特許第6209672号(P6209672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6209672
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】車両制御装置、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/12 20100101AFI20170925BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20170925BHJP
   F16H 61/662 20060101ALI20170925BHJP
   B60W 10/04 20060101ALI20170925BHJP
   B60W 10/101 20120101ALI20170925BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20170925BHJP
   B60W 10/107 20120101ALI20170925BHJP
【FI】
   F16H61/12
   F16H61/02
   F16H61/662
   B60W10/00 112
   B60W10/06
   B60W10/107
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-506438(P2016-506438)
(86)(22)【出願日】2015年2月25日
(86)【国際出願番号】JP2015055398
(87)【国際公開番号】WO2015133345
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年8月2日
(31)【優先権主張番号】特願2014-41470(P2014-41470)
(32)【優先日】2014年3月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦宏
(72)【発明者】
【氏名】川本 佳延
(72)【発明者】
【氏名】若山 英史
【審査官】 増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−263741(JP,A)
【文献】 特開2009−221986(JP,A)
【文献】 特開2001−304388(JP,A)
【文献】 特開2004−92522(JP,A)
【文献】 特開2002−181175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/12
B60W 10/04
B60W 10/06
B60W 10/101
B60W 10/107
F16H 61/02
F16H 61/662
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのプーリ間に動力伝達部材を掛け回して構成される無段変速機構と、駆動源と駆動輪との間の動力伝達を断接可能な摩擦締結要素とを備えた車両を制御する車両制御装置であって、
締結指示と前記摩擦締結要素の前後回転の差回転とにより前記摩擦締結要素が締結しているかどうか判定する締結判定手段と、
前記締結判定手段によって前記締結指示に対して前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記摩擦締結要素の指示トルク容量と、前記無段変速機構の入力トルクに基づいて算出したベルト容量とに基づいて目標ライン圧を算出するライン圧算出手段と、
算出した前記目標ライン圧が上限ライン圧よりも高い場合に、前記上限ライン圧に基づいて前記駆動源におけるトルクダウン量を算出する駆動トルク算出手段と、
前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記無段変速機構の前記入力トルクと、実ライン圧に基づいて算出したベルト容量とに基づいて前記摩擦締結要素の制限トルク容量を算出するトルク容量算出手段と、
前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記目標ライン圧、前記トルクダウン量、及び前記制限トルク容量に基づいて、前記無段変速機構において前記プーリと前記動力伝達部材との間で滑りが発生することを抑制する抑制手段と、
を備える車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記抑制手段は、前記目標ライン圧、または前記上限ライン圧に基づいてライン圧を制御し、前記トルクダウン量に基づいて前記駆動源で発生するトルクを制御し、前記制限トルク容量に基づいて前記摩擦締結要素に供給される油圧を制御する、
車両制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両制御装置であって、
前記抑制手段は、
前記目標ライン圧が前記上限ライン圧よりも高い場合に、少なくとも前記上限ライン圧に基づいて前記滑りが発生することを抑制し、
