特許第6209180号(P6209180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209180
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】収納家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 61/04 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   A47B61/04 501Z
   A47B61/04 501E
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-90468(P2015-90468)
(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公開番号】特開2016-202747(P2016-202747A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】操野 文孝
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−253368(JP,A)
【文献】 実開昭51−011214(JP,U)
【文献】 実公昭51−032659(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00−61/06
A47B 91/00−97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁面に取り付けられる背板と、複数の側板と、底板と、天板と、該複数の側板に取り外し可能に架設された複数の可動棚板とを有し、前側が開口された矩形箱状の家具本体を備える収納家具であって、
前記背板の前側には、左右方向に延びかつ前記複数の側板から取り外された不用な前記可動棚板を縦置き状態で載置可能な前後幅を有する不用棚板載置部が設けられており、
前記家具本体は、前記背板および前記複数の側板を支持し、前記底板の上方に設けられかつ前記建物の壁面に左右方向に延びるように裏面で取り付けられる板材からなる支持体を備え、
前記不用棚板載置部は前記支持体に設けられている、収納家具。
【請求項2】
請求項1に記載の収納家具において、
前記家具本体には、前記不用棚板載置部の上方に、前記不用棚板載置部に載置された不用な前記可動棚板が前方に傾倒しないようにするための傾倒防止手段が設けられている、収納家具。
【請求項3】
請求項2記載の収納家具において、
前記傾倒防止手段は、前記不用棚板載置部の上方に水平方向に架設される前記可動棚板からなる、収納家具。
【請求項4】
請求項2に記載の収納家具において、
前記複数の側板の内側面には、前記可動棚板を架設するための複数のダボおよび該ダボを挿入するための複数のダボ穴が設けられており、
前記傾倒防止手段は、前記不用棚板載置部の上方にあって、前記可動棚板が架設されていない位置の前記ダボ穴に挿入されている前記ダボからなる、収納家具。
【請求項5】
請求項2に記載の収納家具において、
前記複数の側板の内側面には、前記不用棚板載置部の上方であって、該不用棚板載置部に縦置きされた不用な前記可動棚板を前記背板との間で挟み込む位置に脱落防止用ダボ穴が設けられており、
前記傾倒防止手段は、前記脱落防止用ダボ穴に挿入されている脱落防止用ダボからなる、収納家具。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の収納家具において、
前記不用棚板載置部に縦置きされている不用な前記可動棚板の下部が前方にずれないように規制するための規制部が設けられている、収納家具。
【請求項7】
請求項2〜のいずれか1項に記載の収納家具において、
前記不用棚板載置部は、該不用棚板載置部に縦置きされている不用な前記可動棚板の上に少なくとも1枚の不用な前記可動棚板を縦置き状態に積み重ね可能とされており、
前記積み重ねられた不用な可動棚板を縦置き状態に保持するための保持手段が設けられている、収納家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関などに設けられる収納家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納家具として、特許文献1には、左右の側板、天板、底板及び背板を有する前側が開口された矩形箱状の家具本体と、該家具本体内部に取り外し可能に架設された複数の可動棚板と、を備えた玄関収納家具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−17663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、玄関収納家具では、上下方向の収納スペースをより広く確保して背の高いブーツ等を収納する目的で、家具本体内部に架設された可動棚板を適宜取り外し、上下方向に広げられた収納スペースにブーツ等の背の高い靴を収納するという使用方法が一般的に行われている。このように取り外した後における不用な可動棚板の保管について、例えば、収納家具の底板の上に不用な可動棚板を平置きしておく保管方法、あるいは収納家具の外で不用な可動棚板を別途保管する方法などが採用される。
【0005】
しかしながら、上記の保管方法では以下のような問題があり、好ましい方法とはいえない。すなわち、底板の上に不用な可動棚板を平置きする保管方法では、底板の上に置かれた不用な可動棚板の厚みが上下方向に積み重なって、底板の上方における上下方向の収納空間が必然的に狭められてしまい、その結果、収納家具内にブーツ等の背の高い靴や大きいサイズの靴などが置きにくくなる。
【0006】
