(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の要素が、前記マーカーバンドを検知するように適合された近位センサでありかつ前記マーカーバンドは前記カテーテル体の外表面上にある、請求項1に記載のシステム。
前記カテーテルは、前記電子制御ユニットと電気的接続に適合されかつ、前記マーカーバンドが位置される第1の位置に関する前記マーカーバンドから前記カテーテルの前記遠位端までの距離を含む情報を記憶するように適合されたEEPROMをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
前記カテーテルは、(i)複数のリング電極と、(ii)前記電子制御ユニットとの電気的接続に適合されかつ前記マーカーバンドが位置される第1の位置に関する前記マーカーバンドから前記複数のリング電極の少なくとも1つの電極までの距離を含む情報を記憶するように適合されたEEPROMと、をさらに備える、請求項3に記載のシステム。
前記イントロデューサはハンドル近位端及びハンドル遠位端を備えるハンドルを備える操向可能なイントロデューサを備えており、かつ前記近位センサは前記ハンドル近位端において固定的に取り付けられている、請求項2に記載のシステム。
前記カテーテルは、前記複数のカテーテル電極のうちの少なくとも1つが前記イントロデューサ内に配置されたときに報告するように構成された指示ライトをさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。
前記イントロデューサは、前記イントロデューサの全長及び前記第1の要素の位置を含む前記イントロデューサに関する寸法情報を記憶するように適合された第1のオンボード・ストレージをさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載のシステム。
前記カテーテルは、前記カテーテルの全長及び第2の要素の位置を含む前記カテーテルに関する寸法情報を記憶するように適合された第2のオンボード・ストレージをさらに備える、請求項10又は11に記載のシステム。
前記第2の要素は、円周方向に延びるリング、弧状の構成要素、埋め込まれた構成要素、凹形の構成要素、表面装着の構成要素、及び表面適用の構成要素からなる群より選択された電磁気的検出が可能な構成要素である、請求項12〜15のいずれかに記載のシステム。
ディスプレイをさらに備えており、かつ前記電子制御ユニットは、前記電子制御ユニットが前記計測されて得られる電圧を無視したとき前記ディスプレイ上で連絡するようにさらに動作可能である、請求項17又は18に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】身体内において医用デバイスをナビゲーションするためのシステムの一実施形態の概略図である。
【0015】
【
図2】センサがその近位端に固定された操向可能なイントロデューサを示す図である。
【0016】
【
図3】センサがその近位端に取外し可能に接続されている固定湾曲のイントロデューサを示す図である。
【0017】
【0018】
【
図5】マーカーバンドをそのシャフト上にかつオンボード情報記憶をそのハンドル内に有するアブレーション・カテーテルを示す図である。
【0019】
【
図6】
図2の操向可能なイントロデューサを通るように挿入された
図5のカテーテルを備えるカテーテル・アセンブリを示す図である。
【0020】
【
図7】イントロデューサシャフトの遠位端と隣り合った最も近位のカテーテル電極を示している
図6の円で囲った領域の拡大図である。
【0021】
【
図8】たとえば
図2、
図5及び
図6に示したカテーテル及びイントロデューサを概略的に示し、センサを基準としたマーカーバンドの位置の変化がイントロデューサの遠位端を基準とした最も近位のカテーテル電極の位置の変化にどのように対応するかを例示する図である。
【
図9】たとえば
図2、
図5及び
図6に示したカテーテル及びイントロデューサを概略的に示し、センサを基準としたマーカーバンドの位置の変化がイントロデューサの遠位端を基準とした最も近位のカテーテル電極の位置の変化にどのように対応するかを例示する図である。
【0022】
【
図10】
図6と同様の図であるが、カテーテルがカテーテル・シャフトの近位部分上の複数のマーカーバンドとカテーテル・ハンドル・ハウジング上の複数の指示ライトとを備えるアセンブリを示す図である。
【0023】
【
図11】
図8及び
図9と同様の図であるが、
図10に示したイントロデューサ及びカテーテルについてカテーテルが各電極ごとに単独のマーカーバンドを備えるようにした概略図である。
【0024】
【
図12】
図6及び
図10と同様の図であるが、
図6〜
図11に示したものと比べてカテーテル・シャフト上でより遠位の位置に複数のマーカーバンドを有するカテーテルを、センサがイントロデューサハンドルの遠位端に配置されているようにして示す図である。
【0025】
【0026】
【
図14】
図12にも示したカテーテル及びイントロデューサであるが、カテーテル・シャフトの遠位端にあるリング電極がすべてイントロデューサシャフトの遠位端から退出するようにしてカテーテルがイントロデューサにより遠位に挿入されているカテーテル及びイントロデューサを示す図である。
【0027】
【
図15】カテーテルの遠位端がそこから突き出るイントロデューサの遠位端について、センサがイントロデューサの遠位端において側壁に埋め込まれていることを仮想線で示している断片等角図である。
【0028】
【
図16】
図15とほとんど同様の図であるが、カテーテル・シャフト内で最も近位のリング電極に対してすぐ近位に埋め込まれたセンサを示す図である。
【0029】
【
図17】イントロデューサの遠位表面から遠位に突き出るセンサ/検出器を有するとともに、カテーテル電極がイントロデューサから出る又はイントロデューサに入る際に傍を通過するカテーテル電極を検知又は検出するように配置されたイントロデューサの遠位端を示した断片図である。
【0030】
【
図18】カテーテルがイントロデューサに対して移動するに従って、第1の要素と第2の要素とが互いの近くを通過するようにして、第1の要素がその内側壁に埋め込まれたイントロデューサシャフトと、相補的要素がその外側壁に埋め込まれたカテーテル・シャフトとの概要を示した断片等角図である。
【0031】
【
