(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリカーボネートジオールが、炭素数3〜6のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したものである、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
前記ポリカーボネートジオールが、炭素数5のジオールと、炭素数6のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したものである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
前記ポリカーボネートジオールが、炭素数4のジオールの2種以上の異性体と、カーボネート化合物と、を共重合したものである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
前記ポリカーボネートジオールが、炭素数4のジオールと、炭素数6のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したものである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートに対してイソシアヌレート化反応及びアロファネート化反応を行ったポリイソシアネート前駆体と、
炭素数2〜20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したポリカーボネートジオールと、を反応させてポリイソシアネートを得る工程を有する、
ポリイソシアネート組成物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0011】
〔ポリイソシアネート組成物〕
本実施形態に係るポリイソシアネート組成物は、
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートの2量体以上からなるポリイソシアネート前駆体と、
炭素数2〜20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したポリカーボネートジオールと、からなるポリイソシアネートを含み、
前記ポリイソシアネート前駆体はイソシアヌレート基及びアロファネート基を有し、
前記イソシアヌレート基と前記アロファネート基とのモル比が1:99以上80:20未満である。
【0012】
〔ポリイソシアネート〕
本実施形態で用いるポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートからなる2量体以上のポリイソシアネート前駆体と、炭素数2〜20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したポリカーボネートジオールと、からなる。
【0013】
〔ポリイソシアネート前駆体〕
本実施形態で用いるポリイソシアネート前駆体は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネート(以下、まとめて「ジイソシアネート」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートの2量体以上からなるものである。また、ポリイソシアネート前駆体はイソシアヌレート基及びアロファネート基を有し、イソシアヌレート基とアロファネート基とのモル比が1:99以上80:20未満である。
【0014】
(脂肪族ジイソシアネート)
本実施形態において「脂肪族ジイソシアネート」とは、分子中にイソシアネート基を除くと、鎖状脂肪族炭化水素を有し、芳香族炭化水素を有しない化合物をいう。本実施形態で用いる脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」ともいう。)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。このような脂肪族ジイソシアネートを用いることにより、得られるポリイソシアネート前駆体が低粘度となるのでより好ましい。
【0015】
(脂環族ジイソシアネート)
本実施形態において「脂環族ジイソシアネート」とは、分子中に芳香族性を有しない環状脂肪族炭化水素を有する化合物をいう。本実施形態で用いる脂環式ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
【0016】
上記脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートの中でも、HDI、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートは、工業的に入手し易いため好ましい。この中でもHDIがより好ましい。HDIを用いることにより、ポリイソシアネート組成物により得られる塗膜の耐候性と、柔軟性がより優れる傾向にある。
【0017】
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用することもできる。
【0018】
次に、上記ジイソシアネートのうち少なくとも1種を原料とする、2量体以上のジイソシアネートからなるポリイソシアネート前駆体について説明する。該ポリイソシアネート前駆体は、下記式(1)で表されるイソシアヌレート基と下記式(2)で表されるアロファネート基の両方を有する。
【化1】
【化2】
【0019】
本実施形態のポリイソシアネート前駆体におけるイソシアヌレート基とアロファネート基のモル比は1:99以上80:20未満であり、好ましくは20:80以上70:30以下であり、より好ましくは30:70以上65:35以下である。モル比が上記範囲内にあることにより、相溶性、乾燥性、伸展性により優れる。イソシアヌレート基とアロファネート基のモル比は、実施例に記載の方法により求めることができる。
【0020】
(その他の原料)
前記ポリイソシアネート前駆体のその他の原料としては、特に限定されないが、例えば、モノアルコール、又は、ジオール若しくはトリオール等の多価アルコールを用いることができる。このなかでも、低粘度という点からモノアルコールを用いることが好ましい。
【0021】
モノアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、炭素数が1〜20のモノアルコールが好ましい。モノアルコールの炭素数の下限は、好ましくは2であり、より好ましくは3であり、さらに好ましくは4であり、よりさらに好ましくは6である。また、モノアルコールの炭素数の上限は、好ましくは16であり、より好ましくは12であり、さらに好ましくは9である。モノアルコールは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0022】
また、上記モノアルコールは、分子内にエーテル基、エステル基、又はカルボニル基を含んでもよい。このなかでも、飽和炭化水素基のみからなるモノアルコールが好ましく、分岐を有する飽和炭化水素基のみからなるモノアルコールがより好ましい。このようなモノアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、n−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、1,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。この中でも、イソブタノール、n−ブタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、1−へプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、1,3,5−トリメチルシクロヘキサノールが好ましい。このようなモノアルコールを用いることにより、得られるポリイソシアネート組成物は該ポリイソシアネート組成物と混合されうる活性水素化合物等との相溶性により優れる傾向にある。
【0023】
〔ポリイソシアネート前駆体の製造方法〕
前記ポリイソシアネート前駆体を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の2つの方法が挙げられる。
【0024】
(i)アルコールとジイソシアネートのウレタン化反応を行い、その後又は同時に、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を同時に行い、ポリイソシアネート前駆体を得る方法。
【0025】
(ii)アルコールとジイソシアネートのウレタン化反応を行い、その後又は同時に、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を同時に行い、得られたアロファネート基及びイソシアヌレート基を有するジイソシアネート多量体と、ジイソシアネートをイソシアヌレート化反応して得たイソシアヌレート基を有するジイソシアネート多量体もしくはアロファネート基及びイソシアヌレート基を有するジイソシアネート多量体と、を混合して、ポリイソシアネート前駆体を得る方法。
【0026】
このなかでも、製造工程の簡便性の点から(i)の方法がより好ましい。
【0027】
(ウレタン化反応)
ウレタン化反応の反応温度は、好ましくは20〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、さらに好ましくは60〜120℃である。反応温度が20℃以上であることにより、反応速度がより速くなる傾向にある。また、反応温度が200℃以下であることにより、ウレトジオン化などの副反応がより抑制され、また着色もより抑制される傾向にある。
【0028】
また、反応時間は、好ましくは10分〜24時間であり、より好ましくは15分〜15時間であり、さらに好ましくは20分〜10時間である。反応時間が10分以上であることにより、反応を十分に完結させることが可能となる。また、反応時間が24時間以下であることにより、生産効率にがより高く、また副反応もより抑制される傾向にある。ウレタン化反応は、無触媒で、又はスズ系触媒、アミン系触媒などの触媒の存在下で行うことができる。
