(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ナット埋込穴、および該ナット埋込穴の中心線に直交する方向に延びる第1のねじ挿通孔を有する第1の枠材と、前記第1のねじ挿通孔と連通するように延びる第2のねじ挿通孔を有する第2の枠材とを結合するために、前記第1の枠材のナット埋込穴に埋め込まれ、前記第1および第2のねじ挿通孔に挿通されるねじ部材が螺合締結されるナット部材であって、
矩形状の金属板材を、その長さ方向に対向して直線状に延びる両端部が互いに間隙をあけて対向するように曲げ加工して筒状に成形してなるナット本体を備え、
前記ナット本体の外周部の一部に、前記金属板材の両端部間に形成された等間隔の間隙により、前記ねじ部材を螺合可能なスリットが設けられており、
前記スリットには予め雌ネジが形成されておらず、かつ該スリットの幅寸法が前記ねじ部材の螺合締結に必要な下穴径と同等の寸法に形成されている、ナット部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜3の枠材結合構造に係るナット部材のねじ下孔は、ナット部材の長手方向において予め定められた位置に設けられている。このため、埋込穴の深さがナット部材の長さに対し適切でない場合、埋込穴にナット部材を埋め込んだときに、横枠および縦枠のねじ挿通孔とナット部材のねじ下孔との位置がずれて、ナット部材のねじ下孔が横枠および縦枠のねじ挿通孔に連通しにくくなる。また、埋込穴の内径がナット部材の外径よりも過度に大きい場合では、埋込後に埋込穴からナット部材が抜けやすくなり、横枠の埋込穴の中にナット部材が安定的して保持されなくなってしまう。さらに、同様に、埋込穴の内径が過度に大きい場合、ナット部材が埋込穴の周方向に回転しやすくなり、横枠および縦枠のねじ挿通孔とナット部材のねじ下孔との位置がずれてしまう。
【0005】
このように、横枠に形成される埋込穴の深さや内径等がナット部材の形状やねじ下孔の位置に適合していない場合においては、横枠と縦枠とが緊結に枠組みされた枠材結合構造を得ることができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、ナット部材の構造に工夫を加えることで、埋込穴に適切に埋め込まれた状態でねじ部材を螺合させて、第1の枠材と第2の枠材とを緊結に枠組みすることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、矩形状の金属板材を筒状に曲げ加工して、周方向の一部にねじ部材を螺合可能なスリットを有するナット部材を設け、そのナット部材のスリットの長手方向における適宜の位置に両枠材のねじ挿通孔を連通させてねじ部材を螺合できるようにした。
【0008】
具体的には、本発明の第1の形態によるナット部材は、ナット埋込穴、および該ナット埋込穴の中心線に直交する方向に延びる第1のねじ挿通孔を有する第1の枠材と、第1のねじ挿通孔に連通するように延びる第2のねじ挿通孔を有する第2の枠材とを結合するために、第1の枠材のナット埋込穴に埋め込まれ、第1および第2のねじ挿通孔に挿通されるねじ部材が螺合締結されるナット部材であって、矩形状の金属板材を
、その長さ方向に対向して直線状に延びる両端部が互いに間隙をあけて対向するように曲げ加工して筒状に成形してなるナット本体を備え、ナット本体の外周部の一部に、金属板材の両端部間
に形成された等間隔の間隙により、ねじ部材を螺合可能なスリットが設けられて
おり、スリットには予め雌ネジが形成されておらず、かつ該スリットの幅寸法がねじ部材の螺合締結に必要な下穴径と同等の寸法に形成されていることを特徴とする。
【0009】
この第1の形態によれば、ナット部材のスリットにねじ部材を強制的に螺合させることができる。また、スリットはナット本体の中心線に沿った長手方向に延びているため、スリットの長手方向における適宜の位置で、第1および第2のねじ挿通孔とスリットとを容易に連通させることができる。さらに、スリットの幅が小さくなるようにナット本体の径を小さくしてナット部材をナット埋込穴に埋め込むことで、その埋込状態では、ナット本体が復元力により拡径するようになり、埋込後にナット埋込穴からナット部材が抜けにくくなり、枠材内にナット部材を安定的に保持できる。さらに、ねじ部材がスリットに螺合されると、ナット本体が拡径するため、埋込後のナット部材をナット埋込穴から抜け難くすることができる。
【0010】
第2の形態は、第1の形態において、ナット本体の中心線に沿った長手方向両端部
の少なくとも一方には
、該ナット本体を長手方向から目視したときにナット本体の向きを示
す凹部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この第2の形態によれば、ナット埋込穴にナット部材を埋め込んだとき、ナット本体の長手方向両端部の
少なくとも一方
の凹部が第1の枠材の表面から見えるようになるため、ナット埋込穴にナット部材を埋め込んだ後であっても、凹部の位置を視認することができ、その結果として、ナット部材の向きを容易に確認することができる。
【0012】
第3の形態は、第2の形態において
、凹部は、ナット本体の中心位置とスリットの幅方向中央位置とを通る平面上
