(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209038
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】医療用フィルタ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20170925BHJP
A61M 1/36 20060101ALI20170925BHJP
B01D 39/08 20060101ALI20170925BHJP
B01D 19/00 20060101ALI20170925BHJP
B01D 35/02 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
A61M1/02 100
A61M1/36 111
B01D39/08 Z
B01D19/00 G
B01D35/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-201196(P2013-201196)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-66045(P2015-66045A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 道弘
【審査官】
宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−334231(JP,A)
【文献】
特開2003−313739(JP,A)
【文献】
実公平05−041869(JP,Y2)
【文献】
米国特許第05766134(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00 − A61M 1/38
A61F 2/01
B01D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液体から異物及び気泡を除去する医療用フィルタにおいて、
樹脂製の縦糸と横糸とを交差させて形成したメッシュ状シートを袋状に加工したものを切断したフィルタ部材と、
前記フィルタ部材を内部に収容し、処理液体の流入口と流出口を有するフィルタケースと、
を有し、
前記フィルタ部材の切断部側が、前記フィルタケースの前記流入口側又は前記流出口側のいずれか一方の端部に接合されており、
前記フィルタ部材の切断端面における切断された糸の糸端部が、糸の太さよりも大きな径の球形状をなし、かつ、隣接する切断された糸同士が結合していない
ことを特徴とする医療用フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載する医療用フィルタの製造方法において、
前記フィルタ部材のカット端面における前記球形状を、レーザによって前記切断を行うことにより形成する
ことを特徴とする医療用フィルタの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載する医療用フィルタの製造方法において、
前記切断を9.6μmの波長のCO2 レーザによって行う
ことを特徴とする医療用フィルタの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載する医療用フィルタの製造方法において、
前記CO2 レーザの出力が11.5〜21.5Wの範囲内に設定される
ことを特徴とする医療用フィルタの製造方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載する医療用フィルタの製造方法において、
前記CO2 レーザの走査速度が2600〜4800mm/secの範囲内に設定される
ことを特徴とする医療用フィルタの製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載する医療用フィルタにおいて、
前記フィルタケースは、
フィルタケース本体と、
前記流入口を備える入口キャップと及び前記流出口を備える出口キャップの少なくとも一方のキャップとを有し、
前記フィルタ部材の切断部側が、前記キャップとともに前記フィルタケース本体に接合されている
ことを特徴とする医療用フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中の異物や気泡を除去する医療用フィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用フィルタとして、例えば、血液中の気泡や異物(凝縮物)を除去するものがある。このような医療用フィルタは、血液成分採取回路等に設置されて供血者から採取した血液を処理している。そして、血液成分採取装置において、医療用フィルタで処理された血液から必要な血液成分が採取された後、供血者へ血液が返還されている(特許文献1参照)。
