特許第6209523号(P6209523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6209523剥離可能な蓋とそのための装置を備えた金属缶を密閉する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209523
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】剥離可能な蓋とそのための装置を備えた金属缶を密閉する方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/22 20060101AFI20170925BHJP
   H05B 6/36 20060101ALI20170925BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20170925BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20170925BHJP
   B21D 51/46 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   B65B51/22 200
   H05B6/36 E
   H05B6/10 331
   B65B7/28 D
   B21D51/46 A
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-542742(P2014-542742)
(86)(22)【出願日】2012年10月8日
(65)【公表番号】特表2015-500777(P2015-500777A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】EP2012069859
(87)【国際公開番号】WO2013075877
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年9月24日
(31)【優先権主張番号】11190398.5
(32)【優先日】2011年11月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506026106
【氏名又は名称】クラウン・パッケージング・テクノロジー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】マックスウェル,イアン
(72)【発明者】
【氏名】ビルコ,ジョン,パウエル
(72)【発明者】
【氏名】クーム,フロリアン,クリスチャン,グレゴリー
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−199994(JP,U)
【文献】 米国特許第05218178(US,A)
【文献】 特開2002−102967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
B21D 51/46
B65B 7/28
H05B 6/10
H05B 6/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属缶本体の内部に突き出るとともに円周方向に伸びるフランジに、剥離可能な蓋を密閉する方法であって、
a)金属缶本体に誘導コイルを挿入する工程と、
b)フランジを加熱するために誘導コイルを通して交流電流を流す工程と、
c)金属缶本体から誘導コイルを取り除く工程と、
d)フランジに剥離可能な蓋を適用する工程を含み、
フランジ内の残りの熱が、剥離可能な蓋をフランジに密封する方法。
【請求項2】
缶本体の外部のまわりにさらなる誘導コイルを位置付ける工程と、工程b)と実質的に同時に、前記フランジに補助熱を加えるために、さらなる誘導コイルに交流電流を流す工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1と第2のコイルは、同じ電流が両方のコイルを流れるように、一緒に結合される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
結合材料は、剥離可能な蓋とフランジとの間に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フランジに剥離可能な蓋を適用する前に、フランジの密封面に結合材料を適用する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
結合材料は剥離可能な蓋の密封面にある、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
フランジに剥離可能な蓋を密閉することで缶本体が上部と下部の区画に分離されるように、フランジは缶本体の長さに沿って途中に位置づけられる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離可能な蓋を備えた金属缶、とりわけ、誘導加熱を利用して金属缶に剥離可能な蓋を密閉する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食料品を保持するために使用される多くの容器には、消費者が製品を最初に使用する前に容易に分離する剥離可能な蓋がある。かかる剥離可能な蓋は、不正な変更を加えたらすぐにわかるような指標を提供するように、かつ、容器の分配開口部を密閉するように働く。剥離可能な蓋は、はさみや缶切りなどの別の道具を必要とすることなく、容器を容易に開く方法を提供する。