に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この第3の形態によれば、凹部およびスリットが対向する方向を第1および第2のねじ挿通孔の中心線方向に向けることで、第1および第2のねじ挿通孔とスリットとを容易に連通させることができる。
【0014】
第4の形態は、第2の形態において
、凹部は、ナット本体の中心位置とスリットの幅方向中央位置とを通る平面に直交しかつナット本体の中心位置を通る平面上に形成されていることを特徴とする。
【0015】
この第4の形態によれば、凹
部を第1および第2のねじ挿通孔の中心線方向に直交する方向に向けることで、第1および第2のねじ挿通孔とスリットとを容易に連通させることができる。
【0016】
第5の形態は、第1〜第4の形態のいずれか1つのナット部材において、ナット本体の側壁に、ねじ部材が螺合可能な貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この第5の形態によれば、枠材結合構造の状況に合わせてスリットまたは貫通孔のいずれか一方をねじ部材の螺合に使用して選択肢を増やすことができ、貫通孔を選択した場合は、ナット部材の貫通孔にねじ部材を螺合させることができる。
【0018】
第6の形態は、第2〜4の形態のいずれか1つのナット部材において、ナット本体の側壁に、ねじ部材が螺合可能な貫通孔
が凹部
とナット本体の中心位置との間を通る平面上に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0019】
この第6の形態によれば、枠材結合構造の状況に合わせてスリットまたは貫通孔のいずれか一方をねじ部材の螺合に使用して選択肢を増やすことができ、貫通孔を選択した場合は、ナット部材の貫通孔にねじ部材を螺合させることができる。また、凹部が貫通孔の方向と同じ方向を示しているため、凹部を第1および第2のねじ挿通孔の中心線方向に合わせるだけで、第1および第2のねじ挿通孔と貫通孔とを容易に連通させることができる。
【0020】
第7の形態は、第2〜4の形態のいずれか1つのナット部材において、ナット本体の側壁に、ねじ部材が螺合可能な貫通孔
が凹部
とナット本体の中心位置との間を通る平面と直交する平面上に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0021】
この第7の形態によれば、枠材結合構造の状況に合わせてスリットまたは貫通孔のいずれか一方をねじ部材の螺合に使用して選択肢を増やすことができ、貫通孔を選択した場合は、ナット部材の貫通孔にねじ部材を螺合させることができる。また、凹部が貫通孔の方向に直交する方向を示しているため、凹部を第1および第2のねじ挿通孔の中心線方向に直交する方向に合わせることにより、第1および第2のねじ挿通孔と貫通孔とを容易に連通させることができる。
【0022】
第8の形態は、第5〜7の形態のいずれか1つのナット部材において、貫通孔は、ナット本体の長手方向に延びる長孔からなることを特徴とする。
【0023】
この第8の形態によれば、ナット部材のナット埋込穴に対する埋込深さが多少ずれていても、ナット部材の貫通孔の長手方向における適宜の位置で、第1および第2のねじ挿通孔と貫通孔とを容易に連通させることができる。
【0024】
第9の形態は、第5〜7の形態のいずれか1つのナット部材において、貫通孔は、ナット本体の周方向に延びる長孔からなることを特徴とする。
【0025】
この第9の形態によれば、ナット部材の貫通孔を第1および第2のねじ挿通孔の中心線方向にあわせるとき、ナット部材が周方向において多少の位置ずれが生じていても、ナット本体の周方向に延びる長孔からなる貫通孔で位置調整しながら、第1および第2のねじ挿通孔と貫通孔とを容易に連通させることができる。
【0026】
第10の形態は、第1〜9の形態のいずれか1つのナット部材において、ナット本体は、その長手方向における両端部外面がそれぞれ面取りされていることを特徴とする。
【0027】
この第10の形態によれば、ナット埋込穴にナット部材を埋め込む際、ナット本体の長手方向における両端部のどちらから埋め込んでも、ナット本体の長手方向における端部とナット埋込穴の内周面との間に無駄な摩擦抵抗が生じることなく、スムーズにナット部材を埋め込むことができる。
【0028】
第11の形態は、第1〜10の形態のいずれか1つのナット部材において、ナット本体は、円筒状に成形されてなり、該ナット本体の中心線に直交しかつナット本体の長手方向中央位置を通る平面を対称面として面対称に形成されていることを特徴とする。
【0029】
この第11の形態によれば、ナット本体は円筒状に形成されているため、ナット埋込穴の中でナット本体を円周方向に回転させて、ナット本体の向きを適宜変えることができる。このことにより、第1および第2のねじ挿通孔とスリットまたは貫通孔とを容易に連通させることができる。さらに、ナット本体は、該ナット本体の中心線に直交しかつナット本体の長手方向中央位置を通る平面を対称面として面対称に形成されているので、ナット部材の埋込方向に規制を設けることなくナット部材の長手方向のどちらからナット埋込穴に埋め込んでも同じ使い方をすることができ、ナット部材の埋込作業時における確認の手間および埋込方向の間違いによる修繕等の手間を省くことができ、かつナット部材の製造時において大幅な作業効率の改善を図ることができる。
