(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリアミド樹脂組成物中において、ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維との界面にグラフト化ポリアミド樹脂が存在し、当該グラフト化ポリアミド樹脂量が(B)ガラス繊維100質量部に対して0.15〜2質量部である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
前記ポリアミド樹脂組成物中におけるポリアミド樹脂が、カルボキシル末端量/アミノ末端量≧1を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
前記(B)ガラス繊維が、前記(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して5質量部以上200質量部以下で含有され、かつ、前記(C)共重合体が前記(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下で含有される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
前記(A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)及びポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
前記(B)ガラス繊維が、実質的に2.8mm〜3.2mmにカットされたチョップドストランドである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0015】
[ポリアミド樹脂組成物]
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂と、表面の少なくとも一部にカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を有する(B)ガラス繊維と、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含み、かつ、ガラス転移温度Tgが0℃を超える(C)共重合体と、を含有する。このように、所望の材料で構成されているため、本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、優れた耐久性、とりわけ耐振動疲労特性を発揮することができる。
【0016】
本実施形態において、(B)ガラス繊維は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、5質量部以上200質量部以下で含有されていることが好ましい。上記した範囲内の場合、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の流動性及び外観が共に一層優れたものとなる傾向にある。同様の観点から、5質量部以上150質量部以下であることがより好ましく、15質量部以上100質量部以下であることがさらに好ましい。
【0017】
本実施形態において、(C)共重合体は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、2質量部以下で含有されていることが好ましい。(C)共重合体の含有量が2質量部以下である場合、ポリアミド末端の過剰な架橋を抑えられ、良好な流動性や外観を保持でき、また耐振動疲労特性の向上の効果が大きくなる傾向にある。さらに、(C)共重合体の含有量が0.01質量部以上であることが好ましい。0.01質量部以上添加することで、耐振動疲労特性の向上の効果が大きくなる傾向にある。同様の観点から、0.01質量部以上1質量部以下であることがより好ましく、0.01質量部以上0.6質量部以下であることがさらに好ましく、0.01質量部以上0.3質量部以下がよりさらに好ましい。
【0018】
本実施形態のポリアミド樹脂組成物においては、上述の観点から、(B)ガラス繊維が(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して5質量部以上200質量部以下で含有され、かつ、(C)共重合体が前記(A)ポリアミド樹脂100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下で含有されることが特に好ましい。
【0019】
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、23℃の引張強度に対し、80℃での引張強度が70%以上であることが好ましい。このような引張強度の関係を満足する場合、高温(80℃以上、(A)ポリアミド樹脂の融点温度以下)の環境で使用される際の、耐久性、とりわけ耐振動疲労特性により優れる傾向にある。上記各温度下における引張強度は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0020】
以下、本実施形態に係るポリアミド樹脂の各構成要素について詳細に説明する。
【0021】
[(A)ポリアミド樹脂]
「ポリアミド樹脂」とは、主鎖に−CO−NH−(アミド)結合を有する高分子化合物を意味する。なお、本明細書において、本実施形態のポリアミド樹脂組成物を構成する原料としてのポリアミド樹脂のことを指し、特に符号を付して「(A)ポリアミド樹脂」と表記する場合がある。一方、本実施形態のポリアミド樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(すなわち、本実施形態のポリアミド樹脂組成物中で他の構成要素と共存する状態のポリアミド樹脂)については特に符号を付さず、単に「ポリアミド樹脂」と表記する。本実施形態における(A)ポリアミド樹脂としては、例えば、(a)ラクタムの開環重合で得られるポリアミド、(b)ω−アミノカルボン酸の自己縮合で得られるポリアミド、(c)ジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミド、並びにこれらの共重合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本実施形態における(A)ポリアミド樹脂としては、上記した中の1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0022】
上記(a)の場合について、(A)ポリアミド樹脂の構成成分となる単量体としてのラクタムは、特に限定されないが、例えば、ピロリドン、カプロラクタム、ウンデカラクタム、ドデカラクタム等を挙げることができる。
【0023】
上記(b)の場合について、ω−アミノカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、上記ラクタムの水による開環化合物であるω−アミノ脂肪酸を用いることができる。なお、上記ラクタム又は上記ω−アミノカルボン酸は、それぞれ2種以上の単量体(上記ラクタム又は上記ω−アミノカルボン酸)を併用して縮合させたものでもよい。
【0024】
上記(c)の場合について、上記ジアミン(単量体)としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジアミンやペンタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン等の直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタンジアミンや2−エチルヘキサメチレンジアミン等の分岐型の脂肪族ジアミン;p−フェニレンジアミンやm−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミンやシクロオクタンジアミン等の脂環式ジアミンが挙げられる。また、上記ジカルボン酸(単量体)としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸、ピメリン酸やセバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