図19】マーカーバンド又はストライプをその上に有するイントロデューサの内側壁の概略図であり、カテーテルがマーカーバンド又はストライプの傍を通過しており、カテーテルがその外側壁に埋め込まれたセンサを有する概略図である。
【0032】
【
図20】
図19と同様の図であるが、イントロデューサを基準としたカテーテルの動く方向を迅速に検出するためにその側壁に複数のセンサが埋め込まれているカテーテルを示す図である。
【0033】
【
図21】市販のカテーテルの遠位端と、カテーテルの表面の上方に浮遊し、カテーテルの外表面にマーカーバンドを適用するために使用されるステンシルとの断片等角図である。
【0034】
【
図22】イントロデューサ(仮想線で示す)を通過する市販のカテーテルの遠位端を示しかつカテーテル・シャフトの上方に浮遊するカテーテル上にマーカーバンドを適用又は「ペイント」するように適合された補助デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、様々な図において同じ又は同様の特徴を同じ参照番号で示している図面を参照すると、
図1は身体12内で医用デバイスをナビゲーションするためのシステム10の一実施形態を示している。図示した実施形態において、医用デバイスは、身体12から突き出させたように描かれた心臓に入るように概略的に示したカテーテル14を備える。カテーテル14はこの実施形態では、身体12内で心臓組織16の処置に使用するための潅注型高周波(RF)アブレーション・カテーテルとして示している。しかしシステム10は診断や処置のために身体12内で使用される広範な様々な医用デバイスと連携した用途を見出し得ることを理解すべきである。たとえばシステム10は、電気生理学的マッピング用カテーテル、心臓内心エコー図(ICE)カテーテル、又は異なるタイプのアブレーション・エネルギー(たとえば、冷凍アブレーション、超音波、その他)を用いるアブレーション・カテーテルをナビゲーションするために使用されることがある。システム10は、身体12の心臓組織16以外の部分の診断又は処置に使用される医用デバイスをナビゲーションするために使用されることがある。
【0036】
さらに
図1を参照すると、アブレーション・カテーテル14は、生理食塩水などの生体適合性の潅注流体をポンプ20(たとえば、図示の流体ソース18からの重力フィード供給を備える固定速度ローラー・ポンプ又は可変体積シリンジ・ポンプを備え得る)を通して送達するために流体ソース18に接続されている。カテーテル14はまた、RFエネルギーの送達のためにアブレーション発生機22に電気的に接続されている。カテーテル14は、ハンドル24と、ハンドル24の近位端にあるケーブル・コネクタ又はインターフェース26と近位端30、遠位端32及び1つ又は複数の電極34を有するシャフト28と、を含むことがある。コネクタ26は、ポンプ20及びアブレーション発生機22から延びる導管又はケーブルに対する機械接続、流体接続、及び電気接続を提供する。カテーテル14はまた、温度センサ、追加の電極及び対応する導体やリードなど、本明細書では示していない他の従来の構成要素を含むことがある。
【0037】
ハンドル24は、医師がカテーテル14を保持するための位置を提供しており、またさらに身体12内においてシャフト28を操向又はガイドするための手段を提供することがある。たとえばハンドル24は、カテーテル14中をハンドル24からシャフト28の遠位端32まで延びる1つ又は複数の引張りワイヤの長さを変化させるための手段を含むことがある。ハンドル24の構造は様々とし得る。
【0038】
シャフト28は、ポリウレタンなどの従来の材料から製作されることがあり、また電気的導体、流体又は外科用ツールを収容及び/又は送り込むように構成された1つ又は複数のルーメンを画定することがある。シャフト28は、身体12内で従来のイントロデューサ(たとえば、
図2及び
図3参照)を通過して血管や他の構造に導入されることがある。シャフト28は次いで、ガイドワイヤ又は引張りワイヤ又はリモート制御ガイドシステムを含む当技術分野で周知の他の手段を用いて身体12を通って組織16などの所望の位置まで操向又はガイドされることがある。シャフト28はまた、流体(潅注流体及び体液を含む)、薬剤、及び/又は外科用ツールや器具の送り込み、送達及び/又は除去を許容することがある。
【0039】
システム10は、電場ベースの位置決めシステム36、磁場ベースの位置決めシステム38、ディスプレイ40、及び電子制御ユニット(ECU)42を含むことがある。例示的なシステム構成要素の各々について以下でさらに説明する。
【0040】
電場ベースの位置決めシステム36は、身体12内におけるカテーテル14や同様のデバイスの位置及び向きを決定するために設けられる。システム36はたとえば、St.Jude Medical,Inc.(St.Paul,Minnesota)により販売されており、かつたとえば本明細書ではその全部を記載していないが参照によりその開示全体を本明細書に組み入れる「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location Mapping in the Heart」と題する米国特許第7,263,397号に記載されているENSITE NAVXシステムを備えることがある。システム36は、以下の原理に基づいて作動する。すなわち、低振幅の電気信号が胸郭を通過するとき、電圧分割器(または、ポテンショメータやレオスタット)−カテーテル14上の1つ又は複数の電極34で計測された電位又は電場強度が、オームの法則及び基準電極の相対的位置(たとえば、冠状静脈洞内など)を用いて、1対の外部パッチ電極を基準とした電極の、したがって、カテーテル14の位置を決定するようになっている−として機能するという原理に基づいて作動する。
【0041】
図1に示した構成では、電場ベースの位置決めシステム36はさらに、3次元座標系46内でのカテーテル14の位置の決定で使用される電気信号を発生させるために提供される3対のパッチ電極44を含む。電極44はまた、組織16に関するEPデータを発生させるために使用されることがある。身体12内に軸特異的な電場を生成するために、パッチ電極は、身体12の相対する表面(たとえば、胸と背中、胸郭の左側と右側、及び頚部と脚)上に配置されるとともに、全体的に直交するx軸、y軸及びz軸を形成する。基準電極/パッチ(図示せず)は典型的には、胃の近くに配置されるとともに、基準値を提供しかつナビゲーション・システムのための座標系46の原点の役割をする。
【0042】