【0029】
(イソシアヌレート化反応、又はアロファネート化及びイソシアヌレート化反応)
イソシアヌレート化反応、又はアロファネート化及びイソシアヌレート化反応の反応温度は、好ましくは20〜180℃であり、より好ましくは30〜160℃であり、さらに好ましくは40〜140℃であり、よりさらに好ましくは60〜130℃であり、さらにより好ましくは80〜110℃である。反応温度が20℃以上であることにより、触媒の量をより少なくできると共に、ナイロン化反応等の副反応がより起こりにくくなる傾向にある。また、反応温度が180℃以下であることにより、ウレトジオン化などの副反応がより抑制され、また、反応生成物の着色がより抑えられる傾向にある。
【0030】
イソシアヌレート化反応、又はアロファネート化及びイソシアヌレート化反応の反応時間は、好ましくは10分〜24時間であり、より好ましくは15分〜12時間であり、さらに好ましくは20分〜8時間であり、よりさらに好ましくは20分〜6時間である。反応時間が10分以上であることにより、反応の制御がより容易となる傾向にある。また、24時間以内であることにより、生産効率がより向上する傾向にある。
【0031】
(i)の方法において、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応は触媒を用いた方が好ましく、特に生成するポリイソシアネートのイソシアヌレート基:アロファネート基のモル比を1:99以上80:20未満とすることができる触媒を選択することが好ましい。このようなアロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアンモニウムのカルボン酸塩;ハイドロオキサイド;アミノシリル基含有化合物;鉛、亜鉛、ビスマス、錫、ジルコニル、若しくはジルコニウムのカルボン酸塩等;亜鉛、ジルコニウム、若しくはスズのアルコキサイド等;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0032】
(ii)の方法において、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応は触媒を用いた方が好ましく、特に生成するポリイソシアネートのイソシアヌレート基:アロファネート基のモル比を1:99以上80:20未満とすることができる触媒を選択することが好ましい。このようなアロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアンモニウムのカルボン酸塩;ハイドロオキサイド;アミノシリル基含有化合物;鉛、亜鉛、ビスマス、錫、ジルコニル、若しくはジルコニウムのカルボン酸塩等;亜鉛、ジルコニウム、若しくはスズのアルコキサイド等;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0033】
(ii)の方法において、イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートを製造する場合、イソシアヌレート化反応は触媒を用いた方が好ましい。このようなイソシアヌレート化触媒としては、特に限定されないが、例えば、テトラアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアンモニウム、アルカリ金属塩の各カルボン酸塩;ハイドロオキサイド;アミノシリル基含有化合物等;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0034】
アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒、及びイソシアヌレート化触媒の使用量は、触媒活性の点で、反応液総重量を基準にして、好ましくは0.001〜2.0質量%であり、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0035】
上記ポリイソシアネート前駆体の製造方法において、イソシアヌレート化触媒、又はアロファネート化及びイソシアヌレート化触媒の添加方法は限定されない。例えば、ウレタン基を含有する化合物の製造の前、即ちジイソシアネートとアルコールのウレタン化反応に先だって添加してもよいし、ジイソシアネートと水酸基を有する有機化合物のウレタン化反応中に添加してもよく、ウレタン基含有化合物製造の後に添加してもよい。また、添加の方法として、所要量のイソシアヌレート化触媒、又はアロファネート化及びイソシアヌレート化触媒を一括して添加してもよいし、何回かに分割して添加してもよい。または、一定の添加速度で連続的に添加する方法も採用できる。
【0036】
ウレタン化反応、イソシアヌレート化反応、及びアロファネート化及びイソシアヌレート化反応は、無溶剤で進行するが、必要に応じて、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族系溶剤;ジアルキルポリアルキレングリコールエーテル等のイソシアネート基との反応性を有していない有機溶剤;及びそれらの混合物を溶媒として使用することができる。
【0037】
上記ポリイソシアネート前駆体の製造方法におけるウレタン化反応、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応の過程は、反応液のNCO基含有率を測定するか、屈折率を測定することにより追跡することができる。反応液のNCO基含有率は、実施例に記載の方法により行なうことができる。
【0038】
イソシアヌレート化反応、並びにアロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応は、室温に冷却するか、反応停止剤を添加することにより停止できる。また、触媒を用いた場合には、反応停止剤を添加するほうが好ましく、これにより副反応をより抑制することができる傾向にある。反応停止剤の添加量は、触媒に対して、好ましくは0.25〜20倍のモル量であり、より好ましくは0.5〜16倍のモル量であり、さらに好ましくは1.0〜12倍のモル量である。添加量が0.25倍以上であることにより、十分に失活させることが可能となる。また、20倍以下であることにより、粘度の保存安定性がより良好となる傾向にある。
【0039】
反応停止剤としては、触媒を失活させるものであれば特に制限されない。反応停止剤としては、特に限定されないが、例えば、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸等のリン酸酸性を示す化合物;リン酸若しくはピロリン酸等のモノアルキルエステル又はジアルキルエステル;モノクロロ酢酸などのハロゲン化酢酸;塩化ベンゾイル、スルホン酸エステル、硫酸、硫酸エステル、イオン交換樹脂、キレート剤等が挙げられる。このなかでも、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステルは、工業的製造の観点からステンレスを腐食し難いので、好ましい。
【0040】
リン酸モノエステル又はリン酸ジエステルとしては、特に限定されないが、例えば、リン酸モノエチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステルリン酸ジブチルエステル、リン酸モノ(2−エチルヘキシル)エステル、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル、リン酸モノデシルエステル、リン酸ジデシルエステル、リン酸モノラウリルエステル、リン酸ジラウリルエステル、リン酸モノトリデシルエステル、リン酸ジトリデシルエステル、リン酸モノオレイルエステル、リン酸ジオレイルエステル、リン酸モノテトラデシルエステル、リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸モノヘキサデシルエステル、リン酸ジヘキサデシルエステル、リン酸モノオクタデシルエステル、リン酸ジオクタデシルエステルなど、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0041】
また、シリカゲルや活性炭等の吸着剤を停止剤として用いることも可能である。この場合、反応で使用するジイソシアネートに対して、0.05〜10質量%の添加量が好ましい。
【0042】
反応終了後、ポリイソシアネート前駆体からは、未反応のジイソシアネートや溶媒を分離してもよい。安全性の点で、未反応のジイソシアネートは分離した方が好ましい。未反応のジイソシアネートや溶媒を分離する方法としては、特に限定されないが、例えば、薄膜蒸留法や溶剤抽出法が挙げられる。
【0043】
〔ポリカーボネートジオール〕
本実施形態で用いるポリカーボネートジオールは、炭素数2〜20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオール(以下、単に「2種のジオール」ともいう。)と、カーボネート化合物と、を共重合したものである。以下、ポリカーボネートジオールについて説明する。
【0044】
本実施形態で用いるポリカーボネートジオールの数平均分子量は、300〜4000が好ましく、400〜2500がより好ましく、500〜2000がさらに好ましい。数平均分子量が上記範囲内であることにより、柔軟性及び作業性により優れる傾向にある。数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0045】
〔ポリカーボネートジオールの製造方法〕
ポリカーボネートジオールの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、2種のジオールと、カーボネート化合物と、を脱アルコール反応、脱フェノール反応等することにより得るこことができる。または、高分子量のポリカーボネートポリオールを、2種のジオールを用いて、エステル交換反応することにより得ることができる。なお、ジオールと、カーボネート化合物との重合反応を行う方法に特に限定はなく、公知の方法、例えばH.Schnell著「Polymer Reviews 第9巻」(米国Interscience Publishers社より1964年に発行)の第9〜20頁に記載の種々の方法等を用いることが出来る。
