(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の固体ドーパント源と、前記第2の固体ドーパント源の前記複数の第1の領域とからドーパントを前記ポリシリコン層中にドライブインするべく、前記基板を加熱する段階を更に備える、請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法が、本明細書に記載されている。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、特定のプロセスフロー操作などの多数の特定の詳細が記載される。これらの特定の詳細を使用することなく、本発明の実施形態を実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の場合には、本発明の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、リソグラフィ及びパターニング技術などの、周知の製造技術は詳細に説明されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも一定のスケールで描写されるものではないことを理解するべきである。
【0007】
本明細書に開示されているのは、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法である。一実施形態において、本方法は、化学気相堆積によって、第1導電型の第1の固体ドーパント源を基板の上方に形成する段階を含む。第1の固体ドーパント源は、間隙により分離された複数の領域を含む。第2導電型の第2の固体ドーパント源の領域は、印刷によって、基板の上方に形成される。第2の固体ドーパント源の領域は、第1の固体ドーパント源の複数の領域の間隙内に第1の固体ドーパント源の複数の領域と接触することなく形成される。第1導電型は、第2導電型の反対である。
【0008】
別の実施形態では、本方法は、印刷によって、第1導電型の第1の固体ドーパント源を基板の上方に形成する段階を含む。第1の固体ドーパント源は、間隙により分離された複数の領域を含む。第2導電型の第2の固体ドーパント源は、化学気相堆積によって、第1の固体ドーパント源の上方に形成される。第2の固体ドーパント源はまた、第1の固体ドーパント源の複数の領域の間隙内において、基板の上方に形成される。第1導電型は、第2導電型の反対である。次いで、第2の固体ドーパント源がパターニングされて、第1の固体ドーパント源の複数の領域の間隙内に第1の固体ドーパント源の複数の領域と接触することなく、第2の固体ドーパント源の第1の領域が形成される。第2の固体ドーパント源の第2の領域は、第1の固体ドーパント源の複数の領域上に残留する。第1の固体ドーパント源は、第2の固体ドーパント源の第2の領域から、第1の固体ドーパント源の複数の領域を通過してドーパントをドライブすることを遮断する十分な厚みを有する。
【0009】
バックコンタクト型太陽電池のエミッタは、ブランケット堆積されたドープ膜を通してパターニングすることにより形成されてもよい。この手法は、典型的には、ブランケットドーパント−含有膜の堆積、犠牲エッチレジストの堆積、ドーパント−含有膜のエッチング、及びエッチレジストのストリッピングを含む。これらの多数のプロセス操作は、製造の複雑さ及び太陽電池生産のコストを増大させる。多数の操作が使用されるため、歩留まりも低下し得る。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、バックコンタクト型太陽電池のドーピングに使用されるプロセス操作の総数は、本明細書に記載する方法を使用することにより低下される。したがって、本明細書に記載する方法の1つ以上の実施形態は、エミッタ製造を単純化し得る。少なくともいくつかの実施形態では、これらの改善は、ドーパント堆積とパターニングとを組み合わせて単一の操作とする選択的ドーパント堆積を介して達成される。
【0011】
具体的な例示的実施形態では、製造フローの部分に4つの操作を有する従来のプロセスが、そのフローの部分に関して2つの操作に低減される。特定の例は、第1の固体ドーパント源を堆積し、マスキングし、エッチングした後、第2の固体ドーパント源を堆積する操作を、第1の固体ドーパント源をインクジェットした後、第2の固体ドーパント源を堆積する操作で置き換える段階を含む。別の特定の例示的な実施形態では、製造フローの部分に6つの操作を有する従来のプロセスが、そのフローの部分に関して5つの操作に低減される。特定の例は、第1の固体ドーパント源を堆積し、マスキングし、エッチングし、第2の固体ドーパント源を堆積し、マスキングした後、エッチングする操作を、第1の固体ドーパント源を堆積し、マスキングし、エッチングし、第2の固体ドーパント源をインクジェットした後に、硬化させる操作、又は、第1の固体ドーパント源をインクジェットし、第2の固体ドーパント源を堆積し、硬化させ、マスキングした後、エッチングする操作で置き換える段階を含む。印刷可能なドーパント源の例には、非限定的にスピンオンガラスベースの材料又はナノ粒子ベースの材料を含むインクジェット印刷可能なドーパント源材料が挙げられる。
【0012】
本明細書に記載した手法によって半導体層又は基板中にドープ領域を形成した後に、レーザーアブレーションを用いて、太陽電池の裏面上のp型及びn型ドープ領域のアレイの上方に形成された抗反射コーティング(ARC)層を通して正孔又は開口を形成して、バックコンタクト型太陽電池のコンタクト形成を行い得る。次いで、金属コンタクトなどの導電性コンタクトが、開口内に形成され、p型及びn型ドープ領域のアレイと電気結合を提供することが可能である。
【0013】
本発明の一態様では、第2導電型の固体ドーパント源は、既にパターニングされた第1導電型の固体ドーパント源のフィーチャの間に印刷される。例えば、