【0003】
そして、この種の医療用フィルタでは、フィルタ部材であるメッシュが円筒形のフィルタケース内部に収容されて、両側がキャップで封止されたものが多く使用されている。ここで、フィルタケース内に収容されているメッシュとして、例えば、袋状に加工されたメッシュの中央を2つに切断したものがある。このメッシュの切断は、ハサミなどの刃物で行われているのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−291872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フィルタケース内に収容するフィルタ部材であるメッシュを、ハサミなどの刃物で切断すると、切断部分からメッシュを構成する糸がほつれたり、糸の切断片が発生してしまう。このような糸クズが発生すると、その糸くずが製品内部に入り込み、異物不良や血液漏れを引き起こしてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、フィルタ部材であるメッシュの切断片やほつれの発生を確実に防ぎ、異物不良や液漏れが発生しない医療用フィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、処理液体から異物及び気泡を除去する医療用フィルタにおいて、樹脂製の縦糸と横糸とを交差させて形成したメッシュ状シートを袋状に加工したものを切断したフィルタ部材と、前記フィルタ部材を内部に収容し、処理液体の流入口と流出口を有するフィルタケースと、を有し、前記フィルタ部材の切断部側が、前記フィルタケースの前記流入口側又は前記流出口側のいずれか一方の端部に接合されており、前記フィルタ部材の切断端面における
切断された糸の糸端部が、糸の太さよりも大きな径の球形状をなし、かつ、隣接する切断された糸同士が結合していないことを特徴とする。
【0008】
この医療用フィルタでは、濾材として機能するフィルタ部材として、樹脂製の縦糸と横糸とを交差させて形成したメッシュ状シートを袋状に加工したものを切断したものを使用している。そして、そのフィルタ部材の切断端面における縦糸又は横糸のいずれか一方の各糸端部に、隣接するいずれか一方の糸同士が結合することなく糸の太さよりも大きな径の球形状が形成されている。
【0009】
そのため、メッシュの切断部分から糸がほつれたり、糸の切断片が発生することを防止することができる。従って、フィルタ製造時に糸クズが発生しない。これにより、フィルタ製造時に、糸クズが製品内に混入することがなくなり、異物不良や液漏れの発生を確実に防止することができる。
【0010】
ここで、上記した医療用フィルタ
の製造方法として、前記フィルタ部材のカット端面における前記球形状
を、レーザによって前記切断を行うことにより形成
することが好ましい。
【0011】
このように、レーザによってメッシュ状シートを袋状に加工したものを切断してフィルタ部材を作成することにより、短時間で簡単にフィルタ部材のカット端面における糸端部を球形状に形成することができる。これにより、生産効率も向上させることができる。
【0012】
そして、上記した医療用フィルタ
の製造方法において、
前記切断を9.6μmの波長のCO
2 レーザによって
行うことが望ましい。
【0013】
このような短波のCO
2 レーザによって切断することにより、切断する材料(つまり、樹脂製のメッシュ)への吸収率が高く熱影響を与えないため、樹脂製のメッシュに対して熱影響による品質変化を発生させることがない。そのため、メッシュ状シートを袋状に加工したものを、短波のCO
2 レーザによって切断してフィルタ部材を作成することにより、フィルタ部材のカット端面における糸端部を、確実に、隣接するいずれか一方の糸同士を結合させることなく球形状にすることができる。
【0014】
また、この場合には
、前記CO
2 レーザの出力が11.5〜21.5Wの範囲内に設定され
る、及び/又は前記CO
2 レーザの走査速度が2600〜4800mm/secの範囲内に設定され
ることが好ましい。
【0015】
このような切断条件で切断されていることにより、より確実に、フィルタ部材の切断端面における糸端部が糸の太さよりも大きな径の球形状になるとともに、隣接する糸同士が結合して溶融塊を形成することを防止することができる。
【0016】
また、上記した医療用フィルタにおいて、前記フィルタケースは、フィルタケース本体と、前記流入口を備える入口キャップと及び前記流出口を備える出口キャップの少なくとも一方のキャップとを有し、前記フィルタ部材の切断部側が、前記キャップとともに前記フィルタケース本体に接合されていれば良い。
【0017】
