【実施例】
【0207】
次に以下の実施例を参照する。これらの実施例は、上記の記載と共に、本発明を非限定的に説明するものである。
【0208】
実施例1
ポリスチレンミクロスフィアトラップ
ポリスチレン(PS)ミクロスフィアの集団を生成し、粒度分布及び細孔径範囲に関して定性化した。
【0209】
材料及び方法
非多孔質ミクロスフィア
500mL三つ口丸底フラスコを使用して、3.75gのポリビニルピロリドンを、150mLのエタノールと62.5mLのメトキシ−エタノールとの混合物に溶解させた。このフラスコに、冷却器及びメカニカルスターラーを取り付けた。この系に窒素を通気させながら、混合物の温度を油浴によって73℃までゆっくりと上昇させた。
【0210】
別途、100mL丸底フラスコを使用して、1.5gの過酸化ベンジルを37.5mLのスチレンに溶解させ、結果として生じた溶液を、マグネチックスターラーによって窒素下で撹拌した。温度を安定させた後、この100mLフラスコの内容物を上記の500mL三つ口丸底フラスコに注入し、反応物を一晩放置した。
【0211】
洗浄の前に、ミクロスフィアを光学顕微鏡下で可視化して、その大きさ及び相同性(homogeny)を評価した。
【0212】
この反応混合物を、12個の50mLバイアル中に均等に分配し、エタノールで6回洗浄してスチレン残基を除去し、続いて水中50%エタノールで1回洗浄し、水で2回洗浄した。洗浄は、バイアルを遠心分離機中で5500rpmにて8分間回転させ、上清をゆっくりと注ぎ出すことにより行った。洗浄に続いて、試料を一晩凍結乾燥した。
【0213】
多孔質ミクロスフィア
Omer-Mizrahi及びMargel[Polymer Volume 51,Issue 6,2010,Pages 1222-1230]により記載された手順を改変することにより、多孔質ミクロスフィアを調製した。手短に言えば、1グラムの凍結乾燥PSミクロスフィアを50mLの水及び1mLのエタノールに懸濁させた。次いで、この懸濁液を、8分間超音波処理し(35%振幅)、続いてマグネチックスターラーを取り付けた100mL丸底フラスコ中で、20分間オゾン分解した。
【0214】
結果として生じた試料を、ヨウ化ナトリウムを添加した時の色の変化によって判定した場合にオゾンが上清中に残らなくなるまで、水で洗浄した(8分間5500rpm)。
【0215】
洗浄した試料ペレットを、9mLの水に懸濁させ、9個の20mLシンチレーションバイアル中に均等に分配した。各バイアルは、約100mgのPSに相当する1mLの水を含有した。7mLの1.43%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加し、続いてメタクリル酸グリシジル(GMA)を、様々な量(0.1mL×2、0.2mL×2、0.25mL、0.3mL×2、0.35mL×2)で添加した。14mgの亜硫酸水素ナトリウムの添加に続いて、各バイアルを、室温にて一晩撹拌した。次いで、試料を、水中30%エタノールで2回、エタノールで2回、そして20%エタノールで1回洗浄した。洗浄は、各回とも、5500rpmにて8分間実施した。
【0216】
結果
非多孔質ミクロスフィア
光学顕微鏡下で可視化すると、このポリスチレンミクロスフィア集団は均一であるように見え、ミクロスフィアの直径は、2.1〜2.2μmの間の範囲であった(
図4(a))。走査電子顕微鏡下で可視化した場合、ほとんどのミクロスフィアが、乾燥時には直径が約1.7μmであり、水和時には2.2μmであった(
図4(b)〜(c))。
【0217】
多孔質ミクロスフィア
GMAとの反応により、均一な集団の多孔質ミクロスフィアが生成された。この多孔質ミクロスフィアは、細孔形成(poration)の結果として大きさが大きくなって、直径が3.5〜4.1μmの間の範囲になり、細孔直径は0.3〜1.0μmの間の範囲になった(
図5(c)〜(f))。GMAの量が少ないとき(0.5mL)は、ミクロスフィアに対する効果はなく、GMA量を0.5mLから1.5mLに増加させると、均一な集団の中空半球及び分解したビーズが生成された。オゾン分解時間を40分まで増加させても、同様な結果が生じた。
【0218】
考察
本明細書に記載される方法論により、均一な集団のポリスチレンミクロスフィアが生成された。オゾン分解とGMA重合とを合わせたアプローチを用いた細孔生成は、直径が50〜250nmの間の範囲であるバキュロウイルスに対するトラップとしてのミクロスフィアの使用を可能にするであろう狭い細孔直径範囲を結果としてもたらした。
【0219】
実施例2
ポリスチレンナノスフィアキャリア
ポリスチレン(PS)ナノスフィアの集団を生成し、粒度分布及び細孔径範囲に関して定性化した。
【0220】
材料及び方法
600nmポリスチレンビーズ
方法論は、Goodwin他[COLLOID & POLYMER SCIENCE Volume 252,Number 6(1974),464-471]を適合させた。手短に言えば、1mLのスチレンを、8.5mLの2.5×10
−3M塩化ナトリウム溶液に添加し、続いて0.5mLの0.05M過硫酸カリウム溶液を添加した。結果として生じた混合物を、20mLシンチレーションバイアル中で73℃にて一晩撹拌し、続いて水で2回、エタノールで2回、そして水で2回洗浄した。洗浄は、バイアルを遠心分離機中で回転させ(12分間10000rpm)、上清をゆっくりと注ぎ出すことにより行った。
【0221】
250nmポリスチレンビーズ
20mLシンチレーションバイアル中で、5mLの1×10
−3Mドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を、5mLの7.1×10
−3M 4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)と混合した。NaOHでpHを7.8に調整し、0.75mLのスチレンを添加し、続いて73℃にて一晩撹拌した。試料を、遠心分離機で回転させ(20分間11000rpm)、上清をゆっくりと注ぎ出すことにより洗浄した。
【0222】
結果
600nmポリスチレンビーズ
動的光散乱(DLS/Nanophox)を用いてポリスチレンビーズを大きさについて分析すると、結果として得られた直径は、591±77nmであった。
【0223】
250nmポリスチレンビーズ
動的光散乱(DLS/Nanophox)を用いてポリスチレンビーズを大きさについて分析すると、結果として得られた直径は、231±31nmであった。スチレン量を0.3mLまで減少させても、同じ大きさのビーズが生成された。
【0224】
考察
590nm又は230nmの平均直径を有するナノスフィアの2つの集団を生成した。両集団は、300nm〜1000nmの間の範囲の細孔直径を有する実施例1に記載した4ミクロンのポリスチレンミクロスフィア内へ拡散することが可能である。活性薬剤(例えば、ウイルス結合性部分など)でナノスフィアを被覆し、そのナノスフィアをミクロスフィア内に隔離することにより、免疫免除されている(immuno-privileged)抗ウイルストラップを生成し得る。
【0225】
ポリスチレン多孔質ミクロスフィアは、体内免疫系に対して不活性なトラップの外面を構成し、一方、ミクロスフィアの内部に捕捉された被覆ナノスフィアは、免疫系から遮られており、ミクロスフィアの細孔を通ってトラップに入るウイルスを結合して固定化することが可能である。
【0226】
実施例3
バキュロウイルスインビトロ実験
Sf9培養系を利用して、バキュロウイルスビリオンを結合及び/又は不活性化することが可能な種々の表面活性薬剤で被覆した4μmポリスチレン微粒子の有効性を試験した。
【0227】
材料及び方法
トラップ
Cremophore、ポリリジン、アンホテリシン、Tween、Triton 100-X、カテプシン、サーファクタントプロテインD又は抗gp64(バキュロウイルスエンベロープタンパク質に向けられた特異的抗体)を多孔質ポリスチレンミクロスフィア上に結合させて、それによりウイルストラップを生成するために、ビオチン−ストレプトアビジン結合を用いた。
【0228】
適切な結合を確認するためのコントロールとして、ローダミンBを使用した。ウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albomine:BSA)及び抗IL13を、ネガティブコントロールとして使用した。というのは、これらはウイルス感染を妨げるとは考えられないからである。
【0229】
活性薬剤へのビオチンの結合
Thermo ScientificのEZ-link TFPA-PEG3-Biotinキット(製品番号21303、Mw=664g/mol)を、共有結合のために使用した。TFPA−ビオチン試薬は、UV光によって活性化され、活性薬剤化合物中に存在するC−H結合へのビオチンの結合を促進する。各活性薬剤を、1.51×10
−4mmolに相当する0.1mgのビオチン試薬と共にインキュベートした。キットプロトコルで特定されているように、10:1のビオチン試薬:活性薬剤のモル比がビオチン化に最適である。したがって、1.51×10
−5の各活性薬剤を、ビオチン結合に使用した。
【0230】
以下の量の各活性薬剤を、この反応において使用した。
・0.34mgのポリリジン:平均Mw=22,500g/mol。
・0.014mgのアンホテリシン:Mw=924g/mol。
・0.0185mgのTween:Mw=1227.5g/mol(密度は1g/mLと想定される)。
・9.8μgのTriton 100-X:Mw=647g/mol(密度は1g/mLと想定される)。
