特許第6209510号(P6209510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6209510ポティウイルスに耐性のカボチャ属(Cucurbita)植物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209510
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】ポティウイルスに耐性のカボチャ属(Cucurbita)植物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20170925BHJP
   A01H 5/00 20060101ALI20170925BHJP
   C12Q 1/68 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   A01H5/00 A
   C12Q1/68 A
【請求項の数】12
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2014-505600(P2014-505600)
(86)(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公表番号】特表2014-513942(P2014-513942A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2012057075
(87)【国際公開番号】WO2012143391
(87)【国際公開日】20121026
【審査請求日】2015年4月17日
(31)【優先権主張番号】11163208.9
(32)【優先日】2011年4月20日
(33)【優先権主張国】EP
【微生物の受託番号】NCIMB  NCIMB 41726
【微生物の受託番号】NCIMB  NCIMB 41727
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ルイ ニコレ
(72)【発明者】
【氏名】マルク オリベル
(72)【発明者】
【氏名】サラ ダナン
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−527717(JP,A)
【文献】 特表2002−536956(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/030356(WO,A1)
【文献】 BMC GENOMICS,2011年,Vol.12, 104
【文献】 Euphytica,2003年,Vol.129,p.253-258
【文献】 EUPHYTICA,1993年,Vol.69,P231-237
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C12N 5/00
A01H
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)に対する耐性を方向づける1種の劣性遺伝的決定因子を含む、栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物であって、
前記遺伝的決定因子は、ZYMV耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+であり、および、該マーカ遺伝子座Ni+が、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、によるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において前記植物の前記ゲノム中に同定可能であり、
前記遺伝的決定因子が、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727として、NCIMBに寄託されている)のゲノムから得られることを特徴とするペポカボチャ植物。
【請求項2】
前記植物がカボチャ植物である、請求項1に記載の植物。
【請求項3】
ZYMV耐性カボチャ植物の育成が可能である、請求項1又は2に記載のカボチャ植物の種子。
【請求項4】
ZYMV耐性カボチャ植物を育成するための請求項3に記載の種子の使用。
【請求項5】
ZYMVに対する耐性を方向づける1種の劣性遺伝的決定因子を、前記劣性遺伝的決定因子を欠くカボチャ植物に導入する方法であって、
a)ZYMVに対する耐性を方向づける1種の遺伝的決定因子を含む第1のカボチャ植物を得るステップ;
b)前記第1のカボチャ植物と、第2のカボチャ植物とを交雑するステップであって、前記第2のカボチャ植物が前記遺伝的決定因子を欠いているステップ;
c)ZYMVに対する高い耐性を示し、かつ前記ZYMV耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む、交雑に由来する植物を同定するステップ;
d)任意により、前記植物を単離するステップ、ならびに
e)任意により、前記植物を第1または第2のカボチャ植物と戻し交雑するステップ
を含み、
前記遺伝的決定因子は、ZYMV耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+であり、および、該マーカ遺伝子座Ni+が、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において、前記植物の前記ゲノム中に同定される、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
ZYMVに対する耐性を方向づける1種の劣性遺伝的決定因子を含むカボチャ植物の種子を得る方法であって、
a)ZYMVに対する耐性を方向づける遺伝的決定因子を含む第1のカボチャ植物を得るステップ;
b)前記第1のカボチャ植物と第2のカボチャ植物とを交雑するステップであって、前記第2のカボチャ植物は前記遺伝的決定因子を欠いているステップ;ならびに
c)ZYMVに対する高い耐性を発現し、および、前記ZYMV耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む、交雑に由来する植物を同定するステップ;および
d)前記ZYMV耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む子孫種子を前記交雑から収穫するステップ、
を含み、
前記遺伝的決定因子は、ZYMV耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+であり、および、該マーカ遺伝子座Ni+が、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において、前記植物の前記ゲノム中に同定される、
ことを特徴とするカボチャ植物の種子を得る方法。
【請求項7】
ZYMVに対する耐性を示すカボチャ植物の製造方法であって、
a)ZYMVに対する耐性を方向づける1種の劣性遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子が、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727として、NCIMBに寄託されている)のゲノムから入手され、および、ZYMVに対する耐性を伴って同時分離する1種のマーカ遺伝子座であり、および、
配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において、同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物と、ZYMVに対して感受性であるか、または、前記ZYMVに対して中レベルの耐性を発現するカボチャ植物とを交雑させるステップ;ならびに c)ZYMVに対する耐性表現型を発現する子孫を前記交雑から選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
ZYMVに対して耐性であるカボチャのハイブリッド種子を産生する方法であって、
a.雄性不稔性雌植物および雄性稔性植物を植えるステップであって、前記雄性不稔性雌植物または雄性稔性植物の一方が請求項1〜2のいずれかに記載の植物であるステップ、
b.両方の系統間で他家受粉させるステップ、
c.前記植物を実どまりするまで育成するステップ、
d.前記果実を採取するステップ、および
e.前記ハイブリッド種子を得るステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
ZYMV耐性カボチャ植物を得る方法であって、
a.請求項1〜2のいずれかに記載の植物と他の植物との交雑に由来する生育不能な種間胚芽を提供するステップ、
b.前記胚芽を救出するステップ、
c.ステップb)の前記胚芽から植物を再生するステップ、および
d.ZYMVに対して耐性であるステップc)の植物を選抜するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ZYMVに対する耐性を方向づける劣性遺伝的決定因子であって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)の前記ゲノムから入手され、
前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、ZYMV耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+であり、および、該マーカ遺伝子座Ni+が、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において、同定可能である遺伝的決定因子。
【請求項11】
ZYMVに対する耐性を方向づける1種の劣性遺伝的決定因子を含むカボチャ植物の同定方法であって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)の前記ゲノムから入手され、および、前記ZYMV耐性表現型を伴って同時分離する1種のマーカ遺伝子座であり、および、
マーカ遺伝子座がNi+である場合、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出において、同定可能であることを特徴とする方法。
【請求項12】
ZYMVに対し耐性であるカボチャ果実を得る方法であって、
a)請求項3に記載の植物の種子を播種する工程、および
b)前記植物を育種させて、その植物由来の果実を生産し、かつ収穫する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポティウイルスに耐性の新規な植物および前記植物の種子に関する。本発明はまた、このような植物の形成方法およびその種子の生成方法に関する。本発明はさらに、マーカおよびマーカ育種におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポティウイルス群(命名は、その原型構成種、ジャガイモウイルスY(PVY)に由来)は、現在認知されている34種の植物ウイルス群および科のうち最大のものである(Ward & Shukla,1991;Intervirology 32,269−296)。この群は、少なくとも180種の確定された、および、可能性のある構成種(すべての既知の植物ウイルスの30%)を包含し、これらは、農業用、牧草用、園芸用および観賞用作物において顕著な損失をもたらす(Ward & Shukla,1991;Intervirology 32,269−296)。
【0003】
カボチャ栽培における主な問題は、植物および果実に損傷を与えるポティウイルスの発生である。ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)、カボチャモザイクウイルス(WMV)、パパイア輪点ウイルス(PRSV)、モロッコカボチャモザイクウイルス(Moroccan watermelon mosaic virus)(MWMV)といった、カボチャに高頻度で感染する少なくとも4種のポティウイルスが存在している。カボチャにおけるポティウイルス病害の症状は、モザイク化、黄化、葉の奇形化(shoestring leaves)、萎縮、ならびに、果実および種子の奇形化を含む。
【0004】
ウイルスは突然変異して既存の耐性遺伝子に打ち勝ってしまう傾向にあるため、ポティウイルスに対する安定な耐性がカボチャ育種者に対する重要な要素である。カボチャにおけるこれまで知られている唯一の安定な耐性は、遺伝子修飾アプローチを介して達成されている。欧州においては、カボチャ農家においてこのような「耐性」品種におけるポティウイルス感染症が目にされる頻度が増している。それ故、カボチャ植物をポティウイルス感染症から保護するための簡便で経済的、かつ、持続可能なストラテジーに対する要求は未だ対応されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一般にカボチャに影響を及ぼす異なるポティウイルスに対する安定しており、かつ、広範な耐性を有するカボチャ植物を提供することによりこの要求に対応する。この耐性は、標準的な種間交雑および胚救出によってカボチャ植物に導入された少なくとも3種の劣性遺伝的決定因子によって与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの1種以上であるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む栽培されたカボチャ属(Cucurbita)植物に関する。
【0007】
一実施形態において、前記遺伝的決定因子は、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、好ましくはカボチャ属の1種(C.moschata var.Nigeria)のゲノムから入手可能である。
【0008】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む。
【0009】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも2種の遺伝的決定因子を含む。
【0010】
