特許第6209093号(P6209093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209093
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】流量制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20170925BHJP
   F16K 11/14 20060101ALI20170925BHJP
   F02D 9/02 20060101ALI20170925BHJP
   F02M 69/32 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   F16K31/04 K
   F16K11/14 Z
   F02D9/02 305P
   F02M69/32 A
   F02M69/32 G
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-11985(P2014-11985)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-140809(P2015-140809A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】坂口 真慶
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−163890(JP,A)
【文献】 特開2015−140656(JP,A)
【文献】 特開2003−139011(JP,A)
【文献】 特表2006−524787(JP,A)
【文献】 米国特許第6375086(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00−31/05
F16K 11/00−11/24
F02M 69/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が通過する第1開口部と流体が通過する第2開口部が形成されたボデーと、
駆動源によって正逆方向に回転可能な回転シャフトと、
前記回転シャフトの一端部に係合して設けられ、当該回転シャフトの回転に基いて当該回転シャフトの軸方向に沿って移動することにより、前記第1開口部を外周部によって開閉するとともに、前記第2開口部に、一端部が接離する弁体と、
前記弁体を前記回転シャフトの他端部側に付勢する付勢部材とを備え、
前記弁体の一端部に、前記第1開口部が前記弁体の外周部によって全閉状態になる場合に、前記第2開口部に当接する当接部と、流体を流通させる流路部が設けられていることを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】
前記当接部は前記弁体の周方向に所定間隔で複数設けられ、周方向において隣り合う当接部間に前記流路部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
【請求項3】
前記当接部に、前記弁体の一端部側に向かうほど前記弁体の軸側に傾き、かつ前記第2開口部に当接する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁。
【請求項4】
前記弁体に、当該弁体が前記回転シャフトの軸方向の他端部側に移動して、当該弁体の外周部が前記第1開口部を全開状態とした場合に、前記回転シャフトの一端部に当接する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の駆動源の回転により作動して流体の流量を制御する流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車や自動二輪等の車両において、例えば、電子制御装置により燃料噴射と点火がコントロールされるエンジンの場合に、空気制御バルブとしてのスロットルバルブの横に、電子制御されるもう一つの空気制御バルブであるISCV(アイドル・スピード・コントロール・バルブ)が設けられ、エアコンが作動したときのアイドルアップの制御を行ったり、アイドリングを安定させるような制御を行ったりしている。すなわち、ISCVは、例えば、自動車がスロットルバルブを絞ってアイドリング状態になっている際に、エンジンへの吸気量を制御して、エンジンをアイドリング時の目標回転数になるように制御している。
【0003】
ISCVは、例えば、弁を動作させるアクチュエータとしてのステッピングモータと、このステッピングモータの回転するシャフトと、このシャフトとの間にねじ機構を有し、シャフトの軸方向に移動する弁体とを備えている。シャフトの先端部側は、雄ねじとされており、この雄ねじの部分に弁体に設けられたナット部が螺合しており、シャフトの正転および反転に基いて、弁体がシャフトの軸方向に移動することによって、アイドリング時のエンジンへの吸気の流量が制御される。
