(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の電極を有する被検査体を作業面上で保持すると共に前記被検査体を加熱又は冷却する作業台を有し、前記複数の電極とテスタとを電気的に接続する電気的接続装置であって、
前記作業台の上方に配置され、前記テスタに接続される第1導電路が形成された回路基板と、
前記回路基板から間隔を置いて一方の面が前記回路基板に対向して配置され、前記第1導電路に対応して第2導電路が形成されたプローブ基板、及び前記プローブ基板の他方の面に前記第2導電路に接続し、前記被検査体の加熱により当該プローブカードが熱平衡に達したときに前記作業台上の前記被検査体の前記複数の電極それぞれに接触可能となる位置に設けられた複数のプローブを有するプローブカードと、
前記回路基板と前記プローブ基板との間の熱伝導を低減する熱伝導低減手段により接続すると共に、前記第1導電路と前記第2導電路とを電気的に接続する電気接続器と、
を備え、
前記電気接続器は、
前記第1導電路と前記第2導電路とを電気的に接続するピン部材と、前記ピン部材を保持する支持体とを備え、
前記熱伝導低減手段は、前記支持体より低い熱伝導性を有する断熱部材を有し、前記断熱部材は、前記回路基板及び前記プローブ基板に両端を当接して配置され、
前記支持体は、前記回路基板及び前記プローブ基板の少なくともいずれか一方に間隔を置いて配置される
ことを特徴とする電気的接続装置。
前記支持体は、前記回路基板及び前記プローブ基板に対向する面を有し、少なくともいずれか一方の面には、前記回路基板又は前記プローブ基板に向けて断面積を漸減する複数の突起が設けられ、前記複数の突起が前記回路基板又は前記プローブ基板に当接する
ことを特徴とする請求項1記載の電気的接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る電気的接続装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1である電気的接続装置を含む全体構造を示した図であり、
図2は、本発明の実施形態1である電気的接続装置の構造を模式的に示した図である。
【0020】
図1,2に示すように、本発明の実施形態1である電気的接続装置1は、下面が平坦な取付け基準面となる平板状の支持部材(スティフナー)12と、支持部材12の取付け面に保持される円形平板状の配線基板14と、被検査体である半導体ウェハ28に接触する円形平板状のプローブカード19と、配線基板14及びプローブカード19の間を電気的に接続する電気的接続部16とを備えており、ホルダ20により保持されている。
【0021】
ホルダ20は、プローバベース23に支持されており、電気的接続装置1を受けるようにクランク状の断面構造を有している。また、ホルダ20は、電気的接続装置1の支持部材12及び配線基板14を支持するための支持ピン20aを有している。
【0022】
支持部材12には、上下を貫通する貫通孔12bが設けられており、配線基板14には、上下を貫通する貫通孔14bが設けられている。そして、支持ピン20aが貫通孔12b及び貫通孔14bに嵌合することにより、支持部材12及び配線基板14がホルダ20に支持される。
【0023】
電気的接続装置1は、例えば、半導体ウェハ28に作り込まれた多数のIC(集積回路)の電気的検査のために、ICの接続端子である各接続パッド(電極)をテスタ11の電気回路に接続するのに用いられる。
【0024】
そのため、ICの接続端子である各接続パッド(電極)が設けられた半導体ウェハ28を上面に受けて、真空的に解除可能に吸着するチャックトップ21と、チャックトップ21を上下移動させるステージ機構22とを備えている。そして、ステージ機構22の上下移動により、半導体ウェハ28上のICと、電気的接続装置1のプローブカード19とを接触させることで、テスタ11による電気的検査が実行される。
【0025】
また、チャックトップ21には、上面に載置された半導体ウェハ28を加熱又は冷却する熱源24を備えており、この熱源24により半導体ウェハ28が加熱又は冷却されると共に、熱源24の輻射熱によりプローブカード19が加熱又は冷却される。
【0026】
配線基板14は、全体的に円形板状の例えばポリイミド樹脂板からなり、上面(一方の面)には、テスタ11への接続配線12aが設けられている。
【0027】
また、配線基板14の下面には、接続配線12aと配線基板14内部に形成された配線路14aを介して電気的に接続されるランド部(図示しない)が設けられている。
