特許第6209436号(P6209436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209436
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】直角搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/58 20060101AFI20170925BHJP
   B65H 29/22 20060101ALI20170925BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B65H29/58 C
   B65H29/22 Z
   B65H5/02 M
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-261388(P2013-261388)
(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公開番号】特開2015-117105(P2015-117105A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅靖
(72)【発明者】
【氏名】福本 雅文
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3541280(JP,B2)
【文献】 実公昭42−014084(JP,Y1)
【文献】 特開平11−349201(JP,A)
【文献】 実開昭61−025356(JP,U)
【文献】 特開昭58−130854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 9/00
B65H 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段装置から第1方向へ搬送されて来た平面視矩形の用紙を、第1方向に対して直交した第2方向へ搬送する、直角搬送装置において、
前段装置から搬送されて来た用紙を、第1方向へ送り出す送出ローラと、
前記送出ローラから送り出された用紙を、搬送ベルトに載せて、第2方向へ搬送する、搬送ユニットと、
を備えており、
前記搬送ユニットは、前記搬送ベルトの第1方向下流側に、複数個の球体を、備えており、
前記複数個の球体は、第2方向に沿って、且つ、一列に並んで、配置されており、
前記複数個の球体は、それぞれ、搬送ベルト上に、転動自在に載置されており、
前記搬送ベルトは、前記送出ローラの送り出し位置より下方に位置しており、且つ、第1方向下流側に向けて低くなるよう傾斜しており、
前記送出ローラの送り出し位置と前記球体の載置位置との間の、第1方向に沿った距離が、第2方向へ搬送される用紙の第1方向寸法より長く、設定されており、
前記送出ローラから送り出された前記用紙が、前記搬送ベルト上を滑り、滑って来た前記用紙の先端縁が前記球体と前記搬送ベルトとのニップ部の直前の隙間に入り込んで止まるようになっている、
ことを特徴とする直角搬送装置。
【請求項2】
前記複数個の球体が、前記搬送ベルト上の載置位置を第1方向に沿って調節可能に、設けられている、
請求項1記載の直角搬送装置。
【請求項3】
前記送出ローラが、送り出し速度を調節可能に、設けられている、
請求項1又は2に記載の直角搬送装置。
【請求項4】
前記搬送ベルトが、傾斜角度を調節可能に、設けられている、
請求項1〜3のいずれか一つに記載の直角搬送装置。
【請求項5】
前記送出ローラが、送り出し方向の上下の傾斜角度を調節可能に、設けられている、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の直角搬送装置。
【請求項6】
前記搬送ベルトが、前記複数個の球体の載置位置が設定された状態で、第2方向へ搬送される予定の、仕様上最大の第1方向寸法を有する用紙の、全てを載せることができる、第1方向寸法を、有している、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の直角搬送装置。
【請求項7】
前記送出ローラの送り出し速度が、前段装置における搬送速度より、大きく設定されている、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の直角搬送装置。
【請求項8】