・2μgのカテプシン:Mw=28,900g/mol−6.9×10
−5μmolに相当。ビオチン試薬:活性薬剤の比を10:1で一定に保つために、0.46μgのビオチン試薬を使用した。
・0.045mgのCremophore:平均Mw=3000g/mol(密度は1g/mLと想定される)。
・0.045mgのサーファクタントプロテインD:Mw=65,000g/mol−3.1×10
−5μmolに相当。ビオチン試薬:活性薬剤の比を10:1で一定に保つために、0.21μgのビオチン試薬を使用した。
・7.2μgのローダミンB:Mw=479g/mol。
【0231】
TFPA−ビオチン試薬を、活性薬剤と、最終体積が150μLになるようにPBS中で混合し、2分間暗所でインキュベートし、それに続いて溶液を、365nmUVランプ(230V、0.17Amp、39W)から5cm下のところで10分間インキュベートした。コントロール薬剤は、Thermo ScientificのEZ-link sulfo-NHS-Biotinキット(製品番号21217、Mw=454.5g/mol)を介してビオチンに共有結合された。この試薬は、あらゆる第一級アミン含有分子と迅速に反応して、安定なアミド結合を介してビオチン標識を結合させる。キットのプロトコルで特定されているように、10:1のビオチン試薬:活性薬剤のモル比がビオチン結合に最適である。
【0232】
以下の量の各コントロール薬剤を、この反応において使用した。
・0.003gのウシ血清アルブミン:Mw=66,500g/mol。N=0.5μmol。2.3mgのビオチン試薬を使用した。
・10μgの抗gp64抗体:Mw=150,000g/mol。N=6.67×10
−5μmol。0.3μgのビオチン試薬を使用した。
・10μgの抗IL13抗体:Mw=150,000g/mol。N=6.67×10
−5μmol。0.3μgのビオチン試薬を使用した。
【0233】
多孔質PSミクロスフィアのアロフィコシアニン−ストレプトアビジン(APC−アビジン)被覆
総数5000万個の多孔質ポリスチレンミクロスフィアを、アビジン被覆に使用した。ビーズを、炭酸塩/炭酸水素塩pH=9.6の50mM緩衝液で3回洗浄し、3.33×10
−4μmolに相当する20μgのAPC−アビジン(Mw=60,000g/mol、製品番号405207、BioLegend)と共に、500μLの炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液中で、室温にて30分間、振盪機を用いてインキュベートした。次いで、ビーズをPBSで3回洗浄した。Accuri C6フローサイトメーターによってビーズの濃度を測定し、400万個のビーズからなるアリコートを調製した。
【0234】
APC−アビジン被覆多孔質ポリスチレンミクロスフィアへのビオチン化活性薬剤の結合
APC−アビジン被覆多孔質ポリスチレンミクロスフィアの各アリコートを、活性薬剤ビオチン化反応混合物と混合し、室温にて30分間、振盪機を用いてインキュベートした。続いて、各アリコートを、PBSで4回洗浄した。ビーズ濃度を、Accuri C6フローサイトメーターを用いて測定した。
【0235】
結果
多孔質ポリスチレンミクロスフィアのフローサイトメトリー読み値(Accuri C6)を、
図6(a)〜(b)に示す。FL2−Aの読み値(
図6(a))は、黄色〜橙色スペクトルでの発光に対応し、一方、FL4−Aの読み値(
図6(b))は、遠赤色スペクトルでの発光に対応する。ローダミンBは、FL2−Aでの読み値に対応する625nmでの最大発光を有する。アロフィコシアニン(APC)は、FL4−Aでの読み値に対応する661nmでの最大発光を有する。
図6(a)〜(b)は、ポリスチレンビーズ(黒)、APC−アビジンで被覆されたポリスチレン(赤)及びローダミンBに結合したAPC−アビジンで被覆されたポリスチレン(青)のFL2−A読み値及びFL4−A読み値を示す。ポリスチレンビーズ(黒)は、FL2及びFL4の両方において低強度読み値を有する。APC−アビジンで被覆したポリスチレンビーズ(赤)は、FL2においては低強度読み値を有するが、FL4においては高強度読み値を有する。ローダミンbに結合したAPC−アビジンで被覆されたポリスチレンビーズ(青)は、FL2及びFL4の両方において高強度読み値を有する。
【0236】
これらのフローサイトメーター読み値は、ローダミンBのビオチン化により示されるように、多孔質ポリスチレンミクロスフィアのAPC−アビジン被覆及び活性薬剤のビオチン化が成功したことを示している。
【0237】
細胞
Sf9細胞を、SFM921無血清昆虫細胞培養培地(Expression Systems)中で、27℃にて増殖させた。12ウェルプレートにおいて単層としてか、又は130rpmで撹拌した振盪機フラスコにおいて懸濁状態で、Sf9細胞を培養した。
【0238】
バクミド(バキュロウイルスシャトルベクタープラスミド)とヘルパープラスミドとを含有するコンピテントE.coli DH10BAC細胞を使用して、製造業者のプロトコル(Invitrogen)に従って、組換えバクミドを生成した。バクミドへの遺伝子(GFP)の挿入は、PCRによって確認した。6ウェルプレートにおいて、ESCORTトランスフェクション試薬(Sigma-Aldrich)を用いてSf9細胞に組換えバクミドDNAをトランスフェクトした。細胞を、27℃にて5時間インキュベートし、すすぎ、さらに72時間インキュベートした。培地を採取し、遠心分離し、ウイルスを含有する上清を用いて2〜3回連続感染を行った結果、ビリオンが増幅した。
【0239】
Sf9細胞(2×10
5細胞/mL)を、12ウェルプレート上に1mL/ウェルで播種した。細胞の感染を、プレインキュベーション及び予防の2つの異なるプロトコルにおいて、10の感染多重度(Multiplicity Of Infection:MOI)で行った。プレインキュベーションモードでは、ウイルスを、種々のトラップと共に別個に30分間インキュベートし、5000gで3分間遠心分離し、上清を細胞に添加した。予防モードでは、トラップを細胞に添加し、その次に初めてビリオンも添加した。27℃で置かれた加湿チャンバーに48時間プレートを入れ、ウェルの内容物を激しくピペット操作することにより採取し、FACS(C6 accuri)によりGFP蛍光について分析した。
【0240】
結果及び考察
ウイルスは、それらが感染宿主生物に与える損傷でよく知られている。現在のところ、抗生物質の有効性又はマルチスペクトルの適用性を示す抗ウイルス剤はない。
【0241】
本発明は、ウイルスなどの感染因子を、物理的及び化学的に不活性化することが可能なウイルストラップを提供することにより、ウイルス感染を防ぐための新しいアプローチを提供する。本発明はまた、種々のウイルストラップ構成の抗ウイルス活性を観察且つ定量化するためのモデル系も提供する。
【0242】
細胞培養実験から、感染したSf9細胞(
図8(a)及び
図8(b))と比較した健康な非処理のSf9細胞(
図7(a)及び
図7(b))の活力において、著しい差異があることが分かる。ウイルス及び多孔質ポリスチレントラップの両方でのSf9細胞の同時処理(co-treatment)(
図9(a)及び
図9(b)−トラップを矢印で示す)は、Sf9のほとんどによる感染の著しい救済を結果としてもたらし、このSf9細胞は、感染細胞よりも健康な非処理の細胞の方に定性的に類似している。
【0243】
バキュロウイルス関連感染の救済を、さらに定量的に評価した。
図9(c)及び
図9(d)に示されるように、最も高い感染阻害率は、PSのみ、Tween、ポリリジン、サーファクタントプロテインD及びTritonによって達成される。
【0244】
実施例4
バキュロウイルスインビボ実験
「デスヘッド」ゴキブリとしても知られるブラベルス・クラニイフェルゴキブリを、多孔質ポリスチレンミクロスフィアトラップの有効性及び毒性を評価するためのインビボモデルとして使用した。
【0245】
材料及び方法
多孔質ポリスチレンミクロスフィアトラップをバキュロウイルスと混合し、直ちに、針が腹部第3節腹板と腹部第4節腹板との間の外側縁に近いところに入るようにしてゴキブリの腹部血体腔に注射した(
図10(a))。1μLのバキュロウイルスと、ゴキブリ1匹当たり総数165,000個のトラップ粒子として適切な量のトラップとを含む、総量10μLを各ゴキブリに注射した。注射の前に、ゴキブリを、これを麻痺させるために、−20℃にて7分間維持した。
【0246】
この注射実験で使用したトラップは、Triton、ポリリジン、サーファクタントプロテインD、抗GP64抗体、又はウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albomine:BSA)で覆われたポリスチレン粒子である。裸のポリスチレン粒子をコントロールとして使用した。二重反復試験として2匹のゴキブリに同じトラップを注射し、さらに、ポジティブコントロールとして、2匹のゴキブリにバキュロウイルスのみを注射し、ネガティブコントロールとして、2匹のゴキブリに何も注射しなかった。
【0247】
注射の5日後に、後胸脚の基部において膜に穴を開け、穏やかに血リンパを放出するようにゴキブリを穏やかに圧縮することにより、血リンパ細胞を採取した。25μLの血リンパを、25μLの氷冷した抗凝固緩衝液(30mMクエン酸、30mMクエン酸ナトリウム、0.5M EDTA、0.02%アジ化ナトリウム)を既に含有しているマイクロピペッター先端によって迅速に収集し、50μLの氷冷した抗凝固緩衝液を含有しているエッペンドルフ中で懸濁させた。細胞を計数し、Accuri C6フローサイトメーターを用いてそれらの相対GFP蛍光を評価した。