また、収納家具の外で不用な可動棚板を保管する方法では、収納できる場所を別途探さなければならず、さらに不用な可動棚板そのものを紛失してしまうおそれもある。
【0007】
これらを解決するために、収納家具内における底板の一番奥に不用な可動棚板を立てておくこともできるが、この場合には、立てた可動棚板が倒れてくるおそれがあるだけではなく、可動棚板を立てた部分に収納用の可動棚板を設置できないという問題がある。また、底板上に例えば背の高いブーツを収納した場合、底板の上方における収納空間の奥行きが一番奥に立てた可動棚板の分だけ狭くなり、例えば靴を斜めに置くなどの対応が必要になり、収納スペースを大きく必要とするブーツ等の収容量が減ることになってしまう。
【0008】
本発明の目的は、収納家具内の構造に工夫を加えることで、収納家具内に不用な可動棚板を収納するための設置場所を設けて、適切に保管しておくことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、縦置き状態で不用な可動棚板を載置可能な不用棚板載置部を家具本体内に設けることにより、底板の上方における上下方向および前後方向の収納空間を確保しつつ、不用な可動棚板を収納家具内に適切に保管しておくことができるようにした。
【0010】
具体的には、本発明の第1の形態による収納家具は、建物の壁面に取り付けられる背板と、複数の側板と、底板と、天板と、前記複数の側板に取り外し可能に架設された複数の可動棚板とを有し、前側が開口された矩形箱状の家具本体を備える収納家具であって、背板の前側には、左右方向に延びかつ複数の側板から取り外された不用な可動棚板を縦置き状態で載置可能な前後幅を有する不用棚板載置部が設けられており、家具本体は、背板および複数の側板を支持し、底板の上方に設けられかつ建物の壁面に左右方向に延びるように裏面で取り付けられる板材からなる支持体を備え、不用棚板載置部は支持体に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この第1の形態によれば、収納家具内における不用棚板載置部に不用な可動棚板が縦置きされることにより、底板の上方における上下方向および前後方向の収納空間を確保しつつ、不用な可動棚板を収納家具内に適切に保管しておくことができる。さらに、背板および複数の側板を含めた家具本体を支持する支持体を兼用し、この支持体の不用棚板載置部に不用な可動棚板を縦置き状態で安定的に収納しておくことができる。
【0012】
第2の形態は、第1の形態において、家具本体には、不用棚板載置部の上方に、不用棚板載置部に載置された不用な可動棚板が前方に傾倒しないようにするための傾倒防止手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この第2の形態によれば、傾倒防止手段により、不用な可動棚板を前方に傾倒しないようにして、不用な可動棚板の縦置き状態を安定して維持しておくことができる。
【0014】
第3の形態は、第2の形態において、傾倒防止手段は、不用棚板載置部の上方に水平方向に架設される可動棚板からなることを特徴とする。
【0015】
この第3の形態によれば、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板が各側板に架設されている可動棚板の後端部につかえた状態となるため、簡易な構成により、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板が前方に傾倒しないようにすることができる。
【0016】
第4の形態は、第2の形態において、複数の側板の内側面には、可動棚板を架設するための複数のダボおよび該ダボを挿入するための複数のダボ穴が設けられており、傾倒防止手段は、不用棚板載置部の上方にあって、可動棚板が架設されていない位置のダボ穴に挿入されているダボからなることを特徴とする。
【0017】
この第4の形態によれば、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板は、不用棚板載置部の上方であって可動棚板が架設されていない位置のダボ穴に挿入されているダボにつかえた状態となるため、簡易な構成により、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板が前方に傾倒しないようにすることができる。
【0018】
第5の形態は、第2の形態において、複数の側板の内側面には、不用棚板載置部の上方であって、該不用棚板載置部に縦置きされた不用な可動棚板を背板との間で挟み込む位置に脱落防止用ダボ穴が設けられており、傾倒防止手段は、脱落防止用ダボ穴に挿入されている脱落防止用ダボからなることを特徴とする。
【0019】
この第5の形態によれば、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板が脱落防止用ダボの頭部に挟み込まれることにより、不用な可動棚板が前方に傾倒しないようにすることができる。
【0020】
の形態は、第1〜第の形態のいずれかにおいて、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板の下部が前方にずれないように規制するための規制部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
この第の形態によれば、不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板が規制部により前方にずれないようになり、不用な可動棚板の縦置き状態を維持しておくことができる。
【0022】
の形態は、第2〜第の形態のいずれかにおいて、不用棚板載置部は、該不用棚板載置部に縦置きされている不用な可動棚板の上に少なくとも1枚の不用な可動棚板を縦置き状態に積み重ね可能とされており、積み重ねられた不用な可動棚板を縦置き状態に保持するための保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0023】