【0025】
上記(c)の場合に得られる(A)ポリアミド樹脂は、それぞれ1種単独又は2種以上の上記ジアミン及びジカルボン酸を併用して縮合させたものでもよい。
【0026】
上記のジアミン及びジカルボン酸を縮合することで得られるポリアミドは、例えば当モル量のジアミンとジカルボン酸を溶解させた塩水溶液を脱水縮合させることにより重合する。公知の方法により、適した温度・圧力に調整して重合することが好ましい。
【0027】
上記のようにして得られる本実施形態における(A)ポリアミド樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリアミド4(ポリα−ピロリドン)、ポリアミド6(ポリカプロアミド)、ポリアミド11(ポリウンデカンアミド)、ポリアミド12(ポリドデカンアミド)、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリアミド2Me5T(ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタラミド)、及びポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)並びにこれらの少なくとも1種を構成成分として含む共重合ポリアミドからなる群から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0028】
上記共重合ポリアミドとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンテレフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンアジパミド及びヘキサメチレンイソフタルアミドの共重合物、ヘキサメチレンテレフタルアミド及び2−メチルペンタンジアミンテレフタルアミドの共重合物等が挙げられる。
【0029】
上記ポリアミドの中でも、ポリアミド46(ポリテトラメチレンアジパミド)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド9T(ポリノナンメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)及びポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)並びにこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドが好ましく、ヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリアミド66を含む共重合体がより好ましい。上記のような(A)ポリアミド樹脂を用いることで、本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、より優れた耐久性を発揮する傾向にある。
【0030】
本実施形態における(A)ポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂組成物中に33質量%以上95質量%以下で配合されることが好ましい。本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、上記範囲で(A)ポリアミド樹脂を含有する場合、強度、耐熱性、耐薬品性、比重などにより優れる傾向にある。同様の観点から、(A)ポリアミド樹脂は、ポリアミド樹脂組成物中に50質量%以上75質量%以下で配合されていることがより好ましい。
【0031】
本実施形態において、原料に用いる(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端量が、40[mmol/kg]以上であることが好ましい。原料に用いる(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端量が、40[mmol/kg]以上であることで、(B)ガラス繊維の表面に含まれる成分、(C)共重合体との相互作用、具体的にはカルボン酸無水物官能基との化学反応点が多くなり、より高い耐振動疲労特性の向上効果が得られる傾向にある。なお、上記アミノ末端量は、例えば、重合時のアミンモノマー又はカルボン酸モノマー添加量を調整すること、固相重合の条件、これらの組み合わせ等により調整することができる。また、アミノ末端量(末端基濃度)の測定は、例えば、重硫酸溶媒を用いて、60℃での
1H−NMR測定により求めることができる。すなわち、当該NMR測定で得られるアミノ基末端、カルボキシル基末端にそれぞれ対応するピークの積分値を求めることで算出できる。
【0032】
本実施形態における(A)ポリアミド樹脂の硫酸相対粘度は、1.8以上3.0以下であることが好ましい。上記相対粘度が1.8以上であることで、より機械物性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。また、上記相対粘度が3.0以下であることで、より流動性・外観に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。同様の観点から、上記相対粘度は、2.2以上2.8以下であることがより好ましい。上記相対粘度は、重合時の圧力を変えることで調整できる。なお、上記相対粘度は、JIS K 6920に記載の方法により測定することができる。
【0033】
[(B)ガラス繊維]
本実施形態における(B)ガラス繊維は、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を表面の少なくとも一部に有する。本実施形態におけるカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物とは、主鎖を構成する成分の少なくとも一種がカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体である重合体を意味する。なお、本明細書において、「主鎖を構成する成分」とは、その成分(単量体)自身の活性基、例えばビニル基などが連続的に反応し、多量体を生成していくことで、主鎖を構成する成分のことをいう。また、本実施形態において、「表面の少なくとも一部に有する」状態は、具体的には、例えば、特定の成分をガラス繊維の表面に塗布、含浸等することによって達成されうる。(B)ガラス繊維が、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を表面の少なくとも一部に有することは、例えばIRやNMRなどの公知の解析手法により確認することができる。
【0034】
ここで、上記「塗布」の具体例としては、以下に限定されないが、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の装置ないし方法を用いてガラス繊維の表面に特定の成分を有せしめること等が挙げられる。
【0035】
本実施形態においては、下記のメカニズムに限定する趣旨ではないが、後に詳述する(C)共重合体が単に含有されているだけでなく、(B)ガラス繊維が上記のとおり所望の成分(カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体成分)を表面の少なくとも一部に有しているため、(C)共重合体を添加することで奏される効果が相乗的に向上されるものと考えられる。
【0036】
