【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、少なくともネオンと第1希ガスとを含む混合希ガスを第1圧力で供給する供給ラインと、当該混合希ガスを利用するレーザ装置と、少なくとも当該レーザ装置から排出される排出ガスを大気圧以上であって当該第1圧力以下である第2圧力で排出する排出ラインと、を有する製造システムから排出される排ガスからネオンを回収精製するネオン回収精製システムであって、
前記排出ラインから分岐して延びる排ガス経路に配置される、前記排ガスを貯留する回収容器と、
前記回収容器より排ガス経路下流側に配置され、前記回収容器から送り出される前記排ガスの圧力を第3圧力へ昇圧するコンプレッサーと、
前記コンプレッサーより排ガス経路下流側に配置され、排ガス経路下流に送られる、コンプレッサーで昇圧された前記排ガスの流量を調整する排ガス流量調整部と、
前記排ガス流量調整部より排ガス経路下流側に配置され、前記排ガスから第1不純物を除去する第1不純物除去部と、
前記第1不純物除去部より排ガス経路下流側に配置され、前記第1不純物除去後の排ガスから第2不純物を除去する第2不純物除去部と、
前記第2不純物除去部より精製ガス経路下流側に配置され、前記第1不純物除去処理および第2不純物除去処理が施された精製ガスを貯留する昇圧容器と、
前記昇圧容器より精製ガス経路下流側に配置され、前記昇圧容器から送り出される前記精製ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する減圧手段と、
前記減圧手段より精製ガス経路下流側に配置され、前記製造システムの前記供給ラインへ供給される前記精製ガスの流量を調整する精製ガス流量調整部と、
を有する。
【0009】
この構成によれば、回収容器を備えることで排ガスを貯留して一定量に達したら、コンプレッサーで第1圧力以上の一定圧に昇圧させ、かつ排ガス流量調整部によって一定流量の排ガスを後段の第1不純物除去部、第2不純物除去部に連続的に送り込むことができるため第1、第2不純物の除去処理性能を確保でき、第1希ガスおよびネオンガスの精製ガスを好適に得られる。
そして、昇圧容器で精製ガスを貯留して一定量に達したら、減圧手段で第1圧力に減圧させ、かつ精製ガス流量調整部によって一定流量の精製ガスを供給ラインに送り込むことができるため、混合希ガスと精製ガスとの混合を精度よく制御できる。よって、従来よりも簡単な構成で半導体製造装置などの製造システムに接続して、排ガスから第1、第2不純物を分離し、精製ガスを回収して、再び製造システムに供給できる。
【0010】
第2の発明は、少なくともネオンと第1希ガスとを含む混合希ガスを第1圧力で供給する供給ラインと、当該混合希ガスを利用するレーザ装置と、少なくとも当該レーザ装置から排出される排出ガスを大気圧以上であって当該第1圧力以下である第2圧力で排出する排出ラインと、を有する製造システムから排出される排ガスからネオンを回収精製するネオン回収精製システムであって、
前記排出ラインから分岐して延びる排ガス経路に配置される、前記排ガスを貯留する回収容器と、
前記回収容器より排ガス経路下流側に配置され、前記回収容器から送り出される前記排ガスの圧力を第3圧力へ昇圧するコンプレッサーと、
前記コンプレッサーより排ガス経路下流側、好ましくは排ガス経路下流側直近に配置され、前記コンプレッサーで昇圧された前記排ガスを貯留する昇圧容器と、
前記昇圧容器より排ガス経路下流側に配置され、排ガス経路下流に送られる前記排ガスの流量を調整する排ガス流量調整部と、
前記排ガス流量調整部より排ガス経路下流側に配置され、前記排ガスから第1不純物を除去する第1不純物除去部と、
前記第1不純物除去部より排ガス経路下流側に配置され、前記第1不純物除去後の排ガスから第2不純物を除去する第2不純物除去部と、
前記第2不純物除去部より精製ガス経路下流側に配置され、前記第2不純物除去部から送り出される前記精製ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する減圧手段と、
前記減圧手段より精製ガス経路下流側に配置され、前記製造システムの前記供給ラインへ供給される前記精製ガスの流量を調整する精製ガス流量調整部と、を有する。
【0011】
この構成によれば、回収容器を備えることで排ガスを貯留して一定量に達したら、コンプレッサーで第1圧力以上の一定圧に昇圧させた後で昇圧容器に貯留させておき、排ガス流量調整部によって一定流量の排ガスを後段の第1不純物除去部、第2不純物除去部に連続的に送り込むことができるため第1、第2不純物の除去処理性能を確保でき、第1希ガスおよびネオンガスの精製ガスを好適に得られる。