この第の形態によれば、不用棚板載置部に複数の不用な可動棚板を積み重ねて収納できるとともに、保持手段により積み重ねられた不用な可動棚板を縦置き状態に保持しておくことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による収納家具によると、底板の上方における上下方向および前後方向の収納空間を確保しつつ、不用な可動棚板を収納家具内に適切に保管しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施形態に係る収納家具を示す斜視図である。
図2図2は、扉を取り外した状態の収納家具を示す斜視図である。
図3図3は、背板の取付状態を示す斜視図である。
図4図4は、支持体に中央背板を取り付ける際の側面図である。
図5図5は、家具本体の分解斜視図である。
図6図6は、図5のVI−VI線縦断面図である。
図7図7は、左側板の背面を示す部分斜視図である。
図8図8は、中央側板の背面を示す図7相当図である。
図9図9は、左側板と補助支持体との取付状態を内側から見て示す斜視図である。
図10図10は、L型金具の取付状態を示す図9相当図である。
図11図11は、カバーの取付状態を示す図10相当図である。
図12図12は、底板と締結金具との取付状態を示す斜視図である。
図13図13は、左側板と底板との取付状態を示す斜視図である。
図14図14は、天板と締結金具との取付状態を示す図12相当図である。
図15図15は、左側板と天板との取付状態を示す斜視図である。
図16図16は、左側板と固定棚板との取付状態を示す斜視図である。
図17図17は、化粧板を固定棚板の上に載せている状態を示す斜視図である。
図18図18は、不用な可動棚板を収納する第1の収納構造を示す縦断面図である。
図19図19は、第2の収納構造を示す図18相当図である。
図20図20は、第3の収納構造を示す図18相当図である。
図21図21は、第4の収納構造を示す図18相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0027】
[収納家具の構造]
図1図21は、本発明の実施形態に係る収納家具1を示す。この収納家具1は、建物の壁面Wに吊り下げられる形式のものであり、主に玄関に設置され、例えば靴を収納するために用いられる。
【0028】
図1に示すように、収納家具1は、その前側が開口された矩形箱状の家具本体2を備えている。図2図6に示すように、家具本体2は、後述する背板30および各側板40R,40L,40Cの各々を支持し、建物の壁面Wに左右方向に延びるように裏面で取り付けられる支持体10R,10Lを備えている。この支持体10R,10Lの各々は、例えば木製の板材からなり、支持体10Rの左右方向長さが支持体10Lの左右方向長さよりも長く形成されている。
【0029】
図3に示すように、支持体10R,10Lの各々は、直線上に左右に並らんだ状態で壁面Wに取り付けられている。また、支持体10R,10Lは、図4および図6に示すように、上下方向中央を基準位置Yに合わせて取り付けられている。この基準位置Yは、家具本体2を壁面Wに吊り下げるための基準となる高さ位置に設定され、例えば、玄関の土間Fから所定の高さHの位置に定められる。
【0030】
図4および図6に示すように、この支持体10R,10Lの裏面には、上端角部および下端角部のそれぞれに断面矩形状に切り欠かれて左右方向に延びる上側段差部11および下側段差部12がそれぞれ設けられている。ここで、上側段差部11および下側段差部12の各々は、後述する背板30の厚みと略同じ寸法だけ厚み方向に切り欠かれているのが好ましい。
【0031】
図6に示すように、右側の支持体10Rの左右方向における中央部および両端部には、支持体10Rを壁面Wに取り付けるねじ92を挿通させるための貫通孔13,13,13がそれぞれ設けられている。また、支持体10Rの両端部において、上記貫通孔13から支持体10Rの左右方向外側に所定の間隔をあけた位置に、ダボPを取り付けるためのダボ取付穴14,14がそれぞれ設けられている。このダボ取付穴14,14に取り付けられるダボPは、後述する右側板40Rおよび中央側板40Cのそれぞれを取り付けるためのものであり、図5に示すように、支持体10Rが壁面Wに取り付けられた後にダボ取付穴14,14にダボPが取り付けられた状態となっている。さらに、支持体10Rの両端部において、上記貫通孔13から支持体10Rの左右方向内側に所定の間隔をあけた位置に、後述するL型金具94を取り付けるための3つの取付穴15,15,…がそれぞれ設けられている。これらの取付穴15,15,…は、縦方向に等間隔で一列に並んで形成されている。なお、左側の支持体10Lも右側の支持体10Rと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0032】
図3図6に示すように、家具本体2は、支持体10R,10Lの上方に設けられかつ建物の壁面Wに左右方向に延びるように裏面で取り付けられる板材からなる補助支持体20R,20Lを備えている。この補助支持体20R,20Lの裏面には、支持体10R,10Lと同様に、上側段差部21および下側段差部22がそれぞれ設けられている。また、補助支持体20R,20Lの各々は、貫通孔23,23,…と、ダボ取付穴24,24と、取付穴25,25,…とを有している。なお、本実施形態において、補助支持体20R,20Lの各々は支持体10R,10Lの各々と同じ部材が用いられているため、補助支持体20R,20Lの構成に関する詳細な説明は省略する。
【0033】