【0030】
第12の形態は、第11の形態において、ナット本体は、スリットの両側部の外面がそれぞれ面取りされていることを特徴とする。
【0031】
この第12の形態によれば、ナット埋込穴にナット部材を埋め込んだ後、ナット部材の向きを円周方向に回転させながら変えるとき、面取りされたスリットの両側部がナット埋込穴の内周面に食い込みにくくなり、容易にナット部材の位置調整をすることができる。
【0032】
第13の形態は、第11または12の形態において、ナット本体は、スリットの長さ方向両側に位置する両端部の対向角部がそれぞれ傾斜状に切り欠かれていることを特徴とする。
【0033】
この第13の形態によれば、ナット埋込穴にナット部材を埋め込んだ後、ナット部材の向きを円周方向に回転させながら変えるとき、傾斜状に切り欠かれた上記対向角部がナット埋込穴の内周面に食い込みにくくなり、回転抵抗をより低減させた状態でナット部材の位置調整をすることができる。
【0034】
第14の形態は、第1の枠材と第2の枠材とが結合された枠材結合構造であって、第1の枠材には、ナット埋込穴と、該ナット埋込穴の方向に直交する方向に延びる第1のねじ挿通孔とが設けられている一方、第2の枠材には、両枠材の接合時に第1のねじ挿通孔と連通するように延びる第2のねじ挿通孔が設けられており、ナット埋込穴に第1〜13の形態のいずれかのナット部材が埋め込まれ、ナット部材のスリットと第1および第2のねじ挿通孔とが連通して、該両ねじ挿通孔に挿通されたねじ部材がナット部材のスリットに螺合することで、両枠材同士が結合されていることを特徴とする。
【0035】
この第14の形態によれば、スリットの長手方向における適宜の位置で両枠材のねじ挿通孔とスリットとを連通させてねじ部材を螺合させることができ、埋込後でも枠材内にナット部材を安定的に保持できるようにして、第1の枠材と第2の枠材とを緊結に枠組みした枠材結合構造を得ることができる。
【0036】
第15の形態は、第1の枠材と第2の枠材とが結合された枠材結合構造であって、第1の枠材には、ナット埋込穴と、該ナット埋込穴の方向に直交する方向に延びる第1のねじ挿通孔とが設けられている一方、第2の枠材には、両枠材の接合時に第1のねじ挿通孔と連通するように延びる第2のねじ挿通孔が設けられており、ナット埋込穴に第5〜13の形態のいずれかのナット部材が埋め込まれ、ナット部材の貫通孔と第1および第2のねじ挿通孔とが連通して、該両ねじ挿通孔に挿通されたねじ部材がナット部材の貫通孔に螺合することで、両枠材同士が結合されていることを特徴とする。
【0037】
この第15の形態によれば、枠材結合構造の状況に合わせてスリットまたは貫通孔のいずれか一方の使用を選択することができ、貫通孔を選択した場合は、ナット部材の貫通孔にねじ部材を螺合させて、第1の枠材と第2の枠材とを緊結に枠組みした枠材結合構造を得ることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によるナット部材およびそれを用いた枠材結合構造によると、外周の一部にスリットを有する筒状のナット部材が埋込穴に埋め込まれた状態で、そのスリットにねじ部材を螺合させることで、第1の枠材と第2の枠材とを緊結に枠組みすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0041】
[第1の実施形態]
図1〜
図5は、本発明の第1の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、後述するように、例えば、第1の枠材31と第2の枠材32とをねじ部材40により組み付けるときに用いられる部材である。
【0042】
図1に示すように、ナット部材10は、筒状のナット本体20を備える。このナット本体20は、
図2に示す金属板材20aを曲げ加工して成形されたものである。すなわち、ナット本体20は、横長矩形状の金属板材20aを長さ方向の両端部20b,20bが互いに間隙をあけて対向するように曲げ加工して円筒状に成形されており、金属板材20aの縦方向(幅方向)がナット本体20の中心線20dの方向となっている。このように、矩形状の金属板材を曲げ加工することによって、比較的安価にナット部材10を作製することができる。また、ナット本体20は、その中心線20dに直交しかつナット本体20の長手方向中央位置を通る平面を対称面として面対称に形成されている。すなわち、ナット本体20は、長手方向全体にわたって同じ径になるように形成されている。
【0043】
図1に示すように、ナット本体20には、その長手方向(
図1に示すナット本体20の中心線20dの方向)に延びるスリット21が設けられている。このスリット21は、上記ナット本体20の外周部の一部に設けられ、上記金属板材20aの両端部20b,20b間の間隙により形成されている。また、このスリット21は、予め雌ネジが形成されていないが、枠材結合構造30に用いられるねじ部材40を螺合可能な幅寸法に形成されている。スリット21の幅寸法は、上記ねじ部材40の外径に対して、螺合締結に必要とされる一般的な下穴径と同等の寸法に形成されている。