図1に示したようなこの例示的なシステム36によれば、パッチ電極は右脇パッチ44X1、左脇パッチ44X2、頚部パッチ44Y1、脚パッチ44Y2、胸部パッチ44Z1、及び背部パッチ44Z2を含んでおり、また各パッチ電極はスイッチ48(たとえば、多重化スイッチ)及び信号発生機50に接続されている。パッチ電極44X1、44X2は第1の(x)軸に沿って配置されており、パッチ電極44Y1、44Y2は第2の(y)軸に沿って配置されており、またパッチ電極44Z1、44Z2は第3の(z)軸に沿って配置されている。各パッチ電極対を通るように正弦波電流が駆動されており、またカテーテル14に関連付けされた1つ又は複数の位置センサ(たとえば、カテーテル・シャフト28の遠位端32の近くに配置されたリング電極34又は先端電極)に関する電圧計測値が取得される。計測される電圧は、位置センサのパッチ電極からの距離の関数である。計測された電圧は、基準電極における電位と比較されており、またナビゲーション・システムの座標系46内での位置センサの位置が決定される。
【0043】
磁場ベースの位置決めシステム38は、この例示的な実施形態では、身体12内のカテーテル14の位置及び向きを検出するために磁場を利用する。システム38は、MediGuide,Ltd.により入手可能となっており、かつたとえば本明細書ではその全部を記載していないが参照によりその開示全体を本明細書に組み入れる「Medical Imaging and Navigation System」と題する米国特許第7,386,339号に概略が図示され記載されているGMPSシステムを含むことがある。このようなシステムでは、磁場発生機52は、3つの直交配列のコイル(図示せず)を有し、身体12内に磁場を生成するとともにこの磁場の強度、向き及び周波数を制御するように利用されることがある。磁場発生機52は、患者の上方又は下方(たとえば、患者テーブルの下)に、あるいは別の適当な位置に配置させることがある。磁場はコイルによって発生させており、またカテーテル14に関連付けされた1つ又は複数の位置センサ(図示せず)に関する電流又は電圧計測値が取得される。計測した電流又は電圧はコイルからのセンサの距離と比例しており、このためシステム38の座標系54内におけるセンサの位置の決定が可能となる。
【0044】
ディスプレイ40は、診断及び処置を支援するために医師に情報を伝えるために設けられている。ディスプレイ40は、1つ又は複数の従来のコンピュータモニタや他の表示デバイスを備えることがある。ディスプレイ40は、医師にグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を提示することがある。GUIは、たとえば組織16の幾何学形状の画像、組織16に関連付けされた電気生理学データ、様々な電極34に関する時間の経過に従った電圧レベルを示したグラフ、ならびにカテーテル14や他の医用デバイスの画像及び組織16を基準としたカテーテル14や他のデバイスの位置を表す関連情報を含む様々な情報を含むことがある。
【0045】
ECU42は、カテーテル14、アブレーション発生機22、及び電場ベースの位置決めシステム36のスイッチ48、及び磁場ベースの位置決めシステム38の磁場発生機52を含むシステム10の様々な構成要素の動作を制御するための手段を提供する。たとえばECU42は、スイッチ48に制御信号を提供し、これによりパッチ電極44の対を引き続いて信号発生機50に結合させるために適当なソフトウェアを通じて構成されることがある。電極44の各対を付勢させることによって、身体12内及び心臓などの関心領域内に電磁場を発生させる。ECU42はまた、組織16の幾何学形状、組織16の電気生理学的特性、ならびに組織16及び身体12を基準としたカテーテル14の位置及び向きを決定するための手段を提供する。ECU42はまた、ディスプレイ40を制御するために使用される表示信号を発生させるための手段を提供する。提示したECU42は、たとえば単一のデバイス・プロセッサ、複数のデバイス・プロセッサ(たとえば、コプロセッサ、マスタ/スレーブ・プロセッサ、その他)、複数の構成要素/システムに及ぶ分散処理、システムオンチップ(SOC)デバイス、その他などの任意の処理構成を意味する。
【0046】
身体12内でまた電場ベースの位置決めシステム36が発生させた電場内でカテーテル14が動くと、電極34からの電圧読み値が変化し、これによって電場内及びシステム36により確立された座標系46内におけるカテーテル14の位置が指示される。リング電極34は、ECU42に対して従来のインターフェース(図示せず)を通じて位置信号を伝送する。電場ベースの位置決めシステム36よって取得された読み値に基づいて決定されるカテーテル位置及び向きに望ましくないシフトやドリフトが導入されるのを回避するために、カテーテル電極34がイントロデューサの内部に来たときを知ることが重要となる可能性がある。特に、カテーテル電極34がイントロデューサの内部に配置されると、これら遮蔽された電極から脱落するがデータが劣化する/損なわれることがある。
【0047】
図2は、止血弁62のキャップ60に固定されたセンサ58(たとえば、近位センサ)を有する操向可能なイントロデューサ56を示している。近位センサ58を外部の構成要素として示しているが、これをハンドル64に対して内部とすることも可能である。
図2にはまた、Tuohy−Borstアダプタ68及び止めコック70を含んだTuohy−Borstサイドアーム・アセンブリ66も見えている。ハンドル64の遠位端に操向アクチュエータ72を示しており、また操向アクチュエータ72に対する直ぐ遠位に張力緩和部74(または、保定用ナット)を示している。
図2において張力緩和部74からシャフトの遠位端にある非外傷性先端78までイントロデューサシャフト76が右方向に延びている。
図2にはまた、非外傷性先端78の近くに電極80を示している。センサ58をたとえばECU42(
図1)に電気的に接続するためにコネクタ82が利用可能である。最後に
図2に示した操向可能なイントロデューサ56は、ハンドル・ハウジングの内部に装着されたオンボード情報記憶84(たとえば、EEPROMや他のメモリ・デバイス)を含むことがある。
図2に示したイントロデューサは、St.Jude Medical,Inc.(St.Paul,Minnesota)によって製造されたAGILIS ES操向可能イントロデューサと同様であり、また本明細書に記載した原理をその中に実装し得るイントロデューサや他の外装デバイスの代表的な例として示している。