他の実施形態において、既述の実施形態のいずれかに記載の植物は、ポティウイルス感染症、好ましくはZYMVおよびMWMV感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも3種の遺伝的決定因子を含む。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、いずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
伝的決定因子の少なくとも1種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSVといったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1(5’AGGTTTCATGGGCTTTTAATGG3’)の順方向プライマーおよび配列番号2(5’CGTGAGCCTAAAACGGTTAATG3’)の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−CACTTCCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号7)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−CACTTTCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号8)による検出において同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子の少なくとも2種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対、配列番号3(5’GGGCAAAGAAGATCTTGTCTAGAAAG3’)の順方向プライマーおよび配列番号4(5’GTTTTTGTGCAGTGTGCATCTGT3’)の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TCATTGCACCCAACATG−MGB−NFQ(配列番号9)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TCATTGCACTCAACATGG−MGB−NFQ(配列番号10)による検出において同定可能でありよび/または配列番号5(5’TTGTGTTTATATGTATGTGTGCGAG3’)の順方向プライマーおよび配列番号6(5’TTTCTAGATCTCAGTGTAAGAGAACACA3’)の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TTTGTTTGCTTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号11)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TTTGTTCGATTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号12)による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子の少なくとも1種は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13(5’TTGCATGTTCCTTGGATGGGT3’)の順方向プライマーおよび配列番号14(5’GGCAACCTCTGTCCAATTTCTTTC3’)の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−AGTTGCGACTTTCCA−MGB−NFQ(配列番号15)および/または感受性対立遺伝子特異的プローブ:TET−AGTTGCGACTTTTCATT−MGB−NFQ(配列番号16)による検出において同定可能である
【0012】
他の実施形態において、本発明は、いずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;
および/または遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1およびW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノム中に同定可能である。
【0013】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、
伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1および/またはW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出;よび/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能である。
【0014】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、遺伝的決定因子は劣性であり、および、互いに独立して分離する。
【0015】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による植物に関し、ここで、植物はカボチャ植物である。
【0016】
本発明はまた、ポティウイルス耐性カボチャ植物の育成が可能であるいずれかの既述の実施形態によるカボチャ植物の種子に関する。本発明はまた、ポティウイルス耐性カボチャ植物を育成するための前記種子の使用に関する。
【0017】
本発明はまた:
a)ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離するマーカ遺伝子座の少なくとも1種に遺伝的に連鎖し、および、
i.配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーならびに/または
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーならびに/または
iii.配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または
iv.配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーならびに/または
v.ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離するマーカ遺伝子座を同定可能である順方向および逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物とポティウイルスに感受性であるカボチャ植物または前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を示すカボチャとを交雑するステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する前記交雑に由来する子孫を選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む、好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法に関する。
【0018】
本発明はまた:
a)好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルス耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖し、および、
i.マーカ遺伝子座がZNである場合、配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、または;
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、ならびに/または
iii.マーカ遺伝子座がW2である場合、配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または
iv.マーカ遺伝子座がNi+である場合、配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物と、ポティウイルスに感受性であるカボチャ植物または前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を示すカボチャ植物とを交雑させるステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する前記交雑に由来する子孫を選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む、いずれかの既述の実施形態によるポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法に関する。
【0019】
一実施形態においては、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)において選抜された植物は、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも2種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性表現型を発現し、ここで、前記耐性表現型はステップa)の2種のマーカ遺伝子座を伴って分離する。
【0020】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)において選抜された植物は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも3種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫は、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性表現型を発現し、ここで、前記耐性表現型は、ステップa)の3種のマーカ遺伝子座を伴って分離する。
【0021】
他の実施形態において、本発明はいずれかの既述の実施形態による方法に関し、ここで、ステップa)のドナー植物は本明細書に記載の植物である。
【0022】
他の実施形態において、本発明は、ステップc)において得られたウイルス耐性植物と、感受性カボチャ植物またはステップb)の中度耐性カボチャ植物とを戻し交雑する追加のステップを含むいずれかの既述の実施形態による方法に関する。
【0023】
本発明はまた、雄性不稔性雌株および雄性稔性植物を植えるステップであって、前記雄または雌系統の少なくとも一方が本明細書に記載の植物であるステップ、両方の系統間で他家受粉させるステップ、植物を実どまりするまで育成するステップ、果実を採取するステップ、ならびに、ハイブリッド種子を得るステップを含むポティウイルスに対して耐性であるカボチャのハイブリッド種子を生成する方法に関する。
【0024】
本発明はまた、
a)本明細書に記載のとおり、または、本明細書に記載の方法により植物を得るステップ;
b)前記植物とポティウイルス感受性植物または中度耐性カボチャ植物とを交雑させるステップ;
c)ステップb)の交雑からもたらされる胚芽を救出するステップ;
d)ステップc)の前記胚芽から植物を再生するステップ;ならびに
e)ポティウイルスに対して耐性であるステップd)の植物を選抜するステップ
を含むポティウイルス耐性カボチャ植物を得る方法に関する。
【0025】
本発明はまた、本明細書に記載の植物の種子または本明細書に記載の方法により得られた植物の種子を播種するステップ;ならびに、果実を形成させるために前記植物を育成するステップ、および、前記植物により形成された果実を収穫するステップを含むポティウイルスに対して耐性であるカボチャ果実を得る方法に関する。
【0026】
本発明はまた、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子に関し、ここで、前記遺伝的決定因子はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、
伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対(配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいて同定可能である。
【0027】
本発明はまた、好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物の同定方法に関し、ここで、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、前記ポティウイルス耐性表現型の少なくとも1種を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖し、ならびに、
ーカ遺伝子座がZNである場合、配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーまたは;
ーカ遺伝子座がW1である場合、配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーならびに/または
ーカ遺伝子座がW2である場合、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出;または;
ーカ遺伝子座がNi+である場合、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能である。
【0028】
本発明はまた、果実を形成し、および、前記果実を収穫するためのポティウイルス耐性カボチャ植物の育成のための本明細書に記載のカボチャ植物からのポティウイルス耐性繁殖体の使用に関する。
【0029】
定義
本明細書において用いられるところ、「確立された育種固体群」という句は、例えば、商業的な育種プログラムといった育種プログラムにおいて親によってもたらされるおよび/または親として用いられる可能性のある育種パートナーの一群を指す。確立された育種固体群の構成種は、典型的には、遺伝的および/または表現型的に十分に特徴付けられている。例えば、数々の関心のある表現型形質は、例えば異なる環境条件、複数の位置および/または異なる時間で評価された可能性がある。あるいは、または、加えて、表現型形質の発現に関連する1つ以上の遺伝子座は同定されている可能性があり、育種固体群の構成種の1種以上は、1つ以上の遺伝子座に関して、ならびに、1つ以上の遺伝子座に関連する1つ以上の遺伝子マーカに関して遺伝子型が同定されている可能性がある。