このような簡単な構成で異物不良や液漏れが発生しない医療用フィルタを実現することができる。
なお、フィルタケース本体とキャップとの接合は、接着又は融着により行えば良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る医療用フィルタによれば、上記した通り、フィルタ部材であるメッシュの切断片やほつれの発生を確実に防ぎ、異物不良や液漏れが発生しない医療用フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施の形態に係る医療用フィルタの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る医療用フィルタの断面図である。
【
図5】レーザの照射条件を決定するために行った試験結果を示す図である。
【
図6】袋状メッシュを切断する状態を示す図である。
【
図7】実施の形態に係る医療用フィルタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の医療用フィルタを具体化した実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。そこで、本実施の形態に係る医療用フィルタについて、
図1〜
図5を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係る医療用フィルタの斜視図である。
図2は、実施の形態に係る医療用フィルタの断面図である。
図3は、フィルタ部材の形状を示す図である。
図4は、
図3に示すA部の拡大図である。
図5は、レーザの照射条件を決定するために行った試験結果を示す図である。
なお、本実施の形態では、血液成分採取装置に備わる血液回路に本発明を適用した場合、具体的には、採血ラインの途中に本実施の形態に係る医療フィルタを設置して血液の処理を行う場合について説明する。
【0021】
本実施の形態に係る医療用フィルタ10は、
図1及び
図2に示すように、フィルタケース20と、フィルタ部材30とを備えている。そして、フィルタケース20内にフィルタ部材30が収容されており、医療用フィルタ10は、フィルタケース20内を通過する血液中の異物(微小凝集物)や気泡などを除去するようになっている。
【0022】
フィルタケース20は、フィルタケース本体21と、入口キャップ22と、出口キャップ23とを備えている。フィルタケース本体21は、両端が開口する円筒形状をなす部材であり、その内部にフィルタ部材30を収容するようになっている。
【0023】
入口キャップ22には、管状のポートが端面から突出して形成されており、ポート先端に処理液体である血液をフィルタ内に導入する流入口22aが設けられている。この流入口22aは、不図示の採血ラインに接続される。また、入口キャップ22には、フィルタケース本体21の一端部に差し込む環状溝22eが形成されている。そして、入口キャップ22は、フィルタケース本体21の一端部に接合されている。これにより、入口キャップ22によって、フィルタケース本体21の一方の開口が封止されている。
【0024】
出口キャップ23には、2本の管状のポートが端面から突出して形成されており、一方のポート先端に医療用フィルタ10で処理された血液をフィルタ外へ導出する流出口23aが設けられている。この流出口23aは、不図示の採血ラインに接続される。また、出口キャップ23には、フィルタケース本体21の他端部に差し込む環状溝23eが形成されている。そして、出口キャップ23は、フィルタケース本体21の他端部に接合されている。これにより、出口キャップ23によって、フィルタケース本体21の他方の開口が封止されている。なお、本実施の形態では、出口キャップ23における流出口23aが設けられていない他方のポートは、採血ライン以外に接続され、採血ラインの内圧の検出等に用いられる。
【0025】
なお、流入口及び流出口(入口キャップ及び出口キャップ)は、便宜上の名称であり、上記とは逆に処理液体が流れる、つまり流出口から処理液体がフィルタ内に導入され、流入口から処理された液体が流出する場合であっても、医療用フィルタ10を使用することができる。
また、本実施の形態では、フィルタケース20は、フィルタケース本体21、入口キャップ22、出口キャップ23がそれぞれ別体である3ピース構造であるが、入口キャップ22又は出口キャップ23のいずれか一方がフィルタケース本体21と一体化された2ピース構造のものであっても良い。
さらに、フィルタケース20の全体形状は、必ずしも完全な円柱状をなしている必要はなく、例えば一部が欠損している形状、異形部分が付加された形状などでもよい。また、その他の形状、例えば直方体等であっても良い。
【0026】