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(B)ガラス繊維を含有するため、優れた耐久性を発揮できる。なお、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、5質量部以上200質量部以下の(B)ガラス繊維を含有することが好ましい。本実施形態における(B)ガラス繊維は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂補強用ガラスロービング及び上記熱可塑性樹脂補強用ガラスチョップドストランド等の形態で使用することができる。
【0037】
本実施形態における(B)ガラス繊維としては、特に限定されないが、平均繊維径が5μm以上30μm以下であることが好ましい。この場合、強度及び成型性においてさらに優れたポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。また、ガラス繊維の平均繊維長についても特に限定されるものではないが、チョップドストランドの形態を採用する場合、0.1mm以上6mm以下の範囲で適宜選択することができる。耐振動疲労特性向上の観点から、2mm以上4mm以下であることが好ましく、2.8mm以上3.2mm以下であることがより好ましい。すなわち、(B)ガラス繊維が実質的に2.8mm以上3.2mm以下のチョップドストランドであることが好ましいといえる。ここで、「実質的に」とは、(B)ガラス繊維の全質量中、2.8mm以上3.2mm以下のチョップドストランドが95質量%以上であることを意味する。なお、本明細書における平均繊維径及び平均繊維長は、無作為に抽出した500本の繊維の直径及び長さを測定して得られた値の平均値である。
【0038】
本実施形態における(B)ガラス繊維は、樹脂などの他の物質と(B)ガラス繊維との親和性を高めるなどの観点から、シランカップリング剤で表面を処理されていることが好ましい。また、樹脂などの他の物質と(B)ガラス繊維との親和性を高めるなどの観点から、本実施形態における(B)ガラス繊維は後述する集束剤を表面に塗布されていることが好ましい。本実施形態においては、(B)ガラス繊維は、シランカップリング剤で処理され、集束剤を塗布された表面を有することが特に好ましい。
【0039】
[シランカップリング剤]
上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。上記した成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
【0040】
[集束剤]
上記集束剤は、例えば(B)ガラス繊維を束ねる目的や、樹脂などの他の物質と(B)ガラス繊維との親和性を高めるなどの役割を果たす目的で、(B)ガラス繊維表面に塗布等される。上記塗布に際しては特に限定されず、例えば、後述する(B)ガラス繊維の調製方法に述べるような方法を採用することができる。
【0041】
なお、上記集束剤としては、ポリアミド樹脂組成物及びその成形体の耐振動疲労特性をより高める観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を含有することが好ましい。すなわち、上述した本実施形態におけるカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を、集束剤として(B)ガラス繊維の表面の少なくとも一部に有していてもよい。
【0042】
また、上記集束剤としては、本実施形態におけるポリアミド樹脂組成物及びその成形体の耐振動疲労特性をより高める観点から、主鎖を構成する成分の少なくとも一種が不飽和モノカルボン酸及び/又はその誘導体である重合体をさらに含んでいてもよい。すなわち、本実施形態において、(B)ガラス繊維が、主鎖を構成する成分の少なくとも一種が不飽和モノカルボン酸及び/又はその誘導体である重合体を、ガラス繊維表面の少なくとも一部にさらに有していてもよい。
【0043】
本明細書において、「不飽和モノカルボン酸」とは、分子内に炭素−炭素二重結合を1つ以上と、カルボキシル基を1つ有する化合物を言う。環式及び非環式のいずれも適するが、特に非環式不飽和モノカルボン酸が好ましい。
【0044】
上記した「不飽和モノカルボン酸の誘導体」とは、上記不飽和モノカルボン酸に官能基が導入されたものを言う。特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコールによりカルボニル基をエステル化したものをいう。
【0045】
上記集束剤は、ポリウレタン樹脂を含有してもよい。
【0046】
上記ポリウレタン樹脂は、ガラス繊維集束剤として一般的に用いられるものであれば特に限定されない。例えば、m−キシリレンジイソシアナート(XDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるものが好適に使用できる。
【0047】
上記集束剤は、使用態様に応じて、水溶液、コロイダルディスパージョン、乳化剤を用いたエマルジョン等、いずれの形態に調製してもよい。
【0048】
[(B)ガラス繊維の調製方法]
ガラスロービングの形態に調製する場合は、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、上述した集束剤をガラスロービングの表面に塗布したストランドを乾燥することによって連続的に得ることができる。ガラスチョップドストランドの場合は、上記ガラスロービングを所定の長さに切断することにより得ることができる。また、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、またはストランドを乾燥した後に切断してもよい。
【0049】
本実施形態において、上記集束剤は、(B)ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上3質量%以下となるように塗布(付着)することが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上2質量%以下となるように塗布(付着)する。(B)ガラス繊維の集束を維持する観点から、上記集束剤の付着量が、(B)ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。一方、後述するガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、3質量%以下であることが好ましい。なお、上記付着量は、後述する実施例の記載と同様の方法で測定することができる。
【0050】
[(C)共重合体]
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含み、かつ、ガラス転移温度Tgが0℃を超える(C)共重合体を含有する。カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含むとは、(C)共重合体の主鎖を構成する成分の少なくとも一種がカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含むという意味である。
【0051】
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含み、かつ、ガラス転移温度(Tg)が0℃を超える(C)共重合体を含有するため、耐振動疲労特性が向上する。また、Tgが60℃よりも大きいことが好ましい。Tgが60℃よりも大きいと、耐振動疲労特性向上の効果がより大きく得られる傾向にある。また、Tgが60℃よりも大きく200℃よりも小さいことがより好ましい。Tgが200℃よりも小さいと、耐振動疲労特性向上の効果がより大きく得られる傾向にある。一方、Tgが0℃以下では、耐振動疲労特性向上の効果を十分に得ることができない。上記Tgは、JIS−K7121に準拠し、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて、昇温速度20℃/minで測定できる。