【0028】
支持部材12は、その取付け面を配線基板14の上面に当接させて配置される、例えばステンレス板からなる板状の枠部材を備えている。
【0029】
プローブカード19は、プローブ基板18と、プローブ18aとを備えている。
【0030】
プローブ基板18は、例えばセラミック板からなる支持部材18dと、支持部材18dすなわちセラミック板の下面に形成された多層配線層18cとを備えている。多層配線層18cは、電気絶縁性を示す例えばポリイミド樹脂材料からなる多層板と、各多層板間に形成された配線路18eとを有する。
【0031】
多層配線層18cの下面(他方の面)には、多層配線層の配線路18eにそれぞれ電気的に接続されたプローブランド18bが形成されている。
【0032】
プローブ18aの上端は、プローブ基板18の対応するプローブランド18bに接続されており、これにより、プローブ18aは、多層配線層18cの下面から下方へ突出するようにプローブ基板18に取り付けられ、多層配線層18cの配線路18eに接続されている。
【0033】
さらに、多層配線層18cの下面(他方の面)には、例えば、低硬度のシリコンゴムのような弾性を有し、かつ熱伝導性を有する素材により柱状に成形され、プローブ基板18のプローブ18aの配置領域を取り巻いて配列された弾性熱伝導部材18hが設けられている。
【0034】
図3は、本発明の実施形態1である電気的接続装置1が備えるプローブ基板18を下方から見た図である。なお、
図3では、半導体ウェハ28の位置と、半導体ウェハ28に作り込まれた多数のICの接続パッド28aの位置を破線で示している。
【0035】
図3に示すように、プローブ基板18の下面には、柱状に成形された弾性熱伝導部材18hが12本設けられており、これらは、半導体ウェハ28に作り込まれた多数のICの接続パッド28aと接触しないように配置されている。
【0036】
そして、弾性熱伝導部材18hは、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド28aに非当接状態で、半導体ウェハ28の接続パッド28aが設けられた以外の領域とプローブ基板18の下面とに当接可能であり、かつ、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を妨げないように弾性変形可能に設けられている。
【0037】
図4は、本発明の実施形態1である電気的接続装置1が備えるプローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を説明した側面図である。(a)は、チャックトップ21が初期状態にある場合の弾性熱伝導部材18hの状態を示しており、(b)は、ステージ機構22が、チャックトップ21を上昇させ、弾性熱伝導部材18hの下部先端が半導体ウェハ28に当接した状態を示しており、(c)は、さらに、ステージ機構22が、チャックトップ21を上昇させ、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド28aに当接した状態を示している。
【0038】
図4(a)に示すように、チャックトップ21が初期状態、即ち、弾性熱伝導部材18hがチャックトップ21上の半導体ウェハ28とプローブ基板18との間で弾性圧縮を受けない自由状態では、全長1200(mm)であり、プローブ基板18からプローブ18aの先端までの間隔(1000mm)より長い寸法を有する。
【0039】
そして、
図4(b)に示すように、ステージ機構22が、チャックトップ21を上昇させると、弾性熱伝導部材18hの下部先端が半導体ウェハ28に当接する。このように、弾性熱伝導部材18hの下部先端が半導体ウェハ28に当接すると、チャックトップ21に備えられた熱源24の熱は、半導体ウェハ28及びプローブ基板18へと伝熱される。これにより、輻射熱のみでプローブ基板18を昇温する場合と比較して、プローブ基板18の熱平衡に達するまでの時間を短縮することができ、測定開始までの時間を短縮することができる。
【0040】
そして、プローブ基板18の熱平衡に達すると、ステージ機構22が、さらに、チャックトップ21を上昇させ、プローブ18aをそれぞれ対応する各接続パッド28aに当接させる。このとき、弾性熱伝導部材18hは、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を妨げないように弾性変形する。これにより、半導体ウェハ28の各接続パッド28aと、テスタ11とが電気的に接続され、電気的検査が実行される。