【0048】
図3は固定湾曲のイントロデューサ86を示している。この固定湾曲のイントロデューサは、その近位端に止血弁62’を含む。この止血弁は、たとえば
図4に示したものなどクリップ留め式センサ92の把持アーム90を受け容れるように構成された環状の溝88を含んだキャップ60’を含む。
図4に示したクリップ留め式センサは、センサヘッド94と、
図3の止血弁キャップ60’内の環状の溝88に乗っているように示した把持アーム90を備える取付け用クリップ96と、を含む。
図3には
図1に示したシステムなどのナビゲーション・システム10にセンサ92を電気的に接続するための電気的コネクタを示している。固定湾曲のイントロデューサは
図3に示したように、Tuohy−Borstアダプタ68及び止めコック70を含んだTuohy−Borstサイドアーム・アセンブリ66をさらに含む。
図3に示した固定湾曲のイントロデューサは、St.Jude Medical,Inc.によって販売されているSWARTZ BRAIDEDイントロデューサと同様であり、また本明細書に記載した原理をその中に実装し得るイントロデューサや他の外装デバイスの別の代表的な例として示している。イントロデューサシャフト76’の遠位端には非外傷性先端78’を示している。クリップ留め式センサ92は、イントロデューサ86の近位端に取り付けることが可能な単独の再滅菌可能デバイスである。
【0049】
図5は、たとえば電気生理学的検査、カテーテル識別及び位置特定、ページング、心臓マッピング及びアブレーションを含む様々な診断及び治療目的のために複数の電極34を有するカテーテル14’を示している。カテーテル14’は本発明の目的において治療又は診断用カテーテルとすることが可能であるが、
図5に示したカテーテルはSt.Jude Medical,Inc.によって製造されたSAFIREアブレーション・カテーテルとほとんど同様であり、また本明細書に記載した原理をその中に実装し得るカテーテルや他の前進可能な身体内デバイスの代表的な例として示されている。
【0050】
図5では、カテーテル・シャフト28’の近位端の近くにマーカーバンド98を示している。このマーカーバンドは、カテーテル・シャフトの周囲全体を囲むように延ばすことが可能であり、又はこれを完全なリングではなく1つ又は複数の弧状片とすることも可能である。マーカーバンド98はまた、埋め込み式のスポット又はパック(puck)や他の凹形の検出可能構成要素(たとえば、巻尺上の横断性のマーキングのような線や目盛)とすることも可能である。マーカーバンド98はカテーテル・シャフト28’の表面に形成又は適用することが可能であり、またマーカーバンドはカテーテルの組立時にカテーテル・シャフトに追加することが可能であり、あるいは電気生理学(EP)検査室での処置の直前を含む後の時点で追加することも可能である。EP検査室におけるカテーテル・シャフト上へのその場(検査室内)(オン-ザ-フライ(on the fly))でのマーカーバンドの適用については、
図21及び
図22に関連して以下でさらに検討する。
【0051】
カテーテル・シャフト上のマーカーバンド(または、複数のバンド)98は、操向可能な又は固定湾曲のイントロデューサ56、86のそれぞれの止血弁(62又は62’又は62’’)によるシール部位を通り抜けるように、カテーテル・シャフト28’の外表面と面一又はほぼ面一となっていることが好ましい。しかし、医師や臨床医が最も近位のリング電極がイントロデューサの遠位端を出るときを知りたいのみである場合は、止血弁を通過しない拡大型マーカーバンド(図示せず)が使用される可能性もある。この点において、拡大型マーカーバンドは実際に止血弁の近位と物理的に接触状態となる可能性があり、またあるいはセンサ58によって同時に検知されてナビゲーション・システム10に報告される可能性がある。
図2に示したイントロデューサに関連して説明したのと同様に、
図5に示したカテーテルもまた、EEPROMなどのオンボード・ストレージ84’(
図5ではカテーテル・ハンドル・ハウジング内に装着されているように示した)を含むことがある。EEPROMはたとえば、カテーテル・シャフトに沿ったマーカーバンドから先端電極までの距離、及び/又はマーカーバンドから最も近位のリング電極までの距離、及び/又はマーカーバンドからカテーテル・シャフト上の複数のリング電極の各々までの距離を含むマーカーバンドの位置に関する情報を記憶することが可能である。カテーテルが電気的コネクタ26を介して
図1に示したナビゲーション・システムに接続されると、ナビゲーション・システムはこれによってマーカーバンドに関して及びカテーテル・シャフトに沿ったその配置に関して習得することが可能である。最後に、カテーテル・ハンドル24’上には以下でさらに説明するようなライト100(たとえば、LED)を存在させることがある。
【0052】
図6は、
図2に示した操向可能なイントロデューサ56内に挿入された
図5に示したカテーテル14’を備えるカテーテル・アセンブリ102を示している。カテーテル・シャフト28’が
図6に示したようにしてイントロデューサのスロート部(throat)に沿って挿入されたとき、カテーテル・シャフトの遠位端はシース遠位端から突き出る。この具体的な実施形態では、最も近位のカテーテル電極がシースの遠位端から出ると、近位センサ58によってマーカーバンドが検出されて、指示ライト100が点灯する。別法として指示ライト100は、マーカーバンド98が近位センサによって検出されるまでは、赤色を呈し、その後、遠位端から出たときに緑色を呈するようにすることが可能である。さらに視覚的フィードバックの代わりに又はこれに追加して、音響式、触覚式(たとえば、振動式)及び/又は他の知覚可能なフィードバックなどの他のフィードバックが使用されることがある。最も近位のカテーテル電極がイントロデューサシャフト76の遠位端から出たということもコネクタ82を通して
図1に示したナビゲーション・システム10に報告されることがある。ナビゲーション・システムは、リング電極及び先端電極34がイントロデューサシャフト76内に存在しないという認識に依拠する。たとえば、リング電極のうちの1つ又は複数がイントロデューサシャフト76内に後退している場合に、ナビゲーション・システムは劣化した又は損なわれたデータを受け取り、カテーテルがたとえば患者の心臓の解剖学的モデル内のどこにあるかの決定について計算違いをすることも、完全に決定できないこともあり得る。
【0053】