【0004】
このような流量制御弁の一例として特許文献1に記載のものが知られている。この流量制御弁は、吐出口と吸入口の両者が弁体によって閉鎖されて閉弁状態となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−96388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の流量制御弁では、閉弁状態において吐出口だけでなく吸入口も弁体によって閉鎖されている。したがって、吸入口で気圧変化が生じて、弁体が吸入口の外側に向けて引っ張られた状態になり、弁体に負荷がかかるおそれがあるとともに、吐出口の開度が閉じ気味の小流量制御時の流量安定性の確保が困難になるおそれがある。
しかし、閉弁状態において吸入口に弁体を当接させた方が構成簡素となり位置精度を出し易い。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、弁体の閉弁位置の位置精度を確保できるとともに、閉弁状態において吸入口を閉鎖することなく、小流量制御時の流量安定性を確保できる流体制御弁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の流体制御弁は、流体が通過する第1開口部と流体が通過する第2開口部が形成されたボデーと、
駆動源によって正逆方向に回転可能な回転シャフトと、
前記回転シャフトの一端部に係合して設けられ、当該回転シャフトの回転に基いて当該回転シャフトの軸方向に沿って移動することにより、前記第1開口部を外周部によって開閉するとともに、前記第2開口部に、一端部が接離する弁体と、
前記弁体を前記回転シャフトの他端部側に付勢する付勢部材とを備え、
前記弁体の一端部に、前記第1開口部が前記弁体の外周部によって全閉状態になる場合に、前記第2開口部に当接する当接部と、流体を流通させる流路部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、吐出口となる第1開口部を閉鎖する場合、回転シャフトが回転して弁体が回転シャフトの軸方向に移動して、当該弁体の外周部によって第1開口部を閉鎖する一方、弁体の一端部に設けられている当接部が吸入口となる第2開口部に当接することによって弁体の閉弁位置の位置精度を確保できる。
また、弁体の当接部が第2開口部に当接しても、当該弁体の一端部には流路部が設けられており、この流路部を流体が流れるので、閉弁状態において吸入口を閉鎖することなく、小流量制御時の流量安定性を確保できる。
【0010】
本発明の前記構成において、前記当接部は前記弁体の周方向に所定間隔で複数設けられ、周方向において隣り合う当接部間に前記流路部が設けられていてもよい。
【0011】
このような構成によれば、閉弁時において、弁体の周方向に所定間隔で設けられた当接部が第2開口部に当接するので、弁体の閉弁位置の位置精度を容易に確保できるとともに、周方向において隣り合う当接部間に設けられた流路部を流体が流れるので、閉弁状態において吸入口を閉鎖することなく、小流量制御時の流量安定性を確実に確保できる。
【0012】
本発明の前記構成において、前記当接部に、前記弁体の一端部側に向かうほど前記弁体の軸側に傾き、かつ前記第2開口部に当接する傾斜面が形成されているのが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、当接部に第2開口部に当接する傾斜面が形成されているので、第2開口部の径に多少のバラツキがあっても、当該第2開口部に傾斜面が確実に当接して、弁体の閉弁位置の位置精度を確実に確保できる。
また、当接部に傾斜面が形成されているので、第2開口部に当接部が入り込むことが可能となる。したがって、弁自体を大きくしなくても弁体の移動量を大きくとることができるので、弁自体をコンパクトにしつつ弁体の制御幅を広げることができる。
【0014】
また、本発明の前記構成において、前記弁体に、当該弁体が前記回転シャフトの軸方向の他端部側に移動して、当該弁体の外周部が前記第1開口部を全開状態とした場合に、前記回転シャフトの一端部に当接する当接部が設けられていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、弁体の外周部が第1開口部を全開状態とした場合に、回転シャフトの一端部に弁体の当接部が当接するので、弁体の開弁位置の位置精度を確実に確保できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、弁体の外周部によって第1開口部を閉鎖する一方、弁体の一端部に設けられている当接部が吸入口となる第2開口部に当接することによって弁体の閉弁位置の位置精度を確保できるとともに、弁体の当接部が第2開口部に当接しても、当該弁体の一端部には流路部が設けられており、この流路部を流体が流れるので、閉弁状態において吸入口を閉鎖することなく、小流量制御時の流量安定性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る流量制御弁の一例を示すもので、開弁状態の流量制御弁の縦断面図である。
