【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、独立請求項に記載の磁気共鳴撮像システム、磁石、およびスイッチ組立体を提供する。実施例は、従属請求項に示されている。
【0005】
超電導磁石に電流リードを接続する際の困難さは、通常、良好な電導体は、良好な熱伝導体であるということにある。つまり、電流リードは、超電導磁石を暖める可能性がある。これは、超電導磁石を動作させるエネルギー要求を高める可能性がある。従って、磁石に電流リードを接続しまたは非接続にするシステムを提供することが有意である。
【0006】
超電導磁石のコイルからの電流リードの接続化および非接続化は、難しい課題である。スイッチは、真空および/または極低温で機能できる必要がある。また、これらは、電源不足の際、または磁石の急冷が開始された際に、適切に機能することが有意である。
【0007】
本発明の実施例では、超電導コイルまたは磁石回路と接続する電流リードを自動で切り換える機械的なシステムを提供することにより、前述の課題または他の課題を解決することができる。
【0008】
本発明は、極低温容器内に配置された一組の超伝導主磁石コイルを有する磁気共鳴検査システムに関する。超電導コイルと極低温容器の外側の電流ドレインとの間に、電気的接続部が提供される。この電気的接続部には、電気的スイッチが提供される。本発明では、電気的接続部は、低電流容量シャントを有し、さらに、磁石フレームと、超伝導コイルと電気的に対応する接触ポートとの間に、移動可能(可能な場合、回転可能)に取り付けられた、U字型または他の形状の導体を有する。低電流容量のシャントは、接触ポートをU字型の導体に接続する。U字型の導体は、接触ポートを有し、これは、磁石フレーム上の接触ポートに対して移動できる(ピン/アンビルコンタクトを形成する)。U字型の導体は、該U字型の導体にシャントを介して電流が流れた際に、ローレンツ力によって動かされる。
【0009】
本発明は、主磁石内の電流が上下にランプ化した際に、接触ポートによって形成されたスイッチを自動で閉にできる。
【0010】
本発明では、例えばMRIスキャナに使用される、冷凍超電導磁石用の、恒久的に導入された電流リードのシステムが開示され、磁石の低温部には、極めて小さな熱リークしか生じない。これらのリードの重要な特徴は、完全に自動的で機械的なスイッチが、リードを介して流れる輸送電流へのローレンツ力により、低いおよび高い電気/熱インピーダンス状態の間で、作動されることである。この切り換え動作により、少なくとも1桁のオーダーで、第1の冷凍機ステージでの熱負荷が抑制される。
【0011】
本願で使用される「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、コンピュータ装置のプロセッサによって実行可能な指令を保管する、具体的ないかなるストレージ媒体をも網羅する。コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ可読の非一過性ストレージ媒体とも称される。また、コンピュータ可読ストレージ媒体は、有形コンピュータ可読媒体とも称される。ある実施例では、コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ装置のプロセッサによってアクセスされ得るデータを保管することができても良い。コンピュータ可読ストレージ媒体の一例には、これに限られるものではないが:フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサム(thumb)ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、およびプロセッサのレジスタファイルが含まれる。光ディスクの一例には、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD)、例えばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW、またはDVD-Rディスクが含まれる。また、コンピュータ可読ストレージ媒体と言う用語は、ネットワークまたは通信リンクを介して、コンピュータデバイスによってアクセスできる各種記録媒体を表す。例えば、データは、モデム上で、インターネット上で、またはローカルエリアネットワーク上で、検索されても良い。
【0012】
