【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの1種以上であるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む栽培されたカボチャ属(Cucurbita)植物に関する。
【0007】
一実施形態において、前記遺伝的決定因子は、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、好ましくはカボチャ属の1種(C.moschata var.Nigeria)のゲノムから入手可能である。
【0008】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む。
【0009】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも2種の遺伝的決定因子を含む。
【0010】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症、好ましくはZYMVおよびMWMV感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも3種の遺伝的決定因子を含む。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、いずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
遺伝的決定因子の少なくとも1種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSVといったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号1(5’AGGTTTCATGGGCTTTTAATGG3’)の順方向プライマーおよび配列番号2(5’CGTGAGCCTAAAACGGTTAATG3’)の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−CACTTCCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号7)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−CACTTTCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号8)による
検出において同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子の少なくとも2種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号3(5’GGGCAAAGAAGATCTTGTCTAGAAAG3’)の順方向プライマーおよび配列番号4(5’GTTTTTGTGCAGTGTGCATCTGT3’)の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TCATTGCACCCAACATG−MGB−NFQ(配列番号9)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TCATTGCACTCAACATGG−MGB−NFQ(配列番号10)による検出
において同定可能であり;
および/または配列番号5(5’TTGTGTTTATATGTATGTGTGCGAG3’)の順方向プライマーおよび配列番号6(5’TTTCTAGATCTCAGTGTAAGAGAACACA3’)の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TTTGTTTGCTTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号11)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TTTGTTCGATTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号12)による検出
において同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子の少なくとも1種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号13(5’TTGCATGTTCCTTGGATGGGT3’)の順方向プライマーおよび配列番号14(5’GGCAACCTCTGTCCAATTTCTTTC3’)の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−AGTTGCGACTTTCCA−MGB−NFQ(配列番号15)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:TET−AGTTGCGACTTTTCATT−MGB−NFQ(配列番号16)による検出
において同定可能である。
【0012】
他の実施形態において、本発明は、いずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出
においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;
および/または遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1およびW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出
においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出
においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノム中に同定可能である。
【0013】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、
を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出
において前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1および/またはW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出;
および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出
において前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対
、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出
において前記植物のゲノム中に同定可能である。
【0014】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、遺伝的決定因子は劣性であり、および、互いに独立して分離する。
【0015】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、植物はカボチャ植物である。
【0016】
本発明はまた、ポティウイルス耐性カボチャ植物の育成が可能であるいずれかの既述の実施形態によるカボチャ植物の種子に関する。本発明はまた、ポティウイルス耐性カボチャ植物を育成するための前記種子の使用に関する。
【0017】
本発明はまた:
a)ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離するマーカ遺伝子座の少なくとも1種に遺伝的に連鎖し、および、
i.
配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
;ならびに/または
ii.
配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
;ならびに/または
iii.
配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
;ならびに/または
iv.
配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
、ならびに/または
v.ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離するマーカ遺伝子座を同定可能である順方向および逆方向プライマー
、
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物とポティウイルスに感受性であるカボチャ植物または前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を示すカボチャとを交雑するステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する前記交雑に由来する子孫を選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む、好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法に関する。
【0018】
本発明はまた:
a)好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルス耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖し、および、
i.マーカ遺伝子座がZNである場合、
配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、または;
ii.
