(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属板を素材とする表基材と、前記表基材の裏側に配置された裏基材と、前記表基材と前記裏基材との間に充填された芯材とを備える金属屋根材の強度を試験するための金属屋根材の強度試験方法であって、
前記金属屋根材を基台に緊結する工程と、
前記基台に緊結された前記金属屋根材の端部を浮き上げようとする荷重を前記端部に付与し、前記荷重に対応する前記端部の浮き上がり量を測定する工程と
を含み、
前記金属屋根材の幅方向に関して前記端部の全体に一体化される枠体を前記端部に取り付けた後に、前記枠体を介して前記端部に前記荷重を付与する
ことを特徴とする金属屋根材の強度試験方法。
金属板を素材とする表基材と、前記表基材の裏側に配置された裏基材と、前記表基材と前記裏基材との間に充填された芯材とを備える金属屋根材の強度を仮想的に試験する機能をコンピュータに実現させるための金属屋根材の仮想強度試験プログラムであって、
前記表基材、前記裏基材及び前記芯材の機械的性質及び材料物性を表す性質情報の入力を受け付けて、前記性質情報に基づいて前記金属屋根材のモデルを作成するモデル作成機能と、
前記モデルを緊結する位置を表す緊結情報を受け付けて、前記緊結情報に基づいて仮想空間内で前記モデルを基台に緊結する緊結機能と、
前記モデルの端部を浮き上げようとする荷重を前記仮想空間内で前記基台に緊結された前記モデルの前記端部に付与する荷重付与機能と、
前記荷重が前記端部に加えられるときの前記端部の浮き上がり量を算出するとともに、算出された前記浮き上がり量の変化量に対する前記荷重の変化量で表される浮き上がり係数を算出する算出機能と
をコンピュータに実現させることを特徴とする金属屋根材の仮想強度試験プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような金属屋根材は、金属屋根材の全体構造により強度を担保している。このため、上記日本工業規格A1408で定められた方法のように金属屋根材から切り出した試験片を用いて強度試験を行っても、金属屋根材の強度を正しく評価することができない。
【0006】
また、屋根を模擬した屋根勾配を有する試験台に屋根材を設置し、乱流の風を付与できる送風装置を使用して、台風の模擬試験を行うことで破壊有無を観察することも考えられる。しかしながら、このような送風装置を使用した試験は、比較的大がかりな試験であり、時間及び費用が必要とされる。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、金属屋根材の強度をより正しく簡便に評価することができる金属屋根材の強度試験方法、強度試験設備及び仮想強度試験プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る金属屋根材の強度試験方法は、金属板を素材とする表基材と、表基材の裏側に配置された裏基材と、表基材と裏基材との間に充填された芯材とを備える金属屋根材の強度を試験するための金属屋根材の強度試験方法であって、金属屋根材を基台に緊結する工程と、基台に緊結された金属屋根材の端部を浮き上げようとする荷重を端部に付与し、荷重に対応する端部の浮き上がり量を測定する工程とを含
み、金属屋根材の幅方向に関して端部の全体に一体化される枠体を端部に取り付けた後に、枠体を介して端部に前記荷重を付与する。
本発明に係る金属屋根材の強度試験方法は、金属板を素材とする表基材と、表基材の裏側に配置された裏基材と、表基材と裏基材との間に充填された芯材とを備える金属屋根材の強度を試験するための金属屋根材の強度試験方法であって、金属屋根材を基台に緊結する工程と、基台に緊結された金属屋根材の端部を浮き上げようとする荷重を端部に付与し、荷重に対応する端部の浮き上がり量を測定する工程と、測定された前記浮き上がり量の変化量に対する前記荷重の変化量で表される浮き上がり係数を求める工程とを含む。
【0009】
本発明に係る金属屋根材の強度試験設備は、金属屋根材の強度試験を行うための金属屋根材の強度試験設備であって、金属屋根材が緊結される基台と、金属屋根材の端部に取り付けられ
、金属屋根材の幅方向に関して端部の全体に一体化される枠体と、枠体を介して端部に接続されており、金属屋根材の端部を浮き上げようとする荷重を端部に