【0046】
上記2種のジオールとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジオール及び芳香族ジオールからなる群より選ばれるジオールが挙げられる。このなかでも、水酸基を2つ有する、炭素数が2〜20のアルキレングリコールが好ましい。このようなジオールを用いることにより、ポリイソシアネート組成物を用いて得られる塗膜の耐候性及び耐薬品性がより優れる傾向にある。ここで「アルキレン基」とは、分岐を有してもよく、かつ脂環構造を含んでもよい。これらの2官能アルコールは、単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、p−キシリレンジオール、p−テトラクロロキシリレンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフラン、ジ(2−ヒドロキシエチル)ジメチルヒダントイン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2,6’−ジヒドロキシエチルヘキシルエーテル、2,4’−ジヒドロキシエチルブチルエーテル、2,5’−ジヒドロキシエチルペンチルエーテル、2,3’−ジヒドロキシ−2’,2’−ジメチルエチルプロピルエーテル、チオグリコール等が挙げられる。
【0048】
この中でも、炭素数2〜11のジオールが好ましく、炭素数3〜6のジオールがより好ましい。また、ジオールの組み合わせとしては、炭素数5のジオールと炭素数6のジオールとの組み合わせ、炭素数4のジオールの2種以上の異性体の組み合わせ、又は炭素数4のジオールと炭素数6のジオールとの組み合わせがより好ましい。このような2種のジオールを用いることにより、ポリイソシアネート組成物を用いて得られる塗膜の伸展性、耐熱性、耐水性(耐加水分解性)がより優れる傾向にある。このようなジオールとしては、特に限定されないが、具体的には、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び2−メチル−1,3プロパンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上の組合せが好ましく、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールの組合せ、1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールの組合せ、1,4−ブタンジオールと2−メチル−1,3プロパンジオールの組合せがより好ましい。
【0049】
ポリカーボネートジオールの製造に用いられるカーボネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート及びホスゲンから選ばれる化合物が挙げられる。このようなカーボネート化合物としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。このなかでも、製造の容易さの点でジエチルカーボネートが好ましい。
【0050】
〔ポリイソシアネート組成物の製造方法〕
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートに対してイソシアヌレート化反応及びアロファネート化反応を行ったポリイソシアネート前駆体と、
炭素数2〜20のジオールからなる群より選ばれる少なくとも2種のジオールと、カーボネート化合物と、を共重合したポリカーボネートジオールと、を反応させてポリイソシアネートを得る工程を有する。
【0051】
ポリイソシアネート前駆体とポリカーボネートジオールを反応させる際の反応比率は、粘度と作業性、伸展性の点でイソシアネート基/水酸基(NCO/OH)=3〜30が好ましく、4〜25がより好ましく、5〜20がさらに好ましい。NCO/OHが上記範囲内であることにより、作業性および伸展性がより優れる傾向にある。
【0052】
ポリイソシアネート前駆体と、ポリカーボネートジオールとの反応は、一般に−20〜150℃で行うことが出来るが、好ましくは30〜100℃である。150℃以下の反応温度であれば副反応を起こす可能性が低くなり、他方、−20℃以上の反応温度であれば反応速度が小さくなりすぎることがない。
【0053】
(その他の添加剤)
本実施形態で用いるポリイソシアネート組成物は、用途、目的に応じて、各種溶剤を含むことができる。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、スチレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの含窒素系溶剤;塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
また、前記ポリイソシアネート組成物は、目的及び用途に応じて、硬化促進触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、レオロジーコントロール剤、及び界面活性剤等の各種添加剤を含むことができる。
【0055】
硬化促進触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ビス(2−エチルヘキサン酸)スズ等のスズ系化合物;2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の亜鉛化合物;2−エチルヘキサン酸チタン、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトナート)等のチタン化合物;2−エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等のコバルト化合物;2−エチルヘキサン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等のビスマス化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸ジルコニル、ナフテン酸ジルコニル等のジルコニウム化合物;アミン化合物等が挙げられる。
【0056】
上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
【0057】
上記紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
【0058】
上記光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系等が挙げられる。
【0059】
上記顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インディゴ、キナクリドン、パールマイカ、アルミニウム等が挙げられる。
【0060】
上記レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0061】
上記可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、リン酸系化合物、ポリエステル系化合物等が挙げられる。
【0062】
上記レオロジーコントロール剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等が挙げられる。
【0063】
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0064】
〔樹脂組成物〕
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記ポリイソシアネート組成物を含む。樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態におけるポリイソシアネート組成物を主剤として、活性水素化合物(多価活性水素化合物)と混合することで得ることができる。
【0065】
〔樹脂〕
本実施形態に係る樹脂は、上記ポリイソシアネート組成物から得ることができる。樹脂の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態におけるポリイソシアネート組成物を主剤として、活性水素化合物(多価活性水素化合物)と混合することでポリイソシアネート中のイソシアネート基と活性水素化合物中の活性水素とが反応し、樹脂を得ることができる。
【0066】
以下、本実施形態に係る樹脂組成物及び樹脂で用い得る活性水素化合物(多価活性水素化合物)等について説明する。
【0067】
上記多価活性水素化合物としては、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物であれば特に限定されないが、例えば、ポリオール、ポリアミン、アルカノールアミン、ポリチオールなどが挙げられる。このなかでも、ポリオールが多用される。
【0068】
上記ポリアミンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン等のジアミン類;ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等の3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類;1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等の環状ポリアミン類が挙げられる。また、アルカノールアミンの具体的としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ−、ジ−(n−またはイソ−)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0069】
上記ポリチオールとしては、特に限定されないが、例えば、ビス−(2−ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等が挙げられる。