前記目標ライン圧が前記上限ライン圧以下である場合に、少なくとも前記目標ライン圧に基づいて前記滑りが発生することを抑制する、
車両制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の車両制御装置であって、
前記締結判定手段によって前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記摩擦締結要素の目標トルク容量を算出する目標トルク容量算出手段を備え、
前記抑制手段は、
前記目標トルク容量が前記制限トルク容量よりも大きい場合に、少なくとも前記制限トルク容量に基づいて前記滑りが発生することを抑制し、
前記目標トルク容量が前記制限トルク容量以下の場合に、少なくとも前記目標トルク容量に基づいて前記滑りが発生することを抑制する、
車両制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の車両制御装置であって、
前記締結判定手段は、インヒビタスイッチの信号が走行レンジであり、前記摩擦締結要素に連通する油路がドレーン状態である場合に、前記締結指示に応じて前記摩擦締結要素が締結していないと判定する、
車両制御装置。
【請求項6】
2つのプーリ間に動力伝達部材を掛け回して構成される無段変速機構と、駆動源と駆動輪との間の動力伝達を断接可能な摩擦締結要素とを備えた車両を制御する車両制御方法であって、
締結指示と前記摩擦締結要素の前後回転の差回転とにより前記摩擦締結要素が締結しているかどうか判定し、
前記締結指示に対して前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記摩擦締結要素の指示トルク容量と、前記無段変速機構の入力トルクに基づいて算出したベルト容量とに基づいて目標ライン圧を算出し、
算出した前記目標ライン圧が上限ライン圧よりも高い場合に、前記上限ライン圧に基づいて前記駆動源におけるトルクダウン量を算出し、
前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記無段変速機構の前記入力トルクと、実ライン圧に基づいて算出したベルト容量とに基づいて前記摩擦締結要素の制限トルク容量を算出し、
前記摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、前記目標ライン圧、前記トルクダウン量、及び前記制限トルク容量に基づいて、前記無段変速機構において前記プーリと前記動力伝達部材との間で滑りが発生することを抑制する、
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有段変速機を搭載した車両においては、シフトレバーに接続されたマニュアルバルブの動作位置と、シフトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチの指示信号に基づいた調圧弁の動作位置との間にずれが生じる場合がある(以下において、このようなずれが生じることを「アンマッチ」と言う。)。これは、インヒビタスイッチの検知範囲(導通域)が、マニュアルバルブの切替範囲よりも若干広く設定されているためである。アンマッチは、例えばシフトレバーをNレンジからDレンジへ移動させる際に、シフトレバーがNレンジとDレンジとの中間に保持された場合に生じる。この場合、インヒビタスイッチの指示信号は、Dレンジに対応した信号となり、インヒビタスイッチの指示信号に基づいてクラッチへの指示圧が高くなるが、マニュアルバルブはNレンジに対応した位置のままとなり、クラッチへ油圧は供給されない。その後、シフトレバーがDレンジまで移動すると、マニュアルバルブはDレンジに対応した位置となり、クラッチへの油圧供給が開始される。このとき、調圧弁におけるクラッチへの指示圧は既に高くなっているので、クラッチへの油圧供給が開始されると、クラッチでは急激な油圧上昇が生じる場合があり、クラッチが急締結し、大きな締結ショックが発生するおそれがある。
【0003】
これに対し、特願2007−052398には、アンマッチが生じた場合に、クラッチへの指示圧を低減するものが開示されている。
【発明の概要】
【0004】
上記技術は、有段変速機を搭載した車両を前提としており、ベルトなどを用いた無段変速機を搭載した車両について考慮されていない。
【0005】
上記技術を用いた場合であっても、アンマッチが生じ、無段変速機においてベルト容量が不足し、ベルト挟持力が不足した場合には、ベルト滑りが発生するおそれがある。
【0006】
これに対して、アンマッチが生じた場合にベルト滑りが発生しないベルト容量を予め設定し、ベルト滑りの発生を抑制することも可能である。
【0007】