枠体を介して付与する荷重付与装置と、枠体と荷重付与装置との間に介在されて荷重付与装置から端部に加えられる荷重を測定する荷重計と、荷重付与装置から端部に荷重が加えられるときの端部の浮き上がり量を測定する変位計とを備える。
【0010】
本発明に係る金属屋根材の仮想強度試験プログラムは、金属板を素材とする表基材と、表基材の裏側に配置された裏基材と、表基材と裏基材との間に充填された芯材とを備える金属屋根材の強度を仮想的に試験する機能をコンピュータに実現させるための金属屋根材の仮想強度試験プログラムであって、表基材、裏基材及び芯材の機械的性質及び材料物性を表す性質情報の入力を受け付けて、性質情報に基づいて金属屋根材のモデルを作成するモデル作成機能と、モデルを緊結する位置を表す緊結情報を受け付けて、緊結情報に基づいて仮想空間内でモデルを基台に緊結する緊結機能と、モデルの端部を浮き上げようとする荷重を仮想空間内で基台に緊結されたモデルの端部に付与する荷重付与機能と、荷重が端部に加えられるときの端部の浮き上がり量を算出する
とともに、算出された浮き上がり量の変化量に対する荷重の変化量で表される浮き上がり係数を算出する算出機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の金属屋根材の強度試験方法、強度試験設備及び仮想強度試験プログラムによれば、基台に緊結された金属屋根材の端部を浮き上げようとする荷重を端部に付与し、荷重に対応する端部の浮き上がり量を得るので、比較的小規模な試験で金属屋根材の全体としての強度を確かめることができ、金属屋根材の強度をより正しく簡便に評価することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による金属屋根材の強度試験方法によって強度試験が行われる金属屋根材を示す正面図であり、
図2は
図1の金属屋根材1を示す背面図であり、
図3は
図1の線III−IIIに沿う金属屋根材1の断面図であり、
図4は
図1の金属屋根材1を用いた屋根葺き構造を示す説明図である。
【0014】
図1〜
図3に示す金属屋根材1は、
図4に示すように家屋等の建物の屋根下地の上に他の金属屋根材とともに配置されるものである。
図3に特に表れているように、金属屋根材1は、表基材10、裏基材11及び芯材12を有している。
【0015】
表基材10は、金属板を素材とするものであり、金属屋根材1が屋根下地の上に配置された際に屋根の外面に表れる部材である。表基材10の素材である金属板としては、鋼板、Al板若しくはTi板又はそれらの表面処理材を用いることができる。表面処理材には、塗装材及びめっき材が含まれる。
【0016】
表基材10は、天板部101及び周壁部102を有する箱形の本体部100を有している。この本体部100は、周壁部102が表基材10の周方向に連続する壁面となるように、金属板に絞り加工又は張り出し加工を施すことで形成することができる。天板部101には、本体部100の幅方向100a(長手方向)に互いに離間して配置された複数の打込表示部101aが設けられている。打込表示部101aは、金属屋根材1を屋根下地に緊結する際に例えばビス又は釘等の緊結部材を本体部100に打ち込む位置を表すための構成である。打込表示部101aは、凹部、凸部、開口又は印刷若しくは刻設された記号等により構成することができる。
【0017】
裏基材11は、本体部100の開口を塞ぐように表基材10の裏側に配置された部材である。裏基材11としては、アルミ箔、アルミ蒸着紙、水酸化アルミ紙、炭酸カルシウム紙、樹脂フィルム又はガラス繊維紙等の軽量な素材を用いることができる。必要に応じて、表基材10と同様の素材を裏基材11に用いることもできる。
【0018】
芯材12は、例えば発泡樹脂等により構成されるものであり、表基材10の本体部100と裏基材11との間に充填されている。芯材12の素材としては、特に制限が無く、ウレタン、フェノール、ヌレート樹脂等を用いることができる。
【0019】
図4に示すように、金属屋根材1は、本体部100の幅方向100a(長手方向)が屋根の軒と平行な軒方向2に沿って延在され、本体部100の奥行方向100b(短手方向)が屋根の軒棟方向3に沿って延在されるように適合されている。各金属屋根材1は、打込表示部101aに緊結部材4が本体部100に打ち込まれることで屋根下地に緊結されている。また、軒棟方向3に関して、棟側の金属屋根材1が軒側の金属屋根材1の上に重ねられながら屋根下地の上に配置される。なお、緊結部材4は、必ずしも打込表示部101aに打ち込む必要はなく、任意の位置に打ち込むことができる。