【0070】
上記ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0071】
上記ポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン類等が挙げられる。ポリエステルポリオールは、特に限定されないが、例えば、二塩基酸の単独又は混合物と、多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られる。二塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸からなる群より選ばれる二塩基酸が挙げられる。また、多価アルコールとしては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどからなる群より選ばれる多価アルコールが挙げられる。また、ポリカプロラクトン類は、特に限定されないが、例えば、多価アルコールを用いたε−カプロラクトンの開環重合により得られる。
【0072】
上記アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合したものが挙げられる。
【0073】
上記ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。このなかでも、好ましくはアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルである。
【0074】
上記ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド;メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量体等が挙げられる。
【0075】
上記ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、又は、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独又は混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類;エチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類;上記ポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類等が挙げられる。
【0076】
上記多価ヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど;エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物;アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオースなどの二糖類;ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類;スタキオースなどの四糖類等が挙げられる。
【0077】
上記ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
【0078】
フッ素ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、分子内にフッ素を含むポリオールであり、例えば特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
【0079】
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等の低分子カーボネート化合物と、前述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールと、を縮重合して得られるものが挙げられる。
【0080】
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ型脂肪酸エステル、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、ハロゲン型、レゾルシン型等が挙げられる。
【0081】
前記ポリオールの水酸基価は、架橋密度や硬化樹脂の機械的物性の点で、樹脂あたり10〜300mgKOH/gであることが好ましい。
【0082】
本実施形態の樹脂組成物において、イソシアネート基と活性水素基の当量比は、通常10:1〜1:10に設定される。
【0083】
樹脂組成物は、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤等の他の硬化剤を含むことができる。メラミン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、完全アルキルエーテル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、一部にイミノ基を有するイミノ基型メラミン樹脂が代表的なものとして例示される。
【0084】
メラミン系硬化剤を併用する場合は、酸性化合物の添加が有効である。酸性化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸、スルホン酸、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステルが挙げられる。
【0085】
カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、デカンジカルボン酸等が挙げられる。
【0086】
スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。
【0087】
酸性リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート等が挙げられる。
【0088】
亜リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジエチルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジラウリルホスファイト、モノエチルホスファイト、モノブチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モノラウリルホスファイト等が挙げられる。
【0089】
エポキシ系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン、イミダゾール化合物、ルイス酸錯体等が挙げられる。
【0090】
〔用途〕
本実施形態に係るポリイソシアネート組成物は、塗料組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、注型剤組成物等の硬化性組成物;繊維処理剤等の各種表面処理剤組成物;各種エラストマー組成物;発泡体組成物等の架橋剤;改質剤;添加剤として使用されうる。
【0091】
本実施形態に係るポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装などにより、各種素材に、プライマー又は中塗り、上塗りとして好適に使用される。また、この塗料組成物は、さらに防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装などに、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性などを付与するために好適に用いられる。
【0092】
本実施形態に係るポリイソシアネート組成物を含む粘着剤組成物、接着剤組成物の使用分野としては、自動車、建材、家電、木工、太陽電池用積層体等が挙げられる。その中でも、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の家電の液晶ディスプレイ用等の光学部材は、各種機能を発現するため、各種被着体のフィルム及びプレートを積層させる必要がある。各種被着体のフィルム及びプレート間には十分な粘着性、あるいは接着性が要求されることから、本実施形態の粘着剤組成物、接着剤組成物の使用例として好ましい。
【0093】
本実施形態に係るポリイソシアネート組成物を含む硬化性組成物等が用いられうる被着体としては、特に限定されないが、例えば、ガラス;アルミニウム、鉄、亜鉛鋼板、銅、ステンレスのような各種金属;木材、紙、モルタル、石材のような多孔質部材;フッ素塗装、ウレタン塗装、アクリルウレタン塗装等がされた部材;シリコーン系硬化物、変性シリコーン系硬化物、ウレタン系硬化物等のシーリング材硬化物;塩化ビニル、天然ゴム、合成ゴム等のゴム類;天然皮革、人工皮革等の皮革類;植物系繊維、動物系繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維類;不織布、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン等の樹脂類のフィルム及びプレート;紫外線硬化型アクリル樹脂層、印刷インキ、UVインキ等のインキ類等が挙げられる。
【実施例】
【0094】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0095】
<ポリイソシアネート前駆体の転化率>
反応液屈折率の測定により求めた。
【0096】
<ポリイソシアネート前駆体の粘度>
合成例1〜6で得られたポリイソシアネート前駆体の25℃における粘度は、E型粘度計 RE−80U(東機産業製)を用いて求めた。
【0097】
<ポリイソシアネート前駆体およびポリイソシアネート組成物のNCO基含有率>
合成例1〜6、実施例1〜26及び比較例1〜16においてポリイソシアネート前駆体およびポリイソシアネート組成物を合成する反応溶液中のNCO基含有率は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定により求めた。
【0098】
<ポリイソシアネート前駆体のイソシアヌレート基とアロファネート基のモル比>