「コンピュータメモリ」または「メモリ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサに直接アクセス可能ないかなるメモリであっても良い。コンピュータメモリの一例には、これに限られるものではないが、RAMメモリ、レジスタ、およびレジスタファイルが含まれる。
【0013】
「コンピュータストレージ」または「ストレージ」は、コンピュータ可読ストレージ媒体の一例である。コンピュータストレージは、いかなる非揮発性コンピュータ可読ストレージ媒体であっても良い。コンピュータストレージの一例には、これに限られるものではないが、ハードディスクドライブ、USBサムドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、スマートカード、DVD、CD-ROM、および半導体ハードドライブが含まれる。ある実施例では、コンピュータストレージは、コンピュータメモリであり、あるいはその逆であっても良い。
【0014】
本願において使用される「計算装置」は、プロセッサを有するいかなる装置をも網羅する。本願において使用される「プロセッサ」は、プログラムまたは機械実施可能な指令を実行できる電子部材を網羅する。「プロセッサ」を有する「計算装置」を参照する際には、2以上のプロセッサまたは処理コアを含み得るものとして解する必要がある。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであっても良い。また、プロセッサは、単一のコンピュータシステム内の、または複数のコンピュータシステム内に分配されたプロセッサの集合を表しても良い。また、計算装置という用語は、各々が1以上のプロセッサを有する計算装置の集合またはネットワークを意味し得ると解する必要がある。多くのプログラムは、同じ計算装置内にある、または複数の計算装置にわたって分配された、複数のプロセッサによって実施される指令を有する。
【0015】
本願において使用される「ユーザインターフェース」は、ユーザまたはオペレータがコンピュータまたはコンピュータシステムと相互作用することが可能なインターフェースである。また、「ユーザインターフェース」は、「ヒューマンインターフェース装置」を表しても良い。ユーザインターフェースは、オペレータに情報もしくはデータを提供し、および/またはオペレータから情報もしくはデータを受容する。ユーザインターフェースは、オペレータからの入力を、コンピュータによって受容することを可能にし、コンピュータからユーザに出力を提供しても良い。換言すれば、ユーザインターフェースによって、オペレータは、コンピュータを制御または操作し、インターフェースによって、コンピュータは、オペレータの制御または操作の効果を示しても良い。ディスプレイまたはグラフィカルユーザインターフェース上でのデータまたは情報の表示は、オペレータに情報を提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポイントスティック、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギアスティック、ステアリングホイール、ペダル、ワイヤグローブ、ダンスパッド、遠隔制御器、および加速度計を介したデータの受容は、全て、オペレータから情報またはデータを受容することが可能なユーザインターフェース部材の一例である。
【0016】
本願において使用される「ハードウェアインターフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部計算装置および/または機器と相互作用し、および/またはこれを制御するインターフェースを網羅する。ハードウェアインターフェースによって、プロセッサは、外部計算装置および/または機器に、制御信号または指令を送信する。また、ハードウェアインターフェースにより、プロセッサは、外部計算装置および/または機器とデータ交換しても良い。ハードウェアインターフェースの一例には、これに限られるものではないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、ブルーツース(登録商標)接続、ワイヤレスローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、およびデジタル入力インターフェースが含まれる。
【0017】
本願において、磁気共鳴(MR)データは、磁気共鳴機器のアンテナにより、磁気共鳴画像の走査の際に、原子スピンによって放射される無線周波数信号の記録された測定結果として定められる。本願において、磁気共鳴撮像(MRI)画像は、磁気共鳴画像データ内に含まれる、解剖学的データの再構築された2または3次元の視覚化されたものとして定められる。この視覚化は、コンピュータを用いて実施される。