フィルタケース20の各部品は、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料などで構成されている。そして、フィルタケース本体21に対し、キャップ22,23は、接着剤による接着、又は融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)等の方法により液密に接合されている。なお、本実施の形態では、接着剤を用いてフィルタケース本体21と入口キャップ22及び出口キャップ23を接合している。
【0027】
フィルタ部材30は、樹脂製の縦糸31と横糸32とを交差させて形成したメッシュ状(網状)シートを袋状に加工した袋状メッシュ30a(
図6参照)を切断(二分割)したものである。そのため、フィルタ部材30は、
図3に示すように、開口端となる切断部33が形成されている。そして、切断部33側が、フィルタケース本体21の入口キャップ22を装着する側に接合されている。具体的には、フィルタ部材30の切断部33側の一部が、入口キャップ22、フィルタケース本体21に接着剤によって接合されている。これにより、フィルタ部材30の取付けを容易にすることができるとともに、フィルタ部材30の部分的な剥離等が防止されて隙間なく接合された状態を維持することができ、気泡の漏れ等を有効に防止することができる。
なお、フィルタ部材30として、メッシュ状シートを使用することにより、気泡をより確実に捕捉することができるとともに、血液が容易に通過することができ、血液の処理効率を高めることができる。
【0028】
フィルタ部材30の構成材料(縦糸31、横糸32の構成材料)としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、セルロース、ポリウレタン、アラミド繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、縦糸31と横糸32とを異なる組成としたり、縦糸31および/または横糸32を混紡としたりすること等)用いることができる。
【0029】
また、フィルタ部材30は、親水性を有するのが好ましい。すなわち、フィルタ部材30は、それ自体が親水性を有する材料で構成されている、又は親水化処理(例えば、プラズマ処理等)が施されていることが好ましい。これにより、血液成分採取装置のプライミング時の気泡除去が容易になるだけでなく、気泡が混入した血液が通過する際には、気泡の通過がより困難となるため、フィルタ部材30の気泡除去能(気泡捕捉能)がより向上し、流出口23aからの気泡の流出をより確実に防止することができる。また、フィルタ部材30における血液の通過抵抗も低減し、血液の処理効率が向上する。
【0030】
ここで、フィルタ部材30は、袋状メッシュ30aをレーザにより切断したものである。具体的には、袋状メッシュ30aを、9.6μmの波長のCO
2 レーザによって切断したものである。このようにレーザを用いて切断することにより、
図4に示すように、切断部33において、縦糸又は横糸のいずれか一方(本実施の形態では横糸32)の糸端部を、隣接するいずれか一方の糸同士(本実施の形態では横糸32)が結合することなく糸の太さよりも大きな径の球形状にすることができる。これにより、フィルタ部材30の切断部33における糸端部が糸の太さDaよりも大きな径Dbの球形状になるとともに、隣接する糸同士が結合して溶融塊を形成することを防止することができる。
さらに、糸端部が球形状に形成された糸(本実施の形態では横糸32)の切断端部に隣接して交差する糸(本実施の形態では縦糸31a)が交差する糸(本実施の形態では横糸32)と結合していることが好ましい。これにより糸くずの発生がさらに抑えられる。すなわち、上記の処理条件で、縦糸と横糸が切断端部の近傍でわずかに結合させることができる。
【0031】
そして、本実施の形態では、袋状メッシュ30aを切断するレーザとして、9.6μmの波長のCO
2 レーザを使用している。このように、短波のCO
2 レーザを使用することにより、切断する材料、つまり袋状メッシュ30aへのエネルギー吸収率が高く熱影響を与えないため、袋状メッシュ30aに対して熱影響による品質変化を発生させないようにすることができる。
【0032】
このようなCO
2 レーザの照射条件は、出力が11.5〜21.5Wの範囲内に、走査速度が2600〜4800mm/secの範囲内になるように設定されている。
図5からわかるように、レーザの出力については、11.31Wで未切断部分が生じなかった限界域となる。また、切断時間が9秒以上になると従来の刃物による切断と比べて切断時間を短縮することができないため、レーザの走査速度は2526mm/sec以上であることが必要である。そして、上記のレーザ照射条件下で袋状メッシュ30aを切断することにより、短時間で簡単かつ確実に、フィルタ部材30(袋状メッシュ30a)の切断部33における糸端部を所望の球形状にすることができる。また、医療用フィルタ10の生産効率も向上する。
