特許第6209659号(P6209659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社レーベン販売の特許一覧

<>
  • 特許6209659-皺取り具 図000002
  • 特許6209659-皺取り具 図000003
  • 特許6209659-皺取り具 図000004
  • 特許6209659-皺取り具 図000005
  • 特許6209659-皺取り具 図000006
  • 特許6209659-皺取り具 図000007
  • 特許6209659-皺取り具 図000008
  • 特許6209659-皺取り具 図000009
  • 特許6209659-皺取り具 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6209659
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】皺取り具
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/22 20060101AFI20170925BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20170925BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20170925BHJP
【FI】
   A45D44/22 D
   C09J7/02 Z
   C09J201/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-192384(P2016-192384)
(22)【出願日】2016年9月30日
【審査請求日】2016年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン販売
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
【審査官】 横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−118520(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3185270(JP,U)
【文献】 実開平05−085315(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3194879(JP,U)
【文献】 国際公開第2015/111034(WO,A1)
【文献】 特開2002−045232(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/132256(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0044587(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/22
C09J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貼付け部と、第2貼付け部と、前記第1貼付け部と前記第2貼付け部との間に設けられる規制部と、を含む皺取り具であって、
前記皺取り具は、基材層と弾性材層と粘着材層と剥離材層とが重ねられて構成され、
前記弾性材層は、前記第1貼付け部、前記規制部及び前記第2貼付け部にわたって配置され、
前記規制部には、前記基材層と前記粘着材層が配置されておらず、
前記規制部における前記弾性材層は、復元力を有し、
前記規制部における前記弾性材層は、平面形状に設けられて平面方向において伸縮する
ことを特徴とする皺取り具。
【請求項2】
請求項1に記載の皺取り具であって、
前記規制部における前記弾性材層は、コ字形状、又は2以上のコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状に設けられる
ことを特徴とする皺取り具。
【請求項3】
第1貼付け部と、第2貼付け部と、前記第1貼付け部と前記第2貼付け部との間に設けられる規制部と、を含む皺取り具であって、
前記皺取り具は、基材層と弾性材層と粘着材層と剥離材層とが重ねられて構成され、
前記弾性材層は、前記第1貼付け部、前記規制部及び前記第2貼付け部にわたって配置され、
前記規制部には、前記粘着材層が配置されておらず、
前記規制部における前記弾性材層が復元力を有し、
前記規制部における前記弾性材層は、平面形状から前記基材層側に突出する突出形状に変更可能に設けられ、
前記規制部は、前記突出形状を固定するための折曲固定部を含む
ことを特徴とする皺取り具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の皺取り具であって、
前記規制部の少なくとも一部を貫通する調整口を含む
ことを特徴とする皺取り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皺取り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔等における皺を取るものとして、「皮膚の表面に貼り、皮膚の表面の皺を引っ張って伸ばし固定するストレッチ・テープにおいて、該テープは、ストレッチ性のある基材に粘着剤を35g/m以上の厚塗りで塗布したことを特徴とする美容・整形用ストレッチ・テープ。」が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ストレッチ・テープは、皺の周辺に貼って皺の周辺から引っ張って皺を伸ばした状態で固定しようとするものである。