【0018】
ある態様では、本発明により、磁場を発生する磁石を有する磁気共鳴結像システムが提供される。前記磁石は、超伝導磁石である、前記磁石は、第1の電流リードおよび第2の電流リードを有する。磁気共鳴結像システムは、さらに、前記第1の電流リードおよび前記第2の電流リードに結合するように構成された電流ランプシステムを有する。電流ランプシステムは、前記超伝導磁石の電流をランプ化するように作動する。本願において使用されるランプ(化)と言う用語は、超電導磁石に流れる電流を変化させるプロセスを網羅する。これは、超電導磁石のコイルを介して流れる電流を増加させおよび/または低下させることを含む。電流ランプシステムは、超電導磁石の電流をランプ化するように作動する。
【0019】
磁石は、さらに、真空容器を有する。第1の電流リードおよび第2の電流リードは、磁石の外部表面に配置され、真空容器を貫通する。換言すれば、第1の電流リードおよび第2の電流リードは、真空容器に電流の貫通接続を提供する。磁石は、さらに、磁場を発生する磁石回路を有する。磁石回路は、磁場を発生させるために使用される超電導材料のコイルを有する。磁石回路は、真空容器内にある。磁石は、さらに、第1の磁石回路接続部を有する。磁石は、さらに、第2の磁石回路接続部を有する。第1の磁石回路接続部および第2の磁石回路接続部は、磁石回路をランプ化するため、磁石回路に電気的接続を提供する。実質的に、第1および第2の磁石回路接続部は、磁石のコイルに電気的に接続される。
【0020】
磁石は、さらに、第1の磁石接続部と第1の電流リードの間で、第1の電気的接続を切り換える第1のスイッチを有する。磁石は、さらに、第2の磁石接続部と第2の電流リードの間で、第2の電気的接続を切り換える第2のスイッチを有する。磁石は、さらに、第1のスイッチを横切るように接続された第1の電流シャントを有する。磁石は、さらに、第2のスイッチを横切るように接続された第2の電流シャントを有する。磁石は、さらに、第1の硬質コイルループを有する。第1の硬質コイルループは、第1のスイッチを作動させるように作動する。第1の硬質コイルループは、第1の電気的接続の一部を形成する。磁石は、さらに、第2の硬質コイルループを有する。第2の硬質コイルループは、第2のスイッチを作動させるように作動する。第2の硬質コイルループは、第2の電気的接続の一部を形成する。
【0021】
第1および第2の硬質コイルループは、移動可能であり、それぞれ、第1および第2の電気的接続を作動させることができる。真空容器内には、磁石によって生じた磁場が存在しても良い。第1および第2の電流シャントを介して電流が流れ始めると、電流は、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループを介しても流れるようになる。これにより、磁石によって生じた磁場と相互作用する第1および第2の硬質コイルループにより、磁場が誘導される。次に、これにより、第1および第2のスイッチが作動される。この実施例は、第1および第2のスイッチの切り換えが自動的に提供される点で、有意である。
【0022】
ある実施例では、第1および第2のシャントは、第1のスイッチおよび第2のスイッチよりも十分に低い電流レベルで導通することができる。しかしながら、シャントは、低い導電性を有するため、大きな熱伝導性を有する傾向にある。電流は、第1の電流リードおよび第2の電流リードを通過した後、第1の電流シャントおよび第2の電流シャントによって導通される。電流が十分に大きくなると、これにより、第1の硬質コイルループと磁場の間に力が生じ、第2の硬質コイルループと磁場の間に力が生じる。これにより、第1のスイッチおよび第2のスイッチが作動する。
【0023】
別の実施例では、第1および第2の硬質コイルループの各々は、ハーフループのみのコイルである。
【0024】
別の実施例では、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、熱的に絶縁される。
【0025】
別の実施例では、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、独立に移動する。例えば、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、別個のベアリングに取り付けられ、このため、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、独立に作動しても良い。
【0026】