【0248】
結果:
この実験で使用したバキュロウイルスはサイトゾルGFPマーカーを発現するので、血リンパ細胞の相対GFP蛍光は、ウイルス感染の直接測定となる。相対GFP蛍光を、バキュロウイルスのみを注射したゴキブリの相対GFP蛍光と比較した。
【0249】
考察:
トラップは、ゴキブリに明らかな中毒作用を何ら生じさせなかった。さらに、注射されたトラップは、感染に関連したGFP蛍光を減少させた(
図10(b))。Triton又はポリリジンのいずれかで被覆したトラップは、非感染試料の結果に匹敵する結果をもたらした。これは、感染の完全な救済を示唆している。
【0250】
実施例5
トラップへのバキュロウイルス付着
トラップを、バキュロウイルスのウイルス粒子を固定化しそれによりそのウイルス粒子の阻害を促進するそのトラップの能力を示すために、ウイルスと共にインキュベートした。
【0251】
材料及び方法
各活性薬剤からの400,000個のトラップを、10μLのウイルスと、2分間にわたって穏やかに混合した。次いで、各試料を、1mLのPBSで洗浄し、5gで8分間遠心分離した。上清の除去後、1mLのPBSを添加し、試料を8分間穏やかに混合し、続いて5gで8分間遠心分離した。900μLの上清を除去し、ペレットを残りの100μLに懸濁させた。
【0252】
このトラップは、以下の活性薬剤、すなわち、Tween、Triton、アンホテリシン、サーファクタントプロテインDを有していた。コントロールとして、裸の多孔質ミクロスフィア及びアビジンで被覆した多孔質ミクロスフィアの両方を使用した。
【0253】
結果
コントロールトラップ、すなわち、裸の多孔質ミクロスフィア及びアビジンで被覆した多孔質ミクロスフィアは、その表面へのウイルス粒子の極めて僅かな結合しか示さないのに対して、Triton(
図11(a)〜(b))、Tween及びアンホテリシンを含有するトラップは、SEMから明らかなように、ウイルス粒子の適度な結合を示した。
【0254】
SEMは、ガラス表面に炭素被覆を用いて実施した。加速電圧は3kVであった。作動距離は2.6〜2.9mmであった。尺度図(bar)が、それぞれの写真について示されている。トラップの表面に付着している粒子は、バキュロウイルスビリオンの予想されたサイズ範囲50〜300nmにある。
【0255】
実施例6
DNA折り紙足場
ハニカムプリーツ型(honeycomb-pleated)折り紙設計の生成を支援するために作成された、グラフィカルインターフェースに基づくコンピュータ支援デザイン環境である、caDNAno[Douglas他(2009)Nucleic Acids Research,最初にオンラインで公開doi:10.1093/nar/gkp436]の助けを借りて、本発明のDNA折り紙ベースの足場の設計を行った。
【0256】
20nM足場DNAを、100nMの各ステープルオリゴヌクレオチド、緩衝液及び塩(5mM Tris、1mM EDTA(20℃にてpH7.9)、及び22mM又は15mM MgCl
2を含む)と組み合わせることによって、DNA折り紙ベースの足場を調製する。迅速な熱変性、それに続く、80分間かけての80℃から61℃への、それから173時間かけての60℃から24℃へのゆっくりとした冷却により、折り畳みを実施する。結果として生じた生成物を可視化するために、氷水浴中、2%アガロースゲル(0.5X TBE、11mM MgCl
2、0.5mg/mLの臭化エチジウム)上で、70Vにて4時間、試料を電気泳動にかける。
【0257】
実質的に、あらゆる精製された、任意且つ高複雑性(反復なし)のssDNAが、折り紙DNAのための足場となり得るであろう。使用され得る配列の例には、M13mpl8(配列番号1)、p7308(配列番号2)、p7560(配列番号3)、p7560old(配列番号4)、p7560lab(配列番号5)、p7560antisense(配列番号6)、p7704(配列番号7)、p7704lab(配列番号8)、p8064(配列番号9)、p8064lab(配列番号10)、p8100(配列番号11)、p8100a(配列番号12)、p8100b(配列番号13)、p8100c(配列番号14)、p8634(配列番号15)、pEGFP(配列番号16)がある。
【0258】
ステープルとして使用されるDNA配列は、例えば、caDNAnoギャラリーウェブサイト[http://cadnano.org./gallery.html]、及び下記表1において示されるとおりであり得る。
【表1】
【0259】
実施例7
リポソーム活性部分
リポソームを、押出法によって調製する。コレステロール(Chol)及び1,2−ジステオロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン(DSPC)を、エタノールを含まないクロロホルムにおよそ10mg/mLとなるように溶解させる。試料がゲル状になるまで、窒素ガス流れ下で試料をパージしながらクロロホルムを除去する。続いて試料を高真空下に置くのであるが、そこでこの脂質試料は「膨張した」フィルムを形成する。このフィルムを、あらゆる残留クロロホルムを除去するために、真空下で2〜3時間維持する。この試料を、それの相転移温度(Tm)より高い温度にて、水和状態で保存する。
【0260】
乾燥させた脂質を、20mMの最終脂質濃度が得られるように、120mMリン酸緩衝生理的食塩水pH7.4(又は同様のイオン強度及びpHを有する他の緩衝液)に穏やかに再懸濁させる。
【0261】
脂質懸濁液を、30分間振盪し、次いで浴槽型超音波発生装置において2分間超音波処理する。リポソームの水和を、激しく振盪又は混合しながら1時間行う。
【0262】
この脂質懸濁液を、押出装置(Avestin又はAvanti Polar Lipids,Inc.から入手可能)を用いて、50nmポリカーボネートフィルタに少なくとも15回通す。単層小胞が得られる。
【0263】
この脂質懸濁液を、100,000g(例えば、Beckman TL-100超遠心分離機で72,000rpm)での15℃における30分間の超遠心分離により精製する。平均直径25nmの精製された小型の単層小胞が、懸濁液の上層にあるであろう。パスツールピペットを用いてこの脂質層を新しい試験管に移し、N
2(気)下において4℃で保存する。
【0264】
実施例8
プロト細胞活性部分
メソポーラスシリカ粒子コアを単層脂質小胞と融合させることにより、プロト細胞を調製する。
【0265】
非イオン界面活性剤Brij-58(CH
3(CH
2)
15-(OCH
2CH
2)20-OH、Aldrich)を酸性シリカゾル(A2
**)に添加することにより、前駆体溶液を合成する。オルトケイ酸テトラエチル(TEOS,Aldrich)、エタノール、脱イオン水、及び希HCl(モル比1:3.8:1:0.0005)を60℃にて90分間還流させ、原ゾル(stock sol)を得る。次いで、10mLの原ゾルをエタノールで希釈し、続いて水、希HCl、及び界面活性剤水溶液(1.5gの界面活性剤を20mLの水に溶解させたもの)を添加し、1:22:55:0.0053:0.06というTEOS/エタノール/H2O/HCl/界面活性剤の最終の全体モル比を得る。このゾルを約10分間撹拌した後に、粉末合成作業を始める。
【0266】
振動オリフィスエアロゾル発生器(TSI型式3450)を用いて単分散液滴を発生させる。溶液を、シリンジポンプによって、およそ8×10−4cm/秒(4.7×10−3cm
3/秒)のシリンジ速度で、小さなオリフィス(20μm直径)に押し通す。この送達速度は、340〜420kPaの安定した動作圧力を与えるように調整される。液体流れを、40〜200kHzの周波数範囲を使用し、最終設定を衛星液滴を排除するように調整して、振動オリフィスによって均一な液滴の状態へと分散させる。その際、液滴を分散させ凝固を防ぐために、液滴を、乱流エアジェットの中心に沿って軸方向に注入する。分散させた液滴とそれよりもはるかに多量の濾過された乾燥空気との混合に続いて、液滴を含んだガス流れは、2.5cm直径の石英管を通って、500℃(A2
**作業)又は420℃(TEOS溶液作業)に維持した3ゾーン炉(0.9mの加熱長)内へと流れた。この粒子を、加熱テープによっておよそ80℃に維持したフィルタ上に回収する。回収した粒子を、空気中400〜450℃で4時間焼成して界面活性剤鋳型を除去する。更なる実験での使用の前に、この多孔質ビーズを脱イオン水中で洗浄する。
【0267】
単層脂質小胞
ガラスバイアル中で、クロロホルムに(10mg/mLになるように)溶解させたパルミトイル−オレオイル−ホスファチジル−コリンを、5%の1mg/mLの1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−{[N(5−アミノ−1−カルボキシペンチル)イミノ二酢酸](DOGS-NTA-Ni,Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)と混合する。溶媒を、乾燥するまで窒素流れを用いて蒸発させ、バイアルを、1時間〜2時間真空下で維持して残留溶媒を除去する。この脂質フィルムを、脱イオン(DI)水を用いて4℃で一晩水和させる。最終脂質濃度は2mg/mLである。水和した脂質を数分間ボルテックスにかけ、0.1mmポリカーボネート膜フィルタ(Whatman,Inc., Newton,MA)を備えた小型押出機(Avanti Polar Lipids)を用いて押出す。脂質溶液を、この押出機に少なくとも19回通し、PBSで1mg/mLになるように希釈する。
