受信部101は、各通信端末200a〜200cから撮影範囲(位置情報、端末方向、並びにカメラの画角および撮影有効距離などの範囲特定情報)、および撮影データを受信する。受信した撮影範囲および撮影データは、記憶部102に記憶される。
【0031】
記憶部102は、受信部101において受信された、各通信端末200a〜200cにおいて撮影された撮影データを含むユーザレコードを記憶する部分である。図4は、記憶部102が記憶しているユーザレコードの具体例を示す説明図である。図4に示される通り、ユーザレコードは、ユーザID、撮影範囲(位置情報、端末方向および範囲特定情報)、および撮影データを対応付けて記述された管理情報である。これらユーザレコードは、上述した通り受信部101により受信された情報である。
【0032】
ここでユーザIDは、通信端末200を特定するためのIDである。位置情報は、通信端末200の位置を示す情報である。撮影範囲は、通信端末200が撮影している範囲を示す情報であり、例えば、範囲特定情報(通信端末200が備えているカメラの画角やその撮影有効距離)、並びに、その端末の位置および撮影している端末方向で特定することができる。範囲特定情報は、通信端末200が備えているカメラの画角やその撮影有効距離で特定することができるが、これに限るものではない。例えば、範囲特定情報をイメージ(図形)で表現し、端末の位置および端末方向に基づいて、その通信端末200を起点としてイメージを形成することで、撮影範囲を特定するようにしてもよい。撮影データは、実際に通信端末200a〜200cにおいて撮影されたデータであり、動画データであるが、動画に限らず静止画データとしてもよい。いわゆる視聴可能なデータ(視聴可能データ)であればよい。
【0033】
特定部103は、受信部101において受信された閲覧要求に基づいて、撮影データの撮影対象位置を特定する部分である。本実施形態においては、閲覧要求には撮影対象位置を示す位置情報を含んでいるため、そのまま抽出処理をすることにより撮影対象位置の特定を行うことになる。
【0034】
なお、受信部101において、撮影対象位置に代えて、その要求をした端末の位置情報、端末方向、および指定された距離情報を受信した場合、特定部103は、これら情報に基づいて撮影対象位置を算出することができる。
【0035】
すなわち、本実施形態においては、受信部101が、通信端末200から、撮影対象位置を特定可能な情報を受信することにより、特定部103は、撮影対象位置を特定することができる。ここで、撮影対象位置を特定可能な情報とは、撮影対象位置そのものであってもよいし、または端末の位置情報・端末方向・距離情報であってもよい。
【0036】
選択部104は、特定部103において特定された撮影データの撮影対象位置と、記憶部102に記憶されている複数のユーザレコードにおける撮影範囲とに基づいて、当該撮影対象位置を含んだユーザレコードを選択する部分である。上述した通り、ユーザレコードには、位置情報や端末方向、画角等に基づいて定義された撮影範囲が含まれており、一意に所定の撮影範囲を特定することができる。よって、その撮影範囲に撮影データの撮影対象位置が含まれているか否かを判断することにより、ユーザレコードの選択処理を行うことができる。
【0037】
図5において、その処理概念を説明する。図5に示される通り、通信端末200aのユーザA(位置X)がT字路に向かって歩いているとする。なお、ユーザAの両側には、建物などの建造物があり、その左右は見通しが悪いものとする。ここで、T字路の左側から通信端末200bを保持するユーザBが歩いている。ここでユーザBは、その現在位置Xとして、端末方向Wで示される方向に、撮影範囲Sで示される範囲を撮影している。また、ユーザC(通信端末200c)は、その現在位置Xとして、端末方向Wで示されている方向に、撮影範囲Sで示される範囲を撮影している。
【0038】
ここで、ユーザAがその壁越しの死角の地点である撮影対象位置Pを特定する。ユーザAは、通信端末200aを操作することにより、通信端末200aの現在位置X、その視認方向W、および現在位置Xから距離Lにより、撮影対象位置Pを一意に特定することができる。この具体的な処理については、後述する。
【0039】
そして、図5に示される通り、ユーザBの撮影範囲Sは、撮影対象位置Pを含んでおり、ユーザCの撮影範囲Sは、撮影対象位置Pを含んでいないことから、選択部104は、ユーザBのユーザレコードを選択することになる。なお、複数のユーザレコードを選択可能な場合には、通信端末200aのユーザAによりいずれの撮影データ(または撮影位置:各ユーザの位置)を選択させてもよいし、ユーザAの視認方向Wに最も近い、端末方向を有するユーザの撮影データを選択するようにしてもよい。また、通信端末200におけるカメラの解像度に基づいて、より高解像度のカメラにより撮影された撮影データを選択するようにしてもよい。この場合、サーバ100の記憶部102は、ユーザレコードとして、撮影データ等に対応付けて、さらに解像度情報を対応付けて記憶する必要がある。また、単に撮影対象位置に最も近い通信端末200により撮影された撮影データを選択してもよい。