別の実施では、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、両方が同じ剛性構造体に取り付けられる。例えば、コイルは、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループを介して電流が流れた際に、剛性構造体に同じ方向のトルクを発生させるように配置される。この実施例は、真空容器内に維持される必要があるベアリングの数を低減できる点で有意である。
【0027】
別の実施例では、磁石は、永続的なモードで作動されても良い。
【0028】
別の実施例では、電流ランプシステムは、電流をランプアップもしくは増加させ、および/または電流をランプダウンもしくは減少させても良い。
【0029】
別の実施例では、電流ランプシステムは、メンテナンス、磁石の急冷用のランプダウンの間、電流をランプ化し、規則的なシステム作動のため、電流をランプアップしても良い。
【0030】
別の実施例では、第1の電流シャントおよび/または第2の電流シャントは、可撓性であっても良い。これは、第1のスイッチおよび第2のスイッチの作動中、シャントが曲がったり、変形したりできる点で有意である。
【0031】
別の実施例では、第1および第2の電流端子は室温端子であり、これらは、第1の電流シャントおよび第2の電流シャントによって、それぞれ、第1および第2の磁石回路接続部と接合される。第1の電流シャントおよび第2の電流シャントは、低インピーダンスの電気的接続部であり、磁石の作動電流を搬送することができても良い。磁石のランプアップのため、第1および第2の電流リードの間に、高電流電源が取り付けられても良い。磁石のランプダウンにより、抵抗またはダイオード電流は、第1の電流リードおよび第2の電流リードを横切るように接続されても良い。ある実施例では、抵抗またはダイオードは、磁石エネルギーが0.2から2時間の時間にわたって逸散するように寸法化されまたは選定される。
【0032】
別の実施例では、第1のスイッチは、第1の硬質コイルループを回転させる第1の旋回軸を有する。第1のスイッチは、第1のコンタクトおよび第2のコンタクトによって形成される。第1の硬質コイルループは、回転により、第1のコンタクトおよび第2のコンタクトを閉にするように作動する。第2のスイッチは、第2の硬質コイルループを回転させる第2の旋回軸を有する。第2のスイッチは、第3のコンタクトおよび第4のコンタクトによって形成される。第2の硬質コイルループは、回転により、第3のコンタクトおよび第4のコンタクトを閉にするように作動する。この実施例は、真空容器内で第1のスイッチおよび第2のスイッチを切り換える、単純な構造ながら有効な手段を提供する点で有意である。
【0033】
別の実施例では、第1のスイッチは、第1の硬質コイルループを有する第1のリンクにより形成される。第2のスイッチは、第2の硬質コイルループを有する第2のリンクにより形成される。この実施例では、実質的に第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、各々、てこ(レバー)として形成されるリンクを作動させる。これは、第1のスイッチおよび第2のスイッチの各々が閉の際に、より良好な電気的接続が形成される点で有意である。
【0034】
別の実施例では、第1のスイッチは、第1のネジ機構により形成される。第1の硬質コイルは、第1のネジ機構を作動させるように作動する。第2のスイッチは、第2のネジ機構により形成される。第2の硬質コイルは、第2のネジ機構を作動させるように作動する。この実施例では、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループは、これらを介して流れる電流によって作動され、これらは、旋回軸またはベアリングにおいて回転する。この回転の動きを用いて、ネジ機構が駆動されても良い。
【0035】
別の実施例では、第1のスイッチは、熱的に絶縁される。第1のスイッチは、第1の電流リードに結合される。第2のスイッチは、熱的に絶縁される。第2のスイッチは、第2の電流リードに結合される。この実施例は、第1の電流リードおよび第2の電流リードが真空容器の外側に、電気的接続部を有する点で有意である。これは、これらが室温であることを意味する。これらは、良好な導体であるため、これらは、極めて良好な熱伝導体である。第1のスイッチおよび第2のスイッチを熱的に絶縁することにより、第1の電流リードおよび第2の電流リードが磁石回路を暖めることが抑制される。
【0036】
第1のスイッチおよび第2のスイッチは、これらが「オフ」または開状態の際に、低熱伝導性である。スイッチは、「オン」または閉状態の際に、高い熱伝導性を有しても良い。