図1は、本発明の一実施形態による、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法における操作を表すフローチャート100を示す。
図2A〜2Iは、本発明の一実施形態による、フローチャート100の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における様々な段階の断面図を示す。
【0014】
フローチャート100の操作102、及び対応する
図2Aを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、基板200上に薄い誘電体層202を形成する段階を含む。
【0015】
一実施形態では、この薄い誘電体層202は、二酸化ケイ素から構成され、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する。一実施形態では、この薄い誘電体層202は、トンネリング酸化膜として機能する。一実施形態では、基板200は、n型ドープ単結晶性シリコン基板などのバルク単結晶基板である。しかしながら、代替的な実施形態では、基板200は、太陽電池基板全体に配設された多結晶シリコン層を含む。
【0016】
フローチャート100の操作104、及び対応する
図2Bを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、薄い誘電体層202上にポリシリコン層204を形成する段階をも含む。用語ポリシリコン層の使用は、アモルファス−又はα−シリコンとして記載され得る材料も含むことが意図されることを理解するべきである。
【0017】
フローチャート100の操作106、及び対応する
図2C及び2Dを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、ポリシリコン層204上に第1導電型の第1の固体ドーパント源206を形成(
図2Cの層205)及びパターニングする段階を含む。
【0018】
一実施形態において、
図2Dに示すように、パターニングは、第1の固体ドーパント源の複数の領域206の間において、ポリシリコン層204の領域を露出する間隙208を形成する。一実施形態において、第1の固体ドーパント源206の形成及びパターニングは、ホウケイ酸ガラス(BSG)の層又はリンケイ酸ガラス(PSG)の層を形成及びパターニングする段階を含む。特定の実施形態において、BSG又はPSG層は、化学気相堆積により均一のブランケット層として形成された後、リソグラフィ及びエッチプロセスによりパターニングされる。特定のそのような実施形態では、BSG又はPSG層は、非限定的に大気圧化学気相堆積(APCVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)又は超高真空化学気相堆積(UHVCVD)などの化学気相堆積技術により形成される。代替的な特定の実施形態では、BSG又はPSG層は、既にパターンを有するように堆積され、それ故、形成とパターニングとが同時に行われる。そのような一実施形態では、パターニングされたBSG又はPSG層は、スクリーン印刷手法により形成される。固体ドーパント源は、ドーパント不純物原子を含有する層であり、基板の上方に堆積され得ることを理解するべきである。これは、イオン注入手法と対比される。
【0019】
フローチャート100の操作108、及び対応する
図2Eを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法はまた、印刷によって、基板200の上方に第2導電型の第2の固体ドーパント源210の領域を形成する段階を含む。一実施形態では、印刷は、非限定的にインクジェット印刷、スクリーン印刷又はエアロゾル印刷などの技術により行われる。
【0020】
一実施形態では、
図2Eに示すように、第2の固体ドーパント源210の領域は、第1の固体ドーパント源の複数の領域206の間隙208内に第1の固体ドーパント源の複数の領域206と接触することなく形成される。また、より具体的な実施形態では、同様に
図2Eに示すように、第2の固体ドーパント源210の領域は、第1の固体ドーパント源の複数の領域206から離間している。一実施形態では、第1の固体ドーパント源205/206及び第2の固体ドーパント源210は、ポリシリコン層204上に形成されている。しかしながら、基板と区別されるポリシリコン層が使用されない用途も存在し得る。それ故、別の実施形態(図示せず)では、第1の固体ドーパント源205/206及び第2の固体ドーパント源210は、基板上に直接(例えば、基板200上に直接)形成され、又は基板の表面上の薄い酸化膜上に形成される。
【0021】
一実施形態では、第2の固体ドーパント源210は、非限定的にスピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料などの材料から構成されている。スピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料は、その上に配置された第2導電型のドーパントを含む。例えば、一実施形態では、第2導電型はn型であり、ドーパント不純物原子はリン原子である。一実施形態では、第2導電型はp型であり、ドーパント不純物原子はホウ素原子である。
【0022】
一実施形態では、第1導電型は、第2導電型の反対である。例えば、一実施形態では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型であり、第1の固体ドーパント源205/206は、BSGから構成されている。別の実施形態では、第1導電型はn型であり、第2導電型はp型であり、第1の固体ドーパント源205/206は、PSGから構成されている。
【0023】
フローチャート100の操作110、及び対応する
