特許第6209021号(P6209021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209021
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】測量機
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   G01C15/00 103D
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-173521(P2013-173521)
(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公開番号】特開2015-40830(P2015-40830A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】千葉 稔
(72)【発明者】
【氏名】奥平 洋輔
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−202821(JP,A)
【文献】 特開2009−229223(JP,A)
【文献】 特開平07−103762(JP,A)
【文献】 実開昭56−142312(JP,U)
【文献】 特開2004−333216(JP,A)
【文献】 米国特許第3790277(US,A)
【文献】 米国特許第5294970(US,A)
【文献】 米国特許第5051934(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00 − 1/14
G01C 5/00 − 15/14
G01B 11/00 − 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤部と該基盤部に対して水平方向に回転される回転台座とからなる測量機本体部と、該測量機本体部を被覆するカバー部材とを含み、前記回転台座には測距光学系の鏡筒部が垂直方向に回転可能に支持される支持部材が設けられ、前記支持部材の上端部には鉛直上下方向に延びる赤色光と緑色光とからなり測量作業員に測量機本体部の視準方向を示すガイド光を照射するガイド光照射部が設けられ、前記カバー部材は前記ガイド光照射部との間に隙間を設けつつ前記回転台座を含めて前記支持部材と前記鏡筒部と前記ガイド光照射部とを被覆していることを特徴とする測量機。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記回転台座に嵌合される嵌合開口と前記ガイド光照射部を被覆する被覆部とを有することを特徴とする請求項1に記載の測量機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド光を照射するガイド光光学系を有する測量機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、測量作業員に測量機の視準方向を示すガイド光を照射するガイド光照射部が設けられた測量機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この測量機は、基盤部と、この基盤部に対して水平方向に回転される回転台座とを有する。この回転台座には支持部材が立設されている。この支持部材には測距光学系の鏡筒部が垂直方向(鉛直方向)に回転可能に支持されている他、各種の駆動機構、制御機構が設けられている。
【0004】
その回転台座には、その支持部材、測距光学系の鏡筒部を被覆すると共に各機構を被覆するカバー部材が取り付けられている。ガイド光照射部は、そのカバー部材の頂部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−202821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この従来の測量機では、ガイド光照射部がカバー部材に設けられているので、カバー部材を回転台座に取り付ける際に鏡筒部の光軸に対するガイド光照射部の光軸を調整する必要がある。
【0007】