図2】同、閉弁状態の流量制御弁の縦断面図である。
図3】同、(a)は弁部材の一部を切り欠いて示す斜視図、(b)は弁部材の背面図である。
図4】同、移動部材の斜視図である。
図5】同、モータケースに設けられた規制部材の斜視図である。
図6】同、移動部材に弁部材を取り付けた状態をモータとともに示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、上端部や下端部など上下方向に関する記載は図面による理解を容易にするためのものであり、流量制御弁の取り付け姿勢などを限定するものではない。
図1および図2は本発明に係る流量制御弁の一例を示す断面図である。図1および図2に示すように、流量制御弁は、ボデー100と、駆動源としてのモータ(ステッピングモータ)101と、弁体102とを備えている。
【0019】
ボデー100は円筒状に形成されており、その内部にモータ101を装填するための円筒状のモータ装填部103と、このモータ装填部103より小径の円筒状の弁体装填部104とが軸方向に連続して設けられている。
モータ101はモータケース105内に設けられている。このモータケース105は、内部が円筒中空の円柱状に形成され、その内周面側にモータ101のステータとして、内周面に沿う環状の二つのコイル101aが軸方向に沿って前後に並んで設けられている。コイル101aはコイルボビン101bに巻かれた状態で、コイル支持部材101cに支持されている。
円環状のコイル101aの内側には、円筒状のマグネット101dを外周に固定した状態に備えている回転体101eが設けられている。この回転体101eがステータに対して回転するロータになっており、ステータとロータからモータが構成され、マグネット101dを有する回転体101eが電磁力により回転するようになっている。
【0020】
また、回転体101eは、内部が円筒中空の円柱状に形成され、その一端部(下端部)に凸部101fが形成され、この凸部101fに貫通孔が形成されている。この貫通孔にロータの回転軸になる回転シャフト106が貫通するとともに、回転シャフト106が固定されている。また、回転体101eの一端部(下端部)は、外周側に鍔状に突出しており、円筒状のマグネット101dの一端部側を位置決めするようになっている。なお、鍔状部分の外周面と、マグネット101dの外周面は、略同じ外径とされるとともに、同軸上に配置されるようになっている。
【0021】
回転シャフト106は丸棒状の部材であり、回転体101eの凸部101fの先端部を略中央として、一端部側(下端部側)がモータケース105からボデー100内に延出している。また、回転シャフト106の他端部側(上端部側)は、回転体101eの内側に配置されている。
また、回転シャフト106の一端部側は、その外周面に雄ねじ部106aが形成されている。なお、ここでは、雄ねじ部106a以外の部分をシャフト部106bとする。
回転シャフト106は、雄ねじ部106aの径が、シャフト部106bの径より大きくなっており、雄ねじ部106aが回転シャフト106の他の部分に対して拡径された形状になっている。この雄ねじ部106aには、後述のように弁体102の雌ねじ部114aが螺合するようになっている。
【0022】
また、回転シャフト106は、その中央部が凸部101fによって支持されており、この凸部101fがモータケース105の軸受部107に回転自在に支持されている。なお、図1において、軸受部107は、モータケース105と一体に図示されているが、モータケース105と別体になっていてもよい。
また、回転シャフト106の他端部(上端部)は、上述のように回転体101eの内側に配置されている状態で、軸支持部108により回転自在に支持されている。軸支持部108は、滑り軸受として機能するとともにラジアル軸受およびスラスト軸受として機能している。すなわち、回転シャフト106が軸支持部108により回転中心を規定されているとともに、回転シャフト106の軸方向に沿って、回転シャフト106の一端部から他端部に向う方向の移動が規制されている。なお、その反対方向への移動は、後述のように付勢部材としての圧縮コイルばね122により規制されている。
【0023】
弁体102は、回転シャフト106の一端部に設けられた雄ねじ部106aが螺合して設けられ、回転シャフト106の回転に基いて回転シャフト106の軸方向に移動することにより、流体が通過する第1開口部110を開閉するようになっている。この第1開口部110はボデー100の弁体装填部104の内周面から外周面に向けて貫通する貫通孔109の内側端部の開口部によって構成されている。
貫通孔109および第1開口部110は、ボデー100の周方向に所定間隔で複数設けられている。そして、この第1開口部110が弁体102によって開閉されるようになっている。
【0024】
弁体102は、弁部材111と移動部材112とを備えている。