合成例1〜6で得られたポリイソシアネート前駆体のイソシアヌレート基とアロファネート基の比は、1H−NMR(Bruker社製、FT−NMR DPX−400)により求めた。HDIを原料として用いたポリイソシアネート前駆体を1H−NMRで測定する方法の一例を以下に示す。
【0099】
1H−NMRの測定方法例:合成例1〜6で作製したポリイソシアネート前駆体を重水素クロロホルムに10質量%の濃度で溶解した。該溶液はポリイソシアネート前駆体に対して0.03質量%テトラメチルシランを含んでいた。化学シフト基準は、テトラメチルシランの水素のシグナルを0ppmとした。1H−NMRにて測定し、8.5ppm付近のアロファネート基の窒素に結合した水素原子(アロファネート基1molに対して、1molの水素原子)のシグナルと、3.8ppm付近のイソシアヌレート基に隣接したメチレン基の水素原子(イソシアヌレート基1モルに対して、6molの水素原子)のシグナルの面積を測定した。得られた面積に基づいて下記式によりポリイソシアネート前駆体のイソシアヌレート基とアロファネート基のモル比を求めた。
イソシアヌレート基/アロファネート基=(3.8ppm付近のシグナル面積/6)/(8.5ppm付近のシグナル面積)
【0100】
<ポリカーボネートジオール 数平均分子量>
合成例7〜14で得られたポリカーボネートジオールの数平均分子量は、下式により求めた。
数平均分子量=2/(ポリカーボネートジオールのOH価×10
-3/56.11)
【0101】
<ポリカーボネートジオール OH価>
合成例7〜14で得られたポリカーボネートジオールのOH価は、JIS K 0070:1992に従い求めた。具体的には、無水酢酸12.5gをピリジン50mLでメスアップしアセチル化試薬を調製した。次に、100mLナスフラスコに、合成例で製造したポリカーボネートジオールを2.5〜5.0g精秤した。ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1hr撹拌加熱した。蒸留水2.5mLをホールピペットで添加し、さらに10min加熱撹拌した。2〜3分冷却後、エタノールを12.5mL添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。
【0102】
一方で、空試験として、アセチル化試薬5mL、トルエン10mL、蒸留水2.5mLを100mLナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った。この結果をもとに、下記数式でOH価を計算した。
OH価(mg−KOH/g)={(b−a)×28.05×f}/e
a:サンプルの滴定量(mL)
b:空試験の滴定量(mL)
e:サンプル重量(g)
f:滴定液のファクター
【0103】
<ポリカーボネートジオール 共重合組成>
本発明のポリカーボネートジオールの共重合組成は、以下のように測定した。
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1hr反応する。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和する。冷蔵庫で1hr冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
【0104】
<評価方法>
[ポリイソシアネート樹脂組成物の粘度の測定方法]
E型粘度計 RE−80U(東機産業製)を用い、実施例及び比較例のポリイソシアネート樹脂組成物の40℃における粘度を測定した。
【0105】
[耐水性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物に対し、Setalux1767(アクリルポリオール、Nuplex社製)を、NCO/OH=1となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50質量%に希釈した。その際、ジブチル錫ジラウレートを対樹脂濃度0.5質量%となるように添加した。得られた塗料組成物を、PP板に樹脂膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、60℃で塗膜を硬化した後、板から剥離させることでポリウレタン樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを80℃の温水に1週間浸漬し、強度保持率を測定した。なお、本試験における強度保持率とは、浸漬前後での最大破断応力の変化率であり、A&D(エー・アンド・デー)社製の商品名TENSILON(テンシロン)RTE−1210を用いて測定した。測定した強度保持率に基づいて以下の評価基準によりポリイソシアネート組成物の耐水性を評価した。
測定条件:引張スピード:20mm/min、試料寸法:縦20mm×横10mm×厚さ40μm、温度23℃/湿度50%
(評価基準)
○:強度保持率が80%以上
×:強度保持率が80%未満
【0106】
[耐熱性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたイソシアネート組成物に対し、Setalux1767(アクリルポリオール、Nuplex社製)を、NCO/OH=1となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50%に希釈した。その際、ジブチル錫ジラウレートを対樹脂濃度0.5質量%となるように添加した。得られた塗料組成物を、PP板に樹脂膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、60℃で塗膜を硬化した後、板から剥離させることでポリウレタン樹脂フィルムを得た。得られたフィルムを120℃の雰囲気下に1週間置き、強度保持率を測定した。なお本試験における強度保持率とは、120℃に置く前後での最大破断応力の変化率であり、A&D(エー・アンド・デー)社製の商品名TENSILON(テンシロン)RTE−1210を用いて測定した。測定した強度保持率に基づいて以下の評価基準によりポリイソシアネート組成物の耐熱性を評価した。
測定条件:引張スピード:20mm/min、試料寸法:縦20mm×横10mm×厚さ40μm、温度23℃/湿度50%
(評価基準)
○:強度保持率が70%以上
△:強度保持率が50%以上〜70%未満
×:強度保持率が50%未満
【0107】
[相溶性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物に対し、Setalux1152(アクリルポリオール、Nuplex社製)を、NCO/OH=1となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50%に希釈した。得られた樹脂組成物の透明性を観察した。
(評価基準)
◎:無色透明
○:多少濁りがあるものの、沈殿物は無し
×:白色溶液であり、かつ樹脂が完全には溶解せずに沈殿している
【0108】
[乾燥性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物に対し、Setalux1767(アクリルポリオール、Nuplex社製)を、NCO/OH=1となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50%に希釈した。得られた樹脂組成物を、PP板に樹脂膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、60℃雰囲気下に1時間置いた。そして、得られた塗装板の表面を指で触れ、乾燥性を観察した。
(評価基準)
◎:表面が乾燥しており、指で触れても樹脂が付着せず、接触痕がほとんど残らない
○:表面が乾燥しており、指で触れても樹脂が付着しないが、接触痕がはっきり残る
×:表面が液状であり、指で触れると樹脂が付着する
【0109】
[伸展性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたポリイソシアネート組成物に対し、Setalux1767(アクリルポリオール、Nuplex社製)を、NCO/OH=1となるように配合し、酢酸ブチルで固形分50%に希釈した。その際、ジブチル錫ジラウレートを対樹脂濃度0.5質量%となるように添加した。得られた塗料組成物を、PP板に樹脂膜厚40μmになるようにアプリケーター塗装し、60℃で塗膜を硬化した後、板から剥離させることでポリウレタン樹脂フィルムを得た。得られたフィルムの破断伸度を、A&D(エー・アンド・デー)社製の商品名TENSILON(テンシロン)RTE−1210を用いて測定した。測定した強度保持率に基づいて以下の評価基準によりポリイソシアネート組成物の伸展性を評価した。
測定条件:引張スピード:20mm/min、試料寸法:縦20mm×横10mm×厚さ40μm、温度23℃/湿度50%
(評価基準)
◎:塗膜の破断伸度が120%以上
○:塗膜の破断伸度が40%以上〜120%未満
×:塗膜の破断伸度が40%未満
【0110】
<ポリイソシアネート前駆体の合成例>
〔合成例1〕
(ポリイソシアネート前駆体aの合成)
撹拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコの内部を窒素置換した。HDI 1200gとイソブタノール0.6gを仕込み、反応器内温度を80℃として2時間撹拌してウレタン化反応を行った。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.1g加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が12%になった時点でリン酸を0.2g加え、反応を停止した。反応液を濾過後、流下式薄膜蒸留装置を用いて、1回目160℃(27Pa)、2回目150℃(13Pa)で未反応のHDIを除去することにより、ポリイソシアネート前駆体aを得た。得られたポリイソシアネート前駆体aは、淡黄色透明の液体であり、収量230g、25℃における粘度は400mPa・s、イソシアネート含有率は22.6%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は78/22であった。