【0268】
プロト細胞の脂質被覆
シリカ粒子懸濁液の1mLアリコートを遠心分離し、上清を除去し、1mLの新しく調製した小型単層小胞溶液を加え、振盪しながら45分間インキュベートして、シリカ粒子担持脂質二重層を得る。この最終混合物を繰り返し遠心分離し、希PBS中で洗浄して過剰の脂質を除去する。
【0269】
実施例9
DNAバッキーボール足場
DNAで作製したバッキーボールトラップを、He他(Nature 452,198-201,2008,Hierarchical self-assembly of DNA into symmetric supramolecular polyhedral)の手順を適合させることにより構築した。バッキーボール構造は、多面体の頂点を構成する「コネクター」DNAアセンブリー、及び多面体の辺を構成する「バー」DNAアセンブリーに基づく。コネクター配列は一定である一方で、バー配列は、100nmのバーサイズがもたらされるか又は200nmのバーサイズがもたらされるように変えられる。100nmのバーを用いれば、適切に折り畳まれていれば、このDNAバッキーボールは、予想される直径が500〜800nmの多面体形状を示すはずである。200nmのバーを用いれば、粒子の直径は1〜1.4μmになると予想される。
【0270】
以下のコネクター配列を、アセンブリーのために使用した(5’から3’)。
S': atactcgctctcgttaccgtgtggttgcatagttttctcgtcac(配列番号209)
DaoM: tagcaacctgcctggcaagcctacgatggacacggtaacgcc(配列番号210)
L: aggcaccatcgtaggtttcttgccaggcaccatcgtaggtttcttgccaggcaccatcgtaggtttcttgcc(配列番号211)
【0271】
コネクターを生成するために、1μΜのL配列、3μΜのS配列及び3μΜのDaoM配列を、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、100μLの最終体積混合物として混合した。次いで、この反応混合物を95℃に加熱し、続いて48時間かけて温度を室温まで徐々に下げた。
【0272】
以下のバー配列を、アセンブリーのために使用した(5’から3’)。
H1: agagcgagtatggagtcagatggcttacttacctatcgcgctat(配列番号212)
H2: ttctatacaatttgcgacttatttataccaagtctttattagac(配列番号213)
H3: gtgtacagaaactcactgcgtcttaagaatggaacgttgtccat(配列番号214)
H4: ttcataagtagtagcacctatgcggcatcgcatttgagtagataggc(配列番号215)
H5: acacgtatcggatgtctctgtaggttgtgcagatatagataata(配列番号216)
H6: cagttttttagaagcgaagctggaccatgagaagttattcccg(配列番号217)
H7: cgatgtcagcgaacacatgtcgatgtatttaaagtgacgagaaa(配列番号218)
G1: tttaaatacatcgacatgtgttggtaagtaagccatctgactcc(配列番号219)
G2: cgctgacatcgcgggaaataacattgtatagaaatagcgcgata(配列番号220)
G3: ttctcatggtccagcttcgcttacttggtataaataagtcgcaa(配列番号221)
G4: ctaaaaaactgtattatctatatttctgtacacgtctaataaag(配列番号222)
G5: tctgcacaacctacagagacattccattcttaagacgcagtgag(配列番号223)
G6: ccgatacgtgtgcctatctactctacttatgaaatggacaacgt(配列番号224)
G7: caaatgcgatgccgcataggtgcaaatgcgatgccgcataggtg(配列番号225)
G8: ctacttatgaaatggacaacgtccgatacgtgtgcctatctact(配列番号226)
G9: tccattcttaagacgcagtgagtctgcacaacctacagagacat(配列番号227)
G10: tttctgtacacgtctaataaagctaaaaaactgtattatctata(配列番号228)
G11: acttggtataaataagtcgcaattctcatggtccagcttcgctt(配列番号229)
G12: attgtatagaaatagcgcgatacgctgacatcgcgggaaataac(配列番号230)
G13: ggtaagtaagccatctgactcctttaaatacatcgacatgtgtt(配列番号231)
【0273】
200nmバーを生成するために使用した配列:
G14: tggcgatacaatgcattccgcaggtaagtaagccatctgactcc(配列番号232)
G15: cgctgacatcggttctaatgcc(配列番号233)
H8: agagcgagtattgcggaatgcattgtatcgccaggcattagaac(配列番号234)
【0274】
200nmバーを生成するために使用した配列:
G14: tggcgatacaatgcattccgcaggtaagtaagccatctgactcc(配列番号474)
G15: cgctgacatcggttctaatgcc(配列番号475)
H8: agagcgagtattgcggaatgcattgtatcgccaggcattagaac(配列番号476)
【0275】
100nmバーを生成するために、1μΜの各H1〜H7の配列及び1μΜの各G1〜G13の配列を、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、100μLの最終体積反応混合物として混合した。次いで、反応混合物を95℃に加熱し、続いて48時間かけて温度を室温まで徐々に下げた。
【0276】
200nmバーの生成のためには、2μΜの各H2〜H7の配列並びに1μΜの各G1〜G12、並びに1μΜのH1、H8、G14及びG15の配列を、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、100μLの最終体積反応混合物として混合した。次いで、反応混合物を95℃に加熱し、続いて48時間かけて温度を室温まで徐々に下げた。
【0277】
折り畳みに続いて、バー及びコネクターを、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、3:1のバーとコネクターとの体積比で混合した。
【0278】
結果
100nmバーを用いて生成されたDNAバッキーボール試料について、TEM顕微鏡観察を行った(
図12(a))。写真は、バッキーボールの予想されたサイズ範囲(500〜800nm)の球形形状を示している。
【0279】
図12(b)は、DNAバッキーボール足場を含むDNA配列の構造及び相互作用を図示している。
【0280】
実施例10
DNA球形足場
DNA−ナノテクノロジー技術を用いて球形のDNA形状を構築した。特異的なDNA配列の混合物から各々構築された2つの半球を繋ぐことにより、この球形形状を生成した。
【0281】
半球を構築するために使用した配列には以下が含まれた。
1 : ACCCCCATTGTGTTGCGTTACCGTGTGGTTGCATAGTTTTTTATGCATATCACTTCT(配列番号235)
2: 5'Phos-CTAGCAATATCTATGT(配列番号236)
3: ACTACGTCCCCCCATCGTACGATCAGGCGAGGACTCTGACCAGTCTCCAACA(配列番号237)
4: CAACACAATGGGGGTACATAGATATTG(配列番号238)
6: CCACGAGTTCCTTATCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTAGAGATGAAATCTGT(配列番号239)
7: CCACGAGTTCCTTATCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTAGAGATGAAATCTGT(配列番号240)
9: ATAAGGAACTCGTGGACATAGATATTG(配列番号241)
10: TGCTTCGTGTGCGACAGAGCTTATCCATTGGCTGGGAGCGGGTCATTGACCC(配列番号242)
12: GTCGCACACGAAGCAACATAGATATTG(配列番号243)
13: GACAACAAACCTGAAAGAGCTTATCCATTGGCTGGGAGGTGTTGCTCCTGCC(配列番号244)
14: GCGGTTGCGTGAACGCAATATCTATGT(配列番号245)
15: 5'Phos-CATGACATAGATATTG(配列番号246)
16: GACAACAAACCTGAAAGAGCTTATCCATTGGCTGGGAGGTGTTGCTCCTGCC(配列番号247)
17: TTCAGGTTTGTTGTCCAATATCTATGT(配列番号248)
19: TGCTGCAGGCGCAAGCGTACGATCAGGCGAGGACTCTCCCAACACATAAAGA(配列番号249)
