特許第6209423号(P6209423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミドリ安全株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000002
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000003
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000004
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000005
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000006
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000007
  • 特許6209423-保護眼鏡 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209423
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】保護眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/20 20060101AFI20170925BHJP
   G02C 5/04 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   G02C5/20
   G02C5/04
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-231049(P2013-231049)
(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-90474(P2015-90474A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大熊 亘
(72)【発明者】
【氏名】市川 加奈子
【審査官】 横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0086953(KR,A)
【文献】 登録実用新案第3057709(JP,U)
【文献】 米国特許第05661535(US,A)
【文献】 実開平02−013554(JP,U)
【文献】 実開平03−108213(JP,U)
【文献】 実開平01−172019(JP,U)
【文献】 実開平04−075317(JP,U)
【文献】 特開2011−085929(JP,A)
【文献】 実開昭56−074415(JP,U)
【文献】 特開2007−089748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/20
G02C 5/04
A61F 9/02
A61F 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矯正眼鏡に重ねて装着する保護眼鏡において、
装着時に、前記矯正眼鏡の前面を覆うように配置されるフレームと、
前記フレームを装着者に装着するテンプルと、を有し、
前記フレームの側方部には、前記テンプルと係合するフレーム側係合部が形成され、
前記テンプルの根元部には、前記フレーム側係合部と係合するテンプル側係合部が形成され、
前記フレーム側係合部と、テンプル側係合部のうち、
一方の係合部は、平板部を有し、該平板部には装着者の上下方向に複数の係合凹部が形成され、
他方の係合部は、前記平板部を挟持し弾性力により内側に付勢される挟持部を有し、該挟持部には切欠部が形成され、前記切欠部は複数の係合凹部のうちの一つの係合する係合突起が設けられ、
前記係合突起を前記上下方向にスライドさせて前記係合凹部のうちの一つと係合させることにより、前記テンプルを前記フレームに対して相対的に上下方向に平行移動させることを特徴とする保護眼鏡。
【請求項2】
前記一方の係合部は、前記平板部の厚さ方向に段差を有する段差部を有し、前記他方の係合部は、前記段差部と接して前記テンプルのスライド移動をガイドするガイド部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の保護眼鏡。
【請求項3】
前記段差部は、前記上下方向に対して所定の角度を有する直線状に形成され、前記複数の係合凹部は、前記直線状に形成された段差部に沿って斜め方向に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の保護眼鏡。
【請求項4】