【0003】
剥離可能な蓋を備えた容器は、ガラス、厚紙、プラスチック、および金属を含む、様々な異なる材料から作ることができる。厚紙容器は状況によっては食物製品を保持するのにふさわしいこともある。しかしながら、特定の市場、例えば、比較的高温で、および/または、湿気の多い気候の国々では、厚紙容器は適切でないこともある。害虫(例えば、マウスやネズミ)による襲撃を受けやすく、相対的に強度に欠けているため、厚紙容器は多くの用途に適さないこともある。プラスチックとガラス製の容器も、同じ問題のいくつかを抱える傾向がある。金属製の容器または「缶」は、これらの問題の多くに対処する。
【0004】
専門的な市場区分で用いられる缶、例えば、乳児用ミルク市場で使用される缶は、厳密な安全基準を満たすことが要求される。剥離可能な、一般的にはホイル蓋を備えた金属缶を製造する際、これは、課題になりうる。例えば、乳児用ミルク粉末を保持するために使用される缶は、45°Cのような高温で3か月以上保存されるときでさえ、および、缶の内部と外部で700mbar(70kPa)の圧力差があるときにも、剥離可能な蓋でその気密封止を維持することが必要となる。
【0005】
一般に、剥離可能なホイル蓋と、金属缶の適切に構成された内部を向いたフランジまたは口部との間の気密封止は、フランジまたは口部の密封面をまず加熱することによりなされる。密封面または蓋の反対側の密封面のいずれかが、結合材料、一般的にはラッカーまたはポリマーでコーティングされる。ホイル蓋はフランジに当てられ、密封は、熱および圧力の組み合わせを加える(元の位置で蓋に加えられる)ことにより実現される。
【0006】
密閉された缶は、充填されると、内容物を調理するまたはさもなければ加熱するためにその後処理されることになり、缶の内部表面上と蓋材料にポリプロピレンコーティングが施され、その結果、これらが「一緒に溶接される」ことによって気密封止を形成する。このようにして設けられた密封は、蓋に作用する高い温度(一般に(120°C以上)と圧力の組み合わせといった、処理の苛烈さに耐えることができる。
【0007】
フランジの加熱は、伝導加熱または誘導加熱を用いて達成されてもよい。伝導加熱の場合には、熱は、金属缶に直接接触することによって缶に移る。誘導加熱の場合、高周波交流電流が電磁誘導コイルを通過することで電磁場場が生成される。電磁誘導コイルは、缶、とりわけ、フランジを囲む領域が、軸方向に誘導された電磁場内部にあるように、缶の外側周辺に置かれる。その結果として生じる、フランジと周囲の缶領域で生成された渦電流は、フランジの迅速な加熱をもたらす。誘導加熱は、伝導加熱と比較して、前者による加熱時間の方が早いように、一般に有利であり、缶との直接接触も必要ない(ゆえに、同じ誘導加熱設定で様々な缶の形状を使用することができる)。
【0008】
いくつかの用途について、缶本体に沿った途中の位置にホイル蓋を設けることが望ましく、それにより、缶本体を2つの区画に分離する。ホイル蓋の下の(気密封止された)区画は食品を含むために用いられ、一方で、蓋の上の区画は、例えばプラスチック製のスプーンなどの他のアイテムを含んでもよい。缶の上部開口部は、プラスチック製の蓋などで閉じられてもよい。特に、この構造の缶については、既存の加熱方式は、密封を実現するために必要とされる温度までフランジの密封面を上げるために、缶の外部が加熱されなければならない高温によって、缶の外部に顕著な損傷を与えかねない。一般に、フランジがホイル蓋の最初の加熱と適用の間にわずかに冷えるため、密封面は設定温度よりも著しく高く加熱されなければならない。加えて、缶の外表面からフランジへと熱が伝わっていくため、その外表面は、次に、過度な温度にまで加熱されなければならない。約160°Cで動作する結合材料について、フランジは200°Cまで加熱される必要があり、その間、外表面は280°Cの温度に達しかねない。外表面で必要とされる温度は、錫リフロー(tin reflow)が生じ、外表面に目に見える印(すなわち、変色)をもたらすようなものである。
【0009】
1つの解決策は、例えば、90°Cに設定される結合材料などの、この目的のために一般に用いられてきた材料よりも低い温度で動作する結合材料を用いることであり、その結果、缶の外表面を過度に加熱する必要はない。しかしながら、これは、缶を、高温気候の市場での販売に向かないものとはしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、缶本体内部の剥離可能な蓋を密閉する際に使用されるタイプの既知の誘導加熱システムの欠点を克服するか、または、少なくとも軽減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、金属缶本体の内部に突き出るとともに円周方向に伸びるフランジに、剥離可能な蓋を密閉する方法が提供される。該方法は、缶本体に誘導コイルを挿入する工程と、フランジを加熱するために誘導コイルを通して交流電流を流す工程を含む。その後、誘導コイルは缶本体から取り除かれ、剥離可能な蓋がフランジに適用され、それによって、フランジ内の残りの熱が、剥離可能な蓋をフランジに密封する、または、剥離可能な蓋のフランジへの密封を助ける。