配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、ならびに/または
iii.マーカ遺伝子座がW2である場合、
配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
、ならびに/または
iv.マーカ遺伝子座がNi+である場合、
配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
、
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物と、ポティウイルスに感受性であるカボチャ植物または前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を示すカボチャ植物とを交雑させるステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する前記交雑に由来する子孫を選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む、いずれかの既述の実施形態によるポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法に関する。
【0019】
一実施形態においては、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)において選抜された植物は、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも2種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性表現型を発現し、ここで、前記耐性表現型はステップa)の2種のマーカ遺伝子座を伴って分離する。
【0020】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)において選抜された植物は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも3種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性表現型を発現し、ここで、前記耐性表現型は、ステップa)の3種のマーカ遺伝子座を伴って分離する。
【0021】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)のドナー植物は本明細書に記載の植物である。
【0022】
他の実施形態において、本発明は、ステップc)において得られたウイルス耐性植物と、感受性カボチャ植物またはステップb)の中度耐性カボチャ植物とを戻し交雑する追加のステップを含むいずれかの既述の実施形態による方法に関する。
【0023】
本発明はまた、雄性不稔性雌株および雄性稔性植物を植えるステップであって、前記雄または雌系統の少なくとも一方が本明細書に記載の植物であるステップ、両方の系統間で他家受粉させるステップ、植物を実どまりするまで育成するステップ、果実を採取するステップ、ならびに、ハイブリッド種子を得るステップを含むポティウイルスに対して耐性であるカボチャのハイブリッド種子を生成する方法に関する。
【0024】
本発明はまた、
a)本明細書に記載のとおり、または、本明細書に記載の方法により植物を得るステップ;
b)前記植物とポティウイルス感受性植物または中度耐性カボチャ植物とを交雑させるステップ;
c)ステップb)の交雑からもたらされる胚芽を救出するステップ;
d)ステップc)の前記胚芽から植物を再生するステップ;ならびに
e)ポティウイルスに対して耐性であるステップd)の植物を選抜するステップ
を含むポティウイルス耐性カボチャ植物を得る方法に関する。
【0025】
本発明はまた、本明細書に記載の植物の種子または本明細書に記載の方法により得られた植物の種子を播種するステップ;ならびに、果実を形成させるために前記植物を育成するステップ、および、前記植物により形成された果実を収穫するステップを含むポティウイルスに対して耐性であるカボチャ果実を得る方法に関する。
【0026】
本発明はまた、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子に関し、ここで、前記遺伝的決定因子はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、
遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出
において同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出
、および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出
において同定可能であり;ならびに/または
遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出
において同定可能である。
【0027】
本発明はまた、好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物の同定方法に関し、ここで、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、前記ポティウイルス耐性表現型の少なくとも1種を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖し、ならびに、
マーカ遺伝子座がZNである場合、
配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
、または;
マーカ遺伝子座がW1である場合、
配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
、ならびに/または
マーカ遺伝子座がW2である場合、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出;または;
マーカ遺伝子座がNi+である場合、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能である。
【0028】
本発明はまた、果実を形成し、および、前記果実を収穫するためのポティウイルス耐性カボチャ植物の育成のための本明細書に記載のカボチャ植物からのポティウイルス耐性繁殖体の使用に関する。
【0029】
定義
本明細書において用いられるところ、「確立された育種固体群」という句は、例えば、商業的な育種プログラムといった育種プログラムにおいて親によってもたらされるおよび/または親として用いられる可能性のある育種パートナーの一群を指す。確立された育種固体群の構成種は、典型的には、遺伝的および/または表現型的に十分に特徴付けられている。例えば、数々の関心のある表現型形質は、例えば異なる環境条件、複数の位置および/または異なる時間で評価された可能性がある。あるいは、または、加えて、表現型形質の発現に関連する1つ以上の遺伝子座は同定されている可能性があり、育種固体群の構成種の1種以上は、1つ以上の遺伝子座に関して、ならびに、1つ以上の遺伝子座に関連する1つ以上の遺伝子マーカに関して遺伝子型が同定されている可能性がある。
【0030】
栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物は、本発明の範囲内において、ヒトの世話によって発育されて、栽培植物化された自然の状態ではないものであって、農業用用途および/またはヒトによる摂取のための植物を指すと理解される。例として、本発明によるペポカボチャ(C.pepo)植物は栽培された植物であるとみなされるべきであり、ゲムカボチャ(gem squash)、ペポカボチャ(summer squash)、セイヨウカボチャ、ズッキーニ、黄色の曲がり首カボチャ(yellow crookneck squash)、黄色のペポカボチャ(yellow summer squash)、ココゼル、パティパンカボチャ、ストレートネックカボチャおよびナタウリを含む群から選抜されることが可能である。本発明の文脈において、「栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物」は栽培に適応されており、病害耐性、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)中度耐性などの特に中度耐性を示す。さらに、栽培されたカボチャ属(Cucurbita)植物は、天然形質および/または天然遺伝子の一部として本発明の主題である形質を含む野生型種は含まないと理解される。
【0031】
誤解を避けるため、カボチャ属の一種(C.Moschata var.Nigeria)は耐性の「野生源」であり、栽培植物としてみなされるべきではない。
【0032】
本明細書において用いられるところ、「二倍体個体」という句は、典型的には2つの親の各々から1組ずつ、2組の染色体を有する個体を指す。しかしながら、いくつかの実施形態において、二倍体個体は、植物の後続の世代をもたらすために植物が自殖した場合など、同一の単一の生体に由来する「母系」および「父系」の組の染色体を有していることが可能であることが理解される。
【0033】
「ホモ接合」は、本発明の範囲内において、相同な染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における対立遺伝子様であることを指すと理解される。
【0034】
「ヘテロ接合」は、本発明の範囲内において、相同な染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における対立遺伝子様ではないことを指すと理解される。
【0035】