【0030】
栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物は、本発明の範囲内において、ヒトの世話によって発育されて、栽培植物化された自然の状態ではないものであって、農業用用途および/またはヒトによる摂取のための植物を指すと理解される。例として、本発明によるペポカボチャ(C.pepo)植物は栽培された植物であるとみなされるべきであり、ゲムカボチャ(gem squash)、ペポカボチャ(summer squash)、セイヨウカボチャ、ズッキーニ、黄色の曲がり首カボチャ(yellow crookneck squash)、黄色のペポカボチャ(yellow summer squash)、ココゼル、パティパンカボチャ、ストレートネックカボチャおよびナタウリを含む群から選抜されることが可能である。本発明の文脈において、「栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物」は栽培に適応されており、病害耐性、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)中度耐性などの特に中度耐性を示す。さらに、栽培されたカボチャ属(Cucurbita)植物は、天然形質および/または天然遺伝子の一部として本発明の主題である形質を含む野生型種は含まないと理解される。
【0031】
誤解を避けるため、カボチャ属の一種(C.Moschata var.Nigeria)は耐性の「野生源」であり、栽培植物としてみなされるべきではない。
【0032】
本明細書において用いられるところ、「二倍体個体」という句は、典型的には2つの親の各々から1組ずつ、2組の染色体を有する個体を指す。しかしながら、いくつかの実施形態において、二倍体個体は、植物の後続の世代をもたらすために植物が自殖した場合など、同一の単一の生体に由来する「母系」および「父系」の組の染色体を有していることが可能であることが理解される。
【0033】
「ホモ接合」は、本発明の範囲内において、相同な染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における対立遺伝子様であることを指すと理解される。
【0034】
「ヘテロ接合」は、本発明の範囲内において、相同な染色体における1つ以上の対応する遺伝子座における対立遺伝子様ではないことを指すと理解される。
【0035】
「戻し交雑」は、本発明の範囲内において、雑種子孫が一方の親に対して繰り返し戻し交雑されるプロセスを指すと理解される。その後の戻し交雑において異なる反復親が用いられてもよい。
【0036】
「遺伝子座」は、本発明の範囲内において、遺伝子またはいずれかの他の遺伝子要素または形質に寄与する因子を含む染色体における領域を指すと理解される。
【0037】
本明細書において用いられるところ、「マーカ遺伝子座」とは、個体のゲノム中に存在し、および、1つ以上の対象の遺伝子座に関連するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を含む、遺伝子またはいずれかの他の遺伝子要素または形質に寄与する因子を含み得る染色体における領域を指す。「マーカ遺伝子座」とはまた、プローブとして用いられる核酸の配列などのゲノム配列に対して相補性であるポリヌクレオチド配列を含む染色体における領域を指す。
【0038】
「遺伝子連鎖」は、本発明の範囲内において、遺伝子座間の組換えのパーセント(センチモルガンcM)によって計られる同一の染色体において近接した遺伝子の位置による遺伝における形質の関連性を指すと理解される。
【0039】
遺伝子座間の距離は、通常、同一の染色体における遺伝子座間の交差頻度によって計られる。2つの遺伝子座が離れているほど、これらの間で交差が生じる可能性は高くなる。反対に、2つの遺伝子座が近接していれば、交差が生じる可能性は低い。原則として、1センチモルガン(cM)は遺伝子座(マーカ)間の1%組換えに等しい。QTLが複数のマーカによって示されることが可能である場合、端点マーカ間の遺伝子距離がQTLのサイズの指標である。
【0040】
「マーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖する」という句は、マーカ遺伝子座が、耐性形質を与える遺伝的決定因子から、10cM、より好ましくは5cM、より好ましくは2cM、最も好ましくは1cMよりも近いことを意味するとみなされるべきである。
【0041】
「発現を方向づけするまたは制御する遺伝的決定因子」は、本明細書において、DNA自身のレベルで、最終ポリペプチド産物の翻訳、転写および/または活性化レベルで、形質の発現に寄与して、形質の表現型発現をもたらすことが可能である遺伝可能な遺伝子要素を指すと理解される。
【0042】
本発明の目的のために、「同時分離」という用語は、形質に係る対立遺伝子およびマーカに係る対立遺伝子は同一の染色体において物理的に近接しているために一緒に伝達される傾向にあり(物理的な近さによる組換えの低減)、同一の染色体における近さに起因する対立遺伝子の選抜的な関連性がもたらされるという事実を指している。「同時分離」とはまた、少なくとも一方が遺伝的であることが知られており、偶然によっては容易に説明ができない、単一の植物における2つ以上の形質の存在を指す。
【0043】
本明細書において用いられるところ、「質的形質遺伝子座での遺伝子アーキテクチャ」という用語は、対象表現型形質に統計的に相関し、対象表現型形質の根底にある遺伝学的基礎を表すゲノム領域を指す。
【0044】
本明細書において用いられるところ、本開示の主題の文脈において、「有性交雑」および「有性生殖」という句は、子孫をもたらす配偶子の接合(例えば、植物における受粉による種子をもたらすなどの受精による)を指す。「有性交雑」または「他家受精」は、いくつかの実施形態において、一個体と他の固体との受精である(例えば、植物における他家受粉)。「自家受粉」という用語は、いくつかの実施形態において、自家受精または自家受粉による種子の生成を指し;すなわち、花粉および胚珠が同一の植物に由来する。
【0045】
本明細書において用いられるところ、「遺伝子マーカ」という句は、1つ以上の対象の遺伝子座に関連する個体のゲノム(例えば、個体のゲノム中に存在するヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列)の形質を指す。いくつかの実施形態において、遺伝子マーカは、文脈に応じて、対象固体群における多型であるか、または、多型性によって占有された遺伝子座である。遺伝子マーカとしては、他の多くの例のうち、例えば、一塩基多型(SNP)、インデル(すなわち、挿入/欠失)、単純配列反復(SSR)、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、開裂増幅多型配列(CAPS)マーカ、多様性アレイ技術(DArT)マーカおよび増幅断片長多型(AFLP)が挙げられる。遺伝子マーカは、例えば、様々な表現型形質に寄与する、染色体における対立遺伝子を含有する遺伝子座の位置を突き止めるために用いられることが可能である。「遺伝子マーカ」という句はまた、プローブとして用いられる核酸の配列などの、ゲノム配列に対して相補性のポリヌクレオチド配列を指すことが可能である。
【0046】
「ペポカボチャ(C.Pepo cv.268NiW)に存在する対応するゲノム決定因子に対する相補性」という句は、染色体DNAの領域において見出される遺伝子(またはそのプロモータ領域)を意味するとみなされるべきであり、前記領域は、長さが0.5MB、1MB、2MB、3MB、4MB、5MBまたは10MBであり、ペポカボチャ(C.Pepo cv.268NiW)染色体DNAの対応する領域において見出される同一の遺伝子(またはそのプロモータ領域)と同等である。
【0047】
遺伝子マーカは、関連している遺伝子座の内側または外側の染色体上の位置に物理的に位置されていることが可能である(すなわち、それぞれ遺伝子内または遺伝子外である)。換言すると、例えば遺伝子外の調節エレメント中といった、対象遺伝子座に対応する遺伝子または機能的突然変異の染色体上の位置が同定されておらず、および、遺伝子マーカと対象遺伝子座との間の組換え率が非ゼロである場合、遺伝子マーカが典型的には利用されるが、
本開示の主題はまた、物理的に遺伝子座の境界の内側の遺伝子マーカを利用することも可能である(例えば、特にこれらに限定されないが、遺伝子のイントロンまたはエクソン中の多型性などの遺伝子に関連するゲノム配列の内側)。本開示の主題のいくつかの実施形態において、1つ以上の遺伝子マーカは1〜10塩基対のマーカを含み、いくつかの実施形態において、1つ以上の遺伝子マーカは10塩基対を超える遺伝子マーカを含む。
【0048】
本明細書において用いられるところ、「遺伝子型」という用語は、細胞または生体の遺伝子構造を指す。ある個体の「一組の遺伝子マーカに係る遺伝子型」は、その個体のハプロタイプに存在する、1つ以上の遺伝子マーカ遺伝子座に対する特異的対立遺伝子を含む。技術分野において公知であるとおり、遺伝子型は、遺伝子座が関連しているかもしくは無関連であるか、および/または、連鎖されているかもしくは未連鎖であるかに関わらず、単一遺伝子座または多重遺伝子座に関連していることが可能である。いくつかの実施形態において、ある個体の遺伝子型は、1種以上の遺伝子が関心のある表現型の発現に関連している(例えば、本明細書において定義されているとおり定量的または質的形質に)という点で関連する1種以上の遺伝子に関連している。それ故、いくつかの実施形態において、遺伝子型は、定量的または質的形質の1つ以上の遺伝子座で個体中に存在する1つ以上の対立遺伝子のまとまりを含む。いくつかの実施形態において、遺伝子型は、ハプロタイプと表記される(本明細書において以下に定義されている)。
【0049】
本明細書において用いられるところ、「生殖質」という用語は、固体群または個体の他の群(例えば、種)の遺伝子型の全体を指す。「生殖質」という用語は植物材料を指すことも可能である(例えば、種々の対立遺伝子のためのリポジトリとして作用する植物の一群)。「適応生殖質」という句は証明された遺伝子優位性の植物材料を指し(例えば、所与の環境または地理的領域に関して)、一方で、句「非適応生殖質」、「粗生殖質」および「外来生殖質」は未知または証明されていない遺伝子価値の植物材料を指し(例えば、所与の環境または地理的領域に関して)、それ故に、「非適応生殖質」という句は、いくつかの実施形態においては、確立された育種固体群の一部ではなく、および、確立された育種固体群の構成種に対して既知の関係を有さない植物材料を指す。
【0050】
本明細書において用いられるところ、「ハイブリッド」、「ハイブリッド植物」および「雑種子孫」という用語は、遺伝的に異なる親に由来する個体を指す(例えば、遺伝的にヘテロ接合性の、または、主にヘテロ接合性の個体)。
【0051】
本明細書において用いられるところ、「単交雑F1ハイブリッド」という句は、2種の近交系統間の交雑で生じたF1ハイブリッドを指す。
【0052】
本明細書において用いられるところ、「近交系統」という句は、遺伝的にホモ接合性のまたはほぼホモ接合性の固体群を指す。例えば、近交系統は、同胞育種もしくは自家受粉の数回のサイクルを介して、または、二ゲノム性半数体生成に由来することが可能である。いくつかの実施形態において、近交系統は、関心のある表現型形質の1種以上に当てはまるよう育種される。「近交系」、「近交系個体」または「近交系子孫」は近交系統からサンプルされた個体である。
【0053】
本明細書において用いられるところ、「二ゲノム性半数体系統」という用語は、他の培養から生じた安定な近交系統を指す。特定の培地および環境で栽培されたいくつかの花粉粒(一倍体)はn染色体を含有する小植物を発生させることが可能である。次いで、これらの小植物は「倍加」されて2n染色体を含有することとなる。これらの小植物の子孫は「二ゲノム性半数体」と命名され、基本的にこれ以上は分離しない(安定)。
【0054】
本明細書において用いられるところ、「連鎖」という用語、および、その文法上の変形は、同一の染色体上の異なる遺伝子座にある対立遺伝子が、伝達が独立していた場合に偶然期待されるであろうものよりも頻繁に一緒に分離する傾向を指す。
【0055】
本明細書において用いられるところ、「核酸」という句は、ヌクレオチドのストリングに対応することが可能であるモノマー単位のいずれかの物理的なストリングを指し、ヌクレオチドのポリマー(例えば、典型的なDNA、cDNAまたはRNAポリマー)、変性オリゴヌクレオチド(例えば、2’−O−メチル化オリゴヌクレオチドなどの、生物学的RNAまたはDNAに典型的ではない塩基を含むオリゴヌクレオチド)等が含まれる。いくつかの実施形態において、核酸は、一本鎖、二重鎖、多重鎖、または、これらの組み合わせであることが可能である。他に示されている場合を除き、任意により、本開示の主題の特定の核酸配列は、明記されているいずれかの配列に加えて、相補的配列を含むか、または、コード化する。
【0056】
本明細書において用いられるところ、「表現型形質」という句は、そのゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームと環境との相互作用からもたらされる個体の外観または他の検出可能な特徴を指す。
【0057】
本明細書において用いられるところ、「耐性」という句は、特定の病原体および/または病原体によって生じる損傷の成長および発生を、同様の環境条件および病原体による圧力下で、感受性植物と比して制限する植物の能力を指す。耐性植物は、例えばZYMV病原体による圧力といった病原体による圧力下でいくらかの病害症状または損傷を示し得る。
【0058】
本明細書において用いられるところ、「感受性」という句は、ZYMVなどの例えばポティウイルス病原体といった特定の病原体の成長および発生を十分に制限できない植物を指す。
【0059】
耐性植物は、以下の実施例において定義されている試験条件下で、芽胞形成を全くまたはほとんど伴わずにネクローシスを全くまたはほとんど示すことはない。
【0060】
本明細書において用いられるところ、「複数の」という用語は、2つ以上を指す。それ故、「複数の個体」とは、少なくとも2つの個体を指す。いくつかの実施形態において、複数のという用語は、全体の半数を超えていることを指す。例えば、いくつかの実施形態において、「複数の固体群」とは、その固体群の構成種の半数を超えていることを指す。
【0061】
