(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209563
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】カーソル制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20170925BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20170925BHJP
G06F 3/038 20130101ALI20170925BHJP
【FI】
G06F3/0338 412
G06F3/0354 450
G06F3/038 350D
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-136119(P2015-136119)
(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公開番号】特開2016-224895(P2016-224895A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2015年7月10日
(31)【優先権主張番号】104118043
(32)【優先日】2015年6月3日
(33)【優先権主張国】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509032070
【氏名又は名称】群光電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】林志鴻
(72)【発明者】
【氏名】徐子軒
(72)【発明者】
【氏名】徐志翔
【審査官】
星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−330167(JP,A)
【文献】
特開平10−021009(JP,A)
【文献】
特開2012−064108(JP,A)
【文献】
特開2010−262328(JP,A)
【文献】
特開2015−035116(JP,A)
【文献】
特開2002−207568(JP,A)
【文献】
特開2002−108556(JP,A)
【文献】
特開2010−244585(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/122824(WO,A1)
【文献】
特開平04−015816(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0068965(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0004265(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
回路基板と前記回路基板上方に位置するタッチ部材とを含み、前記タッチ部材上物体の移動を検出し、前記プロセッサがその検出結果に基づいてカーソル移動信号を生成し、カーソルの移動を制御するために用いられる移動センシングモジュールと、
前記タッチ部材の外周側に設けられ、内側が上方に向かって前記タッチ部材に当接する内側縮みの環状ブロック体を備えた押当部材と、
前記押当部材下方に位置する圧力センシングモジュールと、を含み、かつ前記内側縮みの環状ブロック体が下方に向かって前記圧力センシングモジュールに当接し、そのうち前記タッチ部材が圧力を受けた時、前記押当部材が前記タッチ部材に押し当てられ、前記圧力センシングモジュールが前記押当部材に押し当てられ、前記押当部材で発生した圧力を検出し、前記プロセッサがその検出結果に基づいてカーソルの継続信号を生成してカーソルの継続移動を制御することを特徴とするカーソル制御装置。
【請求項2】
前記圧力センシングモジュールは、圧力センサのみを含み、前記圧力センサがリング状を呈し、且つ前記回路基板の上方に設けられることを特徴とする請求項1に記載のカーソル制御装置。
【請求項3】
前記圧力センシングモジュールは、複数の圧力センサを含み、前記圧力センサが前記回路基板の上方に等角に配列されることを特徴とする請求項1に記載のカーソル制御装置。
【請求項4】
台座とデータ伝送インタフェースを更に含み、前記回路基板は前記台座上方に位置し、前記データ伝送インタフェースが前記移動センシングモジュールと前記圧力センシングモジュールに電気的に接続し、且つ前記台座の一側から延出することを特徴とする請求項1に記載のカーソル制御装置。
【請求項5】
前記押当部材は、上部円環面を含み、前記上部円環面が外周縁を有し、且つ内方から外方へ傾斜し、前記外周縁の高さが前記タッチ部材の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載のカーソル制御装置。
