(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置の一つに、銀行等の金融機関で用いられる「通帳伝票プリンタ」がある。通帳伝票プリンタは、金融機関の窓口等に設置され、通帳及び伝票に取引内容を印刷する。通帳伝票プリンタには、通帳専用の挿入口(以下では「通帳挿入口」と呼ぶことがある)と伝票専用の挿入口(以下では「伝票挿入口」と呼ぶことがある)との2つの媒体挿入口が独立して設けられている。例えば、伝票挿入口が上段に設けられ、通帳挿入口が下段に設けられている。また、伝票挿入口の後方には伝票専用の搬送路(以下では「伝票搬送路」と呼ぶことがある)が設けられている一方で、通帳挿入口の後方には通帳専用の搬送路(以下では「通帳搬送路」と呼ぶことがある)が設けられている。伝票搬送路と通帳搬送路は、印字ヘッドの手前で合流して1つの媒体搬送路となる。
【0003】
通帳伝票プリンタには、通帳挿入口と伝票挿入口とが独立して設けられているため、通帳伝票プリンタは、通帳と伝票とを同時に受け付けることが可能である。すなわち、ユーザは、伝票挿入口への伝票の挿入と、通帳挿入口への通帳の挿入とを同時に行うことが可能である。伝票と通帳とを同時に受け付けた通帳伝票プリンタは、例えば、まず通帳を印字ヘッド箇所まで搬送して取引内容を通帳に印刷した後、通帳を逆方向へ搬送して通帳挿入口から排出する。通帳の排出後、次いで、通帳伝票プリンタは、伝票を印字ヘッド箇所まで搬送して取引内容を伝票に印刷した後、伝票を逆方向へ搬送して伝票挿入口から排出する。このように、通帳伝票プリンタでは、1つの取引に対して、その取引内容が印刷される通帳と伝票とを同時に受け付けて、通帳と伝票とへの印刷処理を順に実行する。
【0004】
通帳伝票プリンタでは、上記のように、伝票搬送路と通帳搬送路とが設けられているため、伝票搬送路及び通帳搬送路のそれぞれの搬送路で媒体のジャムが発生する可能性がある。すなわち、伝票搬送路で伝票のジャムが発生するのとは別に、通帳搬送路で通帳のジャムが発生する。よって、ジャムの原因となった媒体を各搬送路から取り除くために、従来の通帳伝票プリンタには、伝票搬送路を開放する機構と、通帳搬送路を開放する機構とが独立して備えられている。例えば、伝票搬送路を開放するための「プッシュレバーA」と、通帳搬送路を開放するための「プッシュレバーB」とが通帳伝票プリンタに備えられている。ユーザは、伝票搬送路でジャムが発生したときは、プッシュレバーAを押すことにより、伝票搬送路にかけられていたロックを解除して伝票搬送路を開放する。一方で、ユーザは、通帳搬送路でジャムが発生したときは、プッシュレバーBを押すことにより、通帳搬送路にかけられていたロックを解除して通帳搬送路を開放する。このように、従来の通帳伝票プリンタにおいては、ユーザは、ジャムの発生箇所に応じてそれぞれ適切なプッシュレバーを選択して操作する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施例の通帳伝票プリンタの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施例の通帳伝票プリンタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施例の前方ユニットの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施例の前方ユニットの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図6】
図6は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図7】
図7は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図8】
図8は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図9】
図9は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図10】
図10は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図11】
図11は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【
図12】
図12は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示するプリンタ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示するプリンタ装置が限定されるものではない。また、以下の実施例において、同一の構成部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下に説明する通帳伝票プリンタは、本願の開示するプリンタ装置の一例である。