本明細書において用いられるところ、「子孫」という用語は、特定の交雑の派生種を指す。典型的には、子孫は2つの個体の育種から生じるが、いくつかの種(特にいくつかの植物および雌雄同体動物)は自殖可能である(すなわち、同一の植物が雄および雌配偶子の両方のドナーとして働く)。派生種は、例えば、F1、F2またはいずれかのその後の世代のものであることが可能である。
【0062】
本明細書において用いられるところ、「質的形質」という句は、主な表現型効果を発現する1つまたは少数の遺伝子によって決定される表現型形質をさす。このため、質的形質は、典型的には単純に遺伝される。植物における例としては、これらに限定されないが、花の色、果実の色および数々の既知の病害耐性が挙げられる。
【0063】
「マーカに基づく選抜」は、本発明の範囲内において、例えば植物から1つ以上の核酸を検出するための遺伝子マーカの使用を指すと理解され、ここで、核酸は、望ましい(または望ましくない)形質に係る遺伝子を有する植物を同定するための所望の形質に関連しており、これにより、これらの植物を選抜育種プログラムにおいて用いる(または回避する)ことが可能である。
【0064】
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)」は、本発明の範囲内において、ゲノムのDNAまたはサブセットの特定の領域を比較的多量に生じさせ、これにより、これらの領域に基づいた種々の分析を可能とする方法を指すと理解される。
【0065】
「PCRプライマー」は、本発明の範囲内において、DNAの特定の領域のPCR増幅において用いられる一本鎖DNAの比較的短い断片を指すと理解される。
【0066】
「表現型」は、本発明の範囲内において、遺伝的に調節された形質の識別可能な特徴を指すと理解される。
【0067】
本明細書において用いられるところ、「表現型形質」という句は、そのゲノム、プロテオームおよび/またはメタボロームと環境との相互作用によりもたらされる、個体の外観または他の検出可能な特徴を指す。
【0068】
「多型性」は、本発明の範囲内において、固体群における、例えば選択的スプライシング、DNAメチル化等を介して入手可能な、遺伝子、遺伝子マーカ、または、遺伝形質もしくは遺伝子産物の2つ以上の異なる形態の存在を指すと理解される。
【0069】
「選抜育種」は、本発明の範囲内において、親と同様に望ましい形質を有するか発現する植物を用いる育種プログラムを指すと理解される。
【0070】
「テスター」植物は、本発明の範囲内において、試験される植物における形質を遺伝的に特性決定するために用いられる植物を指すと理解される。典型的には、試験される植物は「テスター」植物と交雑され、交雑の子孫における形質の分離比をスコア化した。
【0071】
本明細書において用いられるところ、「プローブ」とは、特定の標的分子または細胞構造を認識および結合し、これにより、標的分子または構造の検出を可能とすることが可能である一群の原子または分子を指す。特に、「プローブ」とは、分子ハイブリダイゼーションによって相補的配列の存在を検出し、および、定量化するために用いられることが可能である標識化DNAまたはRNA配列を指す。
【0072】
本明細書において用いられるところ、「ハイブリダイズ」という用語は、従来のハイブリダイゼーション条件であって、好ましくは、溶液として5×SSPE、1%SDS、1×デンハート液が用いられ、および/または、ハイブリダイゼーション温度が35℃〜70℃、好ましくは65℃であるハイブリダイゼーション条件を指す。ハイブリダイゼーションの後、好ましくは先ず2×SSC、1%SDSで、その後、35℃〜75℃、特に45℃〜65℃、特に59℃の温度で0.2×SSCで洗浄が行われる(SSPE、SSCおよびデンハート液の定義に関しては、Sambrook et al.loc.cit.を参照のこと)。例えば前述のSambrook et alに記載の高厳密性ハイブリダイゼーション条件が特に好ましい。特に好ましい厳密性ハイブリダイゼーション条件は、例えば、上記のとおり、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が65℃で行われる場合に存在する。例えばハイブリダイゼーションおよび洗浄が45℃で行われる非厳密性厳密性ハイブリダイゼーション条件は好ましさに劣り、ハイブリダイゼーションおよび洗浄が35℃で行われるものはさらに好ましさに劣る。
【0073】
「配列相同性または配列同一性」は、本明細書において同義的に用いられる。2つ以上の核酸またはタンパク質配列の文脈において、「同等の」または「一致率」という」用語は、以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いて、または、目視検査により計測される最大一致性について比較およびアラインした場合に同じであるアミノ酸残渣またはヌクレオチドの特定の割合を有するか、または、同一である2つ以上の配列またはサブ配列を指す。相互に比較される2つの配列の長さが異なる場合、配列同一性は、配列が長いヌクレオチド残渣と同等である、配列が短いヌクレオチド残渣の割合に関連していることが好ましい。配列同一性は、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive Madison,WI 5371 1)などのコンピュータプログラムを用いて簡便に判定可能である。Bestfitは、2つの配列間で配列同一性が最も高いセグメントを見つけるために、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2(1981),482−489の局部的な相同性アルゴリズムを利用する。Bestfitまたは他の配列アライメントプログラムを用いて特定の配列が本発明の参照配列と例えば95%一致率を有するかを判定する場合、パラメータは、一致率が参照配列の全長にわたって算出され、および、参照配列中のヌクレオチドの総数の5%以下の相同性ギャップが許容されるよう調節されることが好ましい。Bestfitが用いられる場合、いわゆる任意のパラメータは、予め設定された(「デフォルト」)値のままとされることが好ましい。所与の配列および上記の本発明の配列間の比較において見られる偏差は、例えば付加、欠失、置換、挿入または組換えによって生じ得る。このような配列比較はまた、好ましくは、プログラム「fasta20u66」(バージョン2.0u66、1998年9月、William R.PearsonおよびUniversity of Virginia;また、W.R.Pearson(1990),Methods in Enzymology 183,63−9aに添付の例およびhttp://workbench.sdsc.edu/も参照のこと)で行うことも可能である。この目的のためには、「デフォルト」パラメータ設定が用いられ得る。2つの核酸配列が実質的に同等であることの他の指標は、2つの分子が厳密性条件下で相互にハイブリダイズするかである。「〜に特異的にハイブリダイズする」という句は、その配列が複雑な混合物(例えば、合計細胞)DNAまたはRNAに存在する場合における、厳密性条件下での特定のヌクレオチド配列のみへの分子の結合、倍加またはハイブリダイズを指す。「実質的に結合する」とは、プローブ核酸と標的核酸との間の相補性ハイブリダイゼーションを指し、標的核酸配列の所望の検出を達するためにハイブリダイゼーション媒体の厳密性を低減することにより適応させられることが可能であるわずかな不適正塩基対を含む。
【0074】
サザンおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈において、「厳密性ハイブリダイゼーション条件」および「厳密性ハイブリダイゼーション洗浄条件」は配列に依存し、および、異なる環境パラメータ下において異なる。より長い配列はより高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する詳細な案内は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter 2“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays”Elsevier,New Yorkに見出される。一般に、高厳密性ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHでの特定の配列の熱融点よりも約5℃低く選択される。典型的には、「厳密性条件」下では、プローブは他の配列ではなく、その標的サブ配列にハイブリダイズすることとなる。
【0075】
熱融点は、標的配列の50%がパーフェクトマッチプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下で)である。超厳密性条件が、特定のプローブに係るTmと等しくなるよう選択される。サザンまたはノーザンブロットにおけるフィルタに100塩基対を超える相補性残渣を有する相補性核酸のハイブリダイゼーションに係る厳密性ハイブリダイゼーション条件の一例は、42℃で50%ホルムアミドおよび1mgのヘパリンであり、ハイブリダイゼーションは一晩かけて行われる。高厳密性洗浄条件の一例は、0.1 5M NaClで72℃、約15分間である。厳密性洗浄条件の一例は、65℃での15分間の0.2倍SSC洗浄である(SSC緩衝剤の説明については後述のSambrookを参照のこと)。度々、高厳密性洗浄に先だって、バックグラウンドプローブシグナルを除去するための低厳密性洗浄が行われる。例えば100塩基対超のヌクレオチドの二重鎖に対する中厳密性洗浄の例は、45℃で15分間の1倍SSCである。例えば100超のヌクレオチドの二重鎖に対する低厳密性洗浄の一例は、40℃で15分間の4〜6倍SSCである。短いプローブ(例えば、約10〜50塩基対ヌクレオチド)に関して、厳密性条件は、典型的には、約1.0M未満のNaイオン、典型的には約0.01〜1.0M Naイオン濃度(または他の塩)の塩濃度、pH7.0〜8.3を含み、温度は典型的には少なくとも約30℃である。厳密性条件はまた、ホルムアミドなどの脱安定化剤の添加で達成されることが可能である。普通、特異的ハイブリダイゼーションアッセイにおける未関連のプローブについて観察されるものの2倍(または、以上)のSN比が、特異的ハイブリダイゼーションの検出を示す。厳密性条件下で相互にハイブリダイズしない核酸は、コード化するタンパク質が実質的に同等である場合には未だ実質的に同等である。これは、例えば、遺伝子コードによって許容される最大のコドンの縮退を用いて核酸の複製物が形成される場合に生じる。
【0076】
「植物」は、いずれかの成長段階にあるいずれかの植物であって、特に種子植物である。
【0077】
「植物細胞」は植物の構造単位および生理学的単位であって、プロトプラストおよび細胞壁を含む。植物細胞は、単離された単一の細胞もしくは培養された細胞の形態であっても、または、例えば、植物組織、植物器官もしくは植物全体などのより高度に組織化された単位の一部とされていてもよい。
【0078】
「植物細胞培養物」とは、種々の発達段階での、例えば原形質体、細胞培養細胞、植物組織中の細胞、花粉、花粉管、胚珠、胚嚢、接合体および胚芽などの植物単位の培養物を意味する。
【0079】
「植物材料」または「植物から入手可能な植物材料」とは、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵細胞、接合体、種子、挿し木、細胞もしくは組織培養物、または、植物のいずれかの他の部分もしくは生成物を指す。
【0080】
「植物器官」は、根、茎、葉、花芽または胚芽などの植物の明確で、視認可能に構造化および分化した部分である。
【0081】
本明細書において用いられるところ、「植物組織」は、構造および機能単位に組織化された一群の植物細胞を意味する。植物体または培養における植物のいずれかの組織が含まれる。この用語は、特に限定されないが、植物全体、植物器官、植物種子、組織培養物、ならびに、構造および/または機能単位に組織化された植物細胞のいずれかの群を含む。上記に列挙されているか、そうでなくてもこの定義によって包含されるいずれかの特定のタイプの植物組織と併せた、または、これらを伴わないこの用語の使用は、いずれかの他のタイプの植物組織を排除することは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】格付け1の写真である。
図2】格付け2の写真である。
図3】格付け3の写真である。
図4】格付け4の写真である。
図5】格付け5の写真である。
図6】格付け6の写真である。
図7】格付け7の写真である。
図8】格付け8の写真である。
図9】格付け9の写真である。
図10】植物がポティウイルスに対して試された場合のすべての4種の遺伝的決定因子を有する有益な効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明は、ポティウイルス感染症に耐性であり、それ故、この病原体によって引き起こされる損傷から保護された新規なカボチャ植物に関する。本発明はまた、このような植物を形成し、用いる方法に関する。
【0084】
本発明による植物は2つ以上の親遺伝子型を交雑させることにより入手し得、その少なくとも一方は、特に、ポティウイルス耐性に寄与する対応する遺伝子座にある1つ以上の対立遺伝子といった1つ以上の対立遺伝子を有し得、ここで、対立遺伝子は、他方の親遺伝子型を欠いているか、または、他の遺伝子型を補完して、本発明によるおよび本明細書に記載の植物が得られる。2つ以上の遺伝子座が耐性形質の発現に寄与し、および、2つの元の親遺伝子型が対立遺伝子のすべての組を提供しない場合、他のソースが育種固体群に含まれていることが可能である。他の親遺伝子型が、市場によって要求される作物品質を含む望ましい形質に寄与していてもよい。
【0085】
親遺伝子型は子孫種子を生じさせるために互いに交雑され得る。親遺伝子型は、未調節または自然受粉の原野から選抜されたヘテロ接合植物を自家受粉させることにより、および、反復的な選抜法を利用することにより発生させた近交系統であり得る。優位の植物が自家受粉し、次の世代において選抜される。次の世代において、ヘテロ接合条件は自家受粉および選抜によって均一な系統に打ち負ける。自殖の引き続く世代では、植物はますますホモ接合となり、および、子孫植物内で一様となる。典型的には、自家受粉の第5世代から第7世代またはそれ以降の世代(F1からF2;F3からF4;F4からF5)および系統選抜が行われて、植物および種子の特徴が一様であり、ならびに、継続的な自家受精下で一様であり続けるであろう近交系統が得られ得る。
