特許第6209091号(P6209091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6209091ゴムシール用表面処理液および該表面処理液を用いたゴムシールの表面改質方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209091
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ゴムシール用表面処理液および該表面処理液を用いたゴムシールの表面改質方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 7/14 20060101AFI20170925BHJP
   F16J 15/20 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C08J7/14CEQ
   F16J15/20
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-9355(P2014-9355)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2015-137304(P2015-137304A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100122688
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄
(72)【発明者】
【氏名】奥田 智昭
【審査官】 中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/023547(WO,A1)
【文献】 特開昭56−063432(JP,A)
【文献】 特開昭60−231739(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0248067(US,A1)
【文献】 特開2012−168309(JP,A)
【文献】 特開2010−156760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 71/04
C08J 7/00 − 7/02
7/12 − 7/18
F16J 15/16 − 15/32
15/324− 15/3296
15/46 − 15/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)塩素化イソシアヌル酸、(B)第3級アルコール系溶媒、並びに(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒を含み、
(B)第3級アルコール系溶媒が、tert−アミルアルコールおよび/またはtert−ヘプチルアルコールである、ゴムシール用表面処理液。
【請求項2】
(A)塩素化イソシアヌル酸が、トリクロロイソシアヌル酸である、請求項1記載のゴムシール用表面処理液。
【請求項3】
(B)第3級アルコール系溶媒と(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒との配合比((B):(C))が、重量比で5:5〜8:2である、請求項1または2記載のゴムシール用表面処理液。
【請求項4】
(A)塩素化イソシアヌル酸の含有量が、当該処理液全体当たり1〜10重量%である、請求項1〜のいずれか1項記載のゴムシール用表面処理液。
【請求項5】
ゴムシールがニトリルゴム(NBR)を含む、請求項1〜のいずれか1項記載のゴムシール用表面処理液。
【請求項6】
ゴムシールが摺動部用ゴムシールである、請求項記載のゴムシール用表面処理液。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項記載の表面処理液をゴムシールの表面に付すことを特徴とする、ゴムシールの表面改質方法。
【請求項8】
表面処理液中にゴムシールを浸漬することを含む、請求項記載の方法。
【請求項9】
浸漬時間が1〜10分である請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムシールの伸張性を低下させることなく、ゴムシールの表面に低摩擦性を付与し、かつ、保管時のゴムシール同士の粘着防止を図るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からトリクロロイソシアヌル酸を使用してゴムや樹脂の表面処理を行うことが知られている。例えば、特許文献1、2にはトリクロロイソシアヌル酸によってゴム表面の摩擦係数低減と耐オゾン性の改良が図られることが開示されている。また、特許文献2にはトリクロロイソシアヌル酸を水に溶解させた処理液はトリクロロイソシアヌル酸を有機溶媒に溶解させた処理液に比べてゴムに発生するシワを防止できる点で有利であることが謳われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56―63432号公報
【特許文献2】特開昭60―108438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電車などのドアの開閉駆動に用いられる空気圧シリンダ、電磁弁、または、スプール弁などにおける摺動部分、すなわち、回転や往復運動する部材(ピストン、スプール等)とこれに対面する部材(シリンダ、スリーブ等)間には、その摺動性を損なうことなく、これらの間に流れる流体を密封するために、パッキンなどのシールが装着される。このような摺動部分に適用される、所謂、摺動部用シールにおいては、運動部の摺動性を損なうことなく、運動部を作動させる作動液体または作動気体を密封することが必要となるため、表面の摩擦係数が小さいことが要求される。この種のシールとしては、例えば、コスト、耐油性等の観点から、ニトリルゴム(NBR)が多く使用されているが、ニトリルゴムは摩擦係数が高い。このため、ニトリルゴムからなるシールの表面を上述の従来の処理液で処理をしたところ、処理液がシールの内部まで浸透して、シールの内部まで処理されてしまい、その結果、シールを伸張するとシールの表面に亀裂が発生し、シール性能が低下してしまうことが分かった。また、工業的に大量生産された、主成分がゴムからなるシールは、装置や機器に実際に装着する作業を行うまでは一括して保管されるために、保管されている間にシール同士が付着し、装置や機器に装着する前に付着したシール同士を分離する作業が必要になる。