【0044】
次に、
図3および
図4に示すように、ナット部材10を用いた枠材結合構造30について説明する。枠材結合構造30は、第1の枠材31と第2の枠材32とが結合した構造体であり、例えば、第1の枠材31は木製の材料からなる横枠であり、第2の枠材32はドア枠や引戸枠のような縦枠である。両枠材31,32は、第1の枠材31の端面に第2の枠材32の一方の側面が当接して直角に結合される。第1の枠材31の側面には、略円柱形状の有底のナット埋込穴31bが設けられている。また、第1の枠材31の端面には、上記ナット埋込穴31bの中心線に直交する方向に延びてナット埋込穴31bに連通するねじ挿通孔31aが設けられている。一方、第2の枠材32の他方の側面には、第1の枠材31の端面が当接する一方の側面まで貫通するねじ挿通孔32aが設けられ、このねじ挿通孔32aは、両枠材31,32の接合時に第1の枠材31のねじ挿通孔31aと連通するように延びている。
【0045】
そして、両枠材31,32同士が結合された枠材結合構造30では、
図3および
図4に示すように、ナット埋込穴31bにナット部材10が埋め込まれ、そのスリット21はねじ挿通孔31a,32aと連通した状態とされ、この状態で、ねじ部材40がねじ挿通孔31a,32aに挿通されている。スリット21はねじ部材40を螺合可能な幅寸法に形成されているため、両ねじ挿通孔31a,32aに挿通されたねじ部材40の先端部がスリット21に螺合されている。ここで、スリット21には予め雌ネジが形成されていないため、ねじ部材40として例えばタッピングスクリューネジ、セルフドリリングネジまたはバリックネジを使用することにより、このねじ部材40の先端部がスリット21に雌ネジを形成しながらスリット21に螺合されている。この螺合状態において、ナット本体20は拡径している。
【0046】
また、本図面においては『なべ頭』のものが使用されているが、頭がラッパ形状の『皿頭』のネジ又はビスでもよく、この場合、なべ頭のビスにくらべ、ビス頭が没入しやすいという格別の効果が得られる。いずれにしても、ビス頭が枠材表面から突出するよう、ビス頭が没入するよう螺着されるのが好ましい(没入することが必須構成ではない)。さらに、ビス頭を枠材表面に確実に没入させるために、なべ頭のビスを使用する場合はビス頭没入部分に予め座彫りをしてもよい。
【0047】
ここで、ナット部材10は、
図5(a)に示すように、ナット本体20の側壁20eにナット本体20の中心方向の外力が加えられると、
図5(b)に示すように、ナット本体20の両端部20b,20b同士が接近して、スリット21の幅が狭まる内向き方向(
図5に示す矢印の方向)に変化し、ナット本体20の外径が小さくなる。ナット部材10をナット埋込穴31bに埋め込むときは、
図5(b)に示すように、ナット本体20を弾性変形させ、そのナット本体20の側壁20eに上記外力を加えてナット本体20の外径を小さくしてから、ナット埋込穴31bにナット部材10を圧入状態で埋め込む。このナット部材10は、ナット埋込穴31bに埋め込まれた後、ナット本体20に加えられていた外力から解放される。このとき、ナット本体20には、狭められたスリット21の幅を元の大きさに戻そうとするとともに、ナット本体20の外径も元の大きさに戻そうとする弾性的な復元力が生じる。この復元力は、ナット本体20の外方に向かって生じる。すなわち、この復元力はナット埋込穴31bの内側に向かって作用する。このため、埋込後のナット部材10はナット埋込穴31bから抜けにくくなり、その結果、ナット部材10がナット埋込穴31bの中で安定的に保持された状態となる。
【0048】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るナット部材10はスリット21を有する筒状のナット本体20を備えており、スリット21がねじ部材40を螺合可能となっているため、スリット21にねじ部材40を強制的に螺合させることができる。また、スリット21はナット本体20の長手方向に延びているため、ナット埋込穴31bの深さに多少の誤差があっても、スリット21の長手方向における適宜の位置で、ねじ挿通孔31a,32aとスリット21とを容易に連通させることができる。さらに、ナット埋込穴31bの内径に多少の誤差があっても、ナット部材10をナット埋込穴31bに圧入状態で埋め込むことで、埋込後にナット埋込穴31bからナット部材10が抜けにくくなり、第1の枠材31内にナット部材10を安定的に保持できる。また、ねじ部材40がスリット21に螺合されると、ナット本体20が拡径することにより、埋込後のナット部材10はナット埋込穴31bから抜け難くすることができる。
【0049】
また、ナット本体20は円筒状に形成されているため、ナット埋込穴31bの中でナット本体20を円周方向に回転させて、ナット本体20の向きを適宜変えることにより、ねじ挿通孔31a,32aとスリット21とを容易に連通させることができる。さらに、ナット本体20は、その中心線20dに直交しかつナット本体20の長手方向中央位置を通る平面を対称面として面対称に形成されているので、ナット部材10の埋込方向に規制を設けることなくナット部材10の長手方向のどちらからナット埋込穴31bに埋め込んでも同じ使い方をすることができ、ナット部材10の埋込作業時における確認の手間および埋込方向の間違いによる修繕等の手間を省くことができ、かつナット部材10の製造時において大幅な作業効率の改善を図ることができる。