そして、第2不純物除去部の後段に配置された減圧手段で第1圧力に減圧させ、かつ精製ガス流量調整部によって一定流量の精製ガスを供給ラインに送り込むことができるため、混合希ガスと精製ガスとの混合を精度よく制御できる。よって、従来よりも簡単な構成で半導体製造装置などの製造システムに接続して、排ガスから第1、第2不純物を分離し、精製ガスを回収して、再び製造システムに供給できる。
【0012】
上記第2の発明において、前記昇圧容器は、前記コンプレッサーより排ガス経路下流側の直近に配置されることが好ましい。「直近」は、例えば、コンプレッサーと昇圧容器とを連結する配管の長さが50m以内、好ましくは30m以内、より好ましくは20m以内である。
【0013】
上記第1、2の発明において、前記減圧手段として、例えば、減圧弁が挙げられる。
【0014】
上記第1、2の発明において、以下の構成が例示される。
前記混合希ガスは、主成分がネオンであり、第1希ガスが総量に対し1〜10%、好ましくは、1〜8%である。混合希ガスには、不純物が含まれていてもよい。混合希ガス中の不純物としては、例えば、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水などが挙げられる。
前記第1希ガスは、例えば、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)のうちいずれか1種または複数種を含む。
第1希ガスの配合比は、例えば、混合希ガス総量に対しアルゴンが1〜5%、混合希ガス総量に対しクリプトンが1〜15%、キセノンが1ppm〜100ppmが挙げられる。
前記製造システムは、例えば、半導体露光装置などの半導体製造装置、精密加工装置、外科的医療装置などが挙げられる。
前記レーザ装置は、例えば、クリプトン・フッ素(KrF)エキシマレーザ発振器を備える装置が挙げられる。
前記背圧弁の排ガス経路上における前後に仕切弁が配置されることが好ましい。制御部が背圧弁を制御してもよい。
前記第1圧力は、製造システムの仕様に対応して設定されるが、通常大気圧よりも高い圧力であり、例えば、ゲージ圧で300KPa以上〜700KPaの範囲、好ましくは400KPa以上〜700KPaの範囲、より好ましくは500KPa以上〜700KPaの範囲が例示される。
前記第2圧力は、大気圧以上であって前記第1圧力以下であり、例えば、ゲージ圧で50KPa〜200KPaの範囲が挙げられる。
前記第3圧力は、前記第1圧力よりも大きい値であり、例えば、第1圧力と第3圧力の差がゲージ圧で50KPa〜150KPaの範囲である。
前記コンプレッサーは、その排ガス経路下流側に配置される圧力計の測定値に基づいて排ガスの圧力を制御する構成であることが好ましい。制御部がコンプレッサーを制御してもよい。
前記排ガス流量調整部は、ガス流量計と、ガス流量調整弁とを有し、ガス流量計の測定値に応じて弁を調整しガス流量を制御することが好ましい。制御部が、排ガス流量調整部を制御してもよい。
前記第1不純物は、排ガス成分中で最も多く含まれる不純物であり、例えば酸素が挙げられる。
前記第1不純物除去部は、第1不純物が酸素である場合、脱酸素装置であり、酸化マンガン反応剤や酸化銅反応剤が充填された構成が例示される。酸化マンガン反応剤としては、一酸化マンガンMnOなどの反応剤、二酸化マンガンMnO2の反応剤、吸着剤をベースとした酸化マンガン反応剤が挙げられる。酸化銅反応剤としては、例えば、酸化銅CuOなどの反応剤、吸着剤をベースとした酸化銅反応剤が挙げられる。
前記第2不純物は、排ガス成分中で最も多く含まれる不純物を除いた成分であり、例えば、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水、CF
4などが挙げられる。
前記第2不純物除去部は、第2不純物が酸素以外の成分(窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水、CF
4)である場合、化学吸着剤が充填されたゲッターが挙げられる。
第1、第2不純物除去部の配置は、排ガス含有量(あるいは除去部で除去可能な量)に対応して配置され、含有量の多い不純物を除去するための除去部を前段に配置することが好ましい。
前記減圧弁は、その精製ガス経路下流側に配置される圧力計の測定値に基づいて精製ガスの圧力を制御する構成であることが好ましい。ネオン回収精製システムが有する制御部が減圧弁を制御してもよい。
前記精製ガス流量調整部は、ガス流量計と、ガス流量調整弁とを有し、ガス流量計の測定値に応じて弁を調整しガス流量を制御することが好ましい。ネオン回収精製システムが有する制御部が、精製ガス流量調整部を制御してもよい。
前記排ガス経路は、前記排出ラインあるいは排出ラインから分岐された位置から前記不純物除去部までの排ガスの流通経路(配管)をいう。