前記球体は、前記送出ローラから送り出された前記用紙が前記ニップ部に入り込むことによって持ち上げられることがないような重さに、設定されている、
請求項1記載の直角搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前段装置から第1方向へ搬送されて来た平面視矩形の用紙を、第1方向に対して直交した第2方向へ搬送する、直角搬送装置に、関する。
【背景技術】
【0002】
従来の直角搬送装置においては、前段装置から第1方向へ搬送されて来た用紙は、その先端が突き当て板に当たることによって、搬送面に受け止められ、その後、第2方向へ搬送されていた(特許文献1参照)。また、搬送面上の用紙の先端部を押さえボールで押さえた状態で、用紙を第2方向へ搬送する直角搬送装置も、知られている(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−10711号公報
【特許文献2】特許第3541280号公報
【特許文献3】特許第3417619号公報
【特許文献4】特開平6−80295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような、突き当て板を用いた装置では、用紙が突き当て板に当たった際の衝撃で跳ね返るため、搬送面に受け止められた用紙の状態に、バラツキが生じる。そのため、その後に配置されている斜行補正部において、充分な斜行補正を行うことができない場合がある、という不具合があった。また、第2方向への搬送部に加えて、斜行補正部を必要とするため、装置全体が大きくなる、という不具合があった。
【0005】
特許文献2、3のような、押さえボールを用いた装置では、腰の弱い用紙、薄い用紙、又は先端がカールしている用紙等を、押さえボールの下に挿入する際に、用紙の先端部が損傷することがある、という不具合があった。また、斜行補正部を必要とするため、装置全体が大きくなる、という不具合があった。
【0006】
本発明は、上述のような不具合を解消できる直角搬送装置を提供すること、を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の直角搬送装置は、前段装置から第1方向へ搬送されて来た平面視矩形の用紙を、第1方向に対して直交した第2方向へ搬送する、直角搬送装置において、前段装置から搬送されて来た用紙を、第1方向へ送り出す送出ローラと、前記送出ローラから送り出された用紙を、搬送ベルトに載せて、第2方向へ搬送する、搬送ユニットと、を備えており、前記搬送ユニットは、前記搬送ベルトの第1方向下流側に、複数個の球体を、備えており、前記複数個の球体は、第2方向に沿って、且つ、一列に並んで、配置されており、前記複数個の球体は、それぞれ、搬送ベルト上に、転動自在に載置されており、前記搬送ベルトは、前記送出ローラの送り出し位置より下方に位置しており、且つ、第1方向下流側に向けて低くなるよう傾斜しており、前記送出ローラの送り出し位置と前記球体の載置位置との間の、第1方向に沿った距離が、第2方向へ搬送される用紙の第1方向寸法より長く、設定されており、前記送出ローラから送り出された前記用紙が、前記搬送ベルト上を滑り、滑って来た前記用紙の先端縁が前記球体と前記搬送ベルトとのニップ部の直前の隙間に入り込んで止まるようになっている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙に対して、第1方向から第2方向への方向転換と、第2方向への搬送と、斜行補正とを、行うことができる。特に、本発明によれば、搬送部を構成する搬送ベルト上で斜行補正も行うことができるので、搬送部とは別の斜行補正部を不要にでき、したがって、装置全体の大きさや装置の設置スペースを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による直角搬送装置の平面図である。
図2図1のII−II断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図1のIV矢視略図である。
図5】球体の載置状態を説明するための斜視図である。
図6図1のVI矢視略図である。
図7】用紙の搬送状態を示す側面略図である。
図8図7に続く状態を示す側面略図である。
図9図8の部分拡大図である。