図2Fを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、第2の固体ドーパント源210の領域と、第1の固体ドーパント源206の複数の領域との間において、基板200中に部分的にトレンチ212を形成する段階を更に含む。一実施形態では、
図2Fに示すように、トレンチ212は、ポリシリコン層204中に、薄い誘電体層202中に、及び基板200中に部分的に形成される。
【0024】
フローチャート100の操作112、及び対応する
図2Gを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、トレンチ212を形成する段階の後、基板200を加熱する段階250を更に含む。
【0025】
一実施形態では、加熱は、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210からドーパントをドライブする。例えば、一実施形態では、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210はポリシリコン層204上に形成され、基板200を加熱する段階は、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210からそれぞれドーパントをポリシリコン層204中にドライブインする。しかしながら、別の実施形態では、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210は基板2090上に直接形成され、又は、基板200上の薄い酸化物上に形成され、基板200を加熱する工程は、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210からそれぞれドーパントを基板200中にドライブインする。具体的なそのような一実施形態では、基板200はバルク結晶シリコン基板であり、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210は、バルク結晶シリコン基板上に形成される。次いで、バルク結晶シリコン基板を加熱して、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210からドーパントをバルク結晶シリコン基板中にドライブインする。
【0026】
フローチャート100の操作114、及び対応する
図2Gを再び参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、トレンチ212によって露出された基板200の部分214をテクスチャ加工する段階を更に含む。
【0027】
一実施形態では、このテクスチャ加工は、ランダムテクスチャパターンを形成する。このランダムテクスチャパターンは、異方性エッチング処理を基板200の露出した領域に適用することによって形成することができ、したがって、基板200の単結晶性シリコン面などの結晶面によって決定することができる。操作112の加熱は、第2の固体ドーパント源210を硬化させる。次いで、トレンチ212により露出された基板200の部分214をテクスチャ加工する間、硬化された第2の固体ドーパント源は、マスクとして機能する。
【0028】
例えば、特定の実施形態では、硬化された第2の固体ドーパント源はマスクとして機能して、水酸化物(OH
−)ベースのエッチングに選択性を提供する。即ち、印刷された固体ドーパント源を使用したドーピングプロセスは、テクスチャ加工操作のためのマスクを提供する能力を本来備えている。大気圧化学気相堆積(APCVD)、注入又はレーザードーピングなどの他のドーピング手法は、このドーピングプロセスが本来備えている、そのようなマスキングの経路を提供しない場合があることを理解するべきである。
【0029】
一実施形態では、
図2Hを参照すると、基板200を加熱する段階は、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210からのドーパントをそれぞれ活性化して、第2導電型の複数のポリシリコン領域220及び第1導電型の複数のポリシリコン領域222を形成する工程も含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204中で、少なくともいくつかのドーパントの混入を侵入型から置換型に変化させる段階を含む。一実施形態では、同様に
図2Hに示すように、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210はまた除去されてもよい。そのような一実施形態では、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210は、水性フッ化水素酸又は他のHF源を含む湿式溶液を適用することによる湿式エッチ技術を用いて除去される。別のそのような実施形態では、第1の固体ドーパント源206及び第2の固体ドーパント源210は、プラズマエッチングにより除去される。
【0030】
図2Iを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、第2導電型の複数のポリシリコン領域220の上方、第1導電型の複数のポリシリコン領域222の上方、及び基板200の露出部分の上方に、誘電体層224を形成する段階を更に含む。一実施形態では、誘電体層224は、抗反射コーティング(ARC)層である。
【0031】
再び
図2Iを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、レーザーアブレーションによって、複数のn型ドープポリシリコン領域222及び複数のp型ドープポリシリコン領域220に複数のコンタクト開口226を形成する段階を更に含む。次いで、複数のコンタクト開口226内に導電性コンタクト228を形成し、導電性コンタクト228は、第2導電型の複数のポリシリコン領域220及び第1導電型の複数のポリシリコン領域222に結合されてもよい。一実施形態では、導電性コンタクト228は、金属から構成され、堆積、リソグラフ及びエッチング手法によって形成される。