【0040】
さらに、撮影対象位置が、カメラの方向や距離などから他のユーザによる撮影範囲に入っていると判断できる場合でも、遮蔽物により撮影できていないと判断できる場合には、そのような通信端末による撮影データを選択しないようにすることもできる。その場合、障害物などの3次元空間における配置情報をサーバ100において管理している必要がある。例えば、サーバ100のユーザ周囲環境記憶部(図示せず)は、地図情報などの周囲環境情報を記憶している。この周囲環境情報には、建物や壁などの遮蔽物の配置情報が記述されている。この配置情報は、その遮蔽物の位置を示す位置情報、高さ情報、および平面にしめるその遮蔽物の形状情報(図形情報)からなるものとするが、これに限るものではない。そして、サーバ100の選択部104は、ユーザの視認方向と撮影対象位置との間に遮蔽物があると判断できる場合、そのユーザの撮影データを選択しないようにすることができる。
【0041】
送信部105は、選択部104において選択したユーザレコードに含まれている撮影データを通信端末200aに送信する部分である。なお、選択部104において、該当するユーザレコードを選択することができなかった場合、送信部105は、対応する撮影データはない旨の情報を通信端末200aに通知するようにしてもよい。
【0042】
このようにして、サーバ100は、一のユーザ、例えば通信端末200aのユーザAから死角にある場所の撮影データを抽出して、当該一のユーザに対して送信することができる。
【0043】
つぎに、他の通信端末200bまたは200cの撮影データの閲覧要求を行う通信端末200aについて説明する。図6は、通信端末200aの機能構成を示すブロック図である。図6に示される通り、この通信端末200aは、カメラ部201(取得手段)、表示部202(表示手段)、タッチパネル203(指定手段)、視認方向検知部204(視認方向検出手段)、位置取得部205(位置情報取得手段)、方位センサ206(端末方向取得手段)、対象位置特定部207(特定手段)、送信部208(通知手段)、および受信部209を含んで構成されている。この通信端末200aは、サーバ100と同様に、一または複数のCPUや、ROM、RAM等のメモリ、通信デバイス、ディスプレイ等を備えたハードウェアから構成されている。なお、他の通信端末200bおよび200cも同様の構成をとるものとする。
【0044】
カメラ部201は、撮影データを撮影する部分である。このカメラ部201は、動画のほか静止画を撮影するようにしてもよい。
【0045】
表示部202は、カメラ部201により取得された撮影データ(または静止画データ)を表示する部分である。
【0046】
タッチパネル203は、表示部202に表示された撮影データに対して、その撮影データ中におけるユーザが見たい部分をタッチ操作により指定された箇所を受け付ける部分である。
【0047】
視認方向検知部204は、タッチパネル203により受け付けられた箇所、および方位センサ206により検出された方位に基づいて、視認したい詳細な方向である視認方向を検出する部分である。
【0048】
位置取得部205は、GPS等のモジュールを利用して端末の現在位置を特定する位置情報を取得する部分である。
【0049】
方位センサ206は、通信端末200aが撮影している方向を検出する部分である。方位センサ等を利用することにより、その方向を位置に決めることができる。
【0050】
対象位置特定部207は、位置取得部205により取得された現在位置、視認方向検知部204により検出された視認方向、およびあらかじめ定められた距離情報に基づいて、撮影データの撮影対象位置を特定する部分である。この対象位置特定部207は、現在位置からの視認方向を判断し、さらにその現在位置からの距離情報で定められた距離の位置を撮影対象位置として特定することができる。
【0051】
図5の例でも示した通り、通信端末200aは、ユーザA(通信端末200a)の現在位置X、視認方向W、および距離Lに基づいて、撮影対象位置Pを特定することができる。視認方向Wは、端末方向と、さらにユーザが視認している部分に基づいて視認方向を特定することができる。
【0052】