【0050】
また、仮にナット部材が木質材または合成樹脂製からなる場合、そのナット部材は枠材を構成する木材と同様の硬度であるか、もしくは木材よりも軟らかいため、枠材における木口の広がりを抑さえる効果が小さく、枠材の割れを適切に防ぐことができないが、本実施形態のナット部材10は、金属製で枠材よりも硬いため、枠材における木口の広がりを抑さえて、枠材の割れを防ぐことができる。
【0051】
[第2の実施形態]
図6および
図7は、本発明の第2の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第1の実施形態に係るナット本体20(
図1参照)の向きを示
す凹部22,22を設けたものである。その他の構成および作用効果については、第1の実施形態に係るナット部材10の構成および作用効果と同様である(以下の各実施形態についても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。また、以下の各実施形態では、
図1〜
図5と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。)。
【0052】
図6および
図7に示すように、ナット本体20には、その長手方向の両端部にそれぞ
れ凹部22,22が設けられている
。凹部22,22は、ナット本体20の中心位置20dとスリット21の幅方向中央位置21aとを通る
図6の仮想平面X上に形成されている
。すなわち、この実施形態では、仮想平面X上において、ナット本体20の側壁20e
に凹部22,22が設けられており、凹部22,22の対向方向がスリット21の方向を示している。
【0053】
なお、金属板材20aが曲げ加工される前に、抜き打ち加工により、
図7に示す板状の状態
で凹部22,22を成形しておくのが好ましい。抜き打ち加工によって、後加工を不要にすることができるからである。これは以下の各実施形態についても同様である。
【0054】
この実施形態に係るナット部材10において
、凹部22,22により、ナット本体20を長手方向から目視したときにナット本体20の向きが判るようになっている。すなわち、ナット埋込穴31bにナット部材10を埋め込んだとき
、凹部22,22のいずれか一方は第1の枠材31の表面に現れて目視できるようになっている。このため、ナット埋込穴31bにナット部材10を埋め込んだ後であっても、凹部22の位置を視認することができ、その結果として、ナット部材10の向き、つまりスリット21の位置を容易に確認することができる。この実施形態では、ナット本体20の一方の側壁20eに形成された凹部22およびスリット21の対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aとスリット21とを容易に連通させることができる。
【0055】
さらに
、凹部22,22は、マイナスドライバのような工具を差し込める程度の幅に形成されているのが好ましい。このような幅に形成されていれば、ナット部材10をナット埋込穴31bに圧入した後、マイナスドライバを凹部22に差し込み、圧入されたナット部材10の向きをマイナスドライバで変えることにより、スリット21がねじ挿通孔31a,32aに連通するように位置調整することができる。
【0056】
[第3の実施形態]
図8および
図9は、本発明の第3の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第1の実施形態に係るナット本体20(
図1参照)の向きを示
す凹部22,22を設けたものであるが、こ
の凹部22,22の位置は第2の実施形態と異なっている。その他の構成については、第1および第2の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0057】
図8および
図9に示すように、ナット本体20の長手方向の両端部において、仮想平面Xに対向するナット本体20の側壁20eには、それぞ
れ凹部22,22が形成されている
。凹部22,22の各々は、ナット本体20の中心位置20dとスリット21の幅方向中央位置21aとを通る仮想平面Xに直交し、かつ、上記中心位置20dを通る
図8の仮想平面Y上にそれぞれ形成されている。すなわち、この実施形態では、仮想平面Y上において、ナット本体20の側壁20e
に凹部22,22がそれぞれ設けられており、凹部22,22同士の対向方向に直交する方向がスリット21の方向となっている。
【0058】
この実施形態では、凹部22,22同士が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に直交する方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aとスリット21とを容易に連通させることができる。
【0059】