【0020】
次に、
図5は
図1の金属屋根材1の強度試験を行うための強度試験設備5を示す斜視図であり、
図6は
図5の金属屋根材1の端部1Eが浮き上がった状態を示す説明図である。
図5に示すように、強度試験設備5は、基台50、枠体51、荷重付与装置52、接続部材53、荷重計54及び変位計55を有している。
【0021】
基台50は、強度試験が行われる金属屋根材1が載置され緊結される部材である。この基台50は、金属屋根材1が実際に緊結される屋根下地を模した部材であり、例えば木材の板等によって構成することができる。基台50への金属屋根材1の緊結は、屋根下地への金属屋根材1の実際の緊結に即して行うことが好ましい。すなわち、前述の
図4のように金属屋根材1を屋根下地に実際に緊結する態様に即して、所定位置において緊結部材4を金属屋根材1の本体部100に打ち込むことにより、金属屋根材1を基台50に緊結することが好ましい。
【0022】
枠体51は、金属屋根材1の端部1Eに取り付けられた部材である。枠体51には、幅方向100aに延在された長手状の基体510とカバー体511とが含まれている。図示はしないが、基体510及びカバー体511の少なくとも一方には金属屋根材1の端部1Eの外形に適合した凹部が設けられており、この凹部に端部1Eが嵌められた状態で基体510及びカバー体511が互いに連結される。すなわち、基体510とカバー体511とによって金属屋根材1の端部1Eが挟持されることで、枠体51が金属屋根材1の端部1Eに取り付けられている。
【0023】
幅方向100aに関する枠体51の延在幅は幅方向100aに関する金属屋根材1の端部1Eの延在幅よりも広くされており、幅方向100aに関して金属屋根材1の端部1Eの全体に枠体51が一体化されている。これにより、枠体51を介して金属屋根材1の端部1Eに荷重が付与されるとき、その荷重が金属屋根材1の端部1E全体に均等に作用される。なお、枠体51が取り付けられる金属屋根材1の端部1Eは、
図4に示すように金属屋根材1を屋根下地の上に配置した際に屋根の軒側に位置する軒側端部である。
【0024】
荷重付与装置52は、枠体51を介して金属屋根材1の端部1Eに接続されており、金属屋根材1の端部1Eを浮き上げようとする荷重52Lをその端部1Eに付与するための装置である。荷重付与装置52としては、例えばプレス機等のアクチュエーを用いることができる。本実施の形態の強度試験設備5では、荷重付与装置52は、枠体51の上方に配置され、ワイヤ等の接続部材53を介して枠体51に接続され、接続部材53及び枠体51を介して端部1Eを引き上げるように構成されている。しかしながら、荷重付与装置52は、枠体51の下方に配置され、枠体51を介して端部1Eを押し上げるように構成されてもよい。
【0025】
荷重計54は、枠体51と荷重付与装置52との間に介在されて、荷重付与装置52から金属屋根材1の端部1Eに加えられる荷重52Lを測定するセンサである。本実施の形態では、荷重計54は、荷重付与装置52の下部に固定されている。接続部材53は、荷重計54に接続されている。
【0026】
変位計55は、荷重付与装置52から金属屋根材1の端部1Eに荷重52Lが加えられるときにその端部1Eの浮き上がり量1Rを測定するためのセンサである。本実施の形態では、変位計55は、枠体51の上方に位置するように図示しない支持体によって支持されたレーザ変位計によって構成されている。しかしながら、変位計55としては、例えば枠体51又は端部1Eに接触して配置されて機械的に端部1Eの浮き上がり量を測定するセンサ等の他の態様のセンサを用いてもよい。
【0027】
ここで、金属屋根材1が屋根下地に緊結されているとき、風が金属屋根材1に吹き付けると、その風は金属屋根材1の端部1Eを浮き上げようとする荷重を金属屋根材1の端部1Eに作用させる。荷重付与装置52の荷重52Lは、このような風の荷重を模したものである。
【0028】
