特許第6209713号(P6209713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6209713
(24)【登録日】2017年9月15日
(45)【発行日】2017年10月4日
(54)【発明の名称】幌カバー付き軽トラック
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/04 20060101AFI20170925BHJP
【FI】
   B60P7/04 Z
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-132919(P2017-132919)
(22)【出願日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年7月6日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517060030
【氏名又は名称】西田 稔
(72)【発明者】
【氏名】西田 稔
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−080842(JP,U)
【文献】 特開平11−291811(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175587(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/04
B60J 7/10
B62D 33/02
E04H 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幌カバーと、骨組みパイプと、あおりパイプ固定具と、差し枠パネルと、脱落ガタ防止手段と、で構成される幌カバー付き軽トラックであって、
前記幌カバーは、天面部が両側に傾斜する切妻状に形成されると共に、側面立ち上がり部が垂れ幕状に形成され、さらに該天面部と側面立ち上がり部には其々が開口可能なファスナー部を設けて成り、
前記骨組みパイプは、複数の連結パイプと連結継手の組み合わせによって前記幌カバーの骨組みを形成する形状に組み立てられて成り、
前記あおりパイプ固定具は、上方には脱落防止手段と連結固定手段を備える略コの字状の上部狭持部を外側且つ下向きに形成すると共に、下方部には略コの字状の下部狭持部を内側且つ上向きに形成して軽トラックのあおりの複数の所定箇所に配置して成り、
前記差し枠パネルは、市販の建築養生用のコンクリートパネルを軽トラックの荷台の側面内に対向させて収まる所用の奥行幅ならび高さ寸法を有する形状に形成すると共に、下端部をあおりパイプ固定具の下部狭持部に差し込んで狭持固定して成り、
前記脱落ガタ防止手段は、あおり延長パイプに挿通される固定嵌合部と、前記差し枠パネルの上端面を狭持する略U字状の狭持部を備えて成り、
組み立て時において、前記あおりパイプ固定具の上部狭持部を軽トラックのあおりの上端部に差し込んで連結固定すると共に、軽トラックのあおりと前記骨組みパイプを連結固定し、さらに前記あおりパイプ固定具の下部狭持部に前記差し枠パネルを差し込むと共に、前記脱落ガタ防止手段によって前記差し枠パネルの上端面を狭持した状態で前記骨組みパイプの上方から前記幌カバーを被覆して組み立てられることを特徴とする幌カバー付き軽トラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽トラックの荷台に増設される幌カバーと差し枠パネルを安定的に立設させると共に、荷台のあおりに確実に固定でき、且つ現場での取り付け取り外しが容易にできる幌カバー付き軽トラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軽トラックが利用されている農業、漁業、林業の分野においては、日常的な交通手段としてはもとより生産物、資材、肥料、土壌など多様な積載物の運搬手段として広く使用されている。一方、機械や食品製造業の分野においては、梱包製品や箱詰めされた商品の流通移動手段として広く使用されている。他方、サービス業、運送業、販売業の分野においては、書類、什器、宅配品、販売品などの配達手段の一つとして多様に使用されている。以上のように、従来における軽トラックの活用方法は、各産業分野に亘って多様に利用され、その利用目的に合わせて荷台の積載手段も各メーカーや専門業者によって多様な形状を以って提供されている。
【0003】
上記における具体的な提案例としては、荷崩れ防止構造物を構成する支柱部材等の立設部材を、車両荷台のあおりの上部に、簡易なボルト固定手段によって安全且つ簡易に固定することができる「車両荷台のあおりに対する立設部材の固定装置及び該固定装置を構成する固定枠部材の装着方法」(特許文献1)が提案され、公知技術となっている。