前記精製ガス経路は、前記不純物除去部から前記供給ラインと合流する位置までの精製ガスの流通経路(配管)をいう。
前記供給ラインは、ハロゲン(F
2)ガスを第1圧力で供給するハロゲン供給ラインをさらに有してもよい。
【0015】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、
前記第2不純物除去部から送り出される精製ガスを大気中へ排出する経路であるベント経路を、さらに有する。ベント経路は、精製ガス経路から分岐して設けられ、ベント経路に自動仕切弁または手動仕切弁が配置される。第1の発明において、例えば、前記昇圧容器の貯留容量を超える場合、自動仕切弁または手動仕切弁を開けて、大気中へ精製ガスを排出するように調整できる。昇圧容器に貯留容量を検出する検知部を配置し、制御部が検知部の検知に基づいて自動仕切弁を開ける制御を行うことができる。
【0016】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、前記第1希ガスがクリプトン(Kr)である。この場合、クリプトンとネオンの混合希ガスである。
【0017】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、
前記第1希ガスがアルゴン(Ar)であって、さらに第2希ガスとしてキセノン(Xe)を含み、
前記第1不純物除去部と前記第2不純物除去部との間に、前記キセノンを除去するキセノン除去部と、
ネオンとキセノンの補助希ガスを、前記精製ガス流量調整部より精製ガス経路下流の位置で精製ガス経路に供給する補助希ガス供給経路と、をさらに有する。
【0018】
この構成によれば、混合希ガスにキセノンが含まれている場合に、キセノン除去部をさらに配置させる構成である。第1不純物が酸素で、残りの不純物が第2不純物である場合は、排ガス中のキセノン含有量が酸素のそれよりも少なく、第2不純物のそれよりも多く含まれている可能性が高いため、第1不純物除去部と前記第2不純物除去部との間にキセノン除去部を配置することが好ましい。キセノン除去部は、例えば、活性炭やゼオライト系の吸着剤が充填された構成が挙げられる。
【0019】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、
前記補助希ガス供給経路配置され、ネオンとキセノンの補助希ガスを貯留する補助容器と、
前記補助希ガス供給経路に配置され、前記補助容器から送り出される補助希ガスの圧力を前記第1圧力へ補助希ガスを減圧する補助希ガス減圧弁と、
前記補助希ガス供給経路に配置され、前記補助希ガスの流量を調整する補助希ガス流量調整部と、をさらに有する。
【0020】
この構成によれば、補助希ガスは、主成分がネオンであり、キセノン含有量が総量に対し一定比(例えば10%)である。但し、補助希ガスには微量の不純物が含まれていてもよい。これにより、キセノン含有量が多い補助希ガスを、キセノンが除去された精製ガス(主成分ネオンガス)に混合させて、供給ライン側の混合希ガス中のキセノン含有量になるように調整できる。
前記補助希ガス減圧弁は、それよりも補助希ガス供給経路下流側に配置される圧力計の測定値に基づいて補助希ガスの圧力を制御する構成であることが好ましい。ネオン回収精製システムが有する制御部が補助希ガス減圧弁を制御してもよい。
前記補助希ガス流量調整部は、ガス流量計と、ガス流量調整弁とを有し、ガス流量計の測定値に応じて弁を調整しガス流量を調整することが好ましい。ネオン回収精製システムが有する制御部が、補助希ガス流量調整部を制御してもよい。
【0021】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、
前記排出ラインに配置され、かつ前記製造システムから第2圧力で排出される少なくとも酸素を含む排ガスを貯留するバッファ容器と、
前記バッファ容器から送りだされる前記排ガスを大気中へ排出する経路である予備ベント経路と、をさらに有する。予備ベント経路は、排出ラインから分岐して設けられ、予備ベント経路に自動仕切弁または手動仕切弁が配置される。これにより、例えば、前記回収容器の貯留容量を超える場合、自動仕切弁または手動仕切弁を開けて、排ガスを大気中へ排出するように調整できる。回収容器に貯留容量を検出する検知部を配置し、制御部が検知部の検知に基づいて自動仕切弁を開ける制御を行うことができる。あるいは、背圧弁が開いていない場合において、バッファ容器の貯留容量を超える場合、自動仕切弁または手動仕切弁を開けて、大気中へ排出するように調整できる。バッファ容器に貯留容量を検出する検知部を配置し、制御部が検知部の検知に基づいて自動仕切弁を開けるように制御を行うことができる。