図7は、イントロデューサシャフト76の遠位端106に隣接した最も近位のカテーテル電極104を示している
図6の円で囲った領域の拡大図である。
【0054】
図8及び
図9は、たとえば
図6に示したような操向可能なイントロデューサ56及びカテーテル14’の概略を示している。
図8に示したように、カテーテル14’上のマーカーバンド98は、最も近位のリング電極104がイントロデューサの遠位端106から出る際に、イントロデューサ56上の近位センサ58によって検出される。所与のカテーテルとの所与のイントロデューサとの整合性は、近位センサ58からイントロデューサ56の遠位端106までの距離をマーカーバンド98からカテーテル14’の最も近位のリング電極104までの距離と同じ同一とすることを保証することによって判断される。これら2つの距離はいずれも
図8及び
図9において「D」と表している。
図9では、矢印108に表したように、カテーテル14’が近位方向に(すなわち、本図の左側に)移動済みであり、このため最も近位のリング電極104がイントロデューサシャフト76内に後退している。この点において、ナビゲーション・システムは、もはや、最も近位のリング電極104から正確な情報を受け取ることがない。この点において、ナビゲーション・システムは、ある特定の医師についての所望の設定に応じて最も近位の電極104から収集されているデータを無視するように、又はすべての電極34から収集されているデータを無視するように構成することが可能である。
【0055】
図5〜
図9に示した実施形態は、最も近位の電極104がイントロデューサシャフト76に入ったときだけを能動的に計測又は指示する。しかし、カテーテル上の複数の電極の各々がイントロデューサの遠位端に入る又はイントロデューサの遠位端から出るときを知ることが望ましいこともある。より高分解能の情報供給が可能な2つの構成について次に説明する。
【0056】
図10は、
図6と同様であるが、カテーテル・シャフト部分上でカテーテル・ハンドル24’’に最も接近して複数のマーカーバンド98’を有するカテーテル14’’を示している。この具体的な構成では、各リング電極に関する単独のマーカーバンドと、先端電極に関する単独のマーカーバンドと、を存在させている。
図10に示したカテーテル14’’とイントロデューサ56の構成及び相対的配置において、先端電極110はちょうどイントロデューサシャフト76の遠位端106にある。したがって、先端電極110に関するマーカーバンド112がちょうどセンサ58を通過するところであるように図示している。
図10では3つのリング電極34がシースの内部にあることを明らかにするために、イントロデューサシャフト壁の遠位部分を取り除いている。したがって、これらの電極に対応するマーカーバンドはまだセンサ58に対して近位にある。すなわち、このリング電極に対応するマーカーバンドは止血弁62上のキャップ60の近位に取り付けられたセンサの下をまだ通過していない。
【0057】
図11は、
図8及び
図9と同様であり、
図10にも示したマーカーバンド及び電極構成の概要を示している。
図11で明瞭に示しているように、3つの電極の各電極に関する単独のマーカーバンドと、先端電極に関する単一のマーカーバンドと、を存在させている。各マーカーバンドは、イントロデューサの内部長さに対応する距離Dだけそのリング又は先端電極から離間させている。したがって、この構成によってナビゲーション・システムに対して、また臨床医に対して、リング電極の各々がイントロデューサ内に後退したために高信頼の位置データや患者情報のナビゲーション・システムへの供給を停止した時に関する情報を提供することができる。
図10に示したようにカテーテル・ハンドル24’’は、リング電極34の電極のぞれぞれのためのLED100と、先端電極110のためのLED114と、を含むことがある。既に論じたように、これらの指示ライト又はLEDを、ナビゲーション・システム10に対して高信頼のデータを現在提供中の電極の個数といずれの電極であるかについての医師への視覚的インジケータでありうる。
【0058】
図12〜
図14は別の実施形態を示している。この具体的な実施形態では、センサ58’(
図13参照)は、止血弁62’’から操向可能なイントロデューサハンドル64’の遠位端にある張力緩和部材74’まで移動されている。
図12の円で囲った部分の拡大図である
図13においてこれを明瞭に確認し得る。
図13に示したように、センサ58’(たとえば、近位センサ)は、イントロデューサシャフトの内表面に隣接する側壁内に埋め込まれるとともに、カテーテル・シャフト上のマーカーバンドの通過を検知するように位置決めされている。
図12及び
図13では、近位センサ58’のみならずカテーテル・シャフト28’’上のマーカーバンドも確認できるように張力緩和部材74’の一部分が破断されている。同様に、カテーテル・シャフトの遠位端にあるリング電極34がイントロデューサの内部にありかつ先端電極110がイントロデューサシャフト76の遠位端106をちょうど出るところであることを確認できるように、イントロデューサの遠位端106の近くでイントロデューサ側壁の一部分が破断されている。したがって、先端電極に対応するマーカーバンド112’は張力緩和部材74’内に埋め込まれた近位センサ58’の傍をちょうど通過している。この実施形態において近位センサからナビゲーション・システムに信号を転送するために、張力緩和部材74’(たとえば、操向可能なイントロデューサハンドルの内部)まで電気的リード116が延びることになる。
図14は
図12と同様であるが、
図14ではイントロデューサ内のより深くまでカテーテルが挿入されている。この点において、先端電極110とカテーテルの遠位端にある3つのすべてのリング電極34はイントロデューサの遠位端から延在されている。距離D1は、最も近位のリング電極からイントロデューサの遠位端までの距離であり、またさらには最も近位のマーカーバンドから張力緩和部材に装着された近位センサまでの距離でもある。繰り返しになるがカテーテル・ハンドルは、任意の時点で、信頼性の高い位置データをナビゲーション・システムに提供している電極の数に関して、視覚的フィードバック及び/又は音響式、触覚式や他のフィードバックを医師に提供するための一連のライトを含むことがある。
【0059】