【0052】
本実施形態における(C)共重合体としては、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含み、かつ、ガラス転移温度Tgが0℃を超えるものであれば、特に限定されない。例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合体、等を採用することができる。これらの中でも、色調の観点からは、芳香族誘導体単量体を主鎖成分として含まないもの(以下に限定されないが、例えば、エチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合体等)を採用することが好ましく、耐振動疲労特性向上の観点から、エチレン−無水マレイン酸共重合体を採用することが好ましい。
【0053】
本実施形態における(C)共重合体の重量平均分子量は、60万以下が好ましい。1万以上50万以下がより好ましい。また、最も好ましくは6万以上40万以下である。重量平均分子量が1万以上であることで、熱安定性が向上し、ポリアミド樹脂組成物を押出工程に供する際の分解などが抑制される傾向にある。また、重量平均分子量60万以下であることで、ポリアミド中での(C)共重合体の分散性が向上し、ポリアミド樹脂組成物の耐振動疲労特性が向上する傾向にある。重量平均分子量40万以下であることで、さらに耐振動疲労特性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることができる傾向にある。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
【0054】
本実施形態における(C)共重合体の酸価は、0.1以上が好ましい。0.2以上であることがさらに好ましい。また、0.5以下であることが好ましい。(C)共重合体が上記の酸価を有する場合、より良い耐振動疲労特性向上効果を得られる傾向にある。なお、本明細書における酸価は、JIS K0070に準拠し、(C)共重合体1g中に存在する、酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を測定することにより求めることができる。
【0055】
[(D)熱安定剤]
本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(D)熱安定剤を含むことができる。「熱安定剤」とは、熱による劣化を抑制するために添加する安定剤であり、例えばフェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤、銅系熱安定剤などが挙げられる。すなわち、本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、(D)熱安定剤を含有する場合、より熱による劣化を抑制することができる傾向にある。なお、本実施形態において、(D)熱安定剤の含有量は特に限定されないが、熱による劣化の効果的な抑制、着色の防止、機械物性の保持などの観点から0.001質量部〜5質量部の範囲で含有されていることが好ましい。
【0056】
上記した「フェノール系熱安定剤」とは、フェノール基を含む分子であり、例えばIrganox(登録商標)1098(BASF社製)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0057】
上記した「リン系熱安定剤」とは、リン元素を含む分子であり、例えばPEP(商標登録)36(ADEKA社製)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0058】
上記した「アミン系熱安定剤」とは、アミンを含む分子であり、例えばNyrostab(商標登録)S−EED(クラリアント社製)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0059】
上記した「銅系熱安定剤」とは、銅塩とアルカリ金属のハロゲン化物及び/又はアルカリ土類金属のハロゲン化物との混合物を含む安定剤のことを言う。銅系熱安定剤の具体例としては、ヨウ化銅(I)とヨウ化カリウムの混合物や、ヨウ化銅(I)と臭化カリウムの混合物等を含む安定剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。(D)熱安定剤は、耐振動疲労特性向上の観点から、銅を含有することが好ましい。すなわち、本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、銅系熱安定剤を含有することが好ましい。
【0060】
[ポリアミド樹脂組成物に含まれうるその他の成分]
上記した成分の他に、本実施形態の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに他の成分を添加してもよい。上記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維以外の無機充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤、着色剤、染色剤や顔料等を添加してもよいし、他の熱可塑性樹脂を混合してもよい。ここで、上記他の成分はそれぞれ性質が大きく異なるため、各成分についての、本実施形態の効果をほとんど損なわない好適な含有率は様々であり、各々適宜設定することができる。
【0061】
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
本実施形態において、ポリアミド樹脂組成物を製造する方法としては、特に限定されないが、(A)ポリアミド樹脂と、(B)ガラス繊維と、(C)共重合体と、所望のその他の成分を混合し、所定の単軸又は多軸押出機を用いて混練する方法を挙げることができる。具体的には、(B)ガラス繊維としてガラスチョップドストランドを用いる場合、上流側供給口と下流側供給口とを備えた二軸押出機を使用し、上流側供給口から熱可塑性樹脂を供給して溶融させた後、下流側供給口からガラスチョップドストランドを供給して溶融混練する方法を用いることが好ましい。また、ガラスロービングを用いる場合も、公知の方法で複合することができる。
【0062】
本実施形態において、ポリアミド樹脂組成物を製造する方法としては、(A)ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維とを溶融混練した後に、(C)共重合体を添加してさらに溶融混練する方法がより好ましい。すなわち、本実施形態において、好ましいポリアミド樹脂組成物の製造方法は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維とを溶融混練する工程(a)と、工程(a)の後に、(C)共重合体を添加してさらに溶融混練する工程(b)と、を含む。具体的には、例えば、上流側供給口を1つと、下流側供給口を2つ(より上流側の供給口を下流側第一供給口、より下流側の供給口を下流側第二供給口とする)と、を備えた二軸押出機を使用することがより好ましい。上記二軸押出機を用いる場合、(A)ポリアミド樹脂と、必要であれば(D)熱安定剤、その他添加剤を上流側供給口から供給し、(B)ガラス繊維としてガラスチョップドストランドを用い、(B)ガラス繊維を下流側第一供給口から供給し、(C)共重合体を下流側第二供給口から供給することがより好ましい。
【0063】