【0004】
しかしながら、係る「車両荷台のあおりに対する立設部材の固定装置及び該固定装置を構成する固定枠部材の装着方法」の提案は、立設部材の下端に固定される固定枠部材と、固定枠部材に螺合される水平固定ボルトと、垂直固定ボルトを具える。固定枠部材は、あおりの上部の水平板部に載置される水平片部と、その内外端で下方に突出する内側垂下片部と外側垂下片部と、外側垂下片部の下端で内方に突出する突出片部を具える。外側垂下片部の下側部分に前記水平固定ボルトが螺合され、突出片部に前記垂直固定ボルトが螺合されている。内側垂下片部と外側垂下片部との間にあおりの上部を嵌入し、この嵌入状態で水平固定ボルト及び垂直固定ボルトを締め付けることにより固定枠部材をあおりの上部に固定できるようにして、車両荷台のあおりの上部に対する支柱部材等の立設部材の固定を、簡易なボルト固定手段によって安全に固定することを目的とするあおりの提案であって、該提案を実施するにあたっては固定枠部材を車両のあおりの上部に直接固定する手段を採用していることから、車両のあおりが上げられていることが前提条件となるもので、あおりを上げた状態で軽トラックの側面からの積載物の出し入れができないといった構造上の問題があるものであった。
【0005】
また、トラック本体に対する振動を抑えることが可能な「トラックのあおり補助部材」が(特許文献2)が提案され、公知技術となっている。
【0006】
しかしながら、係る「トラックのあおり補助部材」の提案は、あおり補助部材を構成する側用部材は、側あおりに沿ってその上側に設けられる平板状の枠体と、当該枠体に取り付けられた2つの支柱とを備える。支柱は、その先端に、第1平板部、第2平板部及び第3平板部からなるクランク状のステーを備える。側用部材は、第2平板部の下面が荷台の上面に当接すると共に、第3平板部の裏面が荷台の側面に当接するように、荷台の周縁に取り付けられる。側あおりが閉じている状態では、側あおりの下面が第2平板部の上面に当接し、第2平板部が側あおりと荷台とに挟み込まれるように構成される。これにより、側用部材は、側あおり及び荷台により固定できるようにした提案であって、該提案は、側用部材に取り付けられている支柱が単に側あおりと荷台との間に挟み込まれる手段を採っていることによって、補助部材自体があおりを利用して自立する構造(両側の側用部材と後用部材が組み立てられた状態において初めて自立する構造)を採用していることから、あおり補助部材を組み立てる際は一人作業が困難なものであると共に、支柱が積載物の外側にかかる荷重をまともに受けるため支柱自体の剛性を高めなければならずその結果、荷台の内側にその剛性手段を構築しなければならないことから、結果的に荷台容量を減らすことになると共に、そのリブ等で形成される剛性手段に流動物や箱物が引っ掛かって作業がやりづらいといった構造上の問題があるものであった。
【0007】
また、雪運びや堆肥運びに利用できるように積載量を増大させることができる「軽トラックのコンパネ用コーナーブラケット」が(特許文献3)が提案され、公知技術となっている。
【0008】
しかしながら、係る「軽トラックのコンパネ用コーナーブラケット」の提案は、コンパネ用コーナーブラケットは、開口側が外向きになるように互いに90°の角度で背中向きに配置した断面U字形鋼材からなるコンパネ支持ブラケットと、該コンパネ支持ブラケットの上下端を連結固定する正三角形の上板及び正方形の底板と、一方のコンパネ支持ブラケットの中間位置及び下端位置で閉鎖端の外側側壁から他方のコンパネ支持ブラケットの幅を越えて平行に延長した取付固定片と、他方のコンパネ支持ブラケットの中間位置及び下端位置で閉鎖端の外側側壁から前記取付固定片へ突き当って支持する支持固定片とから構成されることから、コンパネ用コーナーブラケットを軽トラックの荷台にボルト等で固着しなければならず、さらに、荷台の四隅にコーナーブラケットが立設していることによって積載物の積み込みならびに積み下ろし作業のやり辛さならびに作業効率が極めて悪いといった問題があると共に、コンパネ用コーナーラックに脱落防止手段が設けられていないことから、コンパネの交差部を固定するコンパネ用コーナーラックが走行中の振動などでコンパネから外れてから脱落する可能性があるものであった。
【0009】
本出願人は、上記における軽トラックのあおりを利用した差し枠パネルの構造上の問題点に着目し、従来の差し枠パネルにおける積載作業の効率化、固定構造の簡易化ならびに軽量化を図り、さらに現場での取り付け取り外しが容易にできる共に、天候に左右されず、多様な目的に対応できる幌カバー付き軽トラックの提供ができないものかという着想の下、軽トラックの荷台に増設される差し枠パネルを安定的に立設させると共に、荷台のあおりに確実に固定でき、且つ現場での取り付け取り外しが容易にできる幌カバー付き軽トラックを開発し、本発明における「幌カバー付き軽トラック」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−83850号公報