本明細書に記載したようにカテーテル・シャフトは、その電極が連携するイントロデューサ上の遠位開口部を横断を検出可能に設けられるか、さもなければ検出に対応するように構成されうる。一実施形態では、カテーテル14’などのカテーテルは、カテーテル・シャフト28’を含む。カテーテル・シャフト28’は、その遠位部分にリング電極34などの1つ又は複数の電極を含むことがある。カテーテル・シャフト28’はさらに、シャフトの遠位部分28’にある電極34に対して近位に配置された少なくとも1つの検出可能なマーカー98を含むことがある。検出可能なマーカー98は、
図8及び
図9に示すように、電極34のうちの最も近位の電極104からの距離Dなど所定の距離に配置されることがある。一実施形態では、この所定の距離Dは、イントロデューサ56/86などの相互運用可能なイントロデューサの先端78にある遠位開口部から、イントロデューサに沿ってその遠位開口部に対する近位に配置されたマーカー検出器(たとえば、センサ58、58’、センサヘッド94、その他)までの距離に対応することがある。別の実施形態では1つ又は複数の追加の検出可能なマーカー98’はそれぞれ、シャフトの遠位部分28’にある複数の電極34に対して近位に配置されることがあり、ここで検出可能なマーカー98’の各々はこの複数の電極34のうちの対応する1つから所定の距離Dに配置される。
【0060】
特定のいかなる時点においても、イントロデューサの遠位端を通過して延在しているのがどの電極であるか及びどれだけの数の電極であるのかを把握できることが重要となり得るため、イントロデューサの遠位端からの電極の位置を検知することが有益である。
図6に示した構成では、検知されるマーカーバンドは電極からかなりの距離離間している。たとえば
図12〜
図14に示した構成では、検知されるマーカーバンドはイントロデューサの遠位端に対してより近くまで移動されている。
図15〜
図18に示した実施形態では、電極は、ちょうどイントロデューサの遠位端のところで検出されている。
【0061】
図15では、カテーテル14’’’の遠位部分をイントロデューサ56’の遠位端106’’を若干通過して延在しているように図示している。イントロデューサ56’の遠位端にある近位センサ58’’は破線で示している。この構成では、そのセンサを、たとえば誘導型センサコイルとすることがある。ナビゲーション・システム10に対応するデータを提供するために、イントロデューサ56’の側壁内をセンサ58’’からイントロデューサの近位端にあるコネクタ82までリードワイヤ(図示せず)を通すことが好ましい。イントロデューサの側壁内にリードワイヤを設けることによって、いくつかの製造上の問題が生じる可能性があり、またカテーテルで利用可能なイントロデューサの内径が小さくなり望ましくないことがある。
【0062】
図16に示した実施形態では近位センサ58’’’は、カテーテル14’’’’のシャフト上の最も近位のリング電極104よりもわずかに近位の位置に移動されている。この近位センサ58’’’は、イントロデューサ56’’の遠位端106’’’に装着されたコイル又はリング118を通過するときを検出するように構成させることが可能である。
【0063】
図17の実施形態では、イントロデューサシャフト76’’の遠位表面120からセンサ/検出器58’’’’が突き出ている。センサ/検出器58’’’’は、イントロデューサの遠位端からのリング電極34及び先端電極110の通過を検出するように構成されている。このデータは、電気的リード116’を通じてナビゲーション・システム10に戻すように報告される。
【0064】
図18は、イントロデューサシャフト76’’’の遠位部分とカテーテル・シャフト28’’’の遠位部分との断片概略図である。イントロデューサシャフト76’’’の内側壁内でイントロデューサシャフトの遠位端表面に隣接して埋め込まれた第1の要素122を示している。カテーテル・シャフト28’’’の外表面に埋め込まれた第2の要素124を示している。これらの2つの要素が互いにすれ違うと、イントロデューサの端部と向かい合ったカテーテル・シャフト電極の位置に関して情報をナビゲーション・システム10に戻すように伝送することが可能である。これらの要素122、124のうちの一方を被検知要素とし、かつもう一方をセンサとすることになる。したがって、これらの要素のうちの少なくとも1つからナビゲーション・システム10まで戻るように電気的リード116’’が通されることになる。
図18では、リード116’’を第2の要素124に接続されるように図示している。
【0065】
図19は、カテーテル・シャフト28’’’’の切断面の上方にあるイントロデューサシャフトの内側壁の断面についての概要を示している。イントロデューサの内側壁126は、その表面に複数のマーカーバンド又はストライプ128を伴って記載されており、カテーテル・シャフトは、イントロデューサの内側壁126上のバンド128に隣接して通過するように配置された単一のセンサ130を伴って記載されている。イントロデューサの内側壁上のバンド又はストライプ128はイントロデューサの長さ方向のいずれの位置にも配置させることが可能である。一構成では、各バンドは異なる色相を有しかつセンサ130は色相の検出が可能である。したがって、センサは、ナビゲーション・システムがどの電極(または、複数の電極)をイントロデューサの遠位端(存在する場合)から延在させなければならないかを決定可能となるようにどのバンドが最も近くにあるかをナビゲーション・システム10に戻すように報告することが可能である。このセンサはまた、センサが少なくとも2つのバンドを通過した後にイントロデューサを基準としたカテーテル・シャフトの移動方向の検出を可能とさせ得る。
【0066】
図20は、
図19と同様であるが、イントロデューサの内側壁126’上の複数のマーカーバンド128を読み取るように装着されかつ構成された複数のセンサ130を有するカテーテル・シャフト28’’’’’を示している。この2センサ構成によれば、位置及び移動方向の双方の情報をナビゲーション・システムに提供することが可能となる。
【0067】
図21は、市販のカテーテル132の遠位部分の等角断片図である。本図では、ステンシル134がカテーテル132の外表面から飛び出るように図示している。このステンシルは、たとえばEP検査室内にある間に、市販のカテーテルの外表面上にマーカーバンドを生成するようにマーカーバンド材料を適用するために使用することが可能である。この実施形態は、複数のステンシルを有する(様々な異なるタイプ又は銘柄のカテーテルの各々について1つのステンシルとすることも可能)ように企図している。適当なステンシルを使用することによって医師又は技師は自身が選択したカテーテルにマーカーバンドを「ペイントする」又は「適用する」ことが可能であり、これによりさらにナビゲーション・システムは、カテーテル電極がシースの外部にあり正確な位置情報の報告に利用可能である時点の決定が可能となる。