[第4の実施形態]
図10〜12は、本発明の第4の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第1の実施形態に係るナット本体20(
図1参照)に貫通孔23を設けたものである。その他の構成については、第1の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0060】
図10および
図11に示すように、この実施形態に係るナット部材10には、その側壁20eにねじ部材40を螺合可能な内径を持つ貫通孔23が設けられている。この貫通孔23には予め雌ネジが形成されていないが、貫通孔23の内径は、上記ねじ部材40の外径に対して、螺合締結に必要とされる一般的な下穴径の寸法に形成されている。また、金属板材20aが曲げ加工される前に、抜き打ち加工により、
図11に示す板状の状態で貫通孔23を成形しておくのが好ましい。抜き打ち加工によって、後加工を不要にすることができるからである。これは以下に示す各実施形態の貫通孔23についても同様である。
【0061】
この実施形態に係るナット部材10を用いた枠材結合構造30は、
図12に示すように、ねじ挿通孔31a,32aと貫通孔23とが連通した状態とされ、この状態で、ねじ部材40がねじ挿通孔31a,32aに挿通されて貫通孔23に螺合している。そして、貫通孔23には予め雌ネジが形成されていないため、ねじ部材40として例えばタッピングスクリューネジ、セルフドリリングネジまたはバリックネジを使用することにより、このねじ部材40の先端部が貫通孔23に雌ネジを形成しながら貫通孔23に螺合されている。
【0062】
また、本図面においては『なべ頭』のものが使用されているが、頭がラッパ形状の『皿頭』のネジ又はビスでもよく、この場合、なべ頭のビスにくらべ、ビス頭が没入しやすいという格別の効果が得られる。いずれにしても、ビス頭が枠材表面から突出するよう、ビス頭が没入するよう螺着されるのが好ましい(没入することが必須構成ではない)。さらに、ビス頭を枠材表面に確実に没入させるために、なべ頭のビスを使用する場合はビス頭没入部分に予め座彫りをしてもよい。この実施形態では、枠材結合構造30の状況に合わせてスリット21または貫通孔23のいずれか一方をねじ部材40の螺合に使用すればよく、そのねじ部材40の螺合部分の選択肢を増やすことができ、貫通孔23を選択した場合は、ナット部材10の貫通孔23にねじ部材40を螺合させることができる。
【0063】
[第5の実施形態]
図13〜16は、本発明の第5の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第2の実施形態に係るナット本体20(
図6参照)に貫通孔23を設けたものである。その他の構成については、第2の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0064】
図13および
図14に示すように、貫通孔23は
、凹部22,22間の幅方向中央位置22a
とナット本体20の中心位置20dとの間を通る
図13の仮想平面X上に位置するように設けられている。すなわち、この実施形態では、仮想平面X上
に凹部22,22および貫通孔23が設けられており、凹部22およびスリット31の対向方向がスリット21および貫通孔23の対向方向と同じとなっている。
【0065】
この実施形態に係るナット部材10を用いた枠材結合構造30では、
図15に示すように、スリット21が第2の枠材32側に向くように、凹部22およびスリット21が対向する方向がねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に合わされ、ねじ部材40がナット本体20のスリット21から貫通孔23に通って、スリット21および貫通孔23の両方に螺合している。
【0066】
また、
図16に示す枠材結合構造30は、
図15に示す構造に対してナット部材10を180°回転させて反転させたものであり、貫通孔23が第2の枠材32側に向くように、凹部22およびスリット21が対向する方向がねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に合わされ、ねじ部材40がナット本体20の貫通孔23からスリット21を通って、貫通孔23およびスリット21の両方に螺合している。
【0067】
以上のように、この実施形態では、凹部22およびスリット21が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aと貫通孔23とを容易に連通させることができる。また、この実施形態に係るナット部材10では、仮想平面X上にスリット21および貫通孔23が設けられているため、スリット21と貫通孔23との両方でねじ部材40を螺合させて、より強固な枠材結合構造30を得ることができる。
【0068】
[第6の実施形態]
図17〜19は、本発明の第6の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第3の実施形態に係るナット本体20(
図8参照)に貫通孔23,23を設けたものである。その他の構成については、第3の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0069】