【0012】
<通帳伝票プリンタの構成>
図1は、一実施例の通帳伝票プリンタの構成例を示す図である。
図1は、側面断面図である。
図1において、通帳伝票プリンタ1は、媒体挿入口から見て前方にある前方ユニット2と、後方にある後方ユニット3とを有する。前方ユニット2と、後方ユニット3とは結合されて一体となって通帳伝票プリンタ1を構成する。前方ユニット2は、互いに積層された搬送ユニット11,12,13を有し、搬送ユニット13の上に搬送ユニット12が積層され、搬送ユニット12の上に搬送ユニット11が積層される。後方ユニット3は、互いに積層された搬送ユニット31,32を有し、搬送ユニット32の上に搬送ユニット31が積層される。
【0013】
前方ユニット2において、搬送ユニット11は搬送ローラ16を有し、搬送ユニット12は搬送ローラ17,18を有し、搬送ユニット13は搬送ローラ19を有する。搬送ユニット11と搬送ユニット12との間には、伝票挿入口21及び伝票搬送路14が形成される。伝票挿入口21に挿入された伝票は、搬送ローラ16,17によって伝票搬送路14内を右方向へ搬送されて、後方ユニット3内で伝票に取引内容が印刷される。また、取引内容印刷後の伝票は、搬送ローラ16,17によって伝票搬送路14内を左方向へ搬送されて伝票挿入口21から排出される。一方で、搬送ユニット12と搬送ユニット13との間には、通帳挿入口22及び通帳搬送路15が形成される。通帳挿入口22に挿入された通帳は、搬送ローラ18,19によって通帳搬送路15内を右方向へ搬送されて、後方ユニット3内で通帳に取引内容が印刷される。また、取引内容印刷後の通帳は、搬送ローラ18,19によって通帳搬送路15内を左方向へ搬送されて通帳挿入口22から排出される。
【0014】
後方ユニット3において、搬送ユニット31は、搬送ローラ43−1〜43−4と、印字ヘッド41とを有し、搬送ユニット32は、搬送ローラ44−1〜44−4と、プラテン42とを有する。搬送ユニット31と搬送ユニット32との間には、伝票搬送路14及び通帳搬送路15に続く媒体搬送路33が形成される。つまり、伝票搬送路14と通帳搬送路15とは、印字ヘッド41の手前で合流して1つの媒体搬送路33となる。伝票搬送路14から媒体搬送路33に送り込まれた伝票は、搬送ローラ43−1〜43−4及び搬送ローラ44−1〜44−4によって媒体搬送路33内を右方向へ搬送されながら、印字ヘッド41及びプラテン42によって伝票に取引内容が印刷される。取引内容印刷後の伝票は、搬送ローラ43−1〜43−4及び搬送ローラ44−1〜44−4によって媒体搬送路33内を左方向へ搬送されて伝票搬送路14へ送り出される。また、通帳搬送路15から媒体搬送路33に送り込まれた通帳は、搬送ローラ43−1〜43−4及び搬送ローラ44−1〜44−4によって媒体搬送路33内を右方向へ搬送されながら、印字ヘッド41及びプラテン42によって通帳に取引内容が印刷される。取引内容印刷後の通帳は、搬送ローラ43−1〜43−4及び搬送ローラ44−1〜44−4によって媒体搬送路33内を左方向へ搬送されて通帳搬送路15へ送り出される。
【0015】
また、搬送ユニット31には、回転軸45が設けられるため、搬送ユニット31は回転軸45を中心にして上下方向に開閉可能である。
図1には、搬送ユニット31が閉じている状態を示し、
図2には、搬送ユニット31が開いている状態を示す。
図2は、一実施例の通帳伝票プリンタの構成例を示す図である。
図2は、側面断面図である。
図2のように、搬送ユニット31が開いている状態にあるとき、媒体搬送路33が開放されるので、媒体搬送路33でのジャムの原因となった媒体を媒体搬送路33から取り除くことが可能になる。また、搬送ユニット31が開いている状態にあるときに、搬送ユニット11及び搬送ユニット12を上方向へ開けることが可能になる。搬送ユニット11を上方向へ開けることにより伝票搬送路14が開放され、搬送ユニット12を上方向へ開けることにより通帳搬送路15が開放される。
【0016】
<前方ユニットの構成>
図3及び
図4は、一実施例の前方ユニットの構成例を示す図である。
図3及び
図4は、前方ユニットの全体斜視図であり、
図3は右側斜視図、
図4は左側斜視図である。
図3及び
図4に示すように、前方ユニット2において、搬送ユニット13の上に搬送ユニット12が積層され、搬送ユニット12の上に搬送ユニット11が積層される。搬送ユニット11と搬送ユニット12との間には、伝票挿入口21が形成され、搬送ユニット12と搬送ユニット13との間には、通帳挿入口22が形成される。
【0017】