【0022】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、
前記供給ラインに配置され、かつ前記混合希ガスを貯留する供給容器と、
前記供給ラインに配置され、かつ前記供給容器から送り出される混合希ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する混合希ガス減圧手段と、
前記供給ラインに配置され、かつ前記供給容器から送り出させる前記混合希ガスの供給量を制御する混合希ガス流量調整部と、を有する。
前記混合希ガス減圧手段が、前記供給容器と前記混合希ガス流量調整部との間に配置されることが好ましい。
前記混合希ガス減圧手段は、それよりも供給ライン下流側に配置される圧力計の測定値に基づいて混合希ガスの圧力を制御する構成であることが好ましい。製造システムの制御部あるいはネオン回収精製システムが有する制御部が混合希ガス減圧手段を制御してもよい。
前記混合希ガス減圧手段としては、例えば、減圧弁が挙げられる。
前記混合希ガス流量調整部は、ガス流量計と、ガス流量調整弁とを有し、ガス流量計の測定値に応じて弁を調整しガス流量を調整することが好ましい。
前記精製ガス経路は、前記混合希ガス流量調整部よりも供給ライン下流側に接続されることが好ましい。
【0023】
上記第1、第2の発明の一実施形態として以下の構成が挙げられる。
前記第1不純物除去部に対する第1バイパスラインを有していてもよい。
前記第2不純物除去部に対する第2バイパスラインを有していてもよい。
前記キセノン除去部に対する第3バイパスラインを有していてもよい。
第1〜第3バイパスラインにはそれぞれ、仕切弁が配置されている。バイパス処理時に仕切弁が開放される構成である。
前記第1不純物除去部は、少なくともその上流側に仕切弁を有する。
前記第2不純物除去部は、少なくともその上流側に仕切弁を有する。
前記キセノン除去部は、少なくともその上流側に仕切弁を有する。
【0024】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、供給ガスと精製ガスを同時に製造システムに供給する構成でもよく、精製ガスのみを供給する構成でもよい。
【0025】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、製造システムの制御部からの命令信号に基づいて、ネオン回収精製システムの制御部が各要素を制御する構成でもよい。
【0026】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、キセノン除去部は、2つのキセノン除去部が並列に配置され、一方で吸着処理を行い、他方で再生処理をする構成でもよい。
【0027】
上記第1、第2の発明の一実施形態として、前記排ガス流量調整部より排ガス経路上流側に、前記排ガスの温度を調整する温度調整部を、さらに有する。温度調整部として、例えば、熱交換器が挙げられる。
上記第1の発明の一実施形態として、温度調整部は、前記コンプレッサーより排ガス経路下流側に配置され、好ましくは前記コンプレッサーと前記排ガス流量調整部との間に配置される。
上記第2の発明の一実施形態として、温度調整部は、前記昇圧容器より排ガス経路下流側に配置され、好ましくは前記昇圧容器と前記排ガス流量調整部との間に配置される。
【0028】
この構成によれば、排ガス温度を所定温度に調整することができる。例えば、コンプレッサーで昇圧されると共に上昇した排ガス温度(例えば、60〜80℃)を所定温度(例えば15〜35℃)に調整することができる。また、後段の各種除去部における除去作用に適した温度範囲に排ガス温度を調整することができる。
【0029】
第3の発明は、少なくともネオンと第1希ガスとを含む混合希ガスを第1圧力で供給する供給ラインと、当該混合希ガスを利用するレーザ装置と、少なくとも当該レーザ装置から排出される排出ガスを大気圧以上であって当該第1圧力以下である第2圧力で排出する排出ラインと、を有する製造システムから排出される排ガスからネオンを回収精製するネオン回収精製方法であって、
前記排出ラインから分岐して延びる排ガス経路に配置される前記排ガスを回収容器に貯留する第1回収工程と、
前記回収容器から送り出される前記排ガスの圧力を第3圧力へ昇圧する昇圧工程と、
前記昇圧工程で昇圧された前記排ガスの流量を調整する排ガス流量調整工程と、
前記排ガス流量調整工程により調整された前記排ガスから第1不純物を除去する第1不純物除去工程と、
前記第1不純物除去工程における前記第1不純物除去後の排ガスから第2不純物を除去する第2不純物除去工程と、
前記第1不純物除去工程および第2不純物除去工程の各処理が施された精製ガスを昇圧容器に貯留する第2回収工程と、