上記製造方法を用いる場合、先に(A)ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維が混合されるため、両者は十分に相互作用する。その後に、(C)共重合体が添加されるため、(A)ポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維との相互作用を損なうことなく、(C)共重合体の添加による耐振動疲労特性の向上の効果を得る観点から特に好ましい。したがって、上記の好ましい製造方法によれば、得られるポリアミド樹脂組成物の耐振動疲労特性がより向上する。
【0064】
[グラフト化ポリアミド樹脂]
「グラフト化ポリアミド樹脂」は、本実施形態のポリアミド樹脂組成物中におけるポリアミド樹脂と(B)ガラス繊維との界面に存在し、ポリアミド樹脂とガラス繊維とを溶融混練することにより樹脂とガラス繊維の界面に形成させるものである。そのグラフト化ポリアミド樹脂の量(以下、グラフト化量ともいう)は、押出条件(温度、スクリューデザイン等)、ポリアミド樹脂(分子量、末端基濃度)、ガラス繊維の表面処理等で調整できる。本実施形態においては、上記調整方法は限定されない。
【0065】
「グラフト化ポリアミド樹脂」の量を増やす手法の具体例としては、下記に限定されるものではないが、(C)共重合体を添加する前に、適量のカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物を表面の少なくとも一部に有する(B)ガラス繊維を、(A)ポリアミド樹脂と溶融混練する手法が挙げられる。
【0066】
「グラフト化ポリアミド樹脂」が多いことで、高温(80℃以上、(A)ポリアミド樹脂の融点以下)における耐振動疲労特性、機械物性がより向上する傾向にある。
【0067】
本実施形態における、ポリアミド樹脂とガラス繊維との界面に存在するグラフト化ポリアミド樹脂とは、ポリアミド樹脂を溶出させガラス繊維を析出させるべくポリアミド樹脂ペレットまたは成形品をポリアミド樹脂の溶媒に浸した際、当該溶媒中に溶出せずガラス繊維表面に残存する有機物であって、ポリアミド樹脂を主成分とするものことをいい、赤外吸収スペクトル、熱分解ガスクロマトグラフ分析で確認できる。なお、「ポリアミド樹脂を主成分とする」とは、各解析手法において、ポリアミド樹脂成分の存在が明確に確認されることを意味する。
【0068】
具体例として、ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂を例に挙げて説明すると、まず、ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂ペレット又は成形品中のガラス繊維とグラフト化していないポリアミド66樹脂を分離するためにフェノールと混合する。ポリアミド66−フェノール溶液部分を除去し、残ったガラス繊維部分を、ポリアミド66が溶出しなくなるまで数回フェノールで洗浄した後、フェノールを除去するためにエタノールで数回洗浄後、エタノールを乾燥して除去する。
【0069】
この様にして得られたものが、有機物がグラフトされたガラス繊維である。この様にして樹脂ペレットまたは成形品中から取り出した、有機物がグラフトされたガラス繊維を、以下では、グラフト化ガラス繊維ともいう。このグラフトされた有機物は、赤外吸収スペクトル、熱分解ガスクロマトグラフ/マススペクトル分析の結果から、ポリアミド66樹脂を主成分とするものであることが確認できる。
【0070】
本実施形態における、ポリアミド樹脂とガラス繊維との界面に存在するグラフト化ポリアミド樹脂の量(グラフト化量)は、上記の様にして取り出したグラフト化ガラス繊維をJIS R3420(強熱減量)に従って測定し、質量減少量から求めることができる。この界面に存在するグラフト化ポリアミド樹脂の量は、ガラス繊維100質量部に対して0.15〜2質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜2質量部、さらに好ましくは0.2〜1.7質量部である。グラフト化量を0.15質量部以上とする場合、ガラス繊維表面を充分に被覆することができ、ペレットより得られた成形品の耐振動疲労特性が十分に発現される傾向にある。また、2質量部以下とする場合、本実施形態の効果を確保しつつ溶融流動性の低下ないし射出成形時の圧力上昇を防止できる傾向にある。
【0071】
本実施形態においては、ポリアミド組成物中におけるポリアミド樹脂が、カルボキシル末端量/アミノ末端量≧1を満たすことが好ましい。換言すると、本実施形態のポリアミド樹脂組成物中で他の構成要素と共存する状態のポリアミド樹脂が、上記の関係を満足することが好ましい。本実施形態のポリアミド樹脂組成物は、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を含み、かつ、ガラス転移温度Tgが0℃を超える(C)共重合体と、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体の化合物をガラス繊維表面の少なくとも一部に有する(B)ガラス繊維を含有し、それらに含まれるカルボン酸無水物官能基は、原料たる(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端と反応しうる。上記カルボン酸無水物官能基が原料たる(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端とより多く反応することで、耐振動疲労特性が向上するという本実施形態の効果がより大きく得られる傾向にある。このように、カルボン酸無水物官能基と反応することで、ポリアミド樹脂のアミノ末端が減少する。ポリアミド樹脂組成物がカルボキシル末端量/アミノ末端量≧1となるまでカルボン酸無水物官能基とポリアミド樹脂のアミノ末端が反応することで、耐振動疲労特性が向上するという本実施形態の効果がより大きく得られる傾向にある。
【0072】
カルボキシル末端量(末端基濃度)及びアミノ末端量(末端基濃度)の測定は、例えば、重硫酸溶媒を用いて、60℃での
1H−NMR測定により求めることができる。すなわち、当該NMR測定で得られるアミノ基末端、カルボキシル基末端にそれぞれ対応するピークの積分値を求めることで算出できる。
【0073】
[ポリアミド樹脂組成物を用いた成形体]
本実施形態の成形体は、上記の実施形態に係るポリアミド樹脂組成物を含むものである。特に限定されないが、例えば、上記の実施形態に係るポリアミド樹脂組成物の射出成形による各種部品の成形体とすることができる。そして、本実施形態における上記成形体は、特に限定されないが、例えば、自動車用、機械工業用、電気・電子用、産業資材用、工業材料用、日用・家庭品用等の各種部品に適用することができる。このように、本実施形態の成形体は、上記各種部品に優れた耐振動疲労特性を付与することができる。
【0074】
本実施形態に係るポリアミド樹脂組成物は、その優れた耐振動疲労特性から、特に自動車用途部品に適する。
【実施例】
【0075】
以下、実施例及び比較例に基づいて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に係る試料を評価するための測定法は以下のとおりである。
【0076】
<測定方法>
[98%硫酸相対粘度(ηr)]
後述する各実施例及び比較例(以下、単に「各例」ともいう)における(A)ポリアミド樹脂の98%硫酸相対粘度(ηr)は、JISK6920に従って測定した。
【0077】
[末端基濃度]
末端基濃度は、重硫酸溶媒を用いて、60℃での
1H−NMR測定により求めた。この際の測定装置としては、日本電子(株)製のECA500を用いた。すなわち、各例における(A)ポリアミド樹脂のアミノ末端基、カルボキシル末端基の対応ピークの積分値から末端基濃度を算出した。
【0078】
[重量平均分子量]
各例における(C)共重合体の質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することにより求めた。