【0032】
本発明の別の態様では、第2導電型の固体ドーパント源は、ブランケット堆積によって、印刷された第1導電型の固体ドーパント源のフィーチャを覆って形成される。例えば、
図3は、本発明の別の実施形態による、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法における操作を表すフローチャート300を示す。
図2A、2B、4A〜4E、2I及び2Jは、本発明の一実施形態による、フローチャート300の操作に対応する、バックコンタクト型太陽電池の製造における様々な段階の断面図を示す。
【0033】
フローチャート300の操作302、及び対応する
図2Aを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、基板200上に薄い誘電体層202を形成する段階を含む。
【0034】
一実施形態では、この薄い誘電体層202は、二酸化ケイ素から構成され、およそ5〜50オングストロームの範囲の厚さを有する。一実施形態では、この薄い誘電体層202は、トンネリング酸化膜として機能する。一実施形態では、基板200は、n型ドープ単結晶性シリコン基板などのバルク単結晶基板である。しかしながら、代替的な実施形態では、基板200は、太陽電池基板全体に配設された多結晶シリコン層を含む。
【0035】
フローチャート300の操作304、及び対応する
図2Bを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、薄い誘電体層202上にポリシリコン層204を形成する段階も含む。用語ポリシリコン層の使用は、アモルファス−又はα−シリコンとして記載され得る材料も含むことが意図されることを理解するべきである。
【0036】
フローチャート300の操作306、及び対応する
図4Aを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、印刷によって、基板200の上方に第1導電型の第1の固体ドーパント源252を形成する段階を含む。第1の固体ドーパント源252は、間隙254により分離された複数の領域を含む。一実施形態において、印刷は、非限定的にインクジェット印刷、スクリーン印刷又はエアロゾル印刷などの技術により行われる。
【0037】
一実施形態では、
図4Aに示すように、間隙254は、第1の固体ドーパント源の複数の領域252の間において、ポリシリコン層204の領域を露出する。一実施形態では、基板200の上方の第1の固体ドーパント源252の全適用範囲は、表面積で10〜15%の範囲内であり、例えばおよそ12%である。
【0038】
一実施形態では、第1の固体ドーパント源252は、非限定的にスピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料などの材料から構成されている。スピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料は、その上に配置された第1導電型のドーパントを含む。例えば、一実施形態では、第1導電型はn型であり、ドーパント不純物原子はリン原子である。一実施形態では、第1導電型はp型であり、ドーパント不純物原子はホウ素原子である。
【0039】
フローチャート300の操作308、及び対応する
図4Bを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法はまた、化学気相堆積により、第1の固体ドーパント源252の上方に第2導電型の第2の固体ドーパント源256を形成する段階を含む。第2の固体ドーパント源256はまた、第1の固体ドーパント源252の複数の領域の間隙254内において、基板200の上方に形成される。
【0040】
一実施形態では、第2の固体ドーパント源256を形成する段階は、BSGの層又はPSGの層を形成する段階を含む。そのような一実施形態では、BSG又はPSG層は、化学気相成長により均一のブランケット層として形成される。一実施形態では、第2導電型は、第1導電型の反対である。例えば、一実施形態では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型であり、第2の固体ドーパント源256はPSGから構成されている。別の実施形態では、第1導電型はn型であり、第2導電型はp型であり、第2の固体ドーパント源256はBSGから構成されている。
【0041】
一実施形態では、第1の固体ドーパント源252と、第2の固体ドーパント源256の部分とは、ポリシリコン層204上に形成されている。しかしながら、基板と区別されるポリシリコン層が使用されない用途も存在し得る。それ故、別の実施形態(図示せず)では、第1の固体ドーパント源252と、第2の固体ドーパント源256の部分とは、基板上に直接(例えば基板200上に直接)形成され、又は基板の表面上の薄い酸化膜上に形成される。
【0042】
フローチャート300の操作310、及び対応する
図4Cを参照すると、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、第2の固体ドーパント源256をパターニングして、第1の固体ドーパント源の複数の領域252の間隙254内に第1の固体ドーパント源の複数の領域252と接触することなく、第2の固体ドーパント源256の第1の領域258を形成する段階も含む。更に、
図4Cに示すように、第1の固体ドーパント源の複数の領域252上に、第2の固体ドーパント源256の第2の領域260も形成される。
【0043】