「戻し交雑」は、本発明の範囲内において、雑種子孫が一方の親に対して繰り返し戻し交雑されるプロセスを指すと理解される。その後の戻し交雑において異なる反復親が用いられてもよい。
【0036】
「遺伝子座」は、本発明の範囲内において、遺伝子またはいずれかの他の遺伝子要素または形質に寄与する因子を含む染色体における領域を指すと理解される。
【0037】
本明細書において用いられるところ、「マーカ遺伝子座」とは、個体のゲノム中に存在し、および、1つ以上の対象の遺伝子座に関連するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を含む、遺伝子またはいずれかの他の遺伝子要素または形質に寄与する因子を含み得る染色体における領域を指す。「マーカ遺伝子座」とはまた、プローブとして用いられる核酸の配列などのゲノム配列に対して相補性であるポリヌクレオチド配列を含む染色体における領域を指す。
【0038】
「遺伝子連鎖」は、本発明の範囲内において、遺伝子座間の組換えのパーセント(センチモルガンcM)によって計られる同一の染色体において近接した遺伝子の位置による遺伝における形質の関連性を指すと理解される。
【0039】
遺伝子座間の距離は、通常、同一の染色体における遺伝子座間の交差頻度によって計られる。2つの遺伝子座が離れているほど、これらの間で交差が生じる可能性は高くなる。反対に、2つの遺伝子座が近接していれば、交差が生じる可能性は低い。原則として、1センチモルガン(cM)は遺伝子座(マーカ)間の1%組換えに等しい。QTLが複数のマーカによって示されることが可能である場合、端点マーカ間の遺伝子距離がQTLのサイズの指標である。
【0040】
「マーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖する」という句は、マーカ遺伝子座が、耐性形質を与える遺伝的決定因子から、10cM、より好ましくは5cM、より好ましくは2cM、最も好ましくは1cMよりも近いことを意味するとみなされるべきである。
【0041】
「発現を方向づけするまたは制御する遺伝的決定因子」は、本明細書において、DNA自身のレベルで、最終ポリペプチド産物の翻訳、転写および/または活性化レベルで、形質の発現に寄与して、形質の表現型発現をもたらすことが可能である遺伝可能な遺伝子要素を指すと理解される。
【0042】
本発明の目的のために、「同時分離」という用語は、形質に係る対立遺伝子およびマーカに係る対立遺伝子は同一の染色体において物理的に近接しているために一緒に伝達される傾向にあり(物理的な近さによる組換えの低減)、同一の染色体における近さに起因する対立遺伝子の選抜的な関連性がもたらされるという事実を指している。「同時分離」とはまた、少なくとも一方が遺伝的であることが知られており、偶然によっては容易に説明ができない、単一の植物における2つ以上の形質の存在を指す。
【0043】
本明細書において用いられるところ、「質的形質遺伝子座での遺伝子アーキテクチャ」という用語は、対象表現型形質に統計的に相関し、対象表現型形質の根底にある遺伝学的基礎を表すゲノム領域を指す。
【0044】
本明細書において用いられるところ、本開示の主題の文脈において、「有性交雑」および「有性生殖」という句は、子孫をもたらす配偶子の接合(例えば、植物における受粉による種子をもたらすなどの受精による)を指す。「有性交雑」または「他家受精」は、いくつかの実施形態において、一個体と他の固体との受精である(例えば、植物における他家受粉)。「自家受粉」という用語は、いくつかの実施形態において、自家受精または自家受粉による種子の生成を指し;すなわち、花粉および胚珠が同一の植物に由来する。
【0045】
本明細書において用いられるところ、「遺伝子マーカ」という句は、1つ以上の対象の遺伝子座に関連する個体のゲノム(例えば、個体のゲノム中に存在するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列)の形質を指す。いくつかの実施形態において、遺伝子マーカは、文脈に応じて、対象固体群における多型であるか、または、多型性によって占有された遺伝子座である。遺伝子マーカとしては、他の多くの例のうち、例えば、一塩基多型(SNP)、インデル(すなわち、挿入/欠失)、単純配列反復(SSR)、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、開裂増幅多型配列(CAPS)マーカ、多様性アレイ技術(DArT)マーカおよび増幅断片長多型(AFLP)が挙げられる。遺伝子マーカは、例えば、様々な表現型形質に寄与する、染色体における対立遺伝子を含有する遺伝子座の位置を突き止めるために用いられることが可能である。「遺伝子マーカ」という句はまた、プローブとして用いられる核酸の配列などの、ゲノム配列に対して相補性のポリヌクレオチド配列を指すことが可能である。
【0046】