前記テンプル側係合部には、外側に向くスライド用突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の保護眼鏡。
【請求項5】
前記テンプルの先端部は、側面視で略直線形状とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の保護眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正眼鏡の上に装着して装着者の目を保護する保護眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場の生産ライン等では、機械加工時に生じる粉塵や切り屑等が目に入ることを防止するために、作業者は保護眼鏡を着用する。また、近視用眼鏡や老眼鏡などの矯正眼鏡を装着している作業者のために、矯正眼鏡の上から着用することが可能な保護眼鏡が提案され、実用に供されている。
【0003】
また、作業者によって顔の形や目の位置が異なるので、保護眼鏡が矯正眼鏡と干渉することがあり、このような問題を解決するために、眼鏡フレームに対してテンプルの角度を任意に切り替えることが可能な保護眼鏡が提案されている。
【0004】
このような眼鏡の従来例として、例えば、実用新案第3010232号(特許文献1)に記載されたものが知られている。該特許文献1には、眼鏡フレームに対して、テンプルの角度を任意に切り替えることが可能な切り替え機構が設けられた保護眼鏡について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案第3010232号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された保護眼鏡では、ある点を中心としてテンプルを所定角度だけ回転させる構成であるので、矯正眼鏡との干渉を避けられないという問題が生じる。以下、図7(a)〜(c)を参照して説明する。
【0007】
図7(a)は、矯正眼鏡102の装着者が、該矯正眼鏡102の上から保護眼鏡101を装着した様子を模式的に示す説明図である。図7(a)に示すように、装着者は矯正眼鏡102を装着しているでの、この上から更に保護眼鏡101を装着すると、矯正眼鏡102のテンプル102aと保護眼鏡101のテンプル101aが干渉する場合があり、保護眼鏡101をうまく装着できない場合がある。
【0008】
これを解決するために、図7(b)に示すように、保護眼鏡101のテンプル101aを、該テンプル101aの根元部を中心として下方に回転させ、テンプル101aの位置を相対的に高くすることにより、矯正眼鏡102のテンプル102aとの干渉を回避することが考えられる。しかし、この場合には保護眼鏡101のフレーム角度が変化してしまい、装着性が悪くなる。
【0009】
更に、図7(c)に示すように、テンプル101aを上方に回転させ、テンプル101aの先端部が高い位置に来るようにすると、重量バランスが悪くなり安定性が悪く、装着者が俯いた場合等に保護眼鏡がずり落ち易くなるという問題が発生する。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、装着者の顔の形や目の位置に応じてテンプルの位置が適切な位置に来るように調整することが可能な保護眼鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、矯正眼鏡に重ねて装着する保護眼鏡において、装着時に、前記矯正眼鏡の前面を覆うように配置されるフレームと、前記フレームを装着者に装着するテンプルと、を有し、前記フレームの側方部には、前記テンプルと係合するフレーム側係合部が形成され、前記テンプルの根元部には、前記フレーム側係合部と係合するテンプル側係合部が形成され、前記フレーム側係合部と、テンプル側係合部のうち、一方の係合部は、平板部を有し、該平板部には装着者の上下方向に複数の係合凹部が形成され、他方の係合部は、前記平板部を挟持し弾性力により内側に付勢される挟持部を有し、該挟持部には切欠部が形成され、前記切欠部は複数の係合凹部のうちの一つの係合する係合突起が設けられ、前記係合突起を前記上下方向にスライドさせて前記係合凹部のうちの一つと係合させることにより、前記テンプルを前記フレームに対して相対的に上下方向に平行移動させることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記一方の係合部は、前記平板部の厚さ方向に段差を有する段差部を有し、前記他方の係合部は、前記段差部と接して前記テンプルのスライド移動をガイドするガイド部材を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記段差部は、前記上下方向に対して所定の角度を有する直線状に形成され、前記複数の