【請求項6】
移動センシングモジュールのタッチ部材上の物体移動量を検出してカーソル移動信号を生成するステップと、
圧力センシングモジュールに押し当てられた押当部材により、前記圧力センシングモジュールに圧力を受けてカーソル継続信号を発生させ、そのうち前記押当部材が内側縮みの環状ブロック体を備え、前記内側縮みの環状ブロック体が上方に向かって前記タッチ部材に当接し、かつ下方に向かって前記圧力センシングモジュールに当接するステップと、
前記カーソル移動信号又は前記カーソル継続信号を出力するステップと、を含むことを特徴とするカーソル制御方法。
【請求項7】
前記物体移動量の検出前に、前記タッチ部材に接触する物体の有無を検出し、ある場合、前記物体移動量を検出することを特徴とする請求項6に記載のカーソル制御方法。
【請求項8】
前記物体移動量の検出後、前記物体移動量がゼロでない場合、前記カーソル移動信号を出力することを特徴とする請求項6に記載のカーソル制御方法。
【請求項9】
前記物体移動量の検出後、前記物体移動量がゼロの場合、前記圧力センシングモジュールの圧力値を読み取ることで、前記圧力センシングモジュールが圧力を受けたかどうかを判断することを特徴とする請求項6に記載のカーソル制御方法。
【請求項10】
前記圧力値を読み取った後、前記圧力値が設定値より大きいかどうかを判断することを特徴とする請求項9に記載のカーソル制御方法。
【請求項11】
前記圧力値は前記設定値より大きい場合、平均移動方向及び移動速度を決定し、また前記平均移動方向及び前記移動速度によって前記カーソル継続信号を出力することを特徴とする請求項10に記載のカーソル制御方法。
【請求項12】
前記平均移動方向は、前記物体移動量がゼロとする前に、最後数件の移動量の平均で算出することを特徴とする請求項11に記載のカーソル制御方法。
【請求項13】
前記移動速度は、前記圧力値と正比例関係になることを特徴とする請求項12に記載のカーソル制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関し、特に、カーソル制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、コンピュータ(例えば、卓上型コンピュータ或いはノートブック型コンピュータ)は、すでに近代人の生活中の非常に重要な割役を担っている。一般的にコンピュータは主にキーボードとマウスを組み合わせることで操作できるが、ポータブル電子機器(例えばノートブック型コンピュータ又はタブレット型コンピュータ)にとって、実際持ち運びに不便さがある。上記の問題点に鑑み、現在カーソル制御面において大半のポータブル電子裝置と統合してマウスの持ち運び或いは使用の必要がないという利点を実現している。
【0003】
現在市場においてよく見られるカーソル制御装置は、主にタッチパッド(Touch Pad)、光学式フィンガーナビゲーション(Optical Finger Navigation)及びトラックポイント(Track Point)という3種類に分けられ、実際の使用経験において上記各種カーソル制御装置には問題点と欠点が存在していた。タッチパッドは、比較的大きな設置スペースが必要とする。光学式フィンガーナビゲーションは、カーソルを大範囲に移動させようとする場合、指を繰り返して数回滑らせる必要があるため、使用上円滑にできない。トラックポイントは、その全体が機械式構造であるため、使用上比較的大きな力を加え、且つ長時間使用した後、容易に誤差が生じてカーソルが移動過程中にドリフトを発生させて正確性を失くしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例において、プロセッサと移動センシングモジュールと押当部材と圧力センシングモジュールとを含むカーソル制御装置を提供する。前記移動センシングモジュールは、回路基板と回路基板上方に位置するタッチ部材とを含む。移動センシングモジュールは、タッチ部材上物体の移動を検出し、プロセッサが移動センシングモジュールの検出結果に基づいてカーソル移動信号を生成し、カーソルの移動を制御するために用いられる。上記押当部材は、タッチ部材の外周側に設けられる。圧力センシングモジュールは、押当部材下方に位置し、押当部材で発生した圧力を検出するために用いられ、プロセッサが圧力センシングモジュールの検出結果に基づいてカーソルの継続信号を生成してカーソルの継続移動を制御するために用いられる。
【0006】