【0079】
[Tg]
各例における(C)共重合体のTgは、JIS−K7121に準拠し、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて、昇温速度20℃/minで測定することにより求めた。
【0080】
[酸価]
各例における(C)共重合体の酸価を、JIS K0070に準拠し、(C)共重合体1g中に存在する、酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を測定することにより求めた。
【0081】
[集束剤の付着量]
各例において、熱重量分析(TGA)装置でガラス繊維の熱減量率を求め、ガラス繊維に対する集束剤の付着量を測定した。TGA装置はTGA−50(島津製作所(株)製)を用い、温度条件としては30℃から550℃まで20℃/minで昇温後、550℃で1時間保持した。
【0082】
[耐振動疲労特性]
各例で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを成形するべく、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)において、射出+保圧時間を10秒とし、冷却時間を7秒とし、後述の実施例に記載した金型温度とシリンダー温度にそれぞれ設定した。このようにしてISO 294−1に準拠して作成したJISK7139小型ISO試験片(3mm厚)を対象とし、島津製作所(株)製の島津サーボパルサー(EHF−FV10KN−10LA)を使用して耐振動疲労試験を行った。その際の条件は、周波数:20Hz、波形:正弦波、温度:120℃、応力比:0.1、チャック間距離:30mmとした。さらに、下記2種類の測定条件を設定した。
測定条件1:試料にかかる応力を76MPaに設定した場合において、当該試料が破断にいたるまでの振動回数を求めた。
測定条件2:試料にかかる応力を66MPaに設定した場合において、当該試料が破断にいたるまでの振動回数を求めた。
【0083】
[23℃、80℃、120℃における引張強度]
各例で得られたポリアミド組成物のペレットを成形するべく、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)において、射出+保圧時間を25秒とし、冷却時間を15秒とし、後述の実施例に記載した金型温度とシリンダー温度にそれぞれ設定した。このようにして、ISO 3167に準拠しつつ、多目的試験片A型の成形片を成形した。上記の多目的試験片(A型)を、23℃、80℃又は120℃において、ISO 527に準拠し、引張速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。なお、引張強度は破断点強度とした。この際の測定装置としては、島津製作所(株)製のオートグラフ AG−Iを用いた。
【0084】
[色調の評価]
各例に対応する試験片のb値を、日本電色社製色差計ZE−2000を用いて反射法により測定した。
【0085】
[ノッチ付シャルピー衝撃強度]
JIS K7111−1に準拠し、各例に対応する成形片(ノッチ付き)のシャルピー衝撃強度測定を行った。
【0086】
[曲げ強度]
各例で得られたポリアミド組成物のペレットを成形するべく、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)において、射出+保圧時間を25秒とし、冷却時間を15秒とし、後述の実施例に記載した金型温度とシリンダー温度にそれぞれ設定した。このようにして、ISO 3167に準拠しつつ、多目的試験片A型の成形片を成形した。上記の多目的試験片(A型)を、23℃において、JIS K7171に準拠し、各例に対応する成形片の、曲げ強度測定を行った。
【0087】
[吸水後の引張強度]
射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、ISO 3167に準拠しつつ、後述する実施例及び比較例で製造したポリアミド樹脂組成物のペレットから多目的試験片(A型)の成形片を成形した。その際、射出及び保圧の時間25秒、冷却時間15秒に設定した。また、金型温度とシリンダー温度は、後述する(A)ポリアミド樹脂の製造例に記載した温度に設定した。
【0088】
上記により成形した多目的試験片(A型)を、蒸留水に完全に浸し、80℃にて48時間吸水させた。その後、23℃で24時間以上冷却した後、試験片を蒸留水から取り出し、ISO 527に準拠しつつ引張速度5mm/分で引張試験を行い、各引張強度(MPa)を測定した。この手法により、吸水後の引張強度を求めた。
【0089】
[外観平滑性]
目視により、外観の平滑性を評価した。より良い外観を持つものから、良好、良、悪い、の順に評価した。
【0090】
[120℃、5000時間の熱エージング後の引張強度]
射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、ISO 3167に準拠しつつ、後述する実施例及び比較例で製造したポリアミド樹脂組成物のペレットから多目的試験片(A型)の成形片を成形した。その際、射出及び保圧の時間25秒、冷却時間15秒に設定した。また、金型温度とシリンダー温度は、それぞれ、後述する(A)ポリアミド樹脂の製造例に記載した温度に設定した。
【0091】
上記により成形した多目的試験片(A型)を、熱風循環式オ−ブン内で、120℃で熱エージングさせた。5000時間経過後、オーブンから取り出し、23℃で24時間以上冷却した後、ISO 527に準拠しつつ引張速度5mm/分で引張試験を行い、各引張強度(MPa)を測定した。
【0092】
[120℃、5000時間の熱エージング後の引張強度保持率]
120℃、5000時間の熱エージング後の引張強度保持率は、下記式により算出した。
120℃、5000時間の熱エージング後の引張強度保持率=(120℃、5000時間の熱エージング後の引張強度/23℃引張強度)×100[%]
【0093】
[グラフト化ポリアミド樹脂量]
ポリアミド樹脂ペレットまたはその成形品約5gを90%フェノール100mLと混合した(40℃、2時間攪拌)。この混合物を静置することでガラス繊維部分を沈殿させ、上澄みのポリアミド−フェノール溶液を除去した。残ったガラス繊維部分に90%フェノール100mLを加えてガラス繊維部分を洗浄した(40℃、2時間攪拌)。洗浄後、静置することでガラス繊維部分を沈殿させ、上澄みの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。次いで、99.5%エタノール100mLを加えてフェノールを取り除いた(40℃、2時間攪拌)。その後、静置することでガラス繊維部分を沈殿させ、上澄みの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した後、エタノールを除去するために窒素フロー乾燥機で80℃、2昼夜乾燥した。
【0094】
この様にして得られたグラフト化ポリアミド樹脂付着ガラス繊維をJIS R3420に準じて測定してグラフト化ポリアミド樹脂量を求めた。すなわち、グラフト化ポリアミド樹脂付着ガラス繊維を1g以上採りその質量を測定した。次に110±5℃で1時間以上乾燥した後、デシケーターに入れて室温まで放冷してその質量(m1)を測定した。これを625±20℃に保った電気炉で恒量になるまで(15分間)加熱した後取り出し、デシケーターに入れて室温まで放冷してその質量(m2)を測定した。次いで、次式に従って強熱減量(質量部)を算出し、グラフト化ポリアミド樹脂量(ガラス繊維100質量部あたりの質量部)を求めた。
グラフト化ポリアミド樹脂量={(m1−m2 )/m2 }×100
【0095】
<原料>
[ポリアミド樹脂A−1(PA66)]