なお、
図5において、右側へ向かってレーザの走査速度が大きくなり、下側へ向かって出力が大きくなっている。図中の「×」は未切断部分が生じた領域(NG領域)、「○」は未切断部分が生じなかった限界域、「◎」は安全領域(OK領域)を示している。
【0033】
ここで、CO
2 レーザの照射条件として、好ましくはレーザ出力が15.0W以上、レーザの走査速度が2800mm/sec以上に設定する良い。より好ましくはレーザ出力が18.0W以上、レーザの走査速度が3000mm/sec以上に設定すると良い。このような照射条件に設定することにより、切断部分に黄変が発生することを確実に防止することができるとともに、レーザ出力が低下してきた際にも確実にOK領域内にて切断を行うことができるからである。なお、2666mm/sec以下の走査速度で切断試験を行った際に(2526mm/secと2666mm/secの場合)、切断部分に薄い黄変が発生する場合が見受けられた。
【0034】
次に、上記の医療用フィルタ10を製造する手順について、
図6及び
図7も参照しながら説明する。
図6は、袋状メッシュを切断する状態を示す図である。
図7は、実施の形態に係る医療用フィルタの分解斜視図である。
まず、不図示のメッシュ状シートを袋状に加工した袋状メッシュ30aをCO
2 レーザにより切断する。本実施の形態では、
図6に示すように、5つの袋状メッシュ30aを並べた状態で、一点鎖線Lに沿ってCO
2 レーザを照射する。そして、そのレーザ走査を複数回往復させて袋状メッシュ30aを切断する。
続いて、切断して形成されたフィルタ部材30、及びフィルタケースの構成品(フィルタケース本体21、入口キャップ22、及び出口キャップ23)を洗浄する。
【0035】
そして、フィルタケース本体21に対して、入口キャップ22及びフィルタ部材30をフィルタケース本体21に取り付ける。具体的には、フィルタケース本体21内にフィルタ部材30を挿入する。つまり、フィルタケース本体21内に、フィルタ部材30を切断部33側が入口キャップ22を取り付ける側に位置するように配置する。そして、入口キャップ22の環状溝22eの内壁部分に、切断部33(開口部分)が拡げられた(フォーミングされた)フィルタ部材30を接着剤を用いて結合する。このとき、入口キャップ22とフィルタケース本体21も接着剤によって結合される。これでフィルタケース本体21の一方の開放端が封止される。
【0036】
次いで、フィルタケース本体21の他方の端部に、出口キャップ23を取り付ける。具体的には、フィルタケース本体21の他方の端部に、出口キャップ23を接着剤により接合する。これでフィルタケース本体21の他方の開放端が封止される。かくして、
図1に示す医療用フィルタ10が完成する。
【0037】
続いて、医療用フィルタ10の動作について説明する。医療用フィルタ10では、流入口22aから血液が流入すると、その血液はフィルタ部材30を通過する。このとき、血液中に気泡や凝集物が混入していると、フィルタ部材30により捕捉される。そして、気泡や凝集物が除去された血液(フィルタ部材30を通過した血液)は、流出口23aより流出して血液回路へと流れていく。そして、血液回路において、医療用フィルタ10によって気泡や凝集物が除去された血液から各種血液成分が採取される。
【0038】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る医療用フィルタ10によれば、樹脂製の縦糸31と横糸32とを交差させて形成したメッシュ状シートを袋状に加工した袋状メッシュ30aを切断したフィルタ部材30において、切断部33における横糸32(又は縦糸)の各端部に、隣接する糸同士が結合することなく糸の太さDaよりも大きな径Dbの球形状が形成されている。そのため、切断部から糸がほつれたり、糸の切断片が発生することを防止することができ、フィルタ製造時に糸クズが発生しない。これにより、フィルタ製造時に、糸クズが製品内に混入することがなくなり、異物不良や液漏れの発生を確実に防止することができる。
【0039】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、キャップに備わるポートの形成位置や本数、及び突出方向については、図示の構成と異なる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
10 フィルタ
20 フィルタケース
21 フィルタケース本体
22 入口キャップ
22a 流入口
23 出口キャップ
23a 流出口
30 フィルタ部材
30a 袋状メッシュ
31(31a) 縦糸
32 横糸
33 切断部
Da 糸の太さ(直径)
Db 切断部の大きさ(糸端部の球形状部分の直径)