しかし、アンマッチが生じるシーンは、上記するNレンジからDレンジへの変更時に限られず、例えば走行中にシフトレバーをLレンジからDレンジへ移動させる際に、シフトレバーがDレンジとNレンジとの間まで一旦移動した場合などにも生じる。このようにアンマッチが生じるシーンによって、無段変速機の入力トルク、及び変速比は異なり、ベルト滑りの発生を抑制可能なベルト容量は異なる。そのため、アンマッチが生じた場合に、無段変速機のベルト容量を、予め設定されたベルト容量とするだけでは、ベルト滑りを十分に抑制することができない。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、アンマッチが生じた場合に、その時の車両の状態に合わせて、無段変速機におけるベルト滑りを抑制することを目的とする。
【0009】
本発明のある態様に係る車両制御装置は、2つのプーリ間に動力伝達部材を掛け回して構成される無段変速機構と、駆動源と駆動輪との間の動力伝達を断接可能な摩擦締結要素とを備えた車両を制御する車両制御装置であって、締結指示と摩擦締結要素の前後回転の差回転とにより摩擦締結要素が締結しているかどうか判定する締結判定部と、締結判定部によって締結指示に対して摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、摩擦締結要素の指示トルク容量と、無段変速機構の入力トルクに基づいて算出したベルト容量とに基づいて目標ライン圧を算出するライン圧算出部と、算出した目標ライン圧が上限ライン圧よりも高い場合に、上限ライン圧に基づいて駆動源におけるトルクダウン量を算出する駆動トルク算出部と、摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、無段変速機構の入力トルクと、実ライン圧に基づいて算出したベルト容量とに基づいて摩擦締結要素の制限トルク容量を算出するトルク容量算出部と、摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、目標ライン圧、トルクダウン量、及び制限トルク容量に基づいて、無段変速機構においてプーリと動力伝達部材との間で滑りが発生することを抑制する抑制部と、を備える。
【0010】
また、本発明の別の態様に係る車両制御方法は、2つのプーリ間に動力伝達部材を掛け回して構成される無段変速機構と、駆動源と駆動輪との間の動力伝達を断接可能な摩擦締結要素とを備えた車両を制御する車両制御方法であって、締結指示と摩擦締結要素の前後回転の差回転とにより摩擦締結要素が締結しているかどうか判定し、締結指示に対して摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、摩擦締結要素の指示トルク容量と、無段変速機構の入力トルクに基づいて算出したベルト容量とに基づいて目標ライン圧を算出し、算出した目標ライン圧が上限ライン圧よりも高い場合に、上限ライン圧に基づいて駆動源におけるトルクダウン量を算出し、摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、無段変速機構の入力トルクと、実ライン圧に基づいて算出したベルト容量とに基づいて摩擦締結要素の制限トルク容量を算出し、摩擦締結要素が締結していないと判定された場合に、目標ライン圧、トルクダウン量、及び制限トルク容量に基づいて、無段変速機構においてプーリと動力伝達部材との間で滑りが発生することを抑制する。
【0011】
これらの態様によると、摩擦締結要素の指示トルク容量と入力トルクに基づいて算出したベルト容量とに基づいて算出した目標ライン圧、目標ライン圧と上限ライン圧とに基づいて算出したトルクダウン量、及び入力トルクと実ライン圧に基づいて算出したベルト容量とに基づいて算出した制限トルク容量に基づいてベルト滑りを抑制するので、アンマッチが生じた時の車両の状態に応じてベルト滑りの発生を抑制することができる。例えば、停車中、走行中にかかわらず、ベルト滑りの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本実施形態の車両の概略構成図である。
図2図2はコントローラの概略構成図である。
図3図3はアンマッチ制御の実行判定処理を説明するフローチャートである。
図4図4はアンマッチ制御における処理を説明するフローチャートである。
図5図5は変速機の簡易モデルを示す図である。
図6図6はアンマッチ制御が実行された場合のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、ある変速機構の「変速比」は、当該変速機構の入力回転速度を当該変速機構の出力回転速度で割って得られる値である。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係る車両の概略構成図である。この車両は駆動源としてエンジン1を備え、エンジン1の出力回転は、ロックアップクラッチ2c付きトルクコンバータ2のポンプインペラ2aに入力され、タービンランナ2bから第1ギヤ列3、無段変速機(以下、単に「変速機4」という。)、第2ギヤ列5、作動装置6を介して駆動輪7へと伝達される。
【0015】
変速機4には、エンジン1の回転が入力されエンジン1の動力の一部を利用して駆動されるメカオイルポンプ10mと、バッテリ13から電力供給を受けて駆動される電動オイルポンプ10eとが設けられている。また、変速機4には、メカオイルポンプ10mあるいは電動オイルポンプ10eからの油圧を調圧して変速機4の各部位に供給する油圧制御回路11が設けられている。