20: 5'Phos-CTAGACATAGATATTG(配列番号250)
21: CTTGCGCCTGCAGCACAATATCTATGT(配列番号251)
22: TATTTCGGCGTTAACCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTTGTCAGGGCGTAGCA(配列番号252)
23 : ATCGTTGTATGCTAGCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTATAGACTAGAACCTT(配列番号253)
24: AGCCATGATTACATTCGTTACCGTGTGGTTGCATAGTTTTTTGTTACGCGCAAATTT(配列番号254)
25: AATGTAATCATGGCTCAATATCTATGT(配列番号255)
27: TCACGCGAAGAGGCTAGAGCTTATCCATTGGCTGGGACCGACATGCTAAAAG(配列番号256)
28: AGCCTCTTCGCGTGACAATATCTATGT(配列番号257)
30: CTGCGACGCTGAGGCCGTACGATCAGGCGAGGACTCTTAACAGGATGCAAAT(配列番号258)
31: 5 'Phos-CTAGACATAGATATTG(配列番号259)
32: GCCTCAGCGTCGCAGCAATATCTATGT(配列番号260)
33 : ATCGGCATTACGCTTCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTATCGGCATTACGCTT(配列番号261)
34: AAGCGTAATGCCGATCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTTATAACGGGACAACG(配列番号262)
35: TCGGGGAGTACCTCTCGTTACCGTGTGGTTGCATAGTTTTTTGTTTTTATTATAGAA(配列番号263)
36: AGAGGTACTCCCCGACAATATCTATGT(配列番号264)
38: GCGGCTTGATTATATCGTACGATCAGGCGAGGACTCTCCGACGGGCACATAC(配列番号265)
40: ATATAATCAAGCCGCCAATATCTATGT(配列番号266)
41: ATTCCGCATGAGCGAAGAGCTTATCCATTGGCTGGGATTTGGAGCAGTCCCA(配列番号267)
42: TCGCTCATGCGGAATCAATATCTATGT(配列番号268)
44: CTAGCATACAACGATCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTGGTCGCATGCATCGT(配列番号269)
45: GTTAACGCCGAAATACCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTTGTTCAGCTCCTCCG(配列番号270)
46: CAAGTCTGTCGATAACGTTACCGTGTGGTTGCATAGTTTTTTTCTGTAGAGCGGAAT(配列番号271)
47: TTATCGACAGACTTGCAATATCTATGT(配列番号272)
49: AGTGGCGCTTGCTTACGTACGATCAGGCGAGGACTCTTCTGGCCATCGATAA(配列番号273)
51: TAAGCAAGCGCCACTCAATATCTATGT(配列番号274)
52: AGACGCCGTGTTGACAGAGCTTATCCATTGGCTGGGAAAAGGCGACAGCATT(配列番号275)
53: GTCAACACGGCGTCTCAATATCTATGT(配列番号276)
55: GAGTGAAGTAAGAGCCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTTGGCGCACATAACTA(配列番号277)
56: GCTCTTACTTCACTCCCGTAGGGCTATATTGACACTGTTTTTTGTTCATTTTGGAAT(配列番号278)
60: AAAAAACTATGCAACCTGCCTGGCAAGCCTACGATGGGGATAAGCTCT(配列番号279)
61: TCCCAGCCAATTGCCTGGCAAGCCTACGATGGTAGCCCTACGG(配列番号280)
62: AAAAACAGTGTCAATATGCCTGGCAAGCCTACGATGGCTGATCGTACG(配列番号281)
63: AGAGTCCTCGCTGCCTGGCAAGCCTACGATGGACACGGTAACG(配列番号282)
64: AGGCACCATCGTAGGTTTCTTGCCAGGCACCATCGTAGGTTTCTTGCCAGGCACCATC GTAGGTTTCTTGCCAGGCACCATCGTAGGTTTCTTGCC(配列番号283)
【0282】
各半球は、8個のバーと、これらのバーを互いに連結する5個のプラス形状のコネクター、すなわち、1個の極コネクター及び4個の赤道コネクターとを含む。コネクターは8個のカスタムメードの合成DNA配列を含むのに対し、バーは制限酵素によってλファージDNAから切断されたDNA断片である。DNA球のサイズは、使用されるλDNAのバー断片のサイズの直接的な結果であり、使用されるλDNAのバー断片のサイズは使用される制限酵素によって決まる。片方の半球の4個の赤道コネクターは、もう一方の半球にあるそれぞれのコネクターパートナーに結合するように設計される。
【0283】
本明細書において、コネクターは、極、南アメリカ、南大西洋、南アジア、南太平洋、北アメリカ、北大西洋、北アジア、北太平洋と称される。
【0284】
片方の半球の8個の赤道コネクターは、もう一方の半球にあるそれぞれのコネクターパートナーに結合するよう設計され、したがって、コネクター北アメリカはコネクター南アジアに結合し、コネクター北アジアはコネクター南アメリカに結合し、コネクター北太平洋はコネクター南太平洋に結合し、そしてコネクター北大西洋はコネクター南太平洋に結合する。
【0285】
以下の配列を、コネクターを生成するために使用した。
極コネクター:1, 4, 7, 10, 60, 61, 62, 63, 64
北アメリカコネクター:13, 16, 19, 22, 60, 61, 62, 63, 64
南アメリカコネクター:13, 16, 19, 23, 60, 61, 62, 63, 64
北大西洋コネクター:24, 27, 30, 33, 60, 61, 62, 63, 64
南大西洋コネクター:24, 27, 30, 33, 60, 61, 62, 63, 64
北アジアコネクター:35, 38, 41, 44, 60, 61, 62, 63, 64
南アジアコネクター:35, 38, 41, 45, 60, 61, 62, 63, 64
北太平洋コネクター:46, 49, 52, 55, 60, 61, 62, 63, 64
南太平洋コネクター:46, 49, 52, 56, 60, 61, 62, 63, 64
【0286】
コネクターを生成するために、1μΜの各コネクター配列を、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、100μLの最終体積混合物として混合した。次いで、反応混合物を95℃に加熱し、続いて48時間かけて温度を室温まで徐々に下げた。
【0287】
最初の概念実証のために、4716bpのλDNA断片をバーとして使用した。100μgのλファージDNA(New England BioLabs)を、緩衝液2(New England BioLabs)中、100μLの最終体積において、5μgのBSAと共に100UのNheI(New England BioLabs)及び150UのPciI(New England BioLabs)を用いて切断した。反応物を37℃にて1時間インキュベートした。1%アガロース中でのゲル電気泳動に続いて、DNA断片をゲルから切り出し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて抽出した。
【0288】
バーがコネクターに連結され得るように、特異的なカスタムメードの合成DNA配列を、アダプターとして機能するようにバーに結合させた。以下の配列を使用してアダプターを生成した。
【0289】
バーを極コネクターに結合するためのアダプターを生成するために使用した配列:
PolAm: 2, 3
PolAt: 2, 6
PolAs: 2, 9
PolPa: 2, 12
【0290】
バーをアメリカコネクターに結合するためのアダプターを生成するために使用した配列:
AmPol: 14, 15
AmAt: 17, 15
AmPa: 2, 21
【0291】
バーを大西洋コネクターに結合するためのアダプターを生成するために使用した配列:
AtPol: 25, 15
AtAs: 28, 15
AtAm: 2, 32
【0292】
バーをアジアコネクターに結合するためのアダプターを生成するために使用した配列:
AsPol: 36, 15
AsAt: 2, 40
AsPa: 42, 15
【0293】
バーを太平洋コネクターに結合するためのアダプターを生成するために使用した配列:
PaPol: 47, 15
PaAs: 2, 51
PaAm: 53, 15
【0294】