【0005】
しかし、対象部位を決めて上記ストレッチ・テープを貼り付けたとしても、周辺の筋肉が動いた場合は、位置ずれが発生してしまうので、効果的に皺取りができなくなる。特に、皺が発生しやすい目元や口元等は、筋肉の動きも多いので、位置ずれが発生する可能性も大きくなる。
【0006】
さらに、皺の上表面、すなわち皮膚に貼る皺取りテープは、皺をなぞる様にテープを貼ることで、テープが皺をなぞる様に張り付けた場合、皺を逆に明確に助長させかねないことになりやすい。一方で皺の頂点付近をテープの粘着力で固定する場合、皺の頂点すなわち、皺の山部をしっかり押さえることで、逆に皺の溝を深く鮮明にしかねないこともある。
【0007】
本発明は、記課題を解決するためのもので、より効果的に皺取りが行える皺取り具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る皺取り具は、基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む皺取り具であって、第1貼付け部と、第2貼付け部と、規制部と、を含み、前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、前記規制部における前記弾性材層が復元力を有する。
【0009】
また、前記規制部における前記弾性材層は、平面形状に設けられてもよい。
【0010】
また、前記規制部における前記弾性材層は、コ字形状、又は2以上のコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状に設けられてもよい。
【0011】
また、前記規制部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する突出形状に設けられてもよい。
【0012】
また、前記規制部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略逆V字形状に設けられてもよい。
【0013】
また、前記規制部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略円弧形状に設けられてもよい。
【0014】
また、前記規制部における前記弾性材層は、前記基材層側に突出する略M字形状に設けられてもよい。
【0015】
また、前記弾性材層と前記粘着剤層との間に、裏材層を含んでもよい。
【0016】
また、前記規制部は、前記裏材層を含まなくてもよい。
【0017】
また、前記規制部における前記弾性材層は、平面形状から前記基材層側に突出する突出形状に変更可能に設けられてもよい。
【0018】
また、前記規制部は、前記突出形状を固定するための折曲固定部を含んでもよい。
【0019】
また、前記規制部の少なくとも一部を貫通する調整口を含んでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、より効果的に皺取りが行える皺取り具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態1に係る皺取り具を示す図である。
図2】実施形態1に係る皺取り具の使用状態を示す図である。
図3】実施形態1の変形例1係る皺取り具を示す図である。
図4】実施形態1の変形例2に係る皺取り具を示す図である。
図5】実施形態2に係る皺取り具を示す図である。
図6】実施形態2の変形例1に係る皺取り具を示す図である。
図7】実施形態2の変形例2に係る皺取り具を示す図である。
図8】実施形態3に係る皺取り具を示す図である。
図9】実施形態4に係る皺取り具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本願に係る皺取り具の実施形態の例を説明する。本願では、皺取り具及びその構成部分において、皮膚に近接する側を「裏側」とし、その逆側を「表側」とする。なお、各図においては、一部の層にのみハッチング又は網掛け処理をして表示することがある。
【0023】
<実施形態1>
図1及び図2は、実施形態1に係る皺取り具1を示す図で、図1は皺取り具1を示す図、図2は皺取り具1の使用状態を示す図である。
【0024】
皺取り具1は、基材層11と、弾性材層14と、粘着剤層12と、剥離材層13と、を含んで構成される。なお、図示のように、弾性材層14と粘着剤層12との間に裏材層15を含んでもよい。
【0025】
基材層11は、皺取り具1の表側を構成する層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。基材層11は、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。図示のように、本実施形態において基材層11は、1枚のシート状になっている。
【0026】
弾性材層14は、基材層11の裏側に当接して配置される層で、例えば、薄板状の金属部材、薄板状の樹脂部材等が用いられる。弾性材層14は、基材層11の縁部よりも内側に後退して基材層11よりも狭い範囲に配置される。一例として、図示のように、弾性材層14は、基材層11の中央部の細長い範囲に分布される。弾性材層14は、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11に貼り付けられて固定されてもよいし、基材層11と後述の裏材層15aとの間に挟まれて固定されてもよい。
【0027】