【特許文献2】実用新案登録第3208263号公報
【特許文献3】実用新案登録第3176414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、軽トラックの荷台に増設される幌カバーと差し枠パネルを安定的に立設させると共に、荷台のあおりに確実に固定でき、且つ現場での取り付け取り外しが容易にできる幌カバー付き軽トラックの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の幌カバー付き軽トラックは、幌カバーと、骨組みパイプと、あおりパイプ固定具と、差し枠パネルと、脱落ガタ防止手段と、で構成される幌カバー付き軽トラックであって、前記幌カバーは、天面部が両側に傾斜する切妻状に形成されると共に、側面立ち上がり部が垂れ幕状に形成され、さらに該天面部と側面立ち上がり部には其々が開口可能なファスナー部を設けて成り、前記骨組みパイプは、複数の連結パイプと連結継手の組み合わせによって前記幌カバーの骨組みを形成する形状に組み立てられて成り、前記あおりパイプ固定具は、上方には脱落防止手段と連結固定手段を備える略コの字状の上部狭持部を外側且つ下向きに形成すると共に、下方部には略コの字状の下部狭持部を内側且つ上向きに形成して軽トラックのあおりの複数の所定箇所に配置して成り、前記差し枠パネルは、市販の建築養生用のコンクリートパネルを軽トラックの荷台の側面内に対向させて収まる所用の奥行幅ならび高さ寸法を有する形状に形成すると共に、下端部をあおりパイプ固定具の下部狭持部に差し込んで狭持固定して成り、前記脱落ガタ防止手段は、あおり延長パイプに挿通される固定嵌合部と、前記差し枠パネルの上端面を狭持する略U字状の狭持部を備えて成り、組み立て時において、前記あおりパイプ固定具の上部狭持部を軽トラックのあおりの上端部に差し込んで連結固定すると共に、軽トラックのあおりと前記骨組みパイプを連結固定し、さらに前記あおりパイプ固定具の下部狭持部に前記差し枠パネルを差し込むと共に、前記脱落ガタ防止手段によって前記差し枠パネルの上端面を狭持した状態で前記骨組みパイプの上方から前記幌カバーを被覆して組み立てられる手段を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、幌カバーと、骨組みパイプが軽トラックのあおりを利用して固定される手段を採用していることによって、走行中における幌カバーと骨組みパイプの固定ならびに脱落防止が確実に図れるといった優れた効果を奏する。
【0014】
また、本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、構成部品が簡易構造であるため、分解組み立てが容易にでき、さらに現場での取り付け取り外し作業が容易にできるといった優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、差し枠パネルを市販のコンパネを利用することで製品自体のコストダウンが図れると共に、コンパネ自体をユーザー自身が購入することで流通段階の運送費の節約が図れるといった優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、軽トラックの荷台の側方を差し枠パネルで囲むことによって、土砂、肥料などの流動物を容易に運搬ならびに積載することができるといった優れた効果を奏する。
【0017】
また、本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、骨組みパイプに脱落ガタ防止手段が設けられていることによって、差し枠パネルの走行中の脱落を防ぐと共に、走行中のガタによる騒音を防止することができ、さらに差し枠パネルの内外側への倒れ込みを防止することができるといった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明の幌カバー付き軽トラックによれば、幌カバーの大きさが軽トラックの車両外観寸法内に収まる形状で形成されることから、施工道具や工事用材料など小型且つ少量の積載物をコンパクトに収納することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける実施形態を示す分解斜視図である。(実施例1)
図2】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける使用形態を示す全体斜視図である。
図3】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける連結固定手段を示す説明図である。