図10】ベルト角度調節機構及びローラ角度調節機構の変形構成を示す、図6に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による直角搬送装置の平面図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。図4は、図1のIV矢視略図である。本実施形態の直角搬送装置1は、前段装置9から第1方向(矢印A方向)へ搬送されて来た平面視矩形の用紙7を、第1方向に対して直交した第2方向(矢印B方向)へ搬送するようになっている。図1には、前段装置9と直角搬送装置1と紙受装置8とが示されている。
【0011】
直角搬送装置1は、前段装置9から搬送されて来た用紙7を、第1方向へ送り出す送出ローラ2と、送出ローラ2から送り出された用紙7を、搬送ベルト31に載せて、第2方向へ搬送する、搬送ユニット3と、を備えている。
【0012】
送出ローラ2は、一対のローラ21、22からなっている。送出ローラ2は、図3に示されるように、縦中心線20が鉛直軸に対して所定角度αだけ傾斜して、設けられている。よって、ローラ21とローラ22との間の送り出し位置Pからの送り出し方向Apは、水平面に対して角度αだけ下向きに傾斜している。なお、角度αは、0でもよく、負の値でもよいが、通常は正の値である。具体的には、角度αは、約15度が好ましい。
【0013】
搬送ユニット3は、搬送面を構成する搬送ベルト31と、駆動機構32と、複数個の球体33とを、備えている。搬送ベルト31は、第2方向に延びている。搬送ベルト31は、送出ローラ2の送り出し位置Pより下方に、設けられている。また、搬送ベルト31は、第1方向下流側に向けて低くなるように、水平面に対して角度βだけ傾斜している。角度βは、正の値である。なお、α=βが好ましい。
【0014】
駆動機構32は、一対のローラ321、322と、モータ等の駆動源(図示せず)と、を備えている。ローラ321、322は、第2方向において、離間して且つ対向して且つ平行に、設けられている。搬送ベルト31は、無端環状であり、ローラ321とローラ322とに掛け渡されている。駆動源は、ローラ321、322の内の一方のローラを駆動するように、設けられており、他方のローラは、搬送ベルト31の移動に従動するようになっている。
【0015】
複数個の球体33は、搬送ベルト31の第1方向下流側に、第2方向に沿って、且つ、一列に並んで、且つ、等間隔で、配置されている。そして、複数個の球体33は、それぞれ、搬送ベルト31上に、転動自在に載置されている。具体的には、複数個の球体33は、第2方向に沿って延びた板状フレーム34によって、支持されている。フレーム34には、第2方向に沿って、等間隔で、一列に並んで、図5に示されるような貫通孔341が形成されており、球体33は、図4に示されるように、貫通孔341内に入れられて、貫通孔341に転動自在に保持されている。なお、本実施形態では、貫通孔341の直径は、球体33の直径より小さく、設定されており、貫通孔341は、球体33の下部にて球体33を保持している。隣接する球体33の間隔Wは、第2方向へ搬送する予定の用紙7の、第2方向寸法Woに比して、同じ又は小さく、設定されている。また、送出ローラ2の送り出し位置Pと球体33の載置位置との間の、第1方向に沿った距離Lは、第2方向へ搬送する予定の用紙7の、第1方向寸法Loに比して、大きく設定されている。具体的には、(L−L0)は15〜30mmが好ましい。
【0016】
フレーム34の第1方向上流側の側縁部342は、斜め上方に延びている。
【0017】
搬送ユニット3は、球体33の上方に、覆い板36を備えてもよい。球体33は、搬送ユニット3の作動時に用紙によって上方に持ち上げられることはないが、ジャム発生時又は装置運搬時に、飛び出す恐れがある。覆い板36は、それを防止できるので、設けられるのが好ましい。
【0018】
図6は、図1のVI矢視略図である。搬送ユニット3は、搬送ベルト31の傾斜角度βを所望の範囲内で調節するベルト角度調節機構4と、送出ローラ2の送り出し方向Apの上下の傾斜角度αを所望の範囲内で調節するローラ角度調節機構5とを、有している。すなわち、搬送ベルト31は、傾斜角度βを調節可能に設けられており、送出ローラ2は、送り出し方向Apの上下の傾斜角度αを調節可能に設けられている。
【0019】