一実施形態において、第2の固体ドーパント源256をパターニングする段階は、BSGの層又はPSGの層をパターニングする段階を含む。特定の実施形態において、BSG又はPSG層は、化学気相堆積により均一のブランケット層として形成された後、リソグラフィ及びエッチプロセスによりパターニングされる。特定のそのような実施形態では、BSG又はPSG層は、非限定的に大気圧化学気相堆積(APCVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)又は超高真空化学気相堆積(UHVCVD)などの化学気相堆積技術により形成される。一実施形態では、
図4Cに示すように、第2の固体ドーパント源256の第1の領域258は、第1の固体ドーパント源の複数の領域252の間隙254内に第1の固体ドーパント源の複数の領域252と接触することなく形成される。また、より特定の実施形態では、同様に
図4Cに示すように、第2の固体ドーパント源256の第1の領域258は、第1の固体ドーパント源252の複数の領域から離間している。
【0044】
フローチャート300の操作312、及び対応する
図4Dを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、第2の固体ドーパント源256の第1の領域258と、第1の固体ドーパント源252の複数の領域との間において、基板200中に部分的にトレンチ262を形成する段階を更に含む。一実施形態では、トレンチ262は、
図4Dに示すように、ポリシリコン層204中に、薄い誘電体層202中に、及び基板200中に部分的に形成される。
【0045】
フローチャート300の操作314、及び対応する
図4Eを参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、トレンチ262を形成する段階の後に、基板200を加熱する段階250を更に含む。
【0046】
一実施形態において、加熱は、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258からドーパントをドライブする。例えば、一実施形態において、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258はポリシリコン層204上に形成され、基板200を加熱する段階は、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258からそれぞれドーパントをポリシリコン層204中にドライブインする。しかしながら、別の実施形態では、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258は、基板200上に直接形成され、又は、基板200上の薄い酸化物上に形成され、基板200を加熱する段階は、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258からそれぞれドーパントを基板200中にドラインブンする。特定のそのような一実施形態では、基板200はバルク結晶シリコン基板であり、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258は、バルク結晶シリコン基板上に形成される。次いで、バルク結晶シリコン基板を加熱して、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258からドーパントをバルク結晶シリコン基板中にドライブインするべくバルク結晶シリコン基板を加熱する。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、第1の固体ドーパント源252は、第2の固体ドーパント源256の第2の領域260から、第1の固体ドーパント源252の複数の領域を通過してドーパントをドライブすることを遮断する十分な厚みを有する。例えば、第2の固体ドーパント源256の第1の領域258からドーパントを下層のポリシリコン層又は基板中にドライブインすることは望ましい場合がある一方、第2の固体ドーパント源256の第2の領域260からドーパントを下層のポリシリコン層又は基板中にドライブインすることは望ましくない場合がある。その代わりに、それらの領域内では、第2の固体ドーパント源256の第2の領域260の下層の第1の固体ドーパント源252からドーパントを下層のポリシリコン層又は基板中にドライブインすることのみが望ましい可能性がある。厚さ以外に、第2の固体ドーパント源256の第2の領域260から第1の固体ドーパント源252の複数の領域を通過してドーパントをドライブすることを十分に遮断するよう考慮され得る他のパラメーターには、第1の固体ドーパント源252のドーパント濃度、第1の固体ドーパント源252の密度、ドーパント種のアイデンティティー、及び加熱操作314のタイミングが挙げられるが、これらに限定される必要はない。
【0048】
フローチャート300の操作316、及び対応する
図4Eを再び参照すると、一実施形態では、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、トレンチを形成する段階の後に、トレンチ262によって露出された基板200の部分264をテクスチャ加工する段階を更に含む。
【0049】
一実施形態では、このテクスチャ加工は、ランダムテクスチャパターンを形成する。このランダムテクスチャパターンは、異方性エッチング処理を基板200の露出した領域に適用することによって形成することができ、したがって、基板200の単結晶性シリコン面などの結晶面によって決定することができる。一実施形態において、操作314の加熱は、第1の固体ドーパント源252を硬化させる。次いで、トレンチ262により露出された基板200の部分264をテクスチャ加工する間、硬化された第1の固体ドーパント源は、マスクとして機能する。