弁部材111は、図3(a)に示すように、円筒状に形成されており、その外周面が弁体装填部104の内周面に摺接している(図1および図2参照)。したがって、第1開口部110は弁部材111の外周面(外周部)によって開閉されるようになっている。
また、弁部材111の一端部は円形状に開口しており、他端部には円板状の閉塞板111aが設けられ、図3(b)に示すように、この閉塞板111aの中央部に円形状の貫通孔111bが形成されている。また、閉塞板111aには、貫通孔111bに対して放射状に配置された4つの矩形状の貫通孔111cが形成されている。これら4つの貫通孔111cは周方向に等間隔で配置されている。
【0025】
また、図3(a)に示すように、閉塞板111aの裏面には周方向に等間隔で4つのリブ113が突出形成されている。このリブ113は円弧状の周壁部113aとこの周壁部113aの両端部にそれぞれ形成された直線状の壁部113b,113bとから構成されている。4つのリブ113の4つの周壁部113aの内周面は円形状の貫通孔111bの内周面と軸方向において連続して形成されており、周方向において対向する壁部113b,113bの表面は矩形の貫通孔111cの周方向に対向する面と軸方向において連続して形成されている。
【0026】
図4に示すように、移動部材112は円筒状の本体部114と、この本体部114の一端部に設けられた当接部115と、本体部114の他端部に設けられた規制部116とを備えている。
図1および図2に示すように、本体部114の内部の円筒状の孔の内周面に雌ねじ部114aが形成され、この雌ねじ部114aに回転シャフト106の一端部の雄ねじ部106aが螺合している。雌ねじ部114aが形成された孔の一端部は閉塞して当接面(当接部)114bとなっており、この当接面114bに回転シャフト106の一端面が当接可能となっている。
また、本体部114の外径は、弁部材111の閉塞板111aに設けられた貫通孔111bの内径とほぼ等しいか若干小さくなっており、これによって、本体部114は貫通孔11bを通して弁部材111に挿通可能となっている。
【0027】
当接部115は、第1開口部110が弁部材111の外周面によって全閉状態になる場合に、後述する第2開口部118に当接して、閉弁時における弁体102の位置決めを行うものである。また、当接部115は、弁部材111のリブ113が当接して、弁部材111の移動部材112からの抜け出を防止する抜止部115aを備えている。
図4に示すように、当接部115は、本体部114の一端部に周方向に等間隔で4つ設けられており、周方向に隣り合う当接部115,115の間には流路部117が周方向の等間隔で4つ設けられている。当接部115は、本体部114の先端部に設けられた接頭円錐状の部分を流路部117となる部分で切り欠いて形成されたものであり、当接部115の規制部116側を向く当接面(抜止部)115aがリブ113に当接可能となっている。
また、当接部115は、ボデー100の閉塞板111aに形成された矩形の貫通孔111cを通過可能となるような大きさに形成され、この当接部115の規制部116側を向き、かつ本体部114と直交する面が抜止部(当接面)115aとされている。したがって、当接部115が貫通孔111cを通過した後、本体部114を軸回りに45°回転させることによって、当接部115の抜止部115aがリブ113に当接可能となる。
【0028】
また、当接部115の本体部114の軸に対して傾斜する傾斜面115bは本体部114(弁体102)の一端側に向かうほど本体部114(弁体102)の軸側に近付くように傾斜している。
また、図1および図2に示すように、ボデー100の一端部(下端部)に設けられた閉塞板の中央部には貫通孔(吸入孔)119が設けられており、この吸入孔119の内側端部の開口縁部に第1開口部118が設けられている。
そして、4つの当接部115のそれぞれの傾斜面115bは第1開口部118に当接可能となっている。すなわち、移動部材112の一端部が吸入孔119に進入して、傾斜面115bが第1開口部118に当接することによって、それ以上の移動部材112の移動を規制するようになっている。したがって、傾斜面115bは移動部材112の移動を規制するためのストッパ面となっており、これによって、閉弁時における弁体102の位置決めを行っている。
また、傾斜面115bが第1開口部118に当接した状態において、当該第1開口部118と本体部114との間には流路部117があるので、この流路部117を通して流体(空気)が流通可能となっている。
【0029】
規制部116は、弁部材111が当接して、弁部材111の回転シャフト106の他端部側への移動を規制するものである。規制部116は、図4に示すように、本体部114の他端部に設けられた円板状のフランジ部を周方向に等間隔で4箇所をそれぞれ矩形状に切り欠くことによって、周方向に等間隔で4つ設けられたものであり、周方向に隣り合う規制部116,116間には切欠部120が形成されている。