【0016】
変速機4は、摩擦伝達機構としてのベルト式無段変速機構(以下、「バリエータ20」という。)と、バリエータ20に直列に設けられる副変速機構30とを備える。「直列に設けられる」とはエンジン1から駆動輪7に至るまでの動力伝達経路においてバリエータ20と副変速機構30とが直列に設けられるという意味である。副変速機構30は、この例のようにバリエータ20の出力軸に直接接続されていてもよいし、その他の変速ないし動力伝達機構(例えば、ギヤ列)を介して接続されていてもよい。あるいは、副変速機構30はバリエータ20の前段(入力軸側)に接続されていてもよい。
【0017】
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、プーリ21、22の間に掛け回されるVベルト23とを備える。バリエータ20は、プライマリプーリ圧、及びセカンダリプーリ圧に応じてV溝の幅が変化してVベルト23と各プーリ21、22との接触半径が変化し、バリエータ20の変速比が無段階に変化する。
【0018】
バリエータ20は、セカンダリプーリ圧に基づいてライン圧が設定され、ライン圧を減圧、調圧することでプライマリプーリ圧が生成される片調圧タイプの変速機である。
【0019】
副変速機構30は前進2段・後進1段の変速機構である。副変速機構30は、2つの遊星歯車のキャリアを連結したラビニョウ型遊星歯車機構31と、ラビニョウ型遊星歯車機構31を構成する複数の回転要素に接続され、それらの連係状態を変更する複数の摩擦締結要素(Lowブレーキ32、Highクラッチ33、Revブレーキ34)とを備える。各摩擦締結要素32〜34への供給油圧を調整し、各摩擦締結要素32〜34の締結・解放状態を変更すると、副変速機構30の変速段が変更される。
【0020】
変速機4では、シフトレバー50が走行レンジ(Dレンジ、Lレンジ、Sレンジ、Rレンジ)となっている場合にいずれかの摩擦締結要素32〜34が締結され変速機4の動力伝達を可能とし、非走行レンジ(Nレンジ、Pレンジ)となっている場合に全ての摩擦締結要素32〜34が解放され変速機4の動力伝達を不能にする。
【0021】
コントローラ12は、エンジン1および変速機4を統合的に制御するコントローラであり、図2に示すように、CPU121と、RAM・ROMからなる記憶装置122と、入力インターフェース123と、出力インターフェース124と、これらを相互に接続するバス125とから構成される。
【0022】
入力インターフェース123には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ41の出力信号、プライマリプーリ21の回転速度を検出するプライマリ回転速度センサ42の出力信号、セカンダリプーリ22の回転速度を検出するセカンダリ回転速度センサ43の出力信号、車速を検出する車速センサ44の出力信号、シフトレバー50の位置を検出するインヒビタスイッチ45の出力信号、ホイールのブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ46、エンジン回転速度センサ47からの信号等が入力される。
【0023】
記憶装置122には、エンジン1の制御プログラム、変速機4の変速制御プログラム、これらプログラムで用いられる各種マップ・テーブルが格納されている。CPU121は、記憶装置122に格納されているプログラムを読み出して実行し、入力インターフェース123を介して入力される各種信号に対して各種演算処理を施して、燃料噴射量信号、点火時期信号、スロットル開度信号、変速制御信号(トルク指示信号)を生成し、生成した信号を出力インターフェース124を介してエンジン1、油圧制御回路11に出力する。CPU121が演算処理で使用する各種値、その演算結果は記憶装置122に適宜格納される。
【0024】
油圧制御回路11は複数の流路、複数の油圧制御弁で構成される。油圧制御回路11は、コントローラ12からの変速制御信号に基づき、複数の油圧制御弁を制御して油圧の供給経路を切り換えるとともにメカオイルポンプ10mまたは電動オイルポンプ10eで発生した油圧から必要な油圧を調製し、これを変速機4の各部位に供給する。これにより、バリエータ20の変速比、副変速機構30の変速段が変更され、変速機4の変速が行われる。
【0025】
副変速機構30に供給される油圧は、マニュアルバルブ、及び調圧弁によって制御されている。マニュアルバルブは、シフトレバー50と機械的に連結しており、シフトレバー50の操作に連動して油路を切り替える。調圧弁は、インヒビタスイッチ45からの信号などに基づいて算出されたトルク指示信号により駆動され、トルク指示信号に応じて調整した油圧を摩擦締結要素32〜34のいずれかに供給する。調圧弁は各摩擦締結要素32〜34に応じて複数設けられている。
【0026】