裏材層15は、弾性材層14が存在する領域ではその裏側に、弾性材層14が存在しない領域では基材層11の裏側に、当接して配置される層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。裏材層15は、弾性材層14を覆うように配置される。図示の裏材層15は、基材層11と対応した形状で、弾性材層14を隔てて基材層11全体をも覆うように配置されているが、これに限定されるものではなく、弾性材層14を覆う大きさで配置されればよい。さらには、弾性材層14の両端だけを覆うものであってもよい。基材層11は、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。裏材層15は、図示しない接着剤等で弾性材層14と貼り付けられていてもよい。また、裏材層15は、弾性材層14が存在しない領域では、少なくとも一部が熱圧着等により基材層11と接合されて一体となってもよい。
【0028】
粘着剤層12は、裏材層15が存在する領域では裏材層15を、裏材層15が存在しない領域では、基材層11の裏側に塗布(積層)される層で、例えば、シリコーン樹脂製の粘着剤、アクリル樹脂製の粘着剤、合成ゴム製の粘着剤等が用いられる。図示のように、本実施形態における粘着剤層12は、中央部分を隔てて鼻側及び顎側の二つの分断された帯状に塗布される。
【0029】
剥離材層13は、裏側から粘着剤層12を覆う層で、紙や合成樹脂フィルム等の素材が用いられる。また、図示しないが、粘着剤層12からきれいに剥がれるように、剥離材層13にはシリコーン樹脂等が塗布される。図示の剥離材層13は、1枚のシート状になっているが、粘着剤層12のみを覆うように、二つの分断された帯状に形成されてもよい。さらに、裏材層15に沿って設けられてもよい。
【0030】
皺取り具1aは、図示のように、第1貼付け部21と、第2貼付け部22と、規制部30と、を含む。
【0031】
第1貼付け部21は、一方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第1貼付け部21は、一例として、図示のように、端部が二つの円弧が連なる形状に形成され、端部中心が切欠いた形状に形成される。
【0032】
第1貼付け部21において、弾性材層14は、分布領域が基材層11よりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14は、縁部から内側(規制部30側)に後退させて配置される。
【0033】
第2貼付け部22は、他方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第2貼付け部22は、一例として、図示のように、端部が丸みのある略逆三角形状に形成される。
【0034】
第2貼付け部22において、弾性材層14は、分布領域が基材層11よりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14は、縁部から内側(規制部30)に後退させて配置される。
【0035】
本実施形態において、規制部30は、皮膚とは所定の距離を保ちながら上方から覆う部分で、粘着剤層12は含まず、一例として、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、剥離材層13を含んで構成される。なお、規制部30は、剥離材層13を含まなくてもよい。
【0036】
規制部30における弾性材層14は、基材層11側に突出する形状をなす。一例として、図示のように、規制部30における弾性材層14は、基材層11側に突出する略逆V字形状をなす。言い換えれば、弾性材層14aは、31及び32の二つの辺が所定角度で連なる形状である。なお、規制部30において、弾性材層14によって基材層11も押し上げられてこれと同様な形状をなし、裏材層15が弾性材層14と貼り付けられている場合は、裏材層15も同じ形状をなす。
【0037】
なお、第1貼付け部21や第2貼付け部22は、必ずしも平面状でなくてもよい。貼り付けられる部位に合わせて一部又は全体が湾曲する等の形状であってもよい。また、基材層11や裏材層15は、弾性材層14全体を覆わずとも、第1貼付け部21や第2貼付け部22付近を覆うだけでもよい。
【0038】
皺取り具1は、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、図2に示すように、皺を取り対象部位の皮膚が引っ張られるように第1貼付け部及び第2貼り付け部を貼り付ける。この状態で、無意識に動こうとすると、弾性材層14の略逆V字形状の両辺にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、略逆V字形状の両辺を近接方向あるいは離間方向に変形させることはできず、これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、略逆V字形状の両辺にその復元力に抗する力を与えてこれを変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きを止めると、弾性材層14の略逆V字形状の両辺はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
【0039】
規制部30における弾性材層14を5mm解放させる(離間方向に拡開させる)のに必要な力は、10g〜200gであり、好ましくは、20〜80gである。
【0040】
皺取り具1は、無意識の動きを抑制することで、位置ずれを抑制することができる。また、規制部を貼り付ける必要がないため、例えば、目や口等を跨ってこれとは干渉せずに適切な部位に配置することができる。