【0086】
自殖においては、ヘテロ接合遺伝子座上の多くの望ましくない対立遺伝子がより好ましい対立遺伝子によって置換され、および、好ましくないまたは望ましくない対立遺伝子が子孫から排除されることとなる。しかも、マーカに基づく選抜を通して、より好ましくない対立遺伝子が同定されてより好ましい対立遺伝子によって逐次置換されることにより、好ましい対立遺伝子の数が最大限とされることが可能である。
【0087】
一態様においては、本発明による植物は、祖先植物、特に野生祖先植物に由来するポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子を栽培されたカボチャ植物、特に栽培されたペポカボチャ(Cucurbita pepo)植物に遺伝子移入することにより得られ得る。
【0088】
本発明の特定の一実施形態において、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子を入手し得る野生の祖先は、野生のニホンカボチャ(C.moschata)、特に野生のカボチャ属の1種(C.moschata var.Nigeria)であるか、または、前記遺伝的決定因子を含むその子孫もしくは祖先に由来する。この形質を発現する植物に、好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの1種以上といったポティウイルス感染症に対する耐性を与える本発明によるポティウイルス耐性形質は、代わりに、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)から、または、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子を含むペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)の子孫もしくは祖先から得られ得る。
【0089】
従って、本発明の特定の実施形態において、ポティウイルス耐性形質に寄与する親遺伝子型は、その種子サンプルが2010年6月14日に受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている寄託ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)の本発明の関連する特性(すなわち、ポティウイルス耐性に関連する遺伝子座における実質的に同一のゲノムアーキテクチャ)を有する近交系統である。ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)は、MWMV、PRSV、WMVおよびZYMVに耐性である。耐性は遺伝的決定因子Zn、Ni+、W1およびW2によってもたらされている。これらの決定因子は268NiWにおいてホモ接合劣性である。これらの決定因子は複数の遺伝子バックグラウンド間で伝達可能である。耐性アッセイにより、これらの遺伝的決定因子は例えば黄色のカセルタ(Caserta)といったこれらの異なるバックグラウンドにおいてもポティウイルスに対する広い範囲の耐性を提供し続けることが実証されている。異なるポティウイルス菌株に対する耐性レベルが表2に示されている。植物がポティウイルスに対して試された場合のすべての4種の遺伝的決定因子を有する有益な効果が表2および図10に示されている。
【0090】
近交系統の実用性およびその雑種子孫に対する遺伝的な寄与の可能性を判定するために、試験−交雑を他の近交系統と行い、得られた子孫を表現型的に評価した。
【0091】
本発明の他の特定の実施形態において、耐性形質に寄与する親遺伝子型は、その種子サンプルが2010年6月14日に受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている寄託ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)の本発明の関連する特性(すなわち、ポティウイルス耐性に関連する遺伝子座における実質的に同一のゲノムアーキテクチャ)を有するハイブリッドである。
【0092】
ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)を、ポティウイルス耐性形質のドナーとしての野生カボチャ属の1種(C.moschata var.Nigeria)とペポカボチャ(C.pepo)近交系統との交雑から得た。この交雑のポティウイルス耐性子孫を異なる遺伝子バックグラウンドのさらなる近交系統と交雑させて、最終的にペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)を得た。
【0093】
従って、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子を含有するペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)またはいずれかの他の植物系統は、前記耐性形質をいずれかの所望の遺伝子バックグラウンドに遺伝子移入するためのソース材料として用いられて、本発明によりポティウイルス感染症に高度に耐性であるカボチャ植物が得られ得、また、市場によって要求される作物品質形質などの1種以上の望ましい形質がさらに含有され得る。作物品質に加えて、例えば良好な植物アーキテクチャ、高い生産性および病原体に対する基礎的耐性などの農業経済学的に重要な特徴も含有され得る。
【0094】
本発明の記載に基づいて、本明細書に記載のとおりポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含有するペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(そのサンプルは、受入番号NCIMB 41727でNCIMB Ltdに寄託されている)またはその子孫もしくは祖先を所有する当業者は、技術分野において周知である育種技術を用いて、本発明の前記少なくとも1種の遺伝的決定因子を種々のタイプの他のカボチャ植物に容易に移すことが可能である。本発明の形質は例えば他のカボチャ属(Cucurbita)種に移され得、従って、一実施形態において、本発明の植物はポティウイルス感染症に耐えることが可能であるカボチャ植物である。本発明の一実施形態において、カボチャ植物は、(ハイブリッド)種子または商業的なカボチャの生産のために育成される。
【0095】
従って、他の実施形態において、本発明は、a)前記形質を含む植物を入手するステップ;b)これを前記形質を欠く植物と交雑させるステップ;c)ステップb)の交雑による植物を得るステップ;d)本発明によるポティウイルス感染症に耐えることが可能であるステップc)の植物を選抜するステップを含む本発明によるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を前記形質を欠くカボチャ植物に移入する方法を開示する。一実施形態において、この方法は、e)ステップd)から得られる植物とカボチャ植物とを戻し交雑するステップ、および、f)本発明によるポティウイルス感染症に耐えることが可能であるカボチャ植物を選抜するステップをさらに含む。一実施形態において、この方法は、本発明によるポティウイルス感染症に耐えることが可能である近交系カボチャ植物を得るステップをさらに含み、および、一実施形態において、この方法は、前記近交系カボチャ植物を他のカボチャ植物と交雑させて本発明によるポティウイルス感染症に耐えることが可能であるハイブリッドカボチャ植物を生成するステップをさらに含む。一実施形態において、カボチャ植物は、本明細書に記載のとおりポティウイルスの存在不在を判定することにより選抜される。一実施形態において、前記形質を含むステップa)の植物はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMS 41727でNCIMBに寄託されている)、または、前記植物の子孫もしくは祖先である。
【0096】
マーカ−育種もまた、本明細書に記載のとおり、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子、および/または、隣接するマーカ遺伝子座もしくはこれに遺伝的に連鎖したマーカ遺伝子座を含有する個体を同定するために用いられ得る。
【0097】
マーカに基づく選抜は、近交系の開発早期において、度々、視覚的に判定可能である表現型特徴に大きく基づいており、および、商業的なハイブリッド生産における植物の利用の好適性に関連する重要な性能指数に関連しているスクリーニング法と組み合わされて既に用いられている場合がある。選抜はまた、関心のある形質に連鎖していてもいなくてもよい分子マーカに基づいていてもよい。
【0098】
特に、マーカに基づく選抜は、表現型選抜と組み合わされて、または、表現型選抜の後に、本明細書に既述の本発明の関連する遺伝子座のすべてがホモ接合を好む遺伝子型を有する個体を同定するために採用され得る。
【0099】
特にこれらに限定されないが、制限断片長多型(RFLP)、多型DNAのランダム増幅(RAPD)、および、増幅制限断片長多型(AFLP)を含む、マーカに基づく選抜において用いられ得る数々のタイプの分子マーカが存在する。
【0100】
RFLPには、制限酵素を用いた染色体DNAの特定の短い制限部位での切断が関与しており、制限部位における部位または突然変異間の倍加または欠失により多型性がもたらされる。
【0101】
RAPDは、任意の配列を有する単一のプライマーを伴う低厳密性ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を利用して、無名のDNA断片の菌株−特異的アレイを生成する。この方法はごくわずかなDNAサンプルしか必要ではなく、多数の多型遺伝子座が分析される。
【0102】
AFLPは、特定の断片を増幅するために、PCRおよび選抜ヌクレオチドを用いる前に、プライマーにおける制限酵素による細胞DNAの消化を必要とする。得られた断片を可視化するこの方法技術では、プライマーの組み合わせ当たり100塩基対以下の多型遺伝子座を計測することが可能であり、ごく少量のDNAサンプルしか各試験で必要とされない。
【0103】
SSR分析は、真核生物のゲノム全体に広く存在しており、単純配列反復における変位を検出するために選抜的に増幅されるDNAマイクロサテライト(短い反復)配列に基づいている。ごくわずかなDNAサンプルしかSSR分析には必要とされない。SNPは、点突然変異を効率的に拾い上げるPCR拡張アッセイを用いる。この手法はサンプル当たりのDNA必要量が少ない。上記方法の1つまたは2つが、典型的なマーカに基づく選抜育種プログラムにおいて用いられ得る。
【0104】
植物ゲノムの多型領域におよぶヌクレオチドの増幅を達成する最も好ましい方法は、その二重鎖形態において多型性を定義する近位配列にハイブリダイズすることが可能である順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含むプライマー対を用いる、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)(Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.BioI.51:263 273(1986))を利用する。
【0105】
2対のオリゴヌクレオチドプローブを用いて特定の標的を数関数的に増幅させる「リガーゼ連鎖反応」(「LCR」)(Barany,Proc.Natl.Acad.SCi.(U.SA)88:189 193(1991))などの、代替的な方法が断片の増幅に利用され得る。オリゴヌクレオチドの各対の配列は選抜されてこの対をハイブリダイズさせて、標的の同一ストランドの配列を接続する。このようなハイブリダイゼーションでは鋳型−依存リガーゼに係る基材が形成される。PCRと同様に、得られる生成物はそれ故、その後のサイクルにおいて鋳型となり、および、所望の配列の指数関数的な増幅が達成される。
【0106】
LCRは、多型部位の同一のストランドの近位および遠位配列を有するオリゴヌクレオチドで実施されることが可能である。一実施形態においては、いずれかのオリゴヌクレオチドが多型性の実際の多型部位を含むよう設計されることとなる。このような実施形態において、反応条件は、標的分子がオリゴヌクレオチドに存在する多型部位に相補性である特定のヌクレオチドを含有するかまたは含有していない場合にのみ、オリゴヌクレオチドが一緒に連結可能であるよう選抜される。あるいは、オリゴヌクレオチドは、多型部位を含まないよう選抜され得る(Segev、国際公開第90101069号パンフレットを参照のこと)。
【0107】
代わりに利用され得るさらなる方法は、「オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ」(「OLA」)(Landegren et al.,Science 241:1077 1080(1988))である。OLAプロトコルは、ハイブリダイズされて標的の単一ストランドの配列を接続することが可能であるよう設計された2種のオリゴヌクレオチドを用いる。OLAは、LCRと同様に、点突然変異の検出に特に好適である。しかしながら、LCRとは異なり、OLAは、標的配列の指数関数的な増幅ではなく「直鎖」をもたらす。
【0108】
代わりに利用され得るさらに他の方法は、オーバーラップする対立遺伝子−特異的オリゴヌクレオチドの一塩基多型(SNP)部位を含有する標的DNAへのハイブリダイゼーションによって形成される三次元錯体を構造特異的フラップエンドヌクレアーゼ(FEN)を用いて切断する「インベーダーアッセイ」である。オリゴヌクレオチド相補性の標的分子におけるSNP対立遺伝子に対するアニーリングによって、熱安定性のFENによるオリゴヌクレオチドの切断が開始される。切断は、数々の異なるアプローチによって検出可能である。最も一般的には、切断生成物が蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)カセットにおける第2の切断反応を生起させて蛍光シグナルがリリースされる。あるいは、切断は、蛍光偏光(FP)プローブの使用または質量分光測定により直接的に検出可能である。切断反応は高度に特異的であり、低い破損率を有し、および、ゼプトモル量の標的DNAを検出可能である。1回の反応で1つのサンプル中の1つのSNPを調べるアッセイが伝統的に用いられているが、新規なチップ系またはビーズ系アプローチが、これを多重化および高スループットSNP遺伝子型同定に適応可能な効率的正確なアッセイとするべく試験されている。