図4】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける脱落ガタ防止手段を示す説明図である。
図5】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける別の使用形態を示す分解斜視図である。
図6】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける別の使用形態を示す全体斜視図である。
図7】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける脱落防止手段を示す説明図である。
図8】本発明の幌カバー付き軽トラックにおける連結固定手段を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明における幌カバー付き軽トラック10は、幌カバー20と、骨組みパイプ30と、あおりパイプ固定具40と、差し枠パネル50と、脱落ガタ防止手段60と、で構成される幌カバー付き軽トラック10であって、組み立て時において、あおりパイプ固定具40の上部狭持部41を軽トラックKのあおりDの上端部に差し込んで連結固定すると共に、軽トラックKのあおりDと骨組みパイプ30を連結固定し、さらにあおりパイプ固定具40の下部狭持部46に差し枠パネル50を差し込むと共に、脱落ガタ防止手段60によって差し枠パネル50の上端面を狭持した状態で骨組みパイプ30の上方から幌カバー20を被覆して組み立てられる手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0021】
尚、本発明の幌カバー付き軽トラック10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で、適宜変更することができる。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける実施形態を示す分解斜視図である。
本発明の幌カバー付き軽トラック10は、幌カバー20と、骨組みパイプ30と、あおりパイプ固定具40と、差し枠パネル50と、脱落ガタ防止手段60と、で構成され、組み立て時において、あおりパイプ固定具40の上部狭持部41を軽トラックKのあおりDの上端部に差し込んで連結固定すると共に、軽トラックKのあおりDと骨組みパイプ30を連結固定し、さらにあおりパイプ固定具40の下部狭持部46に差し枠パネル50を差し込むと共に、脱落ガタ防止手段60によって差し枠パネル50の上端面を狭持した状態で骨組みパイプ30の上方から幌カバー20を被覆して組み立てられる。
【0023】
上記における骨組みパイプ30と、あおりパイプ固定具40の構造と脱落防止手段42ならびに連結固定手段43は、あおりパイプ固定具40に連結される連結パイプ31に相当するあおり延長パイプ45の長さが差し枠パネル50の高さ寸法分上方に延長されて形成される。
【0024】
幌カバー20は、天面部21が両側に傾斜する切妻状に形成されると共に、側面立ち上がり部22には下端部に荷役固定バンドの固定嵌合部を形成する垂れ幕状に形成され、さらに該天面部21と側面立ち上がり部22(前方部は除く)には其々が開口可能な位置にファスナー部23が設けられて形成される。
また、使用目的によっては天面部21の形状を後方に傾斜するコンパクトな片流れ状に形成することもできる。
【0025】
骨組みパイプ30は、複数の金属製の連結パイプ31と連結継手32の組み合わせによって幌カバー20の切妻型の骨組みを形成する形状に組み立てられる。
また、骨組みパイプ30の前後に配置されるあおりパイプ固定具40に跨って連結される着脱連結パイプ31aは、積載物の出し入れの際に取り付け取り外しが自在にできる着脱連結手段33を設けて形成される手段を採ることもできる。
【0026】
あおりパイプ固定具40は、上方には脱落防止手段42と連結固定手段43(図3,4参照)を備える略コの字状の上部狭持部41を外側且つ下向きに形成すると共に、下方部には略コの字状の下部狭持部46を内側且つ上向きに形成して軽トラックKのあおりDの複数の所定箇所に配置される。
尚、下方部に設けられる略コの字状の下部狭持部46はコンパネを使用しない仕様とする場合は、軽トラックKの荷台Nの底面に突き当たる平板状の突き当て部によって形成することもできる。
【0027】
差し枠パネル50は、市販の建築養生用のコンクリートパネルを軽トラックKの荷台Nの側面内に対向させて収まる形状に形成し、上端部は差し枠パネル固定具60によって狭持固定し、下端部はあおりパイプ固定具40の下部狭持部46に差し込んで狭持固定し、さらに走行中の脱落ならびにガタを防止する脱落ガタ防止手段50(図8参照)によって係止される。
【0028】
図2は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける使用形態を示す全体斜視図である。