インヒビタスイッチ45は、走行レンジにおけるシフトレバー50の位置を検知する検知範囲が広めに設定されている。そのため、シフトレバー50が非走行レンジと走行レンジとの間で保持される場合、例えば、シフトレバー50がNレンジからDレンジへの変更途中にNレンジとDレンジとの間で保持される場合、走行中にシフトレバー50がLレンジからDレンジに変更された場合にDレンジを超えてDレンジとNレンジと間で保持される場合には、インヒビタスイッチ45の信号はDレンジに対応した信号となるが、マニュアルバルブはNレンジに対応した位置となる場合があり、アンマッチが生じる。このようにアンマッチが生じた場合には、Lowブレーキ32、及びHighクラッチ33に連通する油路はドレーン状態となり、Lowブレーキ32、及びHighクラッチ33には油圧が供給されず、副変速機構30は解放状態となる。このような状態は、例えば、運転者がシフトレバー50をNレンジとDレンジとの間に保持した場合や、運転者の意に反してシフトレバー50がNレンジとDレンジとの間に保持された場合に生じる。
【0027】
このようにアンマッチが生じた状態では、インヒビタスイッチ45からの信号は走行レンジに対応した信号となっているので、調圧弁における摩擦締結要素32〜34への指示圧(以下、クラッチ指示圧と言う。)は高くなるが、マニュアルバルブから油圧は供給されていない。その後、シフトレバー50が走行レンジに操作されると、マニュアルバルブから油圧供給が開始されるが、クラッチ指示圧が高くなっているので、摩擦締結要素32〜34の締結時における最大油圧が摩擦締結要素32〜34に供給され、摩擦締結要素32〜34が急締結することがある。摩擦締結要素32〜34が急締結し、バリエータ20のベルト容量よりも大きいトルクがバリエータ20に入力すると、バリエータ20でベルト滑りが発生するおそれがある。また、上記するようにアンマッチは、走行中にも生じ、走行中にアンマッチが生じた場合には車両の運転状態に応じてベルト滑りの発生を抑制する必要がある。そこで、本実施形態では、以下において説明するアンマッチ制御を行い、バリエータ20のベルト滑り発生を抑制する。なお、以下においては、摩擦締結要素32〜34のうち、Lowブレーキ32を締結する場合を一例として説明するが、Highクラッチ33、Revブレーキ34を締結する場合においても同様である。
【0028】
次に本実施形態のアンマッチ制御の実行判定処理について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0029】
ステップS100では、コントローラ12は、インヒビタスイッチ45などのセンサ系、バリエータ20などの回転系に異常がないかどうか判定する。処理は異常がない場合にはステップS101に進み、異常がある場合には本制御を終了する。
【0030】
ステップS101では、コントローラ12は、インヒビタスイッチ45からの信号に基づいてシフトレバー50が走行レンジとなっているかどうか判定する。処理はシフトレバー50がインヒビタスイッチ45からの信号に基づいて走行レンジと判定された場合にはステップS102に進み、シフトレバー50がインヒビタスイッチ45からの信号に基づいて非走行レンジと判定された場合には本制御を終了する。
【0031】
ステップS102では、コントローラ12は、変速中であるかどうか判定する。処理は変速中ではない場合にはステップS103に進み、変速中である場合には本制御を終了する。
【0032】
ステップS103では、コントローラ12は、Lowブレーキ32の前後における回転速度差が所定値よりも大きいかどうか判定する。所定値は、各摩擦締結要素32〜34に応じて設定されており、摩擦締結要素32〜34が締結していないと判定できる値であり、締結指示がされている摩擦締結要素32〜34に基づいて選択される。コントローラ12は、回転速度差がLowブレーキ32に応じて設定された所定値よりも大きい場合には、締結すべきLowブレーキ32が締結していないと判定する。回転速度差は、セカンダリ回転速度センサ43からの信号と車速センサ44からの信号とに基づいて算出される。コントローラ12は、回転速度差が所定値よりも大きい場合には、シフトレバー50がインヒビタスイッチ45に基づいた判定では走行レンジとなっており、変速中ではないにもかかわらず、Lowブレーキ32が締結していないのでマニュアルバルブによってLowブレーキ32に連通する油路がドレーン状態となっており、アンマッチであると判定する。処理は、回転速度差が所定値よりも大きい場合にはステップS104へ進み、回転速度差が所定値以下の場合には本制御を終了する。
【0033】
ステップS104では、コントローラ12は、アンマッチ制御を実行する。
【0034】
次にアンマッチ制御における処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0035】
ステップS200では、コントローラ12は、締結指示がされているLowブレーキ32の指示トルク容量Tclと現在のLowブレーキ32の入力トルクTcinとに基づいて、バリエータ20でベルト滑りが発生しないベルト容量、本実施形態では、セカンダリプーリ22におけるベルト容量Tsbを算出し、算出したベルト容量Tsbに基づいて目標ライン圧PLtを算出する。Lowブレーキ32の入力トルクTcinは、バリエータ20の入力トルクTinにバリエータ20の変速比rvを乗算した値である。