係合凹部は、前記直線状に形成された段差部に沿って斜め方向に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記テンプル側係合部には、外側に向くスライド用突起部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記テンプルの先端部は、側面視で略直線形状とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る保護眼鏡によれば、一方の係合部に形成された平板部を、他方の係合部に形成された挟持部にて挟持し、更に、平板部に形成された複数の係合凹部のうちの一つに、挟持部に形成された係合突起が係合する。従って、一方の係合部に対して、他方の係合部を上下方向にスライド移動させることができ、装着者の顔の形や目の位置に応じて適切な位置にフレームを合わせることができ、更に、テンプルの位置を矯正眼鏡のテンプルと干渉しない位置に合わせることができる。
【0017】
請求項2の発明では、一方の係合部に形成された平板部に段差部が設けられ、且つ、他方の係合部に形成されたガイド部材が段差部に沿ってスライドするので、テンプルを安定的に上下方向にスライド移動させることができる。
【0018】
請求項3の発明では、段差部が上下方向に対して所定の角度を有する直線状に形成され、且つ、各係合凹部は、段差部に沿って斜め方向に設けられているので、テンプルを上方にスライド移動させるとこれに伴って、該テンプルを奥行き方向に移動させることができる。このため、テンプルを上方にスライド移動させる場合には、装着者の頭部に対してより深い位置までテンプルがとどくので、より安定的な装着が可能となる。
【0019】
請求項4の発明では、テンプル側係合部には、外側に向くスライド用突起部が形成されるので、装着者はこのスライド用突起部をつまむことにより、容易にテンプル側係合部を上下方向にスライド移動させることが可能となる。
【0020】
請求項5の発明では、テンプルの先端部が、側面視直線形状に形成されるので、矯正眼鏡のテンプルが装着者の耳にかかっている場合でも、このテンプルとの干渉を回避することができ、装着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡の上面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡の、眼鏡フレームとテンプルとの係合部を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡の、眼鏡フレームとテンプルとの係合部を内側から視た斜視図であり、両者を切り離した様子を示す。
図5】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡の、眼鏡フレームとテンプルとの係合部を外側から視た斜視図であり、両者を切り離した様子を示す。
図6】本発明の一実施形態に係る保護眼鏡を矯正眼鏡の上から装着したときの、干渉の様子を模式的に示す説明図である。
図7】従来における保護眼鏡を矯正眼鏡の上から装着したときの、両者の干渉の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る保護眼鏡11の構成を示す斜視図、図2は、同平面図(上から見た図)である。図1図2に示すように、本実施形態に係る保護眼鏡11は、装着者が矯正眼鏡(近視用眼鏡や老眼鏡)の装着時に、該矯正眼鏡の上から重ねて装着し、矯正眼鏡の前面を覆うことにより、装着者の目を保護するためのものであり、眼鏡フレーム12(フレーム)と、該眼鏡フレーム12の側方部に取り付けられるテンプル13,14から構成されている。
【0023】
眼鏡フレーム12は、透明なポリカーボネート製の材料で形成されており、矯正眼鏡を装着した装着者の、目の部分全体を覆う密閉形状とされている。また、装着者の鼻に当接する部位には、鼻パッド15が設けられている。また、眼鏡フレーム12の左右の側方部12a,12bには、それぞれテンプル13,14が取り付けられている。各テンプル13,14の先端部は内側に湾曲しており、他方、上下方向にはほぼフラットな形状とされている。つまり、テンプル13,14の先端部は、一般的な眼鏡のテンプルと異なり、先端部が下方に屈曲する形状とされていない。即ち、テンプル13,14は、側面視した際に、略直線形状とされている。そして、各テンプル13,14を装着者の耳、或いは頭部に係止させることにより、眼鏡フレーム12を装着者の所望の部位に固定することができる。
【0024】