リン酸化された配列からは100nMの最終濃度を用い、相補的なリン酸化されていない配列からは200nMの最終濃度を用いて、1xTAE緩衝液の25μLの最終体積において、アダプターを生成した。混合物を、室温にて5分間維持した。
【0295】
1xT4リガーゼ緩衝液(biffer)(New England BioLabs)において1000UのT4リガーゼ(New England BioLabs)を含有するライゲーション反応混合物中で、113nmolのバーを113nmolのアダプターと混合する。反応物を、室温にて10分間インキュベートした。1%アガロース中でのゲル電気泳動に続いて、DNA断片をゲルから切り出し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて抽出した。
【0296】
各ライゲーション反応物は、バーを以下のアダプターと共に含有する。
Bar1: PolAm, AmPol
Bar2: PolAt, AtPol
Bar3: PolAs, AsPol
Bar4: PolPa, PaPol
Bar5: AmAt, AtAm
Bar6: AmPa, PaAm
Bar7: AtAs, AsAt
Bar8: AsPa, PaAs
【0297】
半球は、12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、1.8nMの最終濃度の各バー及び1.8μLの各コネクターを用いて生成した。反応混合物を、室温にて5時間インキュベートした。
【0298】
北半球を生成するための反応混合物は以下のものを含んでいた。
極コネクター、北アメリカコネクター、北太平洋コネクター、北アジアコネクター、北大西洋コネクター、Barl、Bar2、Bar3、Bar4、Bar5、Bar6、Bar7、Bar8。
【0299】
南半球を生成するための反応混合物は以下のものを含んでいた。
極コネクター、南アメリカコネクター、南太平洋コネクター、南アジアコネクター、南大西洋コネクター、Barl、Bar2、Bar3、Bar4、Bar5、Bar6、Bar7、Bar8。
【0300】
等量の北半球及び南半球を混合して全球を作製した。混合物を、室温にて1時間インキュベートした。
【0301】
プラス形状のコネクターは、湾曲を有して球形状を促進するように設計される。さらに、各コネクターは、球の外側に摂動を起こさせる2つのDNA配列、及び球の内側に摂動を起こさせる2つのDNA配列を有する。外側に面した配列は、トラップを方向付ける部分(例えば、組織特異的抗体)を球に結合するために用いられる。内側に面した配列は、活性薬剤を球に結合するために用いられる。4つのDNA配列が、これらの内側摂動配列に結合し、自己凝集によってDNAメッシュを作り、これにより活性薬剤結合部位の数を増加させるように設計される。
MESH1: CGCTATACGTGTTCACCGCTTGCTAGCAGT(配列番号284)
MESH2: CGCTATAGCAAGCGGACTCTGGCCTTCGAT(配列番号285)
MESH3: CGCTATAGCCAGAGTGGAAGGCGAGGATCA(配列番号286)
MESH4: CGCTATACGCCTTCCTGAACACGGTTACAG(配列番号287)
【0302】
シートの末端配列を、5’末端にアミノ基を有するように改変されたDNA配列によってキャップして、そのアミノ基のビオチン化によってか、又はそのアミノ基への活性薬剤の直接連結によって、活性薬剤の容易な結合を促進する。
LOL1: 5'-AmMC6-TTTCTGTAAC(配列番号288)
LOL2: 5'-AmMC6-TTTACTGCTA(配列番号289)
LOL3: 5'-AmMC6-TTTATCGAAG(配列番号290)
LOL4: 5'-AmMC6-TTTTGATCCT(配列番号291)
【0303】
最初に、メッシュ配列MESH1〜4を等モル比で加え、続いて室温にて1時間インキュベートした。次いで、5’−アミノ改変配列を等モル比で加え、続いて室温にて30分間インキュベートした。
【0304】
実施例11
DNA折り紙足場キューブ
DNA折り紙技術を用いて、三次元のDNAキューブを構築した。キューブ形状は、互いに繋がるように設計された4個の3本腕の角部で構成される。この形状は、M13ファージ一本鎖DNAゲノム(Taxonomy ID: 10870)配列、及び191個のカスタムメードの一本鎖DNAステープルで構成される。このキューブを構築するために使用したDNAステープルを列挙する。
2 CCAACGTCAATTCCAGTTCCCTTAAGCA(配列番号292)
GGTTCCGAAATCGGCAAAATTGGAACAGGGATACCTCAGAGCCACCACC(配列番号293)
6 GTCCACGCTGGTGTTAGCGTA(配列番号294)
7 GGCTGGCCCTCTTTTCAGCGC(配列番号295)
8 CTGATTGCCCTTCACCGCCGAAAATCATTCCACCAGTACAAACTACAAC(配列番号296)
9 GGGCGCCAGGGTACTTTCAAC(配列番号297)
10 GGGAGTCGGGTGAGCTATACG(配列番号298)
CATTAATGAATCGGCCAACCCAGTGATGTATGGTCCAGACGTTAGTAAA(配列番号299)
12 CGCTCACTGCCCAATCTCCAA(配列番号300)
GCCTGGGGTGCCTAATGAGAAACCTGTAATAATAAGGAACAACTAAAGG(配列番号301)
14 CTCACAATTCCAACAGCTTGA(配列番号302)
15 AGCTGTTTCCAGGATCCAACG(配列番号303)
16 TCGTAATCATGGTCATAGCCGGAAGCCTTTCGATTAATTGTATCGGTTT(配列番号304)
17 GCCTGCAGGTCGCTTGCAGGG(配列番号305)
18 ACGATTAAGTTTCGCTAAGGT(配列番号306)
19 CCCAGTCACGACGTTGTAACCGGGTACGATATAACAACAACCATCGCCC(配列番号307)
20 GGGGATGTGCTGCGGCTACAG(配列番号308)
21 GGCCTCTGGGTAAGCATCGGTCGTCACCCTCAGCAG(配列番号309)
22 GGAAGGGCGAGCGCATCATGTGAGTGTATAAG(配列番号310)
23 ATTCAGGCTGGCCAGTTGCCAGCTTGTAAAC(配列番号311)
24 ACCAGGCAAAGCAGTATCTTCGCGTAAAATTC(配列番号312)
25 TTCCGGCACCGCTTCTCGCACTCTAGGAACTTAAATC(配列番号313)
26 GGATTGACCGTACTCCATGTT(配列番号314)
27 CACTCGGATTAAGCCCCAAAA(配列番号315)
28 CAACCCGGTTGGTGTGTG(配列番号316)
29 TCCTGTATGAGGGGGAAA(配列番号317)
31 TGATAATCAGAACTCCGTGGGAACAAACGGC(配列番号318)
32 ACAAGCATGTCGGTCAAACCAGAAATTACCTTATGC(配列番号319)
33 CAAATAATGAACGAACTGACAGGCTTGC(配列番号320)
34 AATTTCATCAACATTAAGTAACCGTTGTATCAACGGGTAAAA(配列番号321)
35 GTTAATACTGGAGCGACAGATAAGCTGCTCATTCAAAAGAATTATTTCA(配列番号322)
36 GCATTAAATCAGGTCCAGGCGATTACCCAAATCAAAATA(配列番号323)
38 GCTATTTTTGGCCATCAAAAATAAGGCCTCACCCAGCGAAACGAA(配列番号324)
40 TAATGTGTAGGTATGTACCCCGGT(配列番号325)
41 CAAAAGGCATATATTAGCATTTTGGGGCATAAAACGAACT(配列番号326)
42 GACAGTGATAAAACATACAGG(配列番号327)
43 TATGATAAAGCCTTTAGCAAAA(配列番号328)
44 ACCTGAGAGTTTTTGTTCTGGCCT(配列番号329)
45 AACCCTGTGAGAATAAAACTGGAAGATCGAGTAA(配列番号330)
46 ACGCAAGCAAATCAAGAATCGTTTA(配列番号331)
47 GTACCAAAAACATTATGACATTAATGAAAG(配列番号332)
48 TCAATTCTACTATAAATTGGAAC(配列番号333)
49 TAGTTTAAATGCAATGCCTGAG(配列番号334)
50 CAAGGCGTGAATACAACTTTCGGAGATTGCATCTCGCAACTGTTG(配列番号335)
51 TTAAGCCGTAACAGAACGGTCAAGCGCACGACGACGCCATTCGCC(配列番号336)
52 AAGTACTTTTGCGGGAGTTCA(配列番号337)
53 CATAAAGATATTCCATAGGCTTTGACCGGAAGATGGTGCCGGAA(配列番号338)
54 CTATATTTTCATAACATCCGAGAAACTCATAAGGATA(配列番号339)
55 ATTAGATACATTGAAAAGGTGGCA(配列番号340)
56 AACCCATATAATGTTTTTACCAGACGACG(配列番号341)
57 TCCCAATTCTAACCTGTTTAG(配列番号342)
58 GGTGTCTGGAAGAGGTAGAAAAA(配列番号343)