【0041】
図2に戻り、プローブ基板18の支持部材(18d)の上面(一方の面)には、配線基板14の下面(他方の面)に設けられたランド部にそれぞれ対応する位置にランド部(図示しない)が設けられている。プローブ基板18に設けられたランド部は、それぞれ多層配線層18cの配線路18eを経て対応する各プローブ18aに電気的に接続されている。
【0042】
プローブ基板18と配線基板14との間には、電気的に接続するための電気的接続部16が配置されている。
【0043】
電気的接続部16は、
図2に拡大して示すように、板厚方向に形成された多数の貫通孔161が形成された電気絶縁性を示す板状部材から成るポゴピンブロック16aが、配線基板14に接触して配置されている。
【0044】
また、ポゴピンブロック16aの各貫通孔161内には、それぞれが貫通孔161からの脱落を防止された状態で貫通孔161の軸線方向へ摺動可能に収容される一対のポゴピン16b,16cが配置されている。各一対のポゴピン16b,16c間には、両ポゴピン16b,16cに相離れる方向への偏倚力を与え、両ポゴピン間の導電路となる圧縮コイルばね16dが配置されている。
【0045】
ポゴピン16bは、配線基板14の下面(他方の面)に設けられたランド部にそれぞれ対応する位置に設けられ、ポゴピン16cは、プローブ基板18の上面(一方の面)に設けられたランド部にそれぞれ対応する位置に設けられている。
【0046】
電気的接続部16は、組み立て状態では、圧縮コイルばね16dのばね力により、配線基板14側に設けられた一方のポゴピン16bが配線基板14の下面(他方の面)に設けられたランド部に圧接し、プローブ基板18側に設けられた他方のポゴピン16cがプローブ基板18の上面(一方の面)に設けられたランド部に圧接する。
【0047】
これにより、プローブ18aは、配線基板14の対応するランド部に電気的に接続される。その結果、プローブ18aの先端が半導体ウェハ28に形成されたICの接続パッド28aに当接されると、接続パッド28aは、対応する各プローブ18a、電気的接続部16および配線基板14を経て、テスタ11に接続されることから、テスタ11による半導体ウェハ28の集積回路の電気的検査が行える。
【0048】
また、
図1に示すように、電気的接続部16には、外周部に、配線基板14及びプローブ基板18に両端を当接して配置された低熱伝導支持部材16fが設けられ、内部に、配線基板14及びプローブ基板18に両端を当接して配置された低熱伝導支持部材16gが設けられている。
【0049】
この低熱伝導支持部材16f,16gは、例えば、発泡プラスチック、木材、エポキシ樹脂などのポゴピンブロック16aより低い熱伝導性を有する断熱部材により形成されている。
【0050】
図5は、本発明の実施形態1である電気的接続装置1が備える電気的接続部16を示した平面図である。
【0051】
図5に示すように、電気的接続部16は、貫通孔161が設けられたポゴピンブロック16aと、このポゴピンブロック16aの外周部に環形状の低熱伝導支持部材16fと、ポゴピンブロック16aを貫通するように柱形状を有する低熱伝導支持部材16gとが設けられている。
【0052】
このように、低熱伝導支持部材16f,16gは、ポゴピンブロック16aの外周部及び内部に、配線基板14の下面及びプローブ基板18の上面に両端を当接して配置されている。これにより、配線基板14とプローブ基板18との間の熱伝導を少なくすることができ、チャックトップ21に備えられた熱源24からの伝熱は、半導体ウェハ28及びプローブ基板18が主となる。そのため、輻射熱及び弾性熱伝導部材18hによる伝熱による熱伝導先(プローブ基板18)の熱容量を小さくできるので、プローブ基板18の熱平衡に達するまでの時間を短縮することができ、測定開始までの時間を短縮することができる。
【0053】
<熱平衡について>
ここで、プローブ基板18の熱平衡について、詳細に説明する。
【0054】
上述したように、チャックトップ21には、上面に載置された半導体ウェハ28を加熱又は冷却する熱源24を備えている。この熱源24により半導体ウェハ28が加熱又は冷却されると共に、熱源24の輻射熱及び弾性熱伝導部材18hによる伝熱によりプローブ基板18が加熱又は冷却されて、熱平衡に達する。
【0055】