【0109】
Nickerson et al.が、PCRおよびOLAの特性を組み合わせた核酸検出アッセイを記載している(Nickerson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)87:8923 8927(1990))。この方法においては、PCRが標的DNAの指数関数的な増幅の達成に用いられ、次いで、これがOLAを用いて検出される。
【0110】
得られる「ジオリゴヌクレオチド」配列を有する核酸の存在下に2つ(またはそれ以上)のオリゴヌクレオチドを連結し、これにより、ジオリゴヌクレオチドを増幅させることに基づくスキームも公知であり(Wu et al.,Genomics 4:560 569(1989))、本発明の目的に容易に適応し得る。
【0111】
一実施形態において、分子マーカは、PCRによって増幅されたDNA断片であり、例えばSSRマーカまたはRAPDマーカである。一実施形態においては、増幅されたDNA断片の存在または不在が、形質自体または形質の特異的対立遺伝子の存在または不在を示す。一実施形態においては、増幅されたDNA断片の長さの違いが形質の特異的対立遺伝子の存在を示し、それ故、形質の異なる対立遺伝子間の区別を可能とする。
【0112】
本発明の特定の実施形態においては、SNPマーカが用いられて、親植物および/またはその祖先、ならびに、前記親植物の交雑に由来する子孫植物におけるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である本発明の遺伝的決定因子が同定される。SNPマーカはエンドポイントリーディングTaqmanテクノロジー(End Point reading Taqman technology)によって検出可能であり、ならびに、特定の順方向および逆方向プライマー配列に追加して、プローブ(例えば本明細書において開示のとおり)を用いてマーカ遺伝子座の各々におけるRおよび/またはS対立遺伝子の存在の検出を検出することが可能である。従って、開示の遺伝子マーカの各々は2つだけではなく4つの配列から組成されている:標的領域を増幅する順方向および逆方向プライマー、ならびに、標的SNPを同定する2つのプローブ。
【0113】
本発明において、ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離する本発明のDNAマーカの1つ以上は、
i.配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーおよび/または;
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーおよび/または;
iii.配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または
iv.配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であり、PCR反応において増幅生成物をもたらす前記プライマーは、同等のプライマー対を用いるPCR反応においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(そのサンプルが受入番号NCIMB 41727でNCIMB Ltdに寄託されている)から入手可能な対応するPCR増幅生成物のものに対する対立遺伝子とみなされることが可能であるか、または、実質的に同等である分子量もしくはヌクレオチド配列を示す。
【0114】
第1のステップにおいて、DNAまたはcDNAサンプルは、葉組織などの好適な植物材料から公知の技術を用いてDNAまたはRNAを抽出することにより得られる。本明細書において上記に開示のとおりポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能であるゲノム領域における、または、これに連鎖している領域におけるSNPを含有する領域に隣接するプライマーは、次いで、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いるDNAサンプルの増幅に用いられる。
【0115】
代わりに、所望の対立遺伝子の存在または不在は、二重鎖DNA染料または蛍光レポータープローブ法を用いるリアルタイムPCRによって判定され得る。
【0116】
マーカ分析は、きわめて若い植物の葉組織からまたは種子から抽出したDNAサンプルを用いて植物の成長における早期に行うことが可能である。これにより、育種サイクルの早期に望ましい遺伝子構成を有する植物の同定を可能とし、および、受粉前に所望される本発明の関連する対立遺伝子を含有しない植物を廃棄することを可能とし、それ故、育種固体群のサイズおよび表現型の要求の低減を可能とする。
【0117】
さらに、分子マーカを用いることにより、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子において所望される本発明の関連する対立遺伝子の2つのコピーを有するホモ接合植物と、1つのコピーのみを有するヘテロ接合植物と、好ましい対立遺伝子のコピーをまったく含有しない植物との区別を行うことが可能である。
【0118】
従って、代わりのマーカを開発し、本発明による、および、本明細書に開示の質的形質遺伝子座の対立遺伝子または一組の対立遺伝子を有する植物の同定および選抜に用いることが可能である。例えば、
i.配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーならびに/または;
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーならびに/または;
iii.配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または;
iv.配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
からなるPCRオリゴヌクレオチドプライマーの対を用いるPCR増幅において得られる増幅生成物のヌクレオチド配列を得ることが可能であり、PCR増幅生成物の新たに判定したヌクレオチド配列に基づいて新規のプライマーもしくはプライマー対が設計される。
かも、本発明による、および、本明細書において上記に開示のマーカはカボチャもしくは他の種の遺伝子地図上に位置されていることが可能であり、ならびに、同一の領域または同族体領域またはオルソログ領域においてマッピングする公知のマーカが新規のマーカの開発の開始点として用いられることが可能である。
【0119】
従って、本発明において特定的に開示されているマーカはまた、ポティウイルスに対する耐性に関連する新規または追加のマーカの同定および/または開発においても用いられ得、次いで、これが、ポティウイルス耐性遺伝子座に隣接する組換え体のマーカ育種および/または探索、および/または、微細マッピング、および/または、ポティウイルス耐性遺伝子座のクローニングにおいて用いられることが可能である。
【0120】
連鎖不平衡における、ならびに/または、関心領域に連鎖する、および/もしくは、関心領域に位置するマーカ、ならびに、基礎となるポティウイルス耐性形質の実際の原因突然変異を表現するマーカの同定および/または開発に用いられることが可能である利用可能な数々の方法またはアプローチが存在する。完全な網羅ではないが、いくつかのアプローチは以下を含む。
−関心領域における他の配列を同定するためのハイブリダイゼーションアプローチにおける開示の配列/マーカの使用。
−関心領域における他の配列を同定するためのPCRアプローチにおける開示の配列/マーカの使用。
−関心領域における他の配列を同定するためのPCRアプローチにおける開示の配列/マーカの使用。
−同一の領域におけるマーカを同定するためのマッピングおよび/または比較マッピングアプローチにおける開示の配列/マーカの使用(他の地図上におけるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記少なくとも1種の遺伝的決定因子の位置決め)。
−追加の配列/マーカ/(候補)遺伝子を同定するための「インシリコ」アプローチにおける開示の配列/マーカの使用。
−物理的マッピングアプローチにおける開示の配列/マーカの使用(物理的地図またはゲノム配列上における前記遺伝的決定因子の位置決め)。
−他の(物理的)地図またはゲノム上における前記少なくとも1種の遺伝的決定因子の位置決めのための開示の配列/マーカの使用。
−遺伝子アプローチによる関心領域におけるマーカの同定を可能とする適切な個体を選抜するための開示の配列/マーカの使用。
−(位置的)候補遺伝子を探索するための開示情報の使用。
【0121】
遺伝子型同定、マッピングまたは関連マッピングに関して、DNAは、例えば、葉組織などの好適な植物材料から抽出される。特に、複数の植物の葉のバルクが採取される。DNAサンプルは、複数の多型SSR、SNPまたはカボチャゲノムのすべてをカバーするいずれかの他の好適なマーカ−タイプを用いて遺伝子型が同定される。
【0122】
遺伝子型および表現型データの連結分析は標準的なソフトウェアを用いて行われることが可能である。植物導入および生殖質は、前記少なくとも1種の遺伝的決定因子に連鎖するマーカ遺伝子座/遺伝子座におけるマーカのヌクレオチド配列、または、同一の染色体上に位置していると知られているいずれかの他のマーカのヌクレオチド配列、および、対立遺伝子の分子量に基づいて、本明細書に開示されているか当業者に公知である技術の1種以上を用いて、本明細書に開示のポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である対応する少なくとも1種の遺伝的決定因子における対立遺伝子についてスクリーニングされることが可能である。
【0123】
マーカ、連鎖マーカまたは本明細書に開示のポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子の核酸配列は、当業者に公知の方法によって判定され得る。例えば、前記少なくとも1種の遺伝的決定因子またはその耐性付与部を含む核酸配列は、前記植物のゲノムの断片化および前記少なくとも1種の遺伝的決定因子を示す1つ以上のマーカを有するこれらの断片の選抜によってポティウイルス耐性ドナー植物から単離され得る。続いて、または、代わりに、前記耐性遺伝子座を示すマーカ配列(またはその一部)が、(a)前記植物から得たゲノム核酸サンプルもしくはゲノム断片に由来する前記耐性遺伝子座を含む核酸配列を増幅するために、(PCR)増幅プライマーとして用いられ得る。前記少なくとも1種の遺伝的決定因子および/またはこれに含まれるいずれかの追加のマーカのヌクレオチド配列は標準的な配列決定法によって得られ得る。
【0124】
従って、本発明はまた、本発明のポティウイルスに対する耐性もしくはその耐性付与部を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む単離された核酸(特にDNAに限定されないが、好ましくはDNA)配列に関する。それ故、開示されているマーカは、ポティウイルス耐性に連鎖するかコード化する、カボチャもしくは他の野菜作物からの1つ以上のマーカもしくは遺伝子の同定および単離に用いられ得る。
【0125】
本発明のポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記少なくとも1種の遺伝的決定因子に連鎖する追加のマーカのヌクレオチド配列はまた、例えば、前記少なくとも1種の遺伝的決定因子に関連する1つ以上のマーカのヌクレオチド配列を判定することにより、および、前記マーカの前記配列のためのプライマーを設計することによっても分解され得、これが、次いで、前記マーカの外の配列をさらに判定するのに用いられ得る。例えば、本明細書に開示のSNPマーカのヌクレオチド配列、または、前記少なくとも1種の遺伝的決定因子領域において予測されるか、および/もしくは、前記領域に連鎖するいずれかの他のマーカのヌクレオチド配列は、前記マーカのPCR増幅生成物を技術分野において周知である方法によって配列決定することにより、あるいは、マーカ配列をPCRにおいてもしくはハイブリダイゼーションプローブとして用いて、例えば、特にこれらに限定されないが、BACスクリーニングにより連鎖するヌクレオチド配列を同定することにより得られ得る。
【0126】
種子寄託の詳細
ブダペスト条約に基づき、2010年6月14日に、Syngenta Participations AG名義で以下の種子サンプルをNCIMB,Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB21 9YA,Scotland,UKに寄託した。
NCIMB 41726 ペポカボチャ(Cucurbita pepo cv.PP415)
NCIMB 41727 ペポカボチャ(Cucurbita pepo cv.268NiW)
【0127】
本発明の実施形態
1.好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの1種以上といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む好ましくはペポカボチャ(Cucurbita pepo)である栽培されたカボチャ属(Cucurbita)植物。
【0128】
2.前記遺伝的決定因子が、好ましくはカボチャ属の1種(C.moschata var.Nigeria)といったニホンカボチャ(Cucurbita moschata)のゲノムから入手可能である、実施形態1に記載の植物。
【0129】
3.前記遺伝的決定因子がホモ接合状態で存在する実施形態1または2に記載の植物。
【0130】
4.ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記遺伝的決定因子の少なくとも1種を含む実施形態1〜3に記載の植物。
【0131】
5.ポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記遺伝的決定因子の少なくとも2種を含む実施形態1〜3に記載の植物。
【0132】
6.好ましくはZYMVおよびMWMV感染症といったポティウイルス感染症に対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である前記遺伝的決定因子の少なくとも4種を含む実施形態1〜3に記載の植物。
【0133】
7.