図3に示す右側斜視図において、搬送ユニット11は、板金部材11mを介して回転軸23に取り付けられており、回転軸23を中心にして開閉可能である。また、搬送ユニット12は、板金部材12lを介して回転軸23に取り付けられており、回転軸23を中心にして開閉可能である。回転軸23は、支持部材24によって支持される。
【0018】
搬送ユニット11の右側面には、右側面を貫通する回転軸11fに固定されたプッシュレバー11aが設けられる。プッシュレバー11aは、搬送ユニット11の右側面に対して垂直な回転軸11fを中心にして回転可能である。回転軸11fとして、シャフトが用いられる。プッシュレバー11aに設けられたプッシュ部11eに対する押圧力の増加に伴って、プッシュレバー11aが右回りに回転するとともに、プッシュレバー11aと搬送ユニット11の右側面とを繋ぐスプリング11gが伸びる。また、右回りに回転したプッシュレバー11aは、プッシュ部11eに対する押圧力の減少に伴って、スプリング11gが縮むことにより引っ張られて、左回りに回転して元の位置に復帰する。
【0019】
また、プッシュレバー11aには、凸部11cが設けられる。プッシュレバー11aの内側には貫通孔11bが形成され、凸部11cは、貫通孔11bの周囲上に設けられる。一方で、搬送ユニット12の右側面には突起部11dが設けられる。貫通孔11bは、突起部11dを囲むように形成される。プッシュレバー11aに設けられた凸部11cが突起部11dに引っ掛かることにより、右側面において、搬送ユニット11を搬送ユニット12にロックする。
【0020】
搬送ユニット13の右側面には、右側面を貫通する回転軸12hに固定されたレバー12cが設けられる。レバー12cは、搬送ユニット13の右側面に対して垂直な回転軸12hを中心にして回転可能である。回転軸12hとして、シャフトが用いられる。レバー12cに設けられたプッシュ部12dに対する押圧力の増加に伴って、レバー12cが右回りに回転するとともに、レバー12cと搬送ユニット13の右側面とを繋ぐスプリング12gが伸びる。また、右回りに回転したレバー12cは、プッシュ部12dに対する押圧力の減少に伴って、スプリング12gが縮むことにより引っ張られて、左回りに回転して元の位置に復帰する。
【0021】
また、レバー12cには、凸部12eが設けられる。一方で、搬送ユニット12の右側面には突起部12fが設けられる。レバー12cに設けられた凸部12eが突起部12fに引っ掛かることにより、右側面において、搬送ユニット12を搬送ユニット13にロックする。
【0022】
さらに、搬送ユニット12の右側面には、右側面を貫通する回転軸12bに固定されたレバー12aが設けられる。レバー12aは、搬送ユニット12の右側面に対して垂直な回転軸12bを中心にして回転可能である。回転軸12bとして、シャフトが用いられる。プッシュレバー11aの右回りの回転に伴って、プッシュレバー11aの先端がレバー12aの一端と当接し、レバー12aの他端がレバー12cのプッシュ部12dと当接する。
【0023】
このため、プッシュレバー11aのプッシュ部11eが押されてプッシュレバー11aが右回りに回転すると、レバー12aの一端がプッシュレバー11aの先端によって押されてレバー12aが左回りに回転する。また、レバー12aが左回りに回転すると、レバー12aの他端によってレバー12cのプッシュ部12dが押されて、レバー12cが右回りに回転する。
【0024】
一方で、
図4に示す左側斜視図において、搬送ユニット11は、板金部材(
図4においては図示せず)を介して回転軸25に取り付けられる。搬送ユニット12は、板金部材12mを介して回転軸25に取り付けられる。回転軸25は、支持部材26によって支持される。
【0025】
搬送ユニット11の左側面には、左側面を貫通する回転軸11fに固定されたレバー11iが設けられる。レバー11iは、回転軸11fを介して、プッシュレバー11aと同期してプッシュレバー11aと同一方向に回転する。レバー11iには、凸部11jが設けられる。一方で、搬送ユニット12の左側面には突起部11kが設けられる。レバー11iに設けられた凸部11jが突起部11kに引っ掛かることにより、左側面において、搬送ユニット11を搬送ユニット12にロックする。
【0026】
搬送ユニット13の左側面には、左側面を貫通する回転軸12hに固定されたレバー12iが設けられる。レバー12iは、回転軸12hを介して、レバー12cと同期してレバー12cと同一方向に回転する。レバー12iには、凸部12jが設けられる。一方で、搬送ユニット12の左側面には突起部12kが設けられる。レバー12iに設けられた凸部12jが突起部12kに引っ掛かることにより、左側面において、搬送ユニット12を搬送ユニット13にロックする。
【0027】