50質量%のヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩の水溶液を30kg作製し、十分撹拌した。当該ポリアミド66の原料の水溶液を、撹拌装置を有し、かつ、下部に抜出しノズルを有する70Lのオートクレーブ中に仕込んだ。その後、50℃の温度下で十分攪拌した。次いで、窒素で雰囲気置換した後、撹拌しながら温度を50℃から約270℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして約1.77MPaに近づくが、圧力が1.77MPa以上にならないように水を系外に除去しながら加熱を約1時間続けた。その後、約1時間をかけ、圧力を大気圧まで降圧し、さらに約270℃、大気圧で約1時間保持した後、撹拌を停止した。下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行い、ペレットを得た。
【0096】
ポリアミド樹脂A−1の98%硫酸相対粘度は2.8であった。また、アミノ末端基濃度は46μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は72μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.64であった。なお、ポリアミド樹脂A−1の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
【0097】
[ポリアミド樹脂A−2(PA66)]
原料の水溶液にアジピン酸を900g追加で添加したことを除き、ポリアミド樹脂A−1と同様の作成方法によりポリアミド樹脂A−2を作成した。ポリアミド樹脂A−2の98%硫酸相対粘度は2.2であった。また、アミノ末端基濃度は33μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は107μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.30であった。なお、ポリアミド樹脂A−2の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
【0098】
[ポリアミド樹脂A−3(PA66)]
原料の水溶液にヘキサメチレンジアミンを900g追加で添加したことを除き、ポリアミド樹脂A−1と同様の作成方法によりポリアミド樹脂A−3を作成した。ポリアミド樹脂A−3の98%硫酸相対粘度は2.4であった。また、アミノ末端基濃度は78μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は52μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は1.50であった。なお、ポリアミド樹脂A−3の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
【0099】
[ポリアミド樹脂A−4(PA66)]
ポリアミド樹脂A−1のペレットを、攪拌機付容器に入れ、窒素置換した後に、210℃で15時間、撹拌しながら固相重合を行った。ポリアミド樹脂A−4の98%硫酸相対粘度は3.8であった。また、アミノ末端基濃度は20μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は52μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.38であった。なお、ポリアミド樹脂A−4の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
【0100】
[ポリアミド樹脂A−5(PA66/6T)]
特表2013−501094の製造例に従い、PA66/6Tを作成した。ポリアミド樹脂A−4の98%硫酸相対粘度は2.9であった。また、アミノ末端基濃度は42μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は65μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.64であった。なお、ポリアミド樹脂A−4の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
【0101】
[ポリアミド樹脂A−6(PA9T)]
特開2013−40346の製造例に従い、PA9Tを作成した。ポリアミド樹脂A−6の98%硫酸相対粘度は2.9であった。また、アミノ末端基濃度は42μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は52μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.80であった。なお、ポリアミド樹脂A−6の成形においては、金型温度を120℃、シリンダー温度を330℃に設定した。
【0102】
[ポリアミド樹脂A−7(PA610)]
特開2011−148997の製造例に従い、PA610を作成した。ポリアミド樹脂A−5の98%硫酸相対粘度は2.3であった。また、アミノ末端基濃度は58μmol/gであり、カルボキシル末端基濃度は79μmol/gであった。すなわち、アミノ末端基濃度/カルボキシル末端基濃度は0.73であった。なお、ポリアミド樹脂A−5の成形においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を260℃に設定した。
【0103】
[ガラス繊維B−1]
固形分換算で、ポリウレタン樹脂を2質量%(商品名:ボンディック(登録商標)1050、固形分率50質量%の水溶液(大日本インキ株式会社製))、後述のエチレン−無水マレイン酸共重合体C−1を8質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.6質量%(商品名:KBE−903、(信越化学工業株式会社製]、潤滑剤0.1質量%[商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製)]となるように水で希釈し、全質量を100質量%に調整し、ガラス繊維集束剤を得た。
【0104】
上記のガラス繊維集束剤を、溶融防糸された平均直径10μmのガラス繊維に対して付着させた。すなわち、回転ドラムに巻き取られる途中のガラス繊維に対し、所定位置に設置されたアプリケーターを用いて、上記ガラス繊維集束剤を塗布した。次いで、これを乾燥し、上記ガラス繊維集束剤で表面処理されたガラス繊維束のロービング(ガラスロービング)を得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。ガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。これを3mmの長さに切断して、ガラスチョップドストランドを得た。
【0105】
[ガラス繊維B−2]
固形分換算で、ポリウレタン樹脂2質量%(商品名:ボンディック(登録商標)1050、固形分率50質量%の水溶液(大日本インキ株式会社製))、エチレン−無水マレイン酸共重合体(ポリサイエンス製)4質量%、ポリアクリル酸エチル(Thermo Fisher Scientific製)4質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%(商品名:KBE−903(信越化学工業株式会社製))、潤滑剤0.1質量%(商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製))となるように水で希釈し、全質量を100質量%に調整し、ガラス繊維集束剤を得た。上記ガラス繊維集束剤を用いたことを除き、ガラス繊維B−1と同様にしてガラス繊維B−2を得た。ガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。