例えば、熱源24により加熱される場合、チャックトップ21の熱源の温度を125(℃)とすると、半導体ウェハ28下面の温度は、約122(℃)となり、輻射熱によりプローブ基板18下面は、約90(℃)となり、それぞれこの温度で熱平衡状態となる。
【0056】
このように、半導体ウェハ28及びプローブ基板18が加熱されると熱膨張し、この熱膨張に伴い、半導体ウェハ28に形成されたICの接続パッド28aの位置や、プローブ基板18の下面に取り付けられたプローブ18aの位置が移動する。そのため、半導体ウェハ28及びプローブ基板18が熱平衡に達したときに、プローブ18aの先端が半導体ウェハ28に形成されたICの接続パッド28aに当接されるように、プローブ18aの位置を定めておく必要がある。
【0057】
図6は、本発明の実施形態1である電気的接続装置1が備える円盤形状のプローブ基板18の中心から離れたある地点に設けられたプローブ18aの位置と、円盤形状の半導体ウェハ28の中心から離れたある地点に配置されたICの接続パッド28aの位置の変化を示した図である。
図6に示す直線101は、温度変化に応じた半導体ウェハ28に形成されたICの接続パッド28aの位置の変化を示しており、直線102は、温度変化に応じたプローブ18aの位置の変化を示している。ここで、それぞれの位置の変化(変位量)は、常温(23℃とする)における位置を基準としたときの外周方向に移動した距離を示している。
【0058】
直線101の傾きは、半導体ウェハ28の熱膨張係数α1により定まり、直線102の傾きは、プローブ基板18の熱膨張係数α2により定まる。そのため、熱平衡に達したときのそれぞれの温度T1,T2と、それぞれの熱膨張係数α1,α2から定まるプローブ18a及び接続パッド28aの位置が等しくなるように、予めプローブ18aの位置を定めておく必要がある。
【0059】
具体的には、熱平衡に達した半導体ウェハ28下面の温度T1が122(℃)であるときの接続パッド28aの位置と、熱平衡に達したプローブ基板18下面の温度T2が90(℃)であるときのプローブ18aの位置とが一致するように、プローブ18aの位置を定めておく。
【0060】
例えば、常温(23℃とする)における半導体ウェハ28の円盤形状の中心から150(mm)外周方向に離れた位置に配置された接続パッド28aの外周方向への変位量をΔL1(mm)とすると、下記の(数式1)で表される。
【0061】
ΔL1=150・α1・ΔT1 ・・・(数式1)
ここで、α1は、半導体ウェハ28の熱膨張係数であり、ΔT1は、熱平衡時における半導体ウェハ28の常温との高温側の温度差である。
【0062】
また、常温(23℃とする)におけるプローブ基板18の円盤形状の中心から150(mm)外周方向に離れた位置に配置されたプローブ18aの外周方向への変位量をΔL2(mm)とすると、下記の(数式2)で表される。
【0063】
ΔL2=150・α2・ΔT2 ・・・(数式2)
ここで、α2は、プローブ基板18の熱膨張係数であり、ΔT2は、熱平衡時におけるプローブ基板18の常温との高温側の温度差である。
【0064】
ここで、熱平衡時における接続パッド28aの位置と、プローブ18aの位置とを一致させるためには、下記の(数式3)の関係が成り立つように、予めプローブ18aの位置を定めておく必要がある。
【0065】
α1・ΔT1=α2・ΔT2 ・・・(数式3)
なお、半導体ウェハ28がシリコンである場合、熱膨張係数α1を、3.5(ppm/℃)とし、プローブ18aの主材料がセラミックスの場合、熱膨張係数α2を、5.5(ppm/℃)として、算出すればよい。
【0066】
また、加熱された場合に限らず、冷却された場合においても、同様に、下記の(数式4)が成り立つ。
【0067】
α1・ΔT’1=α2・ΔT’2 ・・・(数式4)
ここで、ΔT’1は、熱平衡時における半導体ウェハ28の常温との低温側の温度差である。ΔT’2は、熱平衡時におけるプローブ基板18の常温との低温側の温度差である。例えば、熱平衡に達した半導体ウェハ28下面の温度T’1が−37(℃)であるとき(ΔT’1=60℃)の接続パッド28aの位置と、熱平衡に達したプローブ基板18下面の温度T’2が−15(℃)であるとき(ΔT’2=38℃)のプローブ18aの位置とが一致するように、プローブ18aの位置を定めるようにしてもよい。
【0068】
このようにして、プローブ基板18は、プローブ18aの位置が定められ、定められた位置に配置されて製造されている。そのため、本発明の実施形態1である電気的接続装置1は、(数式3)又は(数式4)に示す温度となる温度域で、半導体ウェハ28の電気的試験を行うことが可能となる。