【0036】
変速機4は、図5に示すような簡易モデルで表すことができる。図5において、Tpbはプライマリプーリ21におけるベルト容量である。TclはLowブレーキ32のトルク容量である。Ipはプライマリプーリ21のイナーシャである。Isはセカンダリプーリ22のイナーシャである。ωpはプライマリプーリ軸上における角加速度である。ωsはセカンダリプーリ軸上における角加速度である。
【0037】
変速機4では、式(1)、及び式(2)の運動方程式が成り立っている。
【0038】
Ip×ωp=Tin−Tpb・・・(1)
Is×ωs=Tsb−Tcl・・・(2)
【0039】
また、ωp、ωs、及びrvにおいては式(3)の関係、またTpb、Tsb、及びrvにおいては式(4)の関係が成り立っている。
【0040】
ωp=rv×ωs・・・(3)
rv×Tpb=Tsb・・・(4)
【0041】
式(1)〜(4)を用いると、Tsbは式(5)のように表すことができる。
【0042】
Tsb=(rv2×Ip/(rv2×Ip+Is))Tcl+(Is/(rv2×Ip+Is))rv×Tin・・・(5)
【0043】
バリエータ20における変速比rvは、プライマリ回転速度センサ42からの出力信号、及びセカンダリ回転速度センサ43からの出力信号に基づいて算出され、各イナーシャIp、Isは予め記憶されており、バリエータ20の入力トルクTinは、アクセル開度センサ41の出力信号、及びエンジン回転速度センサ47の出力信号などを用いて算出されたエンジントルクTeに基づいて算出される。
【0044】
コントローラ12は、Lowブレーキ32の指示トルク容量Tcl、及び現在のLowブレーキ32への入力トルクTcin(=rv×Tin)に基づいて式(5)を用いてバリエータ20のベルト容量Tsbを算出する。そして、コントローラ12は、算出したベルト容量Tsbに安全率を掛けるなどの演算を行い、バリエータ20でベルト滑りが発生しない目標ライン圧PLtを算出する。
【0045】
ステップS201では、コントローラ12は、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlim以下かどうか判定する。上限ライン圧PLlimは予め設定された値であり、メカオイルポンプ10m、または電動オイルポンプ10eによって発生させることができるライン圧の上限値である。処理は、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlim以下の場合にはステップS202に進み、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlimよりも高い場合にはステップS203に進む。
【0046】
ステップS202では、コントローラ12は、目標ライン圧PLtを最終目標ライン圧PLtfとして設定する。
【0047】
ステップS203では、コントローラ12は、上限ライン圧PLlimを最終目標ライン圧PLtfとして設定する。
【0048】
ステップS204では、コントローラ12は、上限ライン圧PLlimを最終目標ライン圧PLtfとして設定した場合のセカンダリプーリ22におけるベルト容量Tsbを算出し、算出したベルト容量TsbとLowブレーキ32の指示トルク容量Tclとに基づいてトルクダウンされるバリエータ20の入力トルクTinを算出する。セカンダリプーリ22におけるベルト容量Tsbは、最終目標ライン圧PLtfを安全率で除算するなどの演算を行うことで求められる。バリエータ20の入力トルクTinは、式(5)と同様に式(1)〜(4)を用いて式(6)のように表すことができる。
【0049】
Tin=((rv2×Ip+Is)/(rv×Is))Tsb−((rv2×Ip)/(rv×Is))Tcl・・・(6)
【0050】
式(6)のTsbに算出したベルト容量、Tclに指示トルク容量を用いることで、最終目標ライン圧PLtfに応じたバリエータ20の入力トルクTinを算出することができる。
【0051】
そして、コントローラ12は、現在の入力トルクTinと算出した入力トルクTinとの偏差に基づいてエンジン1におけるトルクダウン量Tdownを算出する。
【0052】
ステップS205では、コントローラ12は、現在のLowブレーキ32の入力トルクTcinに基づいてLowブレーキ32の目標トルク容量Tcltを算出する。目標トルク容量Tcltは、Lowブレーキ32に油圧が供給されることを判定できる値であればよく、Lowブレーキ32が所定のスリップ状態となる値である。ステップS103で判定されたように回転速度差が所定値よりも大きくなっており、この状態でLowブレーキ32のトルク容量Tclを大きくすると、Lowブレーキ32が急締結し、締結ショックが大きくなるおそれがある。そのため、ここでは、締結ショックが大きくならない所定のスリップ状態となるように目標トルク容量Tcltを算出する。