【0111】
〔合成例2〕
(ポリイソシアネート前駆体bの合成)
合成例1と同様の装置に、HDI1000gと2−エチルヘキサノール30gを仕込み、反応器内温度を80℃として1時間撹拌してウレタン化反応を行った。反応器内温度を80℃に維持した状態で、アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムの固形分10%n−ブタノール溶液を0.36g添加した。さらに3時間撹拌した後、リン酸の固形分85%水溶液0.58gを加え、反応を停止した。反応液の濾過後、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去することにより、ポリイソシアネート前駆体bを得た。得られたポリイソシアネート前駆体bは、淡黄色透明の液体であり、収量300g、25℃における粘度は450mPa・s、イソシアネート含有率は20.6%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は65/35であった。
【0112】
〔合成例3〕
(ポリイソシアネート前駆体cの合成)
合成例1と同様の装置に、HDI1000gと2−エチルヘキサノール30gを仕込み、反応器内温度を90℃として1時間撹拌してウレタン化反応を行った。反応器内温度を90℃に維持した状態で、アロファネート化及びイソシアヌレート化触媒としてカプリン酸テトラメチルアンモニウムの固形分5%イソブタノール溶液を0.6g加えた。さらに2時間撹拌した後、リン酸85%水溶液0.06gを加え、反応を停止した。反応液を濾過後、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去することにより、ポリイソシアネート前駆体cを得た。得られたポリイソシアネート前駆体cは透明の液体であり、収量210g、25℃における粘度は340mPa・s、イソシアネート含有率は20.3%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は50/50であった。
【0113】
〔合成例4〕
(ポリイソシアネート前駆体dの合成)
合成例1と同様の装置に、HDI561.9gとイソブタノール38.1gを仕込み、反応器内温度を90℃として1時間撹拌してウレタン化反応を行った。反応器内温度を120℃に上げた後、アロファネート化触媒として2−エチルヘキサン酸ジルコニルの固形分20%ミネラルスピリット溶液を0.28g加えた。さらに60分撹拌後、リン酸の固形分85%水溶液0.097gを加え、反応を停止した。反応液を濾過後、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去することにより、ポリイソシアネート前駆体dを得た。得られたポリイソシアネート前駆体dは、淡黄色透明の液体であり、収量203g、25℃における粘度は130mPa・s、イソシアネート含有率は18.8%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は3/97であった。
【0114】
〔合成例5〕
(ポリイソシアネート前駆体eの合成)
合成例1と同様の装置に、HDIを500g仕込み、反応器内温度を60℃とし、撹拌下、テトラメチルアンモニウムカプリエート0.08gを加えた。反応器内温度60℃で反応を進行させ、4時間後反応液のイソシアネート基含有率及び屈折率測定により、ポリイソシアネートへの転化率が20%になった時点で、リン酸0.2gを添加して反応を停止した。反応液を濾過後、合成例1と同様の方法で未反応のHDIを除去することにより、ポリイソシアネート前駆体eを得た。得られたポリイソシアネート前駆体eは、淡黄色透明の液体であり、収量は102g、25℃における粘度は1400mPa・s、イソシアネート含有率は23.4%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は100/0であった。
【0115】
〔合成例6〕
(ポリイソシアネート前駆体fの合成)
合成例4及び5にて合成したポリイソシアネート前駆体d及びeを、d/e=54/46(質量比)になるように混合し、ポリイソシアネート前駆体fを得た。ポリイソシアネート前駆体fは、淡黄色透明の液体であり、25℃における粘度は770mPa・s、イソシアネート含有率は21.3%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は50/50であった。
【0116】
〔合成例7〕
(ポリイソシアネート前駆体gの合成)
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI 1000gを仕込み、60℃で攪拌下、触媒としてテトラメチルアンモニウム・カプリエート0.1g、イソブタノール1.0g、2−エチルヘキサノール5.0gを同時に加えた。4時間後、反応液の屈折率測定により、ポリイソシアネートへの転化率が25%になった時点で、リン酸0.2gを添加して反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIを薄膜蒸留装置により除去することにより、ポリイソシアネート前駆体gを得た。得られたポリイソシアネート前駆体gは、淡黄色透明の液体であり、収量は253g、25℃における粘度は800mPa・s、イソシアネート含有率は22.8%であった。1H−NMRを測定したところ、イソシアヌレート基/アロファネート基のモル比は89/11であった。
【0117】
<ポリカーボネートジオールの合成例>
〔合成例8〕
(ポリカーボネートジオールAの合成)
攪拌機、温度計、頭頂に還流ヘッドを有する真空ジャケット付きオルダーショウを備えた2Lセパラブルフラスコに、1,5−ペンタンジオール382g、1,6−ヘキサンジオール433g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解した後、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12hr反応した。その後、オルダーショウを単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、ジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに4hr反応した。この反応により、常温で粘稠な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールAのOH価は56.1(分子量2000)、共重合組成は1,5−ペンタンンジオール/1,6−ヘキサンジオール=50/50(モル比)であった。
【0118】
〔合成例9〕
(ポリカーボネートジオールBの合成)
合成例8において、オルダーショウを単蒸留装置に取り替えた後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温を160〜165℃にして、生成するジオールを除去する時間を2.3hrにしたこと以外は同様の方法でポリカーボネートジオールBを合成した。得られた反応物のOH価は113.2(分子量1000)、共重合組成は1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=50/50(モル比)であった。
【0119】
〔合成例10〕
(ポリカーボネートジオールCの合成)
合成例8において、オルダーショウを単蒸留装置に取り替えた後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温を160〜165℃にして、生成するジオールを除去する時間を1.5hrにしたこと以外は同様の方法でポリカーボネートジオールCを合成した。得られた反応物のOH価は224.4(分子量500)、共重合組成は1,5−ペンタンンジオール/1,6−ヘキサンジオール=50/50(モル比)であった。
【0120】
〔合成例11〕
(ポリカーボネートジオールDの合成)
合成例8において、1,5−ペンタンジオール382g、1,6−ヘキサンジオール433gの代わりに、2−メチル−1,3−プロパンジオール330g、1,4−ブタンジオール330gを用いた以外は同様の方法でポリカーボネートジオールDを合成した。得られた反応物のOH価は56.1(分子量2000)、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=50/50(モル比)であった。
【0121】
〔合成例12〕
(ポリカーボネートジオールEの合成)
合成例8において、1,5−ペンタンジオール382g、1,6−ヘキサンジオール433gの代わりに、2−メチル−1,3−プロパンジオール330g、1,4−ブタンジオール330gを用い、オルダーショウを単蒸留装置に取り替えた後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温を160〜165℃にして、生成するジオールを除去する時間を2.0hrにしたこと以外は同様の方法でポリカーボネートジオールEを合成した。得られた反応物のOH価は141.1(分子量800)、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=50/50(モル比)であった。
【0122】
〔合成例13〕
(ポリカーボネートジオールFの合成)
合成例8において、1,5−ペンタンジオール382g、1,6−ヘキサンジオール433gの代わりに、1,4−ブタンジオール462g、1,6−ヘキサンジオール260gを用いた以外は同様の方法でポリカーボネートジオールFを合成した。得られた反応物のOH価は56.1(分子量2000)、共重合組成は1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=70/30(モル比)であった。
【0123】
〔合成例14〕
(ポリカーボネートジオールGの合成)