このため、メンテナンス等の際にカバー部材を取り外して、メンテナンスを行った後、再度カバー部材を回転台座に取り付ける際の調整が面倒である。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、カバー部材を簡便に回転台座に取り付けることが可能な測量機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る測量機は、基盤部と該基盤部に対して水平方向に回転される回転台座とからなる測量機本体部と、該測量機本体部を被覆するカバー部材とを含み、前記回転台座には測距光学系の鏡筒部が垂直方向に回転可能に支持される支持部材が設けられ、前記カバー部材は前記回転台座を含めて前記支持部材と前記鏡筒部と測量作業員に測量機本体部の視準方向を示すガイド光を照射するガイド光照射部とを被覆していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鏡筒部の光軸に対するガイド光照射部の光軸を水平回り方向について一致させるという面倒な調整作業を必要とすることなく、カバー部材を回転台座に取り付けることができる。
【0010】
また、直射日光がカバー部材により遮られているので、鏡筒部を回転可能に支持する支持部材の部分的膨張に起因する水平軸の傾きを避けることができ、その結果、炎天下でも精密測量に耐え得る測量機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明に係る測量機の概略構成を示す斜視図である。
図2図2は本発明に係る測量機の内部構成を示す概略図である。
図3図3は本発明に係る測量機本体部とカバー部材との関係を模式的に示す説明図である。
図4図4図1図2に示す測量機の光学系の構成を示すブロック回路図である。
図5図5図4に示すシリンドリカルレンズの一例を示す説明図である。
図6図6図4に示す測距光学系の一例を示す光学図である。
図7図7図4に示す追尾光学系の一例を示す光学図である。
図8図8は測量作業員による測量作業の一例を示す説明図である。
図9A図9Aは本発明に係るガイド光照射部の変形例を示す説明図であって、上から見た場合の光路を模式的に示す説明図である。
図9B図9B図9Aに示すガイド光照射部を横から見たときの光路を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0012】
以下に、本発明に係わる測量機の実施例を図面を参照しつつ説明する。
(測量機の構成)
図1において、1は三脚台、2は測量機である。測量機2は、図2に示す基盤部3と、この基盤部3に対して水平方向に回転される回転台座4とからなる測量機本体部5と、図1に示すカバー部材6とから構成されている。なお、この測量機2は既知の点P0に置かれているものとする。
【0013】
基盤部3は三脚台1に固定される固定座3aと、整準ネジ(図示を略す)を有する整準台3bと、回転台座4を水平方向(図2に示す矢印方向A)に回転駆動する平方向駆動モータM1(図4参照)等の駆動機構を内蔵するケース部3cとから概略構成されている。
【0014】
回転台座4には、図2図3に示すように、支持部材7が立設されている。この支持部材7には測距光学系と追尾光学系の鏡筒部8を垂直方向に回転可能に支持する水平軸8A、8Aが図3に示すように設けられている。
【0015】
その水平軸8Aの一方の端部には、鏡筒部8を垂直方向に回転駆動する垂直方向駆動モータM2が固定され、その水平軸8Aの他方の端部には、その鏡筒部8の回転角度を検出するためのエンコーダ10が設けられている。
【0016】
その支持部材7の上端部には回転台座4の水平方向の回転と鏡筒部8の垂直方向の回転とを制御する制御回路基板11と、ガイド光照射部12とが固定されている。
【0017】
ここでは、ガイド光照射部12は、支持部材7の上端部から切り起こされた起立板部7’、7”に支持されている。制御回路基板11には起立板部7”が貫通する貫通穴が形成されている。
【0018】
水平方向駆動モータM1、垂直方向駆動モータM2、エンコーダ10等は、図2に示すフレキシブルプリント配線板11´により接続されている。その制御回路基板11には、後述するCPUが設けられている。
そのガイド光照射部12は、測量作業員に測量機本体部5の視準方向を示すのに用いられる。
【0019】
カバー部材6は、図3に示すように、回転台座4の外周部4aに嵌合される嵌合開口6aとガイド光照射部12を被覆する被覆部6bと取っ手部6cと、図1に示す上下方向に延びる窓部6dとを有する。なお、その回転台座4の外周部4aには、雨水等が浸入するのを防止するシール部材(図示を略す)が設けられている。