【0037】
別の実施例では、第1のスイッチは、第1の高温超伝導体により、第1の磁石接続部に電気的に接続される。第2のスイッチは、第2の高温超伝導体により、第2の磁石接続部に電気的に接続される。第1の磁石回路接続部は、高温超伝導体を有する。第2の磁石回路接続部は、高温超伝導体を有する。この実施例は、これらが第1のスイッチおよび/または第2のスイッチを横断する熱勾配となる点で有意である。第1の高温超伝導体および第2の高温超伝導体を使用して、追加の熱マス(mass)を提供し、これを横断する熱勾配を提供しても良い。第1の高温超伝導体および第2の高温超伝導体は、高温超伝導体で構成されるため、これらは、例えば低温超伝導体で構成された場合に比べて、より高い温度で超伝導となることができる。
【0038】
ある実施例では、磁石回路は、低温超伝導体を有する。この場合、前述の実施例における第1の高温超伝導体および第2の高温超伝導体は、特に有意である。これは、第1の高温超伝導体および第2の高温超伝導体にわたる熱勾配によって、低温超伝導体による熱エネルギーロスが抑制されるためである。
【0039】
別の実施例では、磁石は、さらに、前記第1の電流リードと前記第2の電流リードの間に流れる前記電流が、所定の閾値未満となった際に、前記第1のスイッチが開のまま維持されるように、前記第1の硬質コイルループの位置を維持し、前記第2のスイッチが開のまま維持されるように、前記第2の硬質コイルループの位置を維持する、少なくとも一つの回復素子を有する。この実施例は、その電流レベルで、第1のスイッチおよび第2のスイッチが閉となるように回復素子が選定される点で有意である。ある実施例では、硬質コイルループの各々は、自身の回復素子を有する。1または2以上の回復素子は、第1のスイッチおよび第2のスイッチが閉となる電流レベルで変化する強度調節器を有する。ある実施例では、1または2以上の回復素子は、バネであり、これらは、ケーブルおよびプーリーにより硬質コイルループに接続されたおもりであっても良い。回復素子は、自動で操作される、または手動で操作されるアクチュエータであっても良い。例えば、アクチュエータは、第1のスイッチおよび第2のスイッチを開に維持するよう構成された、ステッパモータであっても良い。
【0040】
別の実施例では、第1の硬質コイルループは、複数のコイルループを有する。第2の硬質コイルループは、複数のコイルループを有する。この実施例は、電流が流れた際に、追加のコイルループによって、コイルの各々に大きな磁場が発生する点で有意である。この場合、コイルにより大きなトルクが形成され、第1のスイッチおよび第2のスイッチを作動させることが容易となる。
【0041】
別の実施例では、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループの少なくとも一つは、鉄ブロックに取り付けられる。この実施例は、電流が流れた際に、第1の硬質コイルループおよび/または第2の硬質コイルループによって発生する力が増大する点で有意である。
【0042】
別の実施例では、第1の硬質コイルループおよび第2の硬質コイルループの少なくとも一つは、真空容器の内部表面に取り付けられた鉄ブロックのギャップ内を移動できるように作動する。この実施例は、第1の硬質コイルループおよび/または第2の硬質コイルループで生じるトルクを高め、第1のスイッチおよび/または第2のスイッチをより容易に作動できる点で有意である。
【0043】
ある実施例では、両方の硬質コイルループは、自身の鉄ブロックを有し、またはギャップを有する自身の鉄ブロックを貫通しても良い。
【0044】
別の実施例では、第1のスイッチは、第1の磁石接続部と電気的に接続された第1の冷却端子を有する。第2のスイッチは、第2の磁石接続部と電気的に接続された第2の冷却端子を有する。第1の冷却端子および第2の冷却端子は、冷凍放射線シールドに、熱的に接続される。この実施例は、冷凍放射線シールドによって熱リザーバが提供され、磁石の電流がランプ化された際に、第1のスイッチおよび第2のスイッチが極端に暖められることが抑制される点で有意である。
【0045】
別の実施例では、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、磁石回路の冷却用の冷凍機ステムと隣接して取り付けられる。また、これは、冷凍機ステムによって、熱リザーバが提供され、ランプ化プロセスにおいて、第1のスイッチおよび第2のスイッチの暖めが抑制される点で有意である。
【0046】