このため、シールが装着される装置や機器の製造効率を低下させる原因になっている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その解決しようとする課題は、主成分がゴムからなるシール(以下、単に「ゴムシール」ともいう。)に対して、伸張性を低下させることなく、表面に低摩擦性を付与でき、しかも、保管時のゴムシール同士の付着防止(以下、「防着」とも略称する)効果も付与できる、ゴムシール用表面処理液および該表面処理液を使用したゴムシールの表面改質方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、第3級アルコール系溶媒と、エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒とを含む混合溶媒にトリクロロイソシアヌル酸等の塩素化イソシアヌル酸を配合して得られる処理液は、ゴムシールの内部への浸透が抑制されて、ゴムシールの伸張性を損なうことなく、ゴムシールの表面に低摩擦性と防着性を付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] (A)塩素化イソシアヌル酸、(B)第3級アルコール系溶媒、並びに(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒を含む、ゴムシール用表面処理液。
[2] (A)塩素化イソシアヌル酸が、トリクロロイソシアヌル酸である、上記[1]記載のゴムシール用表面処理液。
[3] (B)第3級アルコール系溶媒が、tert−アミルアルコールおよび/またはtert−ヘプチルアルコールである、上記[1]または[2]記載のゴムシール用表面処理液。
[4] (B)第3級アルコール系溶媒と(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒との配合比((B):(C))が、重量比で5:5〜8:2である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のゴムシール用表面処理液。
[5] (A)塩素化イソシアヌル酸の含有量が、当該処理液全体当たり1〜10重量%である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のゴムシール用表面処理液。
[6] ゴムシールがニトリルゴム(NBR)を含む、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のゴムシール用表面処理液。
[7] ゴムシールが摺動部用ゴムシールである、上記[6]記載のゴムシール用表面処理液。
[8] 上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の表面処理液をゴムシールの表面に付すことを特徴とする、ゴムシールの表面改質方法。
[9] 表面処理液中にゴムシールを浸漬することを含む、上記[8]記載の方法。
[10] 浸漬時間が1〜10分である上記[9]記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のゴムシール用表面処理液は、ゴムシールに対して、ゴムシールの伸張性を低下させることなく、低摩擦性および防着性を効果的に付与することができる。特にニトリルゴム(NBR)のような表面の摩擦係数が高いゴムを含むゴムシールであっても、伸張性を低下させることなく、低摩擦性を付与できる。このため、例えば、本発明の表面処理液により、ニトリルゴム(NBR)を含むゴムシールを表面処理することで、ニトリルゴム(NBR)が有する優れた耐油性及び機械的特性を活かしつつ、運動部の摺動性を維持し得る摺動部用シールを実現できる。また、本発明のゴムシール用表面処理液にて処理されたゴムシールは優れた防着性を示すため、保管時のゴムシール同士の付着を防止でき、ゴムシールが装着される装置や機器の製造現場において付着したゴムシール同士を分離する作業が不要になるため、装置や機器の製造効率向上に繋がる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
本発明のゴムシール用表面処理液(以下、単に「表面処理液」または「処理液」とも略称する。)は、
(A)塩素化イソシアヌル酸(以下、「(A)成分」ともいう。)、
(B)第3級アルコール系溶媒(以下、「(B)成分」ともいう。)、並びに
(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒(以下、「(C)成分」ともいう。)
を含むことが、主たる特徴である。
【0010】
[(A)塩素化イソシアヌル酸]
本発明において、「塩素化イソシアヌル酸」とは、塩素化イソシアヌル酸の塩も含む概念であり、例えば、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びその水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、低摩擦性付与効果の観点からトリクロロイソシアヌル酸が特に好ましい。塩素化イソシアヌル酸は1種または2種以上を使用できる。
【0011】
処理液中の塩素化イソシアヌル酸の含有量は、処理液全体当たり1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜5重量%である。10重量%より多いと、ゴムシールの伸張性を低下させる傾向となり、1重量%未満ではゴムシール表面に十分な低摩擦性を付与することが困難な傾向となる。特に、2〜5重量%であれば、伸張性の維持効果(伸張性低下の抑制効果)、低摩擦性の付与効果および防着性の付与効果のバランスのよい処理液となる。
【0012】
[(B)第3級アルコール系溶媒]
第3級アルコール系溶媒は、本発明の処理液を室温処理にて所期の効果が得られる処理液とする観点から、炭素数が5〜10程度の第3級アルコール系溶媒が好ましく、例えば、tert−アミルアルコール、tert−ヘプチルアルコール等が挙げられ、好ましくはtert−アミルアルコールである。第3級アルコール系溶媒は1種または2種以上を使用できる。
【0013】
[(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒]