一実施例において、プロセッサと移動センシングモジュールと圧力センシングモジュールとを含む別のカーソル制御装置を提供する。前記移動センシングモジュールは、回路基板と回路基板上方に位置するタッチ部材とを含む。移動センシングモジュールは、タッチ部材上物体の移動を検出し、プロセッサが移動センシングモジュールの検出結果に基づいてカーソル移動信号を生成し、カーソルの移動を制御するために用いられる。圧力センシングモジュールは、タッチ部材下方に位置し、タッチ部材で発生した圧力を検出し、プロセッサが圧力センシングモジュールの検出結果に基づいてカーソルの継続信号を生成してカーソルの継続移動を制御するために用いられる。
【0007】
これを介して、カーソル制御装置は、移動センシングモジュールで生成したカーソル移動信号を通じてカーソルの移動方向を判定し、圧力センシングモジュールを押圧して生成したカーソルの継続信号によってカーソルが上記移動方向に向かって移動し続ける速度を決定できる。よって、大幅にカーソル制御装置の体積を縮減でき、非機械式構造がより一層省力で、長寿命、操作の正確性及び人に優しい操作性を実現できる。
【0008】
一実施例において、上記移動センシングモジュールは、光学式フィンガーナビゲーション(Optical Finger Navigation)とすることができ、タッチ部材が光透過性部材又は半透過性部材とすることができる。例を挙げると、タッチ部材はガラス或いは光透過可能なプラスチックで製造され、例えばレンズ(Lens)であるが、これに限られるものではなく、別の実施例において、移動センシングモジュールもタッチパッド(Touch Pad)とすることができ、例えば静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式若しくは赤外線方式式タッチパッドである。或いは、移動センシングモジュールも画像キャプチャー装置とすることができる。
【0009】
一実施例において、上記移動センシングモジュールは、物体移動方向を検出してカーソル移動信号を対応生成する。例えば物体の一定時間内のX軸とY軸方向における移動を通じて、物体移動の方向と距離を計算してカーソル移動信号を生成する。
【0010】
一実施例において、上記圧力センシングモジュールは感圧抵抗体素子(Force Sensing Resistor)とすることができるが、これに限られるものではなく、別の実施例において、圧電方式、静電容量方式又はインダクタンス方式等その他タイプの圧力センサーとすることができる。
【0011】
一実施例において、上記圧力センシングモジュールは、圧力を受けた圧力値によってカーソル継続信号を生成できる。例を挙げて言うと、圧力センシングモジュールは異なる抵抗変化に基づいて異なる圧力値を算出でき、圧力値が大きければ大きいほど、カーソル継続信号が大きくなり、圧力値が小さければ小さいほど、カーソル継続信号が小さくなる。
【0012】
一実施例において、上記圧力センシングモジュールは、回路基板の上方に等角に配列される複数の圧力センサを含むことができる。又は、他の一実施例において圧力センシングモジュールも圧力センサのみを含み、且つ圧力センサがリング状を呈し、回路基板の上方に設けられる。
【0013】
一実施例において、カーソル制御装置は、台座とデータ伝送インタフェース(例えば伝送ケーブル)を更に含むことができる。上記回路基板は台座上方に位置し、データ伝送インタフェースが移動センシングモジュールと圧力センシングモジュールに電気的に接続し、且つ台座の一側から延出することで、カーソル移動信号とカーソル継続信号を出力する。
【0014】
一実施例において、上記押当部材は、上部円環面を含むことができ、前記上部円環面が外周縁を有する。且つ上部円環面は、内方から外方へ傾斜し、外周縁の高さがタッチ部材の高さより高くさせる。
【0015】
一実施例において、タッチ部材上の物体移動量を検出してカーソル移動信号を生成するステップと、圧力センシングモジュールが受けた圧力を検出してカーソル継続信号を生成するステップと、カーソル移動信号又はカーソル継続信号を出力するステップとを含むカーソル制御方法を提供する。
【0016】
一実施例において、上記物体移動量の検出前に、タッチ部材に接触する物体の有無を検出し、ある場合、物体移動量を検出する。
【0017】
一実施例において、上記該物体移動量の検出後、物体移動量がゼロでない場合、カーソル移動信号を出力する。
【0018】
一実施例において、上記該物体移動量の検出後、物体移動量がゼロの場合、圧力センシングモジュールの圧力値を読み取ることで、圧力センシングモジュールが圧力を受けたかどうかを判断する。
【0019】