送信部208は、対象位置特定部207により特定された撮影対象位置を含んだ閲覧要求を、当該端末のユーザの操作に従って、サーバ100に対して送信する部分である。なお、通信端末200bまたは200cのように撮影データをサーバ100に提供する場合には、送信部208は、定期的に、カメラ部201で撮影した撮影データを、方位センサ206により検出された端末方向、およびカメラ部201の性能情報(画角および有効撮影距離)とともに送信する。これによって、サーバ100は、これら情報をユーザレコードとして記憶することができる。
【0053】
受信部209は、サーバ100から送信された、他の通信端末200bまたは200cにおいて撮影された撮影データを受信する部分である。表示部202は、受信部209において受信された撮影データを、タッチパネル203においてタッチされた表示部202上の位置に重畳表示する。なお、表示する際において、その位置に応じた射影変換などの画像処理を行うようにしてもよい。
【0054】
ここで表示部202とタッチパネル203とを用いた撮影データの撮影対象位置の指定処理について説明する。
【0055】
図10に、その具体例を示す。図10(a)は、ユーザが位置する周辺領域を示す図である。図10(a)に示される通り、ユーザはT字路に向けて歩いていることを想定している。図10(b)は、カメラ部201において取得した撮影データを表示部202が表示する具体例を示す。本実施形態の通信端末200においては、表示部202にタッチパネル203が重ね合わされている。そして、ユーザにより画面上の所望の箇所がタッチされると、その箇所が見たい部分であるとして受け付けられる。図10(b)においては、タッチ位置Tが、ユーザが見たい箇所として受け付けられる。対象位置特定部207は、タッチ位置Tで指定された表示部202の画面上の位置(いわゆるディスプレイとしての座標)、端末の位置情報、端末方向、およびあらかじめ定義づけられた距離情報を利用することにより、撮影データの撮影対象位置を特定することができる。
【0056】
図10(c)は、サーバ100から取得した撮影データの重畳表示を示す図である。通信端末200aにおいては、受信部209により、他の通信端末200bにおいて取得された撮影データが受信される。その後、表示部202は、現に撮影している撮影データを表示している表示部202におけるタッチ位置Tの位置に、取得した他の通信端末200bの撮影データDを重畳表示することができる。
【0057】
上述の構成例は、タッチパネルディスプレイを備えた携帯端末を例にとったものであるが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ100において、周囲環境情報(地図情報)を記憶しているなど、自端末の周囲の環境を把握できている場合、その周囲環境情報を利用して、所望の位置をユーザがタッチすることで、その位置を撮影対象位置とすることもできる。また、上述の例においては、タッチパネル上の所望の座標をタッチすることにより、正確な方向を割り出し、撮影対象位置を特定しようとしたが、タッチすることなく、カメラ(端末)が向いている方向に基づいて、撮影対象位置を特定しようとしてもよい。
【0058】
さらに、例えば、メガネ型携帯端末としてもよい。すなわち、通信端末200aは、ヘッドマウントディスプレイを具備するメガネ型携帯端末であってもよい。
【0059】
このようなメガネ型携帯端末とする場合、視認方向検知部204は、そのメガネ型フレームのレンズ内側に、眼球の動きを検出するセンサとすることにより、視線の検知を行うことができる。すなわち、その視線に基づいて撮影対象位置を特定することができる。そして、眼鏡型端末(レンズ)を介してユーザが実際に視認した現実世界の物体に、レンズ内面に撮影データを投影することによって、重畳表示するようにしてもよい。
【0060】
つぎに、本実施形態の情報処理システム10のデータ取得方法の処理について説明する。図7は、情報処理システム10を構成する通信端末200とサーバ100との処理を示すシーケンス図である。
【0061】
通信端末200aのユーザは、閲覧要求の対象となる撮影データの撮影対象位置を特定し、その位置を含んだ閲覧要求をサーバ100に対して送信する(S101)。
【0062】
サーバ100において、受信部101により撮影対象位置を含んだ閲覧要求が受信されると、選択部104により、記憶部102に記憶されている情報に基づいて、通信端末200aの位置から所定範囲にいる他の通信端末200(ここでは例えば通信端末200aおよび200c)の撮影範囲が取得される(S102)。
【0063】
そして、選択部104により、その撮影対象位置が撮影範囲に含まれる通信端末200が導出される(S103)。ここで、選択部104により、対象となる通信端末200がないと判断される場合には、該当する端末がない旨通知され、再度、撮影対象位置の指定が促される(S105)。
【0064】