前記昇圧容器から送り出される前記精製ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する減圧工程と、
前記減圧工程で減圧された前記精製ガスであって、前記製造システムの前記供給ラインへ供給される前記精製ガスの流量を調整する精製ガス流量調整工程と、を含む。
【0030】
この構成によれば、回収容器を備えることで排ガスを貯留して一定量に達したら、第1圧力以上の一定圧に昇圧させ、かつ排ガス流量調整工程によって一定流量の排ガスを後段の第1不純物除去工程、第2不純物除去工程に連続的に処理させることができるため第1、第2不純物の除去処理性能を確保でき、第1希ガスおよびネオンガスの精製ガスを好適に得られる。
そして、昇圧容器で精製ガスを貯留して一定量に達したら、減圧工程で第1圧力に減圧させ、かつ精製ガス流量調整工程によって一定流量の精製ガスを供給ラインに送り込むことができるため、混合希ガスと精製ガスとの混合を精度よく制御できる。よって、従来よりも簡単な構成で半導体製造装置などの製造システムにおいて、排ガスから第1、第2不純物を分離し、精製ガスを回収し、再び製造システムに供給できる。
【0031】
第4の発明は、少なくともネオンと第1希ガスとを含む混合希ガスを第1圧力で供給する供給ラインと、当該混合希ガスを利用するレーザ装置と、少なくとも当該レーザ装置から排出される排出ガスを大気圧以上であって当該第1圧力以下である第2圧力で排出する排出ラインと、を有する製造システムから排出される排ガスからネオンを回収精製するネオン回収精製方法であって、
前記排出ラインから分岐して延びる排ガス経路に配置される前記排ガスを回収容器に貯留する第1回収工程と、
前記回収容器から送り出される前記排ガスの圧力を第3圧力へ昇圧する昇圧工程と、
前記昇圧工程で昇圧された前記排ガスを昇圧容器で貯留する第2回収工程と、
前記昇圧容器より送りだされる前記排ガスの流量を調整する排ガス流量調整工程と、
前記排ガス流量調整工程により調整された前記排ガスから第1不純物を除去する第1不純物除去工程と、
前記第1不純物除去工程における前記第1不純物除去後の排ガスから第2不純物を除去する第2不純物除去工程と、
前記第2不純物除去工程の処理が施された精製ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する減圧工程と、
前記減圧工程で減圧された前記精製ガスであって、前記製造システムの前記供給ラインへ供給される前記精製ガスの流量を調整する精製ガス流量調整工程と、を含む。
【0032】
この構成によれば、回収容器を備えることで排ガスを貯留して一定量に達したら、コンプレッサーで第1圧力以上の一定圧に昇圧させた後で昇圧容器に貯留させておき、排ガス流量調整工程によって一定流量の排ガスを後段の第1不純物除去工程、第2不純物除去工程に連続的に処理させることができるため第1、第2不純物の除去処理性能を確保でき、第1希ガスおよびネオンガスの精製ガスを好適に得られる。
そして、第2不純物除去工程の後段で第1圧力に減圧させ、かつ精製ガス流量調整工程によって一定流量の精製ガスを供給ラインに送り込むことができるため、混合希ガスと精製ガスとの混合を精度よく制御できる。よって、従来よりも簡単な構成で半導体製造装置などの製造システムに接続して、排ガスから第1、第2不純物を分離し、精製ガスを回収して、再び製造システムに供給できる。
【0033】
上記第4の発明において、前記第2回収工程は、前記昇圧工程の昇圧処理の直後に昇圧された前記排ガスを昇圧容器で貯留することが好ましい。昇圧処理された排ガスが昇圧容器に貯留されるまでの時間が5分以内、好ましくは3分以内、より好ましくは1分以内である。
【0034】
上記第3、第4の発明の一実施形態として、前記第2不純物除去工程を経た精製ガスをベント経路から大気中へ排出する排出工程をさらに含む。
【0035】
上記第3、第4の発明の一実施形態として、前記第1希ガスがアルゴン(Ar)であって、さらに第2希ガスとしてキセノン(Xe)を含み、
前記第1不純物除去工程と前記第2不純物除去工程との間に、前記キセノンを除去するキセノン除去工程と、
前記精製ガス流量調整工程後の精製ガス経路に、ネオンとキセノンの補助希ガスを供給する補助希ガス供給工程と、をさらに含む。
【0036】
上記第3、第4の発明の一実施形態として、ネオンとキセノンを含む補助希ガスの圧力を前記第1圧力へ減圧する補助希ガス減圧工程と、
前記補助希ガスの供給量を制御する補助希ガス流量調整工程と、をさらに含む。
【0037】
上記第3、第4の発明の一実施形態として、前記昇圧工程と前記排ガス流量調整工程との間で、前記排ガスの温度を低下させる熱交換工程をさらに含む。