一実施例において、上記圧力値を読み取った後、更に圧力値が設定値より大きいかどうかを判断する。圧力は設定値より大きい場合、平均移動方向及び移動速度を決定し、また平均移動方向及び移動速度によってカーソル継続信号を出力する。平均移動方向は、物体移動量がゼロとなる前の最後の数件の移動量の平均で算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施例1に係るカーソル制御装置の立体図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るカーソル制御装置の分解立体図である。
【
図3A】本発明の実施例1に係るカーソル制御装置の断面図(一)である。
【
図3B】本発明の実施例1に係るカーソル制御装置の断面図(二)である。
【
図4】本発明のカーソル制御装置がキーボードに設けられた場合の立体図である。
【
図5】本発明の圧力センシングモジュールの他の実施例を示す模式図である。
【
図6】本発明の押当部材の他の実施例を示す模式図である。
【
図7】本発明のカーソル制御装置の操作模式図である。
【
図8】本発明の実施例2に係るカーソル制御装置の断面図である。
【
図9】本発明の実施例3に係るカーソル制御装置の断面図である。
【
図10】本発明のカーソル制御方法のステップフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例1)
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示すのは、本発明の実施例1であり、
図3Aが
図1のA−A線断面図で、
図3Bが
図1のB−B線断面図である。
本実施例において、カーソル制御装置1は、移動センシングモジュール10と押当部材20と圧力センシングモジュール30とデータ伝送インタフェース40とプロセッサ(図示略)とを含む。前記カーソル制御装置1は、電子機器(例えばノートブック型コンピュータ又はタブレット型コンピュータ)上に取り付けることができる。カーソル制御装置1はデータ伝送インタフェース40を利用して電子機器に接続して電子機器のカーソル移動を制御するために用いられる。カーソル制御装置1は、少なくとも1台のプロセッサ(図示略)を含むことができ、例えば移動センシングモジュール10及び圧力センシングモジュール30がプロセッサ1台を共用することで、データ演算能力を提供する。複数のプロセッサでも実現でき、例えば移動センシングモジュール10及び圧力センシングモジュール30は、各々プロセッサを設けることができる。また外部電子機器のプロセッサを利用してデータ演算を行うこともできるものとするが、本発明はこれに限られるものではない。
【0022】
上記移動センシングモジュール10は、回路基板11と回路基板11上方に位置するタッチ部材12とを含む。タッチ部材12は、ユーザ操作ゾーンである移動センシングモジュール10の検出ゾーンを定義するために用いられ、移動センシングモジュール10が物体の移動量を検出するために用いられる。
好ましい実施例において、移動センシングモジュール10は光学式フィンガーナビゲーション(Optical Finger Navigation)で、タッチ部材12が発光部材121(例えば発光ダイオード)と光透過可能な本体122と感光部材123とを含むことができる。例えば感光部材123は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)或いはCCD(電荷結合素子)とすることができ、本体122はガラス又は透明なプラスチック素材で製造されることができ、例えば光学レンズ(Lens)である。
上記発光部材121と感光部材123は、回路基板11上に設けられ、前記本体122はここではカバー型キャップ(ここでは略方形を呈するが、円形、楕円形又はその他の不規則形とすることもできる)で、上記発光部材121と感光部材123を覆う。上記回路基板11は、台座50上に固定される(例えば接着或いは係着を通じる)。
【0023】
これを介して、物体(例えば指又はタッチペン)が本体122表面にタッチすると共に1つの距離を移動した時、発光部材121が発した光(例えば赤外線)を物体に照射すると共に反射して感光部材123に伝送する方式により、物体の移動を検出できる。上記プロセッサは、移動センシングモジュール10の検出結果を利用してカーソル移動信号を算出してカーソル移動を制御する根拠とする。つまり上記カーソル移動信号は、カーソルを1つの方向に向かって1つの距離移動することを対応制御できる。例えば物体の第1時間における位置は(x1、y1)で、第2時間における位置が(x2、y2)の場合、プロセッサは移動センシングモジュール10の第1時間及び第2時間の検出結果を通じて移動方向と移動距離(x2−x1、y2−y1)、つまりカーソル移動信号を取得できる。