a)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
b)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子の2種に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1および/またはW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
c)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいて同定可能である、
いずれかの既述の実施形態による植物。
【0134】
8.
a)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;ならびに/または
b)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子の2種に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1および/またはW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出;よび/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出
においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムに同定可能であり;ならびに/または
c)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出
においてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノム中に同定可能である、いずれかの既述の実施形態による植物。
【0135】
9.
a)遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
b)遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出;
および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能であり;ならびに/または
c)遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー、を用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいて前記植物のゲノム中に同定可能である、
いずれかの既述の実施形態による植物。
【0136】
10.遺伝的決定因子が劣性であるいずれかの既述の実施形態による植物。
【0137】
11.植物が非遺伝子組換えカボチャ植物であるいずれかの既述の実施形態による植物。
【0138】
12.植物が近交系、二ゲノム性半数体またはハイブリッドであるいずれかの既述の実施形態による植物。
【0139】
13.植物が雄性不稔であるいずれかの既述の実施形態による植物。
【0140】
14.特に限定されないが、葉、茎、根、花もしくは花部、果実、花粉、卵細胞、接合体、種子、挿し木、細胞もしくは組織培養物、または、特に植物に育成された場合に未だポティウイルス耐性表現型を発現する植物のいずれかの他の部分もしくは生成物を含む前記実施形態のいずれかによる植物から入手可能な植物材料。
【0141】
15.特に限定されないが、種々の成長段階における、植物種子、例えば、根、茎、葉、花芽または胚芽等などの植物器官、胚珠、花粉小胞子、植物細胞、植物組織、例えば原形質体、細胞培養細胞、植物組織、花粉、花粉管、胚珠、胚嚢、接合体および胚芽における細胞などの植物細胞培養物等を含み、特に植物に育成された場合に未だポティウイルス耐性表現型を発現する前記実施形態のいずれかによる植物の植物部位。
【0142】
16.ポティウイルス耐性カボチャ植物を育成可能であるいずれかの既述の実施形態によるカボチャ植物の種子。
【0143】
17.実施形態16による種子であって、ハイブリッド種子である前記種子。
【0144】
18.受入番号41727でNCIMB Ltdに寄託された実施形態17による種子。
【0145】
19.ポティウイルス耐性カボチャ植物を育成するための実施形態16〜18の種子の使用。
【0146】
20.カボチャ植物におけるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子の検出キットであって、ここで、前記キットは、遺伝的決定因子に連鎖するDNAマーカを増幅させることが可能である1つのPCRオリゴヌクレオチドプライマーまたはPCRオリゴヌクレオチドプライマー対を含み、および、ここで、前記DNAマーカは、
a)配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
b)配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
c)配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
d)配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマー対を伴うPCRにおいて増幅されることが可能であるキット。
【0147】
21.ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子に連鎖し、および、
a)配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
b)配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
c)配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または
d)配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマー対を伴うPCRにおいて増幅されることが可能であるDNAマーカ。
【0148】
22.カボチャ中のポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子の診断上の選抜のための実施形態21によるDNAマーカのいずれか1つの使用。
【0149】
23.植物におけるポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子の存在を同定するため、および/または、カボチャ中のポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子の遺伝子移入をモニタするための実施形態21〜22によるDNAマーカのいずれか1つの使用。
【0150】
24.
a)配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
b)配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
c)配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
d)配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマー対を伴うDNA断片の増幅によるPCRにおいて入手可能であるポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドはポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子に統計的に相関し、それ故、遺伝的に連鎖するDNAマーカを含有し、および、前記ポリヌクレオチドは、同一のプライマー対を伴うPCRにおいてペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)から入手可能である増幅生成物に対応するが、ただし、対応するマーカ遺伝子座は、前記ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)植物に未だ存在しており、および/または、その対立遺伝子とみなされることが可能である。
【0151】
25.実施形態24のポリヌクレオチドの配列に対して、少なくとも90%、特に少なくとも95%、特に少なくとも96%、特に少なくとも97%、特に少なくとも98%、特に少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチド。
【0152】
26.実施形態25のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を示すポリヌクレオチド。
【0153】
27.ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を前記遺伝的決定因子を欠くカボチャ植物に導入する方法であって:
a)前記実施形態のいずれか1つによる第1のカボチャ植物を得るステップ;
b)前記第1のカボチャ植物と第2のカボチャ植物とを交雑するステップであって、前記第2のカボチャ植物が前記対立遺伝子を欠いているステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する高い耐性を発現し、および、前記ポティウイルス耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む、交雑に由来する植物を同定するステップ;ならびに
d)任意により、前記植物を単離するステップ、ならびに
e)任意により、前記植物を第1または第2のカボチャ植物と戻し交雑するステップ
を含む方法。
【0154】
28.
a)前記実施形態のいずれか1つによる第1のカボチャ植物を得るステップ;
b)前記第1のカボチャ植物と第2のカボチャ植物とを交雑するステップであって、前記第2のカボチャ植物は前記遺伝的決定因子を欠いているステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する高い耐性を発現し、および、前記ポティウイルス耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む、交雑に由来する植物を同定するステップ;ならびに
d)前記ポティウイルス耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のDNAマーカを含む子孫種子を前記交雑から収穫するステップ
を含む、前記実施形態のいずれかによる植物の種子を得る方法。
【0155】
29.ステップc)において、交雑からもたらされ、および、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含む植物は、
a)配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
b)配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
c)配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーならびに/または
d)配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
から選択されるPCRオリゴヌクレオチドプライマー対を伴うDNA断片の増幅によるPCRにおいて同定可能である、実施形態27または28のいずれか1つによる方法。
【0156】
30.1つ以上のプライマー対の増幅生成物の断片サイズが判定される実施形態29による方法。
【0157】
31.
a)ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖しており、および、
i.配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
iii.配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
iv.配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
v.前記ポティウイルス耐性表現型の少なくとも1種を伴って同時分離するマーカ遺伝子座を同定可能である順方向および逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物と、ポティウイルスに対して感受性であるか、または、前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を発現するカボチャ植物とを交雑させるステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する子孫を前記交雑から選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む好ましくはMWMV、PRSV、WMVおよびZYMVの1種以上といったポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法。
【0158】
32.
a)ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物を選抜するステップであって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、ポティウイルスに対する耐性を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖しており、および、
i.配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、マーカ遺伝子座がZNである場合、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
ii.配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、マーカ遺伝子座がW1である場合、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
iii.配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、マーカ遺伝子座がW2である場合、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
iv.配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、マーカ遺伝子座がNi+である場合、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能であるステップ;
b)ステップa)の前記植物と、ポティウイルスに対して感受性であるか、または、前記ポティウイルスの少なくとも1種に対して中レベルの耐性を発現するカボチャ植物とを交雑させるステップ;ならびに
c)ポティウイルスに対する耐性表現型を発現する子孫を前記交雑から選抜するステップであって、前記耐性表現型は、ステップa)の前記少なくとも1種のマーカ遺伝子座を伴って分離するステップ
を含む実施形態31による好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を示すカボチャ植物を生成する方法。
【0159】
33.ステップa)において選抜された植物が、ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも2種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫がポティウイルス耐性表現型を発現し、前記耐性表現型がステップa)の2つのマーカ遺伝子座を伴って分離する実施形態31または32による方法。
【0160】
34.ステップa)において選抜された植物が、好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも3種の遺伝的決定因子を含み;ならびに、ステップc)において選抜された子孫が好ましくはZYMVおよびMWMVといったポティウイルスに対する耐性表現型を発現し、前記耐性表現型がステップa)のマーカ遺伝子座を伴って分離する実施形態31または32による方法。
【0161】
35.ステップa)のドナー植物がいずれかの既述の実施形態1〜13の植物であるいずれかの既述の実施形態31〜34による方法。
【0162】
36.ステップc)において得られたウイルス耐性植物と、感受性カボチャ植物またはステップb)の中度耐性カボチャ植物とを戻し交雑する追加のステップを含む実施形態31〜35による方法。
【0163】
37.
a)雄性不稔性雌株および雄性稔性植物を植えるステップであって、前記雄性不稔性雌株または雄性稔性植物の一方が既述の実施形態1〜13のいずれかの植物であるステップ、
b)両方の系統間で他家受粉させるステップ、
c)植物を実どまりするまで育成するステップ、
d)果実を採取するステップ、ならびに
e)ハイブリッド種子を得るステップ
を含むポティウイルスに対して耐性であるカボチャのハイブリッド種子を生成する方法。
【0164】
38.
a)いずれかの既述の実施形態の植物を得るステップ、または、いずれかの既述の実施形態の方法により植物を得るステップ;
b)前記植物とポティウイルス感受性植物または中度耐性カボチャ植物とを交雑させるステップ;
c)ステップb)の交雑からもたらされる胚芽を救出するステップ;
d)ステップc)の前記胚芽から植物を再生するステップ;ならびに
e)好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに耐性であるステップd)の植物を選抜するステップ
を含むポティウイルス耐性カボチャ植物を得る方法。
【0165】
39.