また、図2図6に示すように、家具本体2は、建物の壁面Wに取り付けられる左右の背板30R,30Lを有している。背板30R,30Lの各々は、例えば木製の矩形状薄板材からなり、左右に並んで壁面Wに取り付けられている。この右側の背板30Rの左右方向長さは、支持体10Rの左右方向長さと同じ長さに、また左側の背板30Lの左右方向長さは、支持体10Lの左右方向長さと同じ長さにそれぞれ形成されている。
【0034】
図3および図5に示すように、この背板30は、支持体10R,10Lの上側に設けられる中央背板31R,31L(第1の背板)と、この中央背板31R,31Lの下方でかつ支持体10R,10Lの上側に設けられる下側背板32R,32L(第2の背板)と、上記中央背板31R,31Lの上方でかつ補助支持体20R,20Lの上側に設けられる上側背板33R,33L(第3の背板)と、を含んでいる。ここで、下側背板32R,32Lおよび上側背板33R,33Lの各々は、上下方向長さが同じ長さに形成されており、かつ中央背板31R,31Lの上下方向長さよりも短く形成されている。
【0035】
図3および図4に示すように、下側背板32R,32Lの上端部が接着剤などにより支持体10R,10Lの下側段差部12,12に連結された状態で、支持体10R,10Lおよび下側背板32R,32Lが壁面Wに取り付けられている。ここで、図3に示すように、下側背板32R,32Lの裏面には、建物の壁面Wに取り付けるための両面テープ91(粘着部)が設けられており、この両面テープ91により下側背板32R,32Lが壁面Wに取り付けられている一方、図6に示すように、貫通孔13,13,…に挿通されるねじ92により支持体10R,10Lが壁面Wに固定されている。すなわち、図6に示すように、支持体10R,10Lが壁面Wに取り付けられている状態で、建物の壁面Wと支持体10R,10Lの下側段差部12との間に左右方向に延びる間隙Bが形成され、この間隙Bに下側背板32R,32Lの上端部が差し込まれている状態となっている。
【0036】
また、図4に示すように、支持体10R,10Lが壁面Wに取り付けられている状態では、壁面Wと支持体10R,10Lの上側段差部11,11との間に、左右方向に延びる間隙Aが形成されており、中央背板31R,31Lの上端部が補助支持体20R,20Lの下側段差部22,22に連結されている状態で、この間隙Aに中央背板31R,31Lの下端部が差し込まれているとともに、補助支持体20R,20Lおよび中央背板31R,31Lが壁面Wに取り付けられている。
【0037】
ここで、図3に示すように、中央背板31R,31Lの裏面にも両面テープ91が設けられており、この両面テープ91により中央背板31R,31Lが壁面Wに取り付けられている一方、図6に示すように、貫通孔23,23,…に挿通されるねじ92により補助支持体20R,20Lが壁面Wに固定されている。すなわち、図6に示すように、補助支持体20R,20Lが壁面Wに取り付けられている状態で、建物の壁面Wと補助支持体20R,20Lの下側段差部22との間に左右方向に延びる間隙Dが形成され、この間隙Dに中央背板31R,31Lの上端部が差し込まれている状態となっている。
【0038】
さらに、図6に示すように、補助支持体20R,20Lが壁面Wに取り付けられている状態で、壁面Wと補助支持体20R,20Lの上側段差部21,21との間には左右方向に延びる間隙Cが形成されている。この間隙Cに上側背板33R,20Lの下端部が差し込まれているとともに、上側背板33R,20Lの裏面に設けられた両面テープ91により、上側背板33R,20Lが壁面Wに取り付けられている。
【0039】
図2に示すように、家具本体2は左右の側板40R,40Lを備えている。左右の側板40R,40Lは、例えば木製の矩形状板材からなり、家具本体2の奥行き方向よりも高さ方向に長く形成されかつ背板30の高さ寸法と同じ高さに形成されている。図5に示すように、左側板40Lの内側面(後述する中央側板40Cに対向する面)における四隅には、後述する底板50Lおよび天板60Lを取り付けるためのダボPがそれぞれ設けられている。右側板40Rの内側面における四隅にも、同様にダボPがそれぞれ設けられている。
【0040】
以下、左側板40Lについて説明する。図5および図7に示すように、左側板40Lの後端部には、左側板40Lの内側面の角部を外側面近くまで厚さ方向に部分的に凹陥状に切り欠いた矩形状の上側嵌合部41aおよび下側嵌合部41bが設けられている。すなわち、上側嵌合部41aおよび下側嵌合部41bの各々は、左側板40Lの内側面から見た状態において、略コ字状に切り欠かれた形状を有する。なお、図7に示すように、左側板40Lの後端部には、背板30の端部を嵌め込むための背板嵌合部47が設けられている。この背板嵌合部47は、上側嵌合部41aおよび下側嵌合部41b以外の領域において、左側板40Lの内側面の角部を外側面近くまで厚さ方向に部分的に切り欠かれた形状になっている。
【0041】
左側板40Lが支持体10Lおよび補助支持体20Lに取り付けられた状態で、上側嵌合部41aは、補助支持体20Lに対向する高さ位置に形成されかつ補助支持体20Lに嵌め込むことができるような上下幅に形成されている一方、下側嵌合部41bは、支持体10Lに対向する高さ位置に形成されかつ支持体10Lに嵌め込むことができるような上下幅に形成されている。
【0042】
また、図7に示すように、上側嵌合部41aおよび下側嵌合部41bの各々の垂直端面における上下方向中央には、補助支持体20Lのダボ取付穴24に取り付けられているダボPの頭部を挿入するための挿入穴42が左側板40Lの前後方向に沿って設けられている。
【0043】
また、図5および図7に示すように、左側板40Lの内側面における上側および下側には、内側面から厚さ方向に向かって、後述する締結金具93を埋め込むための有底状の埋込穴43がそれぞれ設けられている。埋込穴43の各々は、上側嵌合部41aおよび下側嵌合部41bのそれぞれに設けられる挿入穴42の方向に直交しかつ左側板40Lの内部で挿入穴42に連通している。なお、埋込穴43の各々には、家具本体2を組み立てる前から予め締結金具93が圧入されている(図9参照)。