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、好ましくは、酢酸エチルである。また、ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)等が挙げられ、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)である。エステル系溶媒およびケトン系溶媒は、それぞれ、1種または2種以上を使用できる。
【0014】
当該(C)成分の好ましい態様は、エステル系溶媒の単独、或いは、エステル系溶媒とケトン系溶媒の併用である。エステル系溶媒とケトン系溶媒の併用の場合、エステル系溶媒とケトン系溶媒の量比(エステル系溶媒:ケトン系溶媒)は重量比で1:1〜2程度が好ましい。
【0015】
(B)第3級アルコール系溶媒を使用せず、(A)塩素化イソシアヌル酸を(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒に溶解させて得られる処理液の場合、処理液がゴムシールの内部に浸透して、ゴムシールの伸張性が低下してしまう。このため、ゴムシールが引き伸ばされると、表面に亀裂を発生し、シール性能を維持できなくなる。一方、(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒を使用せず、(A)塩素化イソシアヌル酸を(B)第3級アルコール系溶媒に溶解させて得られる処理液の場合、ゴムシールの伸張性は低下させないものの、十分に高い防着性の付与効果を得ることが困難になる。
【0016】
本発明の表面処理液において、(B)第3級アルコール系溶媒と(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒との配合比((B):(C))は、重量比で5:5〜8:2が好ましく、6:4〜7:3がより好ましい。
【0017】
本発明の表面処理液には、本発明の効果を損なわない範囲で、(B)成分および(C)成分以外の溶媒をさらに配合してもよい。
【0018】
本発明はゴムシールの表面を簡易に改質することを目的としており、本発明の処理液は、室温保存において、(A)塩素化イソシアヌル酸が溶解状態にあることが好ましい。処理液中に(A)塩素化イソシアヌル酸の沈殿や析出物がある場合、所期の処理効果が得られ難くなる。
【0019】
ゴムシールの表面に、本発明の処理液を付す(接触させる)方法は特に限定されないが、ゴムシールを処理液中に浸漬する処理、ゴムシールに処理液をスプレー塗布する処理、はけ塗り等が挙げられるが、作業が簡易で、短時間で効果が得られるという観点から、浸漬処理が好ましい。浸漬時間は1〜20分程度が好ましく、より好ましくは1〜10分程度である。20分を超えると、処理液がゴムシール内部に浸透してゴムシールの伸張性を低下させる傾向となる。浸漬後は、水またはアルコール等の有機溶媒に数秒程度浸すことでゴム表面の処理液を洗浄し、その後取り出して室温で自然乾燥させる。
【0020】
本発明の表面処理液は、ゴム成分が、天然ゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる、種々のゴムシールの表面改質に適用でき、また、処理対象のゴムシールは未加硫ゴムの成形体であっても加硫ゴムの成形体のいずれであってもよい。ゴムシールが、ニトリルゴム(NBR)を含むゴムシールの場合、本発明の表面処理液にて表面改質を行うことで、ニトリルゴム(NBR)が有する優れた耐油性及び機械的特性を活かしつつ、運動部の摺動性を維持し得る摺動部用シールを実現できる。
【0021】
なお、本発明でいう「ゴムシール」とは、ゴムを主成分とするシール(成形体)であり、特に限定はされないが、一般的には、シール(成形体)全体の少なくとも30重量%以上がゴム成分からなるシールを意味する。
【実施例】
【0022】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0023】
実施例1〜4
(処理液の調製)
(A)塩素化イソシアヌル酸としてトリクロロイソシアヌル酸を、(B)第3級アルコール系溶媒としてtert−アミルアルコール(以下、「tAA」とも略称する)を、(C)エステル系溶媒および/またはケトン系溶媒として酢酸エチル(以下、「EA」とも略称する)をそれぞれ使用し、溶媒となるtAAとEAの配合比がtAA:EA=8:2、7:3、6:4及び5:5の4通りとなるように、かつその各々に溶解しているトリクロロイソシアヌル酸が2重量%となるように配合した4種類の処理液を、それぞれ均一に溶解するまで混合・撹拌して調整した。
【0024】
(試料)
ゴム成分がNBRからなるシート状に加硫成形した成形体を50mm(縦)×20mm(横)×2mm(厚さ)に加工し、作製した。
【0025】
(処理方法)
処理液中に上記の試験片を所定時間(1分、5分、10分)浸漬後、洗浄、乾燥処理して、表面改質を行った。
【0026】
比較例1
溶媒をEAのみに変更して処理液を調製した以外は実施例と同様にして表面改質を行った。
【0027】
比較例2
溶媒をtAAのみに変更して処理液を調製した以外は実施例と同様にして表面改質を行った。
【0028】
以上、作製した実施例1〜4、比較例1、2のゴム部材(試料)に対して下記の評価試験を実施した。
【0029】
[評価試験]
(1)摩擦試験(静摩擦係数及び動摩擦係数の測定)
JIS K7125を参考にHEIDON社製の表面性測定器を用いた。水平な試験テーブル上で試験片(任意サイズ)にボール圧子(SUS304)を接点に100gの荷重をかけ、75mm/minで試験片を水平に動かした際のボール圧子と試験片間の摩擦係数を測定した。
【0030】
(2)防着性試験
試験片の処理表面同士を接触させて上から1kg程度の荷重を5分程度かけ、荷重を取り除いた際に、試験片同士が付着しており、多少の振動を与えたり振ったりしても全く分離しない場合を不可(×)、付着はしているが、軽く振動を与えたり振ったりすれば分離する場合を可(△)、付着していない場合を良好(○)とした。
【0031】
(3)伸張性試験
試験片を100%〜150%程度伸張させ、その表面を目視で観察して亀裂が認められるものを不可(×)、目視では亀裂は全く認められないが、その表面をマイクロスコープ(200倍)で観察した場合に認められるものを可(△)、200倍でも亀裂が認められないものを良好(○)とした。
【0032】
下記表1〜6が試験結果である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
上記の表1〜6の結果から、本発明の表面処理液であれば、ゴムシールに対して、伸張性を低下させることなく、低摩擦性および防着性を付与できることが分かる。