そのカバー部材6とガイド光照射部12、制御回路基板11との間には隙間が設けられている。これにより、カバー部材6の取付け、取り外しの際にカバー部材6がガイド光照射部12に接触するのを防止できる。
また、カバー部材6に外部からの衝撃が加わった場合でも、内部の制御回路、ガイド光照射部12にその影響が極力及ばないようにすることができる。
【0020】
鏡筒部8には、図4に示すように、測距光学系13と追尾光学系14とが設けられている。鏡筒部8の光学系の光軸の傾き角度は、エンコーダ10を用いて求められる。この測距光学系13と追尾光学系14とについては後述することにし、先にガイド光照射部12の光学系について説明する。
【0021】
(ガイド光照射部12の光学系の構成)
ガイド光照射部12は、図4に示すように、例えば、レーザ光源15、コリメートレンズ16、図5に示すシリンドリカルレンズ17を有する。レーザ光源15は、例えば、可視白色レーザー光を発生する。
【0022】
コリメートレンズ16は、可視白色レーザー光を平行光束PB1に変換する役割を有する。シリンドリカルレンズ17は、その平行光束PB1を鉛直上下方向に長く延びる扇状のガイド光PB2に変換する役割を有する。
【0023】
このシリンドリカルレンズ17には、例えば、図5に示すように、パワーを有する方向に長く延びて緑色光を透過させるスリット状フィルタ17aと同じくパワーを有する方向に長く延びて赤色光を透過させるスリット状フィルタ17bとが形成されている。17cはスリット状マスク部である。
【0024】
そのレーザ光源15は、図4に示す制御回路部としてのCPUによって制御され、図示を略す電源スイッチがオンされると発光を開始する。
【0025】
(測距光学系13の構成)
測距光学系13は、図4に概略示すように投光部13Aと受光部13Bとを有する。投光部13Aは、図6に示すように光源13A´を有し、受光部13Bは受光素子14B´を有する。
【0026】
光源13A´は赤外レーザー光束を出射する。その赤外レーザー光束はビームスプリッタ18のダイクロイックミラー面18aにより対物レンズ19に向けて反射され、カバーガラス20を介して鏡筒部8から平行光束PB3として出射される。
【0027】
その平行光束PB3は、図4に示すコーナーキューブ(ターゲット)30Aにより反射され、反射光束PB3’としてカバーガラス20を介して対物レンズ19に戻り、ビームスプリッタ18のダイクロイックミラー面18bにより反射され、受光素子13B´に収束される。
【0028】
その受光素子13B´の受光出力は、制御回路基板11に設けられているCPUの演算部に入力される。CPUはその受光素子13B´の受光出力に基づきコーナーキューブ30Aまでの距離を演算する。なお、このコーナーキューブ30Aは、測量作業員が持ち運ぶ測量用ポール30Bに固定されている。
【0029】
(追尾光学系14の構成)
追尾光学系14はコーナーキューブ30Aをロックするのに用いられる。この追尾光学系14は、図7に示すようにレーザーダイオード23、コリメーターレンズ24、反射ミラー25、26、対物レンズ30、カバーガラス20、ノイズ光除去用フィルタ33、受光素子34を有する。
【0030】
レーザーダイオード23、コリメーターレンズ24、反射ミラー25、26は投光部14Aを大略構成している。対物レンズ30、ノイズ光除去用フィルタ33、受光素子34は受光部14Bを大略構成する。
【0031】
レーザーダイオード23は、測距光学系13の測距光の波長とは異なる波長の赤外レーザー光PB4を追尾光として出射する。その赤外レーザー光PB4はコリメーターレンズ24によって略平行光束とされる。
【0032】
反射ミラー25、26により反射された赤外レーザー光PB4は測量機2の外部に出射され、この赤外レーザー光PB4によってコーナーキューブ30Aの探索走査が行われる。探索範囲内にコーナーキューブ30Aがあると、赤外レーザー光PB4がコーナーキューブ30Aにより反射されて対物レンズ30に戻る。
【0033】
その赤外レーザー光PB4の反射光PB4’はその対物レンズ30により収束され、ノイズ光除去用フィルタ33を通過して受光素子34に結像される。ノイズ光除去用フィルタ33は赤外レーザービームの波長と同一波長の光を透過させる機能を有する。
【0034】
(駆動部の構成)
測量機2は、図4に示す駆動回路部35を有している。この駆動回路部35には、水平方向駆動モータM1と垂直方向駆動モータM2とが接続されている。