また、過度の強風により金属屋根材1の端部1Eが一定量浮き上がると、金属屋根材1の端部1Eと屋根下地との間の隙間に風が入り込む。このように隙間に入り込んだ風は、金属屋根材1の裏面の広い領域に作用して、金属屋根材1を急激に破壊してしまう。すなわち、金属屋根材1の強度は、金属屋根材1の端部1Eの浮き上がりにくさとの間に大きな相関を有する。荷重計54及び変位計55により荷重52L及び浮き上がり量1Rを測定することで、金属屋根材1の端部1Eの浮き上がりにくさ、すなわち金属屋根材1の強度を評価することができる。
【0029】
次に、
図7は、
図5の強度試験設備5によって測定された荷重52Lに対する端部1Eの浮き上がり量1Rの一例を示すグラフである。金属屋根材1の端部1Eにその端部1Eを浮き上げようとする荷重52Lを加えた場合、荷重52Lが所定値に達するまで金属屋根材1は弾性変形する。
図7に示すように、金属屋根材1が弾性変形しているとき、荷重52Lの増大に合わせて浮き上がり量1Rがほぼ線形に増大する。
【0030】
この浮き上がり量1Rの線形増大領域の傾き、すなわち測定された浮き上がり量1Rの変化量に対する荷重52Lの変化量は、金属屋根材1の端部1Eの浮き上がりにくさを表す指標となる。以下、浮き上がり量1Rの変化量に対する荷重52Lの変化量を、浮き上がり係数[N/mm]と呼ぶ。このような浮き上がり係数を求めることで、金属屋根材1の強度をより確実に評価することができる。なお、
図7の例では、浮き上がり係数は2.7[N/mm]である。
【0031】
次に、
図8は、
図7の浮き上がり係数と金属屋根材1に吹き付ける風の風速との関係を示すグラフである。本発明者らは、種々の金属屋根材1を試作して、それらを供試材として送風試験を行い、浮き上がり係数と破壊風速との関係を調査した。
【0032】
送風試験では、5寸(約26.6°)の勾配で設けられた幅2000mm×奥行1184mmの下地材の上に幅908mm×奥行414mmの15枚の供試材(金属屋根材1)を配置して模擬屋根を作成した。模擬屋根における供試材の配置は、
図4のように行った。具体的には、軒方向2に2枚又は3枚の供試材を配置して供試材列を形成するとともに、その供試材列を軒棟方向3に重ねながら6列配置した。軒棟方向3に関して、棟側の供試材から軒側の供試材が154mm突出するように軒側の供試材の上に棟側の供試材を重ねた。軒方向2に関して、供試材の下地材からはみ出る部分は切り落とした。そして、模擬屋根の前方に送風ノズルを設置し、送風ノズルから模擬屋根に風を吹き付けた。送風ノズルは模擬屋根の中心から1m前方の位置に配置し、送風ノズルの中心の高さは模擬屋根の中心の高さに一致させた。破壊風速とは、上記の送風ノズルから金属屋根材1に風を吹き付けたときに、金属屋根材1が破壊されたときの風速である。
図8では、金属屋根材1が破壊されたことを「×」で表し、金属屋根材1が破壊されなかったことを「○」で表している。
【0033】
図8に示すように、浮き上がり係数が6N/mm未満の金属屋根材1は、50m/s以下の風に耐えることができず破壊されてしまった。一方で、浮き上がり係数が6N/mm以上の金属屋根材1は、50m/sの風を吹き付けても破壊されなかった。このため、金属屋根材1の浮き上がり係数が6N/mm以上であるか否かを判定することで、その金属屋根材1が50m/sの風に耐えることができるか否かを判定できることが分かった。
【0034】
次に、
図9は、本発明の実施の形態1による金属屋根材1の強度試験方法を示すフローチャートである。図において、金属屋根材1の強度試験を行うときには、まず試験対象である金属屋根材1を基台50に緊結する(緊結工程:ステップS1)。上述のように、基台50への金属屋根材1の緊結は、屋根下地への金属屋根材1の実際の緊結に即して行うことが好ましい。
【0035】
その次に、基台50に緊結された金属屋根材1の端部1Eを浮き上げようとする荷重52Lをその端部1Eに付与し、荷重52Lに対応する端部1Eの浮き上がり量1Rを測定する(測定工程:ステップS2)。端部1Eへの荷重52Lの付与に
図5の荷重付与装置52を用いることができる。また、荷重52L及び浮き上がり量1Rの測定に
図5の荷重計54及び変位計55を用いることができる。
【0036】
その次に、測定工程で測定された浮き上がり量1Rの変化量に対する荷重52Lの変化量で表される浮き上がり係数を求め(係数取得工程:ステップS3)、その浮き上がり係数が6N/mm以上であるか否かを判定する(判定工程:ステップS4)。このとき、6N/mm以上であると判定された場合、その金属屋根材1が50m/sの風に耐えることができるものであると判定できる。なお、より低い風速に耐えることができる金属屋根材1を選定する場合には、より低い浮き上がり係数を判定に使用できる。