【0053】
ステップS206では、コントローラ12は、実ライン圧PLaに基づいて現在のセカンダリプーリ22のベルト容量Tsbを算出し、算出した現在のセカンダリプーリ22のベルト容量Tsbと、現在のLowブレーキ32の入力トルクTcin(=現在のバリエータ20の入力トルクTin×変速比rv)とに基づいて制限トルク容量Tcllimを演算する。トルク容量Tclは、式(5)と同様に式(1)〜(4)を用いて式(7)のように表すことができる。
【0054】
Tcl=((rv2×Ip+Is)/(rv2×Ip))Tsb−(Is/(rv2×Ip))rv×Tin・・・(7)
【0055】
式(7)のTsbに算出した現在のセカンダリプーリ22のベルト容量、Tinに現在のバリエータ20の入力トルクを用いることで、制限トルク容量Tcllimを算出することができる。
【0056】
目標ライン圧PLtに対する実ライン圧PLa(セカンダリプーリ22のベルト容量Tsb)の応答遅れが生じている状態で、Lowブレーキ32のトルク容量Tclが大きくなると、入力されるトルクに対するバリエータ20の耐力が低いため、バリエータ20でベルト滑りが発生するおそれがある。そのため、実ライン圧PLaに基づいて算出したセカンダリプーリ22のベルト容量Tsbに基づいてLowブレーキ32の制限トルク容量Tcllimを算出する。この制限トルク容量Tcllimに基づいてLowブレーキ32のトルク容量Tclが制限されると、バリエータ20でベルト滑りが発生することを抑制することができる。
【0057】
ステップS207では、コントローラ12は、ステップS205によって算出した目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllim以下かどうか判定する。処理は、目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllim以下の場合にはステップS208に進み、目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllimよりも大きい場合にはステップS209に進む。
【0058】
ステップS208では、コントローラ12は、目標トルク容量Tcltを最終トルク容量Tclfとして設定する。
【0059】
ステップS209では、コントローラ12は、制限トルク容量Tcllimを最終トルク容量Tclfとして設定する。
【0060】
ステップS210では、コントローラ12は、最終トルク容量Tclfに基づいてLowブレーキ32のクラッチ指示圧Pclを算出する。クラッチ指示圧Pclは、最終トルク容量Tclfに所定のゲインと安全率とを乗算することで求められる。
【0061】
ステップS211では、コントローラ12は、最終目標ライン圧PLtf、及びクラッチ指示圧Pclに基づいてライン圧PL、及びLowブレーキ32に供給する油圧を制御する。また、コントローラ12は、トルクダウンを行う必要がある場合にはトルクダウン量Tdownに基づいてエンジン1を制御し、バリエータ20に入力する入力トルクTinを制御する。
【0062】
これらの制御が実行されることで、アンマッチが発生した時の車両の状態に合わせてバリエータ20でベルト滑りが発生することを防止することができる。
【0063】
次にアンマッチ制御について図6のタイムチャートを用いて説明する。
【0064】
シフトレバー50がNレンジとDレンジとの間に保持され、時間t0において、回転速度差が所定値よりも大きくなり、アンマッチであると判定されると、アンマッチ制御が実行される。アンマッチ制御が実行され、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlimよりも高い場合には、上限ライン圧PLlimが最終目標ライン圧PLtfとして設定され、ライン圧PLは上限ライン圧PLlimに制限される。また、ライン圧PLの制限に応じてトルクダウン量Tdownが算出され、トルクダウン量Tdownに基づいてエンジントルクTeが低下する。また、目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllimよりも大きい場合には、制限トルク容量Tcllimが最終トルク容量Tclfとして設定され、制限トルク容量Tcllimに基づいてLowブレーキ32のクラッチ指示圧Pclが算出され、クラッチ指示圧Pclに基づいてLowブレーキ32の油圧が低下する。なお、アンマッチであると判定されると、Lowブレーキ32の締結時のショックを低減するために、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2cの締結が禁止されるので、ここでは、エンジン回転速度に対してタービン回転速度が低下している。
【0065】
時間t1において、シフトレバー50がDレンジに操作されると、回転速度差が小さくなる。
【0066】