【0044】
締結金具93は、一般的なノックダウン金具からなる。図9に示すように、左側板40Lの上側嵌合部41aが補助支持体20Lに嵌め合わされかつ補助支持体20Lのダボ取付穴24に取り付けられたダボP(図5参照)が左側板40Lの挿入穴42に挿入された状態で、締結金具93の操作穴93aに差し込まれたドライバー(図示せず)により、締結金具93のロック部(図示せず)が時計回りに所定の角度だけ回転し、上記ダボPが締結部材93に固定されて、左側板40Lが補助支持体20Lに固定された状態となっている。また、左側板40Lの下側嵌合部41bについても、同様の形式により、支持体10Lに左側板40Lが固定されている。
【0045】
図5および図9に示すように、左側板40Lの内側面における上側および下側には、L型金具94を取り付けるための3つの取付穴44,44,…がそれぞれ設けられている。また、図10に示すように、L型金具94は、上記取付穴44,44,…に対応する位置および支持体10Lの取付穴15,15,…に対応する位置のそれぞれに貫通孔94a,94a,…が形成されている。
【0046】
左側板40Lが支持体10Lおよび補助支持体20Lに固定された状態で、図9および図10に示すように、L型金具94の上記貫通孔94aの各々を補助支持体20Lの取付穴15,15,…および左側板40Lの取付穴44,44,…のそれぞれの位置に合わせてL型金具94がねじ止めされ、図11に示すように、そのL型金具94に樹脂製のカバー95が嵌め合わされている。これにより、補助支持体20Lおよび左側板40Lに設けられている各々の穴が隠された状態となっている。支持体20Lおよび左側板40Lにも、同様にL型金具94およびカバー95が設けられている。
【0047】
また、図5に示すように、左側板40Lの内側面には、後述する固定棚板70R,70Lを取り付けるための複数のダボ穴46,46,…が上下方向に設けられている。また、左側板40Lにおける内側面の前側には、後述する片開き扉81を開閉させるための蝶番97,97,…が設けられている。
【0048】
以上、左側板40Lの主な構成について説明したが、右側板40Rについても、左側板40Lの面対称となる位置に、上側嵌合部41a、下側嵌合部41b、挿入穴42、埋込穴43,および取付穴44が設けられており、左側板40Lと同様の態様で、支持体10Rの右端部および補助支持体20Rの右端部のそれぞれに右側板40Rが取り付けられている。また、後述する中央側板40Cの側面に対向する右側板40Rの内側面には、中央側板40Cの内側面と面対称となる位置に複数のダボ穴46,46,…および蝶番97,97,…が設けられている。
【0049】
次に、図2に示すように、右側板40Rと左側板40Lとの間に設けられかつ支持体10Rと支持体10Lとの境界(補助支持体20Rと補助支持体20Lとの境界)となる位置に中央側板40Cが設けられている。この中央側板40Cにおける両側面の各々の四隅には、後述する底板50Lおよび天板60Lを取り付けるためのダボPがそれぞれ設けられている。
【0050】
図5および図8に示すように、中央側板40Cの後端部には、矩形の凹陥状に切り欠かれた上側嵌合部45aおよび下側嵌合部45bが設けられている。すなわち、上側嵌合部45aおよび下側嵌合部45bの各々は、側面から見た状態において、略コ字状に切り欠かれた形状を有する。
【0051】
中央側板40Cが支持体10R,10Lおよび補助支持体20R,20Lに取り付けられた状態で、上側嵌合部45aは、補助支持体20R,20Lに対向する高さ位置に形成されかつ補助支持体20R,20Lに嵌め込むことができるような上下幅に形成されている一方、下側嵌合部45bは、支持体10R,10Lに対向する高さ位置に形成されかつ支持体10R,10Lに嵌め込むことができるような上下幅に形成されている。
【0052】
また、図8に示すように、上側嵌合部45aの垂直端面における上下方向中央には、補助支持体20R,20Lのダボ取付穴24の各々に取り付けられているダボPの頭部を挿入するための挿入穴42,42が水平方向に並んで設けられている。
【0053】
また、図8に示すように、中央側板40Cにおける両側面の各々の上側および下側には、埋込穴43と、取付穴44,44,…がそれぞれ設けられている。なお、埋込穴43および取付穴44,44,…は、上述した左側板40Lと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
中央側板40Cは、上側嵌合部45aおよび下側嵌合部45bの各々が支持体10R,10Lおよび補助支持体20R,20Lのそれぞれに嵌め合わされかつ2本のダボPの頭部が挿入穴42,42に挿入された状態で、上述した左側板40Lと同様の態様で、支持体10R,10Lおよび補助支持体20R,20Lに取り付けられている。また、左側板40Lと同様に、L型金具94およびカバー95が取り付けられている。
【0055】
また、図5に示すように、右側板40Rの内側面に対向する中央側板40Cの側面には、後述する固定棚板70R,70Lを取り付けるための複数のダボ穴46,46,…が上下方向に所定の間隔で一列に並んで前側および後側のそれぞれに設けられている。また、両開き扉82,82の各々を開閉させるための蝶番97,97,…が設けられている。図示しないが、左側板40Lの内側面に対向する中央側板40Cの側面には、左側板40Lの内側面と面対称となる位置に複数のダボ穴46,46,…および蝶番97,97,…が設けられている。
【0056】
図2図6に示すように、家具本体2は、左右の側板40R,40Lの各々と中央側板40Cとの間に設けられる底板50R,50Lを備えている。この底板50R,50Lの各々は、例えば木製の板材からなり、底板50Rの左右方向長さが底板50Lの左右方向長さよりも長く形成されている。