【0050】
一実施形態では、
図2Hを参照すると、基板200を加熱する段階は、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258からのドーパントをそれぞれ活性化して、第1導電型の複数のポリシリコン領域220及び第2導電型の複数のポリシリコン領域222を形成する段階も含む。一実施形態では、活性化する工程は、ポリシリコン層204中で、少なくともいくつかのドーパントの混入を侵入型から置換型に変化させる工程を含む。一実施形態において、同様に
図2Hに示すように、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258も除去される。そのような一実施形態では、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258は、水性フッ化水素酸又は他のHF源を含む湿式溶液を適用することによる湿式エッチ技術により除去される。別のそのような実施形態では、第1の固体ドーパント源252及び第2の固体ドーパント源258は、プラズマエッチングにより除去される。
【0051】
図2Iを参照すると、一実施形態において、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法は、場合により、第1導電型の複数のポリシリコン領域220の上方、第2導電型の複数のポリシリコン領域222の上方、及び基板200の露出部分の上方に、誘電体層224を形成する段階を更に含む。次いで、複数のコンタクト開口226を形成し、第1導電型の複数のポリシリコン領域220及び第2導電型の複数のポリシリコン領域222を露出してもよい。次いで、複数のコンタクト開口226内に導電性コンタクト228を形成し、導電性コンタクト228は、第1導電型の複数のポリシリコン領域220及び第2導電型の複数のポリシリコン領域222に結合されてもよい。
【0052】
フローチャート100及び300の操作、並びに対応する図は、説明を目的として、特定の順序で提供されていることを理解するべきである。本発明の趣旨及び範囲内で検討される別の実施形態は、異なる製造の順序を含み得る。例えば、図示された特定の順序付けは、特定の実施形態に明記されない限り、変更又は変化されてもよい。例えば、フローチャート300に関連して記載した方法におけるトレンチの形成は、別の実施形態では必要でない場合がある。
【0053】
このように、バックコンタクト型太陽電池のエミッタの製造方法が開示されてきた。本発明の一実施形態によれば、本方法は、化学気相堆積によって、間隙により分離された複数の領域を含む第1導電型の第1の固体ドーパント源を基板の上方に形成する段階を含む。本発明はまた、第1の固体ドーパント源の複数の領域の間隙内に第1の固体ドーパント源の複数の領域と接触することなく、第2導電型の第2の固体ドーパント源の領域を印刷によって基板の上方に形成する段階を備え、第1導電型が第2導電型の反対である。一実施形態では、第2の固体ドーパント源は、スピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料から構成されている。一実施形態では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型であり、第1の固体ドーパント源は、ホウケイ酸ガラス(BSG)から構成されている。一実施形態では、第1導電型はn型であり、第2導電型はp型であり、第1の固体ドーパント源は、リンケイ酸ガラス(PSG)から構成されている。
(項目1)
バックコンタクト型太陽電池のエミッタの形成方法であって、
化学気相堆積によって、間隙により分離された複数の領域を含む第1導電型の第1の固体ドーパント源を基板の上方に形成する段階と、
上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域の上記間隙内に上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域と接触することなく、第2導電型の第2の固体ドーパント源の複数の領域を印刷によって上記基板の上方に形成する段階と、を備え、
上記第1の導電型が上記第2の導電型の反対である、方法。
(項目2)
上記第2の固体ドーパント源の上記複数の領域が、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域から離間され、
上記方法は更に、
上記第2の固体ドーパント源の上記領域と、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域との間の上記基板に部分的にトレンチを形成する段階と、
上記第1の固体ドーパント源及び第2の固体ドーパント源からのドーパントをドライブするべく上記基板を加熱する段階とを更に備え、
上記加熱する段階により、上記第2の固体ドーパント源が硬化する、請求項1に記載の方法。
(項目3)
上記トレンチを形成する段階及び上記加熱する段階の後に、上記トレンチにより露出された上記基板の部分をテクスチャ加工する段階を更に備え、
硬化された上記第2の固体ドーパント源が、上記テクスチャ加工する段階において、マスクとして機能する、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記第1の固体ドーパント源を形成する段階の前に、上記基板上に薄い誘電体層を形成する段階と、
上記薄い誘電体層上にポリシリコン層を形成する段階とを備え、
上記第1の固体ドーパント源及び上記第2の固体ドーパント源が上記ポリシリコン層上に形成される、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記第1の固体ドーパント源及び第2の固体ドーパント源からドーパントを上記ポリシリコン層中にドライブインするべく上記基板を加熱する段階を更に備える、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記基板がバルク結晶シリコン基板であり、