また、対象となる通信端末200があると判断される場合には、その数が複数であるか否かが、選択部104により判断される(S106)。複数あると判断される場合には、選択部104により、所定の選択ルールに従って、任意の通信端末200が選択される(S107)。上述した通り、例えば、視認方向が近い通信端末200を選択するなどである。
【0065】
そして、サーバ100においては、選択部104により選択された通信端末200の撮影データが送信部105により送信される(S108)。
【0066】
通信端末200では、送信された撮影データが受信部209により受信される(S109)。ここで、受信部209においては、サーバ100から、他の通信端末200の端末方向の情報をも受信しており、表示部202により、当該端末方向の情報に基づいて、射影変換が行われる(S110)。なお、この射影変換は必須の構成ではなく、例えば、自機の視認方向と撮影データを撮影した端末方向との差が所定角以上の場合には射影変換をしないようにしてもよい。あまりにもその差が大きすぎると、射影変換しても、見やすい画像にならないためである。また、この射影変換処理はサーバ側で実施してもいい。その場合は、受信部209において、他の通信端末200の端末方向の情報を受信する必要はない。
【0067】
そして、表示部202において指定された位置に、受信した撮影データが重畳処理され(S111)、表示される(S112)。
【0068】
つぎに、サーバ100に対して、通信端末200bおよび200cが撮影データを記憶させるときに処理について説明する。図8は、その処理を示すシーケンス図である。
【0069】
通信端末200bにおいて、周期的に、撮影範囲(位置情報、端末方向、および画角等)および撮影データが送信される(S201)。なお、カメラの画角等の不変の情報は、最初に送信するだけでよい。サーバ100において、送信された撮影範囲および撮影データが、受信部101により受信され(S202)、記憶部102に記憶される(S203)。
【0070】
一方で、通信端末200cにおいて、周期的に、撮影範囲および撮影データが送信される(S204)。サーバ100において、送信された撮影範囲および撮影データが、受信部101により受信され(S205)、記憶部102に記憶される(S206)。
【0071】
このようにして、各通信端末200bおよび200cにおいては、周期的に位置情報、撮影範囲および撮影データを送信し、これをサーバ100において記憶させることにより、サーバ100において各端末で取得された撮影データを管理することができる。
【0072】
つぎに、図9を用いて、図7におけるS107他の通信端末200の選択の仕方について説明する。図9は、端末方向と、自機からの撮影対象位置への方向とに基づいて、複数ある他の通信端末200から一の通信端末を選択するときの処理概念を示す説明図である。
【0073】
図9では、遮蔽物ZがユーザAの視認方向に配置されている。撮影データの撮影対象位置Pは、遮蔽物Zの向こう側にあり、ユーザAからは撮影データの撮影対象位置Pを見ることはできない。
【0074】
一方で、ユーザBおよびCは、遮蔽物Zの向こう側にいる。このとき、撮影データの撮影対象位置Pは、ユーザBの撮影範囲SおよびユーザCの撮影範囲Sのいずれにも含まれている。よって、サーバ100は、ユーザBが保持している通信端末200bにより撮影された撮影データか、ユーザCの通信端末200cにより撮影された撮影データか、いずれかを選択する必要がある。
【0075】
ここで、視認方向Wは、ユーザA(通信端末200a)の現在位置と撮影データの撮影対象位置Pとを結んだ方向であることから、サーバ100は、演算によりその方向を算出することができる。また、ユーザB(通信端末200b)の端末方向Wは、その方位センサに基づいて算出することができ、同様にユーザC(通信端末c)の端末方向Wは、その方位センサに基づいて算出することができる。
【0076】
そして、サーバ100の選択部104は、視認方向Wと端末方向Wとの角度の差分、視認方向Wと端末方向Wとの角度の差分を判断して、その角度の差分の小さい方の通信端末を選択する。
【0077】
図9の例では、端末方向Wが、視認方向Wと近い、すなわちその角度の差分が小さいと判断され、通信端末200bのユーザレコードが選択され、そのレコードに対応付けられている撮影データが通信端末200aに送信される。
【0078】
なお、サーバ100は、ここでの差分情報をも合わせて送信し、通信端末200aにおいて、その差分が所定値以下である場合には、表示部202は、射影変換処理を行ってから重畳処理を行うようにしてもよい。
【0079】