図17および
図18に示すように、貫通孔23,23の各々は
、凹部22,22間の幅方向中央位置22a
とナット本体20の中心位置20dとの間を通る
図17の仮想平面Y上に位置するように設けられている。すなわち、この実施形態では、仮想平面Y上
に凹部22,22および貫通孔23,23が設けられており、凹部22,22同士の対向方向が貫通孔23,23の対向方向と同じとなっている一方、凹部22,22同士の対向方向に直交する方向がスリット21の方向となっている。
【0070】
図19に示すように、この実施形態に係る枠材結合構造30では、凹部22,22同士の対向方向がねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に合わされ、ねじ挿通孔31a,32aと両貫通孔23,23とが連通し、ねじ部材40が貫通孔23,23の各々に螺合している。
【0071】
以上のように、この実施形態では、凹部22,22同士が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aと2つの貫通孔23,23とを容易に連通させることができる。また、この実施形態では、両貫通孔23,23にねじ部材40を螺合させて、より強固な枠材結合構造30を得ることができる。
【0072】
[第7の実施形態]
図20および
図21は、本発明の第7の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第3の実施形態に係るナット本体20(
図8参照)に貫通孔23を第6の実施形態の向きとは異なるように設けたものである。その他の構成については、第3の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0073】
図20および
図21に示すように、貫通孔23は
、凹部22,22間の幅方向中央位置22a
とナット本体20の中心位置20dとの間を通る
図20の仮想平面Yと直交する仮想平面X上に位置するように設けられている。すなわち、この実施形態では、仮想平面X上にスリット21および貫通孔23が設けられており、凹部22,22同士の対向方向がスリット21および貫通孔23の対向方向と直交する方向となっている。
【0074】
以上のように、この実施形態では、凹部22,22同士が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に直交する方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aと貫通孔23とを容易に連通させることができる。また、この実施形態に係るナット部材10では、スリット21と貫通孔23との両方でねじ部材40を螺合させて、より強固な枠材結合構造30を得ることができる。
【0075】
[第8の実施形態]
図22〜23は、本発明の第8の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第6の実施形態に係るナット本体20(
図17参照)にさらなる貫通孔23を追加したものである。その他の構成については、第6の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0076】
この実施形態に係るナット本体20において、追加された貫通孔23は
、凹部22
,22間を通る
図22の仮想平面Yと直交する仮想平面X上に位置するように設けられている。すなわち、この追加された貫通孔23は、仮想平面X上に設けられており、凹部22,22同士の対向方向がスリット21および追加された貫通孔23の対向方向と直交する方向となっている。
【0077】
以上のように、この実施形態では、凹部22,22同士が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に直交する方向に一致するように向けることで、ねじ挿通孔31a,32aと追加された貫通孔23とを容易に連通させることができる。また、この実施形態に係るナット部材10では、スリット21と追加された貫通孔23との両方でねじ部材40を螺合させて、より強固な枠材結合構造30を得ることができる。
【0078】
[第9の実施形態]
図24および
図25は、本発明の第9の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第6の実施形態に係るナット本体20(
図17参照)の貫通孔23を長孔に形成したものである。その他の構成については、第6の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0079】
すなわち、この実施形態に係る貫通孔23は、ナット本体20の長手方向に延びる長孔からなる。このため、ナット部材10のナット埋込穴31bに対する埋込深さが多少ずれていても、ナット部材10の貫通孔23の長手方向における適宜の位置で、ねじ挿通孔31a,32aと貫通孔23とを容易に連通させることができる。
【0080】
[第10の実施形態]
図26および