a)いずれかの既述の実施形態のいずれか1つの植物、または、いずれかの既述の実施形態のいずれか1つの方法により得た植物の種子を播種するステップ;および
b)果実を形成するために前記植物を育種し、および、前記植物によって形成された果実を収穫するステップ
を含むポティウイルスに対して耐性のカボチャ果実を得る方法。
【0166】
40.ポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である遺伝的決定因子であって、前記遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)ゲノムから入手可能であり、ここで、
a)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMVおよびPRSV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座ZNに遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号7および/または配列番号8による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
b)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)中に存在する対応する遺伝的決定因子の少なくとも1種に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはMWMV耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座W1および/またはW2に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号9および/または配列番号10による検出;
および/または配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号11および/または配列番号12による検出おいて同定可能であり;ならびに/または
c)遺伝的決定因子は、ペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)(その代表種子は受入番号NCIMB 41727でNCIMBに寄託されている)に存在する対応する遺伝的決定因子に対して相補性であり、前記対応する遺伝的決定因子は、好ましくはZYMV耐性形質、より好ましくはZYMV菌株Nivir耐性形質といったポティウイルス耐性形質を伴って同時分離するマーカ遺伝子座Ni+に遺伝的に連鎖しており、および、オリゴヌクレオチドプライマー対配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマーを用いるDNA断片の増幅によるPCR、続いて、配列番号15および/または配列番号16による検出おいて同定可能である。
【0167】
41.好ましくはZYMVおよびMWMVの少なくとも1種といったポティウイルスに対する耐性を方向づけするまたは制御することが可能である少なくとも1種の遺伝的決定因子を含むカボチャ植物の同定方法であって、前記遺伝的決定因子はペポカボチャ(C.pepo cv.268NiW)のゲノムから入手可能であり、および、前記ポティウイルス耐性表現型の少なくとも1種を伴って同時分離する少なくとも1種のマーカ遺伝子座に遺伝的に連鎖し、および、
i.マーカ遺伝子座がZNである場合、配列番号7および/または配列番号8による検出を伴う、配列番号1の順方向プライマーおよび配列番号2の逆方向プライマー
ii.マーカ遺伝子座がW1である場合、配列番号9および/または配列番号10による検出を伴う、配列番号3の順方向プライマーおよび配列番号4の逆方向プライマー
iii.マーカ遺伝子座がW2である場合、配列番号11および/または配列番号12による検出を伴う、配列番号5の順方向プライマーおよび配列番号6の逆方向プライマー
iv.マーカ遺伝子座がNi”である場合、配列番号15および/または配列番号16による検出を伴う、配列番号13の順方向プライマーおよび配列番号14の逆方向プライマー
を含む少なくとも一対のPCRオリゴヌクレオチドプライマーによるPCRにおいて同定可能である。
【0168】
42.果実を形成し、および、前記果実を収穫するためにポティウイルス耐性カボチャ植物を育成するための前記実施形態のいずれか1つによるカボチャ植物由来のポティウイルス耐性繁殖体の使用。
【実施例】
【0169】
実施例1
カボチャにおいてZYMVおよびMWMV耐性遺伝子に密接に連鎖するマーカの発見
1.1 材料
マーカを発見するために、ZYMV−(R系統[PP452]×S系統[TOSCA])およびMWMV(S系統[PP477]×R系統[PP477/(PP415/(PP419/(Nigeria/PP432)])耐性遺伝子についてニホンカボチャ(Cucurbita moschata cv Nigeria)から分離するF2個体群を作成し、サンプルとし;ならびに、それぞれZYMVおよびMWMV耐性に係るこれらの対応するF3後代表現型を作成し、サンプルとした。
【0170】
構築したアッセイの予想される値を、96のカボチャ系統ならびに異なるタイプおよび市場区分に対応する品種群からなる多様な検証パネルを遺伝子型同定することにより評価した。
【0171】
1.2 マーカ発見
ランダム増幅型多型体DNA(RAPD)マーカを用いる集団分離分析(Bulked Segregant Analysis)(BSA)(Operon technologies,Alameda,Calif.;および、University of British Columbia,Vancouver,Canada製);を対向する耐性および感受性表現型を伴う異なるF2DNAプールで実施した。BSAスクリーニングから示された候補マーカ(F2RおよびSバルク間で明らかな存在/不在パターンを示すRAPDバンド)をF2固体群の個体構成種において連鎖についてさらに試験し;最も密接に連鎖したマーカをさらに特異的なアッセイの構築のために選抜した。
【0172】
ZYMVに関しては、F2固体群においてZYMV耐性表現型を伴う完全な相関(同時分離)を示す単一のRAPDマーカであるOPBB09_451を、Taqman End Point Reading(EPR)アッセイ構築様に選抜した。
【0173】
MWMVに関しては、MWMV耐性表現型と相関するRAPDマーカを2つの異なる遺伝子座(QTL)においてマッピングし、それぞれQTL1およびQTL2に対して最も高い関連性(連鎖)を示す最良のマーカOPAR13_507およびUBC385_656を選抜した。
【0174】
Ni+に関しては、BSAを2つのバルクを再配列決定することにより実施した。得られた解読結果をカボチャの参照配列とアラインして、SNPを検出した。次いで、最も密接に連鎖するSNPを、さらに特異的なTaqman EPRアッセイの構築のために選抜した。
【0175】
1.3 Taqman EPRアッセイ構築
すべての植物DNAを酢酸カリウム+プロテイナーゼKプロトコルに準拠して単離した。対立遺伝子配列決定のために、3つ以下の異なるPCRプライマーの組み合わせを選抜したRAPD候補断片の5’および3’端部で設計した。これらのマーカのPCR生成物およびDNA配列を耐性および感受性系統のパネルからの系統を用いて得た。
【0176】
Taqman EPRアッセイ構築は、配列パネルの発見した対立遺伝子に特異的なSNPに基づいていた。EPRアッセイ構築を、異なるPCR混合物、DNA濃度およびアニーリング温度の試験を含む標準的なガイドラインに従って実施した。プローブは、FAM−およびVIC MGB Taqmanプローブ(Eurogentec)である。
【0177】
1.4 Taqman EPRアッセイプロトコル
1. 標準的なDNA抽出酢酸カリウム+プロテイナーゼKプロトコルでDNAゲノムを単離。最終的に、150μlのDNA溶液を得た。
【0178】
2. 鋳型DNAの1/15への希釈。
【0179】
3. 4μlの希釈DNAサンプルの各々を個々の384PCRプレートウェルにピペットで移す。
【0180】
4.プレートに覆いを掛けて遠心分離し、氷の上に置く。
【0181】
5. マスターミックスの形成。以下は反応当たりである。
【0182】
【表1】
【0183】
6. 6μlのマスターミックスを各PCRプレートウェルに添加(既に入っている4μl鋳型DNAと共に)
【0184】
7.簡単に遠心沈殿する。
【0185】
8. 384プレートをPCRマシーンに装填
【0186】
9. ABI GENEAMP PCR 9700−384プレートフォーマットでのPCRプログラムは以下のとおりである。
2分間 94℃
15秒間 94℃
1分間 60℃
40×
5分間 72℃
【0187】
10. プレートをAB17900で読み取る。
【0188】
1.5 EPRアッセイプライマーおよびプローブ配列
1.5.1. ZYMV−Nigeria
順方向プライマー:5’AGGTTTCATGGGCTTTTAATGG3’(配列番号1)
逆方向プライマー:5’CGTGAGCCTAAAACGGTTAATG3’(配列番号2)
耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−CACTTCCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号7)
感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−CACTTTCCAGCCCAAAT−MGB−NFQ(配列番号8)

Ni+
順方向プライマー:5’TTGCATGTTCCTTGGATGGGT3’(配列番号13)
逆方向プライマー:5’GGCAACCTCTGTCCAATTTCTTTC3’(配列番号14)
耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−AGTTGCGACTTTCCA−MGB−NFQ(配列番号15)
感受性対立遺伝子特異的プローブ:TET−AGTTGCGACTTTTCATT−MGB−NFQ(配列番号16)
【0189】
1.5.2. MWMV−Nigeria
1.5.2.1 QTL1
順方向プライマー:5’GGGCAAAGAAGATCTTGTCTAGAAAG3’(配列番号3)
逆方向プライマー:5’GTTTTTGTGCAGTGTGCATCTGT3’(配列番号4)
耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TCATTGCACCCAACATG−MGB−NFQ(配列番号9)
感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TCATTGCACTCAACATGG−MGB−NFQ(配列番号10)
1.5.2.1 QTL2
順方向プライマー:5’TTGTGTTTATATGTATGTGTGCGAG3’(配列番号5)
逆方向プライマー:5’TTTCTAGATCTCAGTGTAAGAGAACACA3’(配列番号6)
耐性対立遺伝子特異的プローブ:FAM−TTTGTTTGCTTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号11)
感受性対立遺伝子特異的プローブ:VIC−TTTGTTCGATTGAGCTGG−MGB−NFQ(配列番号12)
【0190】
実施例2
病害試験プロトコル
2.1 プロトコルの使用
以下のプロトコルは、カボチャならびにカボチャ属の一種(Cucurbita sp.)およびキュウリ(Cucumis sativus sp.)におけるすべてのウイルス(CMV、ZYMV、WMV、MWMV)について適用可能である。
【0191】
2.2 菌株の保存
新鮮な感染させた葉(1g)を計量した。次いで、葉を小刀で細かく切り、紙製の計量トレイ上に置いた。この計量トレイを無水物カルシウムクロリドを含有するペトリ皿(55mm)上に置いた。箱をパラフィルムでシールした。菌株の名前、保存日および調製した新たな葉の重量を箱に記し、箱の数を記録した。ペトリ皿は冷蔵庫の「野菜」用の引き出しの中で保持した。
【0192】
2.3 無水調製物からのウイルスの増殖
感受性品種群の1つ以上のテリーヌ(terrine)を播種した。接種は、植物が「子葉」段階にある時に、無水調製物(以下の試験体の接種を参照のこと)から行った。1週間〜10日後、最初の症状が見られることとなり、ウイルスが最も活動的な段階である。
【0193】
2.4 種菌の調製
感染した若い葉をテリーヌから摘み取った。1グラムの葉に対して、0.1グラムのコールおよび4ccの緩衝剤溶液を調製した。コールおよび最後に緩衝剤溶液を添加する前に、葉を粉砕した。カーボランダムをミックスにまいた。1グラムの新鮮な葉に、2〜3テリーヌを接種可能であった(1テリーヌ=80〜100植物)。
【0194】
2.5 試験体の接種
接種材料を氷床上においた。植物に子葉段階で接種した。子葉に接種材料をこすりつけ、必要に応じて毎回溶液を新しくした。15分間乾燥させた後、次いで、植物に水をやった。最初の解読は接種の5〜6日後に行った。次いで、2回目の解読は、情報を確認し完全なものとするために7〜10日後に行うことが可能であった。試験を終了するために、葉をプラスチックバッグ中に密閉し、生物学用廃棄物に入れた。試験を行うための最良の温度条件は日中は25℃±2℃および夜間は20℃±2℃である。
【0195】
2.6 クロノジー
0〜8日目 増殖のテリーヌの播種
0〜2日目 テリーヌの接種
0日目 試験体の播種
0+6日目 試験体の接種
0+14日目 解読開始
0+30日目 試験終了
【0196】
実施例3
ペポカボチャ(Cucurbita pepo)におけるポティウイルス病理学試験用のガイドライン
3.1 評価ガイドライン
以下のガイドラインを用いて、葉および果実におけるZYMV、WMV、PRSV、MWMV感染症の程度を判定した。解読、評価および格付けを第3葉展開期から成植物期(植物学的に熟した果実を伴う)までの作物にわたって行った。
【0197】
格付けは以下のガイドラインに従って1〜9のスケールで行い、その例が図1〜9に示されている。
【0198】
【表2】
【0199】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]