「ペポカボチャ(C.Pepo cv.268NiW)に存在する対応するゲノム決定因子に対する相補性」という句は、染色体DNAの領域において見出される遺伝子(またはそのプロモータ領域)を意味するとみなされるべきであり、前記領域は、長さが0.5MB、1MB、2MB、3MB、4MB、5MBまたは10MBであり、ペポカボチャ(C.Pepo cv.268NiW)染色体DNAの対応する領域において見出される同一の遺伝子(またはそのプロモータ領域)と同等である。
【0047】
遺伝子マーカは、関連している遺伝子座の内側または外側の染色体上の位置に物理的に位置されていることが可能である(すなわち、それぞれ遺伝子内または遺伝子外である)。換言すると、例えば遺伝子外の調節エレメント中といった、対象遺伝子座に対応する遺伝子または機能的突然変異の染色体上の位置が同定されておらず、および、遺伝子マーカと対象遺伝子座との間の組換え率が非ゼロである場合、遺伝子マーカが典型的には利用されるが、
本開示の主題はまた、物理的に遺伝子座の境界の内側の遺伝子マーカを利用することも可能である(例えば、特にこれらに限定されないが、遺伝子のイントロンまたはエクソン中の多型性などの遺伝子に関連するゲノム配列の内側)。本開示の主題のいくつかの実施形態において、1つ以上の遺伝子マーカは1〜10塩基対のマーカを含み、いくつかの実施形態において、1つ以上の遺伝子マーカは10塩基対を超える遺伝子マーカを含む。
【0048】
本明細書において用いられるところ、「遺伝子型」という用語は、細胞または生体の遺伝子構造を指す。ある個体の「一組の遺伝子マーカに係る遺伝子型」は、その個体のハプロタイプに存在する、1つ以上の遺伝子マーカ遺伝子座に対する特異的対立遺伝子を含む。技術分野において公知であるとおり、遺伝子型は、遺伝子座が関連しているかもしくは無関連であるか、および/または、連鎖されているかもしくは未連鎖であるかに関わらず、単一遺伝子座または多重遺伝子座に関連していることが可能である。いくつかの実施形態において、ある個体の遺伝子型は、1種以上の遺伝子が関心のある表現型の発現に関連している(例えば、本明細書において定義されているとおり定量的または質的形質に)という点で関連する1種以上の遺伝子に関連している。それ故、いくつかの実施形態において、遺伝子型は、定量的または質的形質の1つ以上の遺伝子座で個体中に存在する1つ以上の対立遺伝子のまとまりを含む。いくつかの実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプと表記される(本明細書において以下に定義されている)。
【0049】
本明細書において用いられるところ、「生殖質」という用語は、固体群または個体の他の群(例えば、種)の遺伝子型の全体を指す。「生殖質」という用語は植物材料を指すことも可能である(例えば、種々の対立遺伝子のためのリポジトリとして作用する植物の一群)。「適応生殖質」という句は証明された遺伝子優位性の植物材料を指し(例えば、所与の環境または地理的領域に関して)、一方で、句「非適応生殖質」、「粗生殖質」および「外来生殖質」は未知または証明されていない遺伝子価値の植物材料を指し(例えば、所与の環境または地理的領域に関して)、それ故に、「非適応生殖質」という句は、いくつかの実施形態においては、確立された育種固体群の一部ではなく、および、確立された育種固体群の構成種に対して既知の関係を有さない植物材料を指す。
【0050】
本明細書において用いられるところ、「ハイブリッド」、「ハイブリッド植物」および「雑種子孫」という用語は、遺伝的に異なる親に由来する個体を指す(例えば、遺伝的にヘテロ接合性の、または、主にヘテロ接合性の個体)。
【0051】
本明細書において用いられるところ、「単交雑F1ハイブリッド」という句は、2種の近交系統間の交雑で生じたF1ハイブリッドを指す。
【0052】
本明細書において用いられるところ、「近交系統」という句は、遺伝的にホモ接合性のまたはほぼホモ接合性の固体群を指す。例えば、近交系統は、同胞育種もしくは自家受粉の数回のサイクルを介して、または、二ゲノム性半数体生成に由来することが可能である。いくつかの実施形態において、近交系統は、関心のある表現型形質の1種以上に当てはまるよう育種される。「近交系」、「近交系個体」または「近交系子孫」は近交系統からサンプルされた個体である。
【0053】
本明細書において用いられるところ、「二ゲノム性半数体系統」という用語は、他の培養から生じた安定な近交系統を指す。特定の培地および環境で栽培されたいくつかの花粉粒(一倍体)はn染色体を含有する小植物を発生させることが可能である。次いで、これらの小植物は「倍加」されて2n染色体を含有することとなる。これらの小植物の子孫は「二ゲノム性半数体」と命名され、基本的にこれ以上は分離しない(安定)。
【0054】
本明細書において用いられるところ、「連鎖」という用語、および、その文法上の変形は、同一の染色体上の異なる遺伝子座にある対立遺伝子が、伝達が独立していた場合に偶然期待されるであろうものよりも頻繁に一緒に分離する傾向を指す。