図7を参照する。本実施例において光学式フィンガーナビゲーションは移動センシングモジュール10であり、移動センシングモジュール10全体の大きさはやや指先より大きく、指が本体122表面上で小さな距離を移動すると、カーソル移動信号を生成することでカーソルの移動距離と移動方向を制御できる。更に
図4に示すように、移動センシングモジュール10全体の体積は小さくなることができるため、カーソル制御装置1はキーボード2のキーの間(例えばキーボード2のGキー、HキーとBキーの間)に取り付けられ、ユーザがキーボード2でカーソル制御の操作を行わせることができる。
【0024】
若干の態様において、移動センシングモジュール10をタッチパッド(Touch Pad)とすることもできる。例えば移動センシングモジュール10は静電容量方式タッチパッドとすることができ、物体移動で発生した静電容量値の変化によって物体の移動距離と移動方向を判断して上記カーソル移動信号を生成する。或いは移動センシングモジュール10は静電容量方式タッチパッドとすることができ、物体移動で発生した電圧値の変化によって物体の移動距離と移動方向を判断して上記カーソル移動信号を生成する。又は他の実施態様において、移動センシングモジュール10も画像キャプチャー装置(例えば撮影カメラ)を含むことができ、物体の異なる時間における位置を撮影して物体の移動方向を判断することで、上記カーソル移動信号を生成する。更に、他の実施態様において移動センシングモジュール10も電磁方式或いは赤外線方式のタッチパッドとすることができるが、この部分も限定されるものではない。
【0025】
上記押当部材20は、タッチ部材12の外周側に設けられ、圧力センシングモジュール30に押し当てるために用いられる。前記押当部材20の形状は、タッチ部材12の外周形状に対応する。つまりタッチ部材12の形状を円形、方形又は楕円形とすることができ、押当部材20の形状を対応の円形、方形又は楕円形とするが、これに限られるものではなく、押当部材20とタッチ部材12も各々異なる形状とすることができる。
図3A、
図3Bを参照する。本実施例において、押当部材20はタッチ部材12の外周側を取り囲む方形の環状ブロック体で、押当部材20の内側が上方に向かってタッチ部材12周囲に当接する内側縮みの環状ブロック体201を有するため、タッチ部材12が圧力を受けた時も同時に前記押当部材20に押し当てる。このほかに、押当部材20の両側は下方に向かって逆U字部202を延伸しており、前記逆U字部202が上記台座50の底部に掛止し、押当部材20を固定させる。
また、
図3Bに示すように、本実施例において、前記台座50下方は下方に向かって凸起51を延伸し、基板60のホール61内に対応して嵌め込むことで固定される。ただし、本発明がこれに限られるものではなく、上記台座50も接着接合又は係合の方式で基板60上に固着させることができる。
図4に示すように、本実施例において上記カーソル制御装置1は、キーボード2のキーの間に取り付けられ、上記基板60がキーボード2のキーを載置する板体とすることができる。
【0026】
図6に示すように、本実施例において押当部材20を複数のブロック体とすることができ、且つ複数のブロック体がタッチ部材12の4つ側辺に周設される。
【0027】
上記圧力センシングモジュール30は、上記押当部材20或いはタッチ部材12の押し当てを受けて圧力信号を生成する。本実施例において、圧力センシングモジュール30は4個の圧力センサ31を備え、且つ回路基板11上方の4つ方位に等角に配列される。詳細に言うと、4個の圧力センサ31の角度間隔が90度で、且つ上記押当部材20の内側縮みの環状ブロック体201が各圧力センサ31に当接する。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、圧力センシングモジュール30も4個以上或いは4個未満の圧力センサ31を含むことができ、且つその他の角度間隔(例えば30度又は60度)で等角配列できる。
【0028】
上記圧力センサ31は、本実施例において感圧抵抗体素子(Force Sensing Resistor)とし、且つ伝送インタフェース32(ここで2本の間隔に配置されるリード線)を通じて回路基板11に電気的に接続する。前記感圧抵抗体素子は、具体的実施において薄膜又は薄板形態とすることができ、且つ異なる圧力の大きさを受けたことによって異なる抵抗の変化を発生できることで、異なる抵抗の変化によって異なる圧力値を算出し、更に圧力信号を出力する。プロセッサは、前記圧力信号によってカーソル継続信号を算出してカーソルがカーソル移動信号の対応する移動方向に向かって移動し続ける時間、速度を決定する。例えば圧力センサ31は、ユーザの押圧時間を検出し、つまりカーソル継続信号の存続時間が、カーソルの移動し続ける時間に対応する。逆に、圧力センシングモジュール30は圧力を受けてない時カーソル継続信号を発生することなく、カーソルがカーソル移動信号の対応する移動方向に向かって移動し続けることはない。