【0057】
以下、左側の底板50Lについて説明する。図5および図12に示すように、底板50Lの下面における四隅の各々には、後述する締結金具96を埋め込むための埋込孔51がそれぞれ設けられている。埋込孔51は、その下面から厚さ方向に向かって貫通し、左右方向の端部が一部切り欠かれている。なお、埋込孔51の各々には、家具本体2を組み立てる前から予め締結金具96が圧入されている。
【0058】
図12に示すように、締結金具96は、一般的なノックダウン金具からなり、カップ状に成形されたもので、その外周面には貫通長溝96bが形成されている。ここで、底板50Lが左側板40Lと中央側板Cとの間に配置され、左側板40Lおよび中央側板40Cに取り付けられたダボPの各々の頭部に締結金具96の貫通長溝96bのそれぞれが嵌まり込んでいる。この状態で、図13に示すように、底板50Lの埋込孔51から締結金具96の操作穴96aにドライバーが差し込まれ、締結金具96のロック部(図示せず)が時計回りに所定の角度だけ回転される。これにより、上記ダボPの頭部が締結金具96に固定され、底板50Lが左側板40Lに固定された状態となっている。同様の形式により、中央側板Cにも底板50Lが固定されている。
【0059】
以上、左側の底板50Lの主な構成について説明したが、右側の底板50Rについても、底板50Lと同様に、右側板40Rおよび中央側板Cのそれぞれに取り付けられている。
【0060】
図2および図5に示すように、家具本体2は、木製の板材からなり、左右の側板40R,40Lの各々と中央側板40Cとの間に設けられる天板60R,60Lを備えている。
【0061】
以下、左側の天板60Lについて説明する。図5および図14に示すように、天板60Lの下面における四隅の各々には、締結金具96を埋め込むための埋込穴61がそれぞれ設けられている。埋込穴61は、その下面から厚さ方向に向かって形成され、左右方向の端部が一部切り欠かれている。なお、埋込穴61の各々には、家具本体2を組み立てる前から予め締結金具96が圧入されている。
【0062】
天板60Lは左側板40Lと中央側板Cとの間に配置され、左側板40Lおよび中央側板40Cに取り付けられたダボPの頭部に締結金具96の貫通長溝96bのそれぞれが嵌まり込んでいる。この状態で、図15に示すように、締結金具96の操作穴96aに差し込まれたドライバーによって、上記ダボPが締結金具96のロック部に固定され、天板60Lが左側板40Lに固定された状態となっている。また、中央側板Cにも天板60Lが固定されている。
【0063】
以上、左側の天板60Lの主な構成について説明したが、右側の天板60Rについても、天板60Lと同様に、右側板40Rおよび中央側板Cのそれぞれに取り付けられている。
【0064】
図2および図5に示すように、家具本体2は、左右の側板40R,40Lの各々と中央側板40Cとの間に設けられる複数の固定棚板70R,70Lを備えている。なお、本実施形態において、固定棚板70R,70Lの各々には上記天板60R,60Lの各々と同じ部材が用いられている。
【0065】
ここで、収納家具1の家具本体2の上下方向において、家具本体2の上下方向を必要に応じて2分割〜4分割した位置に固定棚板70R,70Lが設けられる場合がある。このように固定棚板70R,70Lを設ける場合は、当該固定棚板70R,70Lを底板50R,50Lと同様の構成とみなしてもよいものとする。すなわち、本実施形態における固定棚板70R,70Lは、各側板に取り外し可能に架設される後述の可動棚板71とは異なり、例えば締結金具96によって各側板と緊結される固定棚板をいう。より具体的には、固定棚板70Lは、左側板40Lおよび中央側板40Cの内側面に設けられた複数のダボ穴46,46,…のいずれかにダボPが差し込まれた状態で、左側板40Lと中央側板との間に配置され、天板60Lと同様の態様で、左側板40Lおよび中央側板Cのそれぞれに取り付けられている(図16参照)。固定棚板70Rについても、同様に右側板40Rおよび中央側板Cのそれぞれに取り付けられている。
【0066】
また、図2および図5に示すように、家具本体2は、左右の側板40R,40Lの各々と中央側板40Cとの間に架設される複数の可動棚板71R,71Lを備えている。より具体的には、可動棚板71R,71Lの各々は、各側板40R,40L,40Cのダボ穴46,46,…に着脱自在に挿入されるダボPに対して取り外し可能に架設されている。なお、各側板40R,40L,40Cから取り外された不用な可動棚板71R,71Lの各収納構造については後述する。
【0067】
次に、図1に示すように、収納家具1は、家具本体2の前側に配置され、開口を開閉する複数の扉80を備えている。左側板40Lと中央側板40Cとの間には、片開き扉81が設けられており、この片開き扉81の裏面に3つの蝶番(図示せず)が上下方向に設けられ、この蝶番の各々と左側板40Lに設けられている蝶番97とが連結されている。
【0068】
また、図1に示すように、右側板40Rと中央側板40Cとの間には、2つの両開き扉82,82が上下に分かれてそれぞれ設けられており、両開き扉82,82の各々の裏面に2つの蝶番(図示せず)が上下方向に設けられ、この蝶番の各々と右側板40Rおよび中央側板40Cの各々に設けられている蝶番97,97とが連結されている。さらに、下側に設けられている両開き扉82の上方において、家具本体2の棚部分を構成する化粧板98が固定棚板70Rの上面に載せられている(図1および図17参照)。
【0069】
[不用な棚板の各収納構造]
本発明の特徴として、図18図21に示すように、背板30の前側には、左右方向に延びかつ各側板40R,40L,40Cから取り外された不用な可動棚板71R,71Lを縦置き状態で載置可能な前後幅を有する不用棚板載置部16が設けられている。より具体的には、図2図6に示すように、この不用棚板載置部16は、支持体10R,10Lの上面に形成されており、不用な可動棚板71R,71Lを縦置き状態で載置可能な前後幅を有している。このように、背板30および各側板40R,40L,40Cを含めた家具本体2を支持する支持体10R,10Lを兼用し、この支持体10R,10Lの不用棚板載置部16に不用な可動棚板71R,71Lを縦置き状態で安定的に収納しておくことができる。