【0055】
本明細書において用いられるところ、「核酸」という句は、ヌクレオチドのストリングに対応することが可能であるモノマー単位のいずれかの物理的なストリングを指し、ヌクレオチドのポリマー(例えば、典型的なDNA、cDNAまたはRNAポリマー)、変性オリゴヌクレオチド(例えば、2’−O−メチル化オリゴヌクレオチドなどの、生物学的RNAまたはDNAに典型的ではない塩基を含むオリゴヌクレオチド)等が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸は、一本鎖、二重鎖、多重鎖、または、これらの組み合わせであることが可能である。他に示されている場合を除き、任意により、本開示の主題の特定の核酸配列は、明記されているいずれかの配列に加えて、相補的配列を含むか、または、コード化する。
【0056】
本明細書において用いられるところ、「表現型形質」という句は、そのゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームと環境との相互作用からもたらされる個体の外観または他の検出可能な特徴を指す。
【0057】
本明細書において用いられるところ、「耐性」という句は、特定の病原体および/または病原体によって生じる損傷の成長および発生を、同様の環境条件および病原体による圧力下で、感受性植物と比して制限する植物の能力を指す。耐性植物は、例えばZYMV病原体による圧力といった病原体による圧力下でいくらかの病害症状または損傷を示し得る。
【0058】
本明細書において用いられるところ、「感受性」という句は、ZYMVなどの例えばポティウイルス病原体といった特定の病原体の成長および発生を十分に制限できない植物を指す。
【0059】
耐性植物は、以下の実施例において定義されている試験条件下で、芽胞形成を全くまたはほとんど伴わずにネクローシスを全くまたはほとんど示すことはない。
【0060】
本明細書において用いられるところ、「複数の」という用語は、2つ以上を指す。それ故、「複数の個体」とは、少なくとも2つの個体を指す。いくつかの実施形態において、複数のという用語は、全体の半数を超えていることを指す。例えば、いくつかの実施形態において、「複数の固体群」とは、その固体群の構成種の半数を超えていることを指す。
【0061】
本明細書において用いられるところ、「子孫」という用語は、特定の交雑の派生種を指す。典型的には、子孫は2つの個体の育種から生じるが、いくつかの種(特にいくつかの植物および雌雄同体動物)は自殖可能である(すなわち、同一の植物が雄および雌配偶子の両方のドナーとして働く)。派生種は、例えば、F1、F2またはいずれかのその後の世代のものであることが可能である。
【0062】
本明細書において用いられるところ、「質的形質」という句は、主な表現型効果を発現する1つまたは少数の遺伝子によって決定される表現型形質をさす。このため、質的形質は、典型的には単純に遺伝される。植物における例としては、これらに限定されないが、花の色、果実の色および数々の既知の病害耐性が挙げられる。
【0063】
「マーカに基づく選抜」は、本発明の範囲内において、例えば植物から1つ以上の核酸を検出するための遺伝子マーカの使用を指すと理解され、ここで、核酸は、望ましい(または望ましくない)形質に係る遺伝子を有する植物を同定するための所望の形質に関連しており、これにより、これらの植物を選抜育種プログラムにおいて用いる(または回避する)ことが可能である。
【0064】
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」は、本発明の範囲内において、ゲノムのDNAまたはサブセットの特定の領域を比較的多量に生じさせ、これにより、これらの領域に基づいた種々の分析を可能とする方法を指すと理解される。
【0065】
「PCRプライマー」は、本発明の範囲内において、DNAの特定の領域のPCR増幅において用いられる一本鎖DNAの比較的短い断片を指すと理解される。
【0066】
「表現型」は、本発明の範囲内において、遺伝的に調節された形質の識別可能な特徴を指すと理解される。
【0067】
本明細書において用いられるところ、「表現型形質」という句は、そのゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームと環境との相互作用によりもたらされる、個体の外観または他の検出可能な特徴を指す。
【0068】
「多型性」は、本発明の範囲内において、固体群における、例えば選択的スプライシング、DNAメチル化等を介して入手可能な、遺伝子、遺伝子マーカ、または、遺伝形質もしくは遺伝子産物の2つ以上の異なる形態の存在を指すと理解される。
【0069】
「選抜育種」は、本発明の範囲内において、親と同様に望ましい形質を有するか発現する植物を用いる育種プログラムを指すと理解される。
【0070】
