【実施例】
【0070】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
なお、以下に示す実施例1〜8は本発明の実施例ではなく、参考例である。上記実施形態を基に、パラメータとして原料チップの種類、形状、水の配合量、多価イソシアネート化合物の種類、配合量、熱可塑性樹脂粉末の種類、配合量を設定し、設定したパラメータにおいて比重、曲げ強度、厚さ膨張率及び熱伝導率についてそれぞれ試験した。
【0071】
<実施例1>
原料チップとして平均直径20mm、平均長さ30mmトウモロコシ茎100質量部に、水10質量部、多価イソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート5質量部を準備し、熱可塑性樹脂粉末は準備しなかった。上記原料チップに上記水、上記多価イソシアネート化合物を混合した溶液を添加し5分間混合撹拌し、混合物を厚さ1mmの木質単板の上に充填し、さらにその上に木質単板を配置したものを、加熱圧縮機(山本鉄工(株)製)にて熱圧条件として温度140℃、0.5MPaで9分間加熱圧縮して軽量ボードを作製した。
【0072】
<実施例2>
多価イソシアネート化合物の配合量を1質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0073】
<実施例3>
多価イソシアネート化合物の配合量を50質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0074】
<実施例4>
多価イソシアネート化合物をヘキサメチレンジイソシアネートとした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0075】
<実施例5>
原料チップとして平均直径3mm、平均長さ2mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0076】
<実施例6>
原料チップとして平均直径20mm、平均長さ2mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0077】
<実施例7>
原料チップとして平均直径3mm、平均長さ50mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0078】
<実施例8>
原料チップとして平均直径20mm、平均長さ50mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0079】
<実施例9>
多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0080】
<実施例10>
多価イソシアネート化合物の配合量を1質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0081】
<実施例11>
多価イソシアネート化合物の配合量を1質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン20質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0082】
<実施例12>
多価イソシアネート化合物の配合量を50質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0083】
<実施例13>
多価イソシアネート化合物の配合量を50質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン20質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0084】
<実施例14>
多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として高密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0085】
<実施例15>
多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末としてポリプロピレン10質量部、熱圧条件の温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0086】
<実施例16>
多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末としてポリエチレンテレフタレート10質量部、熱圧条件の温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0087】
<実施例17>
多価イソシアネート化合物の配合量を5質量部、熱可塑性樹脂粉末としてポリビニールアルコール12質量部、熱圧条件の温度を60℃とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0088】
<実施例18>
原料チップをヒマワリ茎、多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0089】
<実施例19>
原料チップをトウモロコシ茎/コウリャン茎、多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0090】
<実施例20>
水の配合量を1質量部、多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0091】
<実施例21>
水の配合量を20質量部、多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0092】
<実施例22>
多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン5質量部、熱圧条件の温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0093】
<実施例23>
多価イソシアネート化合物の配合量を0.5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0094】
<実施例24>
原料チップとして平均直径2mm、平均長さ1mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0095】