【0070】
以下、図18図21に基づき、収納家具1内の収納スペースをより広く確保して背の高いブーツ等を収納する目的で、左側板40Lおよび中央側板40Cのそれぞれから取り外された不用な可動棚板71Lの各収納構造を説明する。なお、下記第1〜第4の収納構造では、可動棚板71Lについて詳細に説明するが、右側板40Rおよび中央側板40Cのそれぞれから取り外された不用な可動棚板71Rについても、下記第1〜第4の収納構造と同様に、支持体10Rの不用棚板載置部16に縦置きすることができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
(第1の収納構造)
第1の収納構造として、図18に示すように、支持体10Lの不用棚板載置部16には、左側板40Lおよび中央側板40Cのそれぞれから取り外された不用な可動棚板71Lが縦置きされている。より具体的には、可動棚板71Lの前端部または後端部のいずれか一方が支持体10Lの不用棚板載置部16に載せられて、可動棚板71Lが略垂直となるように縦置きされている。なお、第1の収納構造において、左側板40Lおよび中央側板40Cに架設されている可動棚板71Lは、支持体10Lの不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lよりも上方に設けられている。
【0072】
この第1の収納構造では、底板50Lの上方に設けられかつ建物の壁面Wに取り付けられる支持体10Lの不用棚板載置部16に不用な可動棚板71Lが縦置きされているため、不用な可動棚板71Lの有無にかかわらず、底板50Lの上方における上下方向および前後方向の収納スペースが確保された状態となっている。このため、第1の収納構造では、底板50Lの上方における上下方向および前後方向の収納空間が狭められることなく、ブーツなどの背の高い靴や大きいサイズの靴などを置くことができる。また、第1の収納構造では、収納家具1内に不用な可動棚板71Lを保管する適切な場所が確保されているため、不用な可動棚板71Lを別途保管する場所を探す必要もなく、不用な可動棚板71Lを紛失するおそれもない。
【0073】
このように、第1の収納構造によれば、背板30(中央背板31L)の前側に設けられる不用棚板載置部16に不用な可動棚板71Lが縦置きされることにより、底板50Lの上方における上下方向および前後方向の収納空間を確保しつつ、不用な可動棚板71Lを収納家具1内に適切に保管しておくことができる。
【0074】
(第2の収納構造)
次に、図19に示すように、第2の収納構造において、家具本体2には、不用棚板載置部16の上方に、この不用棚板載置部16に載置された不用な可動棚板71Lが前方に傾倒しないようにするための傾倒防止手段が設けられている。第2の収納構造における傾倒防止手段は、不用棚板載置部16の上方に水平方向に架設される可動棚板71Lからなる。より具体的には、左側板40Lおよび中央側板40Cのそれぞれに架設されている可動棚板71Lの後端部は、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lに対向している。
【0075】
このように、第2の収納構造では、上記第1の収納構造と同様の作用効果が得られるとともに、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが左側板40Lおよび中央側板40Cのそれぞれに架設されている可動棚板71Lの後端部につかえた状態となる。このため、簡易な構成により、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが前方に傾倒しないようにすることができる。
【0076】
(第3の収納構造)
次に、図20に示すように、第3の収納構造においても、傾倒防止手段が設けられてい
る。第3の収納構造における傾倒防止手段は、不用棚板載置部16の上方であって、可動棚板71Lが架設されていない位置の左側板40Rのダボ穴46および中央側板40Cのダボ穴46のそれぞれに挿入されているダボPからなる。より具体的には、これらダボPの頭部が不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lに対向している。なお、傾倒防止手段として用いられる上記ダボPは、側板40L,40Cの各々から可動棚板71Lを取り外したときに余ったものを再利用すればよい。また、左側板40Lおよび中央側板40Cの各々に2本のダボPをそれぞれ設けたが、ダボPの本数は特に限定されない。
【0077】
このように、第3の収納構造では、上記第1の収納構造と同様の作用効果が得られるとともに、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが不用棚板載置部16の上方であって可動棚板71Lが架設されていない位置のダボ穴46に挿入されているダボPの頭部につかえた状態となる。このため、簡易な構成により、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが前方に傾倒しないようにすることができる。
【0078】
(第4の収納構造)
次に、図21に示すように、第4の収納構造においても、傾倒防止手段が設けられている。不用棚板載置部16の上方であって、不用棚板載置部16に縦置きされた不用な可動棚板71Lを中央背板31Lとの間で挟み込む位置に脱落防止用の専用のダボ穴46が設けられており、第4の収納構造における傾倒防止手段は、この脱落防止用ダボ穴46に挿入されている脱落防止用の専用のダボPからなる。不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lは、これらダボPの頭部と中央背板31との間で挟み込まれている。