別の実施例では、磁場は、磁場線を有する。第1の硬質コイルループは、第1の硬質コイルループを通る第1の所定の切り換え電流が、第1のスイッチの操作のため、第1の硬質コイルループに第1のトルクを発生させるように、前記磁場に対して配向される。第2の硬質コイルループは、第2の硬質コイルループを通る第2の所定の切り換え電流が、第2のスイッチの操作のため、前記第2の硬質コイルループに第2のトルクを発生させるように、前記磁場線に対して配向される。
【0047】
別の実施例では、磁石がオンのとき、第1および第2の硬質電流ループは、軸方向に誘導された大きな磁場が生じる領域に配置される。ループに流れる電流に対する、この磁場の組み合わせ効果により、横方向に電磁力が生じる。この横方向の電磁力は、第1のスイッチおよび/または第2のスイッチを作動させる際に使用される。
【0048】
別の実施例では、磁石は、さらに、第1のスイッチおよび第2のスイッチを少なくとも部分的に取り囲み、ならびに/または第1のスイッチおよび第2のスイッチと接触する、少なくとも一つの熱シールドを有する。この実施例は、少なくとも一つの熱シールドによって、熱リザーバが提供され、磁石回路での電流のランプ中に、第1のスイッチおよび第2のスイッチが低温に維されることが助長される点で有意である。
【0049】
ある実施例では、熱シールドは、冷凍機ステムにより冷却されるが、複数の熱シールドが存在しても良い。ある実施例では、1または2以上の熱シールドは、アルミニウム板であり、電流のランプアップまたはランプダウン中、熱リザーバとして機能しても良い。
【0050】
別の態様では、本発明により、磁場を発生する磁石が提供される。当該磁石は、超電導磁石である。磁石は、第1の電流リードを有する。磁石は、さらに、第2の電流リードを有する。磁石は、さらに、真空容器を有する。第1の電流リードおよび第2の電流リードは、当該磁石の外部表面に配置され、真空容器を貫通する。磁石は、さらに、磁場を発生する磁石回路を有する。磁石回路は、真空容器内にある。磁石は、さらに、第1の磁石回路接続部を有する。磁石は、さらに、第2の磁石回路接続部を有する。第1の磁石回路接続部および第2の磁石回路接続部は、磁石回路の電流のランプ化のため、磁石回路用の電気的接続を提供する。
【0051】
磁石は、さらに、第1の磁石接続部と第1の電流リードの間で、第1の電気的接続を切り換える第1のスイッチを有する。磁石は、さらに、第2の磁石接続部と第2の電流リードの間で、第2の電気的接続を切り換える第2のスイッチを有する。磁石は、さらに、第1のスイッチを横切るように接続された第1の電流シャントを有する。磁石は、さらに、第2のスイッチを横切るように接続された第2の電流シャントを有する。磁石は、さらに、第1の硬質コイルループを有する。第1の硬質コイルループは、第1のスイッチを作動させるように作動する。第1の硬質コイルループは、第1の電気的接続の一部を形成する。磁石は、さらに、第2の硬質コイルループを有する。第2の硬質コイルループは、第2のスイッチを作動させるように作動する。第2の硬質コイルループは、第2の電気的接続の一部を形成する。
【0052】
別の態様では、本発明により、磁場を形成するための磁石用のスイッチ組立体が提供される。この磁石は、第1の電流リードを有する。磁石は、さらに、第2の電流リードを有する。磁石は、さらに、真空容器を有する。第1の電流リードおよび第2の電流リードは、前記磁石の外部表面に配置され、真空容器を貫通する。磁石は、さらに、磁場を発生する磁石回路を有する。磁石回路は、真空容器内にある。
【0053】
磁石は、さらに、第1の磁石回路接続部を有する。磁石は、さらに、第2の磁石回路接続部を有する。第1の磁石回路接続部および第2の磁石回路接続部は、磁石回路に電気的接続を提供する。スイッチ組立体は、第1の磁石接続部と第1の電流リードの間で、第1の電気的接続を切り換える第1のスイッチを有する。スイッチ組立体は、第2の磁石接続部と第2の電流リードの間で、第2の電気的接続を切り換える第2のスイッチを有する。スイッチ組立体は、さらに、第1のスイッチを横切るように接続された第1の電流シャントを有する。スイッチ組立体は、さらに、第2のスイッチを横切るように接続された第2の電流シャントを有する。スイッチ組立体は、さらに、第1の硬質コイルループを有する。第1の硬質コイルループは、第1のスイッチを作動させるように作動する。第1の硬質コイルループは、第1の電気的接続の一部を形成する。スイッチ組立体は、さらに、第2の硬質コイルループを有する。第2の硬質コイルループは、第2のスイッチを作動させるように作動する。第2の硬質コイルループは、第2の電気的接続の一部を形成する。