この切欠部120は流路部117の軸方向の延長線上に配置されており、弁部材111の閉塞板111aに設けられた4つの矩形の貫通孔111cとほぼ等しい形状・大きさとなっている。
【0030】
そして、当接部115が弁部材111の貫通孔111cを通過した後、本体部114を軸回りに45°回転させることによって、当接部115の抜止部115aがリブ113に当接可能となるとともに、矩形の貫通孔111cおよび切欠部120が移動部材112の軸方向に重なって配置され、さらに、規制部116が弁部材111の閉塞板111aに、周方向に隣り合う矩形の貫通孔111c,111c間において当接可能となる。したがって、この規制部116によって、弁部材111の回転シャフト106の他端部側への移動を規制することができる。
【0031】
また、ボデー100内には、図1および図2に示すように、弁体102に係合して、弁体102の軸回りの回転を規制する規制部材121が設けられている。すなわち、モータケース105の他端面に固定される円板105aには、図5に示すように、4本の柱状の規制部材121が周方向に等間隔で設けられている。規制部材121は回転シャフト106と平行に弁体装填部104に向けて延在しており(図1および図2参照)、回転シャフト106が挿通される凸部101fの外周側に周方向に等間隔で配置されている。
また、規制部材121の断面形状は、矩形の貫通孔111cおよび切欠部120とほぼ等しいか若干小さくなっており、貫通孔111cおよび切欠部120が移動部材112の軸方向に重なって配置された場合に、貫通孔111cおよび切欠部120に挿通されることで、弁部材111と移動部材112に係合する、つまり弁体102に係合するようになっている。この規制部材121は円板105aを介してモータケース105に固定されているので、弁体102の軸回りの回転を規制することができる。
【0032】
また、規制部材121の長さは、図6に示すように、移動部材112が上方に移動して、移動部材112の内部の当接面114bに回転シャフト106の下端面が当接した場合(移動部材112が最もモータ101に近付いた場合)において、規制部121の下端部が弁部材111の4つの貫通孔111cに入り込めるような長さに設定されている。したがって、この状態では弁部材111は軸回りの回転が規制部材112によって規制されるとともに、弁部材111のリブ113が移動部材112の抜止部115aに当接しているので、移動部材112からの抜け出、つまりモータ101からの抜け出が防止されている。
【0033】
また、図1および図2に示すように、ボデー100の内部の一端部側(下端部側)、つまり弁体装填部104には、圧縮コイルばね(付勢部材)122が設けられている。圧縮コイルばね122はその一端部(下端部)が弁体装填部104の底面に吸入口118の周囲において設置され、その他端部(上端部)が円筒状の弁部材111の内部に挿入され、弁部材111の閉塞板111aの裏面に、リブ113の外側において圧接されている。したがって、この圧縮コイルばね122によって弁部材111が回転シャフト106の他端側(上端側)に付勢されている。
【0034】
図1に示すように、弁体102が上側に位置するとともに、回転シャフト106の一端面(下端面)が移動部材112の雌ねじ部114aが設けられている孔の下端の当接面114bに当接している状態が、吐出孔109の第1開口部110が開いた開弁位置であり、図2に示すように、弁体102が下側に位置するとともに、移動部材112の一端部(下端部)の傾斜面115bが吸入孔119の第2開口部118に当接している状態が、第2開口部118が閉じた閉弁位置となる。
【0035】
弁体102をモータ101に組み付ける場合、まず、モータ101の回転シャフト106の一端部(下端部)に設けられている雄ねじ部106aに、移動部材112の雌ねじ部114aを螺合することによって、回転シャフト106に移動部材112を係合して取り付けるとともに、4つの規制部材121を移動部材112の他端部に設けられた4つの切欠部120に挿通する。この規制部材121によって移動部材112の回転が規制される。
この場合、モータ101を作動させて、回転シャフト106を正方向に回転させることによって、回転シャフト106の雄ねじ部106aを、移動部材112の雌ねじ部114aに所定長さだけ螺合する。
【0036】
次に、この移動部材112を弁部材111に挿通する。逆に言えば、弁部材111を移動部材112に外挿する。
この場合、弁部材111の4つの貫通孔111cを、移動部材112の4つの当接部115に周方向において合わせたうえで、移動部材112を弁部材111に挿通する。これによって、当接部115が貫通孔111cを通過するとともに、本体部114が中央の貫通孔111bを通過する。
そして、当接部115が貫通孔111cを通過して、リブ113を越えた場合に、移動部材112(本体部114)を軸回りに45°回転させる。これによって、当接部115の抜止部115aと弁部材111のリブ113が対向して、抜止部115aがリブ113に当接可能となるとともに、規制部材121が弁部材111の貫通孔111cと周方向において合致する。