【0041】
なお、製造方法としては、先に湾曲させて成型した弾性材層14に基材層11や裏材層15、剥離材層13等を貼り付ける方法、平らな弾性材層14に基材層11や裏材層15、剥離材層13等を貼り付けた後に、弾性材層14部を湾曲させる方法等が考えられる。形状の打ち抜きなどは適宜、各工程に組み合わされるものとする。
【0042】
<実施形態1の変形例1>
図3は、実施形態1の変形例1に係る皺取り具1aを示す図である。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。皺取り具1aは、規制部30aの形状及びさらに調整口40aを含む点が、実施形態1に係る皺取り具1と異なる。
【0043】
規制部30aは、粘着剤層12は含まず、表側から順に基材層11、弾性材層14、裏材層15、剥離材層13を含んで構成される。なお、規制部30aは、剥離材層13を含まなくてもよい。規制部30aは、基材層側に突出する突出形状に設けられ、ここでは、弾性材層14は円弧状に設けられる。
【0044】
調整口40aは、皺取り具1aの略中央部に貫通孔として形成される。好ましくは、調整口40aは、規制部30aにおける弾性材層14の少なくとも一部を貫通するように形成される。例えば、図示のように、調整口40aは、規制部30aにおける弾性材層14の中央部を貫通する縦長の貫通孔で、規制部30aにおける弾性材層14を二つの帯状部分に分断するように形成される。
【0045】
皺取り具1aは、調整口40aを設けることで、弾性材層14の付勢力の強さを調整できる。なお、調整口40aの形状は、これに限定されるものではなく、真円形状等であってもよい。また、調整口40aは、一つの貫通孔で構成される例が図示されているが、複数であってもよい。また、縦長の一つの貫通孔ではなく、略円形状の貫通孔を縦に複数設けたりしてもよい。また、規制部30aは、第1貼付け部21a及び第1貼付け部22aより幅広く形成されてもよい。
【0046】
<実施形態1の変形例2>
図4は、実施形態1の変形例2に係る皺取り具1bを示す図である。皺取り具1bは、規制部30bのみが、実施形態1に係る皺取り具1と異なる。
【0047】
規制部30bにおける弾性材層14bは、基材層11側に突出する形状をなす。一例として、図示のように、規制部30bは、規制部30bにおける弾性材層14bが、基材層11側に突出する略M字形状をなしている。言い換えれば、略逆V字形状の先端が裏材層側に陥没して谷状の段差部33bが備えるようになっている。その他の構成については、実施形態1に係る規制部30bと同様であるため、説明を省略する。
【0048】
皺取り具1bは、規制部30bに段差部33bを有することによって、動く幅を大きくすることができ、使い心地がさらによくなる。
【0049】
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る皺取り具1cを示す図である。皺取り具1cは、規制部30cのみが実施形態1に係る皺取り具1と異なる。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
規制部30cは、平面形状から基材層11側に突出する突出形状に変更可能に形成される。一例として、規制部30cは、第1辺部31cと、第2辺部32cと、第1辺部31cと第2辺部32cの間の頂部34cと、を含み、第1辺部31cと頂部34cとの間、第2辺部32cと頂部34cとの間に、それぞれ折曲線が形成され、この折曲線を沿って頂部34cを押し上げるように折り曲げることによって、規制部30cが基材層11側に突出する形状に変更される。
【0051】
なお、頂部34cを含まず、規制部30cは、第1辺部31cと、第2辺部32cと、を含み、両者の間に、折曲線が形成され、この折曲線を沿って折り曲げることによって、基材層11側に突出する形状に変更されるようにしてもよい。
【0052】
また、規制部30cは、折曲固定部35cを含んでもよい。一例として、折曲固定部35cは、第1辺部31c及び第2辺部32cのそれぞれに設けられた貫通孔と351cと、これを連結する連結部352cとを含んで構成される。使用の際には、例えば、図示のように、二つの辺部31c及び32cを一定の角度まで折り曲げてから、連結部352cで貫通孔351cを連結して、突出形状を固定する。
【0053】
皺取り具1cは、上記実施形態1に係る皺取り具1と同様に、皺を取り対象部位の皮膚が引っ張られるように第1貼付け部及び第2貼り付け部を貼り付ける。この状態で、無意識に動こうとすると、第1貼付け部と第2貼付け部との間の間隔を変えようとする、弾性材層14の両辺部にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、両辺部を近接方向あるいは離間方向に変形させることはできず、これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、両辺部にその復元力に抗する力を与えてこれを変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きが止まると、弾性材層14の両辺部はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。皺取り具1は、無意識の動きを抑制することで、位置ずれを抑制することができる。また、規制部を貼り付ける必要がないため、例えば、目や口等を跨ってこれとは干渉せずに適切な部位に配置することができる。
【0054】
皺取り具1cは、規制部30cが平面形状から基材層側に突出する突出形状に変更可能に形成されるため、さらに、利便性が向上する。