ベルト角度調節機構4は、ローラ321、322を支持する支持部材35を、第1方向の上流側で下方から支持するロッド41及び第1方向の下流側で下方から支持するクランク42を、有している。支持部材35は、ロッド41の上端に、水平軸回りに回動自在に、取り付けられている。また、支持部材35は、クランク42の上端に、水平軸回りに回動自在に、取り付けられている。そして、クランク42は、偏心カム43上に載っており、偏心カム43の回転に伴って、上下動するようになっている。偏心カム43は、モータ44によって回転されるようになっている。したがって、ベルト角度調節機構4によれば、モータ44によって偏心カム43が所望量だけ回転すると、クランク42が所望量だけ上下動し、これにより、支持部材35の傾斜角度β、すなわち、搬送ベルト31の傾斜角度βが、所望値に設定される。
【0020】
ローラ角度調節機構5は、クランク51、偏心カム52、スプリング53、及びモータ54を、有している。クランク51は、下端が回動自在に基台(図示せず)に取り付けられており、上端が送出ローラ2の軸受部に固定されている。送出ローラ2は、鉛直状態のクランク51の上端に固定された状態で、縦中心線20が鉛直軸に対して所定角度αだけ傾斜している。クランク51の第1方向上流側には、偏心カム52が当接している。また、クランク51は、スプリング53によって、第1方向上流側へ引っ張られている。これにより、クランク51は、偏心カム52がモータ54によって回転すると、下端を支点として、第1方向において揺動するようになっている。したがって、ローラ角度調節機構5によれば、モータ54によって偏心カム52が所望量だけ回転すると、クランク51が第1方向において所望量だけ揺動し、これにより、送出ローラ2の送り出し方向Apの傾斜角度αが、所望値に設定される。
【0021】
搬送ユニット3は、図1に示されるように、球体33の載置位置を第1方向に沿って変更して、距離Lを所望の範囲内で調節する球体位置調節機構6を、更に、有している。球体位置調節機構6は、ローラ321、322の略上方に、ローラ321、322に対向して設けられた、バー61、62を、有している。フレーム34は、図1に矢印Cで示されるように、第2方向に対して平行な状態を維持したまま、第1方向に沿って、すなわちバー61、62に沿って、移動して、所望の位置で固定できるように、設けられている。具体的には、フレーム34は、その両端にて、バー61、62の孔63にネジ64によって固定されるようになっている。孔63は、バー61、62において、第1方向に沿って、且つ、一列に並んで、複数個設けられている。したがって、球体位置調節機構6によれば、フレーム34が第1方向に移動することにより、球体33の載置位置が第1方向に沿って移動し、その結果、距離Lが所望値に設定される。なお、球体位置調節機構6は、用紙寸法に応じて、ギアモータ等によって自動的に位置調節するように、構成してもよい。
【0022】
搬送ベルト31の第1方向の寸法Sは、球体33の載置位置が距離Lを有するように設定された状態で、第2方向へ搬送される予定の、仕様上最大の第1方向寸法を有する用紙7の、全てを載せることができる、大きさを、有している。通常、仕様上最大の第1方向寸法は150mmであり、仕様上最小の第1方向寸法は55mmである。
【0023】
送出ローラ2は、送り出し速度Vを調節可能に、設けられている。その調節は、例えば、送出ローラ2の駆動モータ(図示せず)の出力を制御することによって、行われる。
【0024】
なお、球体33は、直径が大きすぎると、前述したW≦Woを満たすことができず、直径が小さすぎると、搬送ベルト31の傾斜角度βが少し大きくなっただけでフレーム34から飛び出してしまう、という不具合を生じさせる。よって、球体33は、そのような不具合を生じさせない大きさの直径に、設定される。
【0025】
また、球体33は、重すぎると、転動しにくくなるため、第2方向への用紙の搬送を妨げ、軽すぎると、用紙がニップ部Nに入り込むことにより用紙によって持ち上げられる、という不具合を生じさせる。よって、球体33は、そのような不具合を生じさせない重さに、設定される。
【0026】
前段装置9としては、公知の用紙裁断機を用いている。前段装置9は、図2に示されるように、用紙70を、4つの搬送ローラ911、912、913、914によって搬送しながら、スリッター92及びカッター93によって裁断するようになっている。また、前段装置9は、搬送ローラ911等によって構成された搬送経路に、3個のセンサー941、942、943を、有している。センサー941等は、用紙70の先端の通過を検知するようになっている。
【0027】