【0069】
<本発明の実施形態1の効果>
次に、本発明の実施形態1である電気的接続装置1の効果について説明する。
【0070】
図7は、t0時点からチャックトップ21の熱源24による加熱を開始した場合における測定開始までの温度変化を示した図である。
図7に示す201は本発明の実施形態1である電気的接続装置1のチャックトップ21の熱源24の温度を示しており、202は本発明の実施形態1である電気的接続装置1の半導体ウェハ28下面の温度を示しており、比較のため、203は従来技術によるプローブ基板下面の温度を示しており、204は従来技術による配線基板の上面の温度を示している。205は本発明の実施形態1である電気的接続装置1のプローブ基板18下面の温度を示している。
【0071】
従来技術においては、t0時点において、チャックトップ21の熱源24による加熱が開始されると、203,204に示すように、それぞれの温度はt2時点まで緩やかに上昇する。このとき、203,204の温度はいずれもt2時点に近づくに従って温度上昇率が小さくなっている。
【0072】
そして、t2時点において、ステージ機構22が上方へ移動することにより、半導体ウェハ28上のICと、電気的接続装置1のプローブ基板18とが接触し、半導体ウェハ28からプローブ基板18へ伝熱される。これにより、t0時点から約120(分)経過後のt3時点において、ようやく半導体ウェハ28の電気的試験を行うことが可能となる。
【0073】
このように、従来技術においては、プローブ基板が、加熱開始から熱平衡に達するまで120(分)が必要であるため、測定開始まで相当の時間を要していた。
【0074】
一方、本発明の実施形態1である電気的接続装置1では、t0時点において、チャックトップ21の熱源24による加熱が開始されると、プローブ基板18下面の温度205は、t0時点から約10(分)経過後のt1時点において、熱平衡状態に達しているので、半導体ウェハ28の電気的試験を行うことが可能となる。
【0075】
このように、本発明の実施形態1である電気的接続装置1では、配線基板14及びプローブ基板18に両端を当接して配置された低熱伝導支持部材16fが設けられているので、プローブ基板18から配線基板14への熱伝導を少なくすることができる。そのため、プローブ基板18の熱容量を小さくでき、プローブ基板18の熱平衡に達するまでの時間を、約10(分)まで短縮することができるので、測定開始までの時間を大幅に短縮することができる。
【0076】
また、本発明の実施形態1である電気的接続装置1では、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド(電極)に非当接状態で、チャックトップ21の作業面とプローブ基板18とに当接可能であり、かつ、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を妨げないように弾性変形可能に設けられた弾性熱伝導部材18hを備えるので、チャックトップ21に備えられた熱源24の熱が、半導体ウェハ28及びプローブ基板18へと伝熱されるので、プローブ基板18の熱平衡に達するまでの時間をさらに短縮することができ、測定開始までの時間をさらに短縮することができる。
【0077】
また、本発明の実施形態1である電気的接続装置1では、プローブ基板18に熱源を設ける必要がないので、装置構成や制御方法を複雑化させることなく、測定開始までの時間を大幅に短縮することができる。
【0078】
なお、本発明の実施形態1では、低熱伝導支持部材16fと弾性熱伝導部材18hとを備える電気的接続装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、低熱伝導支持部材16f又は弾性熱伝導部材18hのいずれか一方を備える構成であってもよい。
【0079】
さらに、本発明の実施形態1では、配線基板14に接触して配置されたポゴピンブロック16aを備える電気的接続装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、ポゴピンブロック16aは、プローブ基板18に接触して配置されていてもよい。すなわち、ポゴピンブロック16aは、配線基板14又はプローブ基板18のいずれか一方に接触して配置されていればよい。
【0080】