図27は、本発明の第10の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第2の実施形態に係るナット本体20(
図6参照)に長孔からなる貫通孔23,23を設けたものである。その他の構成については、第2の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0081】
図26および
図27に示すように、貫通孔23,23は
、凹部22,22間の幅方向中央位置22a
とナット本体20の中心位置20dとの間を通る
図26の仮想平面Xと直交する仮想平面Y上に位置するように設けられている。すなわち、貫通孔23,23は、仮想平面Y上に設けられており、凹部22,22同士の対向方向がスリット21および追加された貫通孔23の対向方向と直交する方向となっている。
【0082】
また、この実施形態に係る貫通孔23,23は、ナット本体20の周方向に延びる長孔からなる。このため、凹部22およびスリット21が対向する方向をねじ挿通孔31a,32aの中心線方向に直交する方向に一致するように向けるとき、周方向において多少の位置ずれが生じていても、ナット本体20の周方向に延びる長孔からなる貫通孔23,23で位置調整しながら、ねじ挿通孔31a,32aと貫通孔23,23とを容易に連通させることができる。
【0083】
[第11の実施形態]
図28および
図29は、本発明の第11の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第6の実施形態に係るナット本体20(
図17参照)の長手方向両端部を面取りしたものである。その他の構成については、第6の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0084】
すなわち、この実施形態に係るナット本体20には、その長手方向における両端部20c,20cの外面をそれぞれ面取りした面取り部24が設けられている。
【0085】
このため、ナット埋込穴31bにナット部材10を埋め込む際、ナット本体20の長手方向における端部20c,20cのどちらから埋め込んでも、ナット本体20の長手方向における端部20cとナット埋込穴31bの内周面との間に無駄な摩擦抵抗が生じることなく、スムーズにナット部材10を埋め込むことができる。
【0086】
[第12の実施形態]
図30および
図31は、本発明の第12の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第6の実施形態に係るナット本体20(
図17参照)のスリット21両側部を面取りしたものである。その他の構成については、第6の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0087】
すなわち、この実施形態に係るナット本体20には、スリット21の両側部(ナット本体20の両端部20b,20b)の外面をそれぞれ面取りした面取り部24が設けられている。
【0088】
このナット本体20は、円筒状に成形されているため、ナット埋込穴31bにナット部材10を圧入して埋め込んだ後、凹部22にマイナスドライバを差し込んでナット部材10の向きを円周方向に回転させながら変えるとき、面取りされたスリットの両側部がナット埋込穴31bに食い込みにくくなり、容易にナット部材10の位置調整をすることができる。
【0089】
[第13の実施形態]
図32および
図33は、本発明の第13の実施形態に係るナット部材10を示す。このナット部材10は、第12の実施形態に係るナット本体20(
図30参照)の一部を切り欠いたものである。その他の構成については、第12の実施形態に係るナット部材10の構成と同様である。
【0090】
すなわち、この実施形態に係るナット本体20には、スリット21の長さ方向両側に位置する両端部20c,20cの対向角部がそれぞれ傾斜状に切り欠かれている切り欠き部25が設けられている。
【0091】
このため、ナット埋込穴31bにナット部材10を埋め込んだ後、凹部22にマイナスドライバを差し込んでナット部材10の向きを円周方向に回転させながら変えるとき、傾斜状に切り欠かれた上記対向角部がナット埋込穴31bの内周面に食い込みにくくなり、回転抵抗をより低減させた状態でナット部材10の位置調整をすることができる。
【0092】
さらに、
図33に示すように、金属板材20aの長手方向における中央部のそれぞれにも切り欠き部25を設けている。これにより、端部20c,20cとナット埋込穴31bの内周面との間における摩擦抵抗をより低減させて、ナット部材10の位置調整をしやすくすることができる。
【0093】
[その他の実施形態]
本発明の各実施形態に係るナット部材10では、曲げ加工によりナット本体20を円筒状に成形した形態で説明したが、この形態に限られない。例えば、
図34に示すように、ナット本体20は、四角形の筒状に成形されていてもよい。すなわち、ナット本体20は、矩形状の金属板材20aを両端部20b,20bが互いに間隙をあけて対向するように曲げ加工して筒状に成形してなる形態であればよい。
【0094】
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。