59 ATTGAGTAGATTTAGTTTGACC(配列番号344)
60 ACACAGTTGAT(配列番号345)
61 TAATTGCTGAATCAACTAAAGTAC(配列番号346)
62 TGGCTTAGAGCT(配列番号347)
63 TTTCTTTAATAACCAGATAAACAGTTCAG(配列番号348)
64 TGATAAGAGCA(配列番号349)
65 GGTCAGGATTAGGAGGCTTTCAT(配列番号350)
66 CGTGCTCCTTT(配列番号351)
67 ATATCGCGTTTTCAAACTCCAACA(配列番号352)
68 CTTCAATTAAGAGAGCAAAGCGGATTGCA(配列番号353)
71 AAAACGAGAATGACCATAAAGTCAGAGAAGCCCGAAAGACTTCAA(配列番号354)
73 GTCGGGTAATAGTAAAAATAGCGAAGAGTACTTGCGGA(配列番号355)
74 ATAGCGTCCAATACTGCGGAATGCTTCCGGAAGAATTCGAG(配列番号356)
75 TTTTGCCAGAGGATAAATATT(配列番号357)
76 ATAAAAACCAAATGTTTAGACTGG(配列番号358)
77 GCAACACTATTGCAAAAGAAG(配列番号359)
78 AACACGAGGCAATACCACATTCAATTATTACTTTC(配列番号360)
79 GTTAAATATGATAATGCTGTAGCTGTCA(配列番号361)
80 CATAACGCCAAAAGGAATTCCTC(配列番号362)
81 TTGAGATTTAGGATAGTAAGA(配列番号363)
82 AACGGAACAACACTAATGCAGATA(配列番号364)
83 GTTGGGAAGAAGATTCATCAG(配列番号365)
84 ATCTTATACCTTTAATCATTGTGACGAGTAGATAG(配列番号366)
85 TTAGCGAGCTTCGCAAATGGTCAATGCG(配列番号367)
86 GATTTTAAGAACTGGCTCATACG(配列番号368)
87 TTTAATTTCAACAGTCAGGAC(配列番号369)
88 CCTGACAATAAATATTTTTAG(配列番号370)
89 GTAATCTTGACAAGAACCGGCTAAATCGGTT(配列番号371)
90 ACTTAGCCGGGCTTGAGATGG(配列番号372)
91 GAGCGACCTGATGGGATTTACGCCAGCTGGCGAAAG(配列番号373)
92 AGACATTGCCGTTCTAGCTGATAACCTGTAACCTCAGAG(配列番号374)
93 CCGGCGCAGACAATCATAAAGATT(配列番号375)
94 TCGTTCATGAGGAAGTTAAAGACACGCCAGGGTTTT(配列番号376)
95 AATTAGATGGTCGGTGCG(配列番号377)
96 CAACACTACGAAGGCACCAACCTAATTATACGTAC(配列番号378)
97 AAAACACTCATCTGGCTGAGATCTACCCGGAGAGGGTAGCTA(配列番号379)
98 AGGCTTTGAGGACTAAGTAGCAACAAGGCGGCCAGTGCCAAGCTTGCAT(配列番号380)
99 TACGTAATGCAGTACAAGAAAGAGAAACAAGCCATCAA(配列番号381)
100 AGAGGCAAAAGAATACACT(配列番号382)
101 CGTCCATTAATCGCCTGGAACCGGTAATCGAGGCCGGA(配列番号383)
102 AGTTAAAGGCCGCTTTGCTGAGGACTCTAGTGTGTGAAATTGTTATCCG(配列番号384)
103 GGAAACGAGGAGACTTTAAAT(配列番号385)
104 ACGCATAACCCGAGCTCGAAT(配列番号386)
105 TACCGATAGTTGCGCCTTCTTAACACAACAACTCACATTAATTGCGTTG(配列番号387)
106 AATGACAATGTTCGGTCTGCG(配列番号388)
107 ATCAGCTTGATAAAGTGTAAA(配列番号389)
108 AAAAAAGGCTCCAAAACGTTGAAGCTTTCCGAGAGGCGGTTTGCGTATT(配列番号390)
109 AATTGCGAATCGTGCCAGCTG(配列番号391)
110 AGTTTCAGCGGAGTGACTAAACAGGTTTTTGAGAGAGTTGCAGCAAGCG(配列番号392)
111 AGATTTTTCAGGAGCCTGGTG(配列番号393)
112 TGAATTTTCGACGGGCAACAG(配列番号394)
113 ACGATCTAAAGTTTTGCCTCATATTGCCCCTAAATCAAAAGAATAGCCC(配列番号395)
114 AGCTCGTCTTGATTTTGGAAT(配列番号396)
115 GCCTGTAGCCTGTTTGATGGT(配列番号397)
116 ACCGTAACACTGAGTTCAATAGGAGTGTTGAGGGCGAAAAA(配列番号398)
117 CTCATTTTCAAGAGTCCACTA(配列番号400)
118 TTTTTTTTCTCAGAACGT(配列番号401)
119 AACCGCCACGCAAGCCTCGTCACAGAC(配列番号402)
120 CATTGAATCATCAGGTCTCGCAAGAAAGTCGGGACGAGT(配列番号403)
121 CATATTCTGTGTAAACCAGAGTCAAAAAGAAG(配列番号404)
122 AGCGACGATCTCGGACCCGCATTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号405)
123 CATTGAATCATCAGGTCTCACGGCAAGATAACTGCGGAT(配列番号406)
124 CCTTCCCACCGCCTAGCGAGTTCAAAAAGAAG(配列番号407)
125 GTCTAGGAAGTCTTCTACCTGTTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号408)
126 CATTGAATCATCAGGTCTTACTATGGGAGACGTTTCTCC(配列番号409)
127 TATAGGGCCGGCTTCATAGAGTCAAAAAGAAG(配列番号410)
128 CCTGACTGAAAGTTACTCTTTTTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号411)
129 CATTGAATCATCAGGTCTTTTCTTGTGGACTCTAGACCT(配列番号412)
130 ACTTTAGACGCCCCACCTTTATCAAAAAGAAG(配列番号413)
131 CAACGCAGCCACGAAGCACTATTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号414)
132 CATTGAATCATCAGGTCTTATCCCTCGGTCAGAGAAACT(配列番号415)
133 GATATGGTTCTATTACGCTCATCAAAAAGAAG(配列番号416)
134 GCGTCTACGGTAAACATAAGCTTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号417)
135 CATTGAATCATCAGGTCTTCATGCTATCACACCATGTCG(配列番号418)
136 GTCGGGCAGAAATATGGATCGTCAAAAAGAAG(配列番号419)
137 ACTTCGTGGTGACTGACGGTATTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号420)
138 CATTGAATCATCAGGTCTTGAGGATGTAGTGTTGCTCAC(配列番号421)
139 CTCCGTGATTCCTATAGCAGGTCAAAAAGAAG(配列番号422)
140 AGCGAAAGCAAGGTGACTTGTTTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号423)
141 CATTGAATCATCAGGTCTATCTCCGCCGAAAAGTTCAGT(配列番号424)
142 ACACCCTGGGCAAGTGCCAGCTCAAAAAGAAG(配列番号425)
143 GCTCGAATTCGAACCATTCCTTTACCCTGACTATTATATCAAAACCCCTCAAATC(配列番号426)
144 AGCTCATTTGTCGCTGGGGTGCTGGCGTCC(配列番号427)
145 GTTACGTCTATCTGGGGAGGCTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号428)
146 GGTAGTCGCGAACACGCGAAGTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号429)
147 AGCTCATTTGTATTTGTATTTGAGGAAAGGCCCTGC(配列番号430)
148 ATTATGGGTGTACGGACGCTATTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号431)