そして、本実施形態では、送出ローラ2の送り出し速度Vは、前段装置9の搬送ローラ914の搬送速度Voより、大きく設定されている。例えば、Vo=330m/秒であり、V=600mm/秒であり、搬送ベルト31による搬送速度V1は280〜600mm/秒である。なお、V1は、例えば使用者によって5段階に変速可能である。
【0028】
紙受装置8は、図1に示されるように、トレイ81上に、前壁82と両側壁83、84とを有している。紙受装置8は、直角搬送装置1によって第2方向に搬送されて来た用紙7が、前壁82に衝突して、落下して、前壁82と両側壁83、84とに囲まれたスペース80に、積載されていくようになっている。
【0029】
次に、前記構成の直角搬送装置1の作動について説明する。
【0030】
(1)前段装置9においては、給紙トレイ95に載せられている用紙70が、搬送ローラ911等によって搬送されながら、スリッター92によって、搬送方向に沿って裁断され、その後、カッター93によって、搬送方向に対して直交した幅方向に沿って、裁断される。なお、カッター93による裁断時には、搬送作動は停止している。これにより、例えば、図1に示されるように、同じ形態の2枚の用紙7が幅方向に並んで形成される。この2枚の用紙7が、搬送方向最下流の搬送ローラ914を通過すると、センサー943がその通過を検知する。
【0031】
(2)センサー943を通過した用紙7は、送出ローラ2によって、第1方向へ送り出される。このとき、送出ローラ2の送り出し速度Vが搬送ローラ914による搬送速度Voよりも大きいので、用紙7は、前段装置9から引き抜かれるように、送出ローラ21によって送り出される。なお、このとき、搬送ユニット3は停止状態にある。一方、送出ローラ2は、前段装置9の作動時には常時作動するように設定しておくのが好ましい。
【0032】
(3)停止状態の搬送ユニット3において、送出ローラ2から送り出された用紙7は、図7に示されるように、全てが送出ローラ2から送り出され、搬送ベルト31に向けて落下していき、搬送ベルト31に接触していき、搬送ベルト31上を滑っていく。用紙7がこのような動きをするのは、次の理由に因ると考えられる。
・搬送ベルト31が送出ローラ2の送り出し位置Pより下方に位置している。
・距離Lが用紙7の第1方向寸法Loより大きい。
・搬送ベルト31が角度βだけ傾斜している。
【0033】
(4)搬送ベルト31上を滑って来た用紙7は、滑りながら斜行補正される。すなわち、用紙7は、滑りながら、第1方向の先端縁71が第2方向に対して平行になっていく。この斜行補正は、滑る距離が長いほど、すなわち、距離Lと寸法Loとの差が大きいほど、充分に行われる。
【0034】
(5)搬送ベルト31上を滑って来た用紙7は、その先端縁71が、図8及びその部分拡大図である図9に示されるように、球体33と搬送ベルト31との間、すなわち、ニップ部Nの直前の隙間300に、入り込んで、止まる。このとき、用紙7は、先端縁71が隙間300に入っていくので、跳ね返ることなく、滑らかに停止する。よって、斜行補正された用紙7が乱れることはない。それ故、用紙7は、斜行補正された状態で、搬送ベルト31上に載置される。
【0035】
(6)そして、搬送ユニット3が作動する。すなわち、搬送ユニット3は、送出ローラ2から送り出された用紙7が搬送ベルト31上に載置されるまでは、停止しており、その後に作動する。すなわち、搬送ユニット3は、間欠運転を行う。そして、搬送ベルト31上の用紙7は、搬送ベルト31によって、一列に並んでいる球体33に沿って第2方向へ搬送される。このとき、用紙7は、先端縁71が隙間300に入った状態で第2方向へ移動するので、搬送ベルト31上で停止した時に斜行補正が僅かに不充分であったとしても、斜行補正されながら、第2方向へ搬送される。
【0036】
(7)第2方向へ搬送された用紙7は、紙受装置8のトレイ81上のスペース80に積載されていく。
【0037】
前記構成の直角搬送装置1によれば、次のような効果を発揮できる。
【0038】
(a)用紙7に対して、第1方向から第2方向への方向転換と、第2方向への搬送と、斜行補正とを、行うことができる。
【0039】
(b)直角搬送装置1は、搬送部を構成する搬送ベルト31上で斜行補正も行うことができるので、搬送部とは別の斜行補正部を備えてはいない。したがって、装置全体の大きさや装置の設置スペースを低減できる。
【0040】