【0068】
図22は、イントロデューサ56(本図では仮想線で概略を示す)に装着させた市販のカテーテル132の断片等角図である。
図22に明瞭に示したように、カテーテル132は、その遠位端に3つのリング電極34を有する。
図22では、最も遠位のリング電極がイントロデューサ56の遠位端から出ようとしているところを図示している。
図22には3つのリング電極34に対応する3つのマーカーバンド134’も示している。リング電極34の最遠位部がイントロデューサ56から出ようとしているところであるため、最も遠位のマーカーバンドはイントロデューサ上の近位センサ58の下を通過しようとしているように示している。マーカーバンド134’の上方に浮いたように、カテーテル・シャフト上にマーカーバンドを付けるために使用した補助デバイス136がある。具体的には、この再使用可能な補助デバイス136は市販のカテーテルにマーカーバンドを適用させるためにカテーテル・シャフト上又はカテーテル・シャフトの周りに一時的かつ取り外し可能にクランプすることがある。補助デバイス136は、カテーテル・シャフトの周りでクランプさせ、次いでシャフト上に弧状又は円周状のマーカーバンドを描くためにカテーテル・シャフトの長手方向の軸138の周りで回転させることが可能である。シャフト上にバンドが配置された後に、補助デバイスはイントロデューサ内へのカテーテルの挿入前に除去されることになる。
【0069】
本教示に従った身体12内で医用デバイスをナビゲーションするためのシステム10及び方法によれば、患者のインピーダンス・レベルのシフト又はドリフトに由来する位置計測値の誤差の一貫した補正が可能となる。さらに本システム10及び方法は、追加の基準カテーテルの使用、ならびに処置時間及びリスクの結果的な増加を必要としない。
【0070】
種々の実施形態は、種々の装置、システム及び/又は方法のものとして記載されている。明細書に記載され添付される図面に記載されているように、数々の特定の詳細が、全体構造、機能及び製造並びに実施形態の利用の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、当業者であれば、そのような詳細なしでも、実施できるであろうことが理解できるであろう。他の例において、周知の動作、部品及び要素は、本明細書に開示される実施形態を不明瞭にしないように詳細には記載していない。当業者であれば、ここに記載され示される実施形態が非限定的な例示であり、ここに開示される特定の構造や機能は代表的なものであって、実施形態の範囲を必ずしも限定するものではなく、その範囲は添付する特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解するであろう。
【0071】
明細書の全体を通じて、「種々の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「1つの実施形態」等への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。したがって、明細書中の「種々の実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1又は2以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。したがって、一実施形態に関連して図示され又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、全体的又は部分的に、制限されることなく、1又は2以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と組み合わされる。
【0072】
「近位」及び「遠位」の語は、本明細書を通じて、患者を処置するのに用いる機器の臨床医が操作する一方の端部に関連して用いられうることが理解されるであろう。「近位」の語は、臨床医に最も近い機器の部分をいい、「遠位」の語は、臨床医から最も離れた部分をいう。さらに、簡潔化かつ明瞭化のために、「垂直」、「水平」、「上」及び「下」などの空間を表現する語は、本明細書において明示された実施形態に関して用いられ得ることも理解されるであろう。しかしながら、外科手術用機器は、多様な方向性及び位置において使用されうるものであり、これらの語は、限定的及び絶対的であることを意図する。結合に関する参照(例えば、取り付けられる、結合される、接続されるなど)は、広義に解釈されるべきであり、要素の接続部の中間部材や、要素間の相対運動の中間部材を包含している。このように、結合に関する参照は、必ずしも直接的に結合される2つの要素や互いに固定された2つの要素を必ずしも推論するものではない。細部又は構造の変更は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神から逸脱することなく行うことができる。
【0073】
本明細書中に参照により援用されると称される、いかなる特許、出版物、もしくはその他の開示マテリアルは全体として又はその一部として組み込まれたマテリアルは、既存の定義、ステートメント、又は本明細書おけるその他の開示マテリアルと競合しない範囲においてのみ、参照により本明細書に組み込まれる。また、必要な範囲内において、本明細書に明示的に記載した開示は、本明細書に参照により組み込まれる全てのマテリアルよりも優先される。任意のマテリアル、又はその部分は、参照により本明細書に援用されると称されるが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載の他の開示マテリアルとその組み込まれたマテリアルとの間に衝突が生じない程度に組み入れるものとする。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
マーカーバンド及び電極を備えるカテーテルと前記マーカーバンドを検知するように適合された近位センサを備えるイントロデューサとの相対的位置を、前記カテーテル及び前記イントロデューサが人体内にある間に検出するためのシステムであって、
(a)電場ベースの位置決めシステムと、
(b)前記電場ベースの位置決めシステムに電気的に結合された電子制御ユニットであって、