【0106】
[ガラス繊維B−3〕
固形分換算で、ポリウレタン樹脂2質量%(商品名:ボンディック(登録商標)1050、固形分率50質量%の水溶液(大日本インキ株式会社製))、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.6質量%(商品名:KBE−903、(信越化学工業株式会社製))、潤滑剤0.1質量%(商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製))となるように水で希釈し、全質量を100質量%に調整し、ガラス繊維集束剤を得た。上記ガラス繊維集束剤を用いたことを除き、ガラス繊維B−1と同様にしてガラス繊維B−3を得た。ガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。
【0107】
[ガラス繊維B−4]
ガラス繊維B−1と同様の方法で、平均直径7μmのガラス繊維を用いた。
【0108】
[ガラス繊維B−5]
ガラス繊維B−1と同様の方法で、平均直径13μmのガラス繊維を用いた。
【0109】
[ガラス繊維B−6]
固形分換算で、ポリウレタン樹脂を2質量%(商品名:ボンディック(登録商標)1050、固形分率50質量%の水溶液(大日本インキ株式会社製))、後述のエチレン−無水マレイン酸共重合体C−1を8質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.6質量%(商品名:KBE−903、(信越化学工業株式会社製]、潤滑剤0.1質量%[商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製)]となるように水で希釈し、全質量を100質量%に調整し、ガラス繊維集束剤を得た。
【0110】
上記のガラス繊維集束剤を、溶融防糸された平均直径10μmのガラス繊維に対して付着させた。すなわち、回転ドラムに巻き取られる途中のガラス繊維に対し、所定位置に設置されたアプリケーターを用いて、上記ガラス繊維集束剤を塗布した。次いで、これを乾燥し、上記ガラス繊維集束剤で表面処理されたガラス繊維束のロービング(ガラスロービング)を得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。ガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。これを4.5mmの長さに切断して、ガラスチョップドストランドを得た。
【0111】
[エチレン−無水マレイン酸共重合体C−1]
重量平均分子量が6万、Tgが150℃、酸価が0.28のエチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた。
【0112】
[スチレン−無水マレイン酸共重合体C−2]
重量平均分子量が6万、Tgが250℃、酸価が0.1のスチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた。
【0113】
[エチレン−無水マレイン酸含有共重合体C−3]
重量平均分子量が6万、Tgが60℃、酸価が0.2のエチレン−無水マレイン酸含有共重合体を用いた。
【0114】
[エチレン−無水マレイン酸含有共重合体C−4]
重量平均分子量が6万、Tgが−60℃、酸価が0.05のエチレン−無水マレイン含有酸共重合体を用いた。
【0115】
[エチレン−無水マレイン酸共重合体C−5]
重量平均分子量が15万、Tgが150℃、酸価が0.28のエチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた。
【0116】
[エチレン−無水マレイン酸共重合体C−6]
重量平均分子量が40万、Tgが150℃、酸価が0.28のエチレン−無水マレイン酸共重合体を用いた。
【0117】
[熱安定剤D−1]
銅系熱安定剤: ヨウ化銅(CuI)(和光純薬工業(株)製 商品名 ヨウ化銅(I))100gと、ヨウ化カリウム(KI)(和光純薬工業(株)製 商品名 ヨウ化カリウム)440gの混合物を用いた。
【0118】
[熱安定剤D−2]
銅系熱安定剤: ヨウ化銅(CuI)(和光純薬工業(株)製 商品名 ヨウ化銅(I))100gと、臭化カリウム(KBr)(和光純薬工業(株)製 商品名 臭化カリウム)315gの混合物を用いた。
【0119】
[熱安定剤D−3]
Irganox(登録商標)1098(BASF社製)を用いた。
【0120】
[実施例1]
押出機として、二軸押出機(ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ))を用いた。この二軸押出機は、上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、かつ、6番目のバレルに下流側第一供給口を有し、かつ、8番目のバレルに下流側第二供給口を有するものである。そして、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)となっている。この二軸押出機において、上流側供給口からダイまでの温度を290℃に、スクリュー回転数を300rpmに、吐出量を25kg/時間に、それぞれ設定した。かかる条件下で、下記表1の上部に記載された割合となるように、上流側供給口より(A)ポリアミド樹脂と、(D)熱安定剤を供給し、下流側第一供給口より(B)ガラス繊維を供給し、下流側第二供給口より(C)共重合体を供給し、溶融混練することで樹脂組成物のペレットを製造した。得られた樹脂組成物を成形し、その成形片を用いて、振動疲労特性、成形体外観等を評価した。
【0121】
[実施例2〜
16,18〜24、
参考例17、比較例1〜3]
(A)ポリアミド樹脂、(B)ガラス繊維、(C)共重合体、(D)熱安定剤の種類ないし含有量を表1〜4のように変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例2〜
16,18〜24、
参考例17、比較例1〜3のペレット及び試験片を作成し、各試験に供した。
【0122】
[実施例25]
押出機として、二軸押出機(ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ))を用いた。この二軸押出機は、上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、かつ、6番目のバレルに下流側第一供給口を有し、かつ、8番目のバレルに下流側第二供給口を有するものである。そして、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)となっている。この二軸押出機において、上流側供給口からダイまでの温度を290℃に、スクリュー回転数を300rpmに、吐出量を25kg/時間に、それぞれ設定した。かかる条件下で、下記表1の上部に記載された割合となるように、上流側供給口より(A)ポリアミド樹脂と、(C)共重合体と、(D)熱安定剤を供給し、下流側第一供給口より(B)ガラス繊維を供給し、溶融混練することで樹脂組成物のペレットを製造した。得られた樹脂組成物を成形し、その成形片を用いて、振動疲労特性、成形体外観等を評価した。
【0123】
なお、表中の数字は質量部を表す。「−」は測定していないことを示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】
表1〜4より、実施例1〜
16,18〜25
、参考例17のポリアミド樹脂組成物は、優れた耐振動疲労特性を示すことがわかった。
【0129】
本出願は、2013年6月20日出願の日本特許出願(特願2013−129862号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。