<前方ユニットの動作>
図5〜
図12は、一実施例の前方ユニットの動作の説明に供する図である。
図5,7,9,11は前方ユニットの右側面図であり、
図6,8,10,12は前方ユニットの左側面図である。前方ユニット2は、以下の状態1〜4の各状態をとることが可能である。
【0028】
<状態1:
図5及び
図6>
図5及び
図6には、プッシュレバー11aのプッシュ部11eが押されていない状態である「状態1」を示す。このとき、右側面では、凸部11cが突起部11dに引っかかり、凸部12eが突起部12fに引っ掛かっている。また、左側面では、凸部11jが突起部11kに引っかかり、凸部12jが突起部12kに引っ掛かっている。よって、状態1では、搬送ユニット11が搬送ユニット12にロックされ、搬送ユニット12が搬送ユニット13にロックされている。また、搬送ユニット11と搬送ユニット12との間には伝票搬送路14が形成され、搬送ユニット12と搬送ユニット13との間には通帳搬送路15が形成される。なお、
図6に示すように、搬送ユニット11は、板金部材11nを介して回転軸25に取り付けられる。
【0029】
<状態2:
図7及び
図8>
図7及び
図8には、プッシュレバー11aのプッシュ部11eが押された状態である「状態2」を示す。プッシュ部11eは、ユーザの右手の親指によって押されるのが好ましい。
【0030】
プッシュレバー11aのプッシュ部11eが押されると、プッシュレバー11aに加えられる押圧に従ってプッシュレバー11aが回転軸11fを中心にして右回りに回転する。プッシュレバー11aの右回りの回転に伴って、凸部11cが突起部11dから離れる方向へ移動して凸部11cが突起部11dに引っ掛からなくなり、右側面において、搬送ユニット12に対する搬送ユニット11のロックが解除される。また同時に、左側面においても、凸部11jが突起部11kから離れる方向へ移動して凸部11jが突起部11kに引っ掛からなくなり、搬送ユニット12に対する搬送ユニット11のロックが解除される。
【0031】
また同時に、プッシュレバー11aの右回りの回転に伴って、プッシュレバー11aの先端がレバー12aの一端に当接し、レバー12aの他端がレバー12cのプッシュ部12dに当接する。このため、プッシュレバー11aが右回りに回転すると、プッシュレバー11aの先端によりレバー12aの一端が押されてレバー12aが回転軸12bを中心にして左回りに回転する。レバー12aが左回りに回転すると、レバー12aの他端によりレバー12cのプッシュ部12dが押圧される。つまり、プッシュレバー11aのプッシュ部11eが押されると、レバー12aを介して、レバー12cのプッシュ部12dが押される。レバー12aの左回りの回転に伴ってレバー12aによりレバー12cのプッシュ部12dが押されると、レバー12cに加えられる押圧に従ってレバー12cが回転軸12hを中心にして右回りに回転する。レバー12cの右回りの回転に伴って、凸部12eが突起部12fから離れる方向へ移動して凸部12eが突起部12fに引っ掛からなくなり、右側面において、搬送ユニット13に対する搬送ユニット12のロックが解除される。また同時に、左側面においても、凸部12jが突起部12kから離れる方向へ移動して凸部12jが突起部12kに引っ掛からなくなり、搬送ユニット13に対する搬送ユニット12のロックが解除される。
【0032】
そして、前方ユニット2は、状態2になった後は、以下の状態3または状態4の何れか一方の状態に遷移することが可能である。つまり、状態2は、伝票搬送路14及び通帳搬送路15の双方が開放可能な状態である。
【0033】
<状態3:
図9及び
図10>
図9及び
図10には、伝票搬送路14が開放された状態である「状態3」を示す。上記の状態2において、搬送ユニット11が上方へ持ち上げられると、搬送ユニット11が回転軸23を中心にして回転し、伝票搬送路14が開放される。伝票搬送路14が開放されると、伝票搬送路14でのジャムの原因となった伝票を伝票搬送路14から取り除くことが可能になる。また、搬送ユニット11が上方へ持ち上げられると、レバー12cが元の位置に復帰して、搬送ユニット12が搬送ユニット13にロックされる。ユーザは、上記の状態2において、プッシュ部11eを右手の親指で押したまま、搬送ユニット11の両側面を両手で把握して搬送ユニット11を上方に持ち上げるのが好ましい。
【0034】
<状態4:
図11及び
図12>
図11及び
図12には、通帳搬送路15が開放された状態である「状態4」を示す。上記の状態2において、搬送ユニット12が上方へ持ち上げられると、搬送ユニット12と、搬送ユニット12上に積層された搬送ユニット11とが、一体として、回転軸23を中心にして回転し、通帳搬送路15が開放される。通帳搬送路15が開放されると、通帳搬送路15でのジャムの原因となった通帳を通帳搬送路15から取り除くことが可能になる。ユーザは、上記の状態2において、プッシュ部11eを右手の親指で押したまま、搬送ユニット12の両側面を両手で把握して搬送ユニット12を上方に持ち上げるのが好ましい。