また、本発明の実施形態1では、セラミックスが主材料であるプローブ基板18を備える電気的接続装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、半導体ウェハ28の主材料であるシリコンに熱膨張係数が近い材料を用いて成形されていてもよい。これにより、半導体ウェハ28の熱膨張の挙動に追随させることができる。
【0081】
さらに、本発明の実施形態1では、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド28aに非当接状態で、半導体ウェハ28の接続パッド28aが設けられた以外の領域とプローブ基板18の下面とに当接可能であり、かつ、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を妨げないように弾性変形可能に設けられた弾性熱伝導部材18hを備える構成としたが、これに限らない。
【0082】
例えば、弾性熱伝導部材18hは、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド28aに非当接状態で、チャックトップ21の作業面とプローブ基板18の下面とに当接可能であり、かつ、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとの当接を妨げないように弾性変形可能に設けられていてもよい。
【0083】
また、本発明の実施形態1では、プローブ基板18の温度を測定する温度計を備え、温度計により測定された温度に応じて、チャックトップ21を昇降するようにステージ機構22してもよい。
【0084】
具体的には、プローブ基板18の温度を測定する温度計と、プローブ18aがそれぞれ対応する各接続パッド28aに非当接状態であり、かつ弾性熱伝導部材18hが、チャックトップ21の作業面又は作業面上の半導体ウェハ28と、プローブ基板とに当接状態であるときに、温度計により測定された温度の時間的変化が所定の温度幅内となった場合に、プローブ18aとそれぞれ対応する各接続パッド28aとが当接するように、プローブカード19をチャックトップ21方向に移動させる制御部を備えるようにしてもよい。ここで、所定の温度幅は、プローブ基板18の温度が安定する温度の温度幅として、例えば、85(℃)〜95(℃)などというように、予め設定される。
【0085】
さらに、本発明の実施形態1では、例えば、低硬度のシリコンゴムのような弾性を有し、かつ熱伝導性を有する素材により柱状に成形され、多層配線層18cの下面に、プローブ基板18のプローブ18aの配置領域を取り巻いて配列された弾性熱伝導部材18hを備えた電気的接続装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、弾性熱伝導部材18hは、プローブ基板18のプローブ18aの配置領域を取り巻くように環形状を有するように成形され、多層配線層18cの下面に配置されるようにしてもよい。
【0086】
(実施形態2)
本発明の実施形態1では、配線基板14に接触して配置された平板状のポゴピンブロック16aを備える電気的接続装置1を例に挙げて説明したが、これに限らない。
【0087】
本発明の実施形態2では、配線基板14に向けて断面積を漸減する複数の突起が設けられ、複数の突起が配線基板14に当接するポゴピンブロックを備える電気的接続装置1を例に挙げて説明する。
【0088】
図8は、本発明の実施形態2である電気的接続装置1の構造を模式的に示した図である。なお、本発明の実施形態2である電気的接続装置1が備える構成のうち、本発明の実施例1である電気的接続装置1が備える同一符号が付された構成はそれぞれ同一であるので、説明を省略する。
【0089】
図8に示すように、本発明の実施形態2である電気的接続装置1が備える電気的接続部16は、多数の貫通孔161が形成された電気絶縁性を示すポゴピンブロック16hを備えている。
【0090】
ポゴピンブロック16hは、配線基板14に向けて断面積を漸減する複数の突起16jが設けられ、複数の突起16jの先端が配線基板14に当接する。
【0091】
このように、複数の突起16jの先端が配線基板14に当接するので、本発明の実施形態1である電気的接続装置1が備える電気的接続部16のポゴピンブロック16aと比較して、接触面積が小さい分、更に、電気的接続部16から配線基板14への伝熱を低減することができる。
【0092】
これにより、プローブ基板18の熱平衡に達するまでの時間を、更に短縮することができるので、測定開始までの時間を大幅に短縮することができる。