つぎに、図9を用いて、ユーザCが、撮影対象位置を特定する場合について説明する。ユーザCが、撮影対象位置Pを上述の方法で特定すると、撮影範囲に基づいて、ユーザAによるものとユーザBによるものとの2つが選択可能な状態となる。すなわち、撮影対象位置Pは、撮影範囲SおよびSの両方に含まれている。ここで、ユーザAの目の前(視認方向Wと撮影対象位置Pとの間)には、遮蔽物Zが配置されていることが、サーバ100は配置情報等により把握している。このため、サーバ100の選択部104は、ユーザAによる撮影データ(ユーザAのユーザレコード)を選択することなく、ユーザBによる撮影データ(ユーザBのユーザレコード)を選択して、その撮影データをユーザCに送信する。これにより、実際に撮影された撮影データを選択して、ユーザに提供することができる。
【0080】
つぎに、本実施形態のサーバ100、通信端末200の作用効果について説明する。本実施形態のサーバ100において、記憶部102は、通信端末200の位置を示す位置情報と通信端末200の端末の向きを示す端末方向と範囲特定情報とから形成される撮影範囲情報と、当該ユーザ端末により取得された撮影データとを対応付けたユーザレコードを、ユーザ端末ごとに記憶している。そして、受信部101により、通信端末200aからの閲覧要求が受信されると、特定部103は、撮影データの撮影対象位置を特定する。
【0081】
そして、選択部104は、特定部103により特定された撮影対象位置に基づいて、記憶部に記憶されている複数のユーザレコードから任意のユーザレコードを選択し、送信部105は、選択部104により選択されたユーザレコードに含まれている撮影データを通信端末200aに送信する。これにより、通信端末200aのユーザからは見ることのできない、様々な撮影データを取得することができる。
【0082】
また、このサーバ100において、受信部101は、一のユーザ端末である通信端末200aから、通信端末200aのユーザにより指定された、撮影データの撮影対象位置を示す位置情報を含んだ閲覧要求を受信する。そして、特定部103は、受信された要求から位置情報を抽出することができ、撮影データの撮影対象位置を特定することができる。
【0083】
また、このサーバ100において、受信部101は、通信端末200aの位置情報、当該通信端末200aのユーザの視認方向、および当該通信端末200aの現在位置からの距離を示す距離情報を含んだ閲覧要求を受信する。そして、特定部103は、閲覧要求に含まれている位置情報、視認方向および距離情報を抽出することができ、これら情報に基づいて撮影データの撮影対象位置を特定することができる。
【0084】
また、このサーバ100において、選択部104は、通信端末200aから撮影対象位置に対する視認方向と、記憶部102に記憶されているユーザ管理レコードそれぞれに記述されている端末方向とに基づいて、視認方向に最も近い端末方向を有する一のユーザ管理レコードを選択することで、一のユーザにとってより見やすい撮影データを選択することができる。
【0085】
また、このサーバ100において、範囲特定情報は、ユーザ端末が撮影データを取得するためのカメラなどの光学機器の画角および撮影データの撮影有効距離により定義される。これにより、その範囲を簡易に定義づけすることができる。
【0086】
また、本実施形態の通信端末200aにおいて、対象位置特定部207は、当該端末の位置情報と、ユ−ザの視認方向と、あらかじめ定められた距離情報とに基づいて、撮影データの撮影対象位置を特定し、送信部208は、特定された撮影対象位置をサーバ100に送信することができる。
【0087】
また、この通信端末200aにおいて、送信部208は、当該端末の位置情報と、ユーザの視認方向と、および端末内に設定された距離情報とをサーバ100に送信する。サーバ100では、受信した各種情報に基づいて簡易に撮影対象位置を特定することができる。
【0088】
また、この通信端末200aにおいて、表示部202に表示される撮影データにおいて、タッチパネル203は、任意の位置の指定を受け付けることで、視認方向検知部204は、簡易に、一のユーザの視認方向を検出することができる。
【0089】
また、この通信端末200aにおいて、視認方向検知部204は、ユーザの視線を検出することにより視認方向を検出する。例えば、ユーザの眼球の動きを検出することによりその視線を検出することができる。これにより、簡易に視認方向を特定することができる。
【符号の説明】
【0090】
10…情報処理システム、100…サーバ、101…受信部、102…記憶部、103…特定部、104…選択部、105…送信部、200、200a、200b、200c…通信端末、201…カメラ部、202…表示部、203…タッチパネル、204…視認方向検知部、205…位置取得部、206…方位センサ、207…対象位置特定部、208…送信部、209…受信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10