本発明の幌カバー付き軽トラック10は、軽トラックKのあおりDの上端面に設置される骨組みパイプ30を安定的且つ確実に固定でき、さらに現場での幌カバー20の取り付け取り外しが容易にできると共に、幌カバー20の天面部21と側面立ち上がり部22には其々が開口可能な位置にファスナー部23が設けられていることにより、軽トラックKの両側面ならびに後面からの荷物の積み下ろしが容易にできると共に、差し枠パネル50が設けられることによって重量物の積載量を割り増しすることができる幌カバー付き軽トラック10の提供を可能にする。
【0029】
図3は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける連結固定手段を示す説明図である。
本発明における連結固定手段43は、あおりパイプ固定具40の上部狭持部41の上面に形成されるもので、例えば、パイプ受け部44を略コの字状の上部狭持部41の上面に突設すると共に、該パイプ受け部44と連結継手32を連結する所定の長さを有するあおり延長パイプ45が差し込まれる構造を有して形成される。
尚、上記における連結嵌合手段は、例えば、セットビス42d、差し込みピン、ボルトナット、螺合等によって確実に連結固定される。
【0030】
図4は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける脱落ガタ防止手段を示す説明図である。
脱落ガタ防止手段60は、差し枠パネル50が走行中にあおりパイプ固定具40からの脱落することを防ぐと共に、走行中のガタによる騒音を防止する目的で形成されるもので、あおりパイプ固定具40の上端面に立設して連結されるあおり延長パイプ45に挿通される固定嵌合部62と差し枠パネル50の上端面を略U字状の狭持部61で狭持する構造によって達成する形状を有するもので、例えば、図示するような構造を有する手段が考えられる。
【0031】
図4(a)あおり延長パイプ45に挿通される固定嵌合部62と差し枠パネル50の上端面を略U字状の狭持部61で狭持する構造。
【0032】
図4(b)あおり延長パイプ45に挿通されるプレート状の固定嵌合部62と差し枠パネル50の上端面を略U字状の狭持部61で狭持する構造。
【0033】
以上で構成される本発明の脱落ガタ防止手段60は、差し枠パネル50が走行中に軽トラックKの荷台Nからの脱落を防ぐと共に、走行中のガタによる騒音を防止する目的で形成されることから、その形状ならびに構造は特に限定されるものではない。
【0034】
図5は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける別の使用形態を示す分解斜視図である。
本発明の幌カバー付き軽トラック10は、あおり延長パイプ45に対して長さの短い連結パイプ31を使用することによって、差し枠パネル50を装着しない状態で使用することができるもので、軽トラックKのあおりDに差し枠パネル50を装着して積載物を多量に運搬する方法と、単に積載物に幌カバー20をかけて運搬する方法の二通りの使用方法をその時の天候の状況や、積載物の種類に合わせて任意に選択することができる。
【0035】
幌カバー20は、天面部21が両側に傾斜する切妻状に形成されると共に、側面立ち上がり部22には下端部に荷役固定バンドの固定嵌合部を形成する垂れ幕状に形成され、さらに該天面部21と側面立ち上がり部22(前方部は除く)には其々が開口可能な位置にファスナー部23が設けられて形成される。
また、使用目的によっては天面部21の形状を後方に傾斜するコンパクトな片流れ状に形成することもできる。
【0036】
骨組みパイプ30は、複数の金属製の連結パイプ31と連結継手32の組み合わせによって幌カバー20の切妻型の骨組みを形成する形状に組み立てられる。
また、骨組みパイプ30の前後に配置されるあおりパイプ固定具40に跨って連結される着脱連結パイプ31aは、積載物の出し入れの際に取り付け取り外しが自在にできる着脱連結手段33を設けて形成される手段を採ることもできる。
【0037】
あおりパイプ固定具40は、上方には脱落防止手段42と連結固定手段43(図3,4参照)を備える略コの字状の上部狭持部41を外側且つ下向きに形成すると共に、下方部には略コの字状の下部狭持部46を内側且つ上向きに形成して軽トラックKのあおりDの複数の所定箇所に配置される。
尚、下方部に設けられる略コの字状の下部狭持部46はコンパネ(差し枠パネル50)を使用しない場合は、軽トラックKの荷台Nの底面に突き当たる平板状の突き当て部によって形成することもできる。
【0038】
以上で構成される本発明の幌カバー付き軽トラック10は、軽トラックKのあおりDの上端面に設置される骨組みパイプ30を安定的且つ確実に固定でき、さらに現場での幌カバー20の取り付け取り外しが容易にできる幌カバー付き軽トラック10の提供を可能にする。