【0079】
このように、第4の収納構造では、上記第1の収納構造と同様の作用効果が得られるとともに、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが脱落防止用のダボPの頭部に挟み込まれて、不用な可動棚板71Lが前方に傾倒しないようにすることができる。
【0080】
また、第4の収納構造では、図21に示すように、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lの下部が前方にずれないように規制するための規制部99が設けられている。この規制部99は、左右方向に延びる板材からなり、その裏面が支持体10Lの前面に接着剤などで取り付けられている。不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lは、中央背板31Lと規制部99との間に左右方向に延びる溝部分に差し込まれた状態となっている。
【0081】
このため、第4の収納構造では、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lが規制部99により前方にずれないようになり、不用な可動棚板71Lの縦置き状態を維持しておくことができる。なお、規制部99については、第4の収納構造に限らず、上記第1〜3の収納構造のいずれにも適用することができる。
【0082】
さらに、第4の収納構造では、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lの上に、少なくとも1枚の不用な可動棚板71Lが縦置き状態に積み重ねられており、この不用な可動棚板71Lが縦置き状態に保持されるようにするための保持手段が設けられている。この保持手段は、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lの上方に水平方向に架設される可動棚板71Lからなり、この可動棚板71Lの後端部が積み重ねられた不用な可動棚板71Lに対向している。
【0083】
このように、第4の収納構造では、不用棚板載置部16上に複数の不用な可動棚板71
Lを積み重ねて収納できるとともに、保持手段により積み重ねられた不用な可動棚板71Lを縦置き状態に維持しておくことができる。
【0084】
なお、第4の収納構造の保持手段としては上記形態に限られない。すなわち、保持手段は、不用棚板載置部16に縦置きされている不用な可動棚板71Lの上方であって、可動棚板71Lが架設されていない位置の左側板40Rのダボ穴46および中央側板40Cのダボ穴46のそれぞれに挿入されているダボPからなる形態であってもよい。あるいは、第4の収納構造における脱落防止用ダボPと同様の構成を用いてもよい。また、上記第4の収納構造では、脱落防止用ダボPおよび規制部99の両方を用いたが、この形態に限らず、いずれか一方のみを用いる形態でもよい。もしくは、脱落防止用ダボPおよび規制部99を用いずに、第2または第3の収納構造と同様の態様により不用な可動棚板71Lの縦置き状態を維持した上で、更なる不用な可動棚板71Lを縦置き状態に積み重ねてもよい。
【0085】
[その他の実施形態]
本発明の実施形態に係る収納家具1では、主に玄関に設置され、例えば靴を収納するために用いられる形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、収納家具1は、玄関以外における建物の室内に設置されてもよい。
【0086】
本発明の実施形態に係る収納家具1において、家具本体2は、支持体10R,10Lおよび補助支持体20R,20Lの両方を備える形態としたが、この形態に限られない。すなわち、家具本体2として、支持体10R,10Lのみを備える形態(補助支持体20R,20Lを備えない形態)であってもよい。支持体10R,10Lのみを備える形態の場合、左右の側板40R,40Lの上側嵌合部41bおよび中央側板40Cの上側嵌合部45bは不用となる。
【0087】
本発明の実施形態に係る収納家具1において、背板30は、中央背板31R,31L、下側背板32R,32L、および上側背板33R,33Lを備える形態としたが、この形態に限られない。すなわち、背板30は、少なくとも中央背板31R,31Lだけであればよい。
【0088】
本発明の実施形態に係る収納家具1では、左右に分かれた支持体10R,10Lを並べた形態としたが、この形態に限られない。すなわち、支持体10R,10L左右方向に一体に形成された支持体10であってもよい。補助支持体20R,20L、中央背板31R,31L、下側背板32R,32L、および上側背板33R,33Lについても、同様である。
【0089】
本発明の実施形態に係る収納家具1では、複数の扉80を備える形態としたが、この形態に限らず、家具本体2のみを備える形態であってもよい。
【0090】
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、不用な可動棚板を適切に収納するために用いられる収納家具として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1:収納家具
2:家具本体
10R,10L:支持体
16:不用棚板載置部
20R,20L:補助支持体
30:背板
40R:左側板
40L:右側板
40C:中央側板
46:ダボ穴
50R,50L:底板
60R,60L:天板
70R,70L:固定棚板
71R,71L:可動棚板
80:扉
99:規制部
P:ダボ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21