【0012】
本発明の少なくともある実施形態の利点は、フランジを必要な温度で加熱することができる一方で、缶の外部の壁は「過熱」されず、その結果として、外表面での錫リフローと外表面の劣化を防ぐ。
【0013】
該方法は、内部コイルに交流電流を流す工程、フランジに補助熱を加えるために、さらなる誘導コイルに交流電流を流す工程と実質的に同時に、缶本体の外部のまわりにさらなる誘導コイルを位置付ける工程を含んでもよい。第1と第2のコイルは一緒にまたは別々に励起されてもよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、結合材料は、缶の剥離可能な蓋とフランジとの間に適用されてもよい。他の実施形態では、結合材料は、フランジに剥離可能な蓋を適用する前に、フランジの密封面に適用されてもよい。またさらなる実施形態では、結合材料は、フランジに蓋を適用する前に、剥離可能な蓋の密封面に適用されてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、フランジに剥離可能な蓋を密閉することで缶本体が上部と下部の区画に分離されるように、フランジは缶本体の長さに沿って途中に位置づけられる。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、缶の製造ラインで使用されるとともに、缶本体に挿入される誘導コイルと、缶本体の内部にあるときに誘導コイルを励起するための電源とを備える、加熱システムが提供される。
【0017】
加熱システムは、缶本体の外部のまわりに置かれるさらなるコイルを含んでもよく、前記電源は、前記コイルが缶本体の周囲にあるときに該コイルを励起するように構成される。最初に言及されたコイルと前記さらなるコイルは機械的に結合されることによって、単一の動作ユニットを提供する、すなわち、缶本体に対してコイルを所定の位置に動かすために、該動作ユニットに対して缶本体を動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】挿入物として、フランジ、フランジの密封面、結合材料、および、剥離可能な蓋を含む、剥離可能なホイル蓋によって、2つの区画に分けられる金属缶を概略的に示している。
図2】密閉フランジを加熱する目的で誘導コイル内に位置づけられた金属缶の斜視図である。
図3】金属缶内に位置づけられた誘導コイルを含むフランジ加熱システムの斜視図である。
図4】缶の内部と外側に配された2つの誘導コイルを含む、代替的なフランジ加熱システムの斜視図である。
図5】さらなる代替的なフランジ加熱システムの斜視図である。
図6】金属缶本体にホイル蓋を気密封止するために使用される製造ラインを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
密封された剥離可能な蓋は、容器を容易に開く方法を消費者に提供し、利便性と安全性の両方を与えるものである。さらに、図1で示されているように、剥離可能な蓋(2)を用いて金属缶本体(1)を2つの別々の区画に分けることができ、本体(1)は、平らなシートを折り畳み、軸方向の接合部を設けることによって、あるいは、一体型の土台を備えたシリンダーを形成するために円形のディスクに穴を空けることによって、それ自体で形成されてもよい。図1の挿入物は、結合材料(3)によって、内部に突き出たフランジ(4)の上部密封面(5)に蓋が密閉される領域の断面図を詳細に示している。缶自体は一般にブリキ板から作られ、フランジ(4)は、缶(1)の周辺部のまわりの環状の溝に押しこみ、その後、缶(1)に軸方向の圧縮力を加えて溝を崩壊させることで作られる。蓋(2)は一般に、金属ホイル、あるいは、プラスチック材料または紙材料から作られる。
【0020】
上に議論されているように、缶本体(1)のフランジ(4)に蓋(2)を密閉するとき、誘導加熱を用いて熱をフランジ(4)に加えてもよい。しかしながら、単一の外部コイル(6)を用いる、図2で例証されたような誘導加熱に対する従来のアプローチでは、缶の外表面で錫リフローを引き起こすか、あるいは、目に見える表面の劣化をもたらす効果を引き起こしかねない。熱をフランジ(4)に向けつつも缶の外表面の加熱の程度を減らす、缶本体(1)のフランジ(4)に剥離可能な蓋(2)を密閉する方法を提供することが望ましい。
【0021】
これは図3に例証されるようなフランジ加熱システムを駆使して実現される。フランジ加熱システムは誘導コイル(7)を含む。缶(1)をフランジ加熱システムに対して上げ下げし、その結果、加熱の間、誘導コイル(7)がフランジ(4)に隣接して金属缶本体(1)内に挿入され、加熱後に缶(1)から取り除かれる。缶に挿入後、誘導コイルとフランジとの間の隙間は比較的小さく、例えば約1mmである。この許容差は、製造ラインで必要な高速でコイルを缶から出し入れすることを可能にするのに十分である。