(c)球体位置調節機構6によって、球体33の載置位置を調節できるので、用紙7の、第1方向寸法、第2方向寸法、厚さ、腰の強さ、及び材質等に応じた、最適な距離Lを、設定できる。よって、用紙7の斜行補正を良好に行うことができる。
【0041】
(d)送出ローラ2の送り出し速度Vを調節できるので、用紙7の、第1方向寸法、第2方向寸法、厚さ、腰の強さ、及び材質等に応じて、搬送ベルト31上における用紙7の滑り具合の最適化を図ることができる。よって、用紙7の斜行補正を良好に行うことができる。ちなみに、用紙7の、腰が弱い場合又は第1方向寸法が長い場合又は第2方向寸法が長い場合には、用紙7が垂れ下がり、用紙7と搬送ベルト31等との摩擦抵抗が大きくなる傾向があるので、送り出し速度Vを大きくするのが好ましい。
【0042】
特に、送出ローラ2の送り出し速度Vが、前段装置9の搬送ローラ911等の搬送速度Voより、大きく設定されているので、前述の効果を確実に発揮できる。
【0043】
(e)ベルト角度調節機構4によって、搬送ベルト31の傾斜角度βを調節できるので、用紙7の、第1方向寸法、第2方向寸法、厚さ、腰の強さ、及び材質等に応じて、搬送ベルト31上における用紙7の滑り具合の最適化を図ることができる。よって、用紙7の斜行補正を良好に行うことができる。ちなみに、角度βを大きくすると、装置の設置スペースを増すことなく、距離Lを大きくできるので、用紙7の滑る距離を増大でき、その結果、用紙7の斜行補正をより良好に行うことができる。また、用紙7の、腰が弱い場合又は第1方向寸法が長い場合又は第2方向寸法が長い場合には、用紙7と搬送ベルト31との摩擦抵抗が大きくなるので、その摩擦抵抗を低減して用紙7の自重落下を促進するために、角度βを大きくするのが好ましい。具体的には、用紙7の第1方向寸法が150mmの場合には、角度βは約15度で充分であるが、150mmを超える場合には、15度より大きい方がよい。
【0044】
(f)ローラ角度調節機構5によって、送出ローラ2の送り出し方向Apの傾斜角度αを調節できるので、用紙7の、第1方向寸法、第2方向寸法、厚さ、腰の強さ、及び材質等に応じて、搬送ベルト31上における用紙7の滑り具合の最適化を図ることができる。よって、用紙7の斜行補正を良好に行うことができる。
【0045】
[変形構成]
(1)複数個の球体33は、必ずしも、等間隔でなくてもよい。但し、隣接する球体33の間隔Wは、第2方向へ搬送する予定の用紙7の、第2方向寸法Woに比して、同じ又は小さく、設定されなければならない。
【0046】
(2)図10に示されるようなベルト角度調節機構4を採用してもよい。この機構4は、図4のモータ44に代えてシャフト45を有しており、使用者がシャフト45を手動で回すことによって調節を行うようになっている。
【0047】
(3)図10に示されるようなローラ角度調節機構5を採用してもよい。この機構5は、図4のモータ54に代えてシャフト55を有しており、使用者がシャフト55を手動で回すことによって調節を行うようになっている。
【0048】
(4)前段装置9としては、図2に示される用紙裁断機に限らず、その他の構成の用紙裁断機、更には公知の用紙加工機を、採用してもよい。
【0049】
(5)紙受装置8としては、図1に示される紙受装置に限らず、その他の構成の紙受装置を、採用してもよい。
【0050】
(6)角度αと角度βとは、同じであるのが好ましいが、必ずしも、同じである必要はない。
【0051】
(7)ベルト角度調節機構4及びローラ角度調節機構5は、いずれか一方を採用しなくてもよい。すなわち、角度αは一定とし、角度βのみ調節可能としてもよく、又は、角度αのみ調節可能とし、角度βは一定としてもよい。
【0052】
(8)貫通孔341の直径は、球体33の直径より大きく、設定されてもよく、その場合、貫通孔341は、球体33の中央部にて球体33を保持するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の直角搬送装置は、装置全体の大きさや装置の設置スペースを低減できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0054】
1 直角搬送装置 2 送出ローラ 3 搬送ユニット 31 搬送ベルト
33 球体 7、70 用紙 9 前段装置
図1
図2
図3
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図8
図9
図10