(A)前記人体の表面上の複数のパッチ電極を通るように電流を駆動するとともに、前記カテーテル電極から得られる電圧を計測すること、
(B)前記マーカーバンドが前記近位センサを通過したときを決定するために前記近位センサから発せられる第1の信号を監視すること、
(C)前記カテーテル電極が前記イントロデューサ内にあるかどうかを判定するために前記第1の信号を解析すること、及び
(D)前記カテーテル電極が前記イントロデューサ内にある場合に前記計測されて得られる電圧を無視すること、
を行うように動作可能な電子制御ユニットと、
を備えるシステム。
(項目2)
前記電子制御ユニットは、前記電子制御ユニットが前記計測されて得られる電圧を無視したとき連絡するようにさらに動作可能である、項目1に記載のシステム。
(項目3)
ディスプレイをさらに備えており、かつ前記電子制御ユニットは、前記電子制御ユニットが前記計測されて得られる電圧を無視したとき前記ディスプレイ上で連絡するようにさらに動作可能である、項目2に記載のシステム。
(項目4)
第1の医用デバイス上の被検知要素がイントロデューサに入る又はイントロデューサから出るときを検出するためのシステムであって、
(a)(i)前記第1の医用デバイス上の前記被検知要素の位置に関連する第1の位置データ及び(ii)前記イントロデューサ上のセンサの位置に関連する第2の位置データを記憶するように動作可能な第1のストレージと、
(b)前記第1の医用デバイスに関連する現在の位置及び向きデータを記憶するように動作可能な第2のストレージと、
(c)前記記憶された第1及び第2の位置データに基づいて前記センサと前記被検知要素の相対的位置を決定するように動作可能なデバイスと、
(d)前記第1のストレージ、前記第2のストレージ及び前記デバイスと通信するプロセッサであって、
(1)前記センサと前記被検知要素の前記相対的位置を考慮すること、
(2)前記第1の医用デバイスに関する前記現在の位置及び向きデータを無視すべきかどうかを判定すること、及び
(3)前記第1の医用デバイスに関する前記現在の位置及び向きデータが無視されているかどうかを表す信号を出力すること、
を行うように動作可能なプロセッサと、
を備えるシステム。
(項目5)
カテーテル電極がイントロデューサに入る又はイントロデューサから出るときを検出するためのシステムであって、
(a)イントロデューサであって、
イントロデューサ近位端と、
イントロデューサ遠位端と、
前記イントロデューサ近位端と前記イントロデューサ遠位端の間に延在する長手方向延在イントロデューサ体と、
前記イントロデューサ体に対して固定された第1の要素と、
を備えるイントロデューサと、
(b)カテーテルであって、
カテーテル近位端と、
カテーテル遠位端と、
前記カテーテル近位端と前記カテーテル遠位端の間に延在する長手方向延在カテーテル体と、
前記カテーテル体上の複数の電極と、
前記カテーテル体に対して固定されておりかつ前記第1の要素と電磁気的にやり取りするように動作可能な第2の要素と、
を備えるカテーテルと、
を備えるシステム。
(項目6)
前記第1の要素が近位センサでありかつ前記第2の要素が前記カテーテル体の外表面上のマーカーバンドである、項目5に記載のシステム。
(項目7)
(c)電場ベースの位置決めシステムと、
(d)前記電場ベースの位置決めシステムに電気的に結合された電子制御ユニットと、
をさらに備える項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記カテーテルは、前記電子制御ユニットと電気的に接続するように適合されかつ前記マーカーバンドの第1の位置に関する前記マーカーバンドから前記カテーテルの前記遠位端までの距離を含む情報を記憶するように適合されたEEPROMをさらに備える、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記カテーテルは、(i)複数のリング電極と、(ii)前記電子制御ユニットと電気的に接続するように適合されかつ前記マーカーバンドの第1の位置に関する前記マーカーバンドから前記複数のリング電極の少なくとも1つの電極までの距離を含む情報を記憶するように適合されたEEPROMと、をさらに備える、項目7に記載のシステム。
(項目10)
前記近位センサは、前記イントロデューサの前記近位端又は前記遠位端のいずれかにおいて固定的に取り付けられている、項目6に記載のシステム。
(項目11)
前記イントロデューサはハンドル近位端及びハンドル遠位端を備えるハンドルを備える操向可能なイントロデューサを備えており、かつ前記近位センサは前記ハンドル遠位端において固定的に取り付けられている、項目6に記載のシステム。
(項目12)
前記カテーテルは、前記複数のカテーテル電極のうちの少なくとも1つが前記イントロデューサ内に配置されたときに報告するように構成された指示ライトをさらに備える、項目5に記載のシステム。
(項目13)
前記イントロデューサは、前記イントロデューサの全長及び前記第1の要素の位置を含む前記導入に関する寸法情報を記憶するように適合された第1のオンボード・ストレージをさらに備える、項目5に記載のシステム。
(項目14)
前記第1のボード・ストレージは前記イントロデューサのハンドルに装着されたEEPROMチップを備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記カテーテルは、前記カテーテルの全長及び前記第2の要素の位置を含む前記カテーテルに関する寸法情報を記憶するように適合された第2のオンボード・ストレージをさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目16)
前記第2のボード・ストレージは前記カテーテルのハンドルに装着されたEEPROMチップを備える、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記第1の要素は取外し可能かつ再滅菌可能な近位センサである、項目5に記載のシステム。
(項目18)
前記第2の要素は前記カテーテル体の前記近位端又は前記遠位端上の1つのマーカーバンドである、項目5に記載のシステム。
(項目19)
前記第2の要素は前記カテーテル体の前記近位端又は前記遠位端上の複数のマーカーバンドである、項目5に記載のシステム。
(項目20)
前記第2の要素は、円周方向に延びるリング、弧状の構成要素、埋め込まれた構成要素、凹形の構成要素、表面装着の構成要素、及び表面適用の構成要素からなる群より選択された電磁気的検出が可能な構成要素である、項目5に記載のシステム。