図3は、眼鏡フレーム12の側方部とテンプル13の根元部との係合の様子を示す斜視図、図4は、両者を切り離した際の内側から見た斜視図、図5は、両者を切り離した際の外側から見た斜視図である。図3図5に示すように、眼鏡フレーム12の側方部には、フレーム側係合部21が設けられ、テンプル13の根元部には、テンプル側係合部31が設けられており、各係合部21,31が係合することにより、テンプル13(右側)が眼鏡フレーム12に係合する。なお、図1図2に示したテンプル14(左側)についても、左右が異なるのみであり同様の構成を有している。
【0025】
図4図5に示すように、フレーム側係合部21は、平板形状をなす平板部22を有しており、該平板部22には、長方形状を有する3つの溝部23a〜23c(係合凹部)が形成されている。これらの溝部23a〜23cは、眼鏡フレーム12の上下方向に向けて形成されている。即ち、各溝部23a〜23cは、上下方向に向けて3つ設けられている。換言すれば、装着者が保護眼鏡11を装着した際に、長方形状を有する各溝部23a〜23cの長手方向は、略水平方向を向くことになる。
【0026】
また、平板部22には、眼鏡フレーム12の上下方向に対して若干の角度(所定の角度)で傾斜した段差部24が形成されている。該段差部24は、平板部22の厚さ方向に段差を有しており、ほぼ直線状に形成されている。更に、各溝部23a〜23cは、段差部24の傾斜角度と一致するように横方向にシフトして形成されている。即ち、図5に示すように、各溝部23a〜23cの端部を結ぶラインmは、段差部24の直線と略平行とされている。なお、本願発明の係合凹部としての溝部23a〜23cは、平板部22をスリット状に切り欠いた切欠形状とすることも可能である。
【0027】
一方、図4に示すように、テンプル13の根元部には、テンプル側係合部31が形成されている。該テンプル側係合部31は、断面「コ」字形状を有し眼鏡フレーム12に形成された平板部22を、ある程度の弾性力をもって挟持する挟持部32を有している。即ち、挟持部32は、ある程度の弾性力を持って内側に付勢されている。また、テンプル側係合部31は、フレーム側係合部21と係合した際に段差部24と接して挟持部32のスライド移動をガイドするガイド部材34と、テンプル13を折り畳む際に該テンプル13を約90°回転させる回転軸となる蝶番33と、テンプル13の外側に突起して装着者が指で押さえるための突起部35(図1,2参照、スライド用突起部)を有している。
【0028】
また、挟持部32の内側となる板材には、「コ」字形状に切り欠かれた切欠部36が形成されており、且つ、該切欠部36の内側には、上述した各溝部23a〜23cのうちのいずれか一つと係合する係合突起37が形成されている。
【0029】
従って、図3に示すように、眼鏡フレーム12の側方部に設けられたフレーム側係合部21と、テンプル13の根元部に設けられたテンプル側係合部31は、挟持部32の弾性力にて平板部22を挟持することにより係合する。また、切欠部36に設けられた係合突起37が、3つの溝部23a〜23cのうちのいずれかと係合することにより、テンプル13の上下方向の移動が規制される。更に、テンプル側係合部31に形成されたガイド部材34と、フレーム側係合部21に形成された段差部24が接することにより、テンプル13の長手方向の移動が規制される。従って、フレーム側係合部21とテンプル側係合部31が所望の位置関係で堅固に固定される。
【0030】
次に、本実施形態に係る保護眼鏡11の作用について説明する。上述したように、本実施形態に係る保護眼鏡11は、眼鏡フレーム12の側方部に設けられたフレーム側係合部21の平板部22を、テンプル側係合部31に設けられた挟持部32にて挟持することにより、テンプル13が眼鏡フレーム12に係合する。また、テンプル13の根元部には、蝶番33が設けられているので、テンプル13を折り畳むことができる。
【0031】
また、挟持部32を上下方向にスライド移動させることにより、眼鏡フレーム12に対するテンプル13の位置を適宜変更することができる。即ち、テンプル13の根元部に設けられた突起部35を指でつまんで、挟持部32を上下方向に押しつけると、切欠部36が弾性変形して、係合突起37が溝部(23a〜23cのいずれか)から乗り上げて、隣接する溝部に係合する。例えば、係合突起37が溝部23bに係合している状態で、突起部35を押し上げると、係合突起37が溝部23bから外れ、一つ上の溝部23aに移動して係合する。
【0032】
上記の操作を行うことにより、テンプル13を眼鏡フレーム12に対して上下方向に平行移動させることができる。なお、左側のテンプル14についても同様である。この際、フレーム側係合部21に形成された段差部24に、テンプル側係合部31に形成されたガイド部材34が接して移動するので、テンプル13を上方に移動させると、テンプル13は眼鏡フレーム12に対して相対的に後方に移動することになる。これとは反対に、テンプル13を下方に移動させると、テンプル13は眼鏡フレーム12に対して相対的に前方に移動することになる。