時間t2において、アンマッチ制御を終了する。なお、アンマッチ制御を終了する場合には、アンマッチが解消したことを正確に判定するために、回転速度差が所定値以下となった状態が所定時間経過することを終了条件としている。
【0067】
本発明の実施形態の効果について説明する。
【0068】
バリエータ20を搭載した車両において、アンマッチが生じた場合に、Lowブレーキ32の指示トルク容量Tclと、バリエータ20の入力トルクTinに基づいて算出されたベルト容量Tsbとに基づいて目標ライン圧PLtを算出し、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlimよりも高い場合に、上限ライン圧PLlimに基づいてトルクダウン量Tdownを算出し、入力トルクTinと、実ライン圧PLaに基づいて算出したベルト容量Tsbとに基づいて制限トルク容量Tcllimを算出し、目標ライン圧PLt、トルクダウン量Tdown、及び制限トルク容量Tcllimに基づいてバリエータ20におけるベルト滑りを抑制する。これにより、アンマッチが生じるシーンに応じてベルト滑りを抑制することができ、停車中、走行中にアンマッチが生じても、アンマッチが生じた時の車両の状態に合わせてベルト滑りを抑制することができる。
【0069】
入力トルクTinと実ライン圧PLaに基づいて算出したベルト容量Tsbとに基づいて制限トルク容量Tcllimを算出し、制限トルク容量Tcllimに基づいてLowブレーキ32のクラッチ指示圧Pclを制御することで、実ライン圧PLaに応答遅れが生じた場合でも、ベルト滑りの発生を抑制することができる。
【0070】
目標ライン圧PLt、または上限ライン圧PLlimに基づいてライン圧PLを制御し、トルクダウン量Tdownに基づいてエンジントルクTeを制御し、制限トルク容量Tcllimに基づいてLowブレーキ32の油圧を制御することで、アンマッチが生じた時の車両の状態に合わせてベルト滑りを抑制することができる。
【0071】
目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlimよりも高い場合には、上限ライン圧PLlimに基づいてライン圧PLを制御することでベルト滑りが発生することを抑制し、目標ライン圧PLtが上限ライン圧PLlim以下の場合には、目標ライン圧PLtに基づいてライン圧PLを制御することでベルト滑りが発生することを抑制する。これにより、供給可能なライン圧PLに基づいてベルト滑りの発生を抑制することができる。
【0072】
目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllimよりも大きい場合には、制限トルク容量Tcllimに基づいてLowブレーキ32の油圧(トルク容量Tcl)を制御することでベルト滑りが発生することを抑制し、目標トルク容量Tcltが制限トルク容量Tcllim以下である場合には、目標トルク容量Tcltに基づいてLowブレーキ32の油圧を制御することでベルト滑りが発生することを抑制する。これにより、実ライン圧PLaの応答遅れによってベルト滑りが発生するおそれがある場合には、Lowブレーキ32の油圧を制限し、ベルト滑りの発生を抑制し、実ライン圧PLaの応答遅れによってベルト滑りが発生するおそれがない場合には、Lowブレーキ32の油圧を目標トルク容量Tcltに基づいて大きくし、Lowブレーキ32を素早く締結することができる。
【0073】
インヒビタスイッチ45の信号が走行レンジであり、Lowブレーキ32に連通する油路がマニュアルバルブによってドレーン状態となっている場合に、アンマッチであると判定する。このようなアンマッチが生じた場合に、シフトレバー50が走行レンジとなり、マニュアルバルブによってLowブレーキ32に連通する油路に油圧が供給されると、インヒビタスイッチ45の信号に基づいて調圧弁におけるクラッチ指示圧が既に高くなっていることがあり、例えば締結時の最大油圧がLowブレーキ32へ供給され、Lowブレーキ32が急締結し、大きな締結ショックは発生するとともに、ベルト滑りが発生するおそれがある。本実施形態ではこのような場合に、上記したアンマッチ制御を実行することで、締結ショックを抑制するとともに、ベルト滑りの発生を抑制することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0075】
本実施形態では、セカンダリプーリ圧に基づいてライン圧を設定する片調圧タイプの変速機について説明したが、セカンダリプーリ圧、プライマリプーリ圧のうち高い油圧に基づいてライン圧を設定する両調圧タイプの変速機であってもよい。両調圧タイプの変速機では、目標ライン圧PLtは、ベルト滑りが発生しないセカンダリプーリ圧、及びプライマリプーリ圧とを比較して設定される。
【0076】
なお、前後進切替機構や、チェーン式無段変速機構などを有する車両で上記アンマッチ制御を実行してもよい。
【0077】
本願は2014年3月4日に日本国特許庁に出願された特願2014−41470に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6