【0037】
このような金属屋根材1の強度試験方法及び強度試験設備では、基台50に緊結された金属屋根材1の端部1Eを浮き上げようとする荷重52Lを端部1Eに付与し、荷重52Lに対応する端部1Eの浮き上がり量1Rを得るので、比較的小規模な試験で金属屋根材1の全体としての強度を確かめることができ、金属屋根材1の強度をより正しく簡便に評価することができる。
【0038】
また、測定された浮き上がり量1Rの変化量に対する荷重52Lの変化量で表される浮き上がり係数を求めるので、より簡便に金属屋根材1の強度を評価することができる。
【0039】
さらに、浮き上がり係数が6N/mm以上であるか否かを判定するので、金属屋根材1が50m/sの風に耐えることができるか否かをより簡便に評価することができる。
【0040】
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2による金属屋根材の仮想強度試験を実施するコンピュータを示す説明図である。実施の形態1では、実際に荷重52Lを金属屋根材1に付与した際の荷重52Lと浮き上がり量1Rを測定する試験について説明したが、この試験をコンピュータ6によって仮想的に実施してもよい。
【0041】
図10に示すコンピュータ6は、記憶手段及び演算手段を備えるものであり、記憶手段又は可読媒体に記憶された金属屋根材の仮想強度試験プログラムに従って動作することにより、モデル作成機能60、緊結機能61、荷重付与機能62、算出機能63及び判定機能64を実現する。
【0042】
モデル作成機能60は、仮想的に試験が実施される金属屋根材1の表基材10、裏基材11及び芯材12の機械的性質及び材料物性を表す性質情報の入力を受け付けて、その性質情報に基づいて金属屋根材1のモデルを作成する機能である。機械的性質には、表基材10、裏基材11及び芯材12の各部の寸法が含まれる。材料物性には、各部材のヤング率、ポアソン比及び密度が含まれる。
【0043】
緊結機能61は、モデルを緊結する位置を表す緊結情報を受け付けて、緊結情報に基づいて仮想空間内でモデルを基台に緊結する機能である。仮想空間内でモデルが基台に緊結されている状態は、
図5において金属屋根材1が基台50に緊結されている状態に相当する。モデルを緊結する位置は、実施の形態1と同様に屋根下地への金属屋根材1の実際の緊結に即して行うことが好ましい。モデルの緊結は、その緊結位置を拘束することによって与えられる。
【0044】
荷重付与機能62は、モデルの端部を浮き上げようとする荷重を仮想空間内で基台に緊結されたモデルの端部に付与する機能である。荷重が加えられる端部は、
図4に示すように金属屋根材1を屋根下地の上に配置した際に屋根の軒側に位置する軒側端部に相当するモデルの端部である。端部への荷重の付与は、端部の引き上げによって行われてもよいし、端部の押し上げによって行われてもよい。
【0045】
算出機能63は、荷重が端部に加えられるときの端部の浮き上がり量を算出する機能である。この算出には、有限要素法が用いられる。このような算出には、例えば汎用非線形解析ソフトMarc等の算出機能を用いることができる。
【0046】
また、算出機能63は、算出された浮き上がり量の変化量に対する荷重の変化量で表される浮き上がり係数を算出する。浮き上がり係数の算出に使用する荷重は、荷重付与機能62から得る。
【0047】
判定機能64は、算出機能63によって算出された浮き上がり係数が所定値以上であるか否かを判定する機能である。この判定に用いる所定値は、外部からの入力情報に基づいて変更可能である。この所定値としては、金属屋根材1が50m/sの風に耐えることができるかを評価するときには6N/mmを使用することができる。その他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0048】
このような金属屋根材の仮想強度試験プログラムでは、基台に緊結された金属屋根材1のモデルの端部を浮き上げようとする荷重を端部に仮想空間内で付与し、荷重に対応する端部の浮き上がり量を得るので、より簡便に金属屋根材1の強度を評価することができる。