「テスター」植物は、本発明の範囲内において、試験される植物における形質を遺伝的に特性決定するために用いられる植物を指すと理解される。典型的には、試験される植物は「テスター」植物と交雑され、交雑の子孫における形質の分離比をスコア化した。
【0071】
本明細書において用いられるところ、「プローブ」とは、特定の標的分子または細胞構造を認識および結合し、これにより、標的分子または構造の検出を可能とすることが可能である一群の原子または分子を指す。特に、「プローブ」とは、分子ハイブリダイゼーションによって相補的配列の存在を検出し、および、定量化するために用いられることが可能である標識化DNAまたはRNA配列を指す。
【0072】
本明細書において用いられるところ、「ハイブリダイズ」という用語は、従来のハイブリダイゼーション条件であって、好ましくは、溶液として5×SSPE、1%SDS、1×デンハート液が用いられ、および/または、ハイブリダイゼーション温度が35℃〜70℃、好ましくは65℃であるハイブリダイゼーション条件を指す。ハイブリダイゼーションの後、好ましくは先ず2×SSC、1%SDSで、その後、35℃〜75℃、特に45℃〜65℃、特に59℃の温度で0.2×SSCで洗浄が行われる(SSPE、SSCおよびデンハート液の定義に関しては、Sambrook et al.loc.cit.を参照のこと)。例えば前述のSambrook et alに記載の高厳密性ハイブリダイゼーション条件が特に好ましい。特に好ましい厳密性ハイブリダイゼーション条件は、例えば、上記のとおり、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が65℃で行われる場合に存在する。例えばハイブリダイゼーションおよび洗浄が45℃で行われる非厳密性厳密性ハイブリダイゼーション条件は好ましさに劣り、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が35℃で行われるものはさらに好ましさに劣る。
【0073】
「配列相同性または配列同一性」は、本明細書において同義的に用いられる。2つ以上の核酸またはタンパク質配列の文脈において、「同等の」または「一致率」という」用語は、以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いて、または、目視検査により計測される最大一致性について比較およびアラインした場合に同じであるアミノ酸残渣またはヌクレオチドの特定の割合を有するか、または、同一である2つ以上の配列またはサブ配列を指す。相互に比較される2つの配列の長さが異なる場合、配列同一性は、配列が長いヌクレオチド残渣と同等である、配列が短いヌクレオチド残渣の割合に関連していることが好ましい。配列同一性は、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive Madison,WI 5371 1)などのコンピュータプログラムを用いて簡便に判定可能である。Bestfitは、2つの配列間で配列同一性が最も高いセグメントを見つけるために、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2(1981),482−489の局部的な相同性アルゴリズムを利用する。Bestfitまたは他の配列アライメントプログラムを用いて特定の配列が本発明の参照配列と例えば95%一致率を有するかを判定する場合、パラメータは、一致率が参照配列の全長にわたって算出され、および、参照配列中のヌクレオチドの総数の5%以下の相同性ギャップが許容されるよう調節されることが好ましい。Bestfitが用いられる場合、いわゆる任意のパラメータは、予め設定された(「デフォルト」)値のままとされることが好ましい。所与の配列および上記の本発明の配列間の比較において見られる偏差は、例えば付加、欠失、置換、挿入または組換えによって生じ得る。このような配列比較はまた、好ましくは、プログラム「fasta20u66」(バージョン2.0u66、1998年9月、William R.PearsonおよびUniversity of Virginia;また、W.R.Pearson(1990),Methods in Enzymology 183,63−9aに添付の例およびhttp://workbench.sdsc.edu/も参照のこと)で行うことも可能である。この目的のためには、「デフォルト」パラメータ設定が用いられ得る。2つの核酸配列が実質的に同等であることの他の指標は、2つの分子が厳密性条件下で相互にハイブリダイズするかである。「〜に特異的にハイブリダイズする」という句は、その配列が複雑な混合物(例えば、合計細胞)DNAまたはRNAに存在する場合における、厳密性条件下での特定のヌクレオチド配列のみへの分子の結合、倍加またはハイブリダイズを指す。「実質的に結合する」とは、プローブ核酸と標的核酸との間の相補性ハイブリダイゼーションを指し、標的核酸配列の所望の検出を達するためにハイブリダイゼーション媒体の厳密性を低減することにより適応させられることが可能であるわずかな不適正塩基対を含む。