次に、移動部材112を弁部材111にさらに挿通する(弁部材111を移動部材112に外挿する)ことによって、規制部材121が貫通孔111cに挿通される。これによって、弁部材111の回転が規制される。
【0037】
この状態で再びモータ101を作動させて、回転シャフト106を正方向に回転させることによって、図6に示すように、回転シャフト106の一端面(下端面)に、移動部材112の内部の当接面114bを当接させる。
この状態では弁部材111は軸回りの回転が規制部材112によって規制されるとともに、弁部材111のリブ113が移動部材112の抜止部115aに当接しているので、移動部材112からの抜け出、つまりモータ101からの抜け出が防止されている。
【0038】
次に、ボデー100の弁体装填部104に圧縮コイルばね122を挿入し、圧縮コイルばね122を弁体装填部104の底面に設置する。
次に、抜け出が防止された弁部材111と移動部材112とからなる弁体102を弁体装填部104に装填するとともに、圧縮コイルばね122の上端部を弁部材111の閉塞板111aに当接する。なお、この状態では圧縮コイルばね122は圧縮されていない。
【0039】
弁体102を弁体装填部104に装填していくと、弁部材111が圧縮コイルばね122によって上側(回転シャフト106の他端部側)に押されて移動していく。この場合、圧縮コイルばね112は弁部材111の自重により若干圧縮された状態となる。
弁部材111が所定距離だけ上側に移動すると、弁部材111が移動部材112の規制部116に当接し、弁部材111のそれ以上の上側(回転シャフト106の他端部側)への移動が規制される。
また、弁部材111が上側に移動することによって、規制部材121の一端面(下端面)は、弁部材111の一端面(下端面)より下方に位置する。
【0040】
弁部材111が上側に移動して、ボデー100に形成されている吐出孔110を完全に開放する位置より所定距離だけ上方に位置したところで、圧縮コイルばね122が伸びきった状態になるので、この状態から弁体102をモータケース105ごと所定距離だけ下降させることで、圧縮コイルばね122を所定量だけ圧縮する。この場合、弁部材111によって吐出孔110を閉塞しないように、弁体102を下降させる。
その後、モータケース105をモータ装填部103に固定することによって、弁体102のモータ101への組み付けを終了する。この状態において、弁体102は圧縮コイルばね122によって常に上方に付勢されている。弁体102の移動部材112には回転シャフト106が螺合しているので、前記上方への付勢力は回転シャフト106が受け、さらに軸支持部108が受けることになる。
【0041】
このような流量制御弁では、エンジンがアイドリング状態にあるとき、弁体102(弁部材111)が吐出孔109の第1開口部110を開弁する。すなわち、図2に示すように、弁体102が閉弁位置にある場合、モータ101によって回転シャフト106が正方向に回転し、この回転シャフト106の雄ねじ部106aと、移動部材112の雌ねじ部114aの送りネジ作用により、移動部材112が軸線方向の上向きに移動し始め、移動部材112に連動して(移動部材112と同時に)弁部材111が上向きに移動し始め、図1に示すように、その外周面が第1開口部110を開放する。
この際、移動部材112はその雌ねじ部114aが形成された孔の当接面114bに回転シャフト106の一端面(下端面)が当接するまで上向きに移動し、当接した時点でモータ101による回転シャフト106の回転が停止する。そして移動部材112の一端部(下端部)が吸入孔119の第1開口部118から完全に離間して、第1開口部118を完全に開放する。
そして、スロットルバルブよりも上流側のサージタンクから配管を経由して吸入孔119に導かれた空気は、弁体装填部104に流入し、吐出孔110から吐出してエンジンに流入する。
【0042】
一方、アイドリング以外の運転状態になると、図1に示すように、弁体102が開弁位置にある場合、モータ101によって回転シャフト106が逆方向に回転し、弁体102(弁部材111)が吐出孔109の第1開口部110を閉弁する。すなわち、回転シャフト106の雄ねじ部106aと、移動部材112の雌ねじ部114aの送りネジ作用により、移動部材112が軸線方向の下向きに移動し始め、移動部材112に連動して(移動部材112と同時に)弁部材111が下向きに移動し始め、図2に示すように、その外周面が第1開口部110を閉鎖する。
また、弁体102は、弁部材111が吐出孔110を閉鎖した後または、閉鎖と同時に移動部材112の一端部(下端部)の傾斜面115bが吸入孔119の第1開口部118に当接することによって、それ以上の移動部材112の下方への移動が規制される。
また、傾斜面115bが第2開口部118に当接した状態において、第2開口部118と本体部114との間には流路部117があるので、この流路部117を通して流体(空気)が流通可能となっている。
【0043】