【0033】
つまり、図5に示すように、段差部24は、ラインmに示すように、鉛直方向に対して若干の角度だけ傾斜しているので、該段差部24に接してガイド部材34が移動することにより、テンプル13は、図中矢印Y1、或いはY2の方向に移動する。より詳細には、テンプル13を上方にスライドさせると、これと同時にテンプル13は矢印Y1の方向に移動し、下方にスライドさせると、矢印Y2の方向に移動する。
【0034】
そして、装着者は、自身の好適な位置に眼鏡フレーム12を配置し、更に、この状態で各テンプル13,14が矯正眼鏡のテンプルと干渉する場合には、突起部35を指でつまんで上下に押しつけて、テンプル13,14の高さを調整することにより、テンプル13,14を好適な高さとすることができる。
【0035】
従って、装着者は、例えば図6に示すように、矯正眼鏡102を装着し、更に、この上から保護眼鏡11を装着する際に、矯正眼鏡102のテンプル102と保護眼鏡11のテンプル14が干渉する場合には、テンプル14を上方にスライド移動させることにより、干渉を回避することが可能となる。
【0036】
即ち、本実施形態に係る保護眼鏡11は、各テンプル13,14を上下にスライド移動させて高さを調整できるので、矯正眼鏡102のテンプル102aとの干渉を回避できることとなる。
【0037】
このようにして、本実施形態に係る保護眼鏡11では、テンプル側係合部31に設けられた挟持部32を、フレーム側係合部21に設けられた平板部22に対して上下方向にスライド移動させることにより、装着者自身の頭部形状に応じた位置にテンプル13,14を合わせることができる。つまり、テンプル13,14を上下方向に平行移動させて位置合わせを行うことができる。従って、従来のように、任意の点を中心としてテンプルを回転させる構造と対比して、眼鏡フレーム12を好適な位置に合わせることができ、且つ、テンプル13,14を、矯正眼鏡と干渉しない好適な位置に合わせることができる。従って、装着者の顔や目の位置に応じた適切な位置合わせを行うことが可能となる。
【0038】
また、本実施形態に係る保護眼鏡11では、テンプル側係合部31に、外側に突起した突起部35(スライド用突起部)が形成されているので、装着者は、この突起部35を指でつまむことにより、挟持部32を容易に上下方向にスライド移動させることが可能となる。
【0039】
更に、本実施形態では、上下方向に対して若干の角度だけ傾斜した方向に段差部24が設けられ、更に、ガイド部材34がこの段差部24に接することにより、挟持部32が上下方向にスライド移動するので、挟持部32を上下方向にスライド移動させることに伴って、テンプル13,14は図5の矢印Y1,Y2の方向に移動することになる。つまり、テンプル13,14が上方にスライドするに連れて、テンプル13,14の奥行きが深くなるので、装着者の頭部に係止し易くなる。このため、装着者が俯いた際に、保護眼鏡11がずり落ちる等の問題を回避することができる。
【0040】
また、本実施形態では、テンプル13,14の先端部が内側に湾曲しており、他方、上下方向には湾曲していない。即ち、側面視した際に、略直線形状とされている。従って、テンプル13,14を装着者の耳に係合させるのではなく、頭部に巻き付けるようにして装着するので、矯正眼鏡のテンプルとの干渉をより効果的に回避することが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、フレーム側係合部21に平板部22、溝部23a〜23c、及び段差部24を形成し、テンプル側係合部31に挟持部32、ガイド部材34、切欠部36、係合突起37を設ける構成としたが、これらの配置を反対とすることも可能である。即ち、テンプル側係合部31に平板部、複数の溝部、及び段差部を形成し、フレーム側係合部21に挟持部、ガイド部材、切欠部、係合突起を設ける構成とすることも可能である。
【0042】
つまり、本願発明に係る保護眼鏡は、フレーム側係合部と、テンプル側係合部のうち、一方の係合部は、平板部を有し、該平板部には装着者の上下方向に複数の係合凹部が形成され、他方の係合部は、前記平板部を挟持し弾性力により内側に付勢される挟持部を有し、該挟持部には切欠部が形成され、前記切欠部は複数の係合凹部のうちの一つの係合する係合突起が設けられる構成である。
【符号の説明】
【0043】
11 保護眼鏡
12 眼鏡フレーム
13,14 テンプル
15 鼻パッド
21 フレーム側係合部
22 平板部
23a〜23c 溝部(係合凹部)
24 段差部
31 テンプル側係合部
32 挟持部
33 蝶番
34 ガイド部材
35 突起部(スライド用突起部)
36 切欠部
37 係合突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7