149 GCTCAACCTGCTTTTCTGCTGTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号432)
150 AGCTCATTTGCAGGGCCTTTCCTCAAATAC(配列番号433)
151 TAGCGTCCGTACACCCATAATTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号434)
152 CAGCAGAAAAGCAGGTTGAGCTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号435)
153 AGCTCATTTGGACGCCAGCACCCCAGCGAC(配列番号436)
154 GCCTCCCCAGATAGACGTAACTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号437)
155 CTTCGCGTGTTCGCGACTACCTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号438)
156 AGCTCATTTGTTGACGGCGTTCTCACAGAA(配列番号439)
157 GATATTTCTCATTTTCTTCACTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号440)
158 CTACATGTACTGATAAGTGCTTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号441)
159 AGCTCATTTACTGCCTTTACAATATCAATG(配列番号442)
160 GATATTTCTCATTTTCTTCACTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号443)
161 CCTCAAATGCTCGCACTTTTATTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号444)
162 AGCTCATTTCATTGATATTGTAAAGGCAGT(配列番号445)
163 GTGAAGAAAATGAGAAATATCTTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号446)
164 TAAAAGTGCGAGCATTTGAGGTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号447)
165 AGCTCATTTTTCTGTGAGAACGCCGTCAAC(配列番号448)
166 ATAATTAACTGGGTACCTCTATTTAACCAACAGCCAGCT(配列番号449)
167 AGCACTTATCAGTACATGTAGTTTTTGAGACCTTCATCAAGA(配列番号450)
168 CCGTCTATCAATCCGCAGTTATCTTGCCGTG(配列番号451)
169 ACTCGCTAGGCGGTGGGAAGGTTAAAGAACGTGGACT(配列番号452)
170 CAGGTAGAAGACTTCCTAGACGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号453)
171 CCGTCTATCACGACATGGTGTGATAGCATGA(配列番号454)
172 CGATCCATATTTCTGCCCGACTTAAAGAACGTGGACT(配列番号455)
173 TACCGTCAGTCACCACGAAGTCGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号456)
174 CCGTCTATCAAGGTCTAGAGTCCACAAGAAA(配列番号457)
175 TAAAGGTGGGGCGTCTAAAGTTTAAAGAACGTGGACT(配列番号458)
176 TAGTGCTTCGTGGCTGCGTTGGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号459)
177 CCGTCTATCAACTGAACTTTTCGGCGGAGAT(配列番号460)
178 GCTGGCACTTGCCCAGGGTGTTTAAAGAACGTGGACT(配列番号461)
179 AGGAATGGTTCGAATTCGAGCGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号462)
180 CCGTCTATCAACTCGTCCCGACTTTCTTGCG(配列番号463)
181 CTCTGGTTTACACAGAATATGTTAAAGAACGTGGACT(配列番号464)
182 TGCGGGTCCGAGATCGTCGCTGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号465)
183 CCGTCTATCAAGTTTCTCTGACCGAGGGATA(配列番号466)
184 TGAGCGTAATAGAACCATATCTTAAAGAACGTGGACT(配列番号467)
185 GCTTATGTTTACCGTAGACGCGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号468)
186 CCGTCTATCAGGAGAAACGTCTCCCATAGTA(配列番号469)
187 CTCTATGAAGCCGGCCCTATATTAAAGAACGTGGACT(配列番号470)
188 AAAGAGTAACTTTCAGTCAGGGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号471)
189 CCGTCTATCAGTGAGCAACACTACATCCTCA(配列番号472)
190 CCTGCTATAGGAATCACGGAGTTAAAGAACGTGGACT(配列番号473)
191 ACAAGTCACCTTGCTTTCGCTGAGATAGGGTTGAACCCATCGCCACCCTCAG(配列番号399)
【0305】
下記表2に従って配列を混合することにより、8個のキューブ角部(
図13)を生成した。
【表2】
【0306】
12.5mM MgCl
2を含有する1xTAE緩衝液中で、150μLの最終体積になるように、4:1のステープルとM13ゲノムとのモル比で配列を混合した。次いで、反応混合物を95℃に加熱し、続いて48時間かけて温度を室温まで徐々に下げた。等量の各反応混合物を一緒に混合し、最終キューブを作製した。
【0307】
実施例12
宿主特異的及びウイルス特異的ペプチド活性部分
ビリオンは、その外面に、ウイルスゲノム又は宿主細胞のいずれかに由来するタンパク質を発現する。ペプチド活性部分を、インフルエンザウイルス及び他のビリオンの「選択的結合」(「インフルエンザウイルス粒子中の細胞タンパク質」[Shaw他,PLoS Pathog.2008 Jun 6;4(6):el000085])のために探索した。宿主特異的タンパク質及びウイルス特異的タンパク質への特異的結合のために、インシリコペプチドライブラリーを生成した。
【0308】
方法
インフルエンザビリオンの外面に提示されている3つの標的タンパク質、すなわちヒトCD81(PDB ID:1G8Q)、ヒトアネキシン2(PDB ID:1W7B)及びインフルエンザノイラミニダーゼ(PDB ID: 2BAT)の、解明されている3D構造に特異的且つ効果的に結合するペプチドを選択するために、Pepticomソフトウェアパッケージを用いて仮想ペプチドのインシリコスクリーニングを実施した。テトラスパニン及びアネキシンは、インフルエンザビリオン上に存在するいくつかの宿主特異的タンパク質を含むタンパク質ファミリーの例であり、それぞれヒトCD81及びヒトアネキシン2によって例示される。
【0309】
結果
これらのタンパク質標的の各々について選択的なペプチドの仮想ライブラリーを生成した。標的タンパク質に対して高親和性を有すると予測されるペプチドの例及びそれらの特性を表3に記載する。
【0310】
ペプチド番号3(配列番号480)とその標的タンパク質ヒトCD81との相互作用を、
図14にさらに図示する。
【表3】
【0311】
分かり易くするために別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせても提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の種々の特徴はまた、別個に、又は任意の好適な部分組み合わせでも提供され得る。
【0312】
本発明をその特定の実施形態に関して説明したが、多くの代替、改変及び変更が当業者に明白であることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に入る全てのそのような代替、改変及び変更を包含することが意図されている。本明細書において言及された全ての刊行物、特許及び特許出願並びにGenBank登録番号は、各個々の刊行物、特許もしくは特許出願又はGenBank登録番号が具体的に且つ個々に参照により本明細書に援用されることが示されている場合と同じ程度に、参照によりその全体が本明細書に援用される。さらに、本出願におけるあらゆる参考文献の引用又は特定は、そのような参考文献が本発明に対する先行技術として有効であるということを認めるものとして解釈されるべきではない。