合成例8において、1,5−ペンタンジオール382g、1,6−ヘキサンジオール433gの代わりに、1,4−ブタンジオール594g、1,6−ヘキサンジオール87gを用いた以外は同様の方法でポリカーボネートジオールGを合成した。得られた反応物のOH価は56.1(分子量2000)、共重合組成は1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=90/10(モル比)であった。
【0124】
〔合成例15〕
(ポリカーボネートジオールHの合成)
攪拌機の付いた2Lの反応器に、1,6−ヘキサンジオール520g、エチレンカーボネート410gを仕込んだ後、触媒として酢酸鉛三水和物を0.009g入れ、規則充填物を充填した精留塔に接続した。反応機を210℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度170℃で20hr反応した。その後、反応機を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を190℃に下げた後、圧力を徐々に下げでさらに8hr反応を行った。この反応により、常温で白色固体である脂肪族ポリカーボネートジオールHが517g得られた。得られた反応物のOH価は56.1(分子量2000)であった。
【0125】
<ポリイソシアネート組成物の合成例>
〔実施例1〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例1のポリイソシアネート前駆体aを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例8のポリカーボネートジオールAを用いた。これらをポリイソシアネート前駆体中のイソシアネート基5当量に対してポリカーボネートジオール中の活性水素が1当量となるように混合し、100℃で反応させた。反応液中のイソシアネート含有率が8.7%になったところで反応を終了して、実施例1のポリイソシアネート組成物を得た。
【0126】
〔実施例2〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0127】
〔実施例3〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0128】
〔実施例4〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は7.9%だった。
【0129】
〔実施例5〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例6のポリイソシアネート前駆体fを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.5%だった。
【0130】
〔実施例6〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例9のポリカーボネートジオールBを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例6のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は11.1%だった。
【0131】
〔実施例7〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例9のポリカーボネートジオールBを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例7のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は10.4%だった。
【0132】
〔実施例8〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例10のポリカーボネートジオールCを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例8のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は13.2%だった。
【0133】
〔実施例9〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例10のポリカーボネートジオールCを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例9のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は12.3%だった。
【0134】
〔実施例10〕
共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例10のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.7%だった。
【0135】
〔実施例11〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例11のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0136】
〔実施例12〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例12のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0137】
〔実施例13〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例13のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は7.9%だった。
【0138】
〔実施例14〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例6のポリイソシアネート前駆体fを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例14のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.5%だった。
【0139】
〔実施例15〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例12のポリカーボネートジオールEを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例15のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は11.9%だった。
【0140】
〔実施例16〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例12のポリカーボネートジオールEを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例16のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は11.1%だった。
【0141】
〔実施例17〕
共重合したポリカーボネートジオールとして合成例13のポリカーボネートジオールFを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例17のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.7%だった。
【0142】
〔実施例18〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例13のポリカーボネートジオールFを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例18のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0143】
〔実施例19〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例13のポリカーボネートジオールFを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例19のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は7.9%だった。
【0144】
〔実施例20〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例6のポリイソシアネート前駆体fを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例13のポリカーボネートジオールFを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例20のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.5%だった。
【0145】
〔実施例21〕
共重合したポリカーボネートジオールとして合成例14のポリカーボネートジオールGを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例21のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.7%だった。
【0146】
〔実施例22〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例14のポリカーボネートジオールGを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例22のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0147】
〔実施例23〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例14のポリカーボネートジオールGを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例23のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は7.9%だった。