【0022】
確立された誓いや実践とは反対に、缶(1)の外側の周辺ではなく、むしろ、缶(1)の内部に挿入されたコイルは、周囲の缶領域で十分な熱を生成することができ、フランジ(4)に蓋(2)を密閉するのを可能にする。このように、誘導加熱のこの新しい方法は、内部に突き出たフランジ(4)に加熱効果を集中させつつ、外部の壁を低温で維持し、それによって、外部の壁の錫リフローと劣化を防ぐことができる。
【0023】
第2の実施形態では、図4で例証されるように、フランジ加熱システムは、2つの別々に励起される誘導コイル、内部コイル(7)と外部コイル(9)を備え、内部コイル(7)は外部コイル(9)の内部で同軸方向に位置している。フランジ加熱システムに対して缶(1)を上げ下げすることで、フランジ(4)の加熱中に内部(7)と外部(9)の誘導コイルを、それぞれ缶(1)の内周および外周のまわりに、フランジ(4)に隣接して配置する。この実施形態では、外部の誘導コイル(9)は、錫リフローおよび装飾物の劣化を引き起こすであろう温度よりも低い温度まで、外部壁を介してフランジ(4)を加熱するように作用する。フランジ(4)が所望の温度になるのに必要な追加の熱は、内部の誘導コイル(7)によって引き起こされる。外部と内部の誘導コイルからの電磁場はフランジ(4)で重なり、蓄積する加熱効果を引き起こす。この特定の実施形態は、とりわけ高速にフランジ(4)を加熱することが必要な場合に使用されることが想定されている。
【0024】
第3の実施形態において、図5に例証されるように、フランジ加熱システムは、一連の内部の巻き(turns)と一連の外部の巻きを備えた単一の誘導コイル(10)を含む。フランジ加熱システムが缶(1)に適用される場合、該コイルの内部の巻きは缶の内部に位置し、外部の巻きは缶(1)の外部に位置する。
【0025】
記載された実施形態のすべてについて、コイルの設計はこの向きの加熱を実現するように最適化されてもよい。これは図3、4、および5で示されるように、誘導コイル構造に銅板8を組み込むことを含んでもよい。当該技術分野で知られているように、コイルは、巻線の中心を通って伸びる通路に水を流すことを可能にすることによって冷やされてもよい。
【0026】
図6は、上記のタイプのフランジ加熱システム(図3)を用いて、金属缶(1)を加熱および密封するための製造プロセスを概略的に示している。製造プロセスは、缶本体(1)が両端で開くこと、および、ホイル蓋(2)を密閉した後、残っている方の開放端から缶を充填し、その後、その端部を例えば、継合可能な端部などで閉じると仮定している。もちろん、缶の内部に誘導コイルを収容する十分なヘッドスペースがあれば、その製造プロセスを用いて、すでに充填された缶(1)にホイル蓋(2)を適用してもよい。
【0027】
例証されたプロセスをさらに考慮すると、フランジ加熱システムは、製造システムによって缶(1)を運ぶコンベヤーの上に取り付けられ、その結果、コイルがコンベヤーに向かって下方に伸びる。それぞれの金属缶(1)は、製造ライン(11)に沿って移動するプラットフォーム(12)上で適所に保持され、缶(1)を適切に上げ下げする。それがフランジ加熱システムの下を通過すると、缶(1)は持ち上げられ、それによって誘導コイルがフランジ(4)に隣接し、誘導コイルは交流電流を流されると励起する(コイルはスイッチを入れられても切られてもよく、永久的にオン状態であってもよい)。金属缶(1)は、誘電加熱プロセスのあいだ、フランジ加熱システムに対して一定の位置で保持される。製造速度を最大限にするために、フランジ(4)の密封面(5)は、ミリ秒程度で必要とされる温度、例えば、200°Cに達すると予想される。いったん必要とされる温度を達成すると、缶(1)が置かれているプラットフォーム(12)を下げることで、フランジ加熱システムを缶(1)から取り除く。その後、金属缶(1)を、蓋ホルダー(13)の下の位置まで、製造ライン(11)の次の部分に移動させる。それぞれの蓋(2)は適切な結合材料(3)を用いて下部表面をコーティングされる。缶(1)は、蓋(2)の下部周辺部がフランジ(4)の密封面(5)と接触する高さまで再度持ち上げられる。剥離可能な蓋(2)とフランジ(4)の密封面(5)の間に加えられた圧力と、密封面(5)内部の残りの熱により、そのプロセスで設定する結合材料(3)を用いて蓋(2)をフランジ(4)に密封させる。その後、蓋ホルダー(13)から缶(1)を解放させるべくプラットフォーム(12)を下げ、製造ライン(11)の次の段階へと移る。
【0028】
単一の缶(1)の内部に多く密封した剥離可能な蓋(2)が設けられる場合、上で概略を述べたプロセスは、製造ライン(11)に沿って繰り返されてもよい。
【0029】
本発明の範囲を逸脱することなく上記の実施形態に様々な改良がなされてもよいことが当業者には理解されよう。例えば、蓋材料自体がフランジ(4)に接着することができる場合(例えば、蓋がプラスチック製またはプラスチックコーティングである場合)、蓋(2)とフランジ(4)の間に結合材料(3)の別の層を設ける必要がなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6