【0074】
サザンおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈において、「厳密性ハイブリダイゼーション条件」および「厳密性ハイブリダイゼーション洗浄条件」は配列に依存し、および、異なる環境パラメータ下において異なる。より長い配列はより高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する詳細な案内は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”Elsevier,New Yorkに見出される。一般に、高厳密性ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列の熱融点よりも約5℃低く選択される。典型的には、「厳密性条件」下では、プローブは他の配列ではなく、その標的サブ配列にハイブリダイズすることとなる。
【0075】
熱融点は、標的配列の50%がパーフェクトマッチプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下で)である。超厳密性条件が、特定のプローブに係るT
mと等しくなるよう選択される。サザンまたはノーザンブロットにおけるフィルタに100塩基対を超える相補性残渣を有する相補性核酸のハイブリダイゼーションに係る厳密性ハイブリダイゼーション条件の一例は、42℃で50%ホルムアミドおよび1mgのヘパリンであり、ハイブリダイゼーションは一晩かけて行われる。高厳密性洗浄条件の一例は、0.1 5M NaClで72℃、約15分間である。厳密性洗浄条件の一例は、65℃での15分間の0.2倍SSC洗浄である(SSC緩衝剤の説明については後述のSambrookを参照のこと)。度々、高厳密性洗浄に先だって、バックグラウンドプローブシグナルを除去するための低厳密性洗浄が行われる。例えば100塩基対超のヌクレオチドの二重鎖に対する中厳密性洗浄の例は、45℃で15分間の1倍SSCである。例えば100超のヌクレオチドの二重鎖に対する低厳密性洗浄の一例は、40℃で15分間の4〜6倍SSCである。短いプローブ(例えば、約10〜50塩基対ヌクレオチド)に関して、厳密性条件は、典型的には、約1.0M未満のNaイオン、典型的には約0.01〜1.0M Naイオン濃度(または他の塩)の塩濃度、pH7.0〜8.3を含み、温度は典型的には少なくとも約30℃である。厳密性条件はまた、ホルムアミドなどの脱安定化剤の添加で達成されることが可能である。普通、特異的ハイブリダイゼーションアッセイにおける未関連のプローブについて観察されるものの2倍(または、以上)のSN比が、特異的ハイブリダイゼーションの検出を示す。厳密性条件下で相互にハイブリダイズしない核酸は、コード化するタンパク質が実質的に同等である場合には未だ実質的に同等である。これは、例えば、遺伝子コードによって許容される最大のコドンの縮退を用いて核酸の複製物が形成される場合に生じる。
【0076】
「植物」は、いずれかの成長段階にあるいずれかの植物であって、特に種子植物である。
【0077】
「植物細胞」は植物の構造単位および生理学的単位であって、プロトプラストおよび細胞壁を含む。植物細胞は、単離された単一の細胞もしくは培養された細胞の形態であっても、または、例えば、植物組織、植物器官もしくは植物全体などのより高度に組織化された単位の一部とされていてもよい。
【0078】
「植物細胞培養物」とは、種々の発達段階での、例えば原形質体、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、花粉、花粉管、胚珠、胚嚢、接合体および胚芽などの植物単位の培養物を意味する。
【0079】
「植物材料」または「植物から入手可能な植物材料」とは、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵細胞、接合体、種子、挿し木、細胞もしくは組織培養物、または、植物のいずれかの他の部分もしくは生成物を指す。
【0080】
「植物器官」は、根、茎、葉、花芽または胚芽などの植物の明確で、視認可能に構造化および分化した部分である。
【0081】
本明細書において用いられるところ、「植物組織」は、構造および機能単位に組織化された一群の植物細胞を意味する。植物体または培養における植物のいずれかの組織が含まれる。この用語は、特に限定されないが、植物全体、植物器官、植物種子、組織培養物、ならびに、構造および/または機能単位に組織化された植物細胞のいずれかの群を含む。上記に列挙されているか、そうでなくてもこの定義によって包含されるいずれかの特定のタイプの植物組織と併せた、または、これらを伴わないこの用語の使用は、いずれかの他のタイプの植物組織を排除することは意図しない。