【0035】
以上のように、通帳伝票プリンタ1は、搬送ユニット11,12,13と、伝票搬送路14と、通帳搬送路15とを有する。また、通帳伝票プリンタ1は、プッシュレバー11aと、突起部11d,12fと、レバー12a,12cとを有する。搬送ユニット12は、搬送ユニット13の上に積層され、かつ、回転軸23を中心にして開閉可能である。搬送ユニット11は、搬送ユニット12の上に積層され、かつ、回転軸23を中心にして開閉可能である。通帳搬送路15は、搬送ユニット13と搬送ユニット12との間に形成され、かつ、通帳の搬送に用いられる。伝票搬送路14は、搬送ユニット12と搬送ユニット11との間に形成され、かつ、伝票の搬送に用いられる。プッシュレバー11aは、搬送ユニット11の側面に設けられ、かつ、搬送ユニット11の側面に対して垂直な回転軸11fを中心にして回転可能である。突起部11dは、搬送ユニット12の側面に設けられ、かつ、プッシュレバー11aに設けられた凸部11cが引っ掛かることにより搬送ユニット11を搬送ユニット12にロックする。レバー12cは、搬送ユニット13の側面に設けられ、かつ、搬送ユニット13の側面に対して垂直な回転軸12hを中心にして回転可能である。突起部12fは、搬送ユニット12の側面に設けられ、かつ、レバー12cに設けられた凸部12eが引っ掛かることにより搬送ユニット12を搬送ユニット13にロックする。レバー12aは、搬送ユニット12の側面に設けられ、搬送ユニット12の側面に対して垂直な回転軸12bを中心にして回転可能であり、一端がプッシュレバー11aと当接し、かつ、他端がレバー12cと当接する。
【0036】
そして、通帳伝票プリンタ1では、プッシュレバー11aに加えられる押圧に従ったプッシュレバー11aの右回りの回転に伴って、凸部11cが突起部11dから離れる方向へ移動して搬送ユニット11の搬送ユニット12に対するロックが解除されて伝票搬送路14が開放可能な状態になる。また同時に、プッシュレバー11aの右回りの回転に伴って、レバー12aが左回りに回転し、かつ、レバー12aの左回りの回転によって加えられる押圧に従ってレバー12cが右回りに回転することにより、凸部12eが突起部12fから離れる方向へ移動して搬送ユニット12の搬送ユニット13に対するロックが解除されて通帳搬送路15が開放可能な状態になる。
【0037】
よって、通帳伝票プリンタ1では、プッシュレバー11aが押されることにより、伝票搬送路14にかけられたロックと、通帳搬送路15にかけられたロックとを同時に解除することができる。つまり、ユーザは1つのプッシュレバー11aを操作するだけで、伝票搬送路14及び通帳搬送路15の2つの媒体搬送路を開放可能にすることができる。よって、ユーザは、伝票搬送路14でジャムが発生した場合でも、通帳搬送路15でジャムが発生した場合でも、ジャムの原因となった媒体を通帳伝票プリンタ1から除去する際に、ジャムの発生箇所にかかわらず、プッシュレバー11aを操作すれば足りる。これにより、ユーザは、ジャムの発生時に、ジャムの発生箇所に応じてそれぞれ適切なプッシュレバーを選択するという煩わしい作業から解放されるため、ジャム発生時のユーザによるプッシュレバーの押し間違いを防ぐことができる。よって、通帳伝票プリンタのユーザビリティを向上することができる。
【0038】
また、伝票搬送路14及び通帳搬送路15の2つの媒体搬送路の開放を1つのプッシュレバー11aの操作によって可能にしたため、伝票搬送路14の開放用のプッシュレバーと通帳搬送路15の開放用のプッシュレバーとを別個に備える必要がない。このため、通帳伝票プリンタの省スペース化、開放機構の簡素化、及び、製造コストの低下を図ることができる。
【0039】
また、プッシュレバー11aの凸部11cは、プッシュレバー11aの内側において突起部11dを囲むように形成された貫通孔11bの周囲上に設けられる。
【0040】
このようにして、凸部11cをプッシュレバー11aの外側ではなく、プッシュレバー11aの内側に設けることで、プッシュレバー11aの外周付近のスペース利用効率を高めることができる。
【0041】
なお、取引内容が印刷される媒体は、伝票及び通帳に限定されず、互いに異なる種類の媒体であればよい。また、印刷される内容は、取引内容に限定されない。つまり、開示の技術のプリンタ装置は、通帳伝票プリンタに限定されない。開示の技術のプリンタ装置は、互いに異なる複数の媒体に対する印刷が可能であって、それら複数の媒体のそれぞれに専用の複数の搬送路を有するものであればよい。