上記第1の固体ドーパント源及び上記第2の固体ドーパント源が上記バルク結晶シリコン基板上に形成される、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記第1の固体ドーパント源及び第2の固体ドーパント源からドーパントを上記バルク結晶シリコン基板中にドライブインするべく上記バルク結晶シリコン基板を加熱する段階を更に備える項目6に記載の方法。
(項目8)
上記第2の固体ドーパント源が、スピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記第1導電型がp型であり、上記第2導電型がn型であり、
上記第1の固体ドーパント源が、ホウケイ酸ガラス(BSG)を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記第1の導電型がn型であり、上記第2の導電型がp型であり、
上記第1の固体ドーパント源が、リンケイ酸ガラス(PSG)を含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
項目1に記載の方法により製造された太陽電池。
(項目12)
バックコンタクト型太陽電池のエミッタの形成方法であって、
印刷によって、間隙により分離された複数の領域を含む第1導電型の第1の固体ドーパント源を基板の上方に形成する段階と、
化学気相堆積によって、上記第1の固体ドーパント源の上方に、及び、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域の上記間隙内において上記基板の上方に、第2の導電型の第2の固体ドーパント源を形成する段階と、
上記第1の導電型が上記第2の導電型の反対であり、
上記第2の固体ドーパント源をパターニングして、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域の上記間隙内に上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域と接触することなく、上記第2の固体ドーパント源の複数の第1の領域を形成し、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域上に上記第2の固体ドーパント源の複数の第2の領域を形成する段階とを備え、
上記第1の固体ドーパント源が、上記第2の固体ドーパント源の上記第2の領域から上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域を通過してドライブされるドーパントを遮断する十分な厚みを有する、方法。
(項目13)
上記第2の固体ドーパント源の上記複数の第1の領域が、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域から離間され、
上記方法は更に、
上記第2の固体ドーパント源の上記第1の領域と、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域との間の上記基板に部分的にトレンチを形成する段階と、
上記第1の固体ドーパント源と、上記第2の固体ドーパント源の上記第1の領域とからドーパントをドライブするべく上記基板を加熱する段階と、を備え、
上記加熱する段階によって、上記第1の固体ドーパント源が硬化される、方法。
(項目14)
上記トレンチを形成する段階及び上記加熱する段階の後に、上記トレンチにより露出された上記基板の部分をテクスチャ加工する段階を更に備え、
硬化された上記第1の固体ドーパント源が、上記テクスチャ加工する段階において、マスクとして機能する、項目13に記載の方法。
(項目15)
上記第1の固体ドーパント源を形成する段階の前に、上記基板上に薄い誘電体層を形成する段階と、
上記薄い誘電体層上にポリシリコン層を形成する段階とを備え、
上記第1の固体ドーパント源と、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域の上記間隙内における上記基板の上方の上記第2の固体ドーパント源とが、上記ポリシリコン層上に形成される、項目12に記載の方法。
(項目16)
上記第1の固体ドーパント源と、上記第2の固体ドーパント源の上記第1の領域とからドーパントを上記ポリシリコン層中にドライブインするべく、上記基板を加熱する段階を更に備える、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記基板がバルク結晶シリコン基板であり、
上記第1の固体ドーパント源と、上記第1の固体ドーパント源の上記複数の領域の上記間隙内における上記基板の上方の上記第2の固体ドーパント源とが、上記バルク結晶シリコン基板上に形成される、項目12に記載の方法。
(項目18)
上記第1の固体ドーパント源と、上記第2の固体ドーパント源の上記第1の領域とからドーパントを上記バルク結晶シリコン基板中にドライブインするべく上記基板を加熱する段階を更に備える、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記第1の固体ドーパント源が、スピンオンガラス前駆体材料又はナノ粒子材料を含む、項目12に記載の方法。
(項目20)
上記第1導電型がn型であり、上記第2導電型がp型であり、
上記第2の固体ドーパント源が、ホウケイ酸ガラス(BSG)を含む、項目12に記載の方法。
(項目21)
上記第1の導電型がp型であり、上記第2の導電型がn型であり、
上記第2の固体ドーパント源が、リンケイ酸ガラス(PSG)を含む、項目12に記載の方法。
(項目22)
項目12に記載の方法により製造された太陽電池。