その駆動回路部35はCPUによって制御され、CPUは無線送受信部37が鏡筒部回動許可信号を受信すると、水平方向駆動モータM1の回動許可信号を駆動回路部35に向かって出力する機能を有する。
【0035】
CPUは基準とする方位信号と鏡筒部回動許可信号とにより測量機2の鏡筒部8が向いている水平方向の現在角度から次の測設点P2までの水平方向の回転角度を演算する。
【0036】
すなわち、現在、測量機2がガイド光PB2を照射している方向(図8に示す測設点P1が存在する方向)から次にガイド光PB2を照射すべき方向を演算により求める。これにより、後述する次の測設点P2が存在する方向に向けて鏡筒部8を水平方向に回動させ、この位置で回動停止させることが可能となる。
【0037】
(CPUの機能の一例)
そのCPUは、その鏡筒部8が次の測設点P2の方向で回動停止すると、垂直方向駆動モータM2の回動許可信号を駆動回路部35に向かって出力する機能を有する。
【0038】
駆動回路部35は垂直方向駆動モータM2を交互に正逆回転させる機能を有し、これにより、次の測設点P2において、赤外レーザー光PB4が上下方向に往復走査される。
【0039】
測量作業員は、図8に示すようにガイド光PB2を目標にして測設点P1の位置する方向に向かって行く。すると、赤色光と緑色光とからなるガイド光PB2が見える。
【0040】
その位置で、測量用ポール30Bを立てると、追尾光学系14により、コーナーキューブ30Aがロックされ、かつ、測設点P1に位置すると、コーナーキューブ30Aまでの測距又は測距と測角を実行する。
【0041】
ついで、CPUは、コーナーキューブ30Aまでの距離又は距離と角度(三次元座標)を演算により求める。現在のコーナーキューブ30Aから測量機2までの距離データ又は距離データと角度データ(三次元座標)は、測定データとして一旦記憶部36に記憶される。
【0042】
その測量機2は、図4に示すように、その記憶部36と共に無線送受信部37を有している。その記憶部36、無線送受信部37はCPUに接続されている。
【0043】
無線送受信部37は、測量作業員の現在位置(測量機2からコーナーキューブ30Aまでの距離データ又は距離データと角度データ(三次元座標))を携帯型無線送受信装置30Cに送信する機能とを有する。
【0044】
CPUはコーナーキューブ30Aをロックしたことを判断し、ロック中はガイド光PB2を消灯するようにし、作業中にロックがはずれた場合にあらためてガイド光PB2を点灯させる。
【0045】
この実施例によれば、カバー部材6を回転台座4の外周部4aに嵌合させるのみで、測量機本体部5にカバー部材6を装着できるので、取り付け、取り外しを簡便に行うことができる。
【0046】
また、カバー部材6とガイド光照射部12、制御回路基板11との間には隙間が設けられているので、カバー部材6に外部からの衝撃が加わった場合でも、内部の制御回路、ガイド光照射部12にその影響が極力及ばないようにすることができる。
【0047】
更に、測量機本体部5がカバー部材6により覆われているので、支持部材7に直射日光が当たるのを防止でき、支持部材7の部分的熱膨張による水平軸8A、8Aの傾きを防止できる。
【0048】
(変形例)
図9A図9Bはガイド光照射部12の変形例を示す説明図である。この変形例では、ガイド光照射部12は、図9Aに示すように、緑色光PGを発生する発光ダイオードLEDGと赤色光PRを発生する発光ダイオードLEDRとを備えている。
【0049】
発光ダイオードLEDGと発光ダイオードLEDRとの直前方には、絞り部材40a、40bとが設けられている。この絞り部材40a、40bは各光を半分カットする役割を果たす。
【0050】
その緑色光PGと赤色光RGとはミラープリズム41により反射され、レンチキュラーレンズ42に導かれる。
その緑色光PGと赤色光RGとは扇状のガイド光PB2として、ガイド光照射部12から射出される。
【0051】
なお、この実施例では、追尾光学系14の対物レンズ30と測距光学系13の対物レンズ19とを別々の構成として説明したが、追尾光学系14の対物レンズ30と測距光学系13の対物レンズ19とを一体化する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0052】
2…測量機
3…基盤部
4…回転台座
5…測量機本体部
6…カバー部材
7…支持部材
8…鏡筒部
12…ガイド光照射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B