【0039】
図6は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける別の使用形態を示す全体斜視図である。
本発明の幌カバー付き軽トラック10は、軽トラックKのあおりDの上端面に設置される骨組みパイプ30を安定的且つ確実に固定でき、さらに現場での幌カバー20の取り付け取り外しが容易にできると共に、幌カバー20の天面部21と側面立ち上がり部22には其々が開口可能な位置にファスナー部23が設けられていることにより、軽トラックKの両側面ならびに後面からの荷物の積み下ろしが容易にできる幌カバー付き軽トラック10の提供を可能にする。
【0040】
図7は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける脱落防止手段を示す説明図である。
本発明における脱落防止手段42は、略コの字状の上部狭持部41の外側の側面に形成されるもので、例えば、低頭ボルト42aと締め付け用のナット42bと突き当て用の合成樹脂製のボルトキャップ42cで構成され、図に示すようにあおりパイプ固定具40の上部狭持部41を軽トラックKのあおりDの上端面首下に連結固定する構造を有して形成される。
【0041】
脱落防止手段42の取り付け方法は、あおりパイプ固定具40の上部狭持部41を軽トラックKのあおりDの上端に差し込んでから、上部狭持部41の内側に締め付け用のナット42bとボルトキャップ42cを当てがい、外側から低頭ボルト42aをナット42bの回転を阻止した状態でねじ込み、一定の締め付け状態になったら今度は低頭ボルト42aの回転を阻止した状態にしてナット42bを回転させて低頭ボルト42aの先端を軽トラックKのあおりDの側面に押し付けて固定する。
【0042】
図8は、本発明の幌カバー付き軽トラックにおける連結固定手段を示す説明図である。
本発明における連結固定手段43は、あおりパイプ固定具40の上部狭持部41の上面に形成されるもので、例えば、パイプ受け部44を略コの字状の上部狭持部41の上面に突設すると共に、該パイプ受け部44と連結継手32を連結する所定の長さを有するあおり延長パイプ45が差し込まれる構造を有して形成される。
尚、上記における連結嵌合手段は、例えば、セットビス42d、差し込みピン、ボルトナット、螺合等によって確実に連結固定される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の幌カバー付き軽トラックは、積載作業の効率化、固定構造の簡易化ならびに軽量化に加えて現場での取り付け取り外しが容易であると共に、天候に左右されず、多様な目的に対応できる固定手段を軽トラックの荷台のあおりに内接させると共に、自立する構造で形成されるもので、従来の幌カバーやあおりの固定具と比して、取扱いならびに運搬の容易性、製品価格の経済性、農事作業のやり易さなど第一次産業から第三次産業に跨る各ユーザーの多様な要求を満たすことができると共に、小型ならびに中型の貨物トラックにもユーザーの需要に合わせて装着することができることから、本発明の「幌カバー付き軽トラック」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
【符号の説明】
【0044】
10 幌カバー付き軽トラック
20 幌カバー
21 天面部
22 側面立ち上がり部
23 ファスナー部
30 骨組みパイプ
31 連結パイプ
31a 着脱連結パイプ
32 連結継手
33 着脱連結手段
40 あおりパイプ固定具
41 上部狭持部
42 脱落防止手段
42a 低頭ボルト
42b ナット
42c ボルトキャップ
42d セットビス
43 連結固定手段
44 パイプ受け部
45 あおり延長パイプ
46 下部狭持部
50 差し枠パネル
60 脱落ガタ防止手段
61 狭持部
62 固定嵌合部
K 軽トラック
N 荷台
D あおり
【要約】
【課題】軽トラックの荷台に増設される幌カバーと差し枠パネルを安定的に立設させると共に、荷台のあおりに確実に固定でき、且つ現場での取り付け取り外しが容易にできる幌カバー付き軽トラックの提供を図る。
【解決手段】本発明の幌カバー付き軽トラックは、幌カバーと、骨組みパイプと、あおりパイプ固定具と、差し枠パネルと、脱落ガタ防止手段と、で構成され、組み立て時において、あおりパイプ固定具の上部狭持部を軽トラックのあおりの上端部に差し込んで連結固定すると共に、軽トラックのあおりと骨組みパイプを連結固定し、さらにあおりパイプ固定具の下部狭持部に差し枠パネルを差し込むと共に、脱落ガタ防止手段によって差し枠パネルの上端面を狭持した状態で骨組みパイプの上方から幌カバーを被覆して組み立てられる手段を採る。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8