【0055】
<実施形態2の変形例1>
図6は、実施形態2の変形例1に係る皺取り具1dを示す図で、図6(a)は平面形状を、図6(b)は折曲途中状態を、図6(c)は折曲後固定状態を示す図である。皺取り具1dは、折曲固定部35dのみが実施形態2に係る皺取り具1cと異なる。
【0056】
折曲固定部35dは、第1辺部31c及び第2辺部32cのそれぞれに設けられた係止片351d、352dで構成され、二つの係止片351d、352dを係合させることによって、折り曲げ後の突出形状を固定することができる。
【0057】
図示のように、二つの係止片351dは、相反する方向に曲がっているフック状に形成され、フックの根元が第1辺部31c又は第2辺部32cとつながり、その他の部分は第1辺部31f又は第2辺部32fから遊離する形態に設けられて、遊離部分を裏側に押し曲げて、両者を引っ掛けることによって、固定される。
【0058】
使用の際には、例えば、図6(b)に示すように、第1辺部31c及び第2辺部32cを一定の角度まで折り曲げてから、二つの係止片351d、352dを押し曲げた後に、図6(c)に示すように、二つの係止片351d、352dを係合させて、突出形状を固定する。
【0059】
<実施形態5の変形例2>
図7は、実施形態2の変形例2に係る皺取り具1eを示す図で、図7(a)は平面形状を、図7(b)は折曲途中状態を、図7(c)は折曲後固定状態を示す図である。皺取り具1eは、折曲固定部35eのみが実施形態2に係る皺取り具1cと異なる。
【0060】
折曲固定部35eは、第1辺部31c及び第2辺部32cの一方に係止片351eを、他方に係止孔352eを設けて、係止片351eと係止孔352eとを係合させることによって、口当て部30eの突出形状を固定する。なお、ここでは、説明の便宜上、第1辺部31cに係止片351eが設けられ、第2辺部32cに係止孔352eが設けられるものとする。
【0061】
図示のように、係止片351eは、根元のみが第1辺部31cとつながり、その他の部分は第1辺部31cから遊離する形態に設けられる。また、係止孔352eは、貫通孔として設けられ、係止片351eに対応した形状に設けられる。より具体的には、図示のように、係止片351eを、全体が略T字形状で、縦棒部分に膨らみを持たせた形状に形成することができる。これに合わせて、係止孔352eは、全体が略工字形状に形成して、係止片351eの横棒部分が係止孔352eの小さい横棒部分に係止され、さらに膨らみ部分で固定されるようにすることができる。
【0062】
<実施形態3>
図8は、実施形態3に係る皺取り具1fを示す図で、図8(a)は表側を示す図、図8(b)は皺取り具を構成する各層を示す図、図8(c)は剥離材層を除いた裏側を示す図である。上記実施形態と同様な構成については、同様な符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
皺取り具1fは、基材層11fと、弾性材層14fと、粘着剤層12と、剥離材層13と、を含んで構成される。
【0064】
基材層11fは、皺取り具1fの表側を構成する層で、例えば、不織布や、合成樹脂製フィルム、和紙、綿布等の素材が用いられる。基材層11fは、伸縮性を有する素材が用いられてもよい。図示のように、本実施形態において基材層11fは、分断された2枚のシート状になっている。
【0065】
粘着剤層12は、基材層11fの裏側に塗布(積層)される層で、例えば、シリコーン樹脂製の粘着剤、アクリル樹脂製の粘着剤、合成ゴム製の粘着剤等が用いられる。
【0066】
弾性材層14fは、一部が皺取り具1fの表側を構成し、一部が基材層11fの裏側に配置される層で、例えば、薄板状の金属部材、薄板状の樹脂部材等が用いられる。弾性材層14fは、基材層11fの縁部よりも内側に後退して、皺取り具1fの中央部に配置される。弾性材層14fは、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11fに貼り付けられて固定されてもよいし、図8(c)に示すように、粘着剤層12によって基材層11fに貼り付けられて固定されてもよい。
【0067】
剥離材層13は、裏側から粘着剤層12を覆う層で、紙や合成樹脂フィルム等の素材が用いられる。また、図示しないが、粘着剤層12からきれいに剥がれるように、剥離材層13にはシリコーン樹脂等が塗布される。図示のように、本実施形態において剥離材層13は、2枚のシート状になっている。また、剥離材層13は、図示のように、弾性材層14fが存在する部分をも覆ってもよいし、弾性材層14fが存在せず粘着剤層12が裏側において露出する層のみを覆ってもよい。
【0068】
皺取り具1fは、図示のように、第1貼付け部21fと、第2貼付け部22fと、規制部30fと、を含む。
【0069】
第1貼付け部21fは、一方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11f、弾性材層14f、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第1貼付け部21fは、一例として、図示のように、楕円形状に形成される。
【0070】
第1貼付け部21fにおいて、弾性材層14fは、配置領域が基材層11fよりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14fは、縁部から内側(規制部30f側)に後退して配置される。
【0071】
第2貼付け部22fは、他方側の皮膚に貼り付けられる部分で、表側から順に基材層11f、弾性材層14f、粘着剤層12、剥離材層13を含んで構成される。第2貼付け部22fは、一例として、図示のように、楕円形状に形成される。