圧力センシングモジュール30が検出した圧力値は大きければ大きいほど、プロセッサがカーソル継続信号を対応して調整し、カーソル速度を加速させ、つまり圧力値はカーソル移動速度と正比例になる(線形又は非線形の正比例関係になることができる)。ただし、本発明はこれに限られるものではなく、若干の態様において、上記圧力センサ31は圧電方式、静電容量方式又はインダクタンス方式等その他タイプの圧力センサとすることもでき、静電容量値或いは電圧値の変化を通じて圧力値を算出する。このほか、若干の実施例において、圧力センシングモジュール30は圧力値が設定値より大きい時にカーソル継続信号を発生でき、これを介することでユーザが操作過程中に誤って触れてカーソルを移動し続けることを避ける。
【0029】
上述に続き、上記カーソル継続信号は、カーソルをカーソル移動信号の対応する移動方向に向かって移動させることで、カーソルが大範囲の移動を必要とする時、指を繰り返し滑らせる必要がある問題を解決する。また圧力センシングモジュール30で検出した圧力値を利用してカーソルの移動し続ける速度に対応して調整し、カーソルが大範囲の移動を必要とする時所要の操作時間を減少することで、使用上の利便性を増やす。
【0030】
また、
図2に示すように、本実施例において、圧力センシングモジュール30は、複数の圧力センサ31を含み、且つ回路基板11上方に間隔をあけて配列することで、更にカーソル停止を判定する正確性を増加できる。例として、いずれかの圧力センサ31に急激な圧力変化が現れた場合、ユーザがカーソルを制御しようとして指を移動することなく、指の動きと判断できるため、カーソル移動を制御しない。
図5に示すように、本実施例において圧力センシングモジュール30は、押当部材20の内側縮みの環状ブロック体201の下方に当接する1個の環状圧力センサ31のみを含む。つまり圧力センサ31が圧力リングとする。
【0031】
上記データ伝送インタフェース40は、回路基板11に電気的に接続して上記カーソル移動信号を受信並びに出力し、及び圧力センシングモジュール30に電気的に接続して上記カーソル継続信号を受信並びに出力する。
図1、
図2に示すように、本実施例においてデータ伝送インタフェース40は、フレキシブルプリント基板で、且つ一端が回路基板11と圧力センシングモジュール30に電気的に接続し、データ伝送インタフェース40の他端が台座50の一側から延出する。例として、カーソル制御装置1内にプロセッサを内蔵する状態において、プロセッサは回路基板11に電気的に接続し、プロセッサがデータ伝送インタフェース40を通じてカーソル移動信号とカーソル継続信号を電子機器に伝送させる。カーソル制御装置1が外部プロセッサを利用する状態において、データ伝送インタフェース40の他端は外部プロセッサに接続することで、物体の移動信号及び圧力信号を外部プロセッサに伝送して外部プロセッサが該カーソル移動信号とカーソル継続信号を対応して計算させて、カーソルの移動を制御できる。
【0032】
カーソル制御装置1は、操作上、
図7に示すように、ユーザが指を移動センシングモジュール10のタッチ部材12の本体122表面上に置いてから一定の方向に向かって一定の距離を滑らせると、プロセッサが上記カーソル移動信号を生成すると共にカーソルの対応移動を制御できる。次にユーザは更に下方に向かって本体122或いは押当部材20(ここで下方に向かって本体122を押し当てる)に直接押し当てることで、圧力センシングモジュール30に圧力を加え、プロセッサが更にカーソル継続信号を生成すると共にカーソルを上記移動方向に向かって移動し続けるよう対応制御する。これによって、従来技術の繰り返して滑らせる必要がある欠点を改善し、且つ機械式カーソル制御装置に比べると、より一層省力且つ寿命の延長を実現できる。このほかに、加える圧力によってカーソルの移動し続ける速度を変更すると、より一層操作時間を短縮できる。
【0033】
更に、
図10を参照する。
図10は、本発明のカーソル制御方法のステップフローチャートである。カーソル制御装置1から言うと、ステップ1001のように、カーソル制御装置1はまず指が移動センシングモジュール10のタッチ部材12上にタッチしているかどうかを判断し、タッチしている場合、更にステップ1002のように、指のタッチ部材12における移動量(X軸とY軸の移動量を含む)を読み取る。この時ステップ1003に進んでX軸又はY軸の移動量を判断し、X軸又はY軸の移動量が0ではない場合、指が依然タッチ部材12上に移動することを示し、ステップ1004に進み、プロセッサが上記カーソル移動信号を出力し、つまりタッチ部材12上の物体移動量を検出してカーソル移動信号を生成することで、カーソルを1つの方向に向かって移動するよう制御する。