【0148】
〔実施例24〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例6のポリイソシアネート前駆体fを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例14のポリカーボネートジオールGを用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例24のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.5%だった。
【0149】
〔実施例25〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例8のポリカーボネートジオールAを用いた。これらをポリイソシアネート前駆体中のイソシアネート基20当量に対してポリカーボネートジオール中の活性水素が1当量となるように混合し、100℃で反応させた。反応液中のイソシアネート含有率が15.5%になったところで反応を終了して、実施例25のポリイソシアネート組成物を得た。
【0150】
〔実施例26〕
共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例25と同様の方法で実施例26のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は15.7%だった。
【0151】
〔比較例1〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例5のポリイソシアネート前駆体eを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例8のポリカーボネートジオールAを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.8%だった。
【0152】
〔比較例2〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例5のポリイソシアネート前駆体eを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.8%だった。
【0153】
〔比較例3〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例5のポリイソシアネート前駆体eを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例13のポリカーボネートジオールFを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例3のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.8%だった。
【0154】
〔比較例4〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例5のポリイソシアネート前駆体eを用い、共重合したポリカーボネートジオールとして合成例14のポリカーボネートジオールGを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例4のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.8%だった。
【0155】
〔比較例5〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用い、ポリエステルジオールとしてOD−X−2722(DIC社製、分子量2000)を用いた。これらをポリイソシアネート前駆体中のイソシアネート基5当量に対してポリエーテルジオール中の活性水素が1当量となるように混合し、100℃で反応させた。ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート含有率が8.3%になったところで反応を終了して、比較例5のポリイソシアネート組成物を得た。
【0156】
〔比較例6〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、ポリエーテルジオールとしてEXCENOL2020(旭硝子社製、分子量2000)を用いた。これらをポリイソシアネート前駆体中のイソシアネート基5当量に対してポリエーテルジオール中の活性水素が1当量となるように混合し、100℃で反応させた。ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート含有率が7.9%になったところで反応を終了して、比較例6のポリイソシアネート組成物を得た。
【0157】
〔比較例7〕
ポリエステルジオールとしてOD−X−2155(DIC社製、分子量1000)を用いた以外は、比較例5と同様の方法で比較例7のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は11.1%だった。
【0158】
〔比較例8〕
ポリエーテルジオールとしてEXCENOL1020(旭硝子社製、分子量1000)を用いた以外は、比較例6と同様の方法で比較例8のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は10.4%だった。
【0159】
〔比較例9〕
ポリエステルジオールとしてOD−X−2171(DIC社製、分子量500)を用いた以外は、比較例5と同様の方法で比較例9のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は13.2%だった。
【0160】
〔比較例10〕
ポリエーテルジオールとしてEXCENOL420(旭硝子社製、分子量400)を用いた以外は、比較例6と同様の方法で比較例10のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は11.8%だった。
【0161】
〔比較例11〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例15のポリカーボネートジオールHを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例11のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は15.5%だった。
【0162】
〔比較例12〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例15のポリカーボネートジオールHを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例12のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は13.5%だった。
【0163】
〔比較例13〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例2のポリイソシアネート前駆体bを用いた以外は、比較例8と同様の方法で比較例13のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0164】
〔比較例14〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用いた以外は、比較例8と同様の方法で比較例14のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0165】
〔比較例15〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例3のポリイソシアネート前駆体cを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例15のポリカーボネートジオールHを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例15のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.3%だった。
【0166】
〔比較例16〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例4のポリイソシアネート前駆体dを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例15のポリカーボネートジオールHを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例16のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は7.9%だった。
【0167】
〔比較例17〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例7のポリイソシアネート前駆体gを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例8のポリカーボネートジオールAを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例17のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.7%だった。
【0168】
〔比較例18〕
ポリイソシアネート前駆体として、合成例7のポリイソシアネート前駆体gを用い、ポリカーボネートジオールとして合成例11のポリカーボネートジオールDを用いた以外は、実施例1と同様の方法で比較例18のポリイソシアネート組成物を得た。得られたポリイソシアネート組成物のイソシアネート含有率は8.7%だった。
【0169】
【表1】
【0170】
【表2】
【0171】
【表3】
【0172】
【表4】
【0173】
【表5】
【0174】
【表6】