【0072】
第2貼付け部22fにおいて、弾性材層14fは、配置領域が基材層11fよりも狭く、一例として、図示のように、弾性材層14fは、縁部から内側(規制部30f側)に後退して配置される。
【0073】
規制部30fは、対象部位を覆う部分で、粘着剤層12は含まず弾性材層14fのみを含んで構成される。
【0074】
一例として、規制部30fにおける弾性材層14fは、コ字形状、又はコ字形状を繰り返し反転屈曲させた形状をなす。例えば、図示のように、規制部30fにおける弾性材層14fは、2つのコ字形状を反転屈曲させた己字形状をなしている。弾性材層14fは、コ字形状の向かい合う辺が近接方向に付勢される。
【0075】
皺取り具1fは、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、規制部を対象部位の上方に、対象部位を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。この状態で、無意識に動こうとすると、弾性材層14fのコ字形状の各辺にその復元力に抗する力を与えなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、各辺を離間方向へ変形させることはでむずかしい。これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、コ字形状の各辺にその復元力に抗する力を与えてこれを離間方向へ変形させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きを止めると、弾性材層14fのコ字形状の各辺はその復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
【0076】
皺取り具1fは、無意識の動きを抑制することで、位置ずれを抑制することができる。また、規制部を貼り付ける必要がないため、例えば、目や口等を跨ってこれとは干渉せずに適切な部位に配置することができる。
【0077】
さらに、皺取り具1fは、構成を簡略化することで、製造コストを低減することもできる。
【0078】
<実施形態4>
図9は、実施形態4に係る皺取り具1gを示す図である。皺取り具1gは、弾性材層14g及び規制部30gのみが実施形態3に係る皺取り具1fと異なる。
【0079】
弾性材層14gは、一部が皺取り具1gの表側を構成し、一部が基剤層11fの裏側に配置される層で、例えば、ゴム等伸縮力が強い素材が用いられる。弾性材層14gは、基材層11fの縁部よりも内側に後退して、皺取り具1gの中央部の細長い範囲に分布される。弾性材層14gは、図示しない接着剤や粘着剤等で基材層11fに貼り付けられて固定されてもよいし、粘着剤層12によって基材層11fに貼り付けられて固定されてもよい。
【0080】
規制部30gは、対象部位を覆う部分で、弾性材層14gのみを含んで構成される。
【0081】
皺取り具1gは、使用の際は、剥離材層13が剥がされ、規制部を対象部位の上方に、対象部位を隔てて第1貼付け部が一方の皮膚に貼り付けられ、第2貼付け部が他方の皮膚に貼り付けられる。この状態で、無意識に動こうとすると、弾性材層14gの復元力に抗する力を与えてこれを伸長させなければならない。しかし、無意識の動きは、その力が弱いため、伸長させることはむずかしい。これによって無意識の動きが抑制される。一方、意識的に動く必要がある場合は、その力が大きく、弾性素材14gにその復元力に抗する力を与えてこれを伸長させ、動くことができるようになる。そして、意識的な動きが止まると、弾性材層14gの復元力によって元の状態に戻り、無意識の動き抑制状態に戻る。
【0082】
皺取り具1fは、無意識の動きを抑制することで、位置ずれを抑制することができる。また、規制部を貼り付ける必要がないため、例えば、目や口等を跨ってこれとは干渉せずに適切な部位に配置することができる。
【0083】
さらに、皺取り具1fは、構成を簡略化することで、製造コストを低減することもできる。
【0084】
以上、本発明に係る皺取り具の実施形態について説明したが、これらは本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、以上の各実施形態を組み合わせた形態や、様々な変形例が含まれる。
【0085】
例えば、前記各実施形態においける皺取り具は、透明なものとして構成されてもよい。また、規制部は、基材層側に突出する形状であれば、他の形状であってもよい。
【0086】
なお、本発明は、皺取り具だけでなく、例えば、お腹のたるみを引く、お尻をヒップアップする、乳房を引き上げるなどの皺だけでなく、皮膚をリストアップするだけでなく、皮膚にまつわる筋肉もリストアップする用途としても有効である。
【符号の説明】
【0087】
1、1a、1b 皺取り具
11 基材層
12 粘着剤層
13 剥離層
14、14a 弾性材層
15、 裏材層
21 第1貼付け部
22 第2貼付け部
30、30a、30b 規制部
31 第1側辺
32 第2側辺
33b 段差部
40a 調整口
【要約】
【課題】 より効果的に皺取りが行える皺取り具を提供する
【解決手段】 基材層と、粘着剤層と、剥離材層と、を含む皺取り具であって、第1貼付け部と、第2貼付け部と、規制部と、を含み、前記基材層と前記粘着剤層との間に、弾性材層を含み、前記規制部における前記弾性材層が復元力を有する皺取り具。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9