<実施例25>
原料チップとして平均直径70mm、平均長さ60mmトウモロコシ茎100質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0096】
<実施例26>
多価イソシアネート化合物を配合せずに、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン4質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0097】
<実施例27>
多価イソシアネート化合物を配合せずに、熱可塑性樹脂粉末として低密度ポリエチレン20質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0098】
<実施例28>
水を配合せずに(水の配合量を0質量部)、多価イソシアネート化合物の配合量を3質量部、熱可塑性樹脂粉末としてポリビニールアルコール5質量部とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0099】
<実施例29>
多価イソシアネート化合物の配合量を5質量部、熱可塑性樹脂粉末としてポリビニールアルコール12質量部、熱圧条件の温度を40℃とした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0100】
<実施例30>
面材をフェルトとした以外は実施例1と同様にして軽量ボードを作製した。
【0101】
<比較例1>
市販のパーティクルボードを比較例1とした。
【0102】
<比較例2>
市販の畳芯材に用いられている高粱ボード(表面材として麻を使用した物。)を比較例2とした。
【0103】
<試験結果>
上記条件により作製した軽量ボードの比重、曲げ強度(23、50、80℃)、厚さ膨張率をJIS-A5908に規定されている方法により、比重はデジタルノギス((株)ミツトヨ製)及び電子天秤((株)島津製作所製)、曲げ強度は万能引張圧縮試験機(ミネベア(株)製)、厚さ膨張率はデジタルマイクロメーター((株)ミツトヨ製)、熱伝導率は熱伝導率測定装置(英弘精機(株)製)によって確認した。これらの結果を表1、2に示す。
また、原料チップ種類を表3、多価イソシアネート化合物、熱可塑性樹脂粉末の種類を表4に示す。さらに、軽量ボード及び高粱ボードの縦横の曲げ強度試験結果を表5に示す。また、軽量ボード、パーティクルボード、及び高粱ボードの熱伝度率を表6に示す。
【0104】
次に、本発明によって製造された軽量ボードの斜視図及び断面図を
図2(a)、(b)、
図3(a)、(b)、
図4(a)、(b)、
図5(a)、(b)にそれぞれ示す。
図2(a)には軽量ボード600の斜視図、
図2(b)には軽量ボード600の断面図の様子を示す。
図3(a)には面材を木単板700(1mmベニヤ)とした3層の積層軽量ボードの斜視図、
図3(b)にはその断面図であって、断面は、軽量ボード600の上下面に木単板700が積層されている様子を示す。
図4(a)には面材をフェルト800とした積層軽量ボードの斜視図、
図4(b)にはその断面図であって、断面は、軽量ボード600の上下面にフェルト800が積層されている様子を示す。
図5(a)には面材を木単板700とした5層の積層軽量ボードの斜視図、
図5(b)はその断面図であって、断面は、面材である木単板700上に軽量ボード600、単板である木単板700、軽量ボード600が積層され、最上面に面材である木単板700が積層されている様子を示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
【表6】
【0111】
表1、表2から明らかなように、各実施例は比重が0.48〜0.66であり、ほとんどの実施例で0.5前後の低比重の結果となった。また、多価イソシアネート化合物、熱可塑性樹脂粉末の配合量は多い方が曲げ強度が大きく、厚さ膨張率が低く(実施例3、9〜22)、特に多価イソシアネート化合物としてMDIを50質量部加えた実施例では、曲げ強度が40N/mm
2以上、厚さ膨張率3%前後の強度がありかつ膨張しない軽量ボードを作製することができた(実施例3、11、12)。この結果は、比較例1のパーティクルボードの曲げ強度(20N/mm
2弱)より優れ、同等の厚さ膨張率(3.2%)であった。チップの形状は、平均直径が小さい方が曲げ強度が高く、厚さ膨張率が低い傾向にあり(実施例5〜8)、平均直径も平均長さも大きい方が、曲げ強度も厚さ膨張率も実施例の中で中間の値であった(実施例25)。また、トウモロコシ、ヒマワリ、トウモロコシとコウリャンの順で曲げ強度が若干優れるものの、顕著な差がみられなかった(実施例9、18、19)。
【0112】
表5は、畳芯材を想定した面材をフェルトとした実施例30と市販の畳芯材である高粱ボードの比較例2の曲げ強度を示している。実施例30と比較例2の曲げ強度は、長さ方向では、比較例2が高かったものの、実施例30では、幅方向では比較例1の3倍強の曲げ強度であり、実施例30は、長さ方向、幅方向ともに平均した強度を示した。
【0113】
表6は、軽量ボードの両面に単板を配した実施例1、市販のパーティクルボードである比較例1、高粱ボードの比較例2の熱伝導率を示している。実施例1は、比較例1より、約4割、比較例2よりも約2割熱伝導率が低く、断熱に優れている。
【0114】
実施例1、3、4、7〜9、12、13、19、21、22では、曲げ強度が16.8〜52.2N/mm
2、厚さ膨張率は、2.9〜9.6%であり、強度があり水に強いので、外壁等の建築材料に好適である。また、実施例23、25、29では、曲げ強度が1.8〜13.3N/mm
2、厚さ膨張率は28.6〜60.7%であり、曲げ強度は前記実施例1等より低いが厚さ膨張率が高い、即ち内部に空気の層が多く断熱が良好なので、内装、室間の壁等の建築材料に好適である。一方、実施例2、5、6、10、11、14〜18、20、24、27、28では、曲げ強度は3.6〜29.7N/mm
2、厚さ膨張率は5.2〜13.6%であり、曲げ強度も厚さ膨張率も上述の実施例の値の間の値となるため梱包材、パーティション等に好適である。実施例25は、曲げ強度が16.6〜27.5N/mm
2、厚さ膨張率は、20.1%となり、強度があり断熱も確保できるので、アパートやマンションの室間の建築材として好適である。