X軸又はY軸の移動量が0の場合、指がタッチ部材12上の移動を停止することを示し、ステップ1005に進んで圧力センシングモジュールの数値を読み取り、また誤って触れたことにより圧力センシングモジュール30を軽く押して信号を生成することを避けるため、ステップ1006で圧力値が予め設定した圧力値(つまり設定値)より大きいかどうかを判断し、大きい場合、ステップ1007に進み、ユーザがカーソルを移動し続けようとし、明らかに押当部材20に圧力を加えることを示す。この時まずステップ1002で判定した最後数件の指移動の平均移動量(例えば指の滑り停止前の最後10件の移動量データを平均する)によって平均移動方向を算出し、またステップ1008の時ステップ1006の圧力値に基づいてカーソルを上記平均方向に向かって移動し続ける速度(例えば圧力値が大きければ大きいほど、カーソルの速度が速くなる)を決定し、最後にステップ1009にカーソル継続信号を出力する。簡単に言うと、指がタッチ部材12において第1位置から第2位置に滑ると、カーソルの移動方向と移動距離を制御できる。指がその後第2位置で下向きに押圧し且つ圧力センシングモジュール30に押し当てた時、カーソルを上記移動方向に向かって移動し続けるよう制御でき、またカーソルの移動し続けた時の速度を制御する。
【0034】
更に
図7に示すように、本実施例において押当部材20は上部円環面21を含み、且つ上部円環面21が外周縁22を有する。上記上部円環面21は、内方から外方へ傾斜し、外周縁22の高さをタッチ部材12の高さより高くさせる。これを介して、ユーザの指がタッチ部材12上を滑る過程中、位置制限の効果がある。操作時脇の他のアセンブリ(例えばキー)にタッチしにくい利点を実現する。
【0035】
(実施例2)
図8は、カーソル制御装置の実施例2である。本実施例のカーソル制御装置1Aと上記カーソル制御装置1との相違点は、押当部材20が上記内側縮みの環状ブロック体201と逆U字部202を備えず、且つ押当部材20の下方が直接基板60に連接して位置決められる(例えば押当部材20は基板60に当接又は接着する)ことである。
このほかに、カーソル制御装置1Aの押当部材20と移動センシングモジュール10は互いに当接して接触することなく、且つ圧力センシングモジュール30が押当部材20のみに当接する。よってユーザが移動センシングモジュール10のタッチ部材12上を滑った後、押当部材20に押し当てることで、圧力センシングモジュール30に対して圧力を加え、更に生カーソル継続信号を生成できる。
【0036】
(実施例3)
図9は、カーソル制御装置の実施例3である。本実施例のカーソル制御装置1Bと上記カーソル制御装置1との相違点は、押当部材20が上記内側縮みの環状ブロック体201と逆U字部202を備えず、且つ押当部材20の下方が直接基板60に連接して位置決められる(例えば押当部材20は基板60に当接又は接着する)ことである。このほかに、カーソル制御装置1Bの押当部材20と移動センシングモジュール10は互いに当接して接触することなく、且つ圧力センシングモジュール30が移動センシングモジュール10のみに当接し、よってユーザが移動センシングモジュール10のタッチ部材12上を滑った後、移動センシングモジュール10に押し当てることで、圧力センシングモジュール30に対して圧力を加え、更に生カーソル継続信号を生成できる。
【0037】
以上に述べたことを取りまとめると、カーソル制御装置は、移動センシングモジュールで生成したカーソル移動信号を通じてカーソルの移動方向を判定し、圧力センシングモジュールを押圧して生成したカーソルの継続信号によってカーソルが上記移動方向に向かって移動し続ける速度を決定できる。よって、大幅にカーソル制御装置の体積を縮減でき、非機械式構造がより一層省力で、長寿命、操作の正確性及び人に優しい操作性を実現できる。
【0038】
上述の説明は、単に本発明の最良の実施例を挙げたまでであり、本発明を限定しない。その他本発明の開示する要旨を逸脱することなく完成された同等効果の修飾または置換はいずれも後述の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1、1A、1B カーソル制御装置
2 キーボード
10 移動センシングモジュール
11 回路基板
12 タッチ部材
121 発光部材
122 本体
123 感光部材
20 押当部材
201 内側縮みの環状ブロック体
202 逆U字部
21 上部円環面
22 外周縁
30 圧力センシングモジュール
31 圧力センサ
32 伝送インタフェース
40 データ伝送インタフェース
50 台座
51 凸起
60 基板
61 ホール
1001〜1009 ステップ