本実施の形態によれば、吐出孔となる第1開口部110を閉鎖する場合、回転シャフト106が回転して弁体102が回転シャフト106の軸方向に移動して、弁体102の弁部材111の外周部によって第1開口部110を閉鎖する一方、弁体102の移動部材112の一端部に設けられている当接部115が吸入口となる第2開口部118に当接することによって弁体102の閉弁位置の位置精度を確保できる。
また、移動部材112の当接部115が第2開口部118に当接しても、移動部材112の一端部には流路部117が設けられており、この流路部117を通して流体が流通可能となっているので、閉弁状態において吸入口(第2開口部)118を閉鎖することなく、流路を確保できる。
【0044】
また、当接部115は弁体102の移動部材112の周方向に所定間隔で4つ設けられ、周方向において隣り合う当接部115,115間に流路部117が設けられているので、弁体の閉弁位置の位置精度を容易に確保できるとともに、周方向において隣り合う当接部115,115間に設けられた流路部17を流体が流れるので、閉弁状態において吸入口(第2開口部)118を閉鎖することなく、流路を確実に確保できる。
【0045】
さらに、当接部115に、第2開口部118に当接する傾斜面115bが形成されているので、第2開口部118の径に多少のバラツキがあっても、第2開口部118に傾斜面115bが確実に当接して、弁体102の閉弁位置の位置精度を確実に確保できる。
加えて、当接部115に傾斜面115bが形成されているので、第2開口部118に当接部115が入り込むことが可能となる。したがって、弁自体を大きくしなくても弁体102の移動量を大きくとることができるので、弁自体をコンパクトにしつつ弁体102の制御幅を広げることができる。
【0046】
また、弁体102が回転シャフト106の軸方向の他端部側に移動して、弁部材111の外周部が第1開口部110を全開状態とした場合に、回転シャフト106の一端部に当接する当接面(当接部)114bが、弁体102の移動部材112の内部の孔に設けられている。したがって、弁部材111の外周部が第1開口部110を全開状態とした場合に、回転シャフト106の一端部に当接面(当接部)114bが当接するので、弁体102の開弁位置の位置精度を確実に確保できる。
【0047】
また、モータ101に弁体102を組み付ける場合、モータ101によって回転可能な回転シャフト106の一端部の雄ねじ部106aに、移動部材112の雌ねじ部114aを螺合したうえで、この移動部材112を弁部材111に挿通するとともに、抜止部115aに弁部材111を当接して、弁部材111の抜け出を防止する一方、ボデー100の内部の弁体装填部104に圧縮コイルばね122を設けることによって、圧縮コイルばね122をボデー100の内部で安定的に保持する。そして、この圧縮コイルばね122に弁部材111を設置することによって、モータ101に弁体102を容易に組み付けることができる。
【0048】
また、弁体102を取り外す場合、抜け止めが防止された弁部材111を移動部材112とともにボデー100から引き抜いて圧縮コイルばね122から離したうえで、モータ101によって回転シャフト106を回転させることで、移動部材112を下方に移動させて、規制部材121による弁部材111の回転規制を解除する。次いで、弁部材111を軸回りに45°回転させることで、弁部材111の抜け止めを解除して弁部材111を移動部材112から外し、さらに、移動部材121を回転シャフト106から外すことによって、弁体102の取り外しも容易に行える。
【0049】
また、弁部材111に移動部材112が挿通可能となっており、当該移動部材112を弁部材111に挿通して、これらを軸回りに相対的に所定角度(45°)回転させることによって、弁部材111が抜止部115aに当接可能となるので、弁体102をモータ101に組み付ける際に、弁部材111の抜け出を確実に防止できる。
【0050】
さらに、ボデー100内には、弁体102に係合して、弁体102の軸回りの回転を規制する規制部材121がモータケース105に固定されて設けられているので、回転シャフト106がモータ101によって正逆方向に回転した場合に、規制部材121が弁体102に係合して弁体102の軸回りの回転を規制するので、弁体102を回転シャフト106の軸方向に沿って確実に移動させることができる。
また、規制部材121は弁部材111が抜止部115aに当接可能となって抜け出が防止された場合に、弁部材111の軸回りの回転を規制するので、弁部材111の移動部材112からの抜け出を確実に防止できる。
【符号の説明】
【0051】
100 ボデー
101 モータ
102 弁体
106 回転シャフト
106a 雄ねじ部
110 第1開口部
114a 雌ねじ部
114b 当接面(当接部)
115 当接部
117 流